みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=アズビル、再開発や工場新設増加が追い風
アズビル<6845.T>は3月12日の年初来安値4028円を底に反騰機運を強めている。
同社は、ビルや工場・プラント向け制御・自動化機器の大手。足もとでは、都市再開発案件や工場向け空調の需要が高い水準で継続。また、2000年代前半に建設された大型オフィスビルは改修期を迎えており、省エネやCO2排出量削減対策などの需要も堅調に推移している。
24年3月期は、23年10~12月期から半導体製造装置用制御機器を中心に循環的な需要の減少期に入ったことからAA(アドバンスオートメーション)事業の受注こそ減少しているものの、BA(ビルディングオートメーション)事業の受注が好調。売り上げ面ではBA事業はもちろん、豊富な受注残のもとAA事業も伸長している。また、過去数年にわたって取り組んできた選別受注や値上げ効果もあり、24年3月期第3四半期累計連結決算では営業利益が232億1000万円(前年同期比45.7%増)と大幅増益となった。
通期は営業利益337億円(前の期比7.8%増)を予想するが、第3四半期時点で会社側は計画通りに進捗しているとコメントしており、達成確度は高い。都市再開発案件や工場、データセンターの新設が続いていることに加えて、カーボンニュートラル投資の拡大などは同社にとって追い風となり、当面増益基調が継続しそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/10 10:00
みんかぶニュース コラム
10日の株式相場見通し=売り優勢か、米CPI発表前で買い手控え
10日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均は3万9000円台後半でやや弱含みで推移することが予想される。前日の欧州株市場は高安まちまちながら、独DAXや仏CAC40など主要国の株価指数が総じて軟調な値動きだった。また、米国株市場では引き続き模様眺めムードで、NYダウがわずかながら続落となった一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸するなど強さを発揮した。3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、売りも買いもポジションを一方向に傾けるような動きは見られなかった。3月のCPIについてはコア指数の伸び率が鈍化するとの見方が優勢ながら、仮にコンセンサスを上振れた場合は、FRBによる6月の利下げが後ずれする可能性が意識されるだけに、マーケットには警戒感も漂う。ただ、足もとで米長期金利の上昇が一服したことからハイテクセクターが相対的に強さを発揮し全体相場を支えた。東京市場では今週に入り日経平均が切り返し歩調を鮮明としており、前日は400円を超える上昇で続伸し高値引けとなった。しかし、4万円大台近辺では目先筋の利益確定の動きや戻り売り圧力が強く、上値が重くなる可能性がある。きょうは米CPIの内容を見極めたいとの思惑から一段と持ち高を増やす動きは見込みづらく、目先外国為替市場で円安が一服していることもあって、やや売り優勢の地合いを強いられそうだ。
9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比9ドル13セント安の3万8883ドル67セントと小幅続落。ナスダック総合株価指数は同52.684ポイント高の1万6306.639だった。
日程面では、きょうは3月の貸出・預金動向、3月の企業物価指数、2月の特定サービス産業動態統計など。また、日米首脳会談が行われる。海外ではニュージーランド中銀、タイ中銀、カナダ中銀が政策金利を発表、韓国総選挙の投開票、3月の米消費者物価指数(CPI)、2月の米卸売在庫・売上高、3月の米財政収支、FOMC議事要旨(3月開催分)、米10年物国債の入札など。韓国、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/10 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=コモディティ高騰のビッグウェーブに乗る
きょう(9日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比426円高の3万9773円と大幅続伸。前日の米国株市場は模様眺めムードに支配され、プラス圏とマイナス圏の狭間で方向感なくもみ合った。日本時間あす(10日)の夜9時半に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、売りも買いも一方向にポジションを傾けにくいタイミングにあり、NYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも狭い路地を千鳥足でフラフラ進むような曖昧な地合いに終始した。
結局ダウは小幅安で引け、ナスダック指数の方はわずかながらプラス圏で着地したのだが、いずれも前の日の終値と大差なく、双六でいえば一回休みのような日だった。東京市場も米株市場の地合いを引き継いで前場は気迷いムードで、日経平均は買い優勢ながら上値の重い展開だった。ところが、後場に入ると先物に買いスイッチが入り、日経平均はこれに連動して一貫して水準を切り上げる強調地合いへと変わった。先物効果の典型でこの日の高値で取引を終えている。400円を超える上昇となったが、4月第1週とは打って変わり、第2週は前半の2営業日合計で780円あまりの上昇。これはちょうど前週末5日の急落分を帳消にした格好となる。
FRBによる6月利下げの可能性が遠のいたことを米株市場は既にかなり織り込んではいるものの、それでもやはり3月CPIの結果は気になるところ。ここを通過しないことには、見切り発車で実需買いを入れるのはなかなか難しく、これは米国株市場だけではなく東京市場でも同じことがいえる。エネルギー・食品を除いたコア指数は鈍化傾向が見込まれているが、これが想定通りであれば波乱相場への懸念は杞憂となるが果たしてどうか。今週は週末のオプションSQ算出を含め後半の値動きがカギを握る。
なお、10日は米CPIだけではなく日米首脳会談というビッグイベントがある。岸田文雄首相の国賓待遇での渡米は、株式市場ではあまり注目度が高くないようだが、日米関係の緊密化という点では、米系ファンドなど海外資金の一段の日本上陸にもつながる話でポジティブと捉えてよい。岸田首相に議会演説の場が用意されたこともプラスに評価する市場関係者は多いようだ。バイデン米政権にすれば、国賓待遇の裏側で日本に対して米国への貢献度を高める方向で圧力をかけるような意味合いが無きにしも非ずだが、としても株式市場の見地から今回の日米首脳会談がマイナスに働くことは考えにくい。
もっとも、11月の米大統領選まで半年あまりの時点で「ほぼトラ」などと揶揄されるなか、バイデン政権との“蜜月もどき”のツケがトランプ再選となった時に回ってくる可能性も否定できない。「岸田首相は参勤交代のような服属儀礼とならないように存在感を示してほしい」(中堅証券ストラテジスト)というのもうなずける。
前日はWTI原油価格こそ上昇一服となったが、最高値圏を行く金市況をはじめ銀や銅などの市況も上げ足に弾みがついた状態で、経済のインフレモードが改めて意識される状況にある。ただし、株式市場ではインフレを警戒する一方でコモディティ価格の上昇そのものがテーマ買いの材料となってきている。住友金属鉱山<5713.T>、松田産業<7456.T>が順調に上値指向にあるほか、直近取り上げた千代田化工建設<6366.T>も足もとで急速人気化した。このほか、きょうは長い上ヒゲをつけた形となったが、アサカ理研<5724.T>や黒谷<3168.T>なども急騰パフォーマンスを演じマーケットの視線を集めた。ここからマークしておきたい銘柄としては、相対的に出遅れている貴金属リサイクルや精錬を手掛けるAREホールディングス<5857.T>などが挙げられる。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に3月の貸出・預金動向と3月の企業物価指数が開示。午後取引時間中には2月の特定サービス産業動態統計が発表される。また、岸田文雄首相が訪米し日米首脳会談が行われる。このほか、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>、エービーシー・マート<2670.T>が決算発表の予定。海外ではニュージーランド中銀、タイ中銀、カナダ中銀が政策金利を発表するほか、韓国総選挙の投開票。このほか、3月の米消費者物価指数(CPI)、2月の米卸売在庫・売上高、3月の米財政収支、FOMC議事要旨(3月開催分)、米10年物国債の入札など。また、韓国、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/09 17:00
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<注目銘柄>=GCジョイコ、需給改善で好業績再評価へ
ゲームカード・ジョイコホールディングス<6249.T>はここ下値を探る展開にあったが、時価は75日移動平均線近辺まで水準を切り下げてきたことで、強気に買い向かって妙味がありそうだ。同社はパチンコなど遊技機向けプリペイドカードシステムの提供を主力とするが、スマートスロットやスマートパチンコなどスマート遊技機対応の特需を捉え、業績を躍進させている。24年3月期営業利益は前の期比2.2倍の100億円を計画、更に25年3月期についても2ケタの利益成長の可能性が高い。
時価予想PERは5倍前後、PBRも0.6倍台と超割安で無借金経営。株式需給面からは、警戒されていた新株予約権について残存分をすべて取得・消却したことも注目材料。貸株市場を経由した空売りが溜まっていることで、早晩その買い戻しも株価に浮揚力を与えそうだ。昨年11月に開けたマドを埋める展開で3000円台を目指す展開に。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/09 10:00
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9日の株式相場見通し=一進一退か、様子見ムードも円安は追い風
9日の東京株式市場は強弱観対立のなか前日終値を挟み一進一退の展開か。前日の欧州株市場は主要国の株価指数がほぼ全面高様相となったが、米国株市場では方向感の見えにくい地合いで、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも前の日の終値近辺で引けた。ダウはわずかに安くなったものの、ハイテク株比率の高いナスダック指数はかろうじてプラス圏で着地している。FRB高官による相次ぐタカ派的な発言を受けて早期利下げ期待が後退するなか、この日は米長期金利が4.4%台まで上昇し株式の相対的な割高感が意識された。10日には3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、この内容を見極めたいとの思惑も買い手控えムードにつながっている。東京市場では前日に日経平均が350円あまりの反発をみせたものの、後場に入ってから伸び悩み上値の重さも目立った。きょうは下値に対する抵抗力は発揮されそうだが、米CPI発表を前に積極的に上値を買い進む動きも見込みにくい。ただ、外国為替市場で一段と円安含みで推移していることは、半導体セクターなど主力ハイテク株には追い風材料となりそうだ。
8日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比11ドル24セント安の3万8892ドル80セントと小反落。ナスダック総合株価指数は同5.435ポイント高の1万6253.955だった。
日程面では、きょうは6カ月物国庫短期証券の入札と5年物国債の入札、3月の消費動向調査、3月の工作機械受注額(速報値)など。海外では3月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数、米3年物国債の入札など。フィリピン、インドネシア市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/09 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=半導体周辺の金鉱脈に眠る株
週明け8日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比354円高の3万9347円と反発。新年度入りとなった前週の日経平均は週間で差し引き1377円の下落と大きく値を崩したが、上げ下げのリズムとしては3月26日以降約2週間にわたって、高い日と安い日が交互に繰り返されている。一方的なリスクオフの流れが形成されているわけではなく、たまたま下げる時に深押しが続いたことで水準が切り下がった。これは例年この時期お馴染みの需給事情であり、年度替わりの初っ端に機関投資家の益出しの動きが顕在化することによる影響が大きい。そして、4月第2週以降は海外投資家の新規の買い需要などで盛り返すケースが少なくない。過去10年間を振り返って4月の日経平均は月足で高く引けたことが6回、つまり6勝4敗で勝ち越している。
前週末5日の日経平均は先物主導で781円安と急落を強いられたが、心理的にそのリスクオフの源泉となっていたのが日本時間の同日夜に発表が予定されていた3月の米雇用統計だ。今は米雇用に関する数字が強いほど株式市場にとってはマイナスに作用しやすい。FRBによる早期の利下げ期待が剥落するためだが、今回の統計についてもマーケットは前週前半の早い段階から気を揉む状況にあった。
実際フタを開けてみると、非農業部門の雇用者数は予想を10万人あまり上回る30万人と高水準だったのだが、ネガティブサプライズとはならずNYダウなど主要3指数はいずれも反発した。市場では、平均時給の伸び率が前月比でプラス0.3%、前年比でプラス4.1%と市場予想と合致したことで不安心理が後退したという解説だったが、これは株価上昇を見たうえでの後講釈的な色合いが強い。伸び率が鈍化したとはいえ、前年対比で4%の賃金上昇はサービス価格のインフレの沈静化を示唆しているとは言えない。
ただし、株式需給面では事前に売り建てていた投資家が多かったことが、手仕舞い売りならぬ「手仕舞い買い」いわゆるショートカバーを促し、全体相場に浮揚力が働いた。今回はこれまでのFRB高官の相次ぐタカ派的な発言によって、「6月利下げ開始及び年内3回の利下げ」という分厚いコンセンサスが大分薄められてきた後の雇用統計発表、というところがミソであった。したがって、おそらくは内容に関係なく、イベント通過という時点で株価はリバウンドする公算が大きかったともいえる。もっとも、今週以降これを契機に素直に戻りトレンドに転じるかどうかは定かではない。今週は10日に3月の米消費者物価指数(CPI)発表(日本時間夜9時半)を控えるが、10日はSQ週の魔の水曜日でもあり売り方が暗躍しやすい。当面は不安定な地合いを覚悟しておく必要がある。
そうしたなか、物色対象としてはエネルギー関連と半導体関連という対極的なセクターを同時並行的にマークしておきたい。金市況をはじめとするコモディティ価格上昇を背景に引き続き住友金属鉱山<5713.T>や松田産業<7456.T>などの株価に目を配りつつ、人気が再燃している半導体関連株の一角からも視線が外せない。
日の丸半導体ラピダスへの国策支援が一段と浮き彫りとなっているが、直近6日土曜日にアップされた株探トップ特集「半導体沸騰相場の号砲鳴る! 天空を翔ける『ラピダス関連5銘柄』」でも紹介されたソシオネクスト<6526.T>が全上場企業のなかで売買代金断トツとなる人気で大きく上値を伸ばしている。また、小型株のジェイ・イー・ティ<6228.T>はストップ高カイ気配に張り付いた。やはり半導体やAI関連銘柄への注目度は他の業態と一線を画す。野村マイクロ・サイエンス<6254.T>の押し目も拾い場となっている感触だ。このほか半導体関連では、部材や素材関連に着目。シリコンウエハー大手のSUMCO<3436.T>、フォトレジスト首位の東京応化工業<4186.T>、半導体装置向け真空シールで圧倒的シェアを有するフェローテックホールディングス<6890.T>など。また、半導体用特殊ガスで高実績を誇り、ラピダスが構築する半導体サプライチェーンを舞台に商機が現実味を帯びてきた日本酸素ホールディングス<4091.T>もチェックしておきたい。
あすのスケジュールでは、午前中に6カ月物国庫短期証券の入札と5年物国債の入札が予定される。また、3月の消費動向調査、3月の工作機械受注額(速報値)が開示。海外では3月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数が発表されるほか、米3年物国債の入札も予定される。なお、フィリピン、インドネシア市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/08 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=オリックス、コロナ禍からの回復続く
オリックス<8591.T>に注目したい。総合リース最大手の同社の業績は、コロナ禍からの急回復基調にある。コロナ禍の影響で落ち込んだ航空機リース事業や関西国際空港など空港運営事業、旅館・ホテルなど不動産運営事業がインバウンド需要の復活も追い風となり、業績をけん引している。24年3月期の連結純利益は前の期比20.8%増の3300億円と5期ぶりの最高益の見込み。25年3月期も連続増益が期待できる。
株価は上昇基調にあるが、連結PBRは約1倍、配当利回りも3%近辺の水準と依然として割安感は強い。同社の株主重視の姿勢への評価は高く、先行き2006年4月につけた3815円の最高値更新から一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/08 10:06
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8日の株式相場見通し=反発、雇用統計発表後の米株高受け買い戻し
8日の東京株式市場は主力ハイテク株中心に広範囲に買い戻される展開となり、日経平均株価はリバウンドに転じる可能性が高そうだ。前週末の日経平均は800円近い下げに見舞われたが、欧州時間でもリスク回避の流れが続き主要国の株価指数がほぼ全面安商状に売られた。しかし、米国株市場ではNYダウが5日ぶりに反発、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も上昇し、いずれも朝方高く始まったあとに漸次水準を切り上げる強調展開となった。注目された3月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想を大きく上回る強い数字だったが、平均時給の伸び率は事前のコンセンサスと合致し、賃金インフレに対する過度な警戒感が和らいだ。これを受けて、全体相場は出尽くし感からのショートカバーを誘発する形となっている。東京市場では前週末に日経平均が急落したものの、米株高を受けきょうは投資家のセンチメントが改善し、幅広い銘柄が買い戻される地合いが想定される。今週10日に3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、買い一巡後は様子見ムードとなる可能性もあるが、3万9000円台前半で終始買い優勢の展開となることが見込まれる。
5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比307ドル06セント高の3万8904ドル04セントと5日ぶりに反発。ナスダック総合株価指数は同199.438ポイント高の1万6248.520だった。
日程面では、きょうは2月毎月勤労統計調査、2月の国際収支、3月景気ウォッチャー調査など。なお、タイ、インドネシア市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/08 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=キナ臭さ増す中東情勢巡りリスク回避強まるか
5日の東京株式市場で日経平均株価は前日比781円安と大幅反落。一時1000円近い下落となり、3月15日以来の3万9000円割れとなった。前日のNYダウが530ドル安と大幅に4日続落したことが響いた。特に、年3回が想定されている米利下げ期待が後退しているうえに、中東情勢はキナ臭さを増している。
なかでも、「今晩の米3月雇用統計、来週10日の米3月消費者物価指数(CPI)という重要指標の発表を控えており、積極的な買いは入れにくい状況」(アナリスト)という。10日には3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。
更に、1日にイランの在シリア大使館周辺がイスラエルによる空爆を受けたことに対し、イランが対抗措置を示唆。各地のイスラエル大使館は、イランによる報復を懸念して一時閉鎖するとも報じられた。足もとでは原油の指標であるWTI価格が約5カ月半ぶりの水準に上昇。原油価格の高騰はインフレ懸念を高め、米利下げ期待を一段と後退させかねない。
こうしたなか「イスラエル・イラン情勢や米金融政策への不透明感が高まるなか、今後1~2週間はリスク回避の姿勢が強まるかもしれない」(市場関係者)との声もある。来週は、東京市場では12日に株価指数オプションの特別清算指数(SQ)算出も予定されている。もっとも、テクニカルアナリストからは「日経平均株価の下値メドは3月12日安値の3万8271円前後。2週連続の下落で値幅的な調整はだいぶ進んだ」との指摘も出ている。
当面は、石油関連株などが注目されそうだ。INPEX<1605.T>やENEOSホールディングス<5020.T>、コスモエネルギーホールディングス<5021.T>などは高配当利回り株であり、バリュー株としても見直し余地がある。銀行や不動産株は急伸後の調整局面とみられ、一服後の出直りが期待される。
上記以外のスケジュールでは、10日には日米首脳会談が開催される。11日には米3月卸売物価指数(PPI)や中国3月CPIが発表され、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。12日には、米ミシガン大学消費者マインド指数が公表される。12日にJPモルガン<JPM>やシティグループ<C>が決算発表を行う。
国内では、8日に2月毎月勤労統計調査と3月景気ウォッチャー調査が公表される。同日にウエルシアホールディングス<3141.T>、10日にセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>、11日にファーストリテイリング<9983.T>、12日に良品計画<7453.T>が決算発表を行う。更に、8日にイタミアート<168A.T>、11日にハンモック<173A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万8400~3万9600円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/05 17:20
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=松屋フーズ、値上げ効果で今期業績に期待
松屋フーズホールディングス<9887.T>の調整に一服感が出ている。同社は牛丼チェーン「松屋」のほか、とんかつ店「松のや」などを展開。円安に伴う仕入れコスト高や人件費の上昇圧力に直面しながらも、2月5日に24年3月期業績予想の上方修正を発表し、通期の経常利益予想は10億円増額して前の期比27.7%増の50億円に引き上げた。第3四半期累計(4~12月期)の経常利益は前年同期比22.1%増の45億6400万円で、修正後の通期計画に対する進捗率は91%と、業績の更なる上振れに期待が膨らむ。
大都市圏での店舗が相対的に多い「松屋」だが、既存店売上高は2ケタ成長が続き、3月は前年同月比で24.5%増と高い伸びを示した。4月2日には「キムカル丼」など一部メニューの値上げを実施している。加えて、外国為替市場でドル安・円高の流れが進めば、今期業績を一段と押し上げることとなるだろう。
株価は昨年10月以降の騰勢局面が年明けに一服。足もとでは75日移動平均線を下回る価格帯まで水準を切り下げたが、売り疲れ感もにじみ出ている。信用倍率は0.36倍と売り長の状態。年24円を続ける安定的な配当政策を見直し、株主還元を強化する姿勢を見せた場合は、サプライズをもって受け止められそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/05 10:00
みんかぶニュース コラム
5日の株式相場見通し=大幅反落、米株急落受けリスクオフの流れに
5日の東京株式市場は大型株を中心に大きく売り優勢に傾き、日経平均株価は大幅反落を余儀なくされそうだ。3万9000円台前半に水準を切り下げ、場合によっては3万9000円大台攻防を意識させる展開もあり得る。前日の米国株市場ではNYダウが500ドルを超える大幅安となり4日続落、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も200ポイントを超える下げとなった。NYダウは4営業日で1200ドルを上回る下落幅となっている。この日は朝方取引開始前に開示された週間の新規失業保険申請件数が予想を上回ったことで労働需給のタイト感が緩和され、主要株価指数は高く始まったが、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が年内の利下げ見送りの可能性に言及し、これが嫌気される形となり大きく値を崩した。原油市況が一段と水準を切り上げ、一時1バレル=87ドル台後半まで上昇し、約半年ぶりの高値をつけたこともインフレ再燃を想起させ、全体相場の下げを助長している。東京市場では米株市場が波乱含みの下げとなったことを受けリスク回避ムードは避けられず、主力ハイテク株をはじめ広範囲に売りが広がることが予想される。日本時間今晩に3月の米雇用統計発表を控えており、この内容を見極めたいとの思惑もあり押し目に買い向かう動きも限定的となりそうだ。
4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比530ドル16セント安の3万8596ドル98セントと4日続落。ナスダック総合株価指数は同228.376ポイント安の1万6049.082だった。
日程面では、きょうは2月の家計調査、3月上中旬の貿易統計、3カ月物国庫短期証券入札、2月の景気動向指数(速報値)など。海外では、2月の豪貿易収支、2月のユーロ圏小売売上高、3月の米雇用統計、2月の米消費者信用残高など。なお、台湾、中国市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/05 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「エネルギー関連」に怒涛の資金流入
きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比321円高の3万9773円と反発。3月下旬に4万円台固めに入ったと思いきや突風に煽られてバランスを崩し、3万9000円近辺まで急降下、その後は再び真空地帯を駆け上がる荒い値動きが続いている。きょうは先物主導で切り返したが、取引終盤にブレーキがかかった。日経平均は一体どこに向かっているのか。一連の値動きが高値波乱とすれば、きょうの戻り足を素直に信用してはいけないことになる。しかし、ここで日々の上げ下げに気を揉んでも仕方がない。「何事も行き着くところに落ち着くものである」とは『ガルガンチュア物語』の著者として名を馳せたラブレーの言葉。敢えて鈍感になることも大切。また、森全体がどんなにざわめいても強い株は買われる。今のプライム市場はそれが当てはまる地合いだ。
きょうはソシオネクスト<6526.T>が咆哮した。ストップ高に張り付き、大引け買い物を残す急騰パフォーマンスを演じ市場関係者の耳目を驚かせた。SoC(システム・オン・チップ)をファブレス形態で供給、半導体設計大手として国内ではほぼ無双状態。個別のチップを組み合わせて一つの半導体チップを完成させるという「チップレット集積」は半導体の高性能化における必須技術とみられ、これが同社に独占的な活躍の舞台を提供する可能性がある。もっとも、きょうは半導体関連全般が有卦に入った状態ではなかった。「足もとで物色の流れに変化が生じている。目先は世界的なインフレ気配でエネルギー周辺株に投資マネーの視線が移った」(ネット証券アナリスト)と指摘する声も出ていた。
ここにきて、ひと際コモディティ価格の高騰が目立つ。原油市況や金価格の高騰はもとより銀や銅、アルミ価格も揃って急上昇しており、言うに及ばずインフレの匂いが強烈に漂う。特に原油市況については、イスラエルとイランの対立が先鋭化するなか地政学リスクが強く意識され、「資源・エネルギー」という範疇で投資マネーを誘引している。直近の電力株高は政治的な背景、いわゆる岸田政権の原子力政策に対する思惑が大きいのだが、今の相場の地合いにマッチしているからこそ人気化しているともいえる。
そして次に来るワードとして「水素」に着目。水素はクリーンエネルギーの代表で燃焼時にCO2を排出しない特性を有することで、脱炭素戦略では重要なポジションを担う。製造はもちろんのこと貯蔵や運搬にも多くの企業が携わる。更に自動車業界や鉄鋼業界向けなどをはじめ利用する側の産業エリアも広範にわたり、ひとつの経済圏としてみた場合、想像以上に裾野が広いテーマである。原子力と並び水素を前面に押し出した政府のエネルギー政策は、株式市場でもインパクトのある投資テーマとして中期的に脚光を浴びやすい。
そうしたなか、直近では、政府が原子力を活用した水素製造の実証を2028年にも始めるとの報道がなされた。水素を次世代原子炉で製造する技術にメドがついたということを意味しており、関連企業はにわかに色めき立つことになる。きょうは産業用ガスの専門商社で水素事業への注力姿勢を明示している岩谷産業<8088.T>がマドを開けて買われ上場来高値を更新した。また、株価低位のユニチカ<3103.T>も急騰、50円高はストップ高となる218円でカイ気配に張り付いたが、これも水素絡み。ハイエントロピー合金を合成する技術を開発したことを発表し材料視されたものだが、同技術は水素利用を促進する高性能な水素生成電極や燃料電池用電極触媒への応用で注目されている。
そして、ここで目を向けてみたいのが三菱商事系の総合エンジニアリング企業である千代田化工建設<6366.T>だ。水素ビジネスで先行し、とりわけ同社独自の貯蔵・運搬技術に注目度が高い。また、トヨタ自動車<7203.T>とは水素電解システムの開発で協業体制にあり、今後折に触れて話題となりそうだ。業績も23年3月期を境に急回復トレンドに突入している。このほか、水素ステーション向け圧力計測器をほぼ独占供給し、トヨタの燃料電池車ミライ向けに圧力センサー納入実績を持つ長野計器<7715.T>も要マークといえる。
あすのスケジュールでは、2月の家計調査、3月上中旬の貿易統計がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券入札が予定されている。午後取引時間中には2月の景気動向指数(速報値)が発表される。海外では、2月の豪貿易収支、2月のユーロ圏小売売上高のほか、3月の米雇用統計にマーケットの関心が高い。このほか米国では2月の消費者信用残高も開示される。なお、台湾、中国市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/04 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=コーセル、受注残解消に向けた増産が好業績に寄与
コーセル<6905.T>は電子機器や電機機械器具の製造・販売を手掛けており、半導体の高速スイッチング作用を利用したスイッチング電源が主力製品となっている。
足もと業績は好調で、3月22日に公表した24年5月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比87.0%増の67億2300万円で着地。部品材料の調達状況が改善してきたことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続したことが寄与した。通期の連結経常利益予想は73億100万円(前期比38.4%増)で据え置いているが、進捗率は92%超に達していることから上振れ余地が大きいといえそうだ。
株価は3月22日に年初来高値1644円をつけ、その後は上げ一服商状となっている。ただ、PERは依然として割安感があり、時価は押し目買い好機と捉えたい。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/04 10:00
みんかぶニュース コラム
4日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株堅調受け買い戻し優勢
4日の東京株式市場は主力株中心に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は先物主導でリバウンドに転じる公算が大きい。前日の欧州株市場では3月のユーロ圏消費者物価指数が予想を下回る内容だったことで、ECBによる利下げ期待が高まり、主要国の株価指数が総じて堅調に推移した。一方、米国株市場ではNYダウが3日続落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発した。朝方に発表された3月のADP全米雇用リポートが事前コンセンサスを上回る強い内容だったことや、アトランタ連銀のボスティック総裁やパウエルFRB議長の発言を背景にやや不安定な値動きとなったものの、3月の米ISMサービス業景況感指数が予想を下回る内容だったことは、全体相場に下支え効果をもたらした。米長期金利の上昇が一服したことを背景にIT関連の一角には買い戻しの動きが観測された。ただ、取引終盤は手仕舞い売りが出て地合いが軟化している。東京市場では前日に日経平均が一時600円を超える大幅安をみせ、終値でも400円近い下げとなった。しかし先物主導で下げ過ぎた感も拭えず、今日はその買い戻しが見込まれそうだ。外国為替市場で一時1ドル=152円近辺まで円安が進んだことは輸出セクター中心に追い風として意識されやすい。
3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比43ドル10セント安の3万9127ドル14セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同37.009ポイント高の1万6277.458だった。
日程面では、きょうは3月の輸入車販売と3月の車名別新車販売、3月の軽自動車販売、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)、30年物国債の入札など。海外では、2月の米貿易収支、週間の新規失業保険申請件数など。なお、香港、台湾、中国市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/04 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=“ラピダス経済効果”で出世株輩出へ
きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比387円安の3万9451円と反落。足もとで全体相場の流れが悪くなっており、日経平均は朝方に想定外の崩れ足で600円以上の下落を示しヒヤリとさせられる場面もあった。
3月19日に4万円大台に回帰し、4万円台固めから上値追い再開かと思われた矢先にあえなく滑り落ち、きょうはあっという間に3万9200円近辺まで水準を切り下げる展開。どんな強気相場であっても“好事魔多し”という言葉が当てはまることを痛感させられるが、3月中旬の小波乱と同じく、25日移動平均線を小幅に下回ったところで踏みとどまることができれば、今回もご多分に漏れず絶好の押し目買い場提供となり得る。きょうは、日経平均が大きく下げるなかも、値上がり銘柄数が800を超え値下がりを上回った。これは株価指数先物と絡まない次元で個別株に対する純粋な物色意欲を反映している。
ただし、足もとで新たな警戒材料が発現していることには注意が必要となる。市場関係者によると「2つの悪材料が立て続けに出た。一つはイスラエルによるイラン大使館への空爆。両国の対立先鋭化は避けられず、ともすると『イラン・ロシアVSイスラエル・米国』という政治的な色合いが強まるなか、地政学リスクによる原油価格の一段の高騰が懸念される。そして、もう一つは今朝方に発生した台湾付近を震源とする地震で、TSMC<TSM>の半導体工場がストップしていること。半導体のサプライチェーン・リスクが再び警戒される場面にある」(ネット証券アナリスト)という。原油価格の高騰と半導体供給トラブルに伴う製品価格上昇圧力は、いずれも世界的なインフレモード再燃へとつながっていく。米国の6月利下げ観測の後ずれはもとより、年内3回どころか利下げ自体が難しいというようなコンセンサスが生まれれば、これは株高シナリオの変更につながりかねない。
そうしたなか、きょうの東京市場では電力株が軒並み高に買われ目を引いた。前日取り上げた北海道電力<9509.T>は前引け時点でプライム市場の値上がり率トップとなる大立ち回りをみせたが、東京電力ホールディングス<9501.T>も柏崎刈羽原発の再稼働思惑を背景に、売買代金で上位に食い込む活況を呈し、上値追い態勢を維持した。このまま行くと原油高に加え円安による輸入コストの上昇で、電力料金の上昇圧力も拭えなくなる。概念的にデフレ脱却は望むところだが、現実問題としてコストプッシュ型インフレは解散総選挙を念頭に置く岸田政権にとって是が非でも回避したいのが本音のはず。したがって、供給不足をクリアする原発稼働への道筋は、政権維持の上でも必要条件となっている。特に、次世代半導体量産を担うラピダスの千歳工場の稼働で生じる膨大な電力需要は、泊原発の稼働が必須となる。その意味で北海電の株価刺激材料には事欠かない。
PERなどを考慮すると北海電の上値の伸びしろが4ケタ大台ラインの手前で消滅することはなさそうだ。だが、ラピダス関連の切り口で商機をつかむ銘柄は電力株や半導体関連にとどまるものではない。例えば、北海道が拠点の建機レンタル大手カナモト<9678.T>はマークしておく価値がありそうだ。同類項として北海道を地盤とする建設資材商社であるクワザワホールディングス<8104.T>が既に人気化しており、これに追随できるか注目となる。カナモトは24年10月期営業18%増益予想で75円配当は配当利回りにして2.8%台。しかも、PBR0.7倍前後で一段の株主還元強化も期待できる。
また、熊本同様に“半導体城下町”効果による経済活性化で活躍機会が増すのが地銀である。低PBR株の宝庫で再編思惑など株価の刺激材料にも事欠かないセクターだが、そのなか北海道を地盤に第2地銀で最大規模の資金量を誇る北洋銀行<8524.T>は買い安心感がある。株価も400円台と値ごろ感があり、しかもPBRは0.4倍に過ぎない。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午前取引時間中に3月の輸入車販売と3月の車名別新車販売、3月の軽自動車販売が発表される。また、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)にも注目が集まる。このほか、午前中に30年物国債の入札が予定されている。この日はIPOが1社予定されており、東証スタンダード市場にアズパートナーズ<160A.T>が新規上場する。海外では、2月の米貿易収支、週間の新規失業保険申請件数などにマーケットの関心が高い。なお、香港、台湾、中国市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/03 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=Lドリンク、消費者の低価格志向が追い風
ライフドリンク カンパニー<2585.T>は2月8日に年初来高値6040円をつけた後下落していたが、調整一巡から再騰機運を高めている。
同社は水や茶系飲料、炭酸飲料、茶葉製品の製造・販売が主な事業。自社製品に加えて、他社PB商品受託製造を手掛けており、低価格での商品提供が強みだ。
近年では食料品の相次ぐ値上げで、消費者はより安い商品を求める傾向にあり、こうしたPB商品の需要が拡大。同社の24年3月期第3四半期累計決算でも既存工場の生産能力増強投資や23年1月に子会社化したニットービバレッジの貢献もあり、生産数量は前年同期比15%増と伸長した。これに加えて、生産数量増に対応した販売先確保やコスト増に対応した価格改定の効果もあり、営業利益は40億2900万円と、通期計画に対する進捗率88%を記録。通期では同46億円を見込むが、進捗率の高さから上振れが期待されている。
25年3月期は、引き続き消費者の低価格志向が追い風となる。御殿場新工場の稼働が売り上げ増に寄与する一方、償却費負担から増益率は鈍るとみられるものの、2ケタ増益を継続すると見る調査機関が多いようだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/03 10:00
みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=売り優勢、欧米株安受けリスク回避ムード
3日の東京株式市場は売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は3万9000円台後半で軟調に推移する公算が大きい。前日の欧州株市場では最高値更新の続いていた独DAXが9日ぶりに反落するなど総じて軟調な地合いで主要国の株価指数が揃って下落、米国株市場でもリスク回避の流れは止まらず、NYダウは一時500ドルを超える下げをみせるなど下値模索の動きを強いられた。発表される米経済指標が相次いで強い数字を示していることで、FRBによる利下げが年後半に後ずれするとの思惑が強まっている。この日は米10年債利回りが一時4.4%台まで水準を切り上げるなど、金利の上昇基調が一段と鮮明となり、株式の相対的な割高感が意識された。個別では電気自動車(EV)大手のテスラ<TSLA>が1~3月期の世界販売台数の不振を受けて5%近い下落をみせたことも、市場センチメントを冷やす形となった。東京市場では前日に日経平均株価が反発したものの上げ幅はわずかで、値下がり銘柄数がプライム市場全体の8割以上を占めるなど実質的には下げ相場が続いている。きょうは機関投資家の益出しの動きが一巡するものの、欧米株安を受け、引き続き買い手控えムードが拭えない状況といえる。今週末に発表される3月の米雇用統計を前に、この結果を見極めたいとの思惑も上値を重くしそうだ。
2日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比396ドル61セント安の3万9170ドル24セントと続落。ナスダック総合株価指数は同156.383ポイント安の1万6240.449だった。
日程面では、きょうは4月の日銀当座預金増減要因見込み、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では3月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、2月のユーロ圏失業率、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、3月のADP全米雇用リポート、3月のサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/03 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=ラピダス関連最右翼に浮上した意外な株
きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比35円高の3万9838円と小幅反発。高く引けたとはいえ、途中は前日終値を下回る時間帯もあり、TOPIXの方は、後場は終始マイナス圏で推移した。値下がり銘柄数は1300超と全体の8割以上を占めており、実質的に前日同様の下げ相場が続いたといってもよい。とりわけ東証グロース市場の下げは厳しく、投資家の体感温度は冬の寒さに逆戻りした状態かもしれない。
前日の米国株市場ではNYダウは反落したものの大手IT株が総じて堅調だった。マグニフィセントセブンもアップル<AAPL>とテスラ<TSLA>を除き上昇、ナスダック総合株価指数は小幅ながらプラス圏で着地した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日続伸と戻り足を強めており、東京市場にとってもポジティブな流れであったはずだ。しかし、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>、ディスコ<6146.T>といった大所が買われはしたが、今ひとつ盛り上がりを欠いた。本来であればもう少し半導体セクターの銘柄が派手に買われてよい場面であった。
なぜなら、このタイミングで日の丸半導体会社ラピダスへの政府による大規模追加支援が発表されたからだ。ラピダスは2027年に線幅2ナノメートルの次世代半導体の量産を目標に掲げているが、経済産業省は2日、同社の半導体開発に2024年度で最大5900億円の追加支援を明らかにした。支援総額では1兆円に迫る水準となり、TSMC<TSM>の熊本第1工場・第2工場の支援規模に早くも肩を並べそうな勢いにある。
米国の意思が反映された部分も大きいと思われるが、まさに唸りを上げてエンジンの回転数を上げるがごとし、日本の半導体政策が目を見張るスピードで加速してきた。SOX指数の上げ下げに一喜一憂するよりも、こうした国内の半導体支援の動きが関連銘柄にとってはこの上ない強力なフォローウインドとなる。その割に熱量が足りない印象を受けるのは、全体相場の調整モードが続いていることによる。きょうは依然として金融機関や年金資金の益出しの動きが観測される一方、海外マネーの本格攻勢には若干のタイムラグがあり、その時間軸の狭間に沈む形で値動きに冴えを欠いた。
そうしたなか、ラピダス関連の意外な有望株として市場関係者の間で話題となっていたのが、北海道電力<9509.T>だ。電力株は原発再稼働の思惑を背景に需給相場の色彩を強めていたが、特に柏崎刈羽原発を有する東京電力ホールディングス<9501.T>が、常に投資家の関心の中心軸に位置していた。実際、東電HDの株価は22年1月に300円前後だったが、今年3月15日には967円30銭の高値をつけ2年ちょっとで3倍以上に化けた。ただし、23年1月からの株価推移をみると九州電力<9508.T>がむしろ主役。700円台だった株価を直近3月22日には1403円とおよそ2倍化させている。これはいうまでもなくTSMCの熊本工場の絡みで、半導体製造に使う膨大な電力需要創出に対する思惑が、九州電の株高シナリオと共鳴したものだ。
こうなると、次はラピダスの順番となり、千歳工場の本格稼働による電力需要エリアを管轄する北海電に視線が向くのは自然だ。しかも、こちらは超先端2ナノ品の量産を目指す純国産製造ラインである。北海電の株価は2月下旬からスイッチが入り“本番モード”となったが、株価は1カ月半で3割強の上昇をみせたに過ぎない。近い将来に半導体工場稼働となれば電力供給は圧倒的な需要に追いつかないことは自明であり、市場では「政府としてはラピダスの工場稼働までには、何としても泊原発を稼働させる形に持っていきたいという考えがある」(ネット証券アナリスト)と指摘する。その意味で、ここからの北海電の株価は東電HD以上に熱視線を浴びる可能性がある。なお、同社の予想PERは、最終利益がイレギュラーとはいえ、わずか2倍台に過ぎず、ここからの水準訂正余地を暗示している。
あすのスケジュールでは、4月の日銀当座預金増減要因見込みが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。午後取引時間中には需給ギャップと潜在成長率が発表される。海外では3月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が開示され、欧州では2月のユーロ圏失業率、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、米国では3月のADP全米雇用リポートや、3月のサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数に対する市場の関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/02 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=RSテクノ、再生ウエハーの需要拡大に期待
RS Technologies<3445.T>を半導体関連の出遅れとしてマークしたい。同社は半導体製造工程で使われる再生ウエハーの受託加工を行うが、世界シェアトップの実力を誇り、今後中期的に半導体需要の拡大が追い風として意識されそうだ。中国、台湾などを中心に海外向けが売り上げの大半を占めているが、国内でも台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>の熊本工場向けなどで新たな需要獲得が見込まれ、業績拡大に弾みがつく可能性がある。
24年12月期は営業利益段階で前期比18%増の140億円を見込むが、続く25年12月期も2ケタの利益成長が視野に入りそうだ。時価予想PER10倍台は割安感があり、3230円の年初来高値奪回を通過点に、早晩3500円近辺への上値チャレンジが有力視される。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/02 10:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=コマツ、業績最高益基調が続く
コマツ<6301.T>に注目したい。建機最大手である同社の第3四半期累計(23年4~12月)の連結純利益は前年同期比31.2%増の3042億6700万円だった。北米での建機需要が堅調なほか、鉱山機械も伸びた。販売価格の引き上げも寄与した。24年3月期の同利益は前の期比4.2%増の3400億円と最高益が予想されているが、第3四半期までの進捗率は89%に達しており、3700億円前後へ上振れも期待できる。
25年3月期も堅調な建機需要が予想され、同利益は3900億円前後への連続増益が見込める。株価は最高値圏にあるが、3%近辺の配当利回りも期待でき、なお割安感は強い。先行き5000円乗せから一段高が予想される。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/01 10:00
みんかぶニュース コラム
1日の株式相場見通し=強弱観対立のなか、4万円トビ台でもみ合う展開
1日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は4万円トビ台前半でもみ合う展開か。前週末の欧米株式市場がグッドフライデーの祝日に伴い揃って休場だったことから、手掛かり材料に乏しく、強弱観対立のなか比較的狭いゾーンでのもみ合いが想定される。きょうから名実ともに新年度入りとなる東京市場では機関投資家による新たな買い需要が見込まれ、全体相場を下支えする可能性があるものの、積極的に上値が買い進まれる展開は想定しにくい面もある。外国為替市場では1ドル=151円台前半の推移で円安水準は維持されていることで、輸出セクターやインバウンド関連にはポジティブに作用しそうだ。また、31日に発表された3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や中国非製造業PMIはいずれも50を上回り、市場コンセンサスを上回る強い数字だったことは、中国景気に対する警戒感の後退につながり、これも投資家心理にプラスに働きやすい。一方、朝方取引開始前に開示される日銀短観が全体相場に影響を与える可能性もあり、その内容が注目されそうだ。
日程面では、きょうは3月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、3月の新車販売台数、3月の軽自動車販売台数など。海外では3月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、2月の米建設支出など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/01 07:59
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=新年度相場を占う展開、やはりバリュー株優位か
29日の日経平均株価は前日比201円高と反発。前日に600円近い下落を演じていただけに、自律反発狙いの買いが入った様子だ。年度末を迎え「足もとでは年金などのリバランスの動きも出ていたようだ」(市場関係者)という。ただ、リバランスの売買も今日で一巡し、来週からは4月で新年度入りする。ここで相場の物色に変化が出るかが、ポイントだ。
海外投資家などグローバル資金は米国の金融政策を注視しており、年3回の利下げがあるかが関心を集めている。米利下げ観測が優勢となれば、ドル安・円高圧力が強まることも予想される。そんななか、今晩発表の米2月個人消費支出(PCEデフレーター)や来週5日の米雇用統計が注目される。そして国内では1日には日銀短観が発表される。
もし米利下げ期待が後退したとしても、1ドル=151円後半では政府・日銀による為替介入が警戒される。ここからの一段の円安に対する期待感が後退するなか、半導体を中心とするハイテク株は買い上がるには胆力のいる状況となりつつある。
そんななか「新年度に入っても為替の影響度が小さいバリュー株に対する物色が続くのではないか」(アナリスト)との見方は増えている。三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>といった不動産株は新値追いを続けており、大成建設<1801.T>や大林組<1802.T>、清水建設<1803.T>といった建設株も堅調な値動きとなっている。来週は、重要経済指標の発表が目白押しであり、新年度相場の行方を占ううえでは目が離せない展開となりそうだ。
上記以外のイベントでは、海外では1日に米3月ISM製造業景況指数、2日に米2月JOLTS求人件数、3日に米3月ADP雇用統計、同ISM非製造業景況指数、4日に米2月貿易収支が発表される。国内では、4日に日銀が地域経済報告(さくらレポート)を公表するほか、5日に2月家計調査が発表される。1日にしまむら<8227.T>、5日に安川電機<6506.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9800~4万800円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/03/29 17:23
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=Aバランス、今期最高益予想で株価は調整十分
Abalance<3856.T>は調整十分でここからのリバウンドに期待したい。同社はソフト開発を祖業とし、現在では太陽光発電事業にシフト。太陽光パネルの製造をはじめ、発電システムや関連製品の販売を手掛ける。傘下の太陽光パネル部品会社を米ナスダック市場に上場させるべく現在手続きを進めており注目だ。
高成長トレンドを突き進み、今24年6月期も営業最高益を計画。上期時点で利益進捗は6割を超えている。同社株は業績拡大を背景に2020~23年にかけ、数百円から1万円台まで急騰する大相場を演じた経緯がある。その後は調整を余儀なくされ、足もと2000円近辺での値動きに。PERは6倍台と急騰前の水準まで低下しており、値ごろ感が意識される。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/03/29 10:00
みんかぶニュース コラム
29日の株式相場見通し=反発か、欧米株堅調受け買い戻し優勢に
29日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも主力株中心に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は4万円台前半で頑強な値動きとなることが予想される。前日に先物主導で大きく売られた反動で切り返しに転じる公算が大きい。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が総じて高く、独DAXは8連騰を記録し連日で最高値更新基調が続いている。また、米国株市場では高安まちまちの地合いだったが、ナスダック総合株価指数は小幅反落したもののNYダウは続伸し過去最高値を更新、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も連日で最高値を更新した。これを受けて東京市場でも投資家のセンチメントが改善し、全体相場はリバウンドに向かう可能性が高いとみられる。前日は配当権利落ちに伴う下げ圧力も加わり終値で600円近い急落を強いられたが、きょうは値ごろ感からの買い戻しが全体相場を押し上げそうだ。ただ、株式需給面では日経平均入れ替えに伴う売り圧力が生じることで、これを背景に買い一巡後は警戒感から上値が重くなるケースも考えられる。
28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比47ドル29セント高の3万9807ドル37セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同20.063ポイント安の1万6379.458だった。
日程面では、きょうは2月の失業率、2月の有効求人倍率、3月の都区部消費者物価指数(CPI)、2月の鉱工業生産速報値、2月の商業動態統計、2月の自動車輸出実績、2月の住宅着工統計など。海外では2月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターなど。なお、米国市場のほか、香港、シンガポールなどアジア市場の一角、ドイツ、フランスなど欧州主要国市場が休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/03/29 08:15
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=インフレ・スイッチが入った不動産関連
きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比594円安の4万168円と急反落。前日の欧米株がほぼ全面高様相で、世界株高モードのなかでバトンが回ってきたが、配当権利落ちに伴う下げ圧力には抗(あらが)えず出足からつまずいた。というより配当落ち分である約264円の下押し圧力に二重三重の売りが加わる形となってしまった。日経平均の下落幅は一時700円超の下げ、大引けで全体の8割強の銘柄が下落した。
想定外の荒れた値動きとなったが、そのなか昨日の流れを引き継いで強さを発揮したのが不動産セクターだった。住友不動産<8830.T>は嵐の中で終始強さを発揮、一時273円高の5745円まで上値を伸ばし上場来高値を更新。株式3分割で注目された三井不動産<8801.T>も一時は高く推移し、実質上場来高値を更新した。大手不動産株が上値を慕うなか、中小型株にも投資マネーが食指を動かしており、この流れを上手く捉えたいところだ。
個別にみると、前日に取り上げたグッドコムアセット<3475.T>やコスモスイニシア<8844.T>以外にも上値期待十分と思われる銘柄が少なくない。この2銘柄の共通点はPERが低く、株価が3ケタ台に位置していることであり、個人投資家の立ち位置から見れば買いやすさが意識されやすい。実際、不動産流動化ビジネスに関わる銘柄は低PER銘柄の宝庫でもある。金利や景気動向などその時の外部環境によって業績が左右されやすく、固有の潜在成長力を織り込みにくい点が、PERが低く抑えられている背景にあるようだ。しかし、足もとの環境はインフレ期待を背景に風向きが強力なフォローウインドへと変わった感触がある。低PER修正に動くなら今しかないという雰囲気が漂う。
まず、株価3ケタ台の銘柄ではアーバネットコーポレーション<3242.T>に着目。人気化したグッドコムAと同様に都内で投資用マンションの開発・販売を展開するが、同社はワンルームマンションに特化し、法人向けに1棟単位の販売を手掛ける。株価400円台でPER8倍台。4.8%弱という配当利回りの高さも魅力だ。
このほか、1000円未満の中低位株ではトラストホールディングス<3286.T>やエストラスト<3280.T>が穴株的魅力を満載しており面白い。トラストHDは新築分譲マンションも手掛けるが、主力は駐車場を投資家向けに小口販売するというユニークな業態。同社が地盤とする九州はTSMC効果による熊本バブルが話題のほか、訪日客の玄関口である福岡県などインバウンド観光の要衝エリアで時流に乗っている。また、マンション開発を手掛けるエストラストも山口県に本社を置き、やはり福岡など九州での営業展開に重心を置いている点で類似している。PERはトラストHDが7倍前後、エストラストは何と4倍台と超割安圏だ。両銘柄とも地方拠点ならではの割安放置が続いたが、目先状況は変化しており、見直し買い余地の大きさに切り替わる可能性がある。
このほか、1000円トビ台の銘柄にも妙味がある。株価が4ケタ台に乗せると値幅制限の幅が広がることもあって、良し悪しは別にしてボラティリティが高まりやすく注目度が増す。当然ながら足もとの業績が好調であることが肝要で、チャートも現在進行形で上値を指向しているものに照準を合わせる。例えば、東京23区を中心に都市型レジデンスとオフィスなどの収益不動産を開発するディア・ライフ<3245.T>。24年9月期は最終利益段階で19%増の51億円と連続最高益更新を見込む。来期も2ケタ以上の増益が有力視される。また、中古オフィスビルの再生や用地開発、富裕層向け不動産コンサルで躍進するビーロット<3452.T>も要マーク。PER5倍台と割安感が強く、会社側は未開示ながら順当に今期増配実施となれば配当利回りは5%を超える公算が大きい。
あすのスケジュールでは、2月の失業率、2月の有効求人倍率、3月の都区部消費者物価指数(CPI)、2月の鉱工業生産速報値、2月の商業動態統計がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に2年物国債の入札が予定されている。また、午後取引時間中には2月の自動車輸出実績、2月の住宅着工統計が発表される。この日はIPOが2社予定されており、東証グロース市場にグリーンモンスター<157A.T>、マテリアルグループ<156A.T>が新規上場する。海外では2月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターのほか、パウエルFRB議長が討論会に参加する予定。なお、米国市場のほか、香港、シンガポールなどアジア市場の一角、ドイツ、フランスなど欧州主要国市場が休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/03/28 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=巴工業、インド市場での展開に期待
巴工業<6309.T>は高成長が見込まれるインド市場に注力する姿勢をみせており、今後の展開が期待される。
また、3月14日に発表した24年10月期第1四半期(23年11月~24年1月)の連結決算で、経常利益が前年同期比2.1倍の11億6300万円となったことにも注目したい。主力の化学工業製品販売事業は半導体組み立て用途向け材料が伸び悩んだものの、半導体製造用途向け材料や建材用途向けを主とした材料などが伸長。機械製造販売事業では部品・修理が国内外で堅調だった。
株価は3月18日に上場来高値となる4805円をつけ、その後は上げ一服商状となっている。ただ、PERやPBRといった指標に割高感はなく、押し目は絶好の拾い場となりそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/03/28 10:00
みんかぶニュース コラム
28日の株式相場見通し=底堅さ発揮か、配当権利落ちも押し目買い
28日の東京株式市場は戻り売り圧力が意識されるなかも主力株をはじめ広範囲に根強い買いが流入し、日経平均株価は4万円トビ台で底堅さを発揮しそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数がほぼ全面高様相となり、独DAXは7日続伸し最高値街道を走っている。米国株市場でも前日はNYダウが500ドル近い上昇で史上最高値に肉薄した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も高く、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は最高値を更新した。FRBが年央の利下げに動くとの思惑や、米経済のソフトランディング期待が個別株の物色意欲に反映されるなか、四半期末を控えたポジション調整の売り圧力が一巡し、押し目買いが優勢となった。ダウは直近3営業日で500ドルの下落を示したが、その下げ分をほぼ埋める形となっている。欧米株高を受けて東京市場でも強気優勢の地合いとなることが予想されるが、きょうは配当権利落ちに伴う下げ圧力が働くことで、その分上値は重くなる。前日は外国為替市場で一時1ドル=152円近辺まで約34年ぶりの円安水準となったことが株高を後押ししたが、為替介入への思惑から足もとで円は買い戻されており、株価に対する浮揚効果も見込みにくい局面となっている。
27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比477ドル75セント高の3万9760ドル08セントと4日ぶり急反発。ナスダック総合株価指数は同83.822ポイント高の1万6399.521だった。
日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の主な意見(3月18~19日開催分)、2月の建機出荷など。海外では、2月の豪小売売上高、3月の独失業率、週間の米新規失業保険申請件数、10~12月期米実質国内総生産(GDP)確定値、3月の米シカゴ購買部協会景気指数、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)、2月の米仮契約住宅販売指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/03/28 07:59
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=インフレの足音と株高のトリガー
きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比364円高の4万762円と反発。朝方は小高くスタートしたものの、そこからは先物に引っ張られ、坂道を駆け上がるかのごとく漸次上げ幅を拡大、後場に入ると一時は600円近い上昇でそのまま4万1000円台に踏み込むかという勢いをみせた。引け際の手仕舞い売りによる萎(しぼ)み方は、前日の米国株市場の値動きと瓜二つだったが、それを除けば終始強気が前面に押し出されていた。朝方の市場関係者との間では「配当再投資の思惑から、あす以降の先高期待は強いものの、配当権利落ち分が260円程度あるなか、敢えてきょう買いに動く必要性はない」(中堅証券ストラテジスト)という話であった。だが、その想定は外れた。
ドル買い・円売りの動きが加速しており足もと1ドル=151円台後半まで円安が進行、これが追い風となった。「前日に発表された2月の米耐久財受注が予想以上に好調でドル買いの動きを誘発した」(ネット証券アナリスト)という見方に加え、日本の方では午前中に、銀行出身者でタカ派寄りの日銀・田村審議委員が青森県金融経済懇談会で挨拶し、「金融政策正常化への第一歩を踏み出した」との現状認識を示す一方、「当面緩和的な金融環境が継続する」との見方を示したことが、モラトリアムな円安要因として捉えられたようだ。
もっとも円安好感とはいえ、きょうの東京市場で物色の矛先が向かったのはハイテクや自動車セクターというより、むしろ不動産や小売り、銀行、保険などの内需株が中心だった。特に不動産株へ流れ込む資金に勢いがある。都心を中心に公示地価の上昇が顕著だったことに反応し、きょうは業種別騰落率でみても「不動産」は33業種中で明らかに一頭地を抜いて買われる展開となった。日経平均が大幅に上昇する際には先物を絡めたインデックス買いによる浮揚効果が反映されるケースが多く、指数寄与度の高い値がさハイテク株が牽引するのが常である。しかし、きょうはこれまでとは「相場の質」が異なる。
中国では政府当局が不動産バブル抑制に動き、既にその効果が浸透し、確信犯的な形で不動産バブル崩壊が起きている。一方、半周遅れで米国でも商業用不動産の損失が懸念視されてきた。融資の焦げ付きが銀行のネガティブ材料としてどの程度のインパクトを持つのか今は定かではない。だが、13ポイント台の“大底・楽観ゾーン”を這うVIX指数(恐怖指数)とは裏腹に、現状で投資家のマインドに警戒の念が宿っていることは確かだ。
一方、日本はどうか。日銀の言を借りれば本格的なデフレ脱却がなされるのかどうかの正念場という位置づけで、不動産バブルを懸念するというような文言はどこにも見当たらない。マンション価格の高騰は巷間話題にはなっているが、例えば海外筋から見れば日本の不動産は、円安を追い風に「まだ安い今のうちに買い漁っておこう」という話の流れとなる。高値圏を舞う三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>、住友不動産<8830.T>など大手不動産株のここからの上値はともかく、出遅れている中小型の不動産流動化関連などにキャッチアップを期待した見直し買いの動きが出ても不思議はない。コスモスイニシア<8844.T>、グッドコムアセット<3475.T>などは動兆著しいが、前者はPER8倍台、後者はPER7倍台に過ぎず、押し目狙いなら投資対象として十分な魅力がありそうだ。
タカ派の田村審議委員でなくとも、追加利上げがどこかのタイミングで必要という論調は当然過ぎるほどの正論としてマーケットは認識している。しかし、今はようやくマイナス金利解除という異次元からの脱却を果たしたばかり。利上げの階段を上るにはまだかなりの距離があることにもマーケットは確信に近いものを持っているフシがある。世界とは周回遅れのインフレステージを東京市場は株高の原動力としてまだ反映していない。
あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の主な意見(3月18~19日開催分)が朝方取引開始前に開示されるほか、午後取引時間中に2月の建機出荷が発表される。また、この日はIPOが2社予定されており、東証グロース市場に情報戦略テクノロジー<155A.T>とカウリス<153A.T>が新規上場する。海外では、2月の豪小売売上高、3月の独失業率、週間の米新規失業保険申請件数、10~12月期米実質国内総生産(GDP)確定値、3月の米シカゴ購買部協会景気指数、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)、2月の米仮契約住宅販売指数など。なお、この日はグッドフライデーの前日で米債券市場は短縮取引となる。また、フィリピン、マレーシアの各市場が休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/03/27 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=平田機工、半導体関連が増益を牽引
平田機工<6258.T>は3月7日に高値8600円をつけて以降調整しているが、ここは拾い場と考えたい。
同社は自動車や半導体などの生産設備エンジニアリング会社。2月9日に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算は、営業利益が59億300万円(前年同期比32.0%増)と大幅増益を達成。電気自動車(EV)関連や車載向けフラットパネルディスプレー関連が伸長したほか、価格転嫁が進んだことで自動車・半導体関連の原価率が改善したことが寄与した。
注目は営業利益の半分以上を稼ぐ半導体関連だ。同社では、シリコンウエハーを各種処理装置に取り込むロードポートや、大気・真空環境に対応可能なウエハー搬送ロボット、それらを統合したEFEMなどを製造しており、第3四半期でも比較的利益率が高いこれらウエハー搬送関連が好調に推移した。生成AIの普及や九州におけるシリコンアイランド化の進展は同社にとってもビジネスチャンスであることから、リソースを集中しており、引き続き「稼ぎ頭」として期待できそうだ。
同社では、第3四半期決算の発表と同時に24年3月期通期業績予想の修正を発表。顧客の設備投資計画の遅延などから売上高は900億円から830億円(前期比5.8%増)へ下方修正したが、営業利益は54億円の減益予想から62億円(同4.7%増)の増益予想へと上方修正した。25年3月期は営業利益80億円前後と予想する調査機関もあり、業績拡大基調が続きそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/03/27 10:00
みんかぶニュース コラム
27日の株式相場見通し=売り買い交錯、狭いゾーンでのもみ合いか
27日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り買いが交錯する展開となり、日経平均株価は4万円台前半でのもみ合いで推移する可能性が高そうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて上昇したものの、米国株市場ではこの流れを引き継ぐことができなかった。四半期末を控えポジション調整の売り圧力が拭えず、NYダウが小幅ながら3日続落となったほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数もマイナス圏で引けている。今週末29日はグッドフライデーの祝日で休場となることもあり、機関投資家は持ち高を増やすことに慎重で、押し目買いの動きもまばらだった。また、同日に発表される2月のPCEデフレーターの結果を見極めたいとの思惑も、買い手控えムードにつながっている。東京市場では軟調な米株市場を受けて、投資家心理が盛り上がりにくく前日終値を挟んだ狭いゾーンでもみ合う展開が想定される。きょうは3月期決算企業の配当権利取り最終日であることから、駆け込みでインカムゲインを確保しようとする買いが下値を支えるが、週末のグッドフライデーを控え海外投資家の買いが入りにくく上値も限定的となりそうだ。
26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比31ドル31セント安の3万9282ドル33セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同68.768ポイント安の1万6315.699だった。
日程面では、きょうは3月決算期企業の権利付き最終売買日。このほか40年物国債の入札など。海外では1~2月の中国工業企業利益、2月の豪消費者物価指数(CPI)、スウェーデン中銀、南アフリカ中銀の政策金利発表、米7年物国債の入札など。
出所:MINKABU PRESS
2024/03/27 07:59