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東証前引け 大幅続落、一時900円超安 成長株に売り膨らむ

配信日時:2021/10/05 11:50 配信元:QUICK
 5日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、前日比786円58銭(2.77%)安の2万7658円31銭で終えた。前日の米国市場では、原油高を背景にしたインフレ懸念が改めて意識され、米長期金利上昇への警戒感が一段と強まったことで米株式相場が下げた。この流れを受け、東京市場でも成長(グロース)株を中心に売りが広がった。

 株価指数先物への売りが膨らむと、日経平均の下げ幅が拡大し、一時は980円ほど下げた。取引時間中としては、約1カ月ぶりに2万7500円を下回り、年初来高値(3万0670円)から10%超安となる場面もあった。

 4日に岸田文雄内閣が発足した。三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「海外投資家を中心に新政権に対する高い期待があったが、いったん冷静になっている」と話す。改革期待で買い持ち高を増やした投資家の売りやオプションのポジション調整で株式相場が下落。担保の追加差し入れ(追い証)の発生を回避するための投げ売りも重なって、下げに歯止めがかからない状況になったとの見方が出ていた。

 中国の不動産大手、中国恒大集団を巡る不透明感などグローバルなリスク要因も依然としてくすぶっている。「急いで押し目買いを入れなくても相場に上昇の兆しが見えてから買いに動けばいいという心理が働きやすい」(国内証券)との声もあり、下値を支える買い手の不足も日本株の大幅下落につながった。

 JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、午前終値は前日比1.75%安だった。

 前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆8411億円、売買高は7億8253万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1914と、全体の9割弱を占めた。値上がりは224、変わらずは44だった。

 ファストリが大幅下落。ソフトバンクグループは年初来安値を付けた。ZHDや富士電機の下げも大きかった。一方、INPEXや出光興産は上昇。双日や関西電も上げた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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