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外為10時 円、下げ幅拡大 114円台後半、米金利上昇や株高で

配信日時:2021/10/20 10:24 配信元:QUICK
 20日午前の東京外国為替市場で、円相場は下げ幅を広げている。10時時点は1ドル=114円62~63銭と前日17時時点と比べて61銭の円安・ドル高だった。一時114円69銭近辺と2017年11月以来3年11カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけた。日本時間20日の取引で米長期金利が一段と上昇し、日米の金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが増えた。日経平均株価が一時200円あまり上昇したのも「低リスク通貨」とされる円の売りを促した。

 20日は事業会社の決済が集中しやすい「5・10日(ごとおび)」にあたる。国内輸入企業による円売り・ドル買いが増えるとの思惑が相場を下押しした。だが、10時前の中値決済に向けて「ドル需給に目立った偏りはなかった」(国内銀行の為替担当者)との声が聞かれ、売り一巡後は円相場の下げが一服する場面もあった。

 財務省が20日発表した9月の貿易統計(速報、通関ベース)では輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が6228億円の赤字だった。赤字は2カ月連続で、赤字額は市場予想(5192億円)を上回った。自動車輸出が停滞するなか、原油など資源価格の高騰で貿易赤字の状態が続いているのも円相場の重荷となった。

 円は対ユーロでも下げ幅を拡大している。10時時点では1ユーロ=133円35~36銭と、同49銭の円安・ユーロ高だった。日米の株高を背景に対ユーロでも円を売る動きが加速し、一時133円40銭近辺と6月中旬以来の円安・ユーロ高水準をつけた。

 ユーロは対ドルでは高値圏で小動き。10時時点では1ユーロ=1.1633~34ドルと同0.0020ドルのユーロ安・ドル高だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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