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外為8時30分 円、小幅高 113円台半ば ユーロは対ドルで大幅高

配信日時:2021/10/29 08:49 配信元:QUICK
 29日早朝の東京外国為替市場で、円相場は小幅に上昇している。8時30分時点は1ドル=113円56銭近辺と前日17時時点と比べて4銭の円高・ドル安だった。米国で7~9月期の成長率が市場予想に届かなかったほか、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が物価上昇への警戒感を崩さなかったことで円やユーロなど主要通貨に対するドル売りが優勢となった。ただ、米株式相場が上昇し、「低リスク通貨」とされる円の上値も限られた。

 28日発表された2021年7~9月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率で2.0%増だった。新型コロナウイルスの感染拡大で個人消費の伸びが鈍り、4~6月期(6.7%)から大幅に鈍化。市場予想も下回り、米景気の減速懸念から円買い・ドル売りが入った。

 ECBは28日開いた理事会で、金融政策の現状維持を決めた。ラガルド総裁が記者会見で、物価上昇について「想定よりも長く続く」との認識を示し、利上げ前倒し観測を否定するには不十分だとの受け止めからユーロ高・ドル安が進んだのも対円でのドル売りにつながった。

 もっとも、円の上値は限られている。28日の米株式市場では主要3指数がそろって上昇し、ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数は過去最高値を更新した。投資家は運用リスクを取りやすくなるとの見方が広がり、「低リスク通貨」とされる円には売りも出た。

 円は対ユーロで下落している。8時30分時点は1ユーロ=132円67~69銭と、同80銭の円安・ユーロ高だった。

 ユーロは対ドルで大きく上昇している。8時30分時点は1ユーロ=1.1683~84ドルと同0.0075ドルのユーロ高・ドル安だった。28日の海外市場では一時1.1692と、9月下旬以来およそ1カ月ぶりの高値をつけた。ECBのラガルド総裁の発言を受けて早期の利上げ観測がくすぶり、ユーロ買い・ドル売りが広がった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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