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ACSL:国産ドローン製造、価格・技術で優位性あり脱中国進展により成長余地大
配信日時:2025/10/14 14:21
配信元:FISCO
*14:21JST ACSL:国産ドローン製造、価格・技術で優位性あり脱中国進展により成長余地大
ACSL<6232>は、2013年に千葉大学発のスタートアップ企業として設立され、現在は東証グロース市場に上場している。「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ 」を企業理念に掲げ、ドローン関連事業を展開している。ビジネスモデルは概念検証、用途特化型機体の量産・販売、運用・導入支援の3段階で構成される。主力商品は小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」や長距離飛行マルチユースドローン「PF4」である。制御技術をソースコードレベルで保有し、ソフト・ハードともに自社開発する技術力に強みを持つ。加えて、顧客の業務現場に応じたカスタマイズ対応やグローバル展開力を特徴としている。1,000台規模の量産体制を持ち、米国の国防権限法(NDAA)に準拠して米国政府の調達方針に沿っている点も競争優位性となっている。なお、同社は攻撃用途のドローン開発は行わない方針である。
ドローン市場は世界的に拡大しており、2028年には日本と米国を合わせて1兆円規模に達すると見込まれる。従来は中国製品が性能・価格の両面で優位性があったが、経済安全保障の観点から米国を中心に「脱中国」の流れが加速している。米国では政府調達において中国製が禁止され、民間企業も追随する動きが広がっている。日本では防衛省関連を除き中国製からの置き換えは進行途上にあるものの、今後は同様の動きが加速することが期待されている。同社は、次世代の小型ドローンの技術開発に関する国家プロジェクト(SBIR (中小企業イノベーション創出 推進事業))に採択されており、2025年12月までに合計26億円の補助金を受領予定である。
2024年12月期は、売上高2,655百万円(前期比196.3%増)、営業損失2,293百万円(前期は2,071百万円の赤字)、経常損失2,188百万円(同2,102百万円の赤字)、当期純損失2,371百万円(同2,543百万円の赤字)であった。売上高は国内外での小型空撮機体の拡販に加えて、インド市場における地上走行ロボットの大型案件17億円が寄与し、増収となった。一方、利益面では、構造改革により国家プロジェクトを除く研究開発費用を削減したものの、補助金入金の期ズレや販売管理費の増加が影響し、赤字となった。
2025年12月期第2四半期は、売上高975百万円(前年同期比52.4%減)、営業損失754百万円(前年同期は1,026百万円の赤字)、経常損失45百万円(前年同期は963百万円の赤字)、当期純損失271百万円(前年同期は1,010百万円の赤字)であった。売上高は、前年同期に計上したインド大型案件の反動減で減収となったが、同案件を除くと前年同期比179%の増収であった。防衛関連や民間企業向けの小型空撮機体の販売が寄与した。利益面では、研究開発費や販売管理費の抑制効果により、営業損失幅は縮小した。前期分の国家プロジェクト補助金815百万円を営業外収入で計上し、経常損失は縮小した。一方で、前代表による不正事案関連で225百万円を特別損失に計上した。
2025年12月期通期については、売上高3,150百万円(前期比18.6%増)、営業損失2,370百万円(前期は2,293百万円の赤字)、経常損失1,400百万円(同2,188百万円の赤字)、当期純損失1,800百万円(同2,371百万円の赤字)を予想している。国内および米国案件により増収となる一方、利益面では、国家プロジェクトの研究開発費用1,400百万円に対し、期中の補助金計上は1,200百万円に留まる見込みで、営業損失は前期並みの見通しである。不正関連損失は240百万円を見込む。当初計画で想定していた地方自治体案件約20億円は進行に時間を要し、売上計画を下方修正した。また、補助金の一部期ズレや不正関連費用により、黒字計画を修正した。
なお、普通株による増資で15億円を調達するほか、新株予約権発行により最大16億円の追加調達を予定している。これにより、資金繰りの不安は解消され、資産超過も維持する見通しである。
2022年に策定した4ヶ年の中期経営計画「ACSL Accelerate 2022」では、2025年12月期に売上高100億円、営業利益10億円としていた。国内における脱中国の進展遅れや、物流用機体が実証実験段階に留まることが計画遅延の要因であるが、今後の成長余地は大きい。日本市場でも脱中国の動きが広がる見込みであり、また米国市場では新規調達に加え、既存ドローンでも中国製が禁止されて、置き換え需要が顕在化する可能性がある。同社はこうした市場環境の変化に対し、技術・価格の両面で優位なポジションを確保している。防衛省関連案件の拡大が期待されるほか、国家プロジェクトとして開発進行中の次世代小型機体は2025年度中に開発を完了し、2026年中頃から販売を開始する見通しである。
株主還元については、黒字化を第一の目標とし、当面は成長投資を優先する方針である。そのため配当は実施せず、黒字化達成後も当面は再投資を重視する考えを示している。
<HM>
ドローン市場は世界的に拡大しており、2028年には日本と米国を合わせて1兆円規模に達すると見込まれる。従来は中国製品が性能・価格の両面で優位性があったが、経済安全保障の観点から米国を中心に「脱中国」の流れが加速している。米国では政府調達において中国製が禁止され、民間企業も追随する動きが広がっている。日本では防衛省関連を除き中国製からの置き換えは進行途上にあるものの、今後は同様の動きが加速することが期待されている。同社は、次世代の小型ドローンの技術開発に関する国家プロジェクト(SBIR (中小企業イノベーション創出 推進事業))に採択されており、2025年12月までに合計26億円の補助金を受領予定である。
2024年12月期は、売上高2,655百万円(前期比196.3%増)、営業損失2,293百万円(前期は2,071百万円の赤字)、経常損失2,188百万円(同2,102百万円の赤字)、当期純損失2,371百万円(同2,543百万円の赤字)であった。売上高は国内外での小型空撮機体の拡販に加えて、インド市場における地上走行ロボットの大型案件17億円が寄与し、増収となった。一方、利益面では、構造改革により国家プロジェクトを除く研究開発費用を削減したものの、補助金入金の期ズレや販売管理費の増加が影響し、赤字となった。
2025年12月期第2四半期は、売上高975百万円(前年同期比52.4%減)、営業損失754百万円(前年同期は1,026百万円の赤字)、経常損失45百万円(前年同期は963百万円の赤字)、当期純損失271百万円(前年同期は1,010百万円の赤字)であった。売上高は、前年同期に計上したインド大型案件の反動減で減収となったが、同案件を除くと前年同期比179%の増収であった。防衛関連や民間企業向けの小型空撮機体の販売が寄与した。利益面では、研究開発費や販売管理費の抑制効果により、営業損失幅は縮小した。前期分の国家プロジェクト補助金815百万円を営業外収入で計上し、経常損失は縮小した。一方で、前代表による不正事案関連で225百万円を特別損失に計上した。
2025年12月期通期については、売上高3,150百万円(前期比18.6%増)、営業損失2,370百万円(前期は2,293百万円の赤字)、経常損失1,400百万円(同2,188百万円の赤字)、当期純損失1,800百万円(同2,371百万円の赤字)を予想している。国内および米国案件により増収となる一方、利益面では、国家プロジェクトの研究開発費用1,400百万円に対し、期中の補助金計上は1,200百万円に留まる見込みで、営業損失は前期並みの見通しである。不正関連損失は240百万円を見込む。当初計画で想定していた地方自治体案件約20億円は進行に時間を要し、売上計画を下方修正した。また、補助金の一部期ズレや不正関連費用により、黒字計画を修正した。
なお、普通株による増資で15億円を調達するほか、新株予約権発行により最大16億円の追加調達を予定している。これにより、資金繰りの不安は解消され、資産超過も維持する見通しである。
2022年に策定した4ヶ年の中期経営計画「ACSL Accelerate 2022」では、2025年12月期に売上高100億円、営業利益10億円としていた。国内における脱中国の進展遅れや、物流用機体が実証実験段階に留まることが計画遅延の要因であるが、今後の成長余地は大きい。日本市場でも脱中国の動きが広がる見込みであり、また米国市場では新規調達に加え、既存ドローンでも中国製が禁止されて、置き換え需要が顕在化する可能性がある。同社はこうした市場環境の変化に対し、技術・価格の両面で優位なポジションを確保している。防衛省関連案件の拡大が期待されるほか、国家プロジェクトとして開発進行中の次世代小型機体は2025年度中に開発を完了し、2026年中頃から販売を開始する見通しである。
株主還元については、黒字化を第一の目標とし、当面は成長投資を優先する方針である。そのため配当は実施せず、黒字化達成後も当面は再投資を重視する考えを示している。
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