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田辺工業:安定基盤と高配当を維持しつつ、先端領域の新規事業探索で中長期成長へ
配信日時:2025/10/20 09:04
配信元:FISCO
*09:04JST 田辺工業:安定基盤と高配当を維持しつつ、先端領域の新規事業探索で中長期成長へ
田辺工業<1828>は、独立系総合エンジニアリング会社であり、産業プラント設備工事や設備保全工事、電気計装工事など幅広い領域を手掛ける。デンカ等化学メーカーをはじめとし、電子素材・エネルギー・医薬等、様々な業界と取引関係を築いている。また、国外に子会社を有し、東南アジアを中心に海外事業の拡大にも注力している。
事業は大きく二つに区分され、主力の設備工事事業が売上全体の約97%を占め、表面処理事業およびその他が約3%となる。設備工事事業の内訳は、産業プラントが45%、設備保全(メンテナンス)が20%、電気計装が20%、メカトロニクスが4%、インフラ(送電・管設備)が8%である。産業プラント分野では、化学や半導体関連設備を中心に、設計から施工、保守、更新まで一貫して対応可能な体制を整備。設備保全では工場の定期修繕を担い、電気計装やインフラ分野では公共インフラ案件も取り込む。さらに、メカトロニクス分野では省力化・自動化装置を提供し、人手不足や効率化需要に対応している。表面処理事業は主にタイで展開し、自動車・HDD部品に加え、EV関連部品の受注も増加している。
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高116.5億円(前年同期比4.3%減)、営業損益は8.1億円(同7.4%減)となり、減収減益となった。産業プラント工事の受注減少や販売管理費増加が影響した。ただし、前年同四半期にみられたような特別損失の計上がなかったことから純利益は5.6億円(同4.2%増)と増益を確保している。セグメント別では、設備工事が売上112.7億円(同4.4%減)となった一方、セグメント利益は12.3億円(同6.3%増)と収益性は改善傾向にある。
通期業績見通しでは、売上高530.0億円(前期比4.3%増)、営業利益40.0億円(同4.2%増)と増収増益を計画している。前期からの繰越工事が多く、当四半期以降の進捗で売上計上が進む見込みである。また、化学業界を中心とする設備投資需要は底堅く、メカトロニクスや東南アジア子会社の収益改善が上振れ要因となる可能性がある。市場環境としては、原材料価格の上昇や海外景気の不透明感はリスク要因となるが、半導体や蓄電池関連の投資需要、脱炭素(GX)関連プロジェクト、公共インフラの老朽化更新など、長期的にプラスの要因が多い。
プラントエンジニアリング業界において、同社は中堅規模に位置づけられ、競合には高田工業所やレイズネクストがある。同業界内において、田辺工業は「機械・電気・土木・建築一体型」の施工力を有しており、約300名にのぼる直営の施工部隊を抱える点も強みであり、設計から施工、保守、さらに生産工程自動化までワンパッケージで提供可能な総合力を有する。50億円規模のプラント工事を一括受注できる体制は、顧客にとっての利便性と安心感につながり、差別化要因となっている。
中期経営計画「TRY2030」では、2030年3月期に売上高700億円、営業利益率8%以上、ROE12%以上を目標に掲げる。戦略の柱は、大型EPC(設計・調達・建設)案件拡大を通じた国内事業の強化、メカトロニクス分野の拡大、海外事業の収益改善、新規事業の探索である。特にメカトロニクスでは、自社主導製品の開発を進め、スマートファクトリーやITを融合させた新規事業領域を模索している。海外については、東南アジア拠点の再編を通じて黒字化を目指す。さらに、全国4拠点に設置した教育センターを活用した人材育成やDXによる業務効率化を推進し、持続的成長基盤を強化する方針だ。
株主還元は安定配当を基本とし、配当性向35〜40%を目安に設定。2026年3月期は年間配当92円を予想しており、前期比で5円増配となる(配当利回りは3.87%)。成長投資とのバランスを取りつつ、安定した還元策を維持している点は個人投資家にとって魅力的といえる。
同社は、堅実な財務基盤に加え、機械・電気・土木・建築一体型の施工力、直営施工部隊を強みとし、化学・半導体関連を中心に安定した需要を取り込んでいる。短期的には産業プラントの需要動向に左右されやすい側面もあるが、繰越工事の進捗や新規案件の拡大を背景に、増収増益基調を維持する見込みだ。中長期的には「TRY2030」に基づくメカトロニクスや新規事業の成長戦略、海外事業の立て直しが収益拡大の鍵となる。
<HM>
事業は大きく二つに区分され、主力の設備工事事業が売上全体の約97%を占め、表面処理事業およびその他が約3%となる。設備工事事業の内訳は、産業プラントが45%、設備保全(メンテナンス)が20%、電気計装が20%、メカトロニクスが4%、インフラ(送電・管設備)が8%である。産業プラント分野では、化学や半導体関連設備を中心に、設計から施工、保守、更新まで一貫して対応可能な体制を整備。設備保全では工場の定期修繕を担い、電気計装やインフラ分野では公共インフラ案件も取り込む。さらに、メカトロニクス分野では省力化・自動化装置を提供し、人手不足や効率化需要に対応している。表面処理事業は主にタイで展開し、自動車・HDD部品に加え、EV関連部品の受注も増加している。
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高116.5億円(前年同期比4.3%減)、営業損益は8.1億円(同7.4%減)となり、減収減益となった。産業プラント工事の受注減少や販売管理費増加が影響した。ただし、前年同四半期にみられたような特別損失の計上がなかったことから純利益は5.6億円(同4.2%増)と増益を確保している。セグメント別では、設備工事が売上112.7億円(同4.4%減)となった一方、セグメント利益は12.3億円(同6.3%増)と収益性は改善傾向にある。
通期業績見通しでは、売上高530.0億円(前期比4.3%増)、営業利益40.0億円(同4.2%増)と増収増益を計画している。前期からの繰越工事が多く、当四半期以降の進捗で売上計上が進む見込みである。また、化学業界を中心とする設備投資需要は底堅く、メカトロニクスや東南アジア子会社の収益改善が上振れ要因となる可能性がある。市場環境としては、原材料価格の上昇や海外景気の不透明感はリスク要因となるが、半導体や蓄電池関連の投資需要、脱炭素(GX)関連プロジェクト、公共インフラの老朽化更新など、長期的にプラスの要因が多い。
プラントエンジニアリング業界において、同社は中堅規模に位置づけられ、競合には高田工業所やレイズネクストがある。同業界内において、田辺工業は「機械・電気・土木・建築一体型」の施工力を有しており、約300名にのぼる直営の施工部隊を抱える点も強みであり、設計から施工、保守、さらに生産工程自動化までワンパッケージで提供可能な総合力を有する。50億円規模のプラント工事を一括受注できる体制は、顧客にとっての利便性と安心感につながり、差別化要因となっている。
中期経営計画「TRY2030」では、2030年3月期に売上高700億円、営業利益率8%以上、ROE12%以上を目標に掲げる。戦略の柱は、大型EPC(設計・調達・建設)案件拡大を通じた国内事業の強化、メカトロニクス分野の拡大、海外事業の収益改善、新規事業の探索である。特にメカトロニクスでは、自社主導製品の開発を進め、スマートファクトリーやITを融合させた新規事業領域を模索している。海外については、東南アジア拠点の再編を通じて黒字化を目指す。さらに、全国4拠点に設置した教育センターを活用した人材育成やDXによる業務効率化を推進し、持続的成長基盤を強化する方針だ。
株主還元は安定配当を基本とし、配当性向35〜40%を目安に設定。2026年3月期は年間配当92円を予想しており、前期比で5円増配となる(配当利回りは3.87%)。成長投資とのバランスを取りつつ、安定した還元策を維持している点は個人投資家にとって魅力的といえる。
同社は、堅実な財務基盤に加え、機械・電気・土木・建築一体型の施工力、直営施工部隊を強みとし、化学・半導体関連を中心に安定した需要を取り込んでいる。短期的には産業プラントの需要動向に左右されやすい側面もあるが、繰越工事の進捗や新規案件の拡大を背景に、増収増益基調を維持する見込みだ。中長期的には「TRY2030」に基づくメカトロニクスや新規事業の成長戦略、海外事業の立て直しが収益拡大の鍵となる。
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