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NYの視点:パウエル議長議会証言、BOE、FRB理事承認、ブリンケン米国務長官訪中
*07:40JST NYの視点:パウエル議長議会証言、BOE、FRB理事承認、ブリンケン米国務長官訪中
今週はFRBが年2回公表する金融政策報告書に関し、パウエル議長は2日間の議会公聴会に出席する予定で注目となる。FRBが公表した金融政策報告では、「インフレは鈍化も依然2%目標を上回っている」と慎重。追加利上げを巡り、各会合で決定していく方針を確認した。また、金融システムは「依然堅調で柔軟性がある」とした。成長では、信用状況の引き締まりは経済活動の重しになる可能性を指摘したほか、インフレ制御には潜在的な水準を下回る成長が必要である可能性に言及した。民主党はウォ―レン上院議員などが「FRBが利上げを停止すべき」と主張。一方で、共和党はバイデン政権の巨大な歳出拡大がインフレを高止まりさせており、支出削減の必要性を訴えている。そのほか、FRB副議長に指名されたジェファーソン理事、FRB理事に再指名されたクック氏、新たに理事に指名されたクーグラー氏が承認手続きの上院銀行委での証言が予定されている。FRBは6月FOMCで市場の予想通り昨年3月に利上げ開始して以降初めて利上げを見送った。声明では、金利据え置きにより10会合連続での大幅利上げによるインフレや景気への影響を、今後の追加経済データで見直すことができるとした。ただ、議長は利上げ見送りは、緩やかな利上げ軌道の一環だとしており、利上げ終了ではないことを再確認した。FRBの見通しではピーク金利見通しが前回から一段と引き上げられ、年内あと2回の利上げを想定していることが明らかになった。パウエル議長はインフレリスクが依然上方で、過去6カ月間、コアPCEインフレにもあまり改善が見られないとタカ派姿勢を維持。ほぼ全メンバーが追加利上げが適切だと見ていることを明らかにする想定以上にタカ派的な内容となったためドル買いに拍車がかかった。ウォラー理事は、16日の講演で、「コアインフレに変化なく、追加引き締めが必要となる可能性」を指摘。リッチモンド連銀のバーキン総裁も「インフレは依然高すぎる。かなり根強い」とし、「もし、FRBが利上げを時期尚早に終了した場合、一段と高い水準までの利上げリスクになる」と警告。データがインフレ減速を示さなければ追加措置に依存はない、とした。ただ、FOMCでは7月の追加利上げは明言せず、経済次第で、各会合ごとに政策を決定する姿勢を示した。また、ブリンケン国務長官は16日から19日に中国を訪問。米中関係の改善はリスク選好の動きを支援する。中銀関連では英中銀やスイス中銀は22日金融政策決定会合を開催する。英中銀は25BPの利上げに踏み切る公算。同国の予想を上回る賃金の伸びを受けて、市場はピーク金利6%も織り込み始めポンド買いにつながった。追加利上げが示唆されると一段のポンド買いが予想される。■今週の主な注目イベント●米国16-19日:ブリンケン国務長官訪中19日:6月NAHB住宅市場指数20日:5月住宅着工件数・住宅建設許可件数、6月フィラデルフィア連銀非製造業活動、ブラード米セントルイス連銀総裁が講演21日:パウエルFRB議長が下院金融委員会証言、グールズビー米シカゴ連銀総裁が講演FRB副議長に指名されたジェファーソン理事、FRB理事に再指名されたクック氏、新たに理事に指名されたクーグラー氏が承認手続きの上院銀行委での証言22日:5月シカゴ連銀全米活動指指数、新規失業保険申請件数、5月中古住宅販売件数、5月先行指数、6月カンザスシティ連銀製造業活動、パウエルFRB議長上院銀行委での証言、メスター米クリーブランド連銀総裁が講演23日:6月製造業・サービス業PMI、ブラード米セントルイス連銀総裁講演●ユーロ圏19日:仏中銀ビルロワ・ドガロー総裁講演23日:ユーロ圏製造業・サービスPMI、●英21日:CPI22日:英中銀金融政策決定会合、製造業PMI●豪州19日:豪州準備銀が6月金融政策会合の議事録公表●中国20日:長期プライムレート●日本20日:鉱工業生産23日:CPI
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2023/06/19 07:40
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国内外の注目経済指標:日本の4月コアCPIは前年比3%台の上昇か
*14:38JST 国内外の注目経済指標:日本の4月コアCPIは前年比3%台の上昇か
6月19日-23日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■22日(木)午後11時発表予定○(米) 5月中古住宅販売件数-予想は425万戸参考となる4月実績は428万戸で減少。住宅価格の上昇や金利上昇の影響が出ているようだ。5月については住宅ローン金利と住宅価格の高止まりの影響が続くとみられており、在庫は増えていないことから、4月実績を下回る可能性がある。■23日(金)午前8時30分発表予定○(日)4月全国消費者物価コア指数-予想は前年比+3.1%3月は政府の価格抑制策の影響でエネルギー価格が下押し要因となる一方、一部食料や宿泊料は上昇。4月以降もこの状況は特に変わらず、加工食品の値上がりも報告されている。ただし、前年比ベースの物価上昇率は当面鈍化する見込み。■23日(金)午後5時発表予定○(欧)S&Pグローバル6月ユーロ圏製造業PMI-5月実績は44.8参考となる5月実績は44.8。ユーロ圏のインフレ率は緩和しつつあるが、新規受注はやや伸び悩んでいる。この状況は6月も特に変わっていないため、節目となる50を大幅に下回る見込み。■23日(金)午後10時45分発表予定○(米)6月S&Pサービス業PMI-5月実績は54.9参考となる5月実績は1年1カ月ぶりの高水準。金利上昇の影響は多少あるものの、多くの企業は需要環境について楽観視していることも確認された。6月についてもサービス業の需要はまずまず堅調であることから、5月実績に近い水準となる見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・20日(火):(米)5月住宅着工件数・21日(水):(英)5月消費者物価コア指数・22日(木):スイス中央銀行政策金利発表、英中央銀行政策金利発表・23日(金):(欧)S&Pグローバル6月ユーロ圏サービス業PMI、(米)S&Pグローバル6月製造業PMI
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2023/06/17 14:38
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NYの視点:ECB利上げに加え景気刺激策解除へ、7月、9月利上げの準備
*07:39JST NYの視点:ECB利上げに加え景気刺激策解除へ、7月、9月利上げの準備
欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で政策金利を予想通り0.25ポイント引き上げ4.00%に決定した。8会合連続利上げと同時に、7月に資産購入プログラム(APP)の資産再投資を中止すると発表。さらに、インフレ、コアインフレ見通しも引き上げ。23年のインフレ率見通しを5.4%と、前回3月見通し5.3%から引き上げた。コアインフレも23年5.1%と、前回4.6%から引き上げ。一方、本年の成長見通しは0.9%と、前回見通し+1.0%から引き下げた。■ECB見通しGDP:23年+0.9%(+1.0%)、24年+1.5%(+1.6%)インフレ:23年+5.4%(+5.3%)、24年+3.0%(+2.9%)コアインフレ:23年+5.1%(+4.6%)、24年+3.0%(+2.5%)ラガルド総裁は会合後の会見で、我々はまだやるべきことがあるとし、利上げ見送りや休止は考えもせず、協議もしなかったと述べた。同時に、インフレが過剰に長期にわたり高過ぎるとし、7月も利上げする可能性が極めて高いと言及。ECBは景気見通しを下方修正する一方で、コアインフレやインフレ見通しを上方修正。25ベーシスポイントの利上げに加え、景気刺激策を解除する計画を示したため追加利上げ観測が強まった。7月に加え、9月の追加利上げの思惑も強まった。
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2023/06/16 07:39
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NYプラチナは1000ドルを軸に保ち合いか サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:44JST NYプラチナは1000ドルを軸に保ち合いか サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NYプラチナは1000ドルを軸に保ち合いか』と述べています。続いて、『NYプラチナは、13~14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを休止する可能性が高いとの見方がサポートされて1000ドルの大台を維持していた。しかし、週明け12日以降は、米長期金利の上昇や中国の低調な経済指標を背景に売りが優勢となり、1000ドルを下回った』と伝えています。また、『5月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比+4.0%と、4月の+4.9%から大きく鈍化し、2021年3月以来2年余りぶりの穏やかな伸びとなった。前月比は+0.1%と前月の+0.4%から減速した』と解説しています。次に、『CMEのフェドウオッチによると、FRBが政策金利を据え置く確率は95.3%と前日の79.1%から上昇。一方、7月のFOMCでの0.25%利上げの確率は63.1%となった。見通し通りのFOMCとなれば、7月に利上げの可能性があるため、米金利の上昇が予想され、ドル建て貴金属には重石となろう』と言及しています。こうしたことから、陳さんは、NYプラチナについて、『当面、上値の重い展開が続きそうだ。予想レンジは、950~1050ドル』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月14日付「NYプラチナは1000ドルを軸に保ち合いか」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/06/15 17:44
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ドル円の予想(6月12日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:45JST ドル円の予想(6月12日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について、『重要イベントが相次ぐ中で、底堅く推移しそうだ』と述べています。続けて、『今週は13日に5月米消費者物価指数(CPI)が発表され、13、14日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。続けて、15、16日には日銀金融政策決定会合が予定されており、日米金融政策の方向性の違いが改めて意識され、ドル買い・円売りが強まりそうだ』と伝えています。次に、『5月CPI予想は前年同月比で4.1%、コアCPIが同5.2%。これより上回っているなら利上げ見通しが高まり、ドル買いが強まろう。逆に、予想を下回る結果であればドル売りが優勢となろうが、翌日のFOMCを控えてドル売りも限定的になるだろう』と考察しています。また、『FOMCでは政策金利の据え置きが予想されているが、7月会合での利上げに含みが残るだろう。CMEのFEDWATCHによると、6月の金利据え置き確率は72%だが、7月の利上げの確率は67%と予想されている』とし、『ドットチャートで2023年末の予想中央値が前回3月時点の5.1%から引き上げられた場合、市場参加者の「タカ派」姿勢が健在と受け止められ、ドル買いが強まる可能性が高い』と分析しています。一方で、『日銀金融政策決定会合では、一部でイールドカーブコントロールの許容変動幅が拡大(上下0.5%から同0.75%)されるのではないかとの思惑もあるが、植田日銀総裁は、粘り強く金融緩和を続けると繰り返し表明していることから、金融政策は現状維持となる公算が高い』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、『結局、重要イベントが終了すれば、日米の金利差拡大が改めて着目され、ドル買い・円売りが一段と強まるのではないか。直近高値の5月30日につけた140円95銭をブレイクすれば、昨年11月の高値142円25銭を目指す展開になろう』と考察しています。ドル円の今週のレンジについては、『138.00円~142.00円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月13日付「ドル円の予想(6月12日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/06/14 17:45
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コラム【最新クリプト事情】:No More Digital Currency (マネックス証券 松嶋 真倫)
*09:35JST コラム【最新クリプト事情】:No More Digital Currency (マネックス証券 松嶋 真倫)
“We don’t need more digital currency… we already have digital currency, it’s called the U.S. dollar,”(我々にデジタル通貨はこれ以上必要ない。我々にはすでにドルというデジタル通貨がある。)米国の証券取引委員会(以下、SEC)のトップを務めるゲンスラー氏が述べた言葉が暗号資産界隈で話題となっている。つい先週、SECは業界最大級の暗号資産取引所であるバイナンスとコインベースを証券法違反の理由で提訴した。バイナンスについてはFTXグループと同様に顧客資産の流用などが疑われており、現在も調査が進められているが、同社はSECの申し立てに反発している。また、コインベースも代表のブライアン・アームストロング氏がSECを批判し、法廷で業界代表として当局と向き合う姿勢を示している。2023年に入ってから米国ではSECによる暗号資産関連企業への取り締まりが続いており、かつてブームの中心にあった米国は今や暗号資産業界から敬遠される国となりつつある。実際に米国から欧州やアジアへと活動拠点を移す暗号資産ネイティブな企業は増えており、暗号資産の米国離れが徐々に進んでいる。米国当局としては、大きな事件をきっかけに、これまでイノベーションの観点で野放しにしてきた暗号資産の問題を金融ルールに沿って正したいという考えだ。企業側は数ある暗号資産の証券性を否定しているが、数百銘柄と取り扱う中でそれを完全に否定できるものはビットコインくらいだろう。一方、暗号資産関連企業は暗号資産規制の明確化を米国当局に求めている。米国ではSECと商品先物取引委員会(CFTC)で金融資産ごとに管轄が分かれており、暗号資産は証券なのかあるいはコモディティなのかという議論とともに、どちらが暗号資産を管轄するのかが今でも定まっていない。このように米国当局VS暗号資産関連企業の対立が激化しているが、正直なところどちらの立場も間違っておらず、関係者同士のコミュニケーション不足が不透明な状況を生み出している。米国の暗号資産規制環境がクリアになるまでは相場も重苦しい雰囲気が続きそうである。マネックス証券 マネックス・ユニバーシティ 暗号資産アナリスト 松嶋 真倫(出所:6/12配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)
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2023/06/14 09:35
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NYの視点:米利上げサイクル継続の可能性も残りドル底堅く推移か、専門家は利上げ終了を想定も
*07:41JST NYの視点:米利上げサイクル継続の可能性も残りドル底堅く推移か、専門家は利上げ終了を想定も
金融専門メディアのCNBCが実施した世論調査によると、回答したマネーマネジャーやエコノミストなどは半数以上がFRBの利上げが年内終了したと見ていることが明らかになった。■CNBC調査6月FOMCで利上げ休止:91%7月FOMCで利上げ休止:63%ピーク金利:5.24%米5月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%と、4月+0.4%から伸びが鈍化した。前年比では+4.0%と、4月+4.9%から予想以上に伸びが鈍化し2021年3月来で最低の伸びとなった。原油安が要因。CPIの結果は13日、14日に開催されている連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを休止することが正当化されるとの見方が大半となった。同時に、FRBが重要視している変動の激しい燃料や食料を除いたコア指数の伸びは前年比で4月から鈍化し2021年11月来で最低となったものの予想程鈍化しなかった。また、主要銀行の中で比較的早い段階でインフレピーク達成を理由に利上げを休止したカナダ中銀は直近の会合で利上げ再開を強いられた。また、英国の4月週平均賃金が予想以上に伸びが拡大したため英中銀の利上げ観測が強まり、短期金融市場では英中銀の125BPの追加利上げを織り込んだ。50%の確率でピーク金利6%も織り込まれた。英2年債利回りは4.65%まで上昇し2008年来の高水準。英中銀のベイリー総裁は「インフレは鈍化も想定以上に遅いペース」と言及するなど、他国もインフレ制御が難航している。米国での最近のインフレ鈍化は主に原油安が影響している。原油価格動向に左右されインフレ見通しには不透明感が強く、現時点でインフレが完全に制御される確率はまだ低く、7月利上げの可能性は残る。パウエルFRB議長もインフレ対処において勝利宣言は時期尚早との見解を繰り返す可能性が強いと見られ、ドルも底堅く推移か。
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2023/06/14 07:41
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NYの視点:6月FOMCでのタカ派的な利上げ休止(skip)観測
*07:54JST NYの視点:6月FOMCでのタカ派的な利上げ休止(skip)観測
連邦準備制度理事会(FRB)は今週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げをいったん休止(Skip)するとの見通しが強まった。ただ、追加利上げの可能性も完全に除外せず、必要とあれば追加利上げする用意があることを強調するタカ派的な利上げ休止観測が強い。インフレは昨年6月にピーク達成後、鈍化傾向にあるもののFRB高官は鈍化ペースが想定以上に遅いとの見方で、追加利上げの必要性を示唆。次回6月FOMC会合で金融政策を決定する上で重要となる最新5月の雇用統計では失業率は上昇も非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回り1月来で最大となるなど、労働市場ひっ迫の新たな証拠となった。ただ、同時に、今までの急速で大幅な利上げによる経済やインフレへの影響がまだ完全には反映されておらず、利上げを休止することで状況を見直す可能性が強いと見られる。NY連銀が発表した5月調査によると、消費者は今後1年間で、物価が4.07%上昇すると見ていることが明らかになった。2021年5月以降2年ぶり最低の伸び。さらに、賃貸や賃金の期待伸び率も低下したことはFRBにとり朗報になる。しかし、今後3年間での物価の伸びは2.98%と、4月の2.89%から一段と拡大すると見ている。2月に20年6月来の低水準まで低下後、3カ月連続で期待インフレ率は上昇。インフレの根強さが示唆された。FRBは中長期の期待インフレ動向を特に注視しており、中期期待インフレの高止まりもFRBのタカ派的な利上げ休止の思惑を強めた。ドルも引き続き下げ難い展開となると見る。■5月NY連銀調査1年後の中間期待インフレ率:4.07%(4月4.45%)3年後の中間期待インフレ率:2.98%(2.89%)中間期待住宅価格変化:+2.64%(+2.52%)ガス価格:+5.19%(5.77%)賃貸:+9.13%(+9.17%)賃金の伸び:+2.8%(2.98%)失業の確率:10.86%(12.20%)自主退職:19.1%(19.59%)
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2023/06/13 07:54
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NYの視点:中国の4-6月期GDP成長率、ベース効果などにより比較的高い伸びとなる見込み
*08:11JST NYの視点:中国の4-6月期GDP成長率、ベース効果などにより比較的高い伸びとなる見込み
報道によると、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は2023年4-6月期の成長率について、ベース効果などにより前年同期比で比較的高い伸びになるとの見方を示した。9日に公表された中国人民銀行の声明によると、「第2四半期(4-6月期)の国内総生産(GDP)成長率は前年比で比較的高くなる見込み」、「消費者物価指数(CPI)は下半期に徐々に持ち直し、12月までには前年比1%を超えると予想される」ようだ。直近の消費者物価指数は前年比+0.2%程度の低い伸びにとどまっているが、プラス幅は少しずつ拡大していくようだ。市場参加者の間では、中国政府は景気回復傾向が続いているとの認識を変えていないため、景気浮揚策の発動には慎重との見方が多いようだ。ただ、世界経済の減速は避けられないことから、今年後半にかけて政策支援に踏み出す公算が大きいとの声も聞かれている。財政政策面では、インフラ整備を目的とした地方特別債の追加発行などが実施される可能性があり、金融政策面では、政策金利の引き下げなどが想定されているようだ。なお、易綱総裁は、「国境を越えた貿易や投資で企業が人民元を使うことをより容易にする」と表明しており、人民元の国際化について引き続き前向きな姿勢を示した。複数の国との間で貿易取引における人民元決済がスタートしている。エネルギー資源の輸入などで人民元の使用が拡大しているようだが、今後はこの動きが一段と拡大していくものとみられる。
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2023/06/12 08:11
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国内外の注目経済指標:米政策金利は据え置きの公算
*14:34JST 国内外の注目経済指標:米政策金利は据え置きの公算
6月12日-16日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■13日(火)午後9時30分発表予定○(米) 5月消費者物価コア指数-予想は前年比+5.2%参考となる4月実績は+5.5%。住居費の上昇率は鈍化しつつあるが、コアインフレ率の大幅な低下は期待できない。ただし、複数の項目で物価上昇率は鈍化しており、この状況は5月も変わらないため、コアインフレ率は4月実績を下回る見込み。■14日(水)日本時間15日午前3時発表予定○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-政策金利は据え置き予想米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン理事は5月31日、金融安定性と経済に関するスピーチで、「次回会合で政策金利の据え置きを決定しても、今サイクルのピーク金利に達したと解釈すべきではない」と述べた。5月雇用統計では賃金の伸びは鈍化していた。インフレ持続につながる新たな材料が提供されない場合、政策金利の据え置きが実際に決定されることになりそうだ■15日(木)午後9時15分発表予定○(欧)欧州中央銀行(ECB)政策金利発表-予想は0.25ポイントの利上げ欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は6月5日、欧州議会で「最新の入手可能なデータによると、一部に緩やかな兆候が見られるものの、基調的なインフレ率がピークに達したことを示す明確な証拠はない」と述べており、追加利上げの必要性を示唆している。■16日(金)決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は金融政策は現状維持日銀の植田総裁は、安定的な物価上昇のカギを握る賃上げの持続性や広がりを多角的に見極めたいと指摘している。物価が安定的に2%程度上昇しているかどうかがポイントになるとの認識は変わっていない。現時点で賃金の持続的な上昇を示唆するデータは揃っていないことから、現行の金融政策は長期間維持される見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・12日(月):(日)5月国内企業物価指数・13日(火):(独)6月ZEW期待指数・14日(水):(欧)4月ユーロ圏鉱工業生産、(米)5月生産者物価コア指数・15日(木):(日)5月貿易収支、(中)5月小売売上高、(米)5月鉱工業生産・16日(金):(米)6月ミシガン大学消費者信頼感指数
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2023/06/10 14:34
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金はFOMC前に様子見、保ち合い続きそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*09:40JST 金はFOMC前に様子見、保ち合い続きそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金はFOMC前に様子見、保ち合い続きそう』と述べています。続いて、『先週のNY金は、債務上限問題の解決難航予想から一時2000ドルの大台に上昇する場面もあったが、週末は安値引けとなった。それでも週間では0.42%高としっかりだった。ただ、5月は月間で0.85%安だった』と伝えています。次に、『2日に発表された5月米雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月から33万9000人増加した。これを受けて、米10年債利回りが上昇し、ドルが買われ、金利を生まない金は売りが先行した』と解説しています。また、『週明け6日は、5月米ISMサービス業購買担当者景況指数(PMI)が5カ月ぶりの低水準となったことで、米長期金利が低下すると、ドルが売られ金は反発した。しかし、すでにブラックアウト期間に入っているため、来週のFOMCを前に、追加利上げの有無を巡って動きにくくなるだろう』と述べています。一方で、『米連邦準備制度理事会(FRB)は6月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げを見合わせるとの見方が優勢だが、7月の利上げを否定しない可能性がある』とし、『6日のCMEのFEDWATCHによると、6月会合で金利据え置きは77.1%だが、7月の利上げは52.5%に上昇している。そのため、6月会合で金利据え置きとなっても、声明で7月の利上げに含みを持たせた「タカ派」的なものであれば金相場にはネガティブとなろう。ただ、景気後退懸念もあるため、1900ドルは維持されるのではないか。逆に、利上げサイクル終了を示唆するような声明であれば、再び2000ドルを目指す展開になろう』と考察しています。また、『ファンドも2000ドルの節目を下回ったところで買いを縮小している。世界最大の金ETF(上場投資信託)SPDRゴールドの残高も、5月下旬からは940トン前後で推移し、横這いが続いている』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、今週のNY金について、『レンジ相場になろう。予想レンジは1930~2000ドル』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月7日付「金はFOMC前に様子見、保ち合い続きそう」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/06/09 09:40
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メキシコペソ円今週の予想(6月5日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*09:37JST メキシコペソ円今週の予想(6月5日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週のメキシコペソ円は、堅調な経済動向と高水準の政策金利を背景に押し目買いが継続しそうだ』と述べています。続けて、『メキシコの第1四半期の国内総生産(GDP)は前期比1.0%増し、6四半期連続のプラスとなった。速報値(1.1%)はやや下回った。前年同期比では3.7%増。市場予想と速報値の3.9%を小幅に下回った』と伝え、『米国の景気鈍化と金融引き締め政策で今後数四半期のメキシコ経済の成長は鈍化するとの見方が出ている。ただ、今年の経済活動はまずまずの滑り出しと評価されていることがペソ買いにつながっているようだ。CFTC建玉を見ると、ファンドは対ドルをメキシコペソの買い越しを拡大している。5月30日時点で、買い越しは7万8005枚と前週よりも1.4%増加した。』と解説しています。また、『海外(主に米国)からの送金もペソをサポートしている。メキシコ銀行(中央銀行)は1日、外国からメキシコへの4月の送金額が前年同月比6%増の50億300万ドル(約7000億円)になったと発表した。4月として初めて50億ドルを上回った』とし、『米国などに住むメキシコ出身の出稼ぎ労働者が送金を通じて母国に住む家族の生活を支えている。前年同月を36カ月連続で上回った。メキシコでは主要な外貨獲得手段である送金の増加が飲食業など国内消費を下支えしている。2023年1-3月期の実質国内総生産(GDP)はサービス業などの第3次産業が前四半期比で1.5%増と好調だった』と伝えています。一方で、『メキシコ中央銀行が1日公表した5月の金融政策決定会合議事要旨によると、理事会はインフレ率とインフレ圧力が鈍化したものの依然高止まりしていると強調した。中銀は5月の会合で政策金利を11.25%に据え置くことを全会一致で決めた。過去約2年間で計725ベーシスポイント(bp)の利上げを実施したが、停止に踏み切った。議事要旨はまた、インフレ率を目標水準に引き下げるために政策金利を現行水準で「長期間」維持する必要があるとした』と言及しています。陳さんは、『中銀は5月31日の四半期経済報告でも同様の見解を示した。中銀はインフレ率が2024年第4四半期までに中銀目標の3%に戻ると予想している』と考察しています。こうしたことから、メキシコペソ円の今週のレンジについては、『7.80円~8.20円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月6日付「メキシコペソ円今週の予想(6月5日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/06/09 09:37
注目トピックス 経済総合
NYの視点:日本の1-3月期GDP改定値は市場予想を上回ったが、個人消費はさえないまま
*07:38JST NYの視点:日本の1-3月期GDP改定値は市場予想を上回ったが、個人消費はさえないまま
日本の内閣府が6月8日発表した1-3月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率+2.7%と速報値+1.6%から上方修正された。民間在庫のプラス寄与が速報値から拡大したことなどが要因。民間在庫変動の寄与度は前期比+0.4%と速報値の+0.1%から拡大した。1日に発表された法人企業統計で設備投資の増加が確認されており、設備投資は速報値の+0.9%から+1.4%に上方修正された。一方、個人消費は速報値の+0.6%から+0.5%に下方修正された。個人消費については、2022年4月から23年4月まで実質賃金総額は前年比マイナスが続いており、実質的な賃金減少が個人消費を抑制していることは否めない。2023年度(2023年4月-24年3月)におけるGDP成長率見通しについては、+1.3-1.6%程度、2024年度(2024年4月-25年3月)については、+1.0-1.4%程度との予測が多いようだが、経済活動が緩やかに拡大しても賃金上昇率は2%程度にとどまり、インフレを考慮すると実質賃金は2023年も減少するとの見方も出ている。日本銀行は現行の金融緩和策を長期間維持し、効率的な財政・金融政策が景気を下支えするとの期待はあるものの、世界経済が予想以上に減速した場合、日本経済の回復はわずかな程度にとどまるケースも予想される。
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2023/06/09 07:38
注目トピックス 経済総合
NYの視点:2024年のアメリカ大統領選に向けた各陣営の動きが本格化
*07:36JST NYの視点:2024年のアメリカ大統領選に向けた各陣営の動きが本格化
報道によると、2024年のアメリカ大統領選に向けて、ドナルド・トランプ政権の副大統領だったマイク・ペンス氏が6月5日、立候補の書類を正式に提出した。ペンス氏は6月7日に予備選が最初に行われるアイオワ州で演説する予定のようだ。主要メディアによる世論調査によると、共和党支持者の間ではトランプ前大統領が主に支持されており、フロリダ州のデサンティス知事をリードしている。ペンス氏の支持率は3位だが、支持率はデサンティス氏を明らかに下回っており、数%台で推移しているようだ。他にも候補者はいるが、いずれも支持率は低迷しており、専門家の間ではトランプ氏、デサンティス氏、ペンス氏の3人の指名争いになるとの見方が多い。しばらく前までデサンティス氏を評価する声が多く聞かれていたが、同氏は正式な出馬表明を主要メディアを通じて行わなかったことから、支持率は伸び悩んでいるようだ。何らかのマイナス材料が提供されない場合、トランプ前大統領はこのまま高い支持率を維持し、共和党大統領候補に選出される可能性は十分あるとみられている。現時点で大半の市場参加者は2024年の大統領選挙の行方について特に関心を寄せていないが、共和党大統領候補にトランプ氏が選ばれる可能性が一段と高まった場合、投資家の多くは同氏が掲げる経済・外交政策などについて点検を始めるだろう。なお、民主党側では現職のバイデン大統領が再選を目指すことを早い時期に表明しているが、ロバート・ケネディJr.(ジョン・F・ケネディ元大統領の実弟)が4月19日に大統領へ立候補することを正式表明しており、米国で話題となっている。同氏は環境保護活動などに長年従事しており、大企業などからの支援は期待できないため、指名争いに勝つことは難しいとみられている。ただ、バイデン大統領は高齢であることが問題視されており、再選しても大統領としての職務を遂行することはより難しくなると指摘されていることから、ロバート・ケネディJr.候補に対する関心がやや高まっているようだ。
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2023/06/08 07:36
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コラム【新潮流2.0】:記憶力(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
*09:30JST コラム【新潮流2.0】:記憶力(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
◆最近僕の周りで禁句になっている台詞がある。「33年前、何してた?」である。「やだ~、33年前なんて、まだ生まれてませんよ~!」とあっけらかんと笑って答えられるのはアラサーまで。妙齢の女性はほぼ例外なく、きつい眼で僕を睨んで「内緒!」と怒ったように返すのである。◆日経平均が33年ぶりの高値にある。33年前の1990年と言えば、世の中はバブルの真っ只中である。ホイチョイ・プロダクションズの映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』は1990年にタイムトラベルする話だ。「内緒」と言って答えてくれなかった女性たちも密かに「あの頃はジュリアナで扇子を振って踊っていたわね~」と当時を懐かしんでいるかもしれない。しかし、だとしたらそれは記憶違いだ。◆バブルの象徴としてよく取り上げられるディスコ、ジュリアナ東京。だが、ジュリアナがオープンしたのは1991年5月。33年前ではなく32年前だ。たった1年の違いとは言え、その差は大きい。その時すでにバブルは崩壊していたのだから。いつがバブルのピークかは諸説あるが、内閣府の景気基準日付によれば景気の山は1991年の2月(第11循環)、バブル崩壊の引き金を引いたとされる大蔵省の総量規制が通達されたのが1990年の3月、そして日経平均が史上最高値をつけたのが1989年12月末だから、どう見てもジュリアナのオープン時にはバブルは弾けていたのであった。◆ひとの記憶は曖昧で頼りない。もっと言えば、ひとは簡単に過去を忘れる。だからこそ愚かにもバブルとその崩壊が繰り返されるのだ。ひとたびバブルが崩壊すれば社会に甚大な影響を及ぼす。その悲劇を繰り返さぬためにも、当時の記憶をまだ維持している我々中高年がバブルの兆しを嗅ぎ取ったなら、すかさず警鐘を鳴らすようにしたいものだ。しかし、この年齢になると日々記憶力が衰えていくのが問題だ。まあ、それほど深刻に考えなくてもいいか。記憶力が悪いことにも美点がある。「気の利く男とは常に女性の誕生日を覚えてはいるが、その女性の年齢は決して覚えていない男のことである。(ロバート・フロスト)」マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆(出所:6/5配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)
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2023/06/07 09:30
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NYの視点:6月FOMC会合での金利据え置きは既定路線か
*07:37JST NYの視点:6月FOMC会合での金利据え置きは既定路線か
6月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げ停止の可能性が高まっている。5日発表された5月ISM非製造業景況指数は市場予想を大幅に下回った。新規受注は下がり、支払い価格指数は3年ぶりの低水準となったことが要因。5月の総合指数は50.3と4月実績の51.9を下回った。総合指数は節目の50を上回ったものの、6月以降の見通しは不透明。6月利上げの可能性は一段と低下した。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン理事は5月31日、金融安定性と経済に関するスピーチで、「次回会合で政策金利の据え置きを決定しても、今サイクルのピーク金利に達したと解釈すべきではない」、「実際には、次回会合で利上げを見送ることにより、FOMCはより多くのデータを見てから追加引き締めの程度について決定できる」と述べた。この発言を受けて6月利上げの可能性は大幅に低下した。米労働省が2日発表した5月雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比+33.9万人と、市場予想の+19万人程度を大幅に上回ったが、市場は賃金の伸びが鈍化していることに着目。雇用統計発表後も6月のFOMC会合で政策金利が5.00-5.25%(据え置き)となる確率は70%超の高水準を維持している。インフレ持続につながる新たな材料が提供されない場合、FOMC直前における利上げ確率は20%程度まで低下し、政策金利の据え置きが実際に決定されることになりそうだ。
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2023/06/07 07:37
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NYの視点:2023年における世界の旅行需要は堅調か
*07:45JST NYの視点:2023年における世界の旅行需要は堅調か
報道によると、国際航空運送協会(IATA)は6月5日、2023年における世界の航空会社の利益予想を47億ドルから98億ドルに引き上げた。新型コロナウイルス禍からの回復が進んでおり、各国で旅行需要が堅調であることが要因。全体の収入は8030億ドルと、新型コロナ流行前の2019年の8380億ドルには届かないものの、高水準となる見込み。IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は、「マクロ経済の見通しが弱くなっても高水準の雇用が需要を押し上げている」、「お金を使うことや娯楽のための借金に消費者は安心感を感じる傾向がある」と述べた。日本についても2023年の旅行需要は堅調との見方が多い。市場参加者によると、2022年10-12月期の訪日外客の一人当たりの消費額と2023年における訪日外客の予測値を用いて試算すると、2023年1年間のインバウンド需要は約5兆円との試算が出ており、コロナ禍前の2019年のインバウンド需要(推計で4兆8135億円程度)を超える可能性がある。日本政府は5兆円を目標としているが、2023年末までに達成可能とみられている。なお、5兆円レベルのインバウンド需要によって、2023年実質国内総生産(GDP)は前年比+0.89%程度との予測値が出ている。外部環境が大きく変わる可能性があり、楽観視できないものの、4-6月期の実績が順調だった場合、5兆円規模のインバウンド需要が見込める状況となりそうだ。為替相場に与える影響は大きくないかもしれないが、株高要因となった場合、リスク選好的な円売りにつながる可能性がある。
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2023/06/06 07:45
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NYの視点:賃金上昇を伴う2%レベルの物価上昇は実現可能か?
*07:42JST NYの視点:賃金上昇を伴う2%レベルの物価上昇は実現可能か?
複数の政府関係筋が2日までに明らかにしたところによると、日本政府は、今月中に閣議決定する経済財政運営の指針(骨太方針)で、日本銀行が掲げる2%の物価安定目標について、新たに「賃金の上昇を伴う形で」と追記する方向で調整に入ったようだ。岸田政権は発足後初となる骨太方針の方針を昨年発表しているが、日銀に対する要望として「経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する」と伝えていた。今回発表される骨太の方針の原案では、物価安定目標の実現を追求することは変わらないが、「賃金上昇を伴う形で」と明記されるようだ。市場参加者の間からは「現行の金融緩和策を続けることで賃金の上昇を伴う物価上昇が起こり得る保証はなく、政府がどの程度の賃金上昇を想定しているのかわからないため、日銀の金融政策の柔軟性は失われる可能性がある」との声が聞かれている。関係筋によると、政府と日銀は緊密に連携し、両者が経済・物価・金融情勢に応じて機動的な政策運営を行っていく姿をアピールしたい狙いが政府側にあるようだ。なお、賃金上昇について、日本政府は、輸入物価上昇を起点とした外生的な物価上昇から、賃金上昇やコストの適切な価格転嫁を伴う「賃金と物価の好循環」を目指す方針のようだ。ただ、賃金上昇の実現は主に企業努力によるものであり、骨太の方針に強制力はない。賃金上昇を伴った2%の物価目標が実現されることは簡単なことではないとの見方が多く、日銀は現行の金融緩和策を長期間維持することを余儀なくされる可能性が高い。(小瀬正毅)
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2023/06/05 07:42
注目トピックス 経済総合
日本の1-3月期GDP改定値は上方修正の見通し
*15:06JST 日本の1-3月期GDP改定値は上方修正の見通し
6月5日-9日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■5日(月)午後11時発表予定○(米) 5月ISM非製造業景況指数-予想は52.5参考となる4月実績は51.9。仕入れ価格指数は低水準を維持しており、景況指数を圧迫した。サービス需要はやや軟化しつつある。5月については、4月時点で新規受注は高い伸びを記録したこと、娯楽・レクリエーション、宿泊などがまずまず好調であることから、4月実績を若干上回る可能性がある。■7日(水)午後9時30分発表予定○(米)4月貿易収支-予想は-751億ドル参考となる3月実績は-642億ドル。サービスの輸出増加で赤字幅は縮小した。4月については、サービス輸出は引き続き順調とみられるが、資本財と消費財の輸入増加が予想されており、貿易赤字幅は3月を上回る可能性が高い。■8日(木)午前8時50分発表予定○(日)1-3月期国内総生産(GDP)改定値-予想は前期比年率+1.9%参考となる速報値は+1.6%で改定値は上方修正される見込み、製造業は減益となったが、非製造業は、経済活動の正常化の進展などから増収増益。全体の設備投資(ソフトウェア除く)は市場予想を上回っており、増加した。これらの要因から改定値は0.3ポイント程度の上方修正が予想される。■6月9日(金)午前9時30分発表予定○(中)5月消費者物価指数-予想は前年比+0.2%参考となる4月実績は前年比+0.1%で物価上昇率は約2年ぶりの低水準だった。生産者物価指数の下落が影響している。5月については消費拡大が期待できないことから、インフレ率は4月並みの低い水準にとどまる見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・5日(月):(欧)4月生産者物価指数・6日(火):(豪)豪準備銀行政策金利発表、(欧)4月ユーロ圏小売売上高・7日(水):(中)5月貿易収支、(加)カナダ中銀政策金利発表・8日(木):(日)4月経常収支、(欧)1-3月期ユーロ圏域内総生産確定値
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2023/06/03 15:06
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.24%高でスタート、過度な景気不安が後退
*11:03JST (中国)上海総合指数は0.24%高でスタート、過度な景気不安が後退
2日の上海総合指数は買い先行。前日比0.24%高の3212.45ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時58分現在、0.49%高の3220.41ptで推移している。過度な景気不安が後退していることが好感されている。5月の財新製造業購買担当者(PMI、民間統計)は50.9となり、2カ月ぶりに好不況の節目となる50を上回った。また、昨夜の米株高や原油価格の上昇など外部環境の改善が支援材料となっている。
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2023/06/02 11:03
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NYの視点:財政責任法案は下院で可決され上院へ、期限までに可決・成立の見通し
*07:51JST NYの視点:財政責任法案は下院で可決され上院へ、期限までに可決・成立の見通し
米下院は5月31日夜(日本時間6月1日午前)に開かれた本会議で、バイデン政権と下院共和党の連邦債務上限合意事項が反映された「財政責任法案」を賛成314、反対117の賛成多数で可決した。法案では、2025年1月1日まで債務上限の適用を停止し、今後2年間の連邦歳出に上限を設ける。法案はすみやかに上院に送られ、審議・採決される。イエレン財務長官によると、6月5日以前に連邦政府の法定債務上限が引き上げられるか適用停止とされない場合、米連邦政府は債務不履行に陥る可能性がある。上院での法案可決については、一部関係者は採決が難航する可能性があると警戒しているが、市場参加者の大半は賛成多数で問題なく可決されると予想している。早ければ6月1日にも上院での法案採決が行われる可能性がある。米債務上限問題については、共和党における財政タカ派寄りの一部議員は反対の立場を変えていないことや民主党の一部議員も態度を保留していたことから、下院本会議での採決については楽観視できない状況が続いていた。結果的には、野党・共和党が過半数を握る議会下院での法案採決で、435議席のうち賛成314、反対117の賛成多数で可決された。(反対票のうち共和党は71、民主党は46)。上院でも一定数の反対票が投じられる見通しだが、賛成多数での可決が見込まれている。なお、民主党の一部議員は先週より「バイデン大統領は共和党案に譲歩しすぎている」と批判しており、現時点でも考え方を変えていないようだ。「財政責任法案」は期限までに可決・成立する見込みだが、一部民主党議員の行動が今後の議会運営に何らかの影響を及ぼす可能性は否定できないため、彼らの動向が注目される。
<CS>
2023/06/02 07:51
注目トピックス 経済総合
ドル円は調整安か、押し目買いが優勢と予想 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:17JST ドル円は調整安か、押し目買いが優勢と予想 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について、『調整安か、押し目買いが優勢』と述べています。続けて、『週明け29日のドル円は先週末の米大統領と下院議長の債務上限問題に関する基本合意などが改めて織り込まれてドル高が進行し、1ドル=140円台前半から後半へ上昇した』と伝え、しかし、『30日に財務省、日銀、金融庁の三者会合を開催することが伝わると、金融政策の変更や介入警戒感が高まって利益確定売りに下落し、節目の140円を下回った。三者会合終了後に神田財務官が為替相場の過度な変動は好ましくないと円安進行を牽制する発言も出て、139円台後半まで下落した』と解説しています。陳さんは、『ただ、この日の参院財政金融委員会で、日本銀行の植田和男総裁は、当面の金融政策運営について、現行の金融緩和を継続していく姿勢を改めて示しており、急激な円安進行を牽制したに過ぎないだろう』と述べています。また、『本日、米債務上限問題関連の修正法案が下院議会で採決される予定で、1日の上院議会採決も含めて両党議員の一部で反対が見込まれるため、6月5日までに可決されるのか不透明な状況が続くこともドルの重石になろう』と言及しています。こうしたことから、陳さんは、ドル円について、『テクニカル的には、RSIが70%を超えたことで、買われ過ぎ感が強まったため、調整安になりやすいといったところ。日足の一目均衡表では「三役好転」状態が続いているため、上昇相場が続いているものの、目先は、転換線のある139円10銭程度まで下落する可能性があろう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月31日付「ドル円は調整安か、押し目買いが優勢と予想」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
<CS>
2023/06/01 17:17
注目トピックス 経済総合
NYの視点:大半の市場参加者は歳出削減が米国経済に与える影響を問題視
*07:39JST NYの視点:大半の市場参加者は歳出削減が米国経済に与える影響を問題視
米債務上限問題は、議会で無事に承認されるかどうかが焦点となっている。共和党における財政タカ派寄りの一部議員は反対の立場を変えていない。民主党の一部議員も態度を保留しているとみられており、下院本会議での採決結果については楽観視できない状況のようだ。ただ、バイデン政権と共和党は債務不履行に陥ることを回避する点で一致しており、双方が妥協する形で法案は最終的に可決・成立するとの見方が一般的だ。市場参加者の大半は歳出削減が米国経済に与える影響について考え始めている。合意は、政府予算の歳出には上限を設定し、2024年度は23年度と比べて防衛費以外の支出をほぼ同額にすること、2025年度は1%程度の増加にとどめるなど、歳出を抑え込む内容となっている。債務上限を2年延長するために民主党が行った譲歩の影響は決して小さくないとの声が聞かれている。米国経済の持続的な成長を阻害する要因となり、長期金利や株価にも一定の影響が及ぶ可能性が高いとみられている。目先的には、米連邦準備理事会(FRB)による6月追加利上げの確率を高める要因となるが、5%超の政策金利が長期間維持された場合、歳出削減によって経済活動はやや抑制的となる可能性があることを考慮した場合、一部の市場参加者は金融不安の再燃を警戒している。米国株式市場は歳出削減が経済に与える影響を十分織り込んでいないため、債務上限の引き上げを受けて主要株価指数は一時的に上昇する可能性はあるものの、株高持続は期待できないとの声も聞かれている。
<CS>
2023/06/01 07:39
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中国によるウクライナ「和平」の働きかけ:それは中ロ関係にとって何を意味するのか(2)【中国問題グローバル研究所】
*16:59JST 中国によるウクライナ「和平」の働きかけ:それは中ロ関係にとって何を意味するのか(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「中国によるウクライナ「和平」の働きかけ:それは中ロ関係にとって何を意味するのか(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。限界のある友情ロシア訪問直後、習近平国家主席は、ロシアによる侵攻が始まって以来初となるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談を行った。そして今、中華人民共和国の特別代表がウクライナを訪れようとしている。とはいえ、習国家主席とゼレンスキー大統領との会談や、李輝特別代表のキーウ訪問をめぐっては、大きな期待を抱くまでもない。こうした対応をとることで、中国は座視し続けながら、行動を起こしているかのような体裁を取り繕おうとしているのだ。外から状況を注視し、その時々の状況に合わせて対応することが中国の利益になるのである。中国が注視するポイントは多い。ウクライナでの戦闘は結局のところ、世界の経済大国の1つに対する西側の制裁戦略を精査する機会(※2)を中国政府に与えたことになる。中国政府は、ロシアが最前線で直面しているすべての難題と、一致協力し、世界最大の軍隊の1つに抵抗する西側同盟の能力から学ぶ(※3)こともできる。中国はロシアの国内情勢にも目を光らせている。ロシアの政策を批判(※4)する中国の著名なロシア専門家すら出てきた。批判の対象となっているのは、帝国主義的なアプローチを取るロシア政府の外交政策と、プーチン大統領の保守的イデオロギーに基づく国内政策だ。このイデオロギーは、強固な中核的価値観を基盤としたものではなく、「とりとめのない空想(discursive bubble)」と「空っぽの価値観(empty shell of values)」にのみ根差したものだと専門家らは指摘している。中国政府はまた、ロシアの宣伝機関がどのようにウクライナ侵攻に対する世論を操作しているか、そして自国のウクライナ戦争を米国政府による他国の不当な扱いの一例として描くか、を注視している。ロシア政府が中国政府に対して大きな影響力を及ぼすことができる唯一の要因はおそらく、これまでのところかなりの程度、ロシアが方向性を決定づけてきた諸事態への対応を同国が迫られていることだろう。中国が(ソビエト連邦崩壊の歴史をいまだに徹底的に研究している(※5)のと同様に)ロシアの経験を徹底的に研究する中、ロシアの外交政策自体は相変わらず独善的だ。ロシアのシンクタンクや学界には、意思決定に対する影響力が実質的にない。そのため、中国との関係はロシア大統領府が管理する — その役割については、共同声明に別途記載(※6))。ロシア大統領が述べた「親愛なる友人」を歓迎する(※7)言葉は、現代中国に対するプーチン大統領の姿勢を雄弁に物語っている。「近年」とロシア大統領。「中国は目覚ましい発展を遂げてきた。それにより、全世界の真の関心を集めており、我が国は若干、嫉妬すら覚える。」嫉妬の根源は理解できる。プーチン大統領は、ソビエト連邦崩壊を「最大の地政学的惨事」だと考えている(※8)。だからこそ、この現代ロシアのエリートは、ソビエト連邦がなれたはずだと自らが思う国となった中国に称賛の念を抱いているのだ。だが、中国に対するプーチン大統領の認識が、ウクライナや世界史全般に対する認識と同様、偏ったものであることが判明しても、それはさほど驚くにはあたらない。ウクライナイ侵攻の正当化にあたり、ロシアのプロパガンダ担当者は「ロシアにはほかの選択肢がなかった」と度々述べている。今度は、自国と中国の利害の調整にも同じ言葉を繰り返す必要があるだろう。確かにロシアにはほかの選択肢がない。そして、それを招いたのは、指導者が下した決定だ。これが、中ロ関係における中国の最大の強みとなる。ロシア政府とは異なり、中国政府には将来、さまざまな方向に発展してく可能性があり、どの国が中国のパートナーになるかはそれによって決まる。プーチン大統領が率いるロシアにとってこのように苦しい時期に、昨年の中国との共同声明に謳われていた「両国の友情に限界はなく、協力に不可侵の聖域はない」という文言が消えたのは象徴的だ。この言葉を、同盟関係を宣言するものだと多くが解釈した。今回の共同声明では、類似の文章が次のような文言になっている(※9)。「代々受け継がれてきた両国民の友情には強固な基盤があり、両国の包括的な協力は極めて幅広い可能性を秘めている。ロシアは安定し、かつ繁栄する中国に関心を持ち、中国は強く、かつ成功を収めるロシアに関心を持っている。」ロシアと中国の限界のない友情は、わずか1年余りしか続かなかった。写真: 代表撮影/ロイター/アフロ(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://www.foreignaffairs.com/china/what-china-has-learned-ukraine-war(※3)https://carnegieendowment.org/2022/07/18/chinese-military-lessons-from-ukraine-event-7909(※4)https://brgg.fudan.edu.cn/articleinfo_5392.html(※5)https://www.chinatalk.media/p/kotkin-on-china-communisms-achilles(※6)http://kremlin.ru/supplement/5920(※7)http://kremlin.ru/events/president/news/70746(※8)https://www.nbcnews.com/id/wbna7632057(※9)http://kremlin.ru/supplement/5920
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2023/05/31 16:59
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中国によるウクライナ「和平」の働きかけ:それは中ロ関係にとって何を意味するのか(1)【中国問題グローバル研究所】
*16:54JST 中国によるウクライナ「和平」の働きかけ:それは中ロ関係にとって何を意味するのか(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)テムール・ウマロフの考察を2回に渡ってお届けする。中国のユーラシア問題担当特別代表の李輝大使は「和平協議推進」のため、ロシアによる侵攻後初めてウクライナを訪問する(※2)。5月15日からの外遊中、同特別代表はポーランド、フランス、ドイツ、ロシアも訪れる予定だ。ウクライナにおける軍事衝突をめぐり、中国がその存在感の高まりを誇示するの一連の試みの中で、これは最新の動きの1つとなる。ロシアによるウクライナ侵攻開始以降で初となる、習近平国家主席とウォロディミル・ゼレンスキー大統領の会談もやはりその一環だ。それに先立ち、ロシアがウクライナへの侵攻を本格化させて2年目となる日に、中国は紛争を解決するための「和平案」を発表した。さらに3月には、習近平国家主席が3選後初めてロシアを訪問している(※3)。だが、中国政府の対応を一義的にとらえてはならない。なぜロシアは中国を必要としているのかウラジーミル・プーチン大統領から「親愛なる友人」と呼ばれる(※4)習近平国家主席は、ロシアを訪れることで、支持を最も必要としている、まさにそのときに、大きな贈り物をしたことになる。現代ロシアが今ほど外交的孤立を深めたことはなく、またプーチン大統領自身も、ハーグの国際刑事裁判所から自らの逮捕状が出される(※5)まで、今日のような有害な政治家ではなかった。習国家主席のほかにも、中国の高官がさまざまなタイミングでロシアを訪れているが、最も重要なのはやはり主役の訪問だ。中ロ関係の現状について、習国家主席の訪ロ後に形成された世論は大きく2つある。1つはロシアが中国の子分(ジュニアパートナー)となり、中国はロシアを命令通りに動かすことができるようになったというもの。そしてもう1つは、中ロ間で同盟関係が結ばれ、習国家主席が結局のところ、プーチン大統領によるウクライナ侵攻を支持し、武器供与に同意したというものだ。だが、言うまでもなく、これもやはり「真実はその中間にこそある」。両サイドに相手から得るものがあるとはいえ、本格的な同盟とは程遠い。ロシアにとって、中国側がモスクワを訪問することがなぜ重要なのか。その答えは明白だ。軍事衝突の激化と、西側諸国のロシアに対する全面的な経済制裁を受け、中国に対する依存を強める以外、ロシア政府に選択肢はない。2022年のデータを見ると、ロシア経済の中国依存が急速に強まっていると断言できるだけの事例が蓄積されていることが分かる。現在、ロシアの輸入の約40%(※6)が中国産で、ロシアの対中国エネルギー資源輸出量は過去最大を記録し(※7)、人民元が為替取引の33%、ロシア国内の決済の14%をそれぞれ占める(※8)。また一部中国企業は、グローバルブランドが去ったロシア市場でシェアを拡大している。政治的に見ると、習国家主席の訪ロはプーチン大統領の評判・名声を国内外で高めるためにも非常に重要であった。ロシアの大統領が自らの身の安全や評判・名声を心配せずに訪問できる国がほとんどないのと同様、世界最大の侵略者と笑顔で握手をするのをいとわない指導者も今やほとんど(※9)いない。ここで、より興味深い疑問が浮かぶ。世界第2位の大国の指導者がなぜ、現代ロシアのような国を訪問する必要があったのか。なぜ中国はロシアを必要としているのか有害な国であるにもかかわらず、長く国境を接し、両国の経済構造が相互補完される関係にあり、両国の政治体制が本質的に権威主義的であるなどといった客観的理由(※10)により、中国政府にとってロシアは重要な国であることに変わりない。とはいえ、重要さを増しているのは第4の要因 — 米国が中心的な役割を果たす国際秩序は不当だとすることについての、両国の見解の一致だ。ロシア政府と中国政府はいずれも、国際秩序を変えようとしているが、その手法はそれぞれ異なる。ロシアは2008年に起きたジョージアとの紛争やクリミア併合などの紛争により、そして今またウクライナ侵攻により、国際的な注目と尊敬を集めようとしている。一方、中国政府のアプローチは異なる。中国が飛躍的な発展を遂げることができたのは、主に現在の国際秩序のおかげだ。中国の戦略は、簡単に言うと、国際秩序で不可欠な役割を担い、徐々になくてはならない存在となって、最終的には国際秩序を中国政府のニーズに沿ったものにすることであろう。中国はすでに世界GDPの20%(※11)近くを、世界の物品輸出の15%(※12)弱を占め、国連の年間予算の分担率も12%(※13)に上る。その一方で、中国政府は「人類運命共同体」というビジョンを共有する支持国も必要としている。このビジョンにおいて中国政府をロシアのように支持してくれる国をほかに見つけることは難しい。しかもロシアは、政治体制が不安定な発展途上国の一つ(中国の構想の主な信奉者)であるだけではなく、核保有国であり、国連安全保障理事会の常任理事国でもある。その上、西側諸国との対立で、ロシアは中国よりはるかに踏み込んだ行動を取り、自国の経済発展や、場合によっては政治的安定ですら犠牲にすることを厭わない。戦略的あいまいさ中国とロシアが等しく、現在と将来の国際秩序を懸念しているのであれば、なぜ米国が何十年間にもわたり西側諸国と築いてきたような、本格的な同盟関係を結ばないのだろうか。中国政府とロシア政府が両国の関係を、単に西側からの圧力により親交関係の確立を余儀なくされた結果生まれたものではなく、はるかに息が長く、重要なものであると世界に信じ込ませたいと思っていることは間違いない。「同盟」は、その趣旨を考えると適切な言葉なのだろう。だが、同盟を結べば、同盟相手が関与するすべての紛争に、自国の紛争であるかのように加わると約束したとみなされることになる。中国政府は、ロシア政府による予想外の行動に責任を負うことを望んでいない。その一例が、ロシアによるウクライナ侵攻と、それに対する中国の反応だ。一方、ロシア政府も中国と周辺国の領土紛争に巻き込まれることを望んでいない。真の同盟国は、自国の行動に対して、同盟相手が少なくとも責任の一端を負わされることを自覚し、自国の意向を互いに通告し合う。ウクライナ侵攻の20日前にプーチン大統領が北京を訪れたが、これを通告と解釈する向きは多い。その際に、両国は二国間関係について「両国の友情に限界はない」とする共同声明(※14)に署名した。中国政府がロシアに唯一求めたのは、中国の評判・名声にとって大切な冬季オリンピックが終了するまで侵攻を待ってほしいということだったというのは論理的な推察と言える。だが、実際にはプーチン大統領が「親愛なる友人」である習国家主席に通告せず、中国は不意打ちを食らったのかもしれない。その根拠は、中国がウクライナ在住の何千人もの自国民を事前に退避させなかった(※15)ことだ。同盟とは、2カ国以上が個々の問題について同じような見解を示すだけでなく、外交政策の優先順位について正式な合意を得ていることも示唆している。つまり、ロシアと中国の場合、国際秩序が不当なものであるという共通の考えを持っているだけでは不十分であり、両国の外交政策の優先順位もほぼ完全に合致する必要がある。ところが、中ロ間でそうした認識はない。仮にあったとしたら、中国政府はプーチン大統領の侵略戦争にすでに加担しているだろう。現在のところ、それを裏付ける証拠はほとんどみられない。二次的制裁が科せられる恐れがあることから、ロシア市場でのプレゼンス縮小、社員のロシアからの移転、ロシアの組織・団体との協力の限定などを図る中国企業も出てきた。例えば、Huawei社はオンライン注文の受付を停止(※16)し、社員を中央アジアに移転させた(※17)。また、Loongson社製プロセッサのロシアへの輸出を中国政府が禁止した(※18)という報道や、中国人民銀行がロシアでの銀聯(UnionPay)決済システムの設置を制限している(※19)との報道もある。ウクライナ侵攻開始の初日から、中国政府は厄介な立場(※20)に立たされていた。米国の覇権と戦う姿勢ではロシアと一致する一方、ロシア政府の行動は、台湾に対する自らの主張の正当化で中国が持ち出す、領土の一体性という原則と明らかに矛盾する。そのため、中国は1年以上にわたり、「戦略的あまいさ」の方針を貫いて、中立姿勢を取り、できるだけウクライナ侵攻から距離を置くよう努めてきた。だが、実質的に何もしないことで、中国政府はすでに、ロシアを孤立させ、中国への依存を一段と強めさせただけでなく、米国の関心を自国から、支援するウクライナへと向けさせた。「中国によるウクライナ「和平」の働きかけ:それは中ロ関係にとって何を意味するのか(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: 代表撮影/ロイター/アフロ(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://www.reuters.com/world/europe/top-chinese-envoy-visit-ukraine-russia-peace-mission-2023-05-15/(※3)https://www.reuters.com/world/europe/top-chinese-envoy-visit-ukraine-russia-peace-mission-2023-05-15/(※4)http://kremlin.ru/events/president/news/70746(※5)https://www.icc-cpi.int/news/situation-ukraine-icc-judges-issue-arrest-warrants-against-vladimir-vladimirovich-putin-and(※6)https://carnegieendowment.org/politika/89374(※7)https://www.reuters.com/markets/commodities/russia-is-chinas-top-crude-supplier-jan-feb-volumes-up-238-yoy-2023-03-20/(※8)https://carnegieendowment.org/politika/88926(※9)https://carnegieendowment.org/politika/89741(※10)https://carnegiemoscow.org/commentary/86104(※11)https://chinapower.csis.org/tracker/china-gdp/(※12)https://chinapower.csis.org/trade-partner/#:~:text=In%25201995%252C%2520the%2520value%2520of,by%2520Germany%2520at%25207.7%2520percent.(※13)https://chinapower.csis.org/china-un-mission/#:~:text=China%2520contributed%2520a%2520total%2520of,US%2520(amount%2520and%2520percent).(※14)http://www.kremlin.ru/supplement/5770(※15)https://www.globaltimes.cn/page/202202/1253174.shtml(※16)https://www.themoscowtimes.com/2022/04/11/huawei-suspends-new-orders-furloughs-russia-staff-amid-sanctions-threat-reports-a77303(※17)https://www.themoscowtimes.com/2022/09/05/chinas-huawei-moves-russian-staff-to-central-asia-vedomosti-a78716(※18)https://www.rferl.org/a/china-bans-loongson-processor-exports-russia/32174659.html(※19)https://www.themoscowtimes.com/2022/09/02/chinas-visa-alternative-cuts-off-russian-banks-over-sanctions-rbc-a78704(※20)https://carnegieendowment.org/2022/02/24/china-faces-irreconcilable-choices-on-ukraine-pub-86515
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2023/05/31 16:54
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.30%安でスタート、製造業PMIが下振れ
*10:58JST (中国)上海総合指数は0.30%安でスタート、製造業PMIが下振れ
31日の上海総合指数は売り先行。前日比0.30%安の3214.65ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時52分現在、0.33%安の3213.58ptで推移している。経済指標の悪化が嫌気されている。5月の製造業購買担当者指数(PMI、政府版)は48.8となり、前月の49.2と予想の49.5を下回った。また、米債務の上限問題をめぐる不透明感が漂っていることも引き続き懸念材料となっている。
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2023/05/31 10:58
注目トピックス 経済総合
ウォール街を知るハッチの独り言 もし米国の債務上限問題が解決していなかったら(マネックス証券 岡元 兵八郎)
*09:38JST ウォール街を知るハッチの独り言 もし米国の債務上限問題が解決していなかったら(マネックス証券 岡元 兵八郎)
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、5月29日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「ウォール街を知るハッチの独り言 もし米国の債務上限問題が解決していなかったら」の内容をご紹介いたします。先週末5月27日土曜日、米国連邦政府の債務上限(デット・シーリング)の引き上げについて基本合意に達したという報道が流れました。次のステップは合意内容が法案化され、31日には議会で採決される見通しが立ってきました。これまで、最終的には合意に至るだろうと思うものの、万が一そうならない可能性もあるのではと、世界中の市場参加者が神経を尖らせていたこの債務上限の引き上げ問題、この問題の持つ意味を今一度振り返ってみたいと思います。債務上限引き上げとは、政府が法的に設定した債務(国の借金)の上限を増やすことを指します。米国においては、政府が発行できる国債の総額の上限が法律によって定められており、この上限を債務上限と呼びます。政府が歳出を賄うために必要な財源が税収だけでは足りなくなり、追加で国債を発行して調達する必要が生じた場合、その国債の発行額が債務上限を超えてしまうと、法律上、新たに国債を発行することができなくなってしまいます。これが債務上限問題です。債務上限が引き上げられない場合、政府は法定通貨を発行するための財源を失い、国債の利払いやその他の政府支出を賄えなくなります。この状況は「債務不履行」または「デフォルト」とも呼ばれ、その結果、金融市場に大きな混乱を引き起こす可能性があるのです。本来は、国を運営するために必要なお金の話ですから、債務上限の引き上げに合意するのは当たり前のことだと思うのですが、そこは政治の世界のやり取り。民主党と共和党それぞれの思惑もあり、民主党を代表するバイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議員との間の政治の駆け引きに使われていた側面もありました。イエレン財務長官によると、今回最終的には6月5日までに合意に達しないと連邦政府の資金が枯渇してしまい、米国政府がデフォルト(債務不履行)になってしまう可能性があると警告していました。では、果たしてデフォルトになった場合、一体何が起きていたのでしょうか?実は、米国の債務上限問題というのは、これまで何度も歴史的に発生しており、その都度、金融市場にネガティブな影響を及ぼしています。特に注目されたケースとしては、2つがあります。2011年の夏、米国は実際に債務上限に達してしまい、政府の一部閉鎖とデフォルト(債務不履行)の危機に瀕しました。この問題は、最終的には妥協案により解決されましたが、その間に起こった政治的な対立と不確実性は金融市場に大きな影響を及ぼしました。特に、この時は米国の国債の格付けがS&Pグローバル・レーティングスにより初めて最上位の「AAA」から「AA+」に引き下げられたのです。米国債は世界中の金融市場で最も安全な資産とみなされており、その信用格付けが下がった場合、金融市場に混乱を与える可能性が高いのです。実際この時は、ドル安が起き、株式市場ではS&P500が2週間で17%下落しています。今回も債務上限を巡り政治的対立が続き、いわゆる「瀬戸際政策」がとられていたことで、S&Pとは異なり、未だ米国債の信用格付けを「AAA」としていた格付会社フィッチ・レーティングスは先週、格下げを行う方向で見直すことがある「ネガティブ・ウオッチ」に指定しました。金融格下げが起きるということは、米国政府が債券の利息支払いまたは元本返済に失敗するリスク(信用リスク)が高まったことを示し、投資家の信頼を損なう可能性があり、その結果として米国債への需要が減る可能性もあります。債券の価格は需要と供給によって決まるため、需要が減少すれば価格が下落します。債券価格が下落すると、その逆の関係にある金利が上昇します。これは、新たな債券を発行する際のコストが上昇し、それが連鎖的に経済全体の借り入れコストを高めることを意味し、米国経済に大きな影響を及ぼすことになります。また、長期的には、借り入れコストの上昇は企業の投資を抑制し、家計の消費を減らし、米国経済の成長が減速する可能性すらあったのです。債務上限問題は2013年にも再び発生し、政府の一部閉鎖が実際に16日間にわたって起こり米国政府が機能しなくなりました。この時の閉鎖は、政府の支出を一時的に停止させ、経済活動に影響を及ぼしました。社会保障や政府の給付金の支払いが停止するなど、何百万人ものアメリカ人の生活に影響を与えたのです。現在は2011年と違い、高インフレで、金融政策の引き締めが起きており、株価のバリュエーションに懸念もある中、今回万が一債務上限の引き上げ合意に達していなかったとすると、金利の上昇、そして株価の大幅な下落を招き、アメリカの経済システムへの世界的な信頼が修復不可能となるダメージを与える可能性もあったと考えられます。最終的に議会で採決されるまで余談は許されないものの、与党と野党のトップが合意をしたことで、金融市場にとっての目先の大きなリスクは一つ解消されたと考えて良いでしょう。マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎(出所:5/29配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)
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2023/05/31 09:38
注目トピックス 経済総合
CYBOZUが発表---月次動向
*09:08JST CYBOZUが発表---月次動向
CYBOZU<4776>が発表「5月30日発表」社名⇒銘柄コード:11月⇒12月⇒1月⇒2月⇒3月⇒4月CYBOZU<4776>: 20.4⇒ 17.8⇒ 17.8⇒ 17.1⇒ 15.7⇒ 16.8※単位は全て%、稼働率以外は前年同月比銘柄名横の()書きがないものは全て既存店増収率(全社)は総売上高の増収
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2023/05/31 09:08
注目トピックス 経済総合
NYの視点:円安進行を受けて財務省と金融庁、日本銀行が三者会合開催
*07:35JST NYの視点:円安進行を受けて財務省と金融庁、日本銀行が三者会合開催
報道によると、財務省の神田財務官は5月30日、為替市場で円安が進んでいることを受け、「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。過度な変動は好ましくない」、「為替市場の動向をしっかり注視し、必要があれば適切に対応していく考えに変わりはない」との認識を示した。財務省と金融庁、日本銀行は30日午後、国際金融資本市場に関する情報交換会合を行った。3者会合の開催は、今年2回目で3月以来となる。この時は経営破綻をきっかけに金融システム不安が高まっていた。神田財務官は、「足元の金融市場では、米国の債務上限問題や金融セクターの問題といったリスク要因が指摘されている」、「金融・為替市場の動向やわが国経済への影響を十分に注視する必要があるとの認識を政府・日本銀行と共有した」と述べた。市場参加者の間からは「三者会合が開かれたタイミングは1ドル=140円を超えた後であり、彼らが特定の相場水準を強く意識しているわけではないとしても、1ドル=140円を超えて円安が進行することを懸念している可能性は高い」との声が聞かれている。また、一部の市場参加者は「米6月利上げ観測が再燃しており、日米金融政策の方向性の違いが鮮明であること、日経平均が強い動きを見せていることから、リスク選好的な円売りは続く可能性がある」と指摘している。神田財務官は「140円といった個別レベルに対して特にコメントすることない」、「会合の開催自体に円安けん制の意図は全くない」と述べたが、「必要があれば、あらゆるオプションを否定しない」との見方も伝えている。
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2023/05/31 07:35
注目トピックス 経済総合
北京への道【中国問題グローバル研究所】(1)
*15:11JST 北京への道【中国問題グローバル研究所】(1)
【中国問題グローバル研究所】は、中国の国際関係や経済などの現状、今後の動向について研究するグローバルシンクタンク。中国研究の第一人者である筑波大学名誉教授の遠藤 誉所長を中心として、トランプ政権の ”Committee on the Present Danger: China” の創設メンバーであるアーサー・ウォルドロン教授、北京郵電大学の孫 啓明教授、アナリストのフレイザー・ハウイー氏などが研究員として在籍している。関係各国から研究員を募り、中国問題を調査分析してひとつのプラットフォームを形成。考察をオンライン上のホームページ「中国問題グローバル研究所」(※1)にて配信している。◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信しているフレイザー・ハウイー氏の考察を2回に渡ってお届けする。―――■VIPラウンジピカピカに磨き上げられた北京の空港のVIPラウンジで働くスタッフはこの数週間、時間外労働をしてきたに違いない。3年近く閉鎖されていた中国の国境再開で、世界各国の首脳が北京を訪れている。過去数週間に中国が迎え入れたのはスペインのペドロ・サンチェス首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相、ブラジルのルーラ・ダ・シルヴァ大統領、ドイツのアナレーナ・ベアボック外相である。一方、米国のアントニー・ブリンケン国務長官は米国本土上空を偵察気球が飛行していた問題を受けて延期した2月の訪中の再調整がまだ行われていない。習近平国家主席は、各国の首脳が押し寄せ、 自らが目指す世界の多極化が間違いなく実現すると喜んでいるはずだ。コロナ禍になる前、各国首脳は概して貿易やビジネス上の取引のためだけに中国の機嫌を取っていた。だが、中国政府が外国のVIPを最後に迎え入れてから、世界は変わった。中国のリーダーシップに対する期待がかつてないほど高まっている。忘れてならないのは、首脳らが前回北京を訪れて以降、習近平国家主席は、10年前にトップの座に就いたときにはまず予想できなかったほど権力を集中させていることだ。自らの権力の源泉である共産党総書記の3期目に入った。また、著名な改革派の国務院幹部を全員引退させ、その要職の多くに、自らへの忠誠心以外、目立った特徴のない側近を登用した。習主席は中国をこの10年間で、軍事力、経済的強制、外交の場での長広舌を利用することを厭わずに、自らが望むものを手に入れようとし、中国の名誉を傷つけていると自らがみなす国に制裁を科す、これまでよりはるかに攻撃的な大国にした。■誰が何を中国政府に求めているのか北京へと旅立つ直前、EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は講演を行い、対中関係の方向性を示した。ライエン委員長は中国について、「ディリスキング」、そして、米国で求める声が強い「デカップリング」の回避の必要性を強調した。中国は、すべての地域と同様、EUにとっても非常に重要な貿易相手国であり、また、欧州の多くのメーカーにとって主要な市場である。中国に対する、この新たな、かつ極めて分別あるアプローチは、ガス供給の対ロシア依存で得た苦い教訓を参考にしたものである。先のことをよく考えずにエネルギー供給をロシアに依存してきたEUは、中国への依存で同じような過ちを繰り返すことを望んでいない。欧州はまた、ウクライナ紛争の終結で、より重要な役割を担うことを中国に強く求めている。プーチン大統領の決定プロセスに実際に影響を与えることができる大国は中国だけだという欧州諸国の首脳の考えは正しい。だが、ロシアとの無制限のパートナーシップを中国が解消すると考えるのは、率直に言って認識が甘い。中国は、欧州諸国の首脳が望むような形での平和には興味がない。2014年のロシアによるクリミア侵攻のように、ウクライナへの軍事行動も短期間で鮮やかな成功を収めてほしいと中国は思っていたはずだ。とはいえ、プーチン大統領の現在の軍事的失敗が今後、中ロ同盟にひびを入れることにはならない。中国とロシアの将来のビジョンは楽観的で希望が持てるものではなく、両国の政策から生まれたと思われる、欧米諸国が支持するものと相対するビジョンである。ウクライナへの侵攻で30年余りに及ぶ欧米との関係を壊したロシアにとって、中国以外に手を結ぶことができる国があるだろうか。中ロ関係は歴史的に不信に満ちたものであり、現在も深い不信感がいずれの側にもあることは間違いない。だが、戦争と、米国が盛んに自分たちの国を揺るがせようとしているという被害妄想(パラノイア)が両国を接近させている。マクロン大統領とライエン委員長が一緒に訪中したことで、EUと欧州の政策決定の中枢が抱える真の問題が浮き彫りとなった。マクロン大統領は、欧州の戦略的自立、すなわち、欧州は単に米国に追従するのではなく、米国から独立した外交政策をとるという考えについて熱弁することを好む。フランス社会ではこうした考えが昔から根強くあるが、マクロン大統領は北京でこうした考えを強く示した後、帰国する飛行機の中で台湾問題について極めて不用意な発言をした。これとは対照的に、ドイツの外相はマクロン大統領の発言から数日後、台湾海峡で万が一軍事衝突が起きたときの「恐怖のシナリオ(horror scenario)」について言及している。それでは、欧州の立場を代弁しているのは誰なのか。欧州諸国の首脳の足並みは、外部から見るより、ずっとそろっているのであろうが、連携を強化し、自らのアジェンダを推し進めることができなければ、それがEUにとっての弱点になることは間違いない。マレーシアの首相は、中国の対マレーシアビジネス/投資に強い関心を示した。それは、自国の今後の成長と発展が中国の継続的成長と切っても切り離せないと考える、東アジア地域の多くの国の見解を反映している。こうした立場を取ることは、アジアの観点から見るとまったく不合理なことではないが、幾分時代遅れの感があることは否めない。中国の成長見通しはかつてほど明るくない。中国では人口が減り始め、習近平国家主席の下で奇跡の成長が終わりを告げ、支配とイデオロギーの新たな時代が始まった。そうした立場はおそらく、表面化しつつある地政学的問題から目を逸らしたいという気持ちの表れでもある。東南アジアでは数十年にわたり、数多くの国が地政学的問題を回避することに成功してきた。これらの諸国が実践したモデルは比較的シンプルだ。米国の安全保障の傘が地域に安定をもたらす一方、経済と貿易が地域一帯の関係を発展させ、また、すべての国が豊かになることを可能にした。ところが、残念なことに、そのモデルはもはや存在しない。情勢が一段と複雑化し、各国はそれに対応する必要がある。汚職事件による服役(後に釈放)を含め、政治家として信じられないほどの浮き沈みを経験した後、返り咲いたブラジルのルーラ大統領の目的は今回も、他とは異なるものだった。BRICSという概念が世界的に注目を集めるようになったときにブラジル大統領を務めていたのはルーラ氏である。かつてBRICS通貨という考えを支持し、ドルへの依存を弱めたルーラ大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻の原因を作ったのは米国だとして、中国やロシアを強く支持している。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相による今週のブラジル訪問は注目する必要があるだろう。BRICSという概念をほめたてることがなぜ問題かというと、その時代は過去のものとなったからである。もっと言えば、そのような時代は実際のところ、もとから存在しなかった。BRICS5カ国はそれぞれ、非常に異なり、独自の特徴を持つ国であるため、20年余り前にゴールドマンサックスがやったように、それを今ひとまとめにすることはほとんど意味をなさない。ルーラ氏は、自らが大統領に返り咲いたことで、かつてのようにブラジルの成長に再び火をつけ、貧困削減を促す一助にしたいと考えているが、経済成長を可能にする、もっと単純な時代への回帰を切望する数多くのアジア諸国と同様、そうした時代は過去のものとなったのだ。「北京への道【中国問題グローバル研究所】(2)」へ続く写真:新華社/アフロ※1:https://grici.or.jp/
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2023/05/30 15:11