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日経平均は続落、手掛かりなく狭いレンジで推移
*12:16JST 日経平均は続落、手掛かりなく狭いレンジで推移
日経平均は続落。65.85円安の33255.37円(出来高概算6億5632万株)で前場の取引を終えている。 29日の米国株式市場のダウ平均は13.44ドル高(+0.04%)、S&P500は4.31ポイント安(-0.09%)、ナスダック総合指数は23.27ポイント安(-0.16%)とまちまち。7-9月期の国内総生産(GDP)改定値が予想以上に上方修正され、約2年ぶりの高い伸びを記録したことが材料視され買いが先行した。その後リッチモンド連銀のバーキン総裁が追加利上げの選択肢を除外したくないとの見解を示すと、相場は一時失速。ただ、来年の利下げ観測が根強く、さらにソフトランディング期待から買われる場面もみられた。終盤にかけては、地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済活動の減速が報告されるとNYダウは上げ幅を縮小し、ナスダックは下落に転じるなど、まちまちの展開だった。 一方、日経平均は前日比61.08円安の33260.14円と続落スタート。手掛かりなく上下レンジ176円と狭い範囲での動きとなった。 個別では、ローツェ<6323>、アドバンテスト<6857>など半導体銘柄の一角が好調。寄り付き前に発表された10月鉱工業生産が好調だったことで、TDK<6762>、太陽誘電<6976>、村田製<6981>などが買われた。値上がり率ランキングには、黒崎播磨<5352>、大真空<6962>のほか、上位にはショーケース<3909>やクワザワHD<8104>などの東証スタンダード銘柄や、アマナ<2402>、コンヴァノ<6574>などの東証グロース銘柄が多くランクインした。 一方、日経平均への寄与度が大きいリクルートHD<6098>、ファーストリテ<9983>が下落。値下がり率ランキングには伊藤園<2593>、ACCESS<4813>、TOKYO BASE<3415>のほか、上位にはBBタワー<3776>などの東証スタンダード銘柄や、ZUU<4387>、地盤ネットHD<6072>、アーキテクツSJ<6085>などの東証グロース銘柄が多くランクインした。 セクターでは、海運業、鉱業、証券・商品先物取引業などを筆頭に上昇。一方、陸運業、サービス業、小売業などを筆頭に下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は46%、対して値下がり銘柄は50%となっている。 本日の東京市場も非常にこう着感の強い展開が続いている。28日にウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事がタカ派姿勢を崩し、数カ月先の利下げ可能性を示唆したことは市場の来年利下げ期待を高めたもよう。為替市場では米金利低下に加え、月末の実需筋による円買いなども加わり円高方向へ徐々にシフトしており、日本株への重しとなっている。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の12月会合での政策金利据え置きは既定路線ととらえられているとみられ、関心が政策金利から景気へ移りはじめている。市場は米国にゴルディロックス経済(適温経済)を求めており、今後経済指標発表に対しては神経質さを増してきそうだ。 今晩は米国で個人消費支出(PCE)コア・デフレーターなどの発表が控えており、後場はこの結果を見極めたいと様子見ムードも出てくるだろう。一方、バリュー株が手掛けにくい中、米金利低下見通しを背景に昨日はグロース市場のみプラス圏での推移となった。本日前場は利益確定売り優勢で昨日の上げを消す格好となっているが、昨日安値付近では押し目買いも入ってきそうだ。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/30 12:16
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日経平均は反発、売り一巡後は切り返してプラス圏に浮上
*12:10JST 日経平均は反発、売り一巡後は切り返してプラス圏に浮上
日経平均は反発。41.93円高の33450.32円(出来高概算6億9638万株)で前場の取引を終えている。 前日28日の米国株式市場のダウ平均は83.51ドル高(+0.24%)と反発。アドビ集計のデータによるとサイバーマンデーで1日の売上高として過去最高を記録したことが報じられ、相場を押し上げた。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が利下げの可能性に言及すると、期待感を受けた買いにも拍車がかかった。ただ、7年債入札が不調に終わると金利先安感が後退し失速、終盤にかけて上げ幅を縮小。ナスダックも反発、堅調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は163.96円安の33244.43円と3日続落して取引を開始した。その後は、前場中ごろからプラス圏に転換している。 個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>などの半導体関連株、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、サイバーエージェント<4751>、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、TOWA<6315>、アサヒ<2502>なども上昇した。ほか、前日に続いて買い優勢の展開となっているさくらインターネット<3778>が大幅上昇、グローセル<9995>、オーケストラ<6533>、チェンジホールディングス<3962>などが値上がり率上位となった。 一方、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、川崎船<9107>や日本郵船<9101>などの海運株が軟調に推移。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、ソニーG<6758>、三菱重工業<7011>、アドバンテ<6857>、ホンダ<7267>、JT<2914>なども下落した。ほか、第三者割当増資やCB発行による希薄化を嫌気されたそーせいグループ<4565>が急落、ジャステック<9717>、サンリオ<8136>、名古屋銀行<8522>などが値下がり率上位となった。 セクターでは、サービス業、輸送用機器、精密機器などが上昇率上位に並んでいる一方で、銀行業、海運業、鉄鋼が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は37%、対して値下がり銘柄は60%となっている。 今日の東京株式市場は売りが先行した。前日の米主要株価指数は上昇したが、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が下落しており、東京市場で半導体関連株などの株価の重しとなった。また、外為市場で1ドル=147円10銭台と円高・ドル安水準となったことが、輸出関連株などの買い手控え要因となった。そのほか、アジア市況では、香港ハンセン指数や上海総合指数がともに軟調に推移している。ただ、FRBのウォラー理事の発言や米長期金利が低下したことが市場の安心感にもなっており、前場中ごろには下げ幅を縮小してプラス圏に浮上した。その後、上げ幅は限定的となっている。 さて、後場の日経平均はプラス圏を維持できるか。米国では、タカ派の代表格の一人であるウォラー理事に加えて、ボウマンFRB理事は米利上げサイクルに言及した。インフレ減速が停滞すれば利上げを支持する意向は変わらないとしながらも、来月の利上げ支持の表明には至っておらず、追加利上げに以前よりも控えめなコメントとなった。そのほか、米資産家のビル・アックマン氏は2024年1-3月にも利下げがあり得ると指摘した。近く利下げを始めなければハードランディングの現実的リスクがあると考えているようで、有識者の発言には今後も注目しておきたいところだ。ひとまず、日米で市場に影響が大きい経済・労働統計の発表スケジュールもなく、手掛かり材料難のなか、NY市場をにらんだもみあいの展開を想定しておきたい。(山本泰三)
<AK>
2023/11/29 12:10
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日経平均は続落、円高進行などが上値を抑えるも底堅い動き
*12:26JST 日経平均は続落、円高進行などが上値を抑えるも底堅い動き
日経平均は続落。77.27円安の33370.40円(出来高概算6億1608万株)で前場の取引を終えている。 27日の米国株式市場のダウ平均は56.68ドル安(-0.16%)、S&P500は8.91ポイント安(-0.20%)、ナスダック総合指数は9.83ポイント安(-0.07%)とそれぞれ下落。サイバーマンデーで強いオンライン売り上げを期待した買いが先行した。しかし、10月の新築住宅販売件数や11月のダラス連銀製造業活動指数が予想を下回ったことが重荷となった。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了との見方から米長期金利が再び低下したため、ハイテク株は一時買われたものの、利益確定の売りも入りやすい状況だった。一方、前日下落の反動で、日経平均は前日比72.72円高の33520.39円と小幅反発スタート。その後為替の円高進行などを背景に売り優勢の展開となったが、前引けにかけて下げ幅を縮めた。 個別では、双日<2768>、さくらインターネット<3778>、富士製薬工業<4554>、鈴木<6785>、ミツバ<7280>などが上昇したほか、東証スタンダードのナカノフドー建設<1827>、西部技研<6223>、東証グロースの地盤ネットHD<6072>、247<7074>などが値上がり率上位に並んだ。 一方、シャープ<6753>、ネットプロHD<7383>などが下落したほか、東証スタンダードのホーブ<1382>、AIメカテック<6227>、ジェイ・イー・ティ<6228>、東証グロースのモンスターラボ<5255>、ペルセウス<4882>などが値下がり率上位に並んだ。 セクターでは、パルプ・紙、鉱業、水産・農林業などを筆頭に上昇。一方、空運業、海運業、証券・商品先物取引などを筆頭に多くのセクターで下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は48%、対して値下がり銘柄は48%となっている。 本日の東京市場は朝方こそ利食い売り優勢の展開となったものの、33300円付近では切り返し、前引けにかけて下げ幅を縮めた。アドバンテスト<6857>、ファーストリテ<9983>ら値がさ株が日経平均を下支えする一方で、円高進行の影響でデンソー<6902>など輸出株の一角が下落している。売買代金は1.6兆円台にとどまっており、日経平均は約250円の狭いレンジで推移している。 後場も手掛かりが少なく、こう着感の強い展開が続きそうだ。本日は配当権利付き最終日となっており、人気の株主優待銘柄を見直すのも一手か。また、米国では11月CB消費者信頼感指数が控えている。11月については金利上昇や政治情勢の悪化などの影響が残されており、信頼感指数が低下する可能性もあるため、これを見極めたいとする向きもあるだろう。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/28 12:26
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日経平均は反落、買い先行も前場中ごろにマイナス圏に転落
*12:14JST 日経平均は反落、買い先行も前場中ごろにマイナス圏に転落
日経平均は反落。145.82円安の33479.71円(出来高概算6億2730万株)で前場の取引を終えている。 前週末24日の米国株式市場のダウ平均は117.12ドル高(+0.33%)、S&P500は2.72ポイント高(+0.06%)と続伸。ナスダック総合指数は15.00ポイント安(-0.11%)と小幅安。イスラエル及びハマスの休戦で中東情勢悪化への警戒感が緩和したほか、サービス業PMIの予想外の改善で消費に楽観的見方が広がりダウは一段高となった。終盤にかけてクリスマスラリーへの期待にダウは上げ幅を拡大した。一方、長期金利の上昇でハイテク株は軟調に推移、まちまちとなった米株市場を横目に、日経平均は前週末比84.50円高の33710.03円と3営業日続伸でスタートした。その後は、マイナス圏に転落する展開となっている。 個別では、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株が軟調に推移。また、JR東<9020>やJR東海<9022>などの陸運株、日本航空<9201>やANA<9202>などの空運株、ソフトバンクG<9984>、サイバーエージェント<4751>、キーエンス<6861>、TOWA<6315>、三菱重工業<7011>なども下落した。ほか、9年ぶりの公募増資実施を発表したゼンショーHD<7550>が大幅下落、Ubicomホールディングス<3937>、クロスキャット<2307>、TSIホールディングス<3608>などが値下がり率上位となった。 一方、川崎船<9107>や日本郵船<9101>など、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株が堅調に推移。また、ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>、リクルートHD<6098>、アドバンテ<6857>、JT<2914>なども上昇した。ほか、1対2の株式分割実施を発表したニチモウ<8091>が上昇、ネットプロHD<7383>、システナ<2317>、KOKUSAI<6525>などが値上がり率上位となった。 セクターでは、非鉄金属、電気・ガス、輸送用機器などが下落率上位に並んでいる一方で、海運業、鉄鋼、その他金融業が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は36%、対して値下がり銘柄は60%となっている。 今日の東京株式市場はやや買いが先行、米年末商戦の出足が好調と伝えられるなか、年末高を期待した展開が意識されている面があった。ただ、買い一巡後は失速して上げ幅を縮小し、前場中ごろにはマイナス圏に転落した。今週は経済・労働統計の発表スケジュールもなく、手掛かり材料難のなか、前週末にかけての上昇に対する利食い売りが広がっている可能性がある。そのほか、アジア市況では、不動産不況を背景とした金融リスクの高まりへの警戒感が根強く、香港ハンセン指数や上海総合指数がともに軟調に推移している。 さて、後場の日経平均はマイナス圏での軟調推移が続くか。勤労感謝の日の休場を挟んだ週の翌週は昨年まで2年連続で日経平均がマイナスパフォーマンスとなっているようだ。年末とクリスマス休暇を控えた機関投資家のポジション整理の売りが一時的に高まる傾向があるという。また、11月30日はMSCI日本株指数に絡む銘柄入れ替えの売買による一時的な波乱が生じる可能性もある。ただ、米国の利上げサイクルが終了したとの投資家の見方は強まっており、ネガティブな材料も乏しい。そのほか、25日移動平均線が75日線を下から上に抜けてゴールデンクロスを形成しており、テクニカル面でも追い風となっている。総じて、下げ幅を大きく広げる展開は想定しにくく、マイナス圏でもみ合う展開となりそうだ。(山本泰三)
<AK>
2023/11/27 12:14
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日経平均は続伸、買い先行も上値の重い展開
*12:13JST 日経平均は続伸、買い先行も上値の重い展開
日経平均は続伸。263.72円高の33715.55円(出来高概算6億2209万株)で前場の取引を終えている。 休日前22日の米国株式市場のダウ平均は184.74ドル高(+0.53%)と反発。感謝祭前後から始まる年末商戦での強い消費行動への期待に買われた。また、雇用関連指標や消費者信頼感指数が予想を上回り底堅い景気への期待が一段と強まった。新年度に向けた買いが続き、相場は堅調に推移した。前日23日の米国株式市場は感謝祭の祝日のため休場、22日の主要株価指数がそろって上昇した米株市場を受けて、日経平均は300.22円高の33752.05円と続伸して取引を開始した。その後は、20日高値を前に上値の重い展開となっている。 個別では、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、川崎船<9107>や日本郵船<9101>などが堅調に推移した。また、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株のほか、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、ファナック<6954>、リクルートHD<6098>、三菱重工業<7011>なども上昇した。ほか、株主優待制度の導入を発表した日本システム技術<4323>が急騰、エンプラス<6961>、日本トムソン<6480>、ブイ・テクノロジー<7717>などが値上がり率上位となった。 一方、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、レーザーテック<6920>やディスコ<6146>などの一部の半導体関連株が軟調に推移。また、JR東<9020>やJR東海<9022>などの陸運株、ソニーG<6758>、アドバンテ<6857>、ダイキン<6367>、ソシオネクスト<6526>なども下落した。ほか、23年3月末段階で第5位株主だった井村俊哉氏が上位10株主に名を連ねていないことが明らかになった富山第一銀行<7184>が大幅下落、オーケストラ<6533>、ヨシムラフード<2884>などが値下がり率上位となった。 セクターでは、輸送用機器、ゴム製品、精密機器などが上昇率上位に並んでいる一方で、パルプ・紙、陸運業、繊維製品が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は65%、対して値下がり銘柄は32%となっている。 今日の東京株式市場は買いが先行した。22日の米株式市場で主要指数が上昇したことが東京市場の株価の支えとなった。また、米10年債利回りが一時4.3%台まで低下したことや原油価格が下落したことは、国内の投資家心理を改善。円高一服感も輸出株などの株価下支え要因となった。ただ、20日高値33853.46円を前に上値の重い展開となっている。そのほか、アジア市況では、香港ハンセン指数や上海総合指数がともに下落して軟調に推移している。 なお、取引開始前に発表された10月の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比2.9%上昇(市場予想は同3.0%上昇)となり、前月(2.8%上昇)から伸びが拡大した。電気代と都市ガス代の下落幅が縮小し、宿泊料も大幅に上昇する形となった。日銀の物価目標である2%を上回る水準での推移が続いている。同じく取引開始前に発表された対外及び対内証券売買契約などの状況(週間)によると、海外投資家は11月12-18日に国内株を8週連続で買い越した。買越額は2859億円だった。 さて、後場の日経平均は上値の重い展開が続くか。引き続き高値警戒感が意識される中、22日には5日移動平均線が下向きに転じ、ごく短期的な調整圧力の強まりを指摘する向きもあった。過度な下値不安となる材料は乏しいが、積極的に買い進む要因も不足しており、週末要因も相まってこう着感の強い値動きが続きそうだ。そのほか、イスラエルとハマスの一時的な戦闘休止は24日朝に始まるとカタールが発表しており、今後どのような対応が進んでいくのか引き続き注視しておきたい。(山本泰三)
<AK>
2023/11/24 12:13
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日経平均は反発、プラス圏に浮上後は上げ幅を広げる展開
*12:18JST 日経平均は反発、プラス圏に浮上後は上げ幅を広げる展開
日経平均は反発。205.87円高の33560.01円(出来高概算6億716万株)で前場の取引を終えている。 前日21日の米国株式市場のダウ平均は62.75ドル安(-0.18%)と反落、S&P500は9.19ポイント安(-0.20%)、ナスダック総合指数は84.55ポイント安(-0.59%)と下落。10月シカゴ連銀全米活動指数や10月中古住宅販売件数が予想を下回ったため、低調な景気を警戒した売り圧力も強まった。また、前回開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でもインフレの改善動向次第で追加引き締めも適切との考えが示され金利先高観も更なる売り材料となり上値を抑制した。主要株価指数がそろって下落した米株市場を受けて、日経平均は171.15円安の33182.99円と3日続落して取引を開始した。ただ、即座にプラス圏に浮上して、上げ幅を広げる展開となった。 個別では、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、川崎船<9107>や日本郵船<9101>などが堅調に推移した。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株のほか、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、任天堂<7974>、リクルートHD<6098>、ニトリHD<9843>なども上昇した。ほか、フタバ産業<7241>、アイスタイル<3660>、オーケストラ<6533>などが値上がり率上位となった。 一方、東エレク<8035>やソシオネクスト<6526>、ディスコ<6146>などの一部の半導体関連株が軟調に推移。また、日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>などの空運株、アドバンテ<6857>、メルカリ<4385>なども下落した。ほか、利益予想非開示で不透明感として国内証券が格下げたエアトリ<6191>が急落、マネジメントソリューションズ<7033>、パソナグループ<2168>、アトラエ<6194>が値下がり率上位となった。 セクターでは、パルプ・紙、医薬品、非鉄金属などが上昇率上位に並んでいる一方で、空運業、石油・石炭製品の2業種のみが下落している。東証プライム市場の値上がり銘柄は72%、対して値下がり銘柄は24%となっている。 今日の東京株式市場は売りが先行した。日本時間の今朝、23年8-10月期決算を発表した米半導体大手のエヌビディアの株価が米市場の時間外取引で下落したことで、東京市場の半導体関連株の株価を重くした。ただ、売り一巡後は押し目買いが優勢でプラス圏に浮上、前場中ごろにかけて上げ幅を広げる展開となった。そのほか、外為市場で1ドル=148円10銭台と、円高の動きが一服した点は輸出株などの株価を支える要因となった。また、25日移動平均線は右肩上がりを続けており、相場の上昇基調は続いているとの見方もある。アジア市況では、香港ハンセン指数がプラス圏で推移する一方で、上海総合指数が下落して強弱入り混じる展開となっている。 さて、後場の日経平均は上値の重い展開となるか。押し目買い意欲の強さは継続しており、過度な下値不安となる材料も乏しい。週初めは好調だった新興市場はさえない値動きとなっており、中小型株よりかは東証プラシム市場の主力株中心に注目が集まりそうだ。ただ、明日23日は、東京市場が勤労感謝の日、米国市場が感謝祭でともに休場となるなか、次第に市場エネルギーの減退も予想されよう。買い一巡感が台頭すると、上げ幅を縮小する可能性もあろう。(山本泰三)
<AK>
2023/11/22 12:18
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日経平均は小幅続落、売買交錯し方向感のない展開
*12:19JST 日経平均は小幅続落、売買交錯し方向感のない展開
日経平均は続落。49.74円安の33338.29円(出来高概算6億7074万株)で前場の取引を終えている。 20日の米国株式市場のダウ平均は203.76ドル高(+0.58%)、S&P500は33.36ポイント高(+0.74%)、ナスダック総合指数は159.05ポイント高(+1.13%)とそれぞれ上昇。米感謝祭翌日のブラックフライデーや週明け月曜日のサイバーマンデーでの消費者の支出が、高インフレにもかかわらず過去最高規模に達するとの調査結果を受け、期待感から買い優勢の展開。その後もマイクロソフトの上昇が相場全体を一段と押し上げた。米株高を受け、日経平均も前日比65.12円高の33453.15円と小幅反発スタート。利益確定売りが出る一方で、押し目買いの動きも根強く、小幅の動きとなった。 個別では、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>など電気機器株が上昇し、日経平均を押し上げた。そのほか、KOKUSAI<6525>、JVCケンウッド<6632>、大崎電<6644>、サンケン電気<6707>、シャープ<6753>、東証スタンダードの全保連<5845>、ホテルニューグランド<9720>、テーオーHD<9812>、東証グロースのティアンドエス<4055>、Birdman<7063>、スポーツフィールド<7080>、GENDA<9166>などが値上がり率上位に並んだ。 一方、円安進行一服の影響でトヨタ<7203>、ホンダ<7267>、スズキ<7269>などの自動車株が続落。バークシャーの大量保有報告書が確認できなかった影響か、伊藤忠<8001>、豊田通商<8015>、三井物<8031>などの商社株も軟調。そのほか、GSユアサ<6674>、ヤマエグループHD<7130>、AZ丸和HD<9090>、東証スタンダードのアルメディオ<7859>、ギグワークス<2375>、東証グロースのWelby<4438>、アーキテクツSJ<6085>などが値下がり率上位に並んだ。 セクターでは、海運業、パルプ・紙、空運業などを筆頭に上昇。一方、輸送用機器、卸売、証券・商品先物取引などを筆頭に下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は54%、対して値下がり銘柄は42%となっている。 本日の東京市場は売り買い交錯し、方向感のない展開となっている。昨日は33年ぶりにバブル崩壊後の高値を更新したが、その後失速。日本株上昇の期待は高まっており、状況は整ってきたようにも見えるが、買いを持続させるために市場はもう一押しの材料を欲しているようにも見える。本日は米国で半導体大手エヌビディアの決算発表が予定されており、これを起爆剤とした動きに期待する見方も少なくない。エヌビディアは昨日の米国市場でさらに上場来高値を更新しており、本日の東京市場でも昨日のSOX指数上昇も支援材料に半導体銘柄が上昇している。エヌビディア決算への市場からの期待は既に相当高まっているようだ。 前述のエヌビディア決算を見極めたい動きや週末の休場などを見据えて後場も小動きとなりそうだが、日米長期金利低下を追い風にグロース250指数は本日も上昇基調が続いており、グロース銘柄へ視線を向けるのも一手だろう。今週末に控える米国のブラックフライデーにあわせ国内でもセールが行われるため、国内小売関連を物色するのも面白そうだ。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/21 12:19
ランチタイムコメント
日経平均は小幅安、バブル崩壊後の最高値更新も失速
*12:14JST 日経平均は小幅安、バブル崩壊後の最高値更新も失速
日経平均は小幅安。22.79円安の33562.41円(出来高概算6億6152万株)で前場の取引を終えている。 前週末17日の米国株式市場のダウ平均は1.81ドル高と小幅高、S&P500は5.78ポイント高(+0.13%)、ナスダック総合指数は11.81ポイント高(+0.08%)も小幅に上昇。住宅着工件数が予想を上回りソフトランディング期待が下支えとなったが、連邦準備制度理事会(FRB)の高官が引き続き追加利上げの選択肢も除外しない慎重な姿勢を再表明し、一時下落に転じた。しかし、市場の利上げ終了観測も根強く、金利が安定したため終盤にかけてプラス圏に回復した。売り買いが交錯する展開となった米株市場を受けて、日経平均は前週末比25.58円安の33559.62円と小反落でスタートした。その後プラス圏に浮上したものの、失速して前日終値付近でもみ合う展開となっている。 個別では、東エレク<8035>やソシオネクスト<6526>などの一部の半導体関連株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株の一角も軟調に推移した。また、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株のほか、アドバンテ<6857>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、任天堂<7974>、日本製鉄<5401>、信越化<4063>なども下落した。ほか、自然災害ロス増加などで業績予想を下方修正したMS&AD<8725>が大幅下落、戸田建設<1860>、マツダ<7261>、オカムラ<7994>などが値下がり率上位となった。 一方、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株の一角が堅調に推移。また、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、TOWA<6315>、ディスコ<6146>、伊藤忠<8001>なども上昇した。今期最終益予想引き上げと自社株買い実施を発表した東京海上<8766>や自動車部品子会社の売却をポジティブ視されたパナHD<6752>が大幅高、ヨシックスホールディングス<3221>、テラスカイ<3915>、パソナグループ<2168>が値上がり率上位となった。 セクターでは、輸送用機器、その他製品、電気・ガス業などが下落率上位に並んでいる一方で、保険業、機械、鉱業などが上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は40%、対して値下がり銘柄は56%となっている。 本日の日経平均は売り買いが交錯する展開となっている。寄り付き後早い段階でプラス圏に浮上すると、6月19日につけていた年初来高値(33772.89円)を上回ってバブル崩壊後の最高値を更新した。ただ、買い一巡後は直近の過熱感から失速、前場中ごろからは前週末終値付近でもみ合う展開となった。前週から米連邦準備制度理事会(FRB)による高金利政策の打ち止め期待が前進し、2024年1-2月までの米つなぎ予算が成立する見通しとなったことで、目先の懸念材料が大きく後退した。ただ、今週は21日に11月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表を控えているほか、日米ともに23日が祝日となることから、積極的な売買は手控えられやすいとみられている。 さて、後場の日経平均は引き続きこう着感の強い値動きが続くか。アジア市況も、香港ハンセン指数が堅調に推移する一方で上海総合指数が下落しており、強弱入り混じる展開となっている。過度な下値不安となる材料に乏しい一方で、今週は立ち合い日数4日間となり市場エネルギーの減退も予想される。他方で、新興市場には旺盛な物色が向かっている。米国の金融政策に影響が大きい経済指標や労働統計の発表は見当たらず、企業決算の発表が一巡するなか、中小型株に注目が集まっているようだ。後場も、東証プライム市場の主力株がさえない値動きとなると、業績が順調な拡大基調にあるが前週株価が下落した新興株などに押し目買いが入りやすくなる可能性があろう。(山本泰三)
<AK>
2023/11/20 12:14
ランチタイムコメント
日経平均は小幅安、前日終値付近でもみ合う展開
*12:08JST 日経平均は小幅安、前日終値付近でもみ合う展開
日経平均は小幅安。1.48円安の33422.93円(出来高概算6億5008万株)で前場の取引を終えている。 前日16日の米国株式市場のダウ平均は45.74ドル安(-0.13%)と反落、S&P500は5.36ポイント高(+0.12%)、ナスダック総合指数は9.84ポイント高(+0.07%)と小幅に上昇。ウォルマートなど主要小売企業の悲観的な消費見通しを警戒した売りが広がった。ナスダックも需要鈍化懸念が重しとなり、上値の重い展開となったが、長期金利の低下が支援し終盤にかけてプラス圏を回復した。まちまちとなった米株市場を受けて、日経平均は79.56円安の33344.85円と続落して取引を開始した。ただ、買い戻しが広がり下げ幅を縮小すると前日終値付近でもみ合う展開となった。 個別では、東エレク<8035>やディスコ<6146>、レーザーテック<6920>などの一部の半導体関連株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株の一角も軟調に推移した。また、アドバンテ<6857>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、任天堂<7974>なども下落した。ほか、ギフティ<4449>、インフォマート<2492>、ネットプロHD<7383>などが値下がり率上位となった。 一方、川崎船<9107>や郵船<9101>などの海運株、日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>などの空運株が堅調に推移。また、信越化<4063>、三菱重工業<7011>、JT<2914>、ゆうちょ銀行<7182>なども上昇した。高水準の自己株式取得実施を発表したC&FロジHD<9099>や中期成長織り込む局面として国内証券が目標株価を引き上げたTOWA<6315>も上昇、サイボウズ<4776>、酉島製作所<6363>、広済堂ホールディングス<7868>が値上がり率上位となった。 セクターでは、空運業、精密機器、陸運業などが上昇率上位に並んでいる一方で、石油・石炭製品、その他製品、ゴム製品などが下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は64%、対して値下がり銘柄は33%となっている。 今日の東京株式市場は売りが先行した。さえない値動きとなった米主要株価指数を横目に、外為市場では1ドル=150円60銭台と昨日15時頃と比べて円高・ドル安に振れたことが、輸出株などの買いを手控える要因となった。一方、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)などが小幅ながら上昇したことが、ハイテク株の株価を支えた。また、昨日の日経平均が前場に安値をつけた後は下げ渋ったことから、本日の下値も堅く、前場中ごろにはプラス圏に浮上した。その後は決算発表一巡で手掛かり材料に乏しい中、前日終値付近でもみ合う展開となった。アジア市況では、香港ハンセン指数及び上海総合指数がともに軟調に推移している。 WTI原油先物価格は一時1バレル=72ドル台と、7月の水準まで大幅に下落した。OPECとその同盟国による供給抑制にもかかわらず、アメリカの原油の在庫が増加傾向にあることに加えて、中国経済をはじめ世界経済が減速して原油の需要が落ち込むとの見方が広がっているようだ。また、イスラエルとハマスの戦闘が近隣地域の紛争に拡大し、中東からの原油供給を危うくするとの懸念は現状大きく影響していない。インフレ再燃にもつながりかねない原油価格の動向には、引き続き注目しておきたいところだ。さて、後場の日経平均は引き続きこう着感の強い値動きになりそうだ。決算発表の一巡による手掛かり難から、中小型の材料株にも物色意欲が高まってくる可能性があろう。(山本泰三)
<AK>
2023/11/17 12:08
ランチタイムコメント
日経平均は反落、昨日の大幅上昇で利益確定売りが優勢に
*12:26JST 日経平均は反落、昨日の大幅上昇で利益確定売りが優勢に
日経平均は反落。227.68円安の33292.02円(出来高概算7億2420万株)で前場の取引を終えている。 15日の米国株式市場のダウ平均は163.51ドル高(+0.47%)、S&P500は7.18ポイント高(+0.16%)、ナスダック総合指数は9.46ポイント高(+0.07%)とそれぞれ上昇。10月の卸売物価指数(PPI)が予想以上に鈍化したため、利上げ終了観測が一段と強まった。また、ディスカウント小売のターゲットの好決算や、市場予想よりは堅調な結果だった10月小売売上高の結果などを受け、ソフトランディング期待なども高まった。一方、長期金利が上昇したためハイテクは伸び悩む場面も見られたが、底堅く推移した。一方、日経平均は前日比120.11円安の33399.59円と反落スタート。昨日の大幅上昇の反動で、利益確定売りが優勢の展開となった。 個別では、東証スタンダードの大村紙業<3953>、粧美堂<7819>、東証グロースのヘッドウォータース<4011>、ZUU<4387>、ペルセウス<4882>など中小型株が値上がり率上位に並んだ。プライムでは、JBR<2453>や米投資ファンドのバリューアクトによる株式取得が伝わったリクルートHD<6098>らが大幅続伸。 一方、霞ヶ関キャピタル<3498>、メドレー<4480>、ベース<4481>などが下落。値下がり率上位には、東証スタンダードの日本ビジネスシステム<5036>、日本テレホン<9425>、東証グロースのうるる<3979>、Welby<4438>など中小型株が上位に並んだ。 セクターでは、サービス業、銀行業、精密機器などが上昇。一方、小売業、証券・商品先物取引業、パルプ・紙などを筆頭に多くのセクターが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は21%、対して値下がり銘柄は76%となっている。 アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>など日経平均の寄与度が大きい銘柄が昨日の大幅上昇の反動から本日は下げに転じており、前場は冴えない展開となった。日経平均はさすがに昨日800円超えと今年最大の上げ幅を見せたことから、反動で利益確定売りが出やすい状況だったとみられる。なお、昨日は10月訪日外客数が2019年同月比で0.8%増となりコロナ禍前を上回ったが、インバウンド関連銘柄は既に業績回復を織り込んだ株価水準になっており特段物色された様子はなかった。本日スタンダードへ上場したJapan Eyewear Holdings<5889>は公開価格を6.5%下回る初値をつけたあと大きく売られ、前場は初値を7.0%下回る1182円で取引を終えている。 ただ、足元では米つなぎ予算が下院で可決され米政府機関閉鎖リスクが後退するなど外部要因への警戒感はやわらいできている。14日の米国消費者物価指数につづき、昨日の生産者物価指数、小売売上高などの経済指標発表は米国経済がソフトランディングするという確信を高める結果となっており、投資家のリスクオン姿勢が強まりやすい状況とみられる。後場も動きが遅れている中小型株中心に物色がさかんになりそうだ。一方で日経平均が小幅の下落にとどまるか注目したい。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/16 12:26
ランチタイムコメント
日経平均は大幅続伸、33000円を超えて高値圏で推移
*12:15JST 日経平均は大幅続伸、33000円を超えて高値圏で推移
日経平均は大幅続伸。645.63円高の33341.56円(出来高概算9億6344万株)で前場の取引を終えている。 前日14日の米国株式市場のダウ平均は489.83ドル高(+1.43%)と大幅続伸、S&P500は84.15ポイント高(+1.91%)、ナスダック総合指数は326.64ポイント高(+2.37%)と大幅反発。10月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったため長期金利低下に連れて買われた。その後、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了観測や来年の利下げ観測が一段と強まり買いに拍車がかかった。金利先高観の後退でハイテク株も買われ、ショートカバーを巻き込み相場をさらに押し上げた。主要株価指数がそろって上昇した米株市場を受けて、日経平均は前日比416.38円高の33112.31円と3日続伸して取引を開始した。その後はプラス圏で堅調に推移している。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、ディスコ<6146>などの半導体関連株、郵船<9101>や商船三井<9104>などの海運株が堅調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株のほか、ソニーG<6758>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、アドバンテ<6857>、キーエンス<6861>、信越化<4063>なども上昇した。想定上回る上方修正や株主還元拡充などを評価された出光興産<5019>や業績予想の上方修正を発表したギフティ<4449>が急騰、グローバルリンク<3486>、コプロ・ホールディングス<7059>、フォスター電<6794>が値上がり率上位となった。 一方、三菱UFJ<8306>やみずほ<8411>などの金融株の一角が軟調に推移した。また、任天堂<7974>、三菱重<7011>、JT<2914>、ヤクルト<2267>なども下落した。ほか、業績上方修正もサプライズ限定的で出尽くし感が優勢となったフリュー<6238>や第3四半期下振れで再度の業績下方修正を発表した電通グループ<4324>などが急落、ベース<4481>、FFJ<7092>、カナミックネットワーク<3939>などが値下がり率上位となった。 セクターでは、石油・石炭製品、精密機器、電気機器が上昇率上位に並んでいる一方で、保険業、銀行業、建設業などが下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は60%、対して値下がり銘柄は37%となっている。 今日の東京株式市場は買いが先行した。昨日の米株式市場でナスダック総合指数に加えて、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が3.62%上昇しており、東京市場でハイテク株や半導体関連株の株価支援要因となった。また、米CPIの結果が市場予想を下回り米国での追加利上げの可能性が低下したことは国内の投資家心理にポジティブに働いている。そのほか、米長期金利は4.4%台まで下落しており、金利高を受けて軟調に推移していた新興株を買い戻す動きも広がっている。アジア市況では、香港ハンセン指数及び上海総合指数も堅調に推移している。 なお、取引開始前に発表された7-9月期の国内総生産(GDP)速報値は実質前期比0.5%減、年率換算では2.1%減だった。QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.1%減、年率では0.5%減だった。個人消費や設備投資が低調だったほか、在庫の減少や前期に成長をけん引した外需も成長率を押し下げる要因となった。 さて、後場の日経平均は引き続きプラス圏で堅調推移を維持しそうだ。節目の33000円を大きく上回り33500円に迫る勢いとなっている。米CPIの結果は、インフレがFRBの望み通りに順調に鈍化している証拠となり利上げ終了観測が強まっている。また、短期金融市場での利下げ時期も6月に従来の7月から再び前倒しされており、国内の投資家心理も大きく改善している。そのほか、米下院では新たなつなぎ予算案可決しており、懸念材料だった政府機関閉鎖のリスクも大幅に低下している。一方で、東証株価指数(TOPIX)も高値圏で推移しているが、朝方の高値から一段と上値を追う動きは目立っていない。後場も堅調推移は続くだろうが、ひとまず決算発表を終えた個別材料株の動向に注目しておきたい。(山本泰三)
<AK>
2023/11/15 12:15
ランチタイムコメント
日経平均は続伸、昨日後場下落の反動で買い戻しの動き見られる
*12:26JST 日経平均は続伸、昨日後場下落の反動で買い戻しの動き見られる
日経平均は続伸。172.33円高の32757.44円(出来高概算7億1045万株)で前場の取引を終えている。 13日の米国株式市場のダウ平均は54.77ドル高(+0.16%)、S&P500は3.69ポイント安(-0.08%)、ナスダック総合指数は30.37ポイント安(-0.22%)とまちまち。格付け会社ムーディーズが財政赤字の高止まりなどを理由に国債格付け見通しを引き下げたことが嫌気された。その後発表された10月NY連銀のインフレ期待指数が9月から低下したことから米長期金利が低下し、買われる場面も見られた。ただし、翌日に10月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから、積極的な売買は手控えられた。一方、日経平均は昨日後場の下落の反動もあり、前日比175.4円高の32760.51円と続伸スタート。売り一巡のあとは買い戻しも見られ、32800円水準でもみ合い前場の取引を終えた。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテク<6920>など半導体関連が強い。そのほか、ファインデックス<3649>、シンクロ・フード<3963>、タツモ<6266>、ワイエイシイ<6298>、東証スタンダードでは大村紙業<3953>、グリーンズ<6547>、エスケーエレク<6677>、東証グロースではDMP<3652>、AIinside<4488>、NANO MRNA<4571>などが値上がり率上位に並んだ。 一方、LIFULL<2120>、クロスマーケ<3675>、恵和<4251>、メドピア<6095>、東証スタンダードでは日本山村硝子<5210>、トレイダーズ<8704>、ランドビジネス<8944>、東証グロースではunerry<5034>、アドベンチャー<6030>、タカヨシ<9259>などが値下がり率上位に並んだ。 セクターでは、鉱業、非鉄金属、輸送用機器を筆頭に多くのセクターで上昇した。一方、パルプ・紙、不動産業、サービス業などが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は47%、対して値下がり銘柄は49%となっている。 本日も引き続き、決算発表を手掛かりとした物色が目立つ。ただ、決算発表ラッシュは本日で一区切りを迎えるため、次第に視線は外部環境へ移っていくだろう。昨夜はニューヨーク外国為替市場で一時1ドル=151.91円まで円が急落したあとに151円台前半まで反転する動きがあったが、市場ではドル・円のオプション絡みの動きとの見方が優勢のようだ。引き続き、日本政府による為替介入に対する警戒感がやや高まっており、そのためにドル安・円高に振れやすい状況が続くとみられるが、円建て日経平均が一進一退を続けながら小幅に上昇となっている一方で、ドル建て日経平均は円安進行の影響で下落基調となっており、海外投資家の日本株投資姿勢へ影響していないかやや気がかりだ。 後場は今晩発表予定である米10月消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいと次第に膠着ムードを強めていくと想定される。食料品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比4.1%上昇と見込まれており、市場予想通りであれば前月まで続いていた上昇率鈍化がストップすることになるため、その後の米連邦準備制度理事会(FRB)要人らの金融政策についての言及が注目となりそうだ。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/14 12:26
ランチタイムコメント
日経平均は反発、買い先行も上値の重い値動き
*12:06JST 日経平均は反発、買い先行も上値の重い値動き
日経平均は反発。182.30円高の32750.41円(出来高概算7億5014万株)で前場の取引を終えている。 前週末10日の米国株式市場のダウ平均は391.16ドル高(+1.15%)と反発、S&P500は67.89ポイント高(+1.56%)、ナスダック総合指数は276.66ポイント高(+2.05%)と大幅反発。アトランタ連銀のボスティック総裁やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が追加利上げの可能性も除外せず、ミシガン大消費者信頼感指数の期待インフレ率も予想外に上昇したため一時伸び悩んだ。しかし、市場の利上げ終了観測が根強く、終盤にかけて金利が再び低下したことで上げ幅を拡大した。堅調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は前週末比250.04円高の32818.15円と反発でスタート。その後はプラス圏で推移するも上げ幅をやや縮小している。 個別では、東エレク<8035>やディスコ<6146>などの一部の半導体関連株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株が堅調に推移。また、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、アドバンテ<6857>、任天堂<7974>、ソシオネクスト<6526>、JT<2914>なども上昇した。第3四半期は収益回復加速し大幅増益決算となった住友ゴム<5110>や上半期大幅上振れ着地で通期増益幅は一段と拡大したゼンショーHD<7550>が急騰、レオン自動機<6272>、ブレインパッド<3655>、ブイ・テクノロジー<7717>が値上がり率上位となった。 一方、川崎船<9107>や郵船<9101>、商船三井<9104>などの海運株が軟調に推移した。また、日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>などの空運株、レーザーテック<6920>、ソニーG<6758>、ソフトバンクG<9984>、三菱重工業<7011>、ホンダ<7267>、リクルートHD<6098>なども下落した。ほか、7-9月期大幅減益で通期予想を下方修正した資生堂<4911>が急落、イーレックス<9517>、ホソカワミクロン<6277>、ゲオホールディングス<2681>などが値下がり率上位となった。 セクターでは、倉庫・運輸関連業、その他製品、ゴム製品が上昇率上位に並んでいる一方で、海運業、化学、空運業などが下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は41%、対して値下がり銘柄は56%となっている。 本日の東京株式市場は買いが先行した。前週末の米主要株価指数が値幅を伴って上昇したことに加えて、米長期金利の上昇が一服したことから国内の投資家心理は改善した。また、東エレク<8035>が今期の業績予想を上方修正したことも国内の半導体関連株の上昇につながり、ハイテク株高が指数をけん引している。ただ、利益確定の売りや戻り待ちの売りが出て、上値を抑えている。そのほか、アジア市況では、香港ハンセン指数が上昇する一方で上海総合指数が軟調に推移している。 さて、後場の日経平均は引き続きプラス圏を維持するか。前週はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が演説のなかでインフレ動向によっては政策金利を再び引き上げることを示唆し、そのほかのFRB要人からも追加利上げの余地を残す発言が散見された。今週は、14日に10月消費者物価指数(CPI)、15日に10月小売売上高と金融政策に影響を与える経済指標発表が控えている。また、17日にはつなぎ予算の期限を迎えて政府機関閉鎖の懸念もくすぶっており、買い進む材料に乏しいなか上げ幅は限定的となる可能性がある。そのほか、米株先物やアジア市況を横目に、決算発表を終えた個別材料株に物色意欲が続くか注目しておきたい。(山本泰三)
<AK>
2023/11/13 12:06
ランチタイムコメント
日経平均は反落、米株安引継ぎマイナス圏で軟調推移
*12:06JST 日経平均は反落、米株安引継ぎマイナス圏で軟調推移
日経平均は反落。196.43円安の32450.03円(出来高概算8億5666万株)で前場の取引を終えている。 前日9日の米国株式市場のダウ平均は220.33ドル安(-0.65%)と続落、S&P500は35.43ポイント安(-0.81%)、ナスダック総合指数は128.97ポイント安(-0.94%)と反落。30年債入札が不調に終わったほか、パウエル議長がインフレの2%目標達成を依然確信できないと追加利上げも除外しない姿勢を示すと長期金利が急伸、連れて相場も大幅下落となった。ナスダック総合指数は反落、軟調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は前日比155.22円安の32491.24円と反落して取引を開始した。その後はマイナス圏で軟調に推移している。 個別では、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株が軟調に推移。また、ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>、ルネサス<6723>、神戸製鋼所<5406>、アドバンテ<6857>、任天堂<7974>、ダイキン<6367>、キーエンス<6861>なども下落した。一過性コスト増などで通期予想を下方修正したニコン<7731>や7-9月期大幅赤字決算をマイナス視する動きが先行したソフトバンクG<9984>が急落、ユニプレス<5949>、日揮ホールディングス<1963>、長野計器<7715>が値下がり率上位となった。 一方、東エレク<8035>などの一部の半導体関連株、川崎船<9107>や郵船<9101>、商船三井<9104>などの海運株が堅調に推移した。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、三菱商事<8058>、三菱重工業<7011>、スクリン<7735>、JT<2914>なども上昇した。ほか、株主還元方針を好感されたトレンド<4704>が急騰、Ubicomホールディングス<3937>、富士製薬工業<4554>、酒井重工業<6358>などが値上がり率上位となった。 セクターでは、その他製品、精密機器、輸送用機器が下落率上位に並んでいる一方で、海運業、水産・農林業、石油・石炭製品などが上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は38%、対して値下がり銘柄は59%となっている。 本日の東京株式市場は売りが先行した。米主要株価指数の下落が重しとなったほか、日経平均が昨日大幅高となったこともあり引き続き短期的な過熱感が意識された。また、パウエル議長の発言を受けて金融引き締めの長期化観測が改めて意識されたことや、米長期金利が4.6%台まで再度上昇したことは国内の投資家心理を悪化させ、週末ということもあり売りが出やすかった。そのほか、イスラエルが人道支援を目的に1日4時間程度の戦闘休止を始めると米政府高官が明らかにしたと伝えられ、地政学リスクがやや後退した一方で、香港ハンセン指数や上海総合指数が軟調に推移している。 さて、後場の日経平均は引き続きマイナス圏で推移するか。前日同様決算関連の物色が中心となりそうで、決算を素直に好感される銘柄や決算への失望感から急落する銘柄どちらも散見されている。他方で、東証が前日に発表した投資主体別売買動向によると、海外投資家は現物株を2週連続で買い越した。ただ、買い越し金額は577億円で前週から買い越し額は縮小している。個人投資家は現物株を3週ぶりに売り越しており、売り越し額は3868億円となった。今後、海外投資家の買い越し額が今後増加するのか注目しておきたい。買い進む材料に乏しい一方で過度に警戒する要因も少なく、米株先物やアジア市況を横目にこう着感の強い値動きが続きそうだ。(山本泰三)
<AK>
2023/11/10 12:06
ランチタイムコメント
日経平均は反発、米長期金利低下を好感
*12:16JST 日経平均は反発、米長期金利低下を好感
日経平均は反発。288.44円高の32454.92円(出来高概算8億2768万株)で前場の取引を終えている。 8日の米国株式市場のダウ平均は40.33ドル安(-0.12%)、S&P500は4.40ポイント高(+0.10%)、ナスダック総合指数は10.55ポイント高(+0.08%)とまちまち。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が参加予定の国際通貨基金(IMF)会合での発言を警戒し、利食い優勢となった。ただし、原油価格の下落や長期金利低下でハイテクの売りは限定的となり、相場を支えた。一方、米長期金利の低下を好感し、日経平均は前日比149.91円高の32316.39円と反発スタート。底堅く推移したものの、中国の10月消費者物価指数が再び下落に転じたことを受け、やや上げ幅を縮めた。 個別では、レーザーテック<6920>、東京精密<7729>、東エレク<8035>など半導体銘柄が好調。そのほか、シュッピン<3179>、三菱ガス<4182>、TOWA<6315>、ニチコン<6996>、ミツバ<7280>、ローランド<7944>、東証スタンダードでは村上開明堂<7292>、インプレス<9479>、東証グロースではティアンドエス<4055>、フレクト<4414>などが値上がり率上位に並んだ。 一方、楽天銀行<5838>、めぶきFG<7167>、群馬銀<8334>など銀行株が下落。そのほか、サンアスタリスク<4053>、フジクラ<5803>、福山通運<9075>、東証スタンダードではクルーズ<2138>、ホリイフード<3077>、アテクト<4241>、デザインワン<6048>、東証グロースではアマナ<2402>、DELTA-P<4598>、ブティックス<9272>などが値下がり率上位に並んだ。 セクターでは、石油・石炭製品、その他製品、鉱業を筆頭に多くのセクターで上昇した。一方、サービス業、非鉄金属、医薬品などが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は54%、対して値下がり銘柄は42%となっている。 本日の東京市場は取引開始時こそやや下げたものの、本日も決算関連の物色がさかんで、前日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)指数上昇により一部の半導体関連銘柄も好調だった。ドル・円は11月3日の1ドル=149.18円を底値に再び円安・ドル高方向へ進行していることも下支えとなっている。 昨日の国会答弁のなかで、日本銀行の植田総裁は物価見通しの度重なる上方修正で予想の甘さに対する批判を容認しながらも、現行の金融政策の正当性を主張する内容であり、日銀による早期金融政策変更への期待は一段と後退したとみられる。一方、米国では長期金利上昇は一服している。パウエルFRB議長は昨晩参加の会議で、金融政策や経済見通しに関するコメントはなかったが、他のFRB要人からは追加利上げの余地を残す発言も見られており、ややしばらくは円安・ドル高となりやすい地合いが続きそうか。 後場も引き続き決算関連の物色が中心となりそうだ。ただ、決算への失望感から急落する銘柄も散見されるため、決算内容を確認してから動いた方が安心か。また、昨日の米国市場時間外でアーム・オールディングスが決算への失望感から急落し、投資収益を下押しする懸念からソフトバンクG<9984>が売り優勢でスタートしたが、その後持ち直している。出資先のウィーワーク破綻の影響も懸念されているため、本日大引け後に発表される決算には注目が集まりそうだ。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/09 12:16
ランチタイムコメント
日経平均は反発、プラス圏で推移も上げ幅は限定的
*12:04JST 日経平均は反発、プラス圏で推移も上げ幅は限定的
日経平均は反発。57.57円高の32329.39円(出来高概算9億8229万株)で前場の取引を終えている。 前日7日の米国株式市場のダウ平均は56.74ドル高(+0.17%)と続伸。連邦準備制度理事会(FRB)高官がインフレを目標値に戻すことが最優先課題で、必要とあれば利上げを実施する姿勢を維持したほか利下げを否定したため警戒感から売られた。しかし、良好な主要企業決算を受けた買いが下支えとなったほか、原油価格の下落や根強い利上げサイクル終了の思惑に長期金利が低下したため、買いに転じた。ナスダック総合指数も続伸、堅調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は前日比185.41円高の32457.23円と反発して取引を開始した。その後は上げ幅を縮小する動きを見せるもプラス圏を維持している。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>などの一部の半導体関連株、スズキ<7269>やホンダ<7267>などの自動車関連株などが堅調に推移。また、ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>、ルネサス<6723>、SANKYO<6417>、ダイキン<6367>、任天堂<7974>、なども上昇した。業績予想の上方修正を発表した横河電機<6841>や7-9月期上振れで通期予想は想定以上の上方修正となったマツダ<7261>が急騰、ティラド<7236>、あらた<2733>、参天製薬<4536>が値上がり率上位となった。 一方、川崎船や郵船<9101>、商船三井<9104>などの海運株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株などが軟調に推移した。また、三菱UFJ<8306>や三井住友FG<8316>などの金融株も下落した。ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>、JT<2914>、ヤマハ発<7272>、ディスコ<6146>なども下落。ほか、第3四半期下振れ決算で通期計画にも下振れ懸念が広がったライオン<4912>が急落、パイロットコーポレーション<7846>、東海カーボン<5301>東洋炭素<5310>が値下り率上位となった。 セクターでは、その他製品、医薬品、倉庫・運輸関連業が上昇率上位に並んでいる一方で、鉱業、石油・石炭製品、銀行業などが下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は29%、対して値下がり銘柄は69%となっている。 本日の東京株式市場は買いが先行した。米主要株価指数の中でナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が上昇したことで、東京市場でハイテク株や半導体関連株の株価を支える要因となった。また、昨日の日経平均が400円を超す下げとなったことから、押し目待ちの買いも入りやすかったほか、米長期金利が4.5%台まで再度低下し、原油価格が下落したことも国内の投資家心理を改善する要因となった。ただ、10月31日以降、5営業日で1500円を超す上げとなっていることから、引き続き短期的な過熱感を意識する向きもあり上げ幅は限定的となっている。そのほか、香港ハンセン指数や上海総合指数のさえない動きが重しとなっている可能性もある。さて、後場の日経平均はプラス圏を維持できるか。東証プライム市場では幅広い銘柄が軟調に推移しており、東証株価指数(TOPIX)は前場途中でマイナス圏に転落している。東証グロース市場250指数も700ptを手前に上値の重い展開となっており、直近の大幅高に対する戻り売りが優勢となっている。ただ、一部の主力株や値動きの軽い新興株は決算発表などの個別材料を受けて上昇している銘柄も散見されており、一部の個人投資家の物色意欲は続いていることがうかがえる。他方で、日経平均株価のテクニカル面では、5日移動平均線が75日線を下から上に抜けてゴールデンクロスを形成し、75日線もサポートラインとして意識されているか。米株先物やアジア市況の動向に注意しつつ、後場の値動きを見守りたい。(山本泰三)
<NH>
2023/11/08 12:04
ランチタイムコメント
日経平均は反落、昨日の大幅上昇の反動みられる
*12:27JST 日経平均は反落、昨日の大幅上昇の反動みられる
日経平均は反落。313.62円安の32394.86円(出来高概算7億3546万株)で前場の取引を終えている。 6日の米国株式市場のダウ平均は34.54ドル高(+0.10%)、S&P500は7.64ポイント高(+0.18%)、ナスダック総合指数は40.50ポイント高(+0.30%)とそれぞれ小幅に上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクル終了期待を受けた買いが先行した。先週の大幅な金利低下の反動で米長期金利が上昇したため一時売りに転じたが、ピーク金利観測は根強く、終日底堅く推移した。さらに、米中首脳会談の開催を控え、イエレン財務長官と何中国副首相が今週会談を開催することが明らかになり、中国との関係修復期待も下支え要因となった。前日の大幅上昇の反動もあり、日経平均は前日比156.71円安の32551.77円と反落スタート。ただ、下値の堅さも感じられ、昨日安値の32395円付近を下回らずに前場の取引をおえた。 個別では、アイロムG<2372>、あすか製薬HD<4886>、ウェルビー<6556>、メイコー<6787>東証スタンダードでは、ガーラ<4777>、阪神内燃機工業<6018>、デザインワン<6048>、東証グロースでは、イルグルム<3690>、GMOメディア<6180>、アディッシュ<7093>などが値上がり率上位に並んだ。 一方、味の素<2802>、力の源HD<3561>、セ硝子<4044>、東証スタンダードではジャパンエン<6016>、東証グロースではアマナ<2402>、GMOTECH<6026>などが値下がり率上位に並んだ。日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>、東証スタンダードの内海造船<7018>、明海グループ<9115>など海運株が下落。ただ、日立造船<7004>は業績上方修正で大幅続伸となっている。阪神の38年ぶりの優勝で昨日ご祝儀買いが見られた阪急阪神<9042>、上新電機<8173>なども下落した。 セクターでは、電気・ガス業、陸運業、保険業を筆頭に多くのセクターで下落した。一方、上昇したのは水産・農林業、鉄鋼、石油・石炭製品、卸売業のみ。東証プライム市場の値上がり銘柄は29%、対して値下がり銘柄は67%となっている。 本日は前日の反動でやや利益確定売りに押される動きはあるものの、週末のオプションSQに向けてヘッジの動きも意識されることから下値の堅さも感じられる。後場も引き続き決算関連の動きがメインになるとみられ、旭化成<3407>、エーザイ<4523>、NTT<9432>など後場に発表が予定されている銘柄もあるため、注目していきたい。 今週はオプションSQに向けて日経平均は上昇基調が想定されるものの、その後はまた日米の金融政策動向を模索する展開が想定されよう。本日寄り付き前に厚労省より発表された毎月勤労統計調査9月速報値は、現金給与総額は前年同月比1.2%増と市場予想通りであった。 一方、実質賃金は前年同月比2.4%減と市場予想(2.3%減)よりもマイナス幅が大きかった。マイナス幅は前月(2.8%減)からは縮小したものの、18ヶ月連続のマイナスとなっている。また、総務省発表の9月家計調査では、物価変動を除く実質ベースで前年同月比2.8%減と、市場予想(2.9%減)よりはマイナス幅が小さかったものの、前月(2.5%減)よりもマイナス幅を広げた。物価上昇に賃金上昇が追い付いておらず、消費に結びついていないという現状を確認する結果といえ、日本銀行の期待どおりに賃金上昇が物価上昇へ結びつく流れとなるか、引き続き注視する必要がありそうだ。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/07 12:27
ランチタイムコメント
日経平均は4日続伸、連休中の米株高受けて買い優勢の展開
*12:10JST 日経平均は4日続伸、連休中の米株高受けて買い優勢の展開
日経平均は4日続伸。770.63円高の32720.52円(出来高概算9億7541万株)で前場の取引を終えている。 国内3連休中の米国株式市場のダウ平均は連日上昇。2日は、連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続での政策金利据え置きが決定され、パウエル議長の発言を受けて利上げ終了期待が強まった。3日は、10月雇用統計や消費関連指標が予想を下回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了期待がさらに強まった。また、来年の利下げ確率も上昇し長期金利が一段と低下すると、買いにさらに拍車がかかり続伸した。ナスダック総合指数も連日続伸、堅調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は前週末比500.93円高の32450.82円と大幅に4日続伸でスタートした。その後はじりじりと上げ幅を広げた。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>などの半導体関連株、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株などが堅調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株も上昇、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、オリエンタルランド<4661>、キーエンス<6861>、JT<2914>など幅広い銘柄が上昇した。業績予想の上方修正及び自社株買い実施を発表したSWCC<5805>が急騰、日東紡績<3110>、ダイヘン<6622>、Appier<4180>が値上がり率上位となった。 一方、コンテナ船事業下振れで通期予想は据え置いた川崎船<9107>が急落し、郵船<9101>や商船三井<9104>などの海運株が軟調に推移した。また、業績予想の大幅下方修正がネガティブインパクトとなったキャリアリンク<6070>、7-9月期は市場コンセンサスが下振れ着地となったヤマダHD<9831>などが大幅に下落した。ほか、サイバーエージェント<4751>、日清粉G<2002>、シグマクシス<6088>などが下落。クオールHD<3034>、江崎グリコ<2206>、KADOKAWA<9468>が値下り率上位となった。 セクターでは、非鉄金属、輸送用機器、機械が上昇率上位に並んでおり幅広い業種が上昇、海運業、倉庫・運輸関連、銀行業の3業種のみ下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は80%、対して値下がり銘柄は18%となっている。 本日の東京株式市場は買いが先行し、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が指数をけん引する展開となっている。国内連休中に発表された米国の経済指標が市場予想を下回ったことで金融引き締め長期化への懸念が後退、これを受けて国内の投資家心理も改善している。また、米長期金利は4.5%台まで低下しており、決算好調なグロース株にも物色が集まっている。そのほか、香港ハンセン指数や上海総合指数がともに上昇しており、アジア市況が堅調に推移している点も追い風となっている可能性がある。 さて、後場の日経平均は上げ幅を広げる展開が続くか。出遅れ感のある新興市場の指数も日経平均と比較して大幅高となっており、個人投資家の物色意欲は旺盛である。他方で、日経平均株価のテクニカル面では、5日移動平均線が25日線を下から上に抜けてゴールデンクロスを形成し、75日線も大きく上回って推移している。米株先物やアジア市況の動向に注意しておきたいが、今週は米国の金融政策に影響が大きい経済・労働統計の発表は特に見当たらないことから、幅広い銘柄で買い戻しの動きが継続しそうだ。特に、業績が拡大基調にあり株価が年初来安値圏にあった銘柄には値ごろ感からの押し目買いが向かうだろう。(山本泰三)
<AK>
2023/11/06 12:10
ランチタイムコメント
日経平均は続伸、トヨタら円安恩恵企業業績が下支え
*12:17JST 日経平均は続伸、トヨタら円安恩恵企業業績が下支え
日経平均は続伸。352.83円高の31954.48円(出来高概算8億9047万株)で前場の取引を終えている。 1日の米国株式市場のダウ平均は221.71ドル高(+0.67%)、S&P500は44.06ポイント高(+1.05%)、ナスダック総合指数は210.23ポイント高(+1.64%)とそれぞれ上昇した。ADP雇用統計が予想を下回り、長期金利の低下に伴って買い優勢の展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り、政策金利据え置きを2会合連続で決定した。パウエルFRB議長も警戒されたほどタカ派姿勢を表明せず、終盤にかけ上げ幅を拡大した。米株高の流れを引き継ぎ、日経平均は前日比385.37円高の31987.02円と2日連続で大幅上昇スタートとなった。ただ、明日から国内は3連休となることで利益確定売りも出やすく、前場は節目の32000円を意識した攻防となった。 個別では、前日から続伸のトヨタ自動車<7203>をはじめ、日産自<7201>、日野自<7205>らが堅調。そのほか、ぐるなび<2440>、デクセリアルズ<4980>、オルガノ<6368>、アドバンテスト<6857>なども値上がり率上位に並んだ。東証スタンダードでは、三菱食品<7451>、テーオーHD<9812>、東証グロースではアマナ<2402>、ベルトラ<7048>、マイクロアド<9553>などが上昇した。 一方、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>など鉄鋼セクターが下落。TIS<3626>、テイカ<4027>、レック<7874>、ヤマハ<7951>、ケーズHD<8282>などが値下がり率上位に並んだ。東証スタンダードでは安永<7271>、三共生興<8018>、カンダ<9059>、日本テレホン<9425>、東証グロースではファンデリー<3137>などが下落した。 セクターでは、輸送用機器、電気機器、サービス業を筆頭に上昇。一方、鉄鋼、その他金融業、鉱業を筆頭に下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は49%、対して値下がり銘柄は48%となっている。 日米の金融イベントは波乱なく通過し、決算関連に目線が集中する形となっている。円安効果で市場予想を上回るトヨタが本日も続伸となっており、円安で恩恵を受ける輸出企業は改めてスポットがあたっている。財務省が10月に為替介入を実施しなかったことを公表し、ドル・円は一時1ドル=151円台に突入し、上値を試す展開となっている。神田財務官の円安けん制発言を受け、やや円高方向に戻したものの、下値は1ドル=150円台にかたまりつつあり、日経平均にとっては下支えとなりそうだ。 また、昨日発表された10月ADP雇用統計では市場予想を下回る結果となり、明日発表の米雇用統計も9月のような雇用市場の過熱感を示唆するような結果とはならない公算が大きい。中東情勢についても報道を追う限り戦線拡大など最悪な事態は想定しづらい状況にあり、外部要因への懸念は一旦あく抜けとなりそうだ。後場は引き続き利益確定売りが出やすいと思われるが、来週のSQ週に向けて終値で32000円台に乗せてくるか注目したい。(二階堂千穂)
<AK>
2023/11/02 12:17
ランチタイムコメント
日経平均は大幅続伸、米株高引継ぎ買い優勢の展開、幅広い業種が上昇
*12:15JST 日経平均は大幅続伸、米株高引継ぎ買い優勢の展開、幅広い業種が上昇
日経平均は大幅続伸。616.77円高の31475.62円(出来高概算9億7578万株)で前場の取引を終えている。 前日10月31日の米国株式市場のダウ平均は123.91ドル高(+0.38%)、S&P500は26.98ポイント高(+0.65%)、ナスダック総合指数は61.76ポイント高(+0.48%)とそれぞれ続伸。7-9月期雇用コスト指数の伸びが予想外に拡大し、高インフレの長期化を警戒した動きが広がった。しかし、連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの見解が変わらず、値ごろ感の買いや月末の買戻しで上昇に転じた。長期金利も伸び悩み、ハイテク株も買い戻されて終盤にかけて上げ幅を拡大した。ナスダック総合指数は小幅続伸、堅調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は452.37円高の31311.22円と続伸して取引を開始した。その後はプラス圏での推移となっている。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>などの一部の半導体関連株、トヨタ自<7203>ホンダ<7267>などの自動関連株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株が堅調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、川崎船<9107>や郵船<9101>などの海運株も上昇。ほか、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、オリエンタルランド<4661>、キーエンス<6861>、信越化<4063>など幅広い銘柄が上昇した。7-9月期は市場予想大幅上振れで通期予想を上方修正した村田製作所<6981>が急騰、スタンレー電気<6923>、ワコム<6727>、飯野海運<9119>が値上がり率上位となった。 一方、業績下方修正で減益幅が拡大したアドバンテ<6857>、通期業績上方修正もコンセンサス水準届かず出尽くし感が優勢となったソシオネクスト<6526>などは軟調に推移した。ほか、日本航空<9201>、住友林業<1911>、大塚商会<4768>などが下落。また、23年9月期業績の下振れ着地を嫌気されたM&Aキャピ<6080>がストップ安売り気配、IDOM<7599>、電通国際情報サービス<4812>、スミダコーポレーション<6817>が値下り率上位となった。 セクターでは、輸送用機器、証券・商品先物取引業、精密機器が上昇率上位に並んでおり幅広い業種が上昇、水産・農林業のみ小幅に下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は77%、対して値下がり銘柄は21%となっている。 本日の東京株式市場は買いが先行し、日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好でスタートした。昨日の米株式市場で主要指数が上昇したことが東京市場の株価の支えとなっているほか、外為市場で1ドル=151円30銭台と昨日15時頃と比べ1円10銭ほど円安・ドル高に振れたことが輸出株などのポジティブ要因となっている。さらに、警戒されていた日銀金融政策決定会合を通過したことで、買い安心感が強くなった。そのほか、決算発表も佳境となっており、本日は好業績及び好業績見通しを発表した企業中心に注目が集まっている。アジア市況では香港ハンセン指数や上海総合指数がともにプラス圏で推移している点もやや追い風となっている可能性がある。 さて、後場の日経平均はプラス圏維持も上値の重い展開が続くか。米株先物やアジア市況の動向に注意しておきたいが、米国で米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見などを控えていることから、これを見極めたいとして積極的な買いを見送る向きが広がりそうだ。また、今週は重要イベントに加えて、米国で10月雇用統計やISM製造業、非製造業景況指数などの各種経済統計の発表も控えており、戻り待ち狙いの売りも入りやすいだろう。テクニカル面では、25日移動平均線が上値抵抗線として意識されているか。ただ、FOMC通過後のアク抜けの可能性も考えられるため、積極的には売り込みづらく、売り買いが交錯する展開も想定されそうだ。決算発表を終えた好業績及び好業績見通しを示した銘柄中心に個人投資家の物色意欲が続きそうだ。(山本泰三)
<AK>
2023/11/01 12:15
ランチタイムコメント
日経平均は小幅続落、金融イベント前に模様眺めムード強い
*12:17JST 日経平均は小幅続落、金融イベント前に模様眺めムード強い
日経平均は小幅続落。47.52円安の30649.44円(出来高概算8億2023万株)で前場の取引を終えている。 30日の米国株式市場のダウ平均は511.37ドル高(+1.58%)、S&P500は49.45ポイント高(+1.20%)、ナスダック総合指数は146.47ポイント高(+1.16%)とそれぞれ上昇した。イスラエルによるガザ地上戦作戦が慎重に進められているとの判断から脅威が緩和し、買戻しが優勢となった。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が、今週開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送り観測を受けて、終日堅調な相場展開だった。一方、東京市場は日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとするムードが強く、日経平均は前日比2円安の30694.96円とほぼ横ばいでスタート。目立った動きがなく前場を終えた。 個別では、日銀の長期金利上限柔軟化の報道を受け三菱UFJ<8306>が反発したほか、あおぞら銀行<8304>、りそなHD<8308>、群馬銀行<8334>など銀行株が上昇。そのほか、アンリツ<6754>、明電舎<6508>、日本新薬<4516>、ストライク<6196>、さくらインターネット<3778>などが値上がり率上位に並んだ。東証スタンダードでは、アトラG<6029>、東証グロースではアクアライン<6173>が上昇した。 一方、マクニカHD<3132>、ポーラ・オルビスHD<4927>、パナソニックHD<6752>、山洋電気<6516>、トランコム<9058>などが下落したほか、東証スタンダードではオルトプラス<3672>、田中化学研究所<4080>、エイケン工業<7265>、マキヤ<9890>、植松商会<9914>、東証グロースではアマナ<2402>、アジャイル<6573>などが下落した。 セクターでは、銀行業、保険業、小売業を筆頭に上昇。一方、輸送用機器、電気・ガス業、機械を筆頭に下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は55%、対して値下がり銘柄は42%となっている。 昨晩、日本経済新聞社が本日の金融政策決定会合で1%を超える金利上昇を容認する案が有力と報道し、ドル・円は一時1ドル=148円台まで円高方向に振れた。本日の国内債券市場は長期金利が一時0.955%と高水準を更新し、政策修正へ構える格好となっている。金融政策に大幅な変更はないとみられているが、イールドカーブコントロール再修正に関する議論についてどのような内容になるか関心が高まっている。本日の大引け後に植田総裁の記者会見が行われるため、後場もこの会見を見極めたいとして積極的な売買は控えられそうだ。本日も決算関連で好悪材料入り混じっており、一方向に相場が傾くことは想定しづらい。 ただ、「ハロウィンに株を買え」と投資格言もあるが、昨日は押し目待ち狙いの買いや重要イベント前の先回り的な買いも見られ、日本株の底打ち期待は根強いよう。一方で、寄り付き前に発表された経済指標では、失業率、有効求人倍率など9月の雇用関連指標ではほぼ市場予想通りであったが、9月鉱工業生産(速報値)は予想を大幅に下回る前月比+0.2%上昇だった。市場コンセンサスでは2.5%程度の上昇を見込んでおり、金利上昇により設備投資を控える企業姿勢もかいま見える。また、中国政府版の製造業購買担当者景気指数(PMI)が2か月ぶりに好・不況の分かれ目となる50を下回っており、これを受けてハンセン指数は下落している。植田総裁の発言内容次第ではどちらにも転びやすい局面ではありそうだ。(二階堂千穂)
<AK>
2023/10/31 12:17
ランチタイムコメント
日経平均は大幅反落、マイナス圏で軟調に推移
*12:07JST 日経平均は大幅反落、マイナス圏で軟調に推移
日経平均は大幅反落。382.21円安の30609.48円(出来高概算7億7571万株)で前場の取引を終えている。 前週末27日の米国株式市場のダウ平均は366.71ドル安(-1.12%)と大幅続落、S&P500は19.86ポイント安(-0.48%)と続落、ナスダック総合指数は47.41ポイント高(+0.38%)と反発。アマゾンやインテル決算を好感したが、ダウはマクロ経済への懸念が重しとなり終日軟調に推移した。ナスダックは利上げが終了に近づいたとの思惑や決算を好感した買いが続き堅調に推移。しかし、終盤にかけてイスラエル軍がガザ地上部隊拡大するとの報道を受けて相場は失速した。まちまちとなった米株市場を横目に、日経平均は前週末比328.21円安の30663.48円と大幅反落でスタート。その後はマイナス圏での推移となっている。 個別では、トヨタ自<7203>ホンダ<7267>などの自動関連株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株が軟調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、郵船<9101>などの海運株が下落。ほか、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、武田薬<4502>、ニデック<6594>、リクルートHD<6098>、ファナック<6954>など下落した。24年3月期業績予想の下方修正を発表した日野自動車<7205>や想定以上の業績下方修正にネガティブなインパクトが広がったオムロン<6645>が急落、トプコン<7732>、スクロール<8005>、スターティアH<3393>が値下がり率上位となった。 一方、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、ディスコ<6146>などの半導体関連株が堅調に推移。また、決算発表を好感されたキーエンス<6861>や信越化<4063>、日立<6501>なども上昇した。ほか、KOKUSAI<6525>、ソニーG<6758>、アドバンテ<6857>、ルネサス<6723>などが堅調に推移した。また、24年3月期業績予想を上方修正した日清粉G<2002>や大型の自社株買い実施を発表した大阪瓦斯<9532>が急騰、栗本鉄工所<5602>、M&A総研<9552>、ips<4390>が値上り率上位となった。 セクターでは、輸送用機器、繊維製品、ゴム製品が下落率上位に並んでいる一方で、電気・ガス業、電気機器が下落率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は14%、対して値下がり銘柄は85%となっている。 本日の日経平均株価は売りが先行した。イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を拡大すると発表して中東情勢の悪化が懸念されているほか、今週は日銀金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えており、買い手の乏しい展開が続いている。また、前週末の日経平均の上昇は自律反発狙いの買いが入ったに過ぎず、買い進むには手掛かり材料に乏しい。そのほか、アジア市況で香港ハンセン指数や上海総合指数がともに軟調に推移している点も投資家心理の重しとなっている。 さて、後場の日経平均はマイナス圏で軟調な展開が続くか。アジア市況で軟調さが続いている一方で、米主要株価指数先物はプラス圏で推移しており日経平均の下支え要因となる可能性がある。ただ、今週は重要イベントに加えて、米国で重要指標となる10月雇用統計やISM製造業、非製造業景況指数などの各種経済統計の発表も控えているため、様子見姿勢が強まりそうだ。また、中東情勢の一段の深刻化は依然リスクとして警戒が必要で、後場も決算発表を終えた銘柄中心に注目が集まろう。ひとまず、日経平均は引き続き24日安値の30551.67円を下回らないか注視しておきたい。決算の予定では、明日31日には半導体関連の決算が集中し、1日には国内時価総額トップのトヨタ自<7203>が決算を発表する。(山本泰三)
<AK>
2023/10/30 12:07
ランチタイムコメント
日経平均は大幅反発、自律反発狙いの買いが優勢
*12:11JST 日経平均は大幅反発、自律反発狙いの買いが優勢
日経平均は大幅反発。471.15円高の31072.93円(出来高概算6億7665万株)で前場の取引を終えている。 前日26日の米国株式市場のダウ平均は251.63ドル安(-0.76%)と続落、ナスダック総合指数は225.62ポイント安(-1.76%)、S&P500は49.54ポイント安(-1.18%)とそれぞれ大幅に下落した。7-9月期国内総生産(GDP)の予想以上の成長を受けリセッション懸念が後退した。ただ、一部主要ハイテク企業の冴えない決算に失望した売りが重しとなった。ナスダック総合指数は大幅続落、主要株価指数がそろって下落した米株市場を横目に、日経平均は112.01円高の30713.79円と反発して取引を開始した。その後もプラス圏で堅調に推移した。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、ディスコ<6146>などの半導体関連株、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株が堅調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、川崎船<9107>や郵船<9101>などの海運株が上昇。ほか、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、リクルートHD<6098>なども上昇した。前日に第2四半期決算を発表した富士通<6702>が急騰、東邦チタニウム<5727>、MARUWA<5344>が値上り率上位となった。 一方、武田薬<4502>や第一三共<4568>などの医薬品関連株、イビデン<4062>、キヤノン<7751>などが軟調に推移した。また、業績・配当予想の大幅下方修正を嫌気されたPEGASUS<6262>や7-9月期業績はコンセンサスを大きく下振れることとなったカプコン<9697>が急落。そのほか、ネットワンシステムズ<7518>、ペプチドリーム<4587>、未来工業<7931>、大末建設<1814>などが値下がり率上位となった。 セクターでは、海運業、非鉄金属、金属製品が上昇率上位に並んでいる一方で、医薬品、電気・ガス業が下落率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は91%、対して値下がり銘柄は8%となっている。 本日の東京株式市場は買いが先行した。昨日の日経平均が600円を超す大幅安となったことから自律反発狙いの買いが入っているほか、今週から発表が本格化している3月決算企業の上半期決算への期待感が株価の下支え要因となっている。ただ、昨日の米株式市場で主要指数が下落したことは国内の投資家心理の重しとなっているか。また、来週は日銀の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されており、週末要因も相まって積極的な買いを見送る向きが多いのか、前日の下落分は取り戻していない。そのほか、アジア市況は香港ハンセン指数や上海総合指数はともに堅調に推移している。 本日、取引開始前に発表された10月の東京都区部消費者物価指数(CP)は、生鮮食品を除くコアCPIが前年同月比2.7%上昇(前月2.5%上昇)した。また、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは同3.8%上昇と(前月3.9%上昇)から伸びが縮小したが、市場予想の同3.7%上昇は上回った。そのほか、賃金動向が反映されるサービス価格は同2.1%上昇と、1994年2月(2.2%上昇)以来の高い伸びとなった。国内の長期金利も0.86%台で日銀が上限に設定している1%に近づいており、市場では政策修正への思惑が強まっている。31日の日銀金融政策決定会合で物価見通しや日銀関係者の発言には注目しておきたい。 さて、後場の日経平均は上げ幅を広げる展開となるか。アジア市況で堅調さが続き、米株先物の動向次第では、引き続き決算が好調だった銘柄中心に買い戻しの動きが継続する可能性がある。上海総合指数は節目の3000ptを上回れるか注目しておきたい。一方で、米国および国内の企業決算が本格化するなか、週末要因も相まって様子見ムードが強まる可能性もある。中東情勢においても、イスラエルのガラント国防相が26日に「条件が整えばパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻が実施される」と述べたほか、イランのアブドラヒアン外相が「イスラム組織ハマスとイスラエルの戦争が広範囲に広がった場合、米国も影響は避けられない」と警告したという。総じて、外部環境の不透明感は依然としてくすぶっており、上値の重い展開となる可能性も想定しておきたい。(山本泰三)
<AK>
2023/10/27 12:11
ランチタイムコメント
日経平均は大幅反落、米ハイテク株下落の流れ引き継ぐ
*12:29JST 日経平均は大幅反落、米ハイテク株下落の流れ引き継ぐ
日経平均は大幅反落。667.48円安の30602.44円(出来高概算6億1549万株)で前場の取引を終えている。 25日の米国株式市場のダウ平均は105.45ドル安(-0.32%)、S&P500は60.91ポイント安(-1.43%)、ナスダック総合指数は318.65ポイント安(-2.43%)とそれぞれ反落した。主要企業の決算発表が本格化するなか、前日の取引終了後に決算を発表したアルファベットは、クラウドの売り上げが予想を下回ったことが嫌気され大幅下落、ハイテク株へ売りが波及した。また、9月の米新築住宅販売件数が予想を上回ったことから米長期金利が上昇したことも相場の重荷となった。米株安の流れを引き継ぎ、日経平均は367円安の30902.92円と反落スタート。その後も、マイナス圏で推移した。 個別では、前日に上方修正を発表したオルガノ<6368>が大幅上昇。野村マイクロ・サイエンス<6254>が続伸。そのほか決算関連で山崎製パン<2212>、フューチャー<4722>、キヤノン電子<7739>、共同印刷<7914>らも上昇。国内証券が新規にカバレッジを開始した西本Wismettac<9260>が続伸スタート。そのほか、日清食品HD<2897>、ヨシックスHD<3221>、コスモス薬品<3349>、なども値上がりした。東証スタンダードでは、特殊電極<3437>、東証グロースでは自社株買いを発表したボードルア<4413>が上昇した。 一方、前日のSOX指数大幅下落で東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、ディスコ<6146>などの半導体関連株が大幅安。そのほか、関電化<4047>、JMDC<4483>、横河ブリッジHD<5911>、正興電機製作所<6653>、ネットプロHD<7383>、東証スタンダードでは東名<4439>、日本鋳造<5609>、ヴィア・HD<7918>、東証グロースではサイバートラスト<4498>などが値下がり率上位に並んだ。 セクターでは、不動産業、電気機器、精密機器を筆頭にほとんどのセクターで下落した。上昇したのは水産・農林業、パルプ・紙のみ。東証プライム市場の値上がり銘柄は11%、対して値下がり銘柄は87%となっている。 国内株式市場は前日好調に推移していた反動もあり、ほぼ全面安となっている。昨日は米国市場で特に大手ハイテク株中心のナスダック100指数が前日比-2.47%と今年最大の下げとなっており、国内ハイテク株も軟調となっている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が-4.12%と大幅下落となったことで、国内半導体銘柄へも売りが波及している。 後場は今晩発表される米7-9月期国内総生産(GDP)速報値、米9月耐久財受注など経済指標発表を見極めたいとして、積極的な売買は控えられそうだ。7-9月期の実質GDP速報値は前期比年率4.3-4.4%増が市場予想コンセンサスとなっており、想定通りであれば約2年ぶりの高水準となる。昨日発表の米9月新築住宅販売件数の好調な結果で米長期金利が再び5%へ接近しており、警戒感は強いだろう。決算発表も好悪入り混じる結果となっており、なかなか物色手掛かりとしづらい。週末要因もちらつき、ひとまず日経平均においては24日安値の30551.67円を下回らないかを注視したい。(二階堂千穂)
<AK>
2023/10/26 12:29
ランチタイムコメント
日経平均は続伸、米株高引継いで買い優勢の展開
*12:12JST 日経平均は続伸、米株高引継いで買い優勢の展開
日経平均は続伸。404.57円高の31466.92円(出来高概算6億957万株)で前場の取引を終えている。 24日の米国株式市場のダウ平均は204.97ドル高(+0.62%)、S&P500は30.64ポイント高(+0.73%)とそれぞれ反発、ナスダック総合指数は121.55ポイント高(+0.93%)と続伸した。中東情勢悪化への警戒感が緩和するなか、10月のPMIが予想を上回ったため成長期待も買い材料になったほか、企業の好決算を好感した買いも目立った。また、金利が安定したほか今週発表される決算への期待にハイテク株も強くナスダック総合指数は続伸、終日堅調に推移した米株市場を横目に、日経平均は240.16円高の31302.51円と上昇してスタート。その後もプラス圏で堅調に推移した。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、ディスコ<6146>などの半導体関連株が堅調に推移。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、川崎船<9107>や郵船<9101>などの海運株が上昇。ほか、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、ソニーG<6758>、INPEX<1605>なども上昇した。想定以上の上方修正がポジティブなインパクトとなった野村マイクロ<6254>や上半期業績予想が再度の上方修正となったラクス<3923>が急騰、サムコ<6387>、タツモ<6266>が値上り率上位となった。 一方、第一三共<4568>、ニデック<6594>、ファナック<6954>、リクルートHD<6098>などが軟調に推移した。また、想定以上の業績下方修正をネガティブ視されたKOA<6999>や業績下方修正で一転2ケタ営業減益見通しとなったコメリ<8218>が急落。そのほか、霞ヶ関キャピタル<3498>、ファインデックス<3649>、ミダックHD<6564>、ウェルビー<6556>などが値下がり率上位となった。 セクターでは、石油・石炭製品、輸送用機器、卸売業が上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は86%、対して値下がり銘柄は12%となっている。 今日の東京株式市場は買いが先行した。前日の米株高を引き継いでおり、ハイテク株比率が高いナスダック及び主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が上昇したことが、東京市場でハイテク株や半導体関連株の株価支援要因となっている。また、今後本格化する3月決算企業の上半期決算への期待感に加えて、前日の日経平均が日足で長めの下ひげを形成したことから、テクニカル的に下値は堅いとの見方もあった。そのほか、アジア市況では香港ハンセン指数や上海総合指数が上昇しており、これらも追い風となっている。ただ、ハンセン指数が2%を超える上昇となっている中、上海総合指数の上昇は限定的で節目の3000ptには届いておらず上値は重い。 さて、後場の日経平均は上げ幅を広げる展開となるか。アジア市況の動向や米株先物の推移を見極めつつ、直近軟調に推移していた銘柄中心に買い進む動きが継続するか注目しておきたい。一方で、長期金利の上昇は一服しているものの、日米長期金利の先高観や中東情勢の緊迫化など警戒材料が払しょくできていない。そのほか、時間外でのアルファベット株の急落に加えて、全米自動車労組(UAW)のスト収束は見通せておらず、UAWは各社が収益源とする主力工場をスト対象に加え始めている。総じて、外部環境の不透明感が依然として漂っているものの、本日は幅広い銘柄で買い戻しが続きそうだ。(山本泰三)
<AK>
2023/10/25 12:12
ランチタイムコメント
日経平均は荒い値動き、一時30500円手前まで下落
*12:34JST 日経平均は荒い値動き、一時30500円手前まで下落
日経平均は続落。170.96円安の30828.59円(出来高概算7億6052万株)で前場の取引を終えている。 23日の米国株式市場のダウ平均は190.87ドル安(-0.58%)、ナスダック総合指数は34.52ポイント高(+0.27%)、S&P500は7.12ポイント安(-0.17%)とまちまち。中東情勢の一段の緊迫化を警戒し大幅下落スタートとなったが、10年債利回りが5%に達したのち下落に転じたことからハイテク株を中心に買戻しが入った。ナスダックはプラス圏を回復したが、石油関連が重しとなりダウは下げを消せなかった。ナスダック総合指数が上昇したことを下支えに、日経平均は157.46円高の31157.01円と4日ぶりに反発して取引を開始。ただ、中東情勢や米財政運営の先行き不透明感など警戒材料も多く、30551.67円まで値を下げたが、前引け前に下げ幅を縮めた。 個別では、アンビスHD<7071>、エアトリ<6191>、メディアドゥ<3678>、ウェルビー<6556>、ベネフィット・ワン<2412>、ジンズホールディングス<3046>、富士急行<9010>、吉野家HD<9861>、サイゼリヤ<7581>、力の源HD<3561>らが値上がり率上位に並んでいる。次世代車向け3ナノ半導体を26年量産との報道が材料視されたソシオネクスト<6526>は大幅反発したが、本日の半導体関連株は全般的にみて、SOX指数下落もあって売り先行の展開にはなっている。東証スタンダードではマリオン<3494>、PLANT<7646>、東証グロースでは、DELTA-P<4598>、ライズ・コンサルティングG<9168>などが上昇している。 一方、車載事業の伸び悩みがネガティブ視されたニデック<6594>が大幅下落となったほか、霞ヶ関キャピタル<3498>、川崎汽船<9107>、プロレド・パートナーズ<7034>、DmMiX<7354>らが値下がり率上位に並んだ。東証スタンダードではマキヤ<9890>、東京衡機<7719>、東証グロースでは、サンバイオ<4592>、ベースフード<2936>などが下落している。 セクターでは、海運業を筆頭に鉱業、銀行業、証券、商品先物取引業が下落率上位に並んでいる一方で、上昇したのは空運業、精密機器、陸運業、小売業のみ。東証プライム市場の値上がり銘柄は30%、対して値下がり銘柄は66%となっている。 本日の東京株式市場は荒い値動きとなっている。外部環境が不安定で相場全体においては買い材料が見いだせない状況が続いている。そのようななか、決算発表を物色材料にと関連銘柄に多く目が向けられているが、IT・電気関連の決算発表で先陣を切るニデック<6594>が車載事業の伸び悩みがネガティブ視され大幅反落となった。決算発表ラッシュ出だしで出鼻をくじかれる形となってしまったことで、投資家心理は悪化し前場は前半大きく下げた。ただ、30500円手前で反発し、半値戻しとなった。 中東情勢や米国政治不安などに加え、EMS(エレクトロニクス機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)傘下の富士康科技集団(フォックスコン)に対し、中国当局が税務当調査に入ったと伝わり、中台関係の悪化も懸念材料として台頭してきた。外部環境は引き続き予断を許さない状況となっており、後場も決算関連などに手掛かりを見出すこととなりそうだ。(二階堂千穂)
<AK>
2023/10/24 12:34
ランチタイムコメント
日経平均は続落、マイナス圏での軟調推移続く
*12:14JST 日経平均は続落、マイナス圏での軟調推移続く
日経平均は続落。252.24円安の31007.12円(出来高概算5億1379万株)で前場の取引を終えている。 前週末20日の米国株式市場のダウ平均は286.89ドル安(-0.86%)、ナスダック総合指数は202.37ポイント安(-1.53%)、S&P500は53.84ポイント安(-1.26%)とそれぞれ続落。イスラエルのパレスチナ自治区ガザ地上侵攻が迫り、週末にかけて中東情勢の一段の悪化を警戒した売りに続落となった。さらに、下院議長選で第3回投票でも決定ができず、政局混乱への懸念も売り材料となった。金利低下にもかかわらずハイテク株も売られてナスダック総合指数は大幅続落、主要株式指数がそろって下落した米株市場を横目に、日経平均は前週末比107.38円安の31151.98円と3営業日続落でスタート。その後もマイナス圏で軟調に推移した。 個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>などの半導体関連株が軟調に推移。また、三菱商事<8058>、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、ソニーG<6758>、INPEX<1605>などが下落した。直近高値圏で推移していた霞ヶ関キャピタル<3498>が利食い売り優勢から急落。ほか、YTL<1773>、アルインコ<5933>、アンビスホールディングス<7071>が下落率上位となった。 一方、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、第一三共<4568>やアステラス製薬<4503>などの一部の医薬品関連株、資生堂<4911>やコーセー<4922>などの化粧品関連株などが堅調に推移。また、トヨタ自<7203>、川崎船<9107>などが上昇した。また、そのほか、物語コーポレーション<3097>、エニグモ<3665>、三信電気<8150>、ジンズホールディングス<3046>、などが値上がり率上位となった。 セクターでは、石油・石炭製品、鉱業、鉄鋼が下落率上位に並んでいる一方で、医薬品、水産・農林業、電気・ガスが上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は30%、対して値下がり銘柄は66%となっている。 本日の東京株式市場は売りが先行した。前週末の米株安を引き継いだほか、中東情勢の緊迫化や米財政運営の先行き不透明感なども依然として払しょくできておらず、買い進む動きは乏しい。また、米長期金利の上昇はやや一服しているものの、依然として高水準を維持するなか、積極的な押し目買いの動きは限られそうだと見ている向きも多いようだ。ただ、節目の31000円が徐々に接近してきているなか、同水準では一定の買い戻しが向かう可能性もある。そのほか、アジア市況では上海総合指数などが下落していることも、重しとなっている。上海総合指数は、前週末に付けた年初来安値を下回っており、国内景気や米中関係への不安が続いている。 さて、後場の日経平均はマイナス圏での軟調もみ合い展開が続くか。今週はFRB高官が金融政策に関する発言を自粛する「ブラックアウト期間」に入るため、要人発言がなく手掛かり材料は乏しいとみられている。さらに、米国で主要企業の決算が本格化するほか、国内でも主要企業の決算発表控えていることもあり、様子見姿勢が強まると買い進む動きは想定しにくい。企業決算への期待が下支えする可能性もあるが、外部環境の不透明感が懸念材料となる中、引き続きアジア市況の動向や米株先物の推移を見極めたいか。総じて、手掛かり材料に乏しい中、マイナス圏でこう着感の強い展開となりそうだ。(山本泰三)
<AK>
2023/10/23 12:14
ランチタイムコメント
日経平均は続落、買い材料乏しく軟調推移続く
*12:13JST 日経平均は続落、買い材料乏しく軟調推移続く
日経平均は続落。163.78円安の31266.84円(出来高概算6億2243万株)で前場の取引を終えている。 19日の米国株式市場のダウ平均は250.91ドル安(-0.75%)、ナスダック総合指数は128.13ポイント安(-0.96%)、S&P500は36.60ポイント安(-0.85%)とそれぞれ続落。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が長期債利回りの上昇で利上げの必要性が低下する可能性に言及した。ただ、高いインフレが依然リスクで、経済の強さが続いた場合は追加利上げが正当化されるとの見解を示すなど、利上げ終了が示唆されず長期金利が再び上昇するに連れて警戒感から売りに転じた。終盤にかけて主要株式指数が下げ幅を拡大した米株市場を横目に、日経平均は265.73円安の31164.89円と続落してスタート。その後もマイナス圏で軟調に推移した。 個別では、東エレク<8035>やディスコ<6146>などの一部の半導体関連株、川崎汽船<9107>や郵船<9101>などの海運株が軟調に推移。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、ソニーG<6758>、キヤノン<7751>などが下落した。北米地域での在庫調整受けて業績予想を下方修正した富士通ゼネラル<6755>が大幅下落。ほか、TOWA<6315>、タツモ<6266>、ダイレクトマーケティングミックス<7354>が下落率上位となった。 一方、INPEX<1605>や石油資源開発<1662>などの一部の石油関連株、三井物産<8031>、日本郵政<6178>、などが上昇した。また、がん領域3製品でメルクと開発・商業化契約締結を発表した第一三共<4568>やエフィッシモの大量保有が伝わり思惑買いが向かった西松屋チェーン<7545>は急騰、NISSOHD<9332>、古野電気<6814>、三和ホールディングス<5929>などが値上がり率上位となった。 セクターでは、保険業、機械、電気機器が下落率上位に並んでいる一方で、医薬品、鉱業、ゴム製品が上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の37%、対して値下がり銘柄は59%となっている。 今日の東京株式市場は売りが先行した。昨日の米株安を引き継いだほか、中東情勢の緊迫化や米国による対中半導体規制強化への懸念、米財政運営の先行き不透明感なども払しょくできず、週末要因も相まって買い進む動きは乏しい。また、アジア市況では、香港ハンセン指数や上海総合指数が下落し、上海総合指数が心理的な節目とされる3000を割っていることも警戒材料となっている。ただ、昨日の日経平均が600円を超す大幅安となったことで自律反発狙いの買いが入りやすく、下げ幅は限定的となっている。なお、取引開始前に発表された9月の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比2.8%上昇した。QUICKがまとめた市場予想の中央値は同2.7%上昇だった。 さて、後場の日経平均はプラス圏に浮上できるか。FRBのパウエル議長は次回のFOMCでは政策金利を据え置く姿勢を示したが、その後は追加利上げの可能性があると強調している。利上げがすでに終結したと推測する市場の見方をけん制しており、FRBの金融政策も先行きが見通しにくい。午後からはアジア市況の動向に加えて、米株先物の推移を見極めたく、引き続き買い進む動きは限定的となりそうだ。テクニカル面では、サポートラインが見当たらず、31000円も視野に入ってきている。総じて、手掛かり材料に乏しい中、個別に材料が出た銘柄中心に注目しておきたい。(山本泰三)
<AK>
2023/10/20 12:13
ランチタイムコメント
日経平均は大幅反落、米株安横目に下げ幅を広げる展開
*12:16JST 日経平均は大幅反落、米株安横目に下げ幅を広げる展開
日経平均は大幅反落。595.26円安の31446.99円(出来高概算5億9590万株)で前場の取引を終えている。 前日18日の米国株式市場のダウ平均は13.11ドル高(-0.98%)と反落。中東情勢の緊迫化を警戒した売りが優勢に。さらに、原油高が警戒されたほか、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で国内経済の底堅さが再確認されたため長期金利が一段と上昇し、ハイテク株を中心に売られた。ナスダック総合指数は大幅続落、主要株式指数が終日軟調に推移した米株市場を横目に、19日の日経平均は462.71円安の31579.54円と3日ぶりに反落してスタート。その後はマイナス圏で軟調に推移した。 個別では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>、ディスコ<6146>などの半導体関連株、川崎汽船<9107>や郵船<9101>などの海運株が軟調に推移。また、三菱UFJ<8306>や三井住友FG<8316>などの金融株、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、ソニーG<6758>、オリエンタルランド<4661>などが下落した。第三者割当によるCB・新株予約権発行で潜在的な希薄化懸念が台頭したツバキナカシマ<6464>が急落。ほか、アンビスHD<7071>、エンプラス<6961>、マルマエ<6264>が下落率上位となった。 一方、キヤノン<7751>、TOWA<6315>、任天堂<7974>、などが上昇した。また、前日に業績予想の上方修正を発表したカナデン<8081>や敵失的恩恵の享受など期待し国内証券が目標株価を引き上げたIDOM<7599>は急騰、ヴィア・ホールディングス<7918>、キャリアインデックス<6538>、北の達人コーポ<2930>などが値上がり率上位となった。 セクターでは、精密機器、空運業、卸売業が下落率上位に並んでいる一方で、パルプ・紙、陸運業、が上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の18%、対して値下がり銘柄は80%となっている。 本日の東京株式市場は売りが先行した。前日の米主要株価指数が下落したことが東京市場の株価の重しとなったほか、日米長期金利の上昇に加えて中東情勢の緊迫化や米国による対中半導体規制の強化、米財政運営の先行き不透明感など警戒材料が多く、売り手優位の状況が続いている。また、中国・香港市場も主要株価指数が大きく下落しており、投資家心理の重しとなっている。なお、取引開始前に発表された9月の貿易収支は624億円の黒字で、QUICKがまとめた民間予測の中央値は4250億円の赤字だった。黒字は3か月ぶりで、中国向けの食料品の輸出額が98億円と前年同月比で58%減少したようだ。さて、後場の日経平均はじりじりと下げ幅を広げる展開か。取引開始前に発表された対外及び対内証券売買契約などの状況(週間)によると、海外投資家は10月8-14日に国内株を3週連続で買い越しており、買越額は1兆2599億円だったが、直近のネガティブ材料を打ち消すような内容ではなかった。他方、バイデン大統領は、ガザの病院での爆発についてイスラエルの責任ではないことを示唆する米国防総省の証拠を確認したようだ。ただ、アラブ諸国の指導者らは18日にヨルダンで予定されていたバイデン大統領との首脳会談をキャンセルしており、中東の地政学リスクは不透明感がぬぐえない。午後からは引き続きアジア市況の動向に加えて、米株先物の推移を見極めたい。テクニカル面でも、サポートラインが見当たらず、下値模索の展開を示唆しているか。総じて、手掛かり材料に乏しい中、後場も売り優勢の展開となりそうだ。(山本泰三)
<NH>
2023/10/19 12:16
ランチタイムコメント
日経平均は小反落、節目の32000円近辺でもみ合う
*12:11JST 日経平均は小反落、節目の32000円近辺でもみ合う
日経平均は小反落。66.00円安の31974.29円(出来高概算6億1019万株)で前場の取引を終えている。 17日の米国株式市場のダウ平均は13.11ドル高(+0.04%)と小幅に続伸、ナスダック総合指数は34.24ポイント安(-0.25%)、S&P500は0.43ポイント安(-0.01%)とそれぞれ小反落。9月小売売上高の伸びが予想を大幅に上回り強い消費が確認され、利上げ長期化懸念が台頭した。ただ、その後は他の予想を上回る指標を受け、強い成長期待を受けた買いに転じた。ただ、2年債利回りが16年ぶり高水準になるなど長期金利の上昇に連れ売りが再開した。ナスダック総合指数は反落、売り買いが交錯した米株市場を横目に、17日の日経平均は前日比6.48円安の32033.81円と小幅に反落してスタート。その後はマイナス圏で軟調に推移した。 個別では、川崎汽船<9107>や郵船<9101>などの海運株が軟調に推移。また、三菱重工業<7011>、アドバンテ<6857>、キーエンス<6861>、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、ソニーG<6758>、三菱商事<8058>、オリエンタルランド<4661>などが下落した。再度の業績下方修正で赤字幅が拡大したアドバンスクリエイト<8798>が急落。ほか、ヨシムラフード<2884>、M&A総研<9552>、DDグループ<3073>、さくらインターネット<3778>が下落率上位となった。 一方、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>などの一部の半導体関連株、INPEX<1605>や石油資源開発<1662>などの石油関連株が堅調に推移。また、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの金融株、三井物産<8031>、JT<2914>、塩野義製薬<4507>、日本製鉄<5401>なども上昇した。そのほか、「ライドシェア」関連として関心が向かっているFIG<4392>や業績上方修正で上半期一転大幅営業増益見通しとなったハピネット<7552>は急騰、リズム<7769>、やまみ<2820>などが値上がり率上位となった。 セクターでは、海運業、医薬品、サービス業が下落率上位に並んでいる一方で、鉱業、銀行業、石油・石炭製品が上昇率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の44%、対して値下がり銘柄は52%となっている。 今日の東京株式市場は、やや売りが優勢となった。米長期金利が上昇し、ナスダック総合指数や主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が下落したことが、東京市場でハイテク株や半導体関連株の重しとなった。また、米国の対中半導体規制の強化や中東の地政学リスクなど外部環境の不透明感が引き続き市場の警戒材料となっている。一方で、国内外金利の上昇を材料に金融株が上昇し、米国経済統計の結果を受けて鉱業や石油株も堅調に推移し、指数を下支えしている。今月下旬からは、国内企業の決算発表も本格化するため、期待感も広がっているか。 国内の長期金利は一時0.81%を付け、約10年2カ月ぶりの水準になった。米長期金利が急上昇したことに加えて、30・31日に開く日銀金融政策決定会合で2023年度・2024年度の物価見通しを上方修正する公算が大きいとの報道が債券の売りにつながっている。関係者によると、生鮮食品を除くコアCPIの見通しは、23年度が2.5%から3%に、24年度については従来の1.9%から2%以上への引き上げが視野に入るという。日銀は、賃金上昇を伴う形での2%物価目標の持続的・安定的実現を目指しているが、植田日銀総裁は前回会合後の会見で、現状はまだ目標に至っていないと認識を示していた。今月の同会合で、これらの認識に変化が出てきているか、注目しておきたいところだ。 さて、後場の日経平均はマイナス圏での軟調推移が続くか。前日には、ガザの病院が空爆されたことを受けて、バイデン大統領が18日に予定していたヨルダン訪問を延期することとなった。イスラエル軍はガザの病院への空爆に対する関与を否定しているが、中東の地政学リスクは引き続き不透明感が広がっている。また、今晩は米国でテスラやネットフリックスなどが決算を発表予定で、これらの決算を見極めたい動きも広がりそうだ。手掛かり材料に乏しい中、節目の32000円近辺でもみ合う展開を想定しておきたい。(山本泰三)
<AK>
2023/10/18 12:11