注目トピックス 日本株
クリアル Research Memo(5):2026年3月期中間期は減収ながら売上総利益は堅調(1)
配信日時:2026/01/15 12:05
配信元:FISCO
*12:05JST クリアル Research Memo(5):2026年3月期中間期は減収ながら売上総利益は堅調(1)
■クリアル<2998>の業績動向
1. 2026年3月期中間期の業績動向
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高16,794百万円(前年同期比22.5%減)、売上総利益2,985百万円(同12.6%増)、営業利益743百万円(同28.0%減)、経常利益713百万円(同26.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益521百万円(同29.6%減)と減収、売上総利益を除き減益となった。各段階利益の通期業績予想に対する中間期進捗率は、売上総利益が40.4%、営業利益が27.8%、経常利益が28.4%、親会社株主に帰属する当期純利益が28.9%となった。前年同期の大型物件売却等や、2026年3月期業績予想が下期偏重型になっていることから、前年同期比ベースの実績や利益面の進捗率は弱含んだが、同社が業績面で最も重視する売上総利益は前年同期比12.6%増、年間進捗率は40.4%と事業運営の堅調振りが窺える。売上面では、主力の「CREAL」において念願の不特法3号4号ファンドの組成を開始し収益貢献を始めたほか、従来の不特法1号2号ファンドの運用物件売却が高いテイクレートを確保して増収となり、売上総利益は同221.2%増と大きく成長した。「CREAL PRO」は前年同期の大型ホテルのイレギュラーな物件売却の反動で売上高、売上総利益とも大きく減少したが、既存のアセットマネジメント契約に基づくマネジメントフィーを着実に計上し、売上総利益率を高めた。「CREAL PB」は投資用区分レジデンスの販売戸数を着実に伸ばし増収、売上総利益は同20.8%増加した。「その他」では「CREAL PARTNERS」や「CREAL HOTELS」の事業が堅調で大きく増収、売上総利益は同152.9%増と大きく伸びた。利益面では、売上総利益の増加があった一方で、販管費が同38.5%上昇した。これは積極的な事業拡大に伴う人員拡充やシステム開発に伴う人件費の増加、投資家獲得や認知度向上に向けた広告宣伝費の増加等が主因で、業績予想には織り込み済みである。
2. サービス別業績動向
「CREAL」は、売上高11,469百万円(前年同期比51.9%増)、売上総利益2,059百万円(同221.2%増)と大幅な増収増益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は68.6%と快調に実績を積み上げている。2026年3月期中間期のトピックとして、念願であった不特法3号4号ファンドの組成(「我孫子ヘルスケア」(GMV12.8億円)、「五反田オフィス」(GMV39.2億円)の2件)を完了し、ファンド総額の3%の取得報酬及び同0.5%の期中のアセットマネジメントにかかる報酬を得た。サービスのローンチ準備に2ヶ月程度を要したことで運用開始が9月となったが、下期はさらなるファンド組成を予定しており、今後の利益面の貢献への期待が大きい。不特法3号4号ファンドはSPC(特別目的会社)を活用したファンド運営を行うため、既存の1号2号ファンドがグロスで収益費用を認識するのに対し、こちらはネットで収益を認識する方式だ。このためファンド運営による成果はフィー収入の増加となって現れる(取得報酬をファンド組成時に認識し、運用中に期中報酬、物件売却時に売却報酬と成功報酬を認識)。今後同ファンドの増加が予想されることから、同社としては業績予想として各段階利益のみを公表することとした。今後、同社の業績面の評価は主に利益面に着目していくことになる。不特法1号2号スキームに基づくファンド運営について上期は3件を売却し、高いテイクレートを確保した。組成件数は両スキーム分を合計して5件(前年同期は10件)、ファンド調達額(GMV)は107.4億円(同118.7億円)と、どちらも減少したが、これは3号4号ファンドローンチに注力したことによる。一方、3号4号ファンドでは、ノンリコースローン活用と1投資家あたりの投資額拡大の期待から大型案件の組成が進むため、2026年3月期中間期のファンド平均規模は21.5億円(同11.7億円)と拡大した。これにより売却金額の拡大が予想され、さらに不特法3号4号ファンドの増加に伴ってこの傾向は加速するだろう。
「CREAL PRO」は、売上高344百万円(前年同期比96.6%減)、売上総利益211百万円(同86.4%減)と減収減益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は7.0%と低いが、元々、下期偏重の予想となっており、リカバリーに期待したい。2026年3月期は前年同期のようなイレギュラーな大型物件の売却は予定されておらず、従来型の自己勘定物件からのテナント収入や、アセットマネジメント契約に基づくマネジメントフィー収益が主体の業績となった。そのほか中間期の成果としては、ホテル開発案件の取り組み推進が挙げられる。大手機関投資家の出資の下に用地仕入から物件建築までを行い、ホテル運営やアセットマネジメントを自社にて受託し、将来的に「CREAL」等での物件売却のパイプライン構築につなげる開発案件の利益獲得モデルの構築を進めた。
「CREAL PB」は、売上高4,360百万円(前年同期比11.3%増)、売上総利益412百万円(同20.8%増)と増収増益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は47.9%と堅調である。中古ワンルームマンション等の投資用区分レジデンスの販売戸数を着実に伸ばしたことで予想を上回る増益となった。また手数料収入の増加から利益率が向上し、売上総利益率は前年同期比で0.7ポイント上昇の9.4%となった。レジデンス販売においては売上総利益率を意識した方針を堅持したほか、販売/顧客管理における「CREAL conceirge」や賃貸管理における情報管理等を行う「CREAL manager」を強化して事務のDXを進めたことが利益率向上に寄与したと考えられる。
「その他」部門の売上高は620百万円(前年同期比221.2%増)、売上総利益は301百万円(同152.9%増)と大きく増収増益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は54.7%と順調に推移している。不動産管理等を行う「CREAL PARTNERS」では、物件管理戸数を継続的に伸ばし増収増益を確保した。「CREAL HOTELS」では運営ホテルの運営収入が増加した。「CREAL HOTELS」については、AIを活用した独自のレベニューマネジメントシステムを開発している。AIにより過去の宿泊データや曜日・季節性・競合ホテルの価格動向等の情報をもとに最適な価格設定を行うとともに、DXを活用してモバイルキーやモバイルでのチェックイン・アウト、チケットレス運用を導入、運営コストを削減した。その他自社内マーケティングチームによるSNSやブログを活用した販促活動を行ったことで売上高が昨年対比で40~50%台の増加を示した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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1. 2026年3月期中間期の業績動向
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高16,794百万円(前年同期比22.5%減)、売上総利益2,985百万円(同12.6%増)、営業利益743百万円(同28.0%減)、経常利益713百万円(同26.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益521百万円(同29.6%減)と減収、売上総利益を除き減益となった。各段階利益の通期業績予想に対する中間期進捗率は、売上総利益が40.4%、営業利益が27.8%、経常利益が28.4%、親会社株主に帰属する当期純利益が28.9%となった。前年同期の大型物件売却等や、2026年3月期業績予想が下期偏重型になっていることから、前年同期比ベースの実績や利益面の進捗率は弱含んだが、同社が業績面で最も重視する売上総利益は前年同期比12.6%増、年間進捗率は40.4%と事業運営の堅調振りが窺える。売上面では、主力の「CREAL」において念願の不特法3号4号ファンドの組成を開始し収益貢献を始めたほか、従来の不特法1号2号ファンドの運用物件売却が高いテイクレートを確保して増収となり、売上総利益は同221.2%増と大きく成長した。「CREAL PRO」は前年同期の大型ホテルのイレギュラーな物件売却の反動で売上高、売上総利益とも大きく減少したが、既存のアセットマネジメント契約に基づくマネジメントフィーを着実に計上し、売上総利益率を高めた。「CREAL PB」は投資用区分レジデンスの販売戸数を着実に伸ばし増収、売上総利益は同20.8%増加した。「その他」では「CREAL PARTNERS」や「CREAL HOTELS」の事業が堅調で大きく増収、売上総利益は同152.9%増と大きく伸びた。利益面では、売上総利益の増加があった一方で、販管費が同38.5%上昇した。これは積極的な事業拡大に伴う人員拡充やシステム開発に伴う人件費の増加、投資家獲得や認知度向上に向けた広告宣伝費の増加等が主因で、業績予想には織り込み済みである。
2. サービス別業績動向
「CREAL」は、売上高11,469百万円(前年同期比51.9%増)、売上総利益2,059百万円(同221.2%増)と大幅な増収増益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は68.6%と快調に実績を積み上げている。2026年3月期中間期のトピックとして、念願であった不特法3号4号ファンドの組成(「我孫子ヘルスケア」(GMV12.8億円)、「五反田オフィス」(GMV39.2億円)の2件)を完了し、ファンド総額の3%の取得報酬及び同0.5%の期中のアセットマネジメントにかかる報酬を得た。サービスのローンチ準備に2ヶ月程度を要したことで運用開始が9月となったが、下期はさらなるファンド組成を予定しており、今後の利益面の貢献への期待が大きい。不特法3号4号ファンドはSPC(特別目的会社)を活用したファンド運営を行うため、既存の1号2号ファンドがグロスで収益費用を認識するのに対し、こちらはネットで収益を認識する方式だ。このためファンド運営による成果はフィー収入の増加となって現れる(取得報酬をファンド組成時に認識し、運用中に期中報酬、物件売却時に売却報酬と成功報酬を認識)。今後同ファンドの増加が予想されることから、同社としては業績予想として各段階利益のみを公表することとした。今後、同社の業績面の評価は主に利益面に着目していくことになる。不特法1号2号スキームに基づくファンド運営について上期は3件を売却し、高いテイクレートを確保した。組成件数は両スキーム分を合計して5件(前年同期は10件)、ファンド調達額(GMV)は107.4億円(同118.7億円)と、どちらも減少したが、これは3号4号ファンドローンチに注力したことによる。一方、3号4号ファンドでは、ノンリコースローン活用と1投資家あたりの投資額拡大の期待から大型案件の組成が進むため、2026年3月期中間期のファンド平均規模は21.5億円(同11.7億円)と拡大した。これにより売却金額の拡大が予想され、さらに不特法3号4号ファンドの増加に伴ってこの傾向は加速するだろう。
「CREAL PRO」は、売上高344百万円(前年同期比96.6%減)、売上総利益211百万円(同86.4%減)と減収減益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は7.0%と低いが、元々、下期偏重の予想となっており、リカバリーに期待したい。2026年3月期は前年同期のようなイレギュラーな大型物件の売却は予定されておらず、従来型の自己勘定物件からのテナント収入や、アセットマネジメント契約に基づくマネジメントフィー収益が主体の業績となった。そのほか中間期の成果としては、ホテル開発案件の取り組み推進が挙げられる。大手機関投資家の出資の下に用地仕入から物件建築までを行い、ホテル運営やアセットマネジメントを自社にて受託し、将来的に「CREAL」等での物件売却のパイプライン構築につなげる開発案件の利益獲得モデルの構築を進めた。
「CREAL PB」は、売上高4,360百万円(前年同期比11.3%増)、売上総利益412百万円(同20.8%増)と増収増益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は47.9%と堅調である。中古ワンルームマンション等の投資用区分レジデンスの販売戸数を着実に伸ばしたことで予想を上回る増益となった。また手数料収入の増加から利益率が向上し、売上総利益率は前年同期比で0.7ポイント上昇の9.4%となった。レジデンス販売においては売上総利益率を意識した方針を堅持したほか、販売/顧客管理における「CREAL conceirge」や賃貸管理における情報管理等を行う「CREAL manager」を強化して事務のDXを進めたことが利益率向上に寄与したと考えられる。
「その他」部門の売上高は620百万円(前年同期比221.2%増)、売上総利益は301百万円(同152.9%増)と大きく増収増益となった。売上総利益の期初予想に対する進捗率は54.7%と順調に推移している。不動産管理等を行う「CREAL PARTNERS」では、物件管理戸数を継続的に伸ばし増収増益を確保した。「CREAL HOTELS」では運営ホテルの運営収入が増加した。「CREAL HOTELS」については、AIを活用した独自のレベニューマネジメントシステムを開発している。AIにより過去の宿泊データや曜日・季節性・競合ホテルの価格動向等の情報をもとに最適な価格設定を行うとともに、DXを活用してモバイルキーやモバイルでのチェックイン・アウト、チケットレス運用を導入、運営コストを削減した。その他自社内マーケティングチームによるSNSやブログを活用した販促活動を行ったことで売上高が昨年対比で40~50%台の増加を示した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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