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みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=4月の外国人買いアノマリーに期待  きょう(26日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比16円安の4万398円と小幅ながら続落。前日に先物主導で470円あまりの下げを強いられたこともあり、きょうは目先値ごろ感からの押し目買いが機能して下値を支えた。しかし上値を買い進む動きには発展せず、結局引け際の大口売りで前日終値を下回る水準で着地した。  今週は米国でFRB高官の発言機会が相次ぐものの、前週にFOMCを通過していることで、仮にタカ派寄りの発言があっても証文の出し遅れ的な意味合いが強い。このほかに投資家の視線が注がれるような大きなイベントは見当たらず、手掛かり材料に事欠く状況だ。期末特有の機械的なリバランス売りなどの影響を考慮すると積極的に相場と対峙するようなムードにはなりづらい。確かに配当や株主優待などの権利取り狙いの買いが、全体相場に浮揚力を与えるという見方はあるが、あくまで一般論の範疇で、個人投資家が個別株を投資するにあたってあまり追い風材料として作用することはない。市場関係者からは「(あすに権利付き最終日を控えていることで)権利落ち後の配当調整分の下げ圧力が気になって、トレーダー感覚では目先手が出しにくい時間軸にある」(中堅証券ストラテジスト)という見方が示されていた。  加えて、今週末29日はグッドフライデーで米国株市場はもとより、欧州各国やアジアでも香港、シンガポール、インドネシアなど軒並み休場となる。海外機関投資家も週半ばには早めに“店じまい”して名実ともに4月に入ってから仕切り直すというスタンスをとるのが自然な流れだ。そうした事情が東京市場の足もとの売買代金にも反映されている。前日にプライム市場の売買代金は4兆3400億円台と今月に入って2番目に低い水準に落ち込んだが、きょうもそれとほぼ並びの4兆3500億円台にとどまった。  一方、前週後半からのIPOラッシュで東証グロース市場に目が向く可能性はあったが、フタを開けてみれば活性化には程遠く前週末からグロース指数、グロース250指数ともに冴えない値動きで売買高も盛り上がりを欠いている。きょうは4社がグロース市場に新規上場したが、初値は公開価格を大きく上回ったものの大陰線を形成する銘柄のオンパレード、セカンダリーで参戦した投資家にとっては残念な結果となった。  ただし、きょう上場した4社のなかでハッチ・ワーク<148A.T>だけは別格だった。公開価格を30%上回る2815円で初値を形成した後も上値を指向する展開で、ストップ高となる3315円で張り付いたまま取引を終えている。月極駐車場の検索ポータルサイトや管理支援クラウドサービスなどを運営するユニークな業態。資金調達額が7億5300万円と比較的小さく、これが上値の軽さにつながったようだ。もっとも、資金調達額4億4500万円と更に小型のJSH<150A.T>は公開価格の倍近い893円で初値を形成した後、1008円まで駆け上がったところまではよかったが、後半は次第安の展開で初値を約1割下回って引けている。IPO祭りも資金の回転の速さがひと際目立つ。足もと全体相場の手詰まり感と符合する形で“焦り”が感じられる。  海外投資家は3月第2週に現物で800億円強、先物で5700億円強売り越しており、このまま行くと月間売り越しとなる公算は大きい。しかし、過去10年間を振り返って3月の外国人動向は2勝8敗、つまり8回売り越しておりアノマリー的には全く違和感はない。その代わりといっては何だが、新年度入りとなる4月は海外資金が流入する月でもあり、過去10年で9回買い越している。とすれば、この3月権利落ち後に全体相場がずるずると下値を探るような局面に遭遇した場合、ムードに流されず値がさハイテクなど指数寄与度の高い銘柄を黙って拾っておくというスタンスが勝利を呼ぶ可能性もある。  あすは3月決算期企業の権利付き最終売買日。このほかのイベントとしては、午前中に40年物国債の入札が行われるほか、田村日銀審議委員が青森県金融経済懇談会に参加予定。また、IPOが3社予定されており、東証グロース市場にダイブ<151A.T>とシンカ<149A.T>、東証スタンダード市場にコロンビア・ワークス<146A.T>が新規上場する。海外では1~2月の中国工業企業利益、2月の豪消費者物価指数(CPI)が発表され、スウェーデン中銀、南アフリカ中銀などが政策金利を発表する。米国では7年物国債の入札が行われ、ウォラーFRB理事が米経済団体のイベントで講演を行う予定にある。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=湖北工業、業績回復でニッチトップの実力再評価へ  湖北工業<6524.T>の5000円台前半は買い場と判断される。同社はアルミ電解コンデンサーのリード端子で高付加価値品を中心に圧倒的な世界トップシェアを誇るほか、海底ケーブル向け光部品(光アイソレーター)でも競合は米企業1社のみという状況にあり、世界で双璧をなしている。2つの異なる商品分野でグローバルニッチトップとして存在感を示し、株式市場でも注目度が高い。  24年12月期業績予想は売上高が前期比8%増収の145億3600万円、営業利益は同15%増の32億4300万円と増収増益を見込む。利益面で寄与度の大きい光部品は、世界的に通信量が増勢一途となるなか商機が高まっている。また、同社では26年12月期に営業利益63億円を目指す野心的な中期経営計画を掲げており、これも株価の見直し余地につながる。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 10:00 みんかぶニュース コラム 26日の株式相場見通し=一進一退か、値ごろ感意識も米株安受け上値重い  26日の東京株式市場は強弱観対立のなか日経平均株価が4万円台前半で一進一退の展開が予想される。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が高安まちまちで独DAXは5日続伸し最高値更新が続いたが、仏CAC40はわずかながら続落し新値街道からは外れた状態にある。また、米国株市場でも主力株中心に利益確定の売り圧力が意識される地合いとなり、NYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも下落した。インテル<INTC>やアップル<AAPL>、メタ・プラットフォームズ<META>など大手IT株に値を下げるものが目立ち、全体の地合いを悪くした。また、エヌビディア<NVDA>は6日続伸と個別に強さを発揮したものの、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに反落となっている。これを受けて東京市場でも上値の重い動きが想定される。日経平均は前日に470円あまりの大幅安をみせたことで、値ごろ感からの押し目買いを誘うことも考えられるが、積極的な買いは見込みにくい。あすに権利付き最終売買日を控え、駆け込みでの配当権利取り狙いの買いが予想される一方、3月期末を目前に機関投資家のリバランスの売り圧力が全体相場にネガティブに作用しそうだ。  25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比162ドル26セント安の3万9313ドル64セントと続落。ナスダック総合株価指数は同44.352ポイント安の1万6384.467だった。  日程面では、きょうは2月の企業向けサービス価格指数のほか、基調的なインフレを捕捉するための指標が日銀から開示される。海外では、ハンガリー中銀が政策金利を発表、2月の米耐久財受注額、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=動き出したインバウンド関連株  週明け25日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比474円安の4万414円と反落。全体相場はようやくというべきか上昇一服局面に遭遇した。前週末までの直近4営業日で2000円以上も水準を切り上げており、日経平均の騰落レシオ(25日移動平均)も前週末時点で147%まで上昇、ここでのひと押しは後々を考えれば必要なガス抜きともいえる。きょうは先物主導で安値引けを余儀なくされたが、4万円トビ台でのもみ合いは、強弱観対立のなかで売りと買いがせめぎ合っているというような緊迫感はない。  日本株に先立って、前週末の米国株市場では最高値街道を疾走していたNYダウが300ドルあまりの下げでブレーキを踏んだが、機関投資家の持ち高調整の売りという解説がなされ、地合いの変調を示唆する声は聞かれなかった。今週は日本時間今晩に予定されるクックFRB理事のハーバード大学での講演を皮切りにFRB高官の発言機会が相次ぐ。そして週末には2月のPCEデフレーターが開示されることで、若干の警戒感も漂う。しかし、それでも12~13ポイントの大底圏を這うVIX指数が現状の安心感を物語っている。  個別は半導体関連にやや買い疲れ感があり内需株シフトの動き。とりわけインバウンド旋風が吹き荒れる消費関連セクターに元気印の銘柄が目立った。前週19日に日本政府観光局が開示した2月の訪日外国人観光客は前年同月比で何と9割増、2月として単月の過去最高を記録した。そして、この流れは春風に乗って更にパワーアップする気配がある。  ここにきて思わぬ寒の戻りと冷たい雨で開花が遅れているものの、今週後半から4月初旬にかけてソメイヨシノが見ごろとなりそうだ。“日本の桜”は外国人に大人気を博しており、インバウンド関連株もにわかに色めく。実際目を凝らせば、同関連株にはひと頃の半導体関連の人気株を彷彿とさせるような株高を演じている銘柄も見受けられる。きょうは引け際に軟化したが「椿山荘」を運営する藤田観光<9722.T>や、共立メンテナンス<9616.T>、グリーンズ<6547.T>などのホテル関連、またドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532.T>などが新値圏を快走している。  前週末23日配信の株探トップ特集「爆騰DNA開花『インバウンド特選6銘柄』」でエントリーされたエアトリ<6191.T>、手間いらず<2477.T>、インバウンドプラットフォーム<5587.T>、ツカダ・グローバルホールディング<2418.T>なども軒並み高、週足チャートでみれば、いずれも出遅れ感が際立っており、水準訂正余地に目をつけた波状的な買いが観測される。投資資金が流れ込む背景には、これらが「3月期決算銘柄でない」ということも大きい。この時期一見有利に働くように見える3月期末の権利取り絡みの銘柄は、権利落ち後に配当分などで相応の下げ圧力が働くため、キャピタルゲインを追求するトレーダーの観点では決算期の違う銘柄が選好されるという“裏セオリー”がある。上記の人気となった銘柄もこれに該当する。インバウンド関連の妙味株として新たにマークしたい銘柄は差し当たって3つ。トレジャー・ファクトリー<3093.T>、シー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687.T>、そして既に動意してしまっているが、サニーサイドアップグループ<2180.T>も有望。  このほか、AI株人気から派生して米GPU大手エヌビディア<NVDA>とビジネス面で思惑がある周辺株にも光が当たっている。ここ本家が強い波動を取り戻しており、周辺銘柄の動きも顕著だ。そのなか当欄で紹介したCIJ<4826.T>は2日連続ストップ高で更に上値を慕う望外の人気。このほか、エヌビディア関連ではHPCシステムズ<6597.T>の押し目に着目したい。ジーデップ・アドバンス<5885.T>も25日線との上方カイ離修正を入れたところで狙い場となっている。また、生成AI活用の販促支援を行うイーエムネットジャパン<7036.T>が3日連続ストップ高人気で大いなる輝きを放ったが、この物色の流れから紡ぎ出されるのがAIソリューションで新境地を開拓中の共同ピーアール<2436.T>だ。インバウンド関連の切り口でも注目要素があり、再びマークしておきたいタイミングにある。  あすのスケジュールでは、2月の企業向けサービス価格指数のほか、基調的なインフレを捕捉するための指標が日銀から開示される。また、この日はJSH<150A.T>、ハッチ・ワーク<148A.T>、ソラコム<147A.T>、L is B<145A.T>がいずれも東証グロース市場に新規上場する。海外では、ハンガリー中銀が政策金利を発表、2月の米耐久財受注額、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=岩谷産、業績は最高益基調続く  岩谷産業<8088.T>に注目したい。同社は産業・家庭用ガス専業商社。特に、水素販売で国内最大手の実績を持つ。第3四半期(23年4~12月)の連結営業利益は前年同期比35.7%増の319億600万円と好調。産業ガス・機械事業など工業分野向けが伸びた。24年3月期の同利益は前期比12.4%増の450億円と2期ぶりの最高益更新の予想。25年3月期の同利益は480億円前後へ連続増益が見込めそうだ。  昨年12月には、水素事業の協業に向けてコスモエネルギーホールディングス<5021.T>の株式の2割を取得。水素事業の拡大に向けた期待が膨らんでいる。業績は好調であり、株価は8000円台からの一段高が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 10:00 みんかぶニュース コラム 25日の株式相場見通し=5日ぶり反落か、目先過熱感から売り優勢に  25日の東京株式市場は主力株中心に利益確定の売りが優勢となり、日経平均株価は5日ぶりに下落に転じそうだ。前週末までの4営業日合計で日経平均は2000円以上水準を切り上げており、取引時間中に4万1000円台を回復する場面もあった。先物主導のインデックス買いによる影響もあるとはいえ、目先過熱感は拭えない状況にある。前週末の欧州株市場は高安まちまちだったが、米国株市場では景気敏感セクターなどを中心に利食われる展開で、NYダウが300ドル超の下げを強いられた。特に悪材料が確認されたわけではないが、ここ最近の株高の反動でポジション調整の売りが上値を押さえた。一方、エヌビディア<NVDA>が3%超の上昇をみせるなど半導体関連株の一角は強い動きを続けたこともあり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5日続伸と上値追い基調を維持した。ただ、上げ幅はわずかにとどまった。東京市場では米国株同様に目先スピード警戒感からの持ち高調整の売りが出やすい場面にあり、前週末時点で日経平均ベースの騰落レシオ(25日移動平均)が146%台に達するなどテクニカル面からも買い手控えムードが漂う。一方、3月期末の駆け込みでの配当権利取り狙いの買いなどが下値を支える要因となり、日経平均の下げ幅は限定的なものにとどまる可能性もある。  22日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比305ドル47セント安の3万9475ドル90セントと5日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同26.983ポイント高の1万6428.819だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の議事要旨(1月開催分)、2月の全国スーパー売上高、2月の外食売上高、2月の全国百貨店売上高など。海外では2月の米新築住宅販売件数、米2年国債の入札など。なお、インド市場は休場となる。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=バリュー株物色でTOPIXは最高値を視野に  22日の東京株式市場は日経平均株価が一時4万1000円台に乗せるなど堅調に推移し、連日での史上最高値を更新した。半導体関連株が上昇し、東京エレクトロン<8035.T>は初の4万円に乗せる場面もあった。ただ、朝高後は半導体関連の主力株は値を消す展開にとなり、後場に入り日経平均株価は一時マイナス圏に転じた。しかし、その後再び買い直され上昇に転じるのが、いまの相場の強さだろう。  三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は後場に高値圏に買われたほか、トヨタ自動車<7203.T>など自動車株や三井物産<8031.T>など商社株、三菱地所<8802.T>など不動産株が一日を通して底堅い値動きとなった。全体相場は「半導体株と銀行株などバリュー株の循環物色の流れが強まっている」(市場関係者)。そんななか、さすがに買い疲れ感もみえる半導体株に対し、バリュー株が優勢な展開となりつつあるようだ。  3月に入ってからの日経平均株価の上昇率は4.4%に対して、TOPIXは5.1%。とりわけ、TOPIXは1989年12月につけた最高値(2884.80)に迫っている。日経平均株価の最高値更新には一歩遅れているが、内需株のウエートが高いTOPIXの最高値更新が持つ意味は小さくない。  来週は3月の年度末を迎え、27日が権利付き最終日、翌28日が権利落ち日となる。配当の権利取り後も銀行などバリュー株が底堅い値動きを続けるかがポイントとなりそうだ。また、その後の配当再投資の動きも注目される。来週は29日引けにかけ、日経平均株価の春の入れ替えに伴うリバランスが予想されている。新規採用のディスコ<6146.T>やソシオネクスト<6526.T>、ZOZO<3092.T>などの動向が注目される。  上記以外のイベントでは、海外では26日に米3月消費者信頼感指数、28日に米10~12月GDP確定値、29日に米2月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表される。29日は聖金曜日(グッドフライデー)で休場となる。  国内では25日に1月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨、28日に3月開催分の同決定会合の「主な意見」が公表される。29日に3月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表される。更に3月IPOが本格化する。25日にイシン<143A.T>、26日にL is B<145A.T>、ソラコム<147A.T>、ハッチ・ワーク<148A.T>、JSH<150A.T>、27日にコロンビア・ワークス<146A.T>、シンカ<149A.T>、ダイブ<151A.T>、28日にカウリス<153A.T>、情報戦略テクノロジー<155A.T>、29日にマテリアルグループ<156A.T>、グリーンモンスター<157A.T>が上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9800~4万1300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/22 17:27 みんかぶニュース コラム 22日の株式相場見通し=続伸、世界同時株高に乗り4万1000円台視野  22日の東京株式市場はリスク選好の地合いが続き、主力株をはじめ広範囲に買いが広がり日経平均株価はフシ目の4万1000円台に乗せる可能性がある。足もとで世界的な株価上昇局面が続いている。前日の欧州株市場は主要国の株価指数がほぼ全面高商状となり、独DAXは連日で史上最高値を更新した。また、米国株市場でも20日に発表されたFOMCの結果を受けて引き続き強気優勢の地合いが継続、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも連日で最高値更新と強さを際立たせている。半導体メモリー大手のマイクロンテクノロジー<MU>が14%高に買われ上場来高値を更新したほか、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>も上値指向を続け、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅続伸した。前日はアジア株市場も軒並み高く、欧米株高によって世界同時株高が意識されるなか、東京市場でも引き続き強気優勢の相場展開が予想される。外国為替市場で1ドル=151円台後半まで円安が進んでいることも、輸出ハイテク株や自動車株、インバウンド関連などを中心に追い風材料として働きやすい。  21日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比269ドル24セント高の3万9781ドル37セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同32.428ポイント高の1万6401.836だった。  日程面では、きょうは2月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では、独Ifo企業企業景況感指数、ロシア中銀の政策金利発表など。また、FRB主催のイベントでパウエルFRB議長の発言機会がある。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/22 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「エヌビディア・エフェクト」で飛翔する株  きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比812円高の4万815円と大幅高で3連騰。上げ足がどうにも止まらなくなってきた。今週に入ってわずか3営業日で2000円強の上昇、さすがに反動も出そうだが、祝日前の19日時点でプライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)は120%強とかろうじて過熱領域に足を踏み入れた程度、押し目買いを入れたくてもなかなかそのチャンスが訪れない。  週前半に日米の金融政策決定会合のヘアピンを通過したが、結果的に日銀もFRBもマーケットが構えていた程にはタカ派的ではなく、これを好感したというよりは安心感から買いを誘った印象が強い。売り方にすれば買い戻すより選択肢がない地合いとなった。日銀の決定会合は「マイナス金利解除」「ETF買い入れ停止」「YCC撤廃」と3枚の手札を一気に切ったが、事前にアドバルーンを上げまくったことによって、ネガティブサプライズを事前に霧消させ、「緩和的な環境は続く」というフレーズのみがクローズアップされたような格好となった。また、FOMCでは年内3回の利下げ見通しが維持されたことで市場には安堵感が漂い、加えてQT(量的引き締め)についてかなり早い時期に縮小する方針が示されたことは、棚ぼた的に福音をもたらした。いずれにしても、今は棒上げ状態の全体指数に惑わされることなく、個別株の選別に集中するところ。仮に全体株価が下がっても上がる銘柄を探す、いわゆる「森より木」の戦略に特化したい。  物色の流れに目を向けると、日米ともにAIバブル相場の色彩が強まってきた。もちろんこれは“バブルっぽい”というだけで、実態が伴っている部分の方が多く、いつ弾けるか戦々恐々とするような時間帯にはない。例えば、米エヌビディア<NVDA>が急拡大する生成AI市場と歩調を合わせ業績を飛躍させていることは紛れもない事実であり、同社の株価はその業績変貌を横目に上昇パフォーマンスを演じている。怖いのはむしろAIが幻想ではなく、リアルに人間を凌駕する時代が差し迫っているような兆しが、社会現象として随所にみられること。テキスト・画像を経て、あっという間に動画生成AIまでコンテンツのレベルが切り上がっているが、現実はもはや「どう抑制(規制)するか」が課題で、しかも人間の叡智では容易に解決できない局面に突入しつつあるような気配が漂う。シンギュラリティの概念があまりに早く現実味を帯びていることには驚くよりない。   ともあれ、投資家目線ではAIバブル相場の初動には違いなく、いかに個別株の波動を捉えるかが肝要となる。エヌビディアが世界で急速にその存在を大きくするなか、日本のIT大手も音無しの構えではいられないが、そうしたなか日立製作所<6501.T>がエヌビディアとサーバーやメタバース領域などAIシステムの開発で協業を発表したことは、今後を占ううえでの大きなメルクマールとなるかもしれない。日立の周辺で商機をつかむ企業の見極めも重要となっていく。  独立系システムインテグレーターながら、日立からの受託開発のウエートが高いCIJ<4826.T>に着目。同社はAI領域にこれまで以上に重心を置き、最近はDX人材の育成にも強力に取り組んでいる。エヌビディアと日立が手を組んだ延長線上に同社がどういう形で位置するかは未知数ながら、今後の可能性は無視できない。また、AI関連株のなかで先駆的なポジションにあるブレインパッド<3655.T>やFRONTEO<2158.T>なども、改めて戦略を練り直してくることは容易に想像がつくだけに、リリースに目を配っておきたい。  ディープラーニング分野を深耕するPKSHA Technology<3993.T>や生成AIの実装で注目されるエッジAI分野で布石を打つヘッドウォータース<4011.T>も改めてマーク。このほか、日常にAIが実装されたエリアで活躍する銘柄を探すことも必要だ。新たなところでは、AIレジに経営資源を投下するサインポスト<3996.T>や、医薬品や食品向け画像検査装置のソフトウェアで先駆し、AIを活用した欠陥分類や原因解明といったサービスを手掛けるシリウスビジョン<6276.T>などは面白い存在といえる。  あすのスケジュールでは、2月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。また、東証グロース市場にジンジブ<142A.T>が新規上場する。海外では、独Ifo企業企業景況感指数、ロシア中銀の政策金利発表など。また、FRB主催のイベントでパウエルFRB議長の発言機会があり、この内容にも耳目が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=寺崎電気、高進捗で通期業績に上振れ余地  寺崎電気産業<6637.T>は2月13日、24年3月期通期の連結経常利益予想を従来の35億3000万円から44億8000万円(前期比28.7%増)に引き上げた。ただ、第3四半期時点で進捗率は87.0%に達しており、更なる上振れが期待できそうだ。  2月の上方修正は、機器製品(低圧遮断器など)や船舶用システム製品(船舶用配電制御システムなど)のほか、エンジニアリング及びライフサイクルサービスが堅調だったことが主な要因。また、為替レートが想定よりも円安水準で推移したことも寄与した。なお、第4四半期の前提レートは1ドル=135円、1ユーロ=150円となっている。    株価は2月26日に昨年来高値2567円をつけ、その後は上げ一服商状となっているが、短期トレンドの25日移動平均線や中期トレンドの75日移動平均線は上昇基調を維持。PERやPBRには割安感があり、押し目は絶好の拾い場と捉えたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 10:00 みんかぶニュース コラム 21日の株式相場見通し=続伸、FOMC通過後の米株高受けリスクオン継続  21日の東京株式市場はリスクオンの流れが続き、日経平均株価は4万円台半ばを指向する展開が想定される。3月4日につけた史上最高値4万109円を更新する可能性が高い。祝日明けとなる東京市場だが、この間に米国株市場ではNYダウが2営業日合計で700ドル以上水準を切り上げたほか、ナスダック総合株価指数も大きく上値を追う展開をみせた。両指数いずれも最高値を更新しており、これに追随する動きが想定される。一方、外国為替市場では1ドル=151円台まで円安が進んでおり、これも輸出セクターやインバウンド関連を中心に追い風材料となる。注目されたFOMCではFRBが政策金利を5.25~5.5%に据え置いたが、今後の利下げシナリオに変化は見られなかったことで、米株市場ではこれが好感され買いの勢いが強まった。米物価指標に強い内容が相次ぎ、年内3回の利下げ見通しに変化が生じるとの見方も根強かっただけにマーケットに安心感が漂った。東京市場では祝日前の今週19日に日経平均株価が続伸し、終値で9営業日ぶりにフシ目の4万円大台を回復したが、きょうもリスク許容度の高まった海外投資家などの買いを背景に、主力株をはじめ一段と上値を伸ばす公算が大きい。  20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比401ドル37セント高の3万9512ドル13セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同202.617ポイント高の1万6369.408だった。  日程面では、きょうは2月の貿易統計、2月の食品スーパー売上高、2月の主要コンビニエンスストア売上高、2月の首都圏マンション販売など。海外では、3月のユーロ圏PMI、英中銀の金融政策委員会の結果発表、10~12月期米経常収支、2月の米PMI、2月の米中古住宅販売件数、2月の米景気先行指標総合指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「異次元緩和」の終焉と次に見える景色  きょう(19日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比263円高の4万3円と続伸。朝方は様子見ムードだったが、後場に買い気が強まり結局高値引け。文字通り最後の一歩によって4万円大台での着地を果たす格好となった。  歴史的な観点でも注目度の高かった今回の日銀金融政策決定会合だったが、ほぼ想定通り。マイナス金利の解除、ETF買い入れの停止、イールドカーブ・コントロール(YCC)終了の3点セットは事前の観測報道と寸分たがわず、むしろ拍子抜けの感もあった。市場関係者の間では「(事前予想と合致したという点で)無風通過といってよい」(ネット証券アナリスト)という声も出ていた。だが、それでも株式市場の方はなかなか気迷い感を拭い去ることができず、日経平均はAIアルゴリズムによるヘッドライントレードの影響もあってか、発表直後は前日終値を挟んで右往左往する千鳥足モードとなった。  前日に先物を絡め1000円超の上昇をみせるなど、買われ過ぎ状態であったことから、きょうは事前コンセンサスと同等の内容なら日経平均は安くて当然という見方もあるにはあった。だが前日の想定外の株高をイレギュラーとみて、「直近ヘッジ目的でプットオプションを積み上げる動きが観測され、その手仕舞いが先物と連動した」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。また、先物支配による理外の値動きは、前週11日の急落から引き継がれた一連の流れであり、つまるところプラマイゼロだ。きょうの日銀イベントはいわば仕切り直しで、原点回帰してからの再スタートという解釈もでき、相場の方向性はある意味この日を起点に徐々に鮮明化してくる。  きょうの決定会合通過後のポイントは為替動向。日経平均などの全体株価指数やメガバンクなど銀行株の値動きが不安定な上下動をみせる一方で、為替市場ではほぼ一貫してドル買い・円売りの動きに誘導される形となり、吸い上げられるように1ドル=150円台前半まで円安方向に振れた。日経平均が気迷った末に、結局上値を指向したのは、日銀イベントではなく足もとの円安効果が投影されたものと考えられる。決定会合の結果は事前コンセンサスと合致しているようでも、「植田日銀総裁の会見を待たずして、隠し切れないハト派的な匂いを漂わせていた」(生保系エコノミスト)という指摘もあった。  これは、声明文に「緩和的金融環境が継続する」と盛り込まれたことがひとつ。これについては実質金利がマイナスである限りは緩和的金融環境と強弁することは可能なので、いうまでもなく今後長期間にわたって緩和的であると言い切れなくもない。しかし、「国債買い入れに関して『4~6月もこれまでと同程度の買い入れを続ける』と明記したことで、市場は植田総裁のハト派寄りの気質を感じ取った」(同)とする。ともあれ、日経平均が取引終盤に尻上がりに水準を切り上げ、4万円大台を回復して着地したのとは対照的に、メガバンク各社の株価が小幅ながらマイナス圏で引けたことは、マイナス金利解除の先に浮かび上がっていた銀行サイドの思惑が希薄化したということを暗示する。つまり、日銀がゼロ金利に色をつける、本当の利上げに対しては慎重姿勢を維持しているということだ。  そして、足もとで進む為替の円安進行はあすのFOMCの結果も意識されている。政策変更はないものの、ドットチャートと会合後のパウエルFRB議長の記者会見に耳目が集まる。利下げのタイミングに関するコンセンサスは既に大分後ズレしている状況で、現状は6月がメインシナリオだが、更に遠くなる可能性がある。また、ドットチャートで年内3回の利下げが見込まれているが、メンバーのうち2人が翻意すれば2回がメインシナリオに変わる状況で、強靱な米経済と表裏一体とはいえ米株市場にとってはあまり嬉しくない。利上げに慎重な日本と、利下げ期待がしぼむ米国。この構図を横目に円安環境が維持されれば日本株には追い風となり得るが、新たな波紋を呼ぶ可能性もある。  あすのスケジュールでは、東京市場は春分の日の祝日に伴い休場となる。海外では中国最優遇貸出金利が開示され、インドネシア中銀、チェコ中銀、ブラジル中銀などが政策金利を発表する。2月の英消費者物価指数(CPI)にも市場の関心が高い。また、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表と会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が注目されている。このほか、米主要企業の決算発表ではマイクロン・テクノロジー<MU>の23年12月~24年2月期決算にマーケットの視線が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/19 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=オキサイド、紫外レーザーで今期急浮上へ  オキサイド<6521.T>は底値圏もみ合いから離脱の時が近そうだ。光学分野における酸化物単結晶やレーザー光源、光デバイス開発のニッチトップで、傾注する半導体検査装置向け紫外レーザーに将来性が高い。  24年2月期業績は一部部材で不具合が発生した影響により業績見通しを下方修正、営業損益段階で8億3300万円の赤字となる見通しだが、これは一過性と捉えられ、25年2月期は回復色を強める公算が大きい。営業損益は赤字から脱却し4億~5億円の黒字化が見込まれる。また、中期的に半導体テスター向け中心に紫外レーザーの需要は増勢基調を強めることが予想される。株価面では貸株市場を経由した空売りなどの買い戻しも浮揚力につながりやすく、2月27日の戻り高値3145円を払拭し3000円台半ばを目指す動きが期待できそうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/19 10:00 みんかぶニュース コラム 19日の株式相場見通し=上値重いか、日銀政策修正の動きは織り込み済み  19日の東京株式市場は思惑錯綜のなか上下に不安定な地合いとなりそうだ。昼ごろに発表される日銀の金融政策決定会合の結果をにらみ、日経平均株価は3万9000円台後半で強弱観を対立させる展開が想定される。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに堅調に推移した。20日に結果が判明するFOMCを控え、積極的な売買が見送られ、両指数ともに狭いゾーンで推移したが、エヌビディア<NVDA>が4日ぶりに反発するなどマグニフィセントセブンが総じて強い動きを示し、ハイテクセクターへの根強い買いが全体相場を支えた。米株高に加え外国為替市場では1ドル=149円近辺の円安水準でもみ合っていることもあり、東京市場でも追い風が期待されるが、前日に日経平均株価は先物主導で1000円を超える急騰をみせていることで、その反動から上値は重い可能性がある。きょうの日銀の決定会合でマイナス金利が解除されることについてはほぼ100%織り込んでいるほか、ETF買い入れの停止やイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃が行われても想定内と思われる。ただ、引け後の植田日銀総裁の記者会見を見極めたいとの思惑から、取引時間中にポジションを一方向に傾ける動きとはなりにくい。また、あすのFOMCの結果発表を控え、持ち高調整の売り圧力も意識されそうだ。  18日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比75ドル66セント高の3万8790ドル43セントと3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同130.274ポイント高の1万6103.448だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の結果発表と植田和男日銀総裁の記者会見、2月の訪日外国人観光客数など。海外では豪中銀の政策金利発表、3月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測調査、2月の米住宅着工件数、米20年国債の入札など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/19 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=来期を見据え半導体中低位株に照準  週明け18日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1032円高の3万9740円と急反騰。前週末の欧州株市場は高安まちまち、米国株市場でもハイテク株が売りに押され、NYダウなど主要株価指数が揃って下落するなど冴えなかった。しかし、日経平均は取引開始前から先物がフルスロットル状態で、寄り付き高く始まった後も急加速し、あれよという間に3万9000円台後半まで上値を伸ばした。そして引け際に駆け込みで1000円高を演じるオマケ付き。違和感満載の急騰パフォーマンスだったといえる。  ちょうど1週間前の月曜日(11日)を思い起こすと、きょうとは真逆の地合いであった。日経平均は朝方から先物主導で問答無用の下げに見舞われ、一時1200円近い急落、大引けも868円安と大荒れ模様だった。ちなみにその前の週末に米国株市場はNYダウが下げたとはいえ小安い程度、ナスダック総合株価指数も1%強程度の下げで波乱のかけらも見当たらない。為替市場も大した円高ではなく、市場関係者も首をかしげるような突然の嵐だった。あたかもきょうの地合いは、その時の打ち返しのような相場つきである。  あすは日銀の金融政策決定会合の結果が開示されるが、リークとみられるメディアを通じた観測記事が流され、市場はマイナス金利の解除を事前に織り込む形となった。ETFの買い入れ停止とYCC撤廃まで合わせて織り込んだかどうかは定かではないものの、この2つは事実上形骸化していたとの見方は強く、仮にそこまで踏み込んでも波乱要素には乏しい。結果として先物市場では空売りのアンワインドが加速した。一方、20日に判明するFOMCでは政策据え置きでほぼ間違いないが、ここではドットチャートとパウエルFRB議長の記者会見に耳目が集まる。米経済の強さを目の当たりに、メインシナリオの6月利下げが更に後ズレするのか否か。そして年内の利下げ回数も、これまでの3回から2回に変わるのかどうかという点に投資家の視線が向いている。ただ、いずれにせよ「日米の金融会合後に相場が崩れる展開は想定しにくい」(中堅証券ストラテジスト)という。  きょうは先物主導で日経平均が押し上げられたが、個別株もリスクオンの流れに乗って旺盛な物色意欲が反映された。特に半導体やAI関連株が買い直される展開で、米エヌビディア<NVDA>を中軸とするテーマ買いの動きは波状的に続き、色褪せる気配がない。日経平均は上昇トレンドのテクニカル的な要衝となっている25日移動平均線を巡る攻防が意識されたが、きょうは大陽線でしっかりと上に抜けてきた。ハイテク系グロース株への資金還流を物語るもので、日経平均のチャートとオーバーラップする銘柄も少なくない。  半導体関連では、メモリーだけでなくパワーデバイス分野にも業績改善色を示す銘柄が相次いでおり、その点は要注目となる。中小型株でマークしておきたい銘柄としては、まず旭ダイヤモンド工業<6140.T>。ダイヤモンド工具の専業大手だが、SiC半導体向けで高水準の需要を捉えている。25年3月期の急回復を視野に時価は仕込み妙味が大きそうだ。また、Mipox<5381.T>も調整十分で500円台半ばは買い対処して面白い。同社は表面加工処理に使う液体研磨剤で高シェアを誇る。パワーデバイスのエッジ研磨や表面研磨で実績が高く、24年3月期は営業赤字見通しで株価も冴えない動きを強いられていたが、25年3月期は大幅黒字転換が視野に入る。両銘柄とも3ケタ台の株価に買いやすさが漂う。  このほか株価3ケタ台の半導体関連穴株として日本トムソン<6480.T>を改めてマークしたい。搬送や位置決めで使われる直動案内機器を製造するが、これは半導体製造装置分野で旺盛なニーズを取り込むことになる。同社の業績も24年3月期が底となりそうで25年3月期以降、回復色を鮮明とする可能性が高い。PBR0.6倍前後でプライム市場銘柄としては尻に火がついた状態にあるものの、内部留保を活用しないで溜め込んでいるということでは決してない。配当利回りは3%近い水準を確保し、自社株買いにも前向きに取り組んでいる。株価は2月中旬を境に動兆をみせるが、依然として出遅れ感が強い。  あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の結果発表と植田和男日銀総裁の記者会見に耳目が集まる。また、大引け後には2月の訪日外国人観光客数が発表される。海外では豪中銀の政策金利発表、3月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測調査のほか、米国では20日までの日程でFOMCが開催される。このほか、2月の米住宅着工件数、1月の米証券投資が開示、米20年国債の入札も予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/18 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=双日、配当利回り3%台で割安感  双日<2768.T>に注目したい。総合商社の同社は、2月に24年3月期連結純利益予想を950億円から1000億円(前期比10.1%減)に上方修正した。同時に今期配当も従来予想から5円増の135円(前期比5円増)に見直した。石炭価格が高値圏で推移していることなどが寄与する。25年3月期は、米国自動車販売やLNG事業などの伸びで同利益は1100億円前後への増益転換が期待できる。  株価は配当利回り3.4%前後の水準にあり割安感は強い。足もとで原油などエネルギー価格が上昇していることも同社株には追い風に働く。連結PBRは0.9倍台の水準にあり、株価は4000円台での活躍が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/18 10:00 みんかぶニュース コラム 18日の株式相場見通し=反発か、日銀決定会合後にアク抜け期待  18日の東京株式市場は強弱観対立のなかも日経平均株価は3万8000円台後半で頑強な値動きを示しそうだ。前週末の欧州株市場は高安まちまちで独DAXは小幅下落したものの、仏CAC40はわずかながら4日続伸し史上最高値を更新した。一方、米国株市場では主要株価3指数が揃って下落した。コンセンサスを上回る強い数字が相次ぐ物価指標を背景に米長期金利の上昇傾向が続いており、株式の相対的な割高感が意識されやすくなっている。今週予定されるFOMCでは政策金利据え置きとの見方でほぼ織り込まれているが、今後の利下げのタイミングや年内の利下げペースなどにマーケットの関心が高く、ドットチャートやパウエルFRB議長の記者会見を前に見送りムードが強まった。東京市場でも日銀の金融政策決定会合を控え、この結果と会合後の植田和男日銀総裁の記者会見の内容を見極めたいとの思惑が上値を押さえる要因となりやすい。ただ、現状でマイナス金利解除の可能性をかなりの部分織り込んでおり、決定会合通過後はアク抜け感から株式市場は上値を指向するという見方もある。先物主導の買い戻しが進めば、日経平均に思わぬ浮揚力が加わるケースも考えられる。足もとで日米の金利差拡大を背景に外国為替市場でドル高・円安傾向に振れていることもポジティブ材料として働きやすい。  15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比190ドル89セント安の3万8714ドル77セントと続落。ナスダック総合株価指数は同155.356ポイント安の1万5973.174だった。  日程面では、きょうは1月の機械受注、1年物国庫短期証券の入札など。海外では、1~2月の中国固定資産投資、中国不動産開発投資、中国工業生産高、中国小売売上高、2月のユーロ圏消費者物価指数、3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/18 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=17年ぶりの利上げは織り込んだのか  来週は、いよいよ日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。日米中銀の決定会合により春相場は重要ポイントを迎えることになる。  市場関係者の関心は、18日から19日にかけて開催される日銀会合に向かっている。大手企業の春闘は満額回答が相次ぐなど賃上げの動きは強まった。これを受け、来週の日銀会合でマイナス金利政策が解除される、との見方も強まっている。その場合、2007年以来17年ぶりの利上げとなる。ある市場関係者は「3月の金融政策変更の可能性はかなり高まった。相場も大分、織り込みつつある。むしろ米国の金融政策の方が不透明感は強いかもしれない」ともみている。日銀がマイナス金利を解除した場合、その後の政策のスタンスが注目されそうだ。政策が維持された場合は、4月に持ち越しとなる。  更に、19日から20日にFOMCがある。今回は政策金利の据え置きが有力だが、ドットチャートが公表されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が注視されそうだ。  東京株式市場に関しては、日経平均株価は一時大きく膨らんだ25日移動平均線とのかい離は解消された。下値不安は薄らいでいるが、半導体株の急騰の反動でしばらくは、なお一進一退が続く可能性がある。  一方、TOPIXはこの日も上昇するなど強含みで推移している。「TOPIXの昨年9月ザラ場高値時の信用の期日がちょうど今日だった」(アナリスト)という。期日明け後の需給面の好転も期待され、春相場はTOPIXを中心とした相場展開が予想される。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など銀行株や大成建設<1801.T>など建設株、三井不動産<8801.T>など不動産株が注目されそうだ。  上記以外のイベントでは、海外では18日に中国2月小売売上高、19日にドイツ3月ZEW景況感指数が発表され、21日にイギリス金融政策委員会が開催される。20日にマイクロン・テクノロジー<MU>、21日にナイキ<NKE>の決算発表が予定されている。国内では18日に1月機械受注、19日に2月訪日外客数が発表される。20日は春分の日で休場。22日に2月消費者物価指数(CPI)が発表される。21日にツルハホールディングス<3391.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8100~3万9300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/15 17:14 みんかぶニュース コラム 15日の株式相場見通し=反落へ、米株安と日銀政策正常化観測が重荷  15日の東京株式市場で、日経平均株価は反落する見通しだ。前日の米国市場で主要株価3指数はそろって下落。NYダウ平均株価指数の下げ幅は一時300ドル超となった。2月の米生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回る伸びとなり、6月の利下げ観測が後退。これを受けて米長期金利が上昇し、米国株の重荷となった。また米2月小売売上高の伸びは市場予想を下回り、米国景気の先行きに対する慎重な見方も広がった。エヌビディア<NVDA>など半導体関連株は総じて安く、朝方の東京市場ではハイテク関連を中心に売りが優勢となりそうだ。更に、時事通信は「日銀は14日、来週18、19両日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除する方向で調整に入った」と報じた。3月会合でのマイナス金利解除のシナリオを市場は織り込みつつあるが、正常化観測そのものは短期的に日本株の重荷となりやすい。日経平均は5日移動平均線と25日移動平均線のデッドクロスが視野に入りつつあるほか、年度末とあって機関投資家によるリバランス目的の売りが警戒される局面となる。一方、ドル円相場は1ドル=148円台前半と円安方向に振れている。3月末の配当権利取りを目的とした買い需要が想定される点もあわせて、全体相場を下支えする要因となるだろう。日経平均は日中、3万8200円から3万8700円の範囲で推移しそうだ。  14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比137ドル66セント安の3万8905ドル66セントと4日ぶりに反落。ナスダック総合株価指数は同49.236ポイント安の1万6128.530だった。  日程面では、国内では1月の第3次産業活動指数が公表される予定。連合が春闘の第1回回答集計結果を発表する。加えて、アスクル<2678.T>や丸千代山岡家<3399.T>、トリケミカル研究所<4369.T>、エイチ・アイ・エス<9603.T>などが決算を発表する。海外では中国で中期貸出ファシリティ金利と2月の新築住宅価格の発表が予定されているほか、米国では3月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米2月鉱工業生産指数などの公表を控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/15 08:02 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=インフレ突入のエントランスは株高の匂い  きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比111円高の3万8807円と反発。朝方は買い手控えムードが蔓延し、引き続き下値模索の動きを強いられたものの、前場中盤以降に不意に景色が変わり、何かのスイッチが入ったかのように日経平均は一貫して強含む展開となった。後場に入っても終始プラス圏でジリジリと水準を切り上げた。  前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>が再び売られ、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>やインテル<INTC>などその他の半導体関連株も総じて軟調。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2.5%安と大幅な下げをみせ、この流れを受け東京市場でも半導体セクターの主力株を中心に売りの洗礼を浴びる格好となった。明らかに投資家のマインドは冷めていた。来週18~19日に日銀金融政策決定会合が行われ、これに半歩遅れて19~20日の日程でFOMCが開催される。この内容を見極めたいとの思惑から、目先は手を出しにくい相場となっている。ただ、買いが手控えられれば必ず株価が下がるということでもない。株価の強弱は、あくまで売りと買いのバランスであり、「今は売り方の立場でも仕掛けようがない時間軸にある」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘がある。日米の金融政策会合を通過した時点で、それがどういう結果であっても、アク抜け感から株価が急上昇するというケースは十分に考えられる。投資家が戦々恐々とショックに身構えているような状況は、逆に空売り筋にとっても怖い場面なのである。株式市場においてネガティブシナリオであっても想定内であれば、吹っ切れて株価が舞い上がるというパターンはこれまでに何度も繰り返されてきた。  では、来週の日銀決定会合で“想定されるネガティブシナリオ”とはいかなるものか。これはあす15日に開示される連合の賃上げに関する第1次集計の内容にもよるが、前日発表された春闘の主要企業による一斉回答を見る限りはデフレ脱却を強く認識させるもので、日銀はマイナス金利解除を前倒し的に決めるという点については大方織り込まれている。加えて、「YCCの撤廃とETF買い入れ停止も同時に発表される可能性は十分にある」(生保系エコノミスト)というが、この2つについては既に形骸化している部分もあり、マーケット側から見れば今さら感も拭えない。実際、ETF買いについては週明け11日に東京市場が波乱安の展開に見舞われた際、前引け時点でTOPIXが2%超下落していたのにも関わらず日銀は動かなかった。そこで地ならしは行われているという解釈である。  一方、“想定外のネガティブシナリオ”としては、会合後の記者会見で植田日銀総裁がマイナス金利解除後の金融政策について、間を置かずに利上げを示唆する場合だ。普通に考えれば、ゼロ金利状態を放置することも今の環境では妥当性に乏しいことに変わりはない。ただし、これについては「99%の確率で利上げのタイミングを植田総裁が匂わすようなことはない」(前出の生保系エコノミスト)という見方が支配的だ。しばらくゼロ金利のモラトリアムが続くと分かれば、東京市場に海外マネーが再び流れ込む可能性は高い。  個別株物色では新たに「インフレ」という視点を持ちたい。金市況をはじめ高騰するコモディティ価格を念頭に置いて、例えば、きょう急動意で底値圏から急浮上気配をみせている住友金属鉱山<5713.T>に着目。週足チャートで眺めれば今週の大陽線で大勢トレンド転換を果たした可能性があり、目先の押し目は買いで対処して面白い。また、貴金属の回収・リサイクルを手掛ける松田産業<7456.T>なども底入れ足となってきた。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスに続き、75日線クリアで見直し買いに弾みがつきそうだ。  もちろん金価格高騰の流れを捉えるのであれば、ド真ん中直球ストレートで純金上場信託(現物国内保管型)<1540.T>なども投資対象として魅力的だが、当然ながら金価格に連動して既にかなりの高値圏にある。対して住友鉱や松田産業は足もとの業績が冴えないからこそ今の株価ポジションであるわけで、出遅れ妙味という観点で期待値は高い。  あすのスケジュールでは、1月の第3次産業活動指数が午後取引時間中に発表される。このほか、3カ月物国庫短期証券の入札が午前中に行われる予定。海外では2月の中国70都市の新築住宅価格動向のほか、米国で重要指標発表が相次ぐ。3月のNY連銀製造業景況感指数、2月の米輸出入物価指数、2月の米鉱工業生産・設備稼働率、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などに注目が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/14 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=タカショー、DX型販売促進で今期大幅増益見込み  タカショー<7590.T>はガーデニング用品の大手。25年1月期通期の連結経常利益は前期比2.5倍の6億1800万円を見込み、期末一括配当は前期比3円増配の8円を計画している。  主力のプロユース事業では、テレビコマーシャルとWEBプラットフォームを連動させた新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)型販売促進の展開によるブランド力の向上と営業活動の強化を図るとともに、グループの強みでもある別注対応により非住宅分野(公共施設や商業施設)などの販路を拡大する方針。ホームユース事業では伸長しているeコマース分野の販売を更に強化するとしている。  株価は7日に直近高値596円をつけたあと調整を余儀なくされているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が徐々に接近。PBRには割安感があり、押し目は積極的に狙ってみたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/14 10:00 みんかぶニュース コラム 14日の株式相場見通し=売り買い交錯、25日線を巡る攻防に  14日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は3万8000円台後半で売り買いを交錯させる展開となりそうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちとなり、仏CAC40が連日で史上最高値を更新したものの、独DAXはわずかながらマイナス圏で引けた。米国株市場も方向感の乏しい地合いで、NYダウが小幅上昇する一方、ナスダック総合株価指数は反落となった。エネルギー関連株や消費関連株など景気敏感セクターは買いが優勢だったが、米長期金利の上昇を背景にハイテクセクターが冴えず全体相場の上値を重くしている。来週に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え積極的な買いが入りづらく、差し当たって14日に開示される2月の卸売物価指数(PPI)の内容を見極めたいとの思惑が様子見ムードを助長する形となった。東京市場では前日に日経平均が上昇して始まった後、戻り売りに押される展開を余儀なくされ3日続落となった。前週7日のザラ場に4万400円台まで上昇した後は流れが一変し、同日高値から前日終値まで1770円強の大幅な調整を強いられている。値ごろ感からの押し目買いも入りやすい場面だが、機関投資家のリバランス売り圧力なども想定され、きょうも上値が重い可能性がある。3万8600円近辺に位置する25日移動平均線を巡る攻防が意識されそうだ。  13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比37ドル83セント高の3万9043ドル32セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同87.870ポイント安の1万6177.766だった。  日程面では、きょうは海外で2月の米生産者物価指数(PPI)、2月の米小売売上高、週間の米新規失業保険申請件数、1月の米企業在庫など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/14 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=春闘「賃上げ」で日銀タカ派豹変か  きょう(13日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比101円安の3万8695円と3日続落。日経平均株価は朝方買い先行で始まり、寄り後20分あまりで350円高の3万9100円台まで駆け上がったが、そこがきょうの天井となりその後は失速、ほどなくしてマイナス圏に沈む展開に。今度は後場寄り早々に350円近い下げをみせるなど目まぐるしい地合いで、方向感が容易に定まらなかった。下値では着実に押し目買いが入るものの、一方で上値を買い進む主体も見当たらず、後場は概(おおむ)ね3万8000円台後半のゾーンを彷徨した。  前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて強い動きで、独DAXと仏CAC40は揃って過去最高値を更新。このリスクオンを引き継いだ米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも上昇、良い流れで東京市場に順番が回ってきた。米株市場ではハイテク株比率の高いナスダック指数の上昇率が高かったが、この日は全体相場を俯瞰するというよりはマーケットの視線は一点に集中、米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>に注がれていた。そうしたなか、エヌビディアは久々に咆哮し7%高という高パフォーマンスで株価を切り上げている。   最近の東京市場ではエヌビディアの値動きに日経平均がリンクしているといわれるほど株価の相関性が高かった。とすれば、きょうは半導体セクターの主力株を中心に鮮烈な戻り足がイメージされるところだったが、半導体やAI関連は前日に先食いで良いところを見せてしまっていた銘柄も多く、きょうは買い一巡後に値を消すものも少なくなかった。相場の波紋は時々刻々と変化して、なかなかリアルタイムで波動を捉えるのは難しい。  もちろん、エヌビディア効果で気を吐いた銘柄もある。とりわけエヌビディアに追随する形で気勢を上げたのは、前日にも取り上げたさくらインターネット<3778.T>だ。前日はストップ安ウリ気配のまま引けたが、打って変わってきょうは朝方から買い注文が殺到、カイ気配でのスタートとなった。ネット証券大手の話では「前日に追い証に絡む投げ売りが出切った状態で、きょうは機械的な売り注文は鳴りを潜めた。米株市場で半導体やAI関連株が出直ったのもグッドタイミングで素直に切り返す形となった」という。前場は売り買いが交錯し上下に不安定な値動きを続けたが、後場中盤以降はストップ高カイ気配で張り付いた。  あとは、さくらネットと同じ需給的な構図で波乱となっている住石ホールディングス<1514.T>にも、トレーダーの視線は向いているはずだ。元来、理屈では語れない銘柄ではあるが、あえてファンダメンタルズに触れれば、直近の急落で時価予想PERは18倍台まで低下し、加えて24年3月期は一段の増額修正含みである。累積売買の多い2000円近辺はひとつの攻防ラインとなっており、きょうはそれを反映する動きとなっていた。  前日の欧米株高にもかかわらず東京市場の上値が重かったのは、きょうが春季労使交渉(春闘)の集中回答日だったことが背景にある。リスク選好で高く始まった日経平均だったが変調をきたし、国内製造業の盟主トヨタ自動車<7203.T>が組合の要求に対し4年連続での満額回答と伝わった午前10時あたりから、一気にマイナス圏に突っ込んだ。この他にも満額回答が相次いだが、刮目すべきは鉄鋼業界で、代表格の日本製鉄<5401.T>は組合の要求を上回る一律14%超の賃上げを提示した。政府要請があったとはいえ、企業の想定以上の賃上げへの取り組みは、市場関係者に半ば驚きをもって受け止められ、これは同時に来週18~19日に行われる日銀金融政策決定会合で、マイナス金利解除の可能性が高いという思惑が改めて強まることになった。「デフレ脱却という言葉はもはや過去の遺物と化し、既に賃金インフレの引き金を引いた可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声すら聞かれた。この期に及んでマイナス金利継続など不条理の極みという認識が広がっても不思議はなく、「来週の決定会合は、むしろ解除後の日銀の政策方針(利上げ時期)に焦点が当たる」(同)というやや先走った見方も出ている。  あすのスケジュールでは、国内で特に目立ったイベントは見当たらないが、午前中に20年物国債の入札が予定されている。海外では、2月の米生産者物価指数(PPI)、2月の米小売売上高にマーケットの関心が高く、このほか、週間の米新規失業保険申請件数、1月の企業在庫なども発表される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/13 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=カドカワ、25年3月期は再び増益路線へ  KADOKAWA<9468.T>の押し目は拾ってみたい。第3四半期決算の発表と同時に24年3月期利益予想の下方修正を発表したことで株価は弱含んでいるが、25年3月期は再び増益路線に転じることが期待でき、株価も反騰に向かいそうだ。  会社側では2月8日の第3四半期累計(23年4~12月)決算発表時に、通期業績予想を営業利益で178億円から158億円(前期比39.1%減)へ下方修正した。映像とゲームの両事業は好調に推移しているものの、出版事業で国内市場が想定以上に縮小したことや新物流設備の稼働初期におけるトラブルによる出荷減少の影響があったほか、海外で過去数年の急激な需要増の反動が継続していることなどが要因としている。  ただ、25年3月期はこうした出版事業における一時的な減益要因が縮小することに加えて、映像事業で「この素晴らしい世界に祝福を!」「【推しの子】」をはじめとした人気シリーズの続編を複数放映予定であることが寄与する見通し。また、ゲーム事業では傘下のフロム・ソフトウェアによる大ヒットゲーム「ELDEN RING(エルデンリング)」のDLC(ダウンロードコンテンツ)「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」が6月の世界同時発売を控えているほか、コンソール・モバイルゲームともに複数のパイプラインを開発中であることが寄与しよう。  調査機関には25年3月期営業利益200億円弱を見込むところもある。同社の強みとするメディアミックスを推進することで、中期的な成長期待も高い。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/13 10:00 みんかぶニュース コラム 13日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株高受け買い戻し優勢に  13日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買い戻され、日経平均株価は3日ぶりに切り返す公算が大きい。3万9000円台回復を視野に入れる展開となることが想定される。前日の米国株市場ではNYダウなどをはじめ主要株価3指数が揃って上昇した。ハイテク株中心に投資資金が流入したことで、ナスダック総合株価指数の上昇率が大きくなった。また、米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が7%を超える急伸をみせたのをはじめ、半導体関連株も幅広く買われている。朝方取引開始前に発表された2月の米消費者物価指数(CPI)は伸び率が加速し事前の市場予想を上回った。これを受け米長期金利が上昇したものの、株式市場は特段嫌気する動きとはならず、朝方はダウ、ナスダック指数ともに小幅マイナス圏に沈む場面もあったがすぐに切り返し、その後は終始強い動きとなった。東京市場では、今週明け11日に日経平均株価が868円安と急落をみせたが、前日は朝方大きく下値を試した後に急速に下げ渋った。目先大幅な調整による値ごろ感も漂い、きょうは米ハイテク株高を受け、投資家のセンチメントが改善し上値を指向しそうだ。米長期金利上昇を受け、外国為替市場ではドル高・円安方向に押し戻されており、これも輸出セクター中心に追い風材料となりやすい。  12日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比235ドル83セント高の3万9005ドル49セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同246.362ポイント高の1万6265.636だった。  日程面では、きょうは2月の投信概況など。海外では1月のユーロ圏鉱工業生産、米30年物国債の入札など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/13 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=AI・半導体周辺株がマッハの切り返し  きょう(12日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比22円安の3万8797円と続落。前場中盤に500円超の下落で3万8200円台まで大きく突っ込んだ日経平均だったが、後場は漸次買い戻しが利いて戻り足を明示、引け際プラス圏に浮上する場面もあった。荒れた地合いながら、日銀の金融政策正常化に向けた動きが前倒しされるという観測をマーケットは大方織り込んだ感触だ。少なくとも日銀サイドから投げられたビーンボールもどきの球筋に、ビックリして尻餅をつくような状況ではなくなったといえる。  前日は前引け時点でTOPIXが2%超の下落を示したのにもかかわらず、日銀はETF買いを入れなかった。これは前日の引け後に市場関係者の間で結構な話題となっており、次回の金融政策決定会合で政策変更を行う意思表示という捉え方が大半を占めた。ただし、先物主導で仕掛け的な売りを入れたショート筋も疑心暗鬼で一貫性を欠いている。一部の“急騰急落株”に追い証が発生しているほかは狼狽したムードはなく、前日時点の信用評価損益率はネット証券大手の店内でマイナス2.5%と、むしろ強気相場が過熱しているような状況だ。株式市場は日銀の変節を段階的に織り込んでいる印象が強い。金融政策の正常化はいずれにしても時間の問題であり、それが早まったにせよ寝耳に水ということはない。  この「金融政策の正常化が近い」というコンセプトも一筋縄ではいかず、必ずしも「マイナス金利解除の前倒し」という言葉で置き換えられるとは限らない。マイナス金利を解除した段階でとりあえず正常化がなされたといえるのか。それともゼロ金利ではダメで政策金利に0.1%あるいは0.25%でも色をつけた状態になって初めて正常化の一歩を踏み出したといえるのか、そこら辺が曖昧である。  したがって、株式市場ではマイナス金利解除後の金利動向の方に視点が移っている。場合によっては仮に3月にマイナス金利を解除したとして、ゼロ金利状態でしばらく様子を見るということならば、銀行株を急いで買う必然性はない。日銀の金融政策に対する思惑が週明けの波乱相場を演出したというのであれば、逆に嵐の中で銀行や生保株は買われるのが道理だ。しかし、きょうは全33業種のなかで「銀行」が値下がり率トップであった。3月期末配当の駆け込み権利取りが意識され、なおかつ今月の日銀決定会合でマイナス金利解除が視野に入った時間軸にありながら、売り込まれるのは解せない。年金基金のリバランス売りだけであれば、直近の三菱UFJのような断崖チャートは形成されないはずだ。  植田日銀総裁の直近のコメントを聞く限り、「景気は回復してはいるのだが、物価高で個人消費が低調なのも気になる」という煮え切らない印象。物価高で消費が滞るのであれば、それは軽度のスタグフレーションである。いずれにしても今週末15日の春闘の賃上げ動向を参考にする方針を示唆してはいるが、日本の99%が中小企業である現実を考慮して、本当にこれが国内の経済状況を見極めたうえでの金融政策選択につながるかは疑問。植田総裁の本心としては、マイナス金利を解除しても実際に利上げ局面に移行するまでのモラトリアム期間は出来る限り長くしたいのではないか。足もと常識的には買いで報われそうな銀行株の軟調ぶりは、タカ派になれない日銀の苦悩が反映されているようにも見える。  きょうの相場で鮮烈に買い戻されたのが人工知能(AI)や半導体関連の一角だ。前週末9日のトップ特集「『AI用半導体』の需要沸騰!『究極の株高予備軍5銘柄』大選抜」でリストアップされたシキノハイテック<6614.T>が4連騰で上げ足加速、ディジタルメディアプロフェッショナル<3652.T>は一時ストップ高人気に買われた。トリケミカル研究所<4369.T>も戻り足が急だ。米エヌビディア<NVDA>が急反落したとはいえ、AI用半導体が払底状態にあるほど需給タイトであることに変わりはない。エヌビディアの目先の株価動向が同社株の成長シナリオそのものを霧消させるということはない。目先、東京市場における需給面の要衝として注目されるのが、ウリ気配S安モードのさくらインターネット<3778.T>。どこで切り返すかが、全体相場の流れを見るうえでもカギを握りそうだ。  あすのスケジュールでは、2月の投信概況が午後取引時間終了直後に発表される。また、この日は春季労使交渉(春闘)の集中回答日にあたる。海外では1月のユーロ圏鉱工業生産に関心が集まる。一方、米国では特に大きなイベントは見当たらないが、債券市場で米30年物国債の入札が行われる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/12 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ビックカメラ、好調な業績と優待狙いで買い場に  ビックカメラ<3048.T>の1200円台は押し目買いで対処したい。首都圏を中心に家電量販店を展開するが、都心部の店舗では活発なインバウンド需要を取り込むことに成功し、業績は足もと極めて好調に推移している。24年8月期第1四半期(23年9~11月)決算は営業利益が前年同期比70%増の25億4600万円と急拡大した。24年8月期通期の営業利益は前期比11%増の158億円を予想しているが、季節性も考慮して一段と上振れる可能性がある。    株主還元にも前向きで今期配当は前期実績比3円増配となる18円(中間期9円)を計画するが、これ以外に株主優待として同社店舗で使える買い物券を贈呈している。100株以上で3000円、500株以上で5000円が贈呈されるほか、100株保有を2年以上続けると2000円分が上乗せされる制度もある。実質配当利回りの高さに着目すれば時価は拾い場といえる。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/12 10:00 みんかぶニュース コラム 12日の株式相場見通し=下値模索続く、米CPI発表前で買い手控え  12日の東京株式市場は売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は一段と下値を試す展開となりそうだ。前日に先物主導で波乱展開を強いられ日経平均は一時1200円近い急落をみせ、大引け時点でも870円弱の急落をみせた。きょうも積極的な押し目買いは期待しにくく、3万8000円台前半まで水準を切り下げる可能性がある。前日の欧州株市場が高安まちまちの展開だったほか、米国株市場ではハイテク株中心に売りに押される地合いとなり、ナスダック総合株価指数は終始マイナス圏での推移となった。NYダウは後半戻り足をみせ、小幅ながらプラス圏で引けたものの買い手控えムードは拭えなかった。12日発表予定の2月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの思惑が上値を重くしている。東京市場では、日銀の金融政策正常化に向けた動きが前倒しされるとの観測が強まるなか、投資家のセンチメントが冷やされ、足もとで利食い急ぎの動きがみられる。また、先物主導によるインデックス的な売り圧力も日経平均の下げを助長している。日本時間今晩に予定される米CPI発表を控え、円高水準でもみ合う外国為替市場の動きも横にらみにきょうも下値リスクの意識されやすい地合いが想定される。  11日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比45ドル97セント高の3万8769ドル66セントと反発。ナスダック総合株価指数は同65.839ポイント安の1万6019.274だった。  日程面では、きょうは2月の企業物価指数、1~3月期法人企業景気予測調査、5年物国債の入札など。海外では2月の英失業率、2月の米消費者物価指数(CPI)、2月の米財政収支、米10年物国債の入札など。なお、インドネシア市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/12 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=SQ通過後の波乱相場で見えてきたもの  週明け11日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比868円安の3万8820円と急反落。これでも引け際に買い戻しで下げ幅を急速に縮小しており、一時は1200円近い下落をみせる局面もあった。横殴りの突風に見舞われバランスを崩した格好だ。前週はメジャーSQ算出日の前日、7日に400円以上の下げで動揺を誘ったが、SQ当日は何とか乗り切り、いったんはヤレヤレ感が漂った。しかし、その後の日経平均先物の動きは、あたかも売り方と買い方のせめぎ合いはまだ終わっていないと言わんばかりの演出。週末の米株安を受け先物は700円安に売り込まれた状態で、きょうの取引が始まった。  前週はSQ算出を目前に日経平均3万8500円のプットの残高が急増していることが話題となっていた。これが火を噴くか否かだが、前週末は寄り付きから高くなり、結局それは化けることなく不発弾で終わった。ところが皮肉なことに、1営業日遅れてきょうは一時3万8496円と3万8500円ラインを下回る水準まで一気に売り込まれた。市場筋によると「前週末の米株市場でのエヌビディア<NVDA>の急落が東京市場で全面安の引き金を引いたが、SQ直前に買い方が(3万8500円にヒットしないように)守った玉を外していることも需給面で下げを助長した」(ネット証券アナリスト)という声が聞かれる。  また、国内要因で全体相場の下値模索の背景に挙げられるのは、表向きは日銀の金融政策正常化への政策転換が前倒し的に行われることへの警戒感。そして、それに伴う外国為替市場でのドル安・円高進行がある。投資家のマインドは変わっても「円高・株安」は今も昔も変わらないリスクオフを象徴するセットメニューである。これまでマイナス金利の解除は4月25~26日の日銀金融政策決定会合との見方がコンセンサスとして固まりつつあった。市場では「物価動向を見る限り、これ以上マイナス金利を継続することの意味は感じられず解除は時間の問題だが、あえて3月期末直前の今回(18~19日の会合で)解除する線は低いとみられていた」(投資顧問系エコノミスト)という。  だが、前週に日銀のリークとみられる解除観測がメディアを通じて相次ぎ、アドバルーンが上げまくられた格好となっては、さすがに3月解除シナリオが有力になったと言わざるを得ない状況だ。「植田日銀総裁は、銀行(興銀)出身の高田審議委員と比べて明らかに大規模金融緩和路線の変更に対して慎重派だったが、日経平均の短期急騰を目の当たりにして焦りを覚えているフシもある」(同)という。  片や米株市場ではFRBが6月に利下げに踏み切るとの観測が強い。米国では利下げが意識され、国内では日銀が利上げまではいかないが、利上げの下準備(マイナス金利解除)に乗り出す。こうなると、ドル売り・円買いを誘発し、円高への方向性が潮流と化して中期的に続くケースも考えられる。当然ながら日本のハイテク株、とりわけ相場を牽引してきた半導体セクターにも逆風となり得る。前週末のエヌビディアの想定外の急反落とタイミング的に共鳴する形で外部環境の風向きも変わったことが、日経平均寄与度の高い東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>、あるいはソフトバンクグループ<9984.T>の下値を深くする背景となっている。  そして、もう一つ日本時間あすの夜9時半に発表予定の2月の米消費者物価指数(CPI)の内容も気がかり。「ここではコア指数、総合指数ともに前月から鈍化傾向を示すという見方が支配的だが、これが万が一上振れた場合は米株の大幅下落を引き継いで東京市場でもスパイラル的な下げに見舞われる可能性もゼロではない」(生保系エコノミスト)という指摘もある。きょうは、先物主導の売り仕掛けで相場の自律神経が機能していなかった。その証拠に、半導体株利食いの裏側で物色されるはずの銀行株も一緒に下値を探る展開となっていた。今週は米国でCPIをはじめとする重要経済指標が相次ぐ。この内容を見極めたいとの思惑もあり、受け身の姿勢を念頭に押し目買い狙いに徹しておきたい。  あすのスケジュールでは、2月の企業物価指数、1~3月期法人企業景気予測調査がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、午前中に5年物国債の入札が予定される。海外では2月の英失業率が開示され、2月の米CPIに対するマーケットの関心が高い。このほか、2月の米財政収支の発表、米10年物国債の入札など。なお、インドネシア市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/11 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ネットワン、来期業績は回復基調に  ネットワンシステムズ<7518.T>に注目したい。同社はネットワーク構築大手。24年3月期の連結営業利益は、公共部門での大型案件失注の影響などもあり前期比20.0%減の165億円の見通し。ただ、23年10~12月期の同利益は前年同期比で約23%増と改善傾向が出ている。製造業向けのネットワーク製品販売などが増加しているほか、デジタルガバメント関連の大型案件を獲得しており、来期以降の業績回復が見込める。  25年3月期の同利益は、今期予想比で2割増の200億円前後と増益基調への回復を予想する見方が強まっている。デジタルトランスフォーメーション(DX)絡みの需要は強く、株価は3000円台での活躍が期待できる。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/11 10:00

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