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注目トピックス 経済総合 NYの視点:米住宅市場は高金利が依然響く、一戸建て住宅の需要低迷 *07:41JST NYの視点:米住宅市場は高金利が依然響く、一戸建て住宅の需要低迷 米商務省が発表した6月住宅着工件数は前月比+3.0%の135.3万戸と、5月131.4万戸から予想以上に増加し4月来の高水準となった。集合住宅建設が19.6%急増し指数を押し上げた。一方で、住宅市場の重要項目となる1戸建て住宅建設は4カ月連続の減少で、8カ月ぶりの低水準に落ち込み、高金利が依然市場の足かせとなっているあらたな証拠となった。将来の住宅建設の先行指標となる住宅建設許可件数は前月比+3.4%の144.6万戸と、5月139.9万戸から予想以上に増加し3月来で最高となったが、やはり集合住宅建設許可が増えたことが指数を押し上げ。一戸建て建設許可は2.3%減と1年超ぶりの遅い伸びに留まった。昨年末に強いペースを示した一戸建て住宅建設は2022年初期依然の低調な伸びに留まった。住宅販売のピークとなる春の需要低迷で、建設業者は在庫の処分を優先させているとエコノミストは指摘している。アトランタ連銀の国内総生産(GDP)見通しで、第2四半期の居住住宅投資が2.8%減となった。全米不動産協会(NAHB)が発表した住宅建設業者のセンチメントも7月分は予想外に6月の43から42に低下し年初来最低に落ち込んだ。今後労働市場や賃金の伸びが減速した場合、住宅市場の低迷も継続する可能性が強い。連邦準備制度理事会(FRB)は8日までに集めた情報をもとに作成された米地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。内容で経済が引き続き成長域となっているが、今後6か月の成長見通しで、選挙、国内政策、地政学的リスク、インフレなどを巡る不透明感に鈍化を予想していることが明らかになり、一部で減速の兆候も表れ始め、徐々に利下げ条件が整いつつあると考えられる。 <CS> 2024/07/18 07:41 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米6月小売売上高でPCEに上向きリスク *07:45JST NYの視点:米6月小売売上高でPCEに上向きリスク 米商務省が発表した6月小売売上高は前月比0%と、5月分から伸び鈍化も予想を上回った。5月分は+0.3%と、+0.1%から上方修正された。自動車ディーラーが使用しているソフトウェアシステムがサイバー攻撃を受けたため、自動車販売の減少が重しとなった。自動車を除いた同月小売売上高は前月比+0.4%と、予想外に5カ月連続のプラスとなった。5月分は+0.1%と、-0.1%から上方修正された。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、建材、給油、食品を除いたコントロールグループは、前月比+0.9%と、伸びは5月から縮小予想に反し拡大し3月来で最大。4-6月期のGDPの成長にプラスに寄与する。実質PCE支出は+0.2%予想と、PCEの上振れリスクも指摘されている。ただ、年初来のコントロールグループの伸びは過去25年来で最低ペースとなっており、労働市場や賃金の伸び減速で、年末にかけても支出は低調にとどまるとの見方が根強い。市場では年3回の利下げが再び織り込まれ始める中、パウエル議長をはじめ、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げの軌道にあるものの、消費が底堅くサービスインフレの鈍化には想定以上に時間がかかるリスクは存続。まだ、インフレ目標達成に向けた軌道のさらなる確信が必要と、FRBの慎重な姿勢を維持することを正当化する。国際通貨基金(IMF)は、「ディスインフレの進展が遅く、高金利が一段と長引く可能性を警告した。 <CS> 2024/07/17 07:45 注目トピックス 経済総合 米連邦準備制度理事会(FRB)は9月利下げに地ならしか サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) *16:53JST 米連邦準備制度理事会(FRB)は9月利下げに地ならしか サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、NY金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『米連邦準備制度理事会(FRB)は9月利下げに地ならしか』と述べています。続けて、『米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は9日、議会証言で、米経済は「もはや加熱した状態ではない」としたほか、労働市場はパンデミック(世界的大流行)時の極端な状況から「かなり冷え込み」、多くの点でパンデミック以前の状態に戻っているとし、利下げの根拠が強まっていることを示唆した』と伝えています。そして、『上院の銀行委員会で「われわれは現在、両面的なリスクに直面していることを十分に認識している」とし、インフレ率は依然としてFRBの2%目標を「上回っている」ものの、インフレだけが焦点となることはもはやできないと強調。「労働市場は完全にバランスを取り戻したようだ」とした。ただ、「今日この場で金利に関する今後の行動の時期についていかなるシグナルも送るつもりはない」と言明した』と伝えています。また、『パウエルFRB議長は10日に下院金融サービス委員会の公聴会で証言した。インフレは鈍化しているとの認識を示しつつ、目標の2%に向けて持続的に減速しているとの確信はまだ抱いていないと述べた。また、過熱気味だった労働市場について相当冷え込んでいるとの見解を明らかにした』と伝え、『利下げ時期への言及はなかったものの、FRBが掲げるインフレ率2%の目標に到達するまで待つことはないと表明。市場では9月にも利下げに踏み切るとの観測が維持された』と考察しています。さらに、『パウエル議長の2日間にわたる議会証言を受けて、CMEのFEDWATCHでは、9月の利下げが70%織り込まれた。12月の利下げはまだ50%には達していないが、年2回の利下げ見通しは維持されている』と述べています。こうしたことから、『10日のNY金相場は堅調に推移し、一時2390ドル台に上昇した。ただ、インフレ鈍化について「いくらか自信があるものの、十分な確信には至っていない」とトーンダウンさせたことや、翌11日に発表される6月消費者物価指数(CPI)のへの警戒感から上げ幅を縮小した』と解説しています。また、『NY金は5月下旬以降、概ね2300~2400ドルのレンジで推移している。中国人民銀行が2カ月連続で金購入を見送ったことや、米長期金利が4.0%前半で高止まりしていることが金の重石になっているようだ』と考察し、『11日の6月CPIの結果を受けて上値をブレイクするか注目される』と述べています。NY金のレンジについては、『2350~2450ドル』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の7月11日付「米連邦準備制度理事会(FRB)は9月利下げに地ならしか」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/07/16 16:53 注目トピックス 経済総合 上海協力機構首脳会議から中露関係と地域安全保障の現状を読み解く(2)【中国問題グローバル研究所】 *16:32JST 上海協力機構首脳会議から中露関係と地域安全保障の現状を読み解く(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。中央アジア諸国の戦略的選択と課題中央アジア諸国は、対中関係と対ロ関係のバランスを取りながら経済発展と安全保障協力を追求しており、SCOの地域ダイナミクスで極めて重要な役割を果たしている。主要エネルギー生産国で輸送ハブでもあるカザフスタンは、一帯一路構想の下で中国が行うインフラ・産業プロジェクトへの投資の恩恵を受けてきた。また同時に、集団安全保障条約機構(CSTO)を通じた防衛・安全保障協力を中心に、ロシアと緊密なつながりを維持している。キルギスとタジキスタンは、新疆(中国)のトルコ語・ペルシャ語系住民との民族・文化的つながりが強く、インフラプロジェクトや貿易協定を通じて中国の経済圏にますます取り込まれつつある。この2カ国は、中国西部の省が一帯一路構想の陸路を通じて欧州市場とつながることでチャンスが生まれるとみている。一方、ウズベキスタンはバランスの取れた外交政策を展開しており、SCOの枠組みの中で地域の安全保障協力を強化しながら、自国の戦略的立場を生かして中国とロシア双方から投資を誘致してきた。これら諸国は、主要国との関係のかじ取りで戦略的課題に直面しており、経済的利益と国家主権のバランスを取りながら、債務の持続可能性や大規模プロジェクトによる環境問題に対処し、国民の公平な利益を確保しなければならない。加えて、国境紛争や、国家以外のアクターによる安全保障上の脅威、戦略的選択に影響を及ぼす外部からの干渉など、地政学的圧力に対応する必要もある。上海協力機構の拡大と課題SCOの拡大は、そのグローバルな影響力を高めると同時に、内部の調整と結束の面で課題ももたらした。加盟国数の増加に伴い、加盟国の経済・政治・安全保障面の利益が多様化し、地域協力の推進に困難が生じている。加えて、組織の運営が外部からの干渉や圧力を受け、不透明感を生んでいる。中央アジアでは中国の経済発展を受けて、これまでのようにロシアではなく、中国への依存を高める国が多い。さらにインドやイラン、トルコなど中央アジア以外の国がSCOに参加し、中国の経済成長の恩恵を受けるようになってきた。地理的には遠いベラルーシですら、ウクライナ問題でロシアと立場を同じくしていることなどから、SCOに加わった。こうした加盟国の拡大に伴い、SCOは地域安全保障協力枠組みから、幅広い国際協力のプラットフォームへと姿を変え、グローバルな影響力を強める反面、内部の調整と統一性の面で課題を深刻化させている。SCOが拡大するにつれ、課題は複雑さを増している。まず、加盟国間の国益の相違が大きなハードルとなる。反テロと経済協力推進では利害が一致するものの、特定の政策や戦略的選択では隔たりが大きい。例えば、インドとパキスタンの加盟は南アジアにおけるSCOの地政学的な存在感を強化しただけでなく、SCOに新たな経済的活力を注入し、その戦略的重要性も強めた。その一方で、新規加盟国を迎えたことで、加盟国間の多様性と統一性のバランス、地政学的な相違点や安全保障上の課題への対処などの課題が浮上した。次に、組織の拡大は内部の意思決定プロセスを複雑にする。加盟国が増えるに従い合意に達することがより難しくなり、国際社会でのSCOの実効性が低下しかねない。加えて、外部勢力の干渉がSCOをさらに圧迫している。SCO拡大に対する米国や欧州連合(EU)など西側諸国からの懸念が運営を混乱させ、不透明感を高め、課題をさらに生むかもしれない。こうした要因が相まって、地域安全保障と経済協力、政治的調整におけるSCOの能力と実効性に影響を与えている。SCOの拡大は、国際社会におけるその重要性を知らしめているが、実効性の確保と加盟国全体の利益の実現には内外の課題の克服が不可欠となる。まとめ:SCOの枠組みの中での中露協力の見通しSCOの首脳会議では、戦略的協力、経済統合、多国間外交への中国とロシアのコミットメントを再確認した。習近平氏とウラジーミル・プーチン氏の対話は、相互尊重と主権、内政不干渉を原則とする多極的な世界秩序の形成というビジョンの共有を示した。SCOが加盟国を増やし、影響力を拡大させるにつれ、ユーラシア地域のダイナミクスを構築し持続可能な発展を促進する上でその重要性は今後も増すだろう。SCOの枠組みに不可欠な存在である中央アジア諸国は、中国やロシアなど地域のアクターとの関係のかじ取りで難しい課題に直面している。その戦略的決定はSCOの将来の道筋を大きく左右し、ユーラシア地域の安全保障や経済協力、文化交流に影響を及ぼすだろう。地政学的環境が変化する中で、安定をもたらす力をSCOが発揮するには、SCO内部のダイナミクスと外部圧力に効果的に対処することが不可欠となる。これら諸国は、中国とロシア両国が影響力を及ぼす中で、巧みな外交・経済戦略によって主権と地域の安定のバランスを取るべく努めなければならない。戦略的課題としては、主要国の影響への対応や、多国間外交で自らの立場を主張し地域内外で戦略的独立を維持することなどが挙げられる。SCOは、加盟国・オブザーバー国・対話パートナー国間での経済統合の深化や安全保障協力の強化、文化交流の推進を目指している。デジタル接続性や持続可能な発展、包摂的成長に焦点を当てたイニシアチブは、新たな地政学的不確実性の発生に備えて、地域のレジリエンスを高めるためのものである。中央アジア諸国は主要国との関係のかじ取りをしながら、債務の持続可能性を確保し、社会経済格差に対処するという大きな戦略的ハードルに直面している。SCOが地域の安全保障上の脅威に対処できるか否か。その鍵は、足並みを揃えた行動と合意に基づく意思決定、地政学的情勢の変化に対応できる頑健な制度的枠組みの実現が握っている。写真: 上海協力機構首脳会議 カザフスタンで開催(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/07/16 16:32 注目トピックス 経済総合 上海協力機構首脳会議から中露関係と地域安全保障の現状を読み解く(1)【中国問題グローバル研究所】 *16:31JST 上海協力機構首脳会議から中露関係と地域安全保障の現状を読み解く(1)【中国問題グローバル研究所】 はじめに:上海協力機構上海協力機構(SCO)は、1996年結成の「上海ファイブ」を母体とし、中国とロシア、旧ソビエト連邦の中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン)を加盟国として2001年に発足した。当初は国境紛争などの解決を主たる目的としていたが、地域の友好促進や加盟国間の貿易の活発化と安全保障協力の強化を目的としたプラットフォームへと進化した。その発足は、中国が地域での存在感を高め、ユーラシアの安定と発展の要として多国間協力を重視するようになったことを物語っている。SCOの主な動向と首脳会議2023年にタジキスタンの首都ドゥシャンベで開催されたSCOの首脳会議は地域協力の大きな転機となった。中国の習近平主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領をはじめとする加盟国の首脳が出席し、一帯一路構想(BRI)やユーラシア経済連合(EEU)などのイニシアチブを通じて経済的なつながりの強化を図るとともに、テロ行為や過激主義、分離主義との闘いに対する共同軍事演習や情報(インテリジェンス)共有を通じたSCOのコミットメントを再確認している。拡大と影響力の広がりSCOは首脳会議の門戸を広げ、加盟国だけでなく、オブザーバー国(アフガニスタン、ベラルーシ、イラン、モンゴル、パキスタン)と対話パートナー国(アルメニア、アゼルバイジャン、カンボジア、ネパール、スリランカ、トルコ)も参加できるようにした。こうした拡大は、地域安全保障体制の構築とユーラシア全域での経済協力の推進においてSCOの影響力が強まっていることを明確に示している。経済統合とインフラプロジェクト中国の一帯一路構想(BRI)は、アジア、欧州、アフリカにまたがるインフラプロジェクトを通じた往来の強化を目的とするSCOの経済面での取り組みにおいて極めて重要な役割を果たしている。特に中央アジア諸国は、中国による輸送網やエネルギープロジェクト、工業地帯への投資の恩恵を受け、地域の経済統合と貿易ルートの多様化を進めてきた。SCOとロシア主導のユーラシア経済連合(EEU)の連携で、加盟国間の貿易政策の調和と経済協力が進んだ。その共同イニシアチブで重点を置いているのは、貿易障壁の軽減、投資の流れの活発化、輸送ルートの最適化による地域の持続可能な発展と繁栄の推進である。安全保障協力とテロ対策SCO加盟国は安全保障上の新たな脅威の発生に備え、相互運用性と対応能力の強化を目的とする共同軍事演習を定期的に実施している。「平和の使命」などの演習は、テロ行為や国境をまたいだ犯罪、違法薬物の密売の撲滅に一致協力して取り組み、地域の安定と安全保障を確保するという姿勢の表れである。SCO地域反テロ機構(RATS)は、加盟国間の情報共有と調整を容易にし、国境を越えた安全保障上の課題への効果的な対処を可能にする。RATS内での作戦協力が、早期警戒メカニズムやサイバーセキュリティレジリエンス、能力開発イニシアチブを向上させ、過激主義と急進化に対する防壁としてのSCOの役割を強化している。地政学的ダイナミクスと対外関係SCOは、ユーラシア地域のダイナミクスに影響を及ぼそうとする西側主要国や国際機関など外部アクターからの地政学的圧力に対応している。加盟国は主権と内政不干渉の原則を最優先させながら、双方に有益であることを条件にグローバルパートナーと交流し、経済的利益と戦略的自律のバランスを図っている。SCO加盟国は、グローバルに二国・多国間対話を行い、ユーラシアでの包摂的発展と紛争解決、持続可能な成長を推し進めている。また、外交イニシアチブとハイレベルの首脳会議を通じて、気候変動による影響の緩和策やパンデミックへの対応、デジタルトランスフォーメーションなど、共通の課題に関して対話を進めているが、これはグローバルガバナンスとグローバルな協力へのSCOのコミットメントを反映したものだ。中露首脳の交流とそのグローバルな影響SCOの首脳会議は、習近平氏とウラジーミル・プーチン氏が強固な中露関係を強調する重要な場となった。両首脳は首脳会議前に会談したが、これは5月の北京以来、2回目の重要な交流となった。両首脳が顔を合わせる機会が続いたことで中露関係が揺るぎないものであることが印象付けられ、国際的に大きな注目を集めた。会談の中で、習氏とプーチン氏はエネルギーやインフラ、二国間貿易を中心とした経済協力の拡大を発表したほか、安全保障上の共通の脅威に対処するため共同軍事演習を強化することで合意した。今回の会談で、両首脳は国際協力を提唱し、グローバルガバナンスと多国間主義の重要性を強調した。プーチン氏は、中露関係がかつてないほど強固であると強調し、SCOを国際社会での米国の「覇権」に対抗するために極めて重要な政治・経済同盟として位置付けた。中国外交部もこれに同調し、両国は戦略的調整と国際協力を強化し、西側の一方的な制裁措置と覇権主義に全力で抵抗すると習氏が改めて述べたと発表した。習氏は、ロシア・ウクライナ情勢関連をはじめとする国際・地域問題について、中国は常に歴史の正しい側にあるとし、説得と交渉による紛争の解決を主張した。この会談は複数の面で重要な意義を持つ。まず、中国とロシアは経済・軍事協力を深化させた。習氏とプーチン氏はエネルギー協力の拡大やインフラ建設の強化、二国間貿易の推進など、新たな一連の経済協力協定を共同で発表した。これらの協定は、両国の経済的結びつきを強固にするだけでなく、地域経済発展の新たな機会も生む。次に、軍事分野での緊密な協力は防衛力のさらなる強化につながり、地域の安定と安全保障を維持するという両国の決意を物語っている。さらに、習氏とプーチン氏はグローバルガバナンスと多国間主義の重要性についても話し合い、国際社会が現在数多くの課題に直面しており、すべての国が力を合わせてその解決に取り組むため国際協力が不可欠であるとの見解で一致した。習氏は、中国とロシアが今後も国際連合などの国際機関で緊密に協力し、公正性と合理性の向上を目指して国際秩序の構築を推し進めるだろうと語った。一方プーチン氏は、中国と一緒にいかなる形の一国主義や保護主義にも反対し、世界経済の開放性と包摂性を支持していくとのロシアの意向を示した。一帯一路構想を進めるという習近平氏の発言7月4日にカザフスタンで開かれたSCOの首脳会談で、習近平氏は中央アジアにおける中国の政策とコミットメントに改めて言及し、一帯一路構想(BRI)を進め、双方の発展と繁栄のためにインフラ整備やエネルギー開発、貿易、投資での協力を強化すると誓った。同時に、中央アジア諸国の主権と独立を尊重する中国の姿勢を改めて示し、地域の安全保障と経済発展に積極的に貢献すると誓った。一方、習氏は過激主義や国境をまたいだ犯罪と闘うため、反テロ協力の強化を呼びかけるとともに、技術援助と物的・人的支援を通じて中央アジアの安全保障の取り組みを継続的にサポートすると約束した。また、文化・人材交流の重要性を強調し、教育・技術・文化面の協力を強化して国民間の相互理解と友好を醸成することを提案した。「上海協力機構首脳会議から中露関係と地域安全保障の現状を読み解く(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: 上海協力機構首脳会議 カザフスタンで開催(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/07/16 16:31 注目トピックス 経済総合 南シナ海紛争:フィリピンの対中外交・世論の変化(2)【中国問題グローバル研究所】 *16:03JST 南シナ海紛争:フィリピンの対中外交・世論の変化(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「南シナ海紛争:フィリピンの対中外交・世論の変化(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。フィリピンメディアの中国報道に変化フィリピンでは、南シナ海紛争における自国の立場を懸念する声が国民の間で強まっている。これまでの比較的親中的な姿勢が反中感情へと転化する中で、フィリピンが米中間の地政学的緊張の駒にされるのではないかと心配しているのである。特にトランプ前米国大統領の大統領選立候補以来、フィリピン国民は、米国が自国の利益を優先して、フィリピンが中国の圧力と挑発にさらされるのを放置するのではないかとの不安を抱いている。2024年6月以降、フィリピンメディアによる中国報道の論調は著しく変わった。それまでは比較的中立、あるいは友好的ですらあったが、今では強く非難し、警戒する論調となっている。こうした変化は主に、南シナ海における中国の独断的な行動に対する、フィリピン社会での不満の広がりに起因する。フィリピンメディアは、中国船の領海侵入や国内漁業者に対する嫌がらせの事案をたびたび報道し、こうした行動が、フィリピンの主権と安全保障への脅威となっていると伝えている。報道機関は中国の一帯一路構想についても、新しい形の経済統制であり、長期的に見てフィリピンの発展に悪影響を及ぼすおそれがあるとして批判している。加えてフィリピンメディアは、より断固とした姿勢を取り、他国との協力を強めて中国側からの挑戦に対処するよう政府に求めている。こうした報道や解説を通じて、フィリピンメディアは世論形成で極めて重要な役割を果たすとともに政府の政策に影響を与えており、フィリピンの対中政策転換の大きな原動力となっている。親中から反中感情への転化近年、フィリピン国民の中国に対する姿勢は大きな変化を見せ、これまでの親中から一転して反中感情が広まっている。こうした変化は、主に中国の独断的行動や進出行為をはじめとした南シナ海での緊張の高まりに起因しており、フィリピン国民の間で不満の声が高まっている。これまでは、中国との友好的な関係の維持が経済的恩恵と地域の安定をもたらすと考えるフィリピン人が多かった。だが実情の変化にともない、こうした見方が揺らいでいる。こうした状況を背景に、フィリピン国民の間では、米中間の地政学的対立における自国の立場を懸念する声が強まっている。二大国の勢力争いに駒として巻き込まれ、圧力やリスクが高まるのではないかと心配しているのである。特に2024年の米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利した場合、その「アメリカ・ファースト」政策を米国優先のサインととらえ、フィリピンへの支援が縮減されるかもしれないと考えるフィリピン人は多い。そのため、フィリピンでは南シナ海紛争で孤立無援になることへの懸念が高まっているのである。フィリピン国民の反中感情は、メディアの報道とソーシャルメディアプラットフォームで特に顕著に見られる。その多くが、中国の行動に対する不満を示し、より強硬な姿勢を取るよう政府に求めている。中国との断交を提唱する極端な意見も一部にある。こうした反中感情の広まりにともない、南シナ海紛争への対処に向けた外交政策で、より慎重かつ断固たる決定を下すようフィリピン政府に求める圧力が高まっている。まとめ南シナ海紛争の複雑なダイナミクスで極めて重要な役割を担うフィリピンは、国際連合のようなフォーラムへの積極的な参加を含め、国際法を守り多国間協力を通じて平和的な解決を推し進める外交戦略を展開している。フィリピンにおける最近の世論の変化は、中国の強硬姿勢に対する懸念の高まりの表れであり、より断固とした外交姿勢を求める声が出始めている。こうしたダイナミクスに対応しながら、フィリピンは引き続き国益保護と地域協力促進のバランスを取り、インド太平洋地域における安定構築に尽力する姿勢を示すことになる。写真: Philippines Japan Defense Pact「南シナ海紛争:フィリピンの対中外交・世論の変化(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/07/16 16:03 注目トピックス 経済総合 南シナ海紛争:フィリピンの対中外交・世論の変化(1)【中国問題グローバル研究所】 *16:02JST 南シナ海紛争:フィリピンの対中外交・世論の変化(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。フィリピンと日本は7月8日、防衛・安全保障に関する重要な協定に署名をした。この協定により、お互いの領土に軍隊を配備できるようになる。中国が強引な姿勢を強めていることを受けて、米国と長年にわたり同盟関係にある両国は防衛関係を深めてきた。この「円滑化協定(RAA)」の署名には、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領も立ち会った。昨年11月から交渉が行われてきた同協定は、訓練などの目的でお互いの領土に自衛隊やフィリピン軍を派遣できるようにする法的枠組みだ。今回の協定交渉は、中国が南シナ海のほぼ全域の領有権を有するとの主張を強め、フィリピン船舶との対立がエスカレートしたタイミングで進められた。この対立で最も深刻な事案の1つが、南シナ海セカンド・トーマス礁(中国名:仁愛礁、タガログ語名:アユンギン礁)近海で6月17日に起きた、中国海警局の船舶とフィリピンの補給船の衝突である。中国海警局の隊員がナイフややりを振りかざし、フィリピン側の兵士が負傷したほか、船舶2隻が損傷を受けた。南シナ海における退役艦の座礁事案中国政府は、南シナ海の紛争海域の岩礁にフィリピンが退役軍艦を座礁させ、両国間の緊張を高めていると非難している。このフィリピン海軍の退役軍艦は、領有権を有するというフィリピンの主張を補強する目的で、意図的に紛争海域に放置されていると中国の国営メディアは報じている。中国外交部はこの行為を「無責任かつ危険な挑発」だと強く糾弾し、このような意図的な座礁は国際法に違反し、南シナ海の平和と安定を乱すと主張している。中国政府は、この船舶を直ちに撤去するとともにあらゆる挑発的な行動を止め、緊迫化を回避するようフィリピンに強く求めた。中国メディアは退役艦が座礁した場所の戦略的意義にスポットを当て、フィリピンの行動が、南シナ海における軍事プレゼンスを強化し、国際的な支持を得るためのものではないかと推測している。この事案は広く注目を集め、議論を巻き起こした。観測筋の間では、この地域で緊張が高まり、外交・軍事衝突につながるおそれがあると懸念する声が多い。一方、フィリピン側はこうした非難を否定している。フィリピン政府は、軍艦の座礁は意図的なものではなく事故であると述べた。フィリピン外務省は、南シナ海紛争の平和的な解決へのコミットメントを改めて述べ、状況の緊迫化を回避するため、自制心を働かせるよう全当事者に求めた。この座礁事案は、南シナ海問題の複雑さとデリケートさを物語る。関係者のあらゆる行動と反応が緊張を高め、新たな対立を招きかねない。国際社会は概ね、対話と交渉で紛争を解決し、地域の平和と安定を維持するよう強く促している。南シナ海紛争でフィリピンが果たす役割特に注目されるのは、南シナ海問題についてフィリピンが国際機関で何を唱え、どのような姿勢を示すかである。フィリピンは国際連合とその関連機関において、南シナ海問題などでどのような立場を打ち出し、どのような解決策を提案するのか。こうした対応は外交ツールの役割を果たすだけでなく、国際法とその執行へのフィリピンの姿勢を表すことにもなる。フィリピンは南シナ海問題をめぐる外交政策で地域の安全保障枠組みに積極的に参加しており、一方的な意思決定ではなく多国間協力を重視している。フィリピンは、領有権を主張する他国との二国間対話や地域協力を通じて平和と安定を促進し、地域の安全保障で自国が果たす重要な役割を際立たせている。例えば「円滑化協定」について、デ・ラサール大学(フィリピン)講師でアナリストのドン・マクレーン・ギル氏は、極めて重要だと考えている。志を同じくするパートナーとの相互運用性を向上させ、米国を中心とするネットワーク内でのフィリピン政府の立場を強化することで、安全保障パートナーシップを確かなものにできると強調している。また、比中の二国間のやり取りに加え、南シナ海の領有権を主張する他の諸国とのやり取りも極めて重要となる。フィリピンは二国間対話や地域協力メカニズムを通じた紛争解決の道筋をどのように模索するのか。こうしたやり取りから、フィリピンがどのようにバランスを取り、領有権を主張しながら、地域の平和と安定を促進するのかが浮かび上がってくる。国際法を適用し地域の安全保障を維持するには、フィリピン政府は舞台を国際機関にまで広げ、南シナ海に関わる提案と解決策を主張する必要がある。フィリピンが多国間協力を生かしてどのように国際的な舞台で影響力を拡大し、自国の主権と領土を断固として主張するのかが注目される。シンガポールのシャングリラ会合における大統領の基調講演マルコス大統領は2024年6月4日、シンガポールで開催されたシャングリラ会合において、国の領土主権と地域の平和の重要性を強調した。基調講演の中で、同大統領は南シナ海の領土紛争は、フィリピンにとってのみならず、地域全体の安全保障と安定にも極めて重要であると指摘した。また、平和的な紛争解決へのフィリピンのコミットメントを改めて表明するとともに、国際協力を通じて南シナ海の航行の自由と国際法の尊厳が守られることへの期待を示した。マルコス大統領は、領土紛争への対処にあたり、国連海洋法条約(UNCLOS)などの国際規範を厳守するようすべての国に呼びかけ、いかなる国の一方的な行動も、地域の不安定化を招きかねないと主張した。こうした発言を通じ、同大統領は南シナ海問題に関するフィリピンの立場と期待を明確に示して、平和的な紛争解決と国際協力の重要性を強調した。この会合で中国の代表は、フィリピンの外交姿勢に疑問を呈し、フィリピンが退役軍艦を岩礁に座礁させた最近の事案に言及するなど、南シナ海におけるフィリピンの挑発的な行為を非難した。中国の代表がこのような行為は国際法に違反するだけでなく地域の緊張も高めると指摘したのに対して、フィリピンの代表はこうした批判を否定した上で、平和的な紛争解決を目指すフィリピンの姿勢を改めて表明した。南シナ海紛争におけるフィリピンの行動フィリピン政府は南シナ海紛争で積極的な外交戦略を取り、平和的な紛争解決に力を入れてきた。フィリピンの外相は、UNCLOSなど国際法の枠組みへのコミットメントを力説し、多国間の対話と協力を通じた紛争解決を提唱した。また同政府は、自国の領土主権を守ると同時に、地域の緊張を高めうる行動を回避し、自制心を働かせ共通の解決策を模索するよう全当事者に求めるというフィリピンの姿勢を強く打ち出した。ところが、南シナ海紛争で緊張が高まる中、フィリピンは2024年6月12日に、より攻撃的な防衛策を講じる意向を発表し、「近接防衛」戦略を提案した。この戦略には、南シナ海の紛争水域における巡視と監視の強化や、必要に応じた防衛行動の実施などが盛り込まれている。こうした措置についてフィリピン政府は、国の主権と国内漁業者の正当な権利を守るためのものであると述べた。さらに2024年6月14日には、中国の攻撃的な行動がフィリピンの経済と環境に深刻なダメージを与えたと非難し、中国に対して損害賠償を正式に要求した。セカンド・トーマス礁で6月17日に起きた、補給任務中のフィリピン国軍を中国海警局が妨害するという深刻な事案を受けて、フィリピン軍は7月4日に、装備品などの損害・損失の賠償金として6,000万フィリピンペソ(約100万米ドル)を支払うよう中国に要求したと発表した。この金額には、漁業者が被った損失や、ダメージを受けた海洋生態系の回復に対する補償も含まれる。こうした措置や要求は、法的・外交的手段を通じて公正な解決を模索しながら、自国の領有権を守るというフィリピンの決意を国際社会に示すことにほかならない。「南シナ海紛争:フィリピンの対中外交・世論の変化(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Philippines Japan Defense Pact(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/07/16 16:02 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米7月NY連銀製造業景気指数は弱いISMを示唆、パウエル議長は利下げを示唆も時期示さず *07:39JST NYの視点:米7月NY連銀製造業景気指数は弱いISMを示唆、パウエル議長は利下げを示唆も時期示さず 米7月NY連銀製造業景気指数は-6.6と、8カ月連続のマイナス成長となった。仕入れ価格は26.5と、24.5から上昇も販売価格は6.1と、7.1から低下した。7月NY連銀製造業景気指数の結果を受けて、全米の製造業景況を示すISM製造業景気指数の7月分も引き続き弱い結果となる可能性が示唆された。ISMは4月から3カ月連続で50割れと、景気縮小域にとどまっているが、7月も50割れを維持する可能性が強い。■米7月NY連銀製造業景気指数:-6.6(6月―6.0)仕入れ価格:26.5(24.5)販売価格:6.1(7.1)新規受注:-0.6(-1.0)出荷:3.9(3.3)在庫:-6.1(+1.0)受注残:-11.2(+1.0)雇用者数:-7.9(-8.7)週平均就業時間:-0.1(-9.9)●6か月先景況指数:25.8(30.1)仕入れ価格:39.8(37.8)販売価格:27.6(22.4)新規受注:20.8(30.0)出荷:25.3(28.7)在庫:0(-14.3)受注残:-4.1(-4.1)雇用者数:5.8(9.4)週平均就業時間:-10.2(-8.2)連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は15日、ワシントンエコノミッククラブでのインタビューで、「第2四半期のデータを受け、インフレが2%目標達成の軌道にある確信をさらに増した」とし、労働市場に関しても、より均衡した、と2019年の正常値に近いと利下げを示唆した。短期的には早すぎる利下げ、遅すぎる利下げのリスクバランスを注視していく姿勢を表明した。同時に、議会証言と同様、「本日はいかなるシグナルも送らない」と時期には言及せず。また、「インフレを巡り、一段の進展が必要」と、まだ利下げの条件を完全には満たしていないことも明らかになりドル売りも限定的となった。 <CS> 2024/07/16 07:39 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:ECB政策金利は据え置き予想 *14:51JST 国内外の注目経済指標:ECB政策金利は据え置き予想 7月15日-19日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■15日(月)午前11時発表予定○(中)4-6月期国内総生産-予想は前年比+5.0%参考となる1-3月期の成長率は前年同期比+5.3%。生産や投資が堅調だった。4-6月期については不動産市況の低迷が続いていること、個人消費や投資の伸びは期待できないことから、成長率は鈍化する可能性が高い。■16日(火)午後9時30分発表予定○(米)6月小売売上高-予想は前月比-0.2%参考となる5月実績は前月比+0.1%。自動車・同部品の売り上げが好調だった。6月については実質所得の伸びが鈍化していること、金利高の影響が続いていることから、前月比で減少する可能性がある。■18日(木)午前8時50分発表予定○(日)6月貿易収支-予想は-2310億円先行指標となる6月上中旬の貿易収支は-3768億円で貿易赤字額は前年同期比+247.2%と急増。前年6月の貿易収支は+365億円だったことから、今年6月の貿易収支は2000億円程度の赤字となる可能性がある。■18日(木)午後9時15分発表予定○(欧)欧州中央銀行(ECB)政策金利発表-予想は政策金利の据え置き前回の理事会では経済成長に対するリスクは中期的に下向きであること、インフレ抑制の見通しがあることから、政策金利の引き下げを決定した。今回の理事会では賃金動向を分析し、早い時期に追加利下げが必要となるかどうか議論される見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・15日(月):(中)6月小売売上高、(欧)5月鉱工業生産・16日(火):(欧)5月ユーロ圏貿易収支・17日(水):(英)6月消費者物価指数、(米)6月住宅着工件数、(米)6月鉱工業生産・18日(木):(豪)6月失業率・19日(金):(日)6月全国消費者物価コア指数、(英)6月小売売上高 <FA> 2024/07/13 14:51 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米6月CPIがインフレ鈍化進展を証明、9月利下げ確率上昇 *07:46JST NYの視点:米6月CPIがインフレ鈍化進展を証明、9月利下げ確率上昇 連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している指数のひとつ消費者物価指数(CPI)の6月分は中銀が利下げの条件としているインフレが目標値である2%達成を一段と確信することが可能な結果となった。ガソリン価格は3.8%下落。また、コア物の価格では中古車価格が1.5%下落、新車が0.2%下落した。コアサービスインフレは0.1%上昇で21年来で最低の伸びのとどまった。賃貸や自動車価格の下落が、保険セクターの上昇を相殺した形。賃貸が0.26%下落。シカゴ連銀のグールズビー総裁は「住宅インフレの改善進展こそ、私が見たかったもの」と結果を歓迎した。本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は最近の雇用やインフレのデータを受け、政策修正は正当化される可能性が強いと言及している。FRBのパウエル議長は9日、10日に開催された半年に1回の議会証言において、労働市場の著しい減速を指摘するなど、利下げを遅らせたくない姿勢を見せていたが、CPIの結果はFRBにとり朗報となった。パウエル議長がCPIよりも重要視していると議会証言で指摘したPCEでさらにインフレ鈍化が証明できれば年内の利下げがさらに確実になる可能性がある。また、9月17日、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)までにあと2つのインフレや雇用統計の発表次第では9月の利下げが一段と確信される可能性もある。唯一原油価格が下げ止まっていることは、リスクとなり得る。 <CS> 2024/07/12 07:46 注目トピックス 経済総合 NYの視点:パウエルFRB議長、2日間の証言で利下げに近づいたことを示唆、タイミング言及は回避も *07:46JST NYの視点:パウエルFRB議長、2日間の証言で利下げに近づいたことを示唆、タイミング言及は回避も 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は上院銀行委員会に続き下院金融サービス委員会での2日間の証言を終了した。「労働市場はかなり著しく減速した」としたほか、インフレを巡りかなりの進展を指摘したと同時にインフレを巡り我々の任務はまだ終わっておらず、「まだやるべきことがある」「インフレを巡る自信が完全であると言及する準備はまだない」とし慎重姿勢を維持、利下げに向けたデータでの確信が得られるまで、高金利を維持する方針を再表明した。ただ、市場参加者は議長の2日間の証言でインフレを巡りFRBが一段の自信を徐々に強めつつあり、利下げ環境に一歩近づいた可能性があるとの見解。また、インフレ動向を判断するうえで、消費者物価指数(CPI)よりも個人消費支出(PCE)物価指数に特に注視していることも再度指摘した。6月CPIは前月比で+0.1%と前月の横ばいから伸び拡大が予想されているが、前年比では+3.1%と、前月+3.3%から伸び鈍化が予想されている。6月のPCEは26日に発表が予定されており、食品とエネルギーを除いたコアPCEは前年比で引き続き伸び鈍化が証明される見通し。予想通りとなると、年内の利下げ観測をさらに後押しする。 <CS> 2024/07/11 07:46 注目トピックス 経済総合 トルコリラ円今週の予想(7月8日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ) *09:40JST トルコリラ円今週の予想(7月8日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『節目の5円ブレイクを目指し、下値を切り上げる展開になりそうだ』と述べています。続けて、『先週発表されたトルコの6月消費者物価指数(CPI)は前年比+71.60%と、予想+72.60%、前回+75.45%をいずれも下回り、伸び率は鈍化した。コアCPIも前年比+71.41%と、予想+73.17%、前回+74.98%を下回った。6月生産者物価指数(PPI)は前年比+50.09%、前回+57.68%を下回った。トルコ国内のインフレ懸念が後退し、リラ円は一時節目の5.0円に上昇した』と伝えています。ただ、『戻り売りも強く、5.0円は定着しなかった。一方で、トルコ中銀カラハン総裁による「物価高騰と闘う決意。引き続き引き締め的な金融政策を根気強く維持していく」とのタカ派的な発言はリラをサポートした』と解説しています。陳さんは、『先週は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が広がったこともリラをサポートした。FRBによる利下げ見通しは年2回織り込まれており、今週もこの流れのもと、リラ円は底堅く推移しよう』と考察しています。トルコリラ円の今週のレンジについては、『4.75円~5.05円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の7月9日付「トルコリラ円今週の予想(7月8日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/07/10 09:40 注目トピックス 経済総合 NYの視点:NY連銀インフレ期待は2カ月連続で鈍化、FRBの利下げを後押し *07:42JST NYの視点:NY連銀インフレ期待は2カ月連続で鈍化、FRBの利下げを後押し NY連銀が発表した6月の消費者調査で、1年インフレ期待は3.02%と、5月3.17%から低下した。2カ月連続の低下。ただ、予想3.01%を若干上回った。3年インフレ期待は2.93%と、前月2.76%から上昇し、年初来最高水準となった。5年インフレ期待は2.83%と、前月3%から低下した。消費者は住宅など物の価格上昇見通しを下方修正。来年の住宅価格は3%上昇予想と、5月の3.3%から伸び鈍化を予想している。消費者はガス、食品、医療費、賃貸の伸びも今後12カ月鈍化すると予想している。中期の3年のインフレ期待は上昇。連邦準備制度理事会(FRB)が特に重要視している長期5年のインフレ期待は低下しており、FRBの利下げを後押しする結果となり、ドルの上昇も一服する可能性がある。今週11日に発表が予定されている6月消費者物価指数(CPI)は前年比で+3.1%と、5月+3.3%から伸びが鈍化し、1月来の低水準の伸びが予想されている。FRBがよりインフレ指標として注視している食品やエネルギーを除いたコア指数は+3.4%で変わらず。FRBのパウエル議長は金融政策や経済に関し、半年に一度の議会証言を今週予定している。9日には上院銀行委員会、10日には下院金融サービスで証言する。議長は特に民主党議員からの利下げ圧力や銀行規制を巡る質問に直面すると見られる。 <CS> 2024/07/09 07:42 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】パウエルFRB議長の議会証言、米CPI、PPIなど *07:36JST NYの視点:【今週の注目イベント】パウエルFRB議長の議会証言、米CPI、PPIなど 今週は米国では連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が半年に一度の議会証言を控えており、金融政策や経済を巡る言及に注目される。また、金融政策決定に重要なインフレ指標、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が注目材料となる。6月の米国CPIはインフレのさらなる鈍化傾向が証明される見通し。ただ、PPIではインフレ改善の停滞が予想されている。6月雇用統計を受けて9月の利下げ観測も強まったが、CPIやPPIが早期利下げ観測をさらに後押しする結果になるかどうかに焦点が集まる。6月雇用統計で雇用者数は予想程伸びが鈍化しなかったが、多くが連邦職員の伸びが押し上げた形で民間部門の雇用の伸びは冴えなかった。サービス関連の雇用の伸びも低迷し、今後、サービスインフレが鈍化する可能性も示唆された。雇用は前月分が下方修正されたほか賃金の伸びも鈍化し、9月の利下げ観測も強まった。そのほか、日本のPPIやドイツのCPIにも注目。それぞれ日銀、欧州中央銀行(ECB)の金融政策を左右する。英国総選挙の結果を受けて、労働党の中道左派の方針が財政安定を導くとの期待にポンドが堅調推移。しかし、今後の政策次第では期待が後退する可能性も残る。■今週の主な注目イベント●米国9日:パウエルFRB議長が半年に一度の上院銀行委で証言、イエレン財務長官が下院金融サービス委で証言10日:卸売り在庫、パウエルFRB議長、下院金融サービス委で証言、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ボウマン理事が「Fed Listens」イベントで講演11日:CPI、週次失業保険申請件数、ボスティック米アトランタ連銀総裁が経済に関し講演、セントルイス連銀のムサレム総裁が経済や金融政策に関し、質疑応答12日:ミシガン大消費者信頼感指数、PPI●日本10日:PPI11日:コア機械受注12日:鉱工業生産●英国8日:英中銀、ハスケル氏が講演10日:英中銀、チーフエコノミストのピル氏が講演、英中銀、マンMPC委が講演11日:鉱工業生産●欧州11日:独CPI●中国10日:PPI、CPI12日:貿易収支 <CS> 2024/07/08 07:36 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:6月の米コアインフレ率は前回並みか *14:48JST 国内外の注目経済指標:6月の米コアインフレ率は前回並みか 7月8日-12日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■8日(月)午前8時50分発表予定○(日)5月経常収支-予想は+2兆3935億円参考となる4月実績は+2兆505億円。4月としては過去最大の黒字額となった。一次所得収支が前年同月比+8080億円となったことが要因。5月については4月並みの貿易赤字が続くものの、第一次所得収支で高水準の黒字が予想されるため、経常黒字額は4月実績を上回る可能性がある。■10日(水)午前10時30分発表予定○(中)6月消費者物価指数-予想は前年比+0.4%参考となる5月実績は前年比+0.3%。デフレ圧力はやや弱くなっているものの、内需は堅調ではないため、物価上昇圧力がただちに高まる可能性は低いとみられる。■11日(木)午後9時30分発表予定○(米)6月消費者物価コア指数-予想は前年比+3.4%参考となる5月実績は前年比+3.4%。小売業者による値引きや一部自動車販売価格の引き下げなどが報告された。財のインフレ率は緩やかに低下しており、6月のコアインフレ率は5月実績と同水準となる可能性がある。■12日(金)午後11時発表予定○(米)7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報-予想は67.0参考となる6月実績は68.2。また、CB6月実績は100.4と悪化した。インフレ緩和の兆候は出ているものの、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が改善する可能性は低いとみられる。○その他の主な経済指標の発表予定・10日(水):(日)6月国内企業物価指数、(NZ)NZ準備銀行政策金利発表・11日(木):(日)5月機械受注、(英)5月鉱工業生産・12日(金):(中)6月貿易収支 <FA> 2024/07/06 14:48 注目トピックス 経済総合 NY金は保ち合いか サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) *09:29JST NY金は保ち合いか サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、NY金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NY金は保ち合いか』と述べています。続けて、『週明け1日のNY金は、新規材料難の中、小幅反落。前週末比0.70ドル(0.30%)安の1オンス=2338.90ドル。2日は、米雇用関連指標の発表を受けたドル買いの動きを嫌気して売られ、続落した。前日比5.50ドル(0.24%)安の1オンス=2333.40ドル』と伝え、『5月米雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門求人数は前月比22万1000件増の814万件と、市場予想の791万件を上回った』と解説しています。また、『FRBのパウエル議長は2日、ポルトガルで行われた欧州中央銀行(ECB)主催の会合で、最近のインフレ指標の動向を踏まえ「インフレ鈍化の道に戻っている」との見解を示した一方で、利下げを巡り「特定の時期を明示しない」と述べるにとどめた。3日のCME FEDWATCHによると、市場は9月と12月の年2回の利下げを織り込んでいる』と述べています。次に、『今週は、3日に6月ADP全米雇用報告、6月米ISM米サービス業PMI、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月11~12日開催分)、5日に6月米雇用統計がそれぞれ発表される。年内の米利下げに関する手掛かりが出てくる可能性がある。4日が独立記念日で休場となるため、週末の雇用統計が発表されるまでは動きにくくなるだろう。2日のパウエルFRB議長の講演では、政策決定について、「データ次第」との姿勢を改めて示したが、雇用統計で労働需給の鈍化が示唆されれば、金の支援材料になるだろう』と言及しています。また、『欧米の政局が不透明感を増していることも金相場をサポートしている』と述べています。こうしたことから陳さんは、『NY金は米国市場の休場、重要経済指標の発表待ちで動きにくいだろう』と考察しています。今週のNY金のレンジについては、『2300~2360ドル』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の7月3日付「NY金は保ち合いか」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/07/05 09:29 注目トピックス 経済総合 【書評】『嗤う習近平の白い牙』(遠藤誉、ビジネス社) *18:51JST 【書評】『嗤う習近平の白い牙』(遠藤誉、ビジネス社) 本書『嗤う習近平の白い牙』は、著者が中国の国家主席である習近平の戦略的思考を掘り下げ、世界情勢に与える影響を詳細に分析した一冊である。習近平の哲理「兵不血刃」(刃に血塗らずして勝つ)を軸に、中国の地政学的な動きを読み解くことができる。まず、本書の序章では、習近平が中東での影響力を如何に拡大しているかが描かれている。フーシ派が中国とロシアの船舶を攻撃しないと宣言し、その背景には中国の和平仲介があるとする論説は、新たな視点を提供している。バイデン政権が中国に頼る姿勢が描かれ、これが中国の戦略的優位性を浮き彫りにしている。次に、TikTokと米大統領選についての章では、トランプとバイデンの対応の違いが詳細に分析され、習近平がどのようにして中国の利益を守りつつ、アメリカの内政に影響を及ぼしているかが明示される。特に、TikTokを巡る論争を通じて、中国の情報戦略の巧妙さが浮かび上がる。台湾に関する章では、台湾の志向とアメリカの影響力についての詳細な分析がなされています。台湾のエネルギー依存を利用した包囲作戦の可能性や、バイデン政権が台湾の独立を煽ることによるリスクが描かれ、読者に深い洞察を提供している。さらに、ウクライナ戦争とガザ紛争に関する章では、中国が如何にして戦争の混乱を利用し、自国の利益を最大化しているかが詳述されている。特に、安価なロシア産原油を大量に輸入しつつ、経済支援を通じてロシアとの関係を強化している姿が印象的だ。最後に、中国経済のパラダイム・チェンジについての章では、習近平がどのようにして中国の経済構造を改革し、未来を見据えているかが描かれる。新エネルギー車やリチウムイオン電池といった新産業へのシフトや、痛みを伴う構造改革が中国経済に与える影響が具体的に示されている。総じて、本書は習近平の戦略的思考とその実践を詳細に解明し、世界情勢に与える影響を包括的に理解するための貴重な資料となっている。著者の鋭い分析と独自の視点が光る一冊であり、中国の未来を見据える上で必読の書であると言えよう。習近平が光らせる「白い牙」が、世界のどこに向けられるのか、その行方を知るための優れた指針となるだろう。■著者遠藤誉(えんどう・ほまれ)中国問題グローバル研究所所長1941年中国吉林省長春市生まれ。国共内戦を決した「長春食糧封鎖」を経験し、1953年に日本帰国。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。Yahoo!ニュース エキスパートにてオーサーとして執筆中。著書に『習近平が狙う「米一極から多極化へ」台湾有事を創り出すのはCIAだ!』『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』『ネット大国中国――言論をめぐる攻防』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』(白井一成との共著)『習近平 父を破滅させたトウ小平への復讐』『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』など多数。 <NH> 2024/07/04 18:51 注目トピックス 経済総合 NYの視点:IMFはECBに対して政策金利の引き下げを慎重に進めることを望んでいるのか? *07:37JST NYの視点:IMFはECBに対して政策金利の引き下げを慎重に進めることを望んでいるのか? ロイター通信の報道によると、国際通貨基金(IMF)のカマー欧州局長は「ユーロ圏のインフレ鈍化基調は続いており、今週発表された消費者物価指数は欧州中央銀行(ECB)に追加の金利引き下げの余地があることを裏付けている」との見方を示した。欧州連合(EU)統計局が7月2日発表した6月ユーロ圏消費者物価指数速報値は、前年比+2.5%と、上昇率は5月実績の+2.6%を下回った。しかしながら、サービス部門のインフレ率は+4.1%で推移しており、コアインフレ率は前年比+2.9%と市場予想の+2.8%を上回った。市場参加者の間では「サービスインフレの鈍化ペースはやや緩慢であり、サービスインフレの緩和を実感できるようになるには相応の時間が必要になる」との見方が浮上している。また、雇用市場の需給関係がただちに緩和される状況ではないため、「全体のインフレ率はECBの目標水準を上回る状態が長期化するのではないか?」との見方も出ている。ECBの利下げペースが短期間で加速する可能性は低いと仮定した場合、IMFがECBに求めていることは、「すみやかな追加利下げではなく、政策金利の引き下げを慎重に進めることではないか?」との声も聞かれている。なお、一部の市場参加者は「ECBは2025年半ば頃まで3.75%の中銀預金金利を2.5%まで引き下げる余地があると予想している。インフレの進展次第でこの見通しは大きく変わる可能性があるものの、決して偏った予想ではないだろう。 <CS> 2024/07/04 07:37 注目トピックス 経済総合 ドル円今週の予想(7月1日) サンワード貿易の陳氏(山崎 みほ) *16:58JST ドル円今週の予想(7月1日) サンワード貿易の陳氏(山崎 みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について『押し目買いに堅調に推移しそうだ』と述べています。続けて、『先週のドル円は心理的節目の160円を突破し、週末には一時161円30銭まで急伸した。背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めの長期化観測がある。年内利下げ見通しが3回から1回に減り、見送り観測も出ている中で米長期金利が上昇している』と伝えています。一方で、『日銀による金融緩和の長期化観測があるため、日米の金融政策の方向性の違いから、日米の金利差は当面縮まらないとの見方が強まり、円売りに安心感を与えている。円キャリートレードも活発化しているようだ』とし、『なお、円はドルのみならず、他の先進国通貨に対しても弱い、ユーロは172円、ポンドが203円後半と16年ぶり高値を付けた。スイスフランは179円前半と史上最高値を更新したほか、NZドルは97円後半と38年ぶり、豪ドルが107円半ばで17年ぶりの高値をつけた』と解説しています。さらに、『政府・日銀による介入警戒感もあるが、イエレン米財務長官は「介入は稀であるべき」と複数回発言していること、米財務省による日本の「監視リスト」追加の影響で、政府・日銀は為替介入に一段と踏み切りづらくなったと見られている』と言及しています。また、『』今週は重要な経済指標が複数発表されるため、結果次第では一段のドル高・円安が進みそうだ。市場予想を上回る結果が出れば、FRBによる年内利下げ見送り観測が高まり、米金利が上昇し、ドル買いが強まろう』と述べています。ドル円の今週のレンジについては、『158.00円~163.00円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の7月2日付「ドル円今週の予想(7月1日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/07/03 16:58 注目トピックス 経済総合 NYの視点:内閣府は2023年7-9月期以降のGDP成長率を下方修正 *07:45JST NYの視点:内閣府は2023年7-9月期以降のGDP成長率を下方修正 報道によると、日本の内閣府は7月1日、建設総合統計の大幅修正により2023年7-9月期以降の国内総生産(GDP)成長率を下方修正した。その結果、2024年1-3月期の経済成長率は前期比年率換算で2次速報の-1.8%から-2.9%、前期比では-0.5%から-0.7%に引き下げられた。公共投資が前期比+3.0%から-1.9%に落ち込んだことが影響した。また、建設総合統計は民間住宅のリフォーム出来高推計に活用されているため、民間住宅も2次速報の前期比-2.5%から-2.9%に下方修正された。建設総合統計の修正によって公共投資の前期比は2023年10-12月期において-0.2%から-2.4%に、2023年7-9月期においては、-0.3%から-2.1%に修正された。これらの修正によって実質年率換算成長率は2023年10-12月期は+0.4%から+0.1%に、2023年7-9月期は-3.7%から-4.0%に下方修正された。2023年度の実質成長率も従来の+1.2%から+1.0%に下方修正されている。すでに6月下旬の時点で、建設総合統計が大幅に修正されることによって2023年7-9月期以降の国内総生産(GDP)成長率は下方修正される可能性が高いとの見方が浮上していた。ただ、一部の市場関係者は「統計ミスによる再修正はこれまでなかったはずであり、多くの投資家が困惑している」、「統計ミスは景気判断の信頼性を毀損させる要因となり、外国人投資家による日本株投資にも大きな影響を与えかねない」と指摘している。 <CS> 2024/07/03 07:45 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米大統領選に向けたテレビ討論会でバイデン大統領は精彩を欠く *07:44JST NYの視点:米大統領選に向けたテレビ討論会でバイデン大統領は精彩を欠く 報道によると、バイデン米大統領は6月28日、ノースカロライナ州ローリーで開かれた選挙集会に参加し、11月の大統領選で勝利すると述べた。再選を目指す姿勢を示した。バイデン大統領は「自分は若くないことは分かっており、以前ほど楽に歩けず、滑らかに話せない。以前ほどうまく討論できない」、「この仕事をやり遂げられると心の底から信じていなければ、再出馬はしない」と述べた。一方、トランプ氏は同日、バージニア州チェサピークで開かれた集会に参加。「バイデン氏の問題は年齢ではなく、能力」、「米国を破壊しようとしている男に対して大きな勝利を収めた」と語った。27日に行われたテレビ討論会では、経済や中絶、移民などを巡って議論されたが、バイデン大統領は討論会で精彩を欠いたことで、民主党員や一部の識者から大統領候補者の交代が必要との声が聞かれている。なお、ハリス副大統領は討論会終了後にCNNに出演し、バイデン大統領の序盤の調子がさえなかったことを認めた。ただ、ハリス氏は「有権者は在任期間中のパフォーマンスに基づいてバイデン氏とトランプ氏を評価すべき、トランプ氏は支持を広げるようなことは特にしなかった」と指摘し、バイデン大統領を擁護した。関係者によると、9月に2回目のテレビ討論会が予定されているが、ある識者は「この時点で大統領選の勝敗の行方はかなり明確になっているかもしれない」と指摘し、トランプ氏が優勢を保つ可能性が高い事を示唆した。(小瀬正毅) <CS> 2024/07/02 07:44 注目トピックス 経済総合 中国が発表した台湾独立派への処罰に関する22の指針を分析する【中国問題グローバル研究所】 *16:11JST 中国が発表した台湾独立派への処罰に関する22の指針を分析する【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。中国共産党は2024年6月21日、台湾独立派を特定し、処罰の対象となる活動の種類を明記する「台湾独立派の処罰に関する指針」を発表した。この文書からは、台湾の独立に向けた動きに対する中国共産党の強硬な姿勢だけでなく、台湾海峡問題に関するその戦略的意図も読み取ることができる。本稿では、この指針の内容や背景、両岸関係に与える影響を詳しく分析する。主な内容と処罰この22の指針では、処罰の対象となる台湾独立派と活動内容を、「台湾の独立を公然と唱える政治家や学者、オピニオンリーダー」、「台湾独立関連の団体に参加し、これを主導する中核メンバー」、「メディアや刊行物、ソーシャルプラットフォームを介して台湾独立のイデオロギーを拡散するインフルエンサー」、「台湾独立運動にリソースを提供する資本家や支援者」、「国家統一に深刻な脅威をもたらす行為に参加する者」の5つに分類している。中国共産党は、台湾独立派に対して以下のような処罰を科すとしている。. 中国本土と香港への立ち入りを禁止し、中国内での活動を阻止する。・本土内にある資産を凍結し、その経済的能力を制限する。・ 商業活動への関与を制限し、その経済的影響力を弱める。・ 深刻な事案に関与した者に刑事罰を求める。驚くべきことに、台湾独立派の処罰に関する中国の規定では「欠席裁判」が可能だ。この法的枠組みには、国家を分裂させる行為の主犯や重大な罪で有罪判決を受けた者は、無期懲役あるいは10年以上の懲役が科せられる可能性があると定められている。特に深刻あるいは悪質とみなされる場合には、死刑が科せられることもある。こうした対応は、複数の手段を講じて台湾独立派に圧力をかけ、台湾独立活動の拡大を抑えようとする中国共産党の取り組みにほかならない。香港の基本法第23条および国家安全維持法との比較香港の基本法第23条には、香港特別行政区(HKSAR)が、中央政府に対する反逆や分離、扇動、転覆、または国家機密の窃盗を図る行為を禁じる法律を制定するものとすると定められている。だが、香港社会での反発が強く、第23条に基づく法令はまだ成立していない。これとは対照的に、国家の安全を脅かす反逆や転覆、テロ行為、海外・外部勢力との結託などの犯罪を対象とした香港国家安全維持法案は、2020年に全国人民代表大会常務委員会が直接可決した。同法は、幅広い執行権限を香港国家安全局に付与している。香港国家安全維持法と比べ、台湾独立派を標的とした「中国の22の指針」は法的強制力に欠けるが、明らかな政治的意図を示すことで抑止効果を狙っている。この「指針」は、法的手続きによらず、主に行政・経済的措置を利用して台湾独立派を処罰する内容であるため、より柔軟かつ独裁的な執行が可能になる。中国共産党の二重戦略中国共産党は台湾問題への対処で二重戦略を取っている。一方では両岸の融和を推し進めるさまざまな施策を講じ、経済協力に力を入れ、台湾と中国本土の経済的相互依存を深化させて本土への台湾の経済的依存を高めようとしている。また文化交流イニシアチブを推し進め、両岸の住民間の相互理解と情緒的な絆を醸成し、文化的アイデンティティの構築を促進している。さらに、中国共産党は両岸の市民団体・個人間のやり取りや交流を奨励し、非政府チャネルを通じた中台関係の改善も図っている。他方、台湾独立派に対する処罰をめぐっては、「22の指針」に示した措置を講じることで、個人やその支援者に行動を思いとどまらせる思惑が中国共産党にはある。その措置の一部である資産凍結や立ち入り禁止は、台湾独立派の経済基盤と往来(モビリティ)に直接影響を与える。加えて、今回の「処罰に関する指針」の発表は、こうした活動家やその支援者を精神的に威嚇し、恐怖や不安を感じさせることを目的としている。淡江大学(台湾)両岸研究センターの張五岳主任は、このアプローチについて、国内に向けては論理的根拠を示し、国際社会には自らの姿勢をはっきりと打ち出し、台湾に向けては台湾の愛国主義者とそれ以外の人々の扱いを区別すると宣言することで抑止効果を持たせるという、3つの目的を担っていると指摘する。この二重戦略は、融和を図りながらも台湾独立運動鎮圧のため処罰を導入するという、台湾問題に対する中国の多面的アプローチを浮き彫りにしている。中国共産党の抑止戦略の評価止理論は国際関係上の戦略概念であり、威嚇や力・処罰の行使により反抗分子に好ましくない行為を取らせないようにするものだ。この理論で言えば、中国の「22の指針」は以下の点で抑止効果を発揮する。・ 最高人民法院や最高人民検察院、公安部、国家安全部、司法部などの当局が「指針」を発表することで、威嚇効果をもたらす。・ 「指針」が台湾独立に関連する団体を幅広く対象とすることで、抑止効果を拡大させる。・ 経済活動の制限や渡航禁止、資産凍結を盛り込むことで、罰則に強烈な威力を持たせる。ただし、抑止効果を長期間維持するには、継続的なリソースの配分と政策支援が必要となる。一方、この「指針」は、国際法の執行と身柄引き渡しに関する事柄を中心に、実際の施行にあたっては大きな課題に直面する。国外在住の台湾独立派に対しては、中国が処罰を科すことはほぼ不可能である。例えば、国際刑事警察機構(インターポール)は独自の規則と手続きに基づき活動しており、身柄引き渡し協定の締結なしに中国が当該個人の引き渡しを受けることは難しい。加えて、国家主権と領土保全について国際法で厳格なルールが定められており、越境逮捕・身柄引き渡しには関係国の同意と協力が必要となる。このような要因により、台湾独立派に対して、中国が国際的な規模で処罰を科すことは極めて難しい。国際社会は中国の一方的な処罰を非難し、中国を正当性と透明性に欠け、国際人権法を犯す可能性のある国とみなすかもしれない。そのため中国の抑止策は、刑事処罰を実際に科すことによってではなく、主に精神・経済面で効果を発揮する。台湾の社会と世論、文化、教育への影響中国の「22の指針」は、いくつかの形で台湾社会に大きな影響を及ぼしている。台湾独立を支持する人や、支持する親族がいる人を中心に、中国の脅しに恐怖や不安を抱く台湾人が多くいるかもしれない。自分の身の安全と経済的利益に影響が及ぶ可能性を危惧している人もいるであろう。一方で、中国の強硬な姿勢が台湾市民の怒りや反感を招き、両岸間の緊張がさらに高まるおそれもある。世論とメディアの反応という面では、中国の「22の指針」が台湾世論の分断を深めかねない。これらの措置を台湾の主権侵害とみなし、猛反発する人たちもいれば、紛争を回避するため、本土との平和的な関係の構築を提唱する人たちもいると考えられる。今回の中国の措置に関する台湾のメディア報道・解説が世論を揺さぶり、台湾独立問題をめぐる議論や論争を一段と活発化させるかもしれない。文化・教育面については、台湾の教育機関が民主主義や自由、人権に関する教育を強化して、外部の圧力に抵抗し、国家の尊厳を守ることの重要性を強調するかもしれない。中国の脅しで、台湾の文化への誇りとアイデンティティが高まり、本土とは異なる文化と価値観への愛着が強まるかもしれない。台湾の大陸委員会(MAC)は、中国の「22の指針」に強く反発し、これは台湾の民主主義と自由の抑圧を目的とした政治的脅し・威嚇であり、両岸の平和的な発展を台無しにすると非難している。台湾は今後も中国の脅しに屈することなく、民主主義と自由、主権を守っていくと断言するとともに、台湾に対する中国の政治的抑圧を非難し、台湾の民主主義の発展を支援するよう国際社会に呼びかけている。まとめ台湾独立派の処罰に関する中国の「22の指針」から、台湾に対する中国の戦略的アプローチと、それが両岸関係に及ぼす影響が明らかになった。この指針では、処罰の対象となる行動を分類するほか、台湾独立派の弱体化を目的とした渡航禁止や資産凍結など行政上の規制と経済制裁などの処罰を定めている。香港の法的取り組みと比較すると、中国が一貫して政治的安定と国家統一の維持を目的としていることが分かる。だが、こうした措置の実効性には国内外に課題がある。国内では、台湾との分断が深まり、独立支持派の恐怖と反発を招く可能性がある。国外では、その一方的な性質と、国際規範との整合性への懸念から、台湾の自治を支持する民主主義国と中国の関係がぎくしゃくしかねない。さらに、両岸の融和を進めながらも処罰を導入するという中国の二重戦略がその微妙なアプローチを物語っている。今後の両岸関係への影響は複雑かつ不透明なままであり、緊張が高まり平和的対話が妨げられるおそれもある。約言すると、中国の「22の指針」は、台湾に対する同国の戦略の重要な一角であり、両岸関係に対応するにあたっての中国側の自己主張と課題の両方を浮き彫りにしている。こうした課題に対処し、地域の安定性を強化するには、建設的な関わりと対話、そしてそれに対する国際社会の後押しが欠かせない。写真: 中国の司法当局による記者会見(央视新聞)(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/07/01 16:11 注目トピックス 経済総合 先週の話題レポート:アナリスト予想の修正が大きい銘柄 *11:30JST 先週の話題レポート:アナリスト予想の修正が大きい銘柄 ■アナリストが強気の見通しを示し、会社計画の上方修正も期待される銘柄として注目日経平均が3万9000円近辺でのもみ合いを続ける中、材料難からしばらくは方向感の出づらい展開が続くことも想定されるとみて、東海東京インテリジェンス・ラボでは改めて企業業績に着目した銘柄選別に着目している。25年3月期の会社計画については、当期利益が前年比で減益(TOPIX1000を対象)と低調な見通しとなっているが、期初時点では例年保守的な計画を出す傾向にあることを考慮すれば、今後は中間決算などで上方修正期待も高まっていくと想定。そこで同証券では、(1)25/3期当期利益計画(会社計画)が前年比増益、(2)25/3期QUICKコンセンサス(QC)予想(6月19日時点)が会社計画を上回り、かつ3月31日時点のQC予想から大きく修正されている(10%以上の修正率)銘柄、とアナリスト予想に着目した条件でスクリーニングを実施。アナリストが強気の見通しを示し、会社計画の上方修正も期待される銘柄として注目している。■25年3月期QC予想が増額修正された銘柄(東海東京インテリジェンス・ラボ)<8242> H2Oリテイル<8725> MS&AD<1860> 戸田建<9301> 三菱倉<8766> 東京海上<3002> グンゼ<6875> メガチップス<9107> 川崎船<4540> ツムラ<1801> 大成建<9101> 郵船<6787> メイコー<4208> UBE<6140> 旭ダイヤ<4547> キッセイ薬<1969> 高砂熱<6951> 日電子<9010> 富士急<7167> めぶきFG<2875> 東洋水産※出所:証券レポートより引用 <CS> 2024/07/01 11:30 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米大統領選世論調査でトランプ氏がリードを保つ *07:41JST NYの視点:米大統領選世論調査でトランプ氏がリードを保つ 11月の米国大統領選挙を控え、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領の第1回討論会が6月27日に実施された。大統領選を想定した最近の世論調査では、選挙への関心が低い若年層の投票意欲の低さに注目が集まっている。CBSニュースは6月23日、6月17-21日にかけて全米の成人2460人を対象とする世論調査の結果を発表した。「今日大統領選が行われたら、誰に投票するか?」という問いに対して、トランプ氏の支持率が50%と、バイデン氏の49%をわずかに上回った。30歳未満で投票を予定している人に限定すれば、バイデン氏の支持率は61%で、トランプ氏の38%を大幅に上回っている。一方、18-29歳で「大統領選挙についてよく考える」とする割合は34%と、65歳以上の74%の半分未満にとどまる。「大統領選についてよく考える」と回答する割合は年齢が上がるほど多くなる。(調査によると、30-44歳は38%、45-64歳は52%)。一方、マサチューセッツ州のエマーソン大学が6月に激戦州で実施した世論調査(実施時期は6月13-18日、対象者は各州の登録有権者1000人)によると、激戦6州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)における大統領選を想定した問いでは、トランプ氏の支持率が6州全てでバイデン氏を1-4ポイント程度上回ったようだ。同大学の世論調査担当のキンボール事務局長は「バイデン氏とトランプ氏の支持率の差は標本誤差(±3%)の範囲に収まっている」と述べ、激戦州の4月以降の無党派の動きに関して「無党派のトランプ氏支持率は、アリゾナ州で48%から43%に5ポイント下落、ミシガン州では44%から41%に3ポイント下落、ペンシルベニア州では49%から41%に8ポイント下落した。無党派のバイデン氏支持率は、ジョージア州で42%から36%に6ポイント下落し、ネバダ州では37%から32%に5ポイント下落した」と指摘している。バイデン大統領とトランプ前大統領による初めてのテレビ討論会に対しては、視聴者の評価はまちまちのようだが、激戦6州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)の有権者はどう思ったのか、詳しい調査結果の公表が待たれるところだ。 <CS> 2024/07/01 07:41 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:6月米雇用統計は5月実績を下回る見込み *14:10JST 国内外の注目経済指標:6月米雇用統計は5月実績を下回る見込み 7月1日-5日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■1日(月)午前8時50分発表予定○(日)日銀短観6月調査-予想は大企業製造業DIは113月調査では品質不正による一部自動車メーカーの生産停止を受けて景況感は悪化。今回については物価高による需要減少、コスト増加、人手不足は解消されていないことなどから、企業マインドの改善は期待薄か。■1日(月)午後11時発表予定○(米)6月ISM製造業景況指数-予想は49.0参考となる5月実績は48.7に悪化したが、先行指標となる6月製造業PMIは改善している。一方、新規受注の増加は期待できないため、6月の数値は5月実績並みの水準にとどまる可能性がある。■3日(水)午後9時30分発表予定○(米)5月貿易収支-予想は-712億ドル参考となる4月実績は-746億ドル。輸入増加で赤字幅は拡大した。5月については、輸出増加は期待できないものの、輸入額がやや減少するとみられており、赤字幅は縮小する見込み。■5日(金)午後9時30分発表予定○(米)6月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数は前月比+18.5万人、失業率は4.0%雇用者数の増加幅は5月実績を下回る見込みだが、労働市場の急速な減速を示唆するものではないとみられる。失業率は5月と同水準になると予想されるが、年末にかけてゆるやかに上昇する可能性が高いとみられる。○その他の主な経済指標の発表予定・1日(月):(中国)6月財新製造業PMI・2日(火):(欧)6月ユーロ圏消費者物価コア指数、(欧)5月失業率・3日(水):(欧)5月ユーロ圏生産者物価指数・5日(金):(欧)5月ユーロ圏小売売上高 <FA> 2024/06/29 14:10 注目トピックス 経済総合 NYの視点:インドの水不足問題 *07:42JST NYの視点:インドの水不足問題 米格付け会社ムーディーズは6月25日、インドでは急速な経済成長と頻発する自然災害で水不足が深刻化しており、格付けに悪影響を及ぼす可能性があると警告した。報告によると、インドでは毎年夏に水不足が発生しており、これまでに何度も問題となっていたようだが、今年は熱波が長引き、デリーやハイテク産業が集中しているベンガルールなどで水不足が続いているようだ。ムーディーズは、水不足は「ソブリン格付けや水を大量消費するセクターの信用に悪影響を及ぼす」、「水資源の供給減少は農業生産や産業活動に支障をきたし、食料価格の高騰や収入減で社会不安を引き起こす可能性がある」と指摘している。モディ首相は以前からこの問題を意識しており、早急に取り組むべき課題であると言えるが、一部の識者は「長期的には、水の管理分野への投資拡大が潜在的な水不足のリスク軽減に寄与する」と指摘しており、中長期的な観点で水不足の解消に取り組むべきであろう。※ムーディーズによるインドの債務格付けはBaa3、格付け見通しは安定的。 <CS> 2024/06/28 07:42 注目トピックス 経済総合 中国の台湾優遇政策の現状と課題【中国問題グローバル研究所】 *15:56JST 中国の台湾優遇政策の現状と課題【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。2024年の海峡フォーラムでは、中国が新しい台湾優遇措置を発表せず失望が広がった。国民党(KMT)の連勝文副主席は、「両岸間の状況は現在悪化しており、かかる措置が示されなかったことは自然の流れである。しかし、今年の台湾の選挙結果から、国民の少なくとも60%が台湾現指導部の独立派寄りの立場や施策を支持していないことは明らかである。ほとんどの台湾人は、中国の同胞との平和な共存を望んでいる。政治的な違いがあっても、平和的な関係の継続を求める声が多い」と指摘し、「これが、無視できない大衆の意見である」と強調した。この8年間は両岸関係にとって激動の時期であり、中国の台湾優遇措置は、中国市場への依存度が高い石油化学製品や機械、農業などのセクターを中心に、政治的タイミングと密接に結びついていることが少なくない。中国は選挙の直前に、台湾の選挙や経済に影響を及ぼす目的で、特定の台湾優遇政策を導入したり、中断したりする傾向にある。しかし実際のところ、そうした措置の影響は限定的である。例えば、両岸の経済・文化交流推進を目的に中国が2019年に導入した台湾優遇措置は26項目に上るが、それらの措置は最小限の効果しか発揮していない。2024年の総統選の前には、中国は海峡両岸経済協力枠組み協定(Economic Cooperation Framework Agreement、以下ECFA)に基づいて行っている134品目の関税引き下げ措置を停止すると発表した。ECFAの歴史的意義と現状20年前を振り返ると、ECFAは当時、重要な経済措置であった。ECFAに基づく関税優遇措置は、関税引き下げにより台湾の特定の産業に恩恵をもたらす台湾優遇政策とみなされた。だが、台湾産業界はその後、中国市場への依存を大幅に減らすようになり、その多くがもはやこうした政策に頼っていない。今でも中国の台湾優遇措置を望んでいるセクターは観光業のみと言える。こうした台湾経済の変化は、単一市場への過度の依存を減らし、国外の経済的圧力に対するレジリエンスを高める方向への戦略的シフトを反映するものである。台湾経済研究院が発表したデータによると、台湾の中国向け輸出の年間増加率は2010年のECFA調印後3年間で15%に達したものの、直近5年間では5%を割り込んだ。この大幅な減少は、両岸間貿易のダイナミクスの変化と、台湾の経済パートナーシップの多角化への必要性を如実に物語っている。台湾が今後、経済成長を維持していくためには、イノベーションとハイテク産業、世界市場への進出に注力することが不可欠となる。研究開発への投資と起業家精神の醸成、他国との貿易関係の強化で、台湾は今後の経済のさらなる安定と繁栄を確保できる。観光産業の現状と課題中国のアウトバウンド観光政策は、外交戦略と緊密に足並みをそろえ、友好国の旅行の割当枠を拡大する一方、非友好国の枠を縮小することが少なくない。台湾の観光産業もこの戦略の影響を受ける。台湾の観光事業者と大陸委員会は中国が団体旅行の制限を撤廃することを望んでいるが、これは非現実的な期待である。これまで、中国の団体旅行は独占的な「ワンストップ」旅行モデルで運営する中国企業に管理されていたため、台湾は長期的なメリットを得られなかった。例えば、中国が2019年に台湾への個人旅行を制限したことで、台湾の観光産業は約300億ニュー台湾ドルの損失を被った。このことから、中国の観光政策は台湾経済に大きな影響を及ぼす可能性があり、台湾が観光市場の多角化を図り、中国人観光客への依存度を低下させる必要があることは明らかである。こうした政策の悪影響を軽減するため、台湾の観光産業は新規市場を開拓するとともに、より持続可能でレジリエンスの高いビジネスモデルを発案しなければならない。東南アジアや欧州、北米など、中国以外の地域の観光客誘致に取り組む必要がある。加えて、デジタルマーケティングへの投資やサービスの質の向上、台湾独自の文化的スポットや自然景観などのPRが大きな効果を発揮する可能性がある。そうした対策を講じることで、台湾はより強固で、多様性に富んだ観光セクターを構築することができ、中国の政策の影響を受けることなく、長期的な成長と安定も確保しやすくなる。アモイの台湾優遇政策の影響今回のフォーラムではアモイ市の張啟芮副市長が、台湾の人々は、台湾の同胞を対象とした「コンビニエントサービス」セクションにアクセスし、滞在しているホテルで、モバイル機器を使ってオンサイト決済ができると述べた。同副市長はまた、「台湾同胞証」と「居住証」、「一時入国者運転免許証(Temporary Entry Motor Vehicle Driving Permits)」もこのサービスセクションで発行可能で、台湾同胞証の発行に要する時間は3営業日に短縮されると発表した。とはいえ、これらの政策は金門居住者や福建省の台湾人ビジネスパーソンには効果があるかもしれないが、台湾本島に住んでいる人たちにとってはほとんど魅力がない。アモイ市政府のデータによると、2019年にアモイ市で居住証の申請をした台湾のビジネスパーソンと学生は約2,000人であるが、これは台湾の総人口のわずか0.01%にすぎない。中国の政治的立場と台湾の対応観光以外に目を向けると、中国の人民政治協商会議の王滬寧主席の海峡フォーラムにおける発言は、台湾に懸念をもたらした。同主席が「歴史的に見て台湾は中国の一部である」と強調し、多くの台湾人を失望させたのである。これは両岸関係が血縁あるいは国家主義にしか根差していないことを意味する。このような歴史的認識は、台湾社会では受け入れられない。王滬寧の発言は、台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」を原則とする両岸関係における中国共産党の立場を反映したものである。このような歴史認識は、特に1949年の中華人民共和国の成立以降、台湾では広く受け入れられておらず、中国の歴史や王朝のすべてを代表あるいは継承するものではありえない。台湾民意基金会が2023年に実施した世論調査の結果によると、台湾人の70%以上が「一国二制度」モデルに反対している。加えて、頼清徳総統が2024年5月20日の就任演説の中で「中華民国(台湾)と中華人民共和国は互いに従属しない」と表明したことに対して、20歳以上の74%が同意し、同意しないと答えた人は16%にとどまった。この世論調査の報告書では、「中華民国と中華人民共和国は互いに従属しない」は台湾社会で広く合意を得た見解であると結論付けている。同時期に大陸委員会も、回答者の75%以上が「台湾は中国の一部である」に同意せず、88%が「台湾の未来は、台湾に住むすべての人々が決めるべきである」に賛成しているとする世論調査の結果を発表した。台湾の産業変革とリスク分散両岸が互いに従属しないという頼総統の提案は、両岸関係の現在の状況と、異なるガバナンスという実態に即したものである。台湾産業の発展は、もはや中国市場に全面的に左右されているわけではない。対中貿易依存率は30%未満に低下した。台湾ではリスクの分散を図り始めた企業も多く、仮に中国がECFAの関税引き下げ措置を全面的に停止しても、台湾経済は中国以外の海外市場の開拓にシフトすることができる。台湾経済部が発表したデータによると、2022年の台湾の輸出シェアは、中国向けが28.9%にとどまったのに対して、東南アジア向けと北米向けではそれぞれ12ポイントと15ポイント増加した。中国の台湾優遇政策と両岸統一の課題中国は引き続き、両岸統一を推し進めるために台湾優遇政策を提案しているが、そうした政策の実効性と持続可能性には疑問符が付く。市場調査会社IC Insightsによると、台湾半導体産業は2023年の市場シェアが65%に上る一方、中国向け輸出は台湾の全輸出量の40%であった。将来的には、半導体などハイテク産業を中心に、台湾も「親中」政策を提案するかもしれない。例えば、中国と台湾が互いに従属しないことを条件に、台湾は中国半導体産業が台湾からミッド・ハイエンドチップを購入することを認める特別なインセンティブ施策を打ち出す可能性もある。経済互恵と政治情勢中華経済研究院がまとめた報告書によると、高レベルの両岸経済協力が、双方のGDP成長率を年間1ポイント押し上げる一助となる可能性がある。経済協力は両国の繁栄と安定を促す可能性があり、両岸の共通の目標とすべきである。だが、「台湾優遇政策」は実際には上下関係を示唆することが多く、これは不均衡を生むものであり、両岸間のギャップを真に埋めることにはならない。この不均衡は不信感と疑念を招くことが多く、真の経済統一と相互利益の実現を難しくする。互恵メカニズムを強化するには、協力の対象を経済・技術産業だけでなく、互いの価値観の相互尊重にも拡大する必要がある。異なる政治制度での文化的な違いに対する寛容と理解を深めることが欠かせない。これは、文化交流と教育プログラム、そして環境保護や公衆衛生など世界的な課題に対処する共同イニシアチブを拡大することで実現できる。相互尊重・理解の環境を醸成することで、両岸はより包摂的かつ協調的な関係の構築に向けて協力し、同地域の長期的な平和と繁栄への道を切り開くことができる。まとめ両岸関係の発展は、複数の課題と機会に直面しており、相互協力が長期的な安定と繁栄の実現の鍵を握る。両国には歴史・イデオロギー的違いがあるものの、相互尊重と平等な対話、双方にとって有益な協力によってのみ、両岸関係の健全な発展を真に実現できる。双方がよりオープンで包摂的な信頼メカニズムを構築し、歴史的な誤解を明確にし、現代の国際システムの中で共に繫栄する方法を共に模索すべきである。例えば、文化交流の拡大や環境保護の強化、グローバルな課題への共同での対処などにより、両岸の住民間で相互理解・信頼を醸成できる。アジア太平洋地域の重要な経済の中心である台湾は、豊富な人材を誇り、数々のイノベーションを生み出している。台湾は今後、市場をさらに開拓しアジア諸国や北米との経済協力を促進するとともに、ハイテクやグリーンエネルギー、バイオテクノロジーなどの新興分野を中心に、中国と協力してそのポテンシャルを生かすことができる。台湾側も中国側も力を合わせて、平和的な発展を原則とした両岸関係を進展させるべきである。それは、双方の住民のためになるだけでなく、地域、ひいては世界の安定と繁栄にも資する。こうしたビジョンの実現には、長期的な安定と平和、繁栄の共有をもたらすべく、両政府と社会の全セクターが共同で取り組む必要がある。第16回海峡フォーラム大会 写真: 新華社(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/06/27 15:56 注目トピックス 経済総合 NYの視点:PB黒字化未達成でも日本の債務格付けは変わらずか *07:48JST NYの視点:PB黒字化未達成でも日本の債務格付けは変わらずか 米格付け会社ムーディーズで日本のソブリン格付けを担当するアナリスト、クリスチャン・ド・グズマン氏は6月24日、ロイター通信とのインタビューで、「日本政府が来年度の基礎的財政収支の黒字化目標を達成できなくても、格付けに関してネガティブな見直しをする可能性は低い」と述べた。同氏は黒字化目標は財政改革へのコミットメントと考えるべきだと発言。来年度の目標達成は予想していないが、目標を達成できなくても格付けに関してネガティブな見直しをする可能性は低いと語った。また、グズマン氏は「もしそのコミットメントを放棄し、実際に状況が悪化し、財政赤字が大幅に拡大、債務が大幅に増加すれば、格付けの柱を検証しなければならない」との見解を伝えている。なお、日本銀行の金融政策についてグズマン氏は、正常化に向け非常に緩やかなアプローチを取ると予想しており、「1-2年以内にはそうなるとは考えていない」と予想している。なお、グズマン氏は来年度の基礎的財政収支黒字化目標について達成できないとの見方を示した。ただ、政府が歳出・歳入の改革のコミットメントを守る限り、目標未達による格付け変更は少なくとも当面は起こらないだろうとの見方も伝えている。※ムーディーズは2014年に日本の格付けを「A1(安定的)」に設定している。 <CS> 2024/06/27 07:48 注目トピックス 経済総合 ドル円今週の予想(6月24日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) *17:35JST ドル円今週の予想(6月24日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について『介入を警戒しつつ1ドル=160円超えを目指すだろう』と述べています。続けて、『週明け24日の東京外国為替市場のドル円相場は約2カ月ぶりに円安を更新している。好調な米指標を受けてドル高が進んだ先週末の流れが継続している。神田財務官は24時間いつでも介入の準備があると円安を牽制しているが、市場の反応は小さい』とし、『1ドル=160円の水準では、介入が警戒されるが、神田財務官は「基調を変えるためにやっているわけではない」、「特定の水準をターゲットにはしていない」とも述べており、160円で介入という訳でもないだろう』と伝えています。陳さんは、『円買い介入に対する警戒感は、今のところそれほど高まっていないようだ。ドル円の上昇速度が緩やかなことや、当局者の発言に切迫感があまり感じられないという。また、米財務省が為替報告書で日本を1年ぶりに監視リストに加えたことで、為替介入に動きにくくなったとの見方も広がっている』と考察しています。次に、『先週は、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官から、タカ派的な発言が相次いだ』とし、『フィラデルフィア連銀ハーカー総裁は「今年は1回の利下げが適切」、リッチモンド連銀バーキン総裁は「今年の第1四半期はインフレに対する確信が得られなかった」、ボストン連銀コリンズ総裁は「インフレが2%に向けて低下しているかどうかを判断するのは時期尚早」、セントルイス連銀ムサレム総裁は「利下げを支持するデータが出るまで数四半期かかる。インフレ進展が停滞もしくは反転した場合、利上げを支持する」、ダラス連銀ローガン総裁は「2%に向かうと確信するにはあと数カ月見る必要」、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁は「インフレ目標達成まで1ー2年かかる可能性がある」等』と解説しています。また、『米経済指標は良好で利下げ見通しを後退させた。5月米小売売上高は市場予想を下回ったものの、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月製造業PMI、6月非製造業PMIはいずれも市場予想を上回った』と伝えています。一方で、『日本は6月の日銀金融政策決定会合は予想以上にハト派的な内容で、先週発表されたインフレ指標(コアCPI、コアコアCPI)は市場予想を下回った。日銀による金融緩和の長期化が予想される中、日米の金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが継続していくと予想される』と見解を述べています。また、『今週は政治リスクも意識されやすくドル買い要因になりそうだ。27日に米国では大統領選挙候補者テレビ討論会、27~28日には欧州連合(EU)首脳会議、30日はフランス下院選挙(初回投票)、中東では28日にイラン大統領選挙が行われる』と伝えていますドル円の今週のレンジについては、『157.00円~161.00円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月25日付「ドル円今週の予想(6月24日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/06/26 17:35 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米財務省は監視リストに日本を加えたが・・・ *07:41JST NYの視点:米財務省は監視リストに日本を加えたが・・・ 報道によると、米財務省は6月20日に公表した外国為替報告書で、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えた。「為替操作国」に認定した貿易相手国・地域はなかった。監視対象には中国、ベトナム、台湾、マレーシア、シンガポール、ドイツが指定されている。関係筋によると、この件に関わっている米財務省当局者は、監視リストに日本が加えられたことについて、「日本銀行が円安進行に歯止めをかけるために実施した為替介入は監視リストに加える要因になっていない」と述べた。2023年の日本の対米貿易黒字が624億ドルと高水準だったことと、経常黒字の国内総生産(GDP)比率が3.5%だったことを理由に挙げた。ただ米財務省は、日本は2024年4月と5月に円買い・ドル売り介入を実施したと指摘。日本の外為取引には透明性があると指摘したが「自由に取引される大規模な外為市場において、介入は適切な事前協議のもと、極めて例外的な場合にのみ行われなくてはならない」との見方を改めて伝えている。なお、中国については、多額の対米貿易黒字が存続していることに加えて為替政策についての透明性が欠如している点を考慮し、監視リストから除外しなかった。米財務省は「中国の対応は主要経済国の中では例外的であり、厳重な監視が必要になっている」と批判している。なお、米財務省当局者は、「中国国家外為管理局(SAFE)が発表した経常収支に関するデータが通関記録と一致していない」と指摘しており、中国政府が公表している統計の正確性にも懸念を表明している。 <CS> 2024/06/26 07:41

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