注目トピックス 日本株
BS11 Research Memo(1):主力の放送事業を軸に周辺事業を拡大
配信日時:2025/12/03 13:01
配信元:FISCO
*13:01JST BS11 Research Memo(1):主力の放送事業を軸に周辺事業を拡大
■要約
日本BS放送<9414>は、無料のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)」を運営する独立系のBS放送局である。キー局系列に属さない独立系であることに加えて、無料放送という2つの特徴を持つ。独立系ならではの強みを生かし、全国のテレビ局及び制作会社との自由なコンテンツ制作・展開を実現している。
1. 2025年8月期の業績概要
2025年8月期の個別業績は売上高が11,039百万円(前期比2.8%減)、営業利益1,988百万円(同3.4%減)、経常利益2,043百万円(同1.4%減)、当期純利益1,413百万円(同1.3%減)となった。売上面では、スポット収入が市況低迷の影響により伸び悩んだが、主軸のタイム収入は前年並みであった。そのほか、今後の成長エンジンである配信事業が好調に推移したため、その他収入は増収となった。また営業利益は、番組編成の見直しや、各番組のコスト管理を徹底したことに加え、2023年4月に実施したスタジオ設備の更新に伴う償却負担が軽減したこと等により、当初の計画はおおむね達成する形となった。一方、連結業績では、連結出版子会社において、2024年8月期に課題図書に選出された作品の返品の影響や、2025年8月期は課題図書への選出作品がなかった等の特殊事情があった。また、こうした中でも売上獲得に向けた新刊発行に精力的に取り組んだことで一定の費用負担が生じたことから、連結業績は、個別業績から利益水準を落とす結果となった。
2. 2026年8月期の業績見通し
2026年8月期業績予想は、連結ベースでは売上高12,576百万円(前期比6.5%増)、営業利益1,804百万円(同6.6%減)、経常利益1,888百万円(同4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,306百万円(同2.9%減)としている。2026年8月期は、放送事業の持続的成長、アニメや配信等の成長領域の収益基盤拡充に向け、既存コンテンツの内容強化や、新規コンテンツの開発促進、ドラマコンテンツの拡充、良質なアニメ作品の確保等、コンテンツを中心とした投資の一層の強化に踏み切る一年とする。売上面では、投資の強化によるスポンサー企業の獲得を促進するとともに、コンテンツIPを起点とした配信やイベントへの展開を推進することによる周辺事業での積み上げを図っていくことで増収を目指す。また、利益面では、コンテンツの投資の一層の強化により、番組関連費用等が増えるほか、こうした投資の効果を最大化すべく広告宣伝費にもコストをかけるため減益となる見込みだ。
3. 「6つの“力”」を具現化する重点施策「Value4」を推進
2026年8月期は、4つの重点施策「I.放送事業収入の最大化」「II.独自IPコンテンツの開発加速」「III.アニメビジネスの収益基盤拡充」「IV.企業価値向上のための戦略的投資」を「Value4」として掲げ、推進する。「I.放送事業収入の最大化」では、主に、前期より取り組むスポットCM需要の受け皿となっている日中帯を中心としたドラマコンテンツの編成戦略の強化や、旗艦番組『鶴瓶のええ歌やなぁ』や『黒谷友香、お庭つくります』等の既存コンテンツの内容強化、他社・他局とのコラボレーションも視野に入れた新規コンテンツの開発に取り組む。「II.独自IPコンテンツの開発加速」では、番組の企画段階から放送のみならず配信やイベント、商品化等、コンテンツIPを起点とした多角的に展開できるコンテンツの制作に今まで以上にスピード感を持って取り組む。将来的な収益源の多角化や安定的な事業基盤の構築を実現するための布石となる取り組みだ。「III.アニメビジネスの収益基盤拡充」では、アニメコンテンツへの投資額を拡大するとともに、コンテンツビジネスの可能性を精緻に分析し、放送する作品の選定精度を上げていくことで、良質なアニメ作品を確保する。市場が大きく成長しているそのチャンスを掴むとともに、アニメファンの囲い込み・新規視聴者の獲得を強力に推し進め、「アニメのBS11」としての認知を拡大していく狙いがあるようだ。「IV.企業価値向上のための戦略的投資」では、前述の重点施策の実現に向け、投資を一層強化し、2030年代にかけて、売上高130億円超、営業利益率20%超を目指すとともに、アニメや配信等の成長事業を含む、放送事業収入以外の収入を売上高全体の15%超へと拡大させていく。
■Key Points
・2025年8月期は、個別の利益計画はおおむね達成も、子会社の特殊要因により連結業績は悪化
・2026年8月期は増収減益予想。売上増に資するようなコンテンツ投資を一層強化
・重点施策「Value4」を掲げ、中長期的な企業価値向上を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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日本BS放送<9414>は、無料のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)」を運営する独立系のBS放送局である。キー局系列に属さない独立系であることに加えて、無料放送という2つの特徴を持つ。独立系ならではの強みを生かし、全国のテレビ局及び制作会社との自由なコンテンツ制作・展開を実現している。
1. 2025年8月期の業績概要
2025年8月期の個別業績は売上高が11,039百万円(前期比2.8%減)、営業利益1,988百万円(同3.4%減)、経常利益2,043百万円(同1.4%減)、当期純利益1,413百万円(同1.3%減)となった。売上面では、スポット収入が市況低迷の影響により伸び悩んだが、主軸のタイム収入は前年並みであった。そのほか、今後の成長エンジンである配信事業が好調に推移したため、その他収入は増収となった。また営業利益は、番組編成の見直しや、各番組のコスト管理を徹底したことに加え、2023年4月に実施したスタジオ設備の更新に伴う償却負担が軽減したこと等により、当初の計画はおおむね達成する形となった。一方、連結業績では、連結出版子会社において、2024年8月期に課題図書に選出された作品の返品の影響や、2025年8月期は課題図書への選出作品がなかった等の特殊事情があった。また、こうした中でも売上獲得に向けた新刊発行に精力的に取り組んだことで一定の費用負担が生じたことから、連結業績は、個別業績から利益水準を落とす結果となった。
2. 2026年8月期の業績見通し
2026年8月期業績予想は、連結ベースでは売上高12,576百万円(前期比6.5%増)、営業利益1,804百万円(同6.6%減)、経常利益1,888百万円(同4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,306百万円(同2.9%減)としている。2026年8月期は、放送事業の持続的成長、アニメや配信等の成長領域の収益基盤拡充に向け、既存コンテンツの内容強化や、新規コンテンツの開発促進、ドラマコンテンツの拡充、良質なアニメ作品の確保等、コンテンツを中心とした投資の一層の強化に踏み切る一年とする。売上面では、投資の強化によるスポンサー企業の獲得を促進するとともに、コンテンツIPを起点とした配信やイベントへの展開を推進することによる周辺事業での積み上げを図っていくことで増収を目指す。また、利益面では、コンテンツの投資の一層の強化により、番組関連費用等が増えるほか、こうした投資の効果を最大化すべく広告宣伝費にもコストをかけるため減益となる見込みだ。
3. 「6つの“力”」を具現化する重点施策「Value4」を推進
2026年8月期は、4つの重点施策「I.放送事業収入の最大化」「II.独自IPコンテンツの開発加速」「III.アニメビジネスの収益基盤拡充」「IV.企業価値向上のための戦略的投資」を「Value4」として掲げ、推進する。「I.放送事業収入の最大化」では、主に、前期より取り組むスポットCM需要の受け皿となっている日中帯を中心としたドラマコンテンツの編成戦略の強化や、旗艦番組『鶴瓶のええ歌やなぁ』や『黒谷友香、お庭つくります』等の既存コンテンツの内容強化、他社・他局とのコラボレーションも視野に入れた新規コンテンツの開発に取り組む。「II.独自IPコンテンツの開発加速」では、番組の企画段階から放送のみならず配信やイベント、商品化等、コンテンツIPを起点とした多角的に展開できるコンテンツの制作に今まで以上にスピード感を持って取り組む。将来的な収益源の多角化や安定的な事業基盤の構築を実現するための布石となる取り組みだ。「III.アニメビジネスの収益基盤拡充」では、アニメコンテンツへの投資額を拡大するとともに、コンテンツビジネスの可能性を精緻に分析し、放送する作品の選定精度を上げていくことで、良質なアニメ作品を確保する。市場が大きく成長しているそのチャンスを掴むとともに、アニメファンの囲い込み・新規視聴者の獲得を強力に推し進め、「アニメのBS11」としての認知を拡大していく狙いがあるようだ。「IV.企業価値向上のための戦略的投資」では、前述の重点施策の実現に向け、投資を一層強化し、2030年代にかけて、売上高130億円超、営業利益率20%超を目指すとともに、アニメや配信等の成長事業を含む、放送事業収入以外の収入を売上高全体の15%超へと拡大させていく。
■Key Points
・2025年8月期は、個別の利益計画はおおむね達成も、子会社の特殊要因により連結業績は悪化
・2026年8月期は増収減益予想。売上増に資するようなコンテンツ投資を一層強化
・重点施策「Value4」を掲げ、中長期的な企業価値向上を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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