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東証前引け 大幅続伸、政治期待の買い続く

配信日時:2021/09/06 11:52 配信元:QUICK
 6日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸し、前週末比510円06銭(1.75%)高の2万9638円17銭だった。前週末の菅義偉首相の退陣表明をきっかけに、国内政治に期待した買いが続いた。自民党総裁選を前に立候補予定者から打ち出される経済対策への思惑から日経平均先物へ断続的な買いが入り、現物株を押し上げた。

 日経平均は一時2万9692円まで上げ、取引時間中としては4月19日以来約5カ月ぶりの高水準となった。市場からは「月の最終営業日に下げる『月末安』の経験則が8月は当てはまらず、相場の地合いが好転していたところに退陣表明が飛び込み、投資家心理がさらに上向いた」(国内証券)との声があった。新たな自民党総裁で衆院選を迎えることになり、自民党の議席数の減少が抑えられるとの安心感もあるという。

 東京都や神奈川県などに発令中の新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言は12日までの期限が延長されるとの見方が多い。もっとも、東京都の新型コロナの新規感染者数がピークアウト感を強めていることもあって、感染拡大に対する過度な警戒感は後退している。市場では期限延長の影響も小さいとの見方があった。

 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに続伸した。TOPIXは一時2042.82と、取引時間中としては1990年以来31年ぶりの高水準となった。

 前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆5925億円、売買高は6億2488万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1289と、全体の6割弱を占めた。値下がりは788、変わらずは109だった。

 郵船や川崎汽が大幅高。東邦鉛や日本取引所が高かった。一方、関西電や中部電が売られた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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