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東証前引け 続伸し一時400円超高 200日移動平均意識、円安追い風

配信日時:2021/10/15 11:50 配信元:QUICK
 15日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比369円21銭(1.29%)高の2万8920円14銭で終えた。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇したことで、東京市場でも運用リスクが取りやすくなったとみた投資家が主力銘柄に買いを入れた。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことも、採算改善の観測から自動車など輸出関連株の一部には追い風となった。

 14日に発表された9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇と、8月(0.7%)から伸び率が鈍化し、市場予想も下回った。インフレ加速への警戒が和らぎ、米長期金利が低下。同日の米株式市場では相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株などが買われた。この流れを受け、東京市場でも幅広い銘柄に買いが入った。

 米株価指数先物が日本時間15日午前の取引で上げ幅を広げると、日経平均先物にも短期筋の買いが入って指数を押し上げた。国内の新型コロナウイルスの新規感染が低い水準に抑制されているほか、衆院選に向けた政策期待があり日本株を物色する動きもある。上げ幅は400円を超える場面があった。

 前場中ごろは伸び悩む場面が目立った。テクニカル指標面では75日移動平均線(2万8523円、14日時点)や200日移動平均線(2万8732円、同)を上回った。みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは「200日移動平均を意識した売買が活発になっている」とみていた。

 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに続伸した。

 前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3356億円、売買高は5億2910万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1876と、全体の86%程度を占めた。値下がりは234、変わらずは65だった。

 ファナックやオムロンの上げが目立った。東エレクや三井金、郵船も買われた。一方、ファストリは下落。高島屋や日揮HDも売られた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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