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イノベHD Research Memo(5):2026年3月期通期は上方修正して過去最高予想
配信日時:2025/12/24 11:35
配信元:FISCO
*11:35JST イノベHD Research Memo(5):2026年3月期通期は上方修正して過去最高予想
■今後の見通し
● 2026年3月期通期連結業績予想の概要
イノベーションホールディングス<3484>の2026年3月期通期の連結業績予想は2025年11月13日付で上方修正し、売上高が前期比16.4%増の19,388百万円、営業利益が同28.5%増の1,743百万円、経常利益が同35.2%増の1,935百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.8%増の1,274百万円としている。中間期の業績に鑑みて、前回予想(2025年5月13日付公表値、売上高18,872百万円、営業利益1,604百万円、経常利益1,578百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,030百万円)に対して、売上高を516百万円、営業利益を同139百万円、経常利益を同357百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同244百万円それぞれ上方修正して大幅増収増益・過去最高予想としている。
店舗転貸借事業の成約件数が期初の想定を上回るほか、不動産売買事業の大型案件成約、家賃保証事業における外販営業活動強化の効果なども寄与する見込みだ。修正後の主要KPIは、店舗転貸借事業の成約件数(新規契約と後継契約の合計)が同109件増の597件、期末転貸借物件数は同323件増の3,029件(前回予想は成約件数が同88件増の576件、期末転貸借物件数が同318件増の3,024件)の計画としている。修正後の通期予想に対する中間期の進捗率は売上高が48.5%、営業利益が57.3%、経常利益が55.6%、親会社株主に帰属する当期純利益が55.8%である。人材育成や営業組織再編の効果が顕在化しており、ストック収益の順調な積み上げで好業績が期待できると弊社では考えている。
■成長戦略
営業力増強により転貸借物件数の積み上げを推進
1. 中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期、ローリング方式)
同社は2025年5月に策定した中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期、ローリング方式)において、目標値に最終年度2028年3月期の売上高25,342百万円、営業利益2,237百万円、営業利益率8.8%、店舗転貸借事業の成約件数790件、転貸借物件数3,924件を掲げ、長期目標としては2031年3月期の売上高300億円規模、営業利益30億円規模、転貸借物件数5,500件を掲げている。なお2026年3月期本決算時に2027年3月期以降の計画をローリング予定である。
事業環境としては、インバウンドを含む人流増や価格改定(値上げ)により飲食店の売上が増加しており、出店需要が高水準に推移して賃料も上昇傾向である。また一方では、原材料・光熱費の高騰や人手不足の深刻化などで既存店の退店も予想され、物件仕入とリーシングの両面で同社の店舗転貸借事業に適した事業環境が継続する見込みだ。こうした事業環境を背景に、基本方針として事業用不動産に特化した3事業(店舗転貸借事業、不動産売買事業、家賃保証事業)を各子会社にて積極展開し、シナジーも創出しながらグループの継続的な成長を加速する。
重点施策は、採用や教育の包括的強化による営業組織のさらなる拡充、各事業の特性を踏まえた顧客獲得の仕組づくりやIT化、各事業間で顧客やノウハウを共有する等の事業シナジー追求、ノウハウのデジタル化や業務のシステム化等のDX推進、子会社への権限移譲による企業家精神の発揮や迅速な意思決定の実現としている。店舗転貸借事業で培ったノウハウ、ネットワーク、物件ストックを生かし、不動産事業者・オーナーを接点とする3事業の展開とシナジー創出を加速させる。
店舗転貸借事業の営業戦略としては、営業力増強のための3つの施策「営業増員」「組織最適化」「営業教育」により営業体制構築を図る方針であり、営業人員数については直近の2026年3月期中間期末時点の53名(仕入18名、リーシング35名))から、2028年3月期に80名規模の体制を目指す。従来の目標である100名規模を引き下げる形となったが、営業の仕組化・効率化が進んだため従来よりも少人数での対応が可能になった。
そして「営業増員」の量的強化策としては、素養や素質のある営業人員(中途・営業経験者)を積極的に採用する。「組織最適化」の配置最適化策としては、リーシングを分業化して全体最適と早期戦力化を図るとともに、各個人の適性により効果的な配置を行う。「営業教育」の質的強化策としては、独自のリーシングノウハウを可視化・体系化・eラーニング化して新入社員に効率的にレクチャーするとともに、仕入ノウハウについても可視化・体系化を進めて効率的な育成・戦力化を図る。さらに市場開拓に向けた仕入エリア戦術として、仕入担当者35名程度で1,000駅及び2,000不動産業者にアプローチするほか、乗降客数100万人以上のターミナル駅及び大規模有力不動産業者には複数の仕入担当を配置し、仕入物件数月間50件(年間600件)を目指す。これらの営業力増強や市場開拓によって、転貸借物件数の中長期的な目標である5,500件の達成を目指す。
店舗転貸借事業は空中階や非飲食店舗領域への展開を本格化
2. 2026年3月期下期以降の事業展開
テンポイノベーションの店舗転貸借事業では、新規チャネルからの物件仕入を開始し、好立地の空中階や非飲食店舗領域への展開を本格化させる。空中階の非飲食物件の取り扱い数は2026年3月期中間期の成約件数の1割弱となり、既に成約件数増加に一定の貢献を果たしている。このため下期以降も継続して取り組む。採用については前期の実績(営業21名、物件管理9名)を踏まえ、引き続き採用単価の引き下げを図りつつ積極的な採用を行う。なお、2026年3月期中間期の採用実績は営業が3名、物件管理が8名だった。下期は営業5名程度、物件管理10名超の採用を予定している。また集客面では、自社サイト「居抜き店舗.com」(客付)及び「店舗買取り.com」(仕入)について、掲載物件の質・量・利便性向上などにより集客拡大を推進する。
アセットイノベーションの不動産売買事業では、仕入経験者の増員(2026年3月期は中間期実績として1名増員、下期にも1名増員予定)と都心6区への重点営業のほか、一般法人や宅建業者へのアプローチを強化して積極的な顧客開拓を推進する。また業務システム導入(2026年3月期第1四半期より本格稼働)による業務効率化や、グループ間連携のための勉強会実施(第1回目を2025年11月に実施、第2回目を2026年3月に実施予定)などを推進する。
セーフティーイノベーションの家賃保証事業では、積極的な支店展開と採用により営業力を強化し、新規代理店の開拓と保証利用の促進を行う。支店展開については2024年12月に東京・日本橋支店を開設、2025年3月に横浜支店を開設、同年9月に大阪支店を開設、同年10月に本社を東京都新宿区へ移転し、2026年3月(予定)には福岡支店を開設する。採用に関しては2026年3月期中間期に20名を採用した。下期も継続的に採用を行う。人材育成の面では勉強会、事例共有、質問LINEグループなどを活用して入社3ヶ月での自立を目指し、効率的に家賃保証のプロフェッショナル育成を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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● 2026年3月期通期連結業績予想の概要
イノベーションホールディングス<3484>の2026年3月期通期の連結業績予想は2025年11月13日付で上方修正し、売上高が前期比16.4%増の19,388百万円、営業利益が同28.5%増の1,743百万円、経常利益が同35.2%増の1,935百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.8%増の1,274百万円としている。中間期の業績に鑑みて、前回予想(2025年5月13日付公表値、売上高18,872百万円、営業利益1,604百万円、経常利益1,578百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,030百万円)に対して、売上高を516百万円、営業利益を同139百万円、経常利益を同357百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同244百万円それぞれ上方修正して大幅増収増益・過去最高予想としている。
店舗転貸借事業の成約件数が期初の想定を上回るほか、不動産売買事業の大型案件成約、家賃保証事業における外販営業活動強化の効果なども寄与する見込みだ。修正後の主要KPIは、店舗転貸借事業の成約件数(新規契約と後継契約の合計)が同109件増の597件、期末転貸借物件数は同323件増の3,029件(前回予想は成約件数が同88件増の576件、期末転貸借物件数が同318件増の3,024件)の計画としている。修正後の通期予想に対する中間期の進捗率は売上高が48.5%、営業利益が57.3%、経常利益が55.6%、親会社株主に帰属する当期純利益が55.8%である。人材育成や営業組織再編の効果が顕在化しており、ストック収益の順調な積み上げで好業績が期待できると弊社では考えている。
■成長戦略
営業力増強により転貸借物件数の積み上げを推進
1. 中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期、ローリング方式)
同社は2025年5月に策定した中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期、ローリング方式)において、目標値に最終年度2028年3月期の売上高25,342百万円、営業利益2,237百万円、営業利益率8.8%、店舗転貸借事業の成約件数790件、転貸借物件数3,924件を掲げ、長期目標としては2031年3月期の売上高300億円規模、営業利益30億円規模、転貸借物件数5,500件を掲げている。なお2026年3月期本決算時に2027年3月期以降の計画をローリング予定である。
事業環境としては、インバウンドを含む人流増や価格改定(値上げ)により飲食店の売上が増加しており、出店需要が高水準に推移して賃料も上昇傾向である。また一方では、原材料・光熱費の高騰や人手不足の深刻化などで既存店の退店も予想され、物件仕入とリーシングの両面で同社の店舗転貸借事業に適した事業環境が継続する見込みだ。こうした事業環境を背景に、基本方針として事業用不動産に特化した3事業(店舗転貸借事業、不動産売買事業、家賃保証事業)を各子会社にて積極展開し、シナジーも創出しながらグループの継続的な成長を加速する。
重点施策は、採用や教育の包括的強化による営業組織のさらなる拡充、各事業の特性を踏まえた顧客獲得の仕組づくりやIT化、各事業間で顧客やノウハウを共有する等の事業シナジー追求、ノウハウのデジタル化や業務のシステム化等のDX推進、子会社への権限移譲による企業家精神の発揮や迅速な意思決定の実現としている。店舗転貸借事業で培ったノウハウ、ネットワーク、物件ストックを生かし、不動産事業者・オーナーを接点とする3事業の展開とシナジー創出を加速させる。
店舗転貸借事業の営業戦略としては、営業力増強のための3つの施策「営業増員」「組織最適化」「営業教育」により営業体制構築を図る方針であり、営業人員数については直近の2026年3月期中間期末時点の53名(仕入18名、リーシング35名))から、2028年3月期に80名規模の体制を目指す。従来の目標である100名規模を引き下げる形となったが、営業の仕組化・効率化が進んだため従来よりも少人数での対応が可能になった。
そして「営業増員」の量的強化策としては、素養や素質のある営業人員(中途・営業経験者)を積極的に採用する。「組織最適化」の配置最適化策としては、リーシングを分業化して全体最適と早期戦力化を図るとともに、各個人の適性により効果的な配置を行う。「営業教育」の質的強化策としては、独自のリーシングノウハウを可視化・体系化・eラーニング化して新入社員に効率的にレクチャーするとともに、仕入ノウハウについても可視化・体系化を進めて効率的な育成・戦力化を図る。さらに市場開拓に向けた仕入エリア戦術として、仕入担当者35名程度で1,000駅及び2,000不動産業者にアプローチするほか、乗降客数100万人以上のターミナル駅及び大規模有力不動産業者には複数の仕入担当を配置し、仕入物件数月間50件(年間600件)を目指す。これらの営業力増強や市場開拓によって、転貸借物件数の中長期的な目標である5,500件の達成を目指す。
店舗転貸借事業は空中階や非飲食店舗領域への展開を本格化
2. 2026年3月期下期以降の事業展開
テンポイノベーションの店舗転貸借事業では、新規チャネルからの物件仕入を開始し、好立地の空中階や非飲食店舗領域への展開を本格化させる。空中階の非飲食物件の取り扱い数は2026年3月期中間期の成約件数の1割弱となり、既に成約件数増加に一定の貢献を果たしている。このため下期以降も継続して取り組む。採用については前期の実績(営業21名、物件管理9名)を踏まえ、引き続き採用単価の引き下げを図りつつ積極的な採用を行う。なお、2026年3月期中間期の採用実績は営業が3名、物件管理が8名だった。下期は営業5名程度、物件管理10名超の採用を予定している。また集客面では、自社サイト「居抜き店舗.com」(客付)及び「店舗買取り.com」(仕入)について、掲載物件の質・量・利便性向上などにより集客拡大を推進する。
アセットイノベーションの不動産売買事業では、仕入経験者の増員(2026年3月期は中間期実績として1名増員、下期にも1名増員予定)と都心6区への重点営業のほか、一般法人や宅建業者へのアプローチを強化して積極的な顧客開拓を推進する。また業務システム導入(2026年3月期第1四半期より本格稼働)による業務効率化や、グループ間連携のための勉強会実施(第1回目を2025年11月に実施、第2回目を2026年3月に実施予定)などを推進する。
セーフティーイノベーションの家賃保証事業では、積極的な支店展開と採用により営業力を強化し、新規代理店の開拓と保証利用の促進を行う。支店展開については2024年12月に東京・日本橋支店を開設、2025年3月に横浜支店を開設、同年9月に大阪支店を開設、同年10月に本社を東京都新宿区へ移転し、2026年3月(予定)には福岡支店を開設する。採用に関しては2026年3月期中間期に20名を採用した。下期も継続的に採用を行う。人材育成の面では勉強会、事例共有、質問LINEグループなどを活用して入社3ヶ月での自立を目指し、効率的に家賃保証のプロフェッショナル育成を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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