日経QUICKニュース

外為12時 円、下落し113円台前半 一時2年10カ月ぶり安値、原油高が売り圧力に

配信日時:2021/10/12 12:30 配信元:QUICK
 12日午前の東京外国為替市場で、円相場は下落した。12時時点は1ドル=113円26~27銭と前日17時時点と比べて48銭の円安・ドル高だった。原油などエネルギー価格の上昇が日本の貿易赤字拡大につながるとの見方から円売り・ドル買いが優勢だった。国内輸入企業によるドル資金の調達が増えたとの観測もあり、円は一時113円49銭近辺と2018年12月以来2年10カ月ぶりの安値をつけた。

 11日はニューヨーク原油先物相場が一時1バレル82ドル台に乗せ、約7年ぶりの高値をつけた。原油高が続けば、エネルギーを輸入に頼る日本の貿易赤字が拡大していくとの見方につながった。インフレ加速への懸念が欧米で金融政策の正常化を後押しするとの見方も円に対してドルやユーロなど主要通貨を買う動きにつながった。

 もっとも、売りが一巡した後は円相場は下げ渋った。日本時間12日の取引で米原油先物相場の上昇が一服しており、目先の利益確定を目的とした円買い・ドル売りが活発となった。日経平均株価が一時300円あまり下げ、「低リスク通貨」とされる円には歩調をあわせるように買いも入った。9~12時の円の高値は113円25銭近辺で、値幅は24銭程度だった。

 円は対ユーロでも売られ、12時時点は1ユーロ=130円89~90銭と、同36銭の円安・ユーロ高だった。ユーロは対ドルで下落した。12時時点は1ユーロ=1.1556~57ドルと同0.0018ドルのユーロ安・ドル高だった。欧州は米国と比べ金融政策の正常化ペースが鈍いとの見方からユーロ売り・ドル買いが優勢だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

ニュースカテゴリ