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外為12時 円、横ばい圏 110円前後 菅首相退陣報道で売買交錯

配信日時:2021/09/03 12:25 配信元:QUICK
 3日午前の東京外国為替市場で、円相場は横ばい圏で推移している。12時時点は1ドル=109円99銭~110円ちょうどと前日17時時点と比べて1銭の円高・ドル安だった。菅義偉首相が自民党総裁選を前に退陣する意向を固めた。政権運営の不透明感が増すとの見方から「低リスク通貨」とされる円には買いが入る一方、日経平均先物が急伸したことで売りも活発となった。

 円相場は一時109円80銭近辺まで買われた。6日に予定していた自民党の執行部人事の人選が行き詰まったことなどを理由に菅首相が退陣する意向を固めたと伝わった。首相は月内にも退陣し、総裁選は首相以外の候補が争うことになるため、政局が一段と混迷するとの見方から円には買いが入った。

 もっとも、菅首相の退陣報道を手掛かりに日経平均先物は2万9000円台まで急伸した。「低リスク通貨」とされる円には歩調をあわせたように売りが増え、12時すぎには110円07銭近辺まで売られる場面があった。

 円は対ユーロで下落した。12時時点は1ユーロ=130円65~66銭と、同34銭の円安・ユーロ高だった。米雇用関連指標の改善を背景に2日に米株式相場が上昇。菅首相退陣で日経平均先物が急伸したのもあって投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から対ユーロでも円売りが増えた。

 ユーロは対ドルで上昇し、12時時点は1ユーロ=1.1878~79ドルと同0.0032ドルのユーロ高・ドル安だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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