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外為12時 円、下落し111円台後半 日米金利差の拡大観測で

配信日時:2021/09/30 12:25 配信元:QUICK
 30日午前の東京外国為替市場で、円相場は下落した。12時時点は1ドル=111円83~84銭と前日17時時点と比べて54銭の円安・ドル高だった。早期の米利上げ観測を背景に米長期金利の先高観が根強く、将来の日米金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢だった。事業会社の決済が集まりやすい日とあって国内輸入企業のドル資金調達が活発だったとの観測も相場を下押しした。

 もっとも、売り一巡後は円相場の下値が限られた。29日の海外市場ではインフレ懸念が米連邦準備理事会(FRB)の利上げを後押しするとの見方からユーロなど主要通貨に対するドル高が加速。円は一時112円05銭と約1年7カ月ぶりの安値をつけており、目先の利益確定や持ち高調整を目的とした円買い・ドル売りが入りやすく円相場を支えた。

 中国国家統計局と中国物流購入連合会(CFLP)が30日発表した9月の中国製造業の購買担当者景気指数(PMI)は市場予想を下回り、1年7カ月ぶりに景気判断の境目となる50を割り込んだ。日経平均株価が一時200円あまりに下げ幅を広げる場面では、歩調をあわせるように「低リスク通貨」とされる円にも買いが入った。

 円は対ユーロでは小動き。12時時点は1ユーロ=129円81~82銭と、同3銭の円安・ユーロ高だった。

 ユーロは対ドルで下落した。12時時点は1ユーロ=1.1607ドル近辺と同0.0054ドルのユーロ安・ドル高だった。米金融政策の正常化が早まるとの見方から、対ユーロでもドル買いが優勢だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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