日経QUICKニュース

外為12時 円、上昇 111円台前半 日米金利差の縮小で

配信日時:2021/10/01 12:39 配信元:QUICK
 1日午前の東京外国為替市場で円相場は上昇した。12時時点は1ドル=111円26~27銭と前日17時時点と比べて61銭の円高・ドル安だった。9月30日の米長期金利が低下し、日米金利差の縮小で円買い・ドル売りが優勢になった。米国での債務上限問題を巡る不透明感から9月30日のダウ工業株30種平均が下落し、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。米長期金利は1.48%に低下した。

 日本時間1日の取引で米長期金利が1.5%台へ戻す場面では円相場は伸び悩んだが、米長期金利が再び1.4%台に低下すると円買い・ドル売りが改めて増えた。1日の日経平均株価が急落してリスク回避の円買いも入り、9月30日のニューヨーク市場での高値111円24銭近辺に並ぶ場面もあった。

 日銀が1日に発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)では大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス18と前回6月調査から改善した。日銀の金融政策への影響は限られるとの見方から円相場の反応は乏しかった。9~12時の円の安値は111円48銭近辺で、値幅は24銭程度だった。

 円は対ユーロでも上昇した。12時時点は1ユーロ=128円82~84銭と、同1円の円高・ユーロ安だった。ユーロは対ドルでも下落し、12時時点は1ユーロ=1.1578~79ドルと同0.0026ドルのユーロ安・ドル高だった。ドイツ連邦統計庁は30日、9月の消費者物価指数(速報値)が前年同月比で4.1%上昇と発表した。上昇率は約28年ぶりの大きさだったが、インフレの加速懸念は欧州だけでなく、米国に比べ欧州中央銀行(ECB)による金融政策の正常化へのペースは遅いとの見方が根強い。このためユーロ売りが続いている。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

ニュースカテゴリ