注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:実需の買いと思われる海外勢の投資資金が流入
配信日時:2024/01/20 14:58
配信元:FISCO
*14:58JST 国内株式市場見通し:実需の買いと思われる海外勢の投資資金が流入
■半導体株がけん引し日経平均は上昇
今週の日経平均は週間で386.16円高(+1.09%) の35963.27円と上昇した。週初から引き続き時価総額の大きい銘柄が買われ日経平均は36000円台に乗せた。17日には1月限のオプション特別清算数値を上回る36239.22円まで上昇。買い一巡後は、中国株の下落などが投資家のモメンタムを冷やし利益確定売りが強まる場面も見られた。ただ、この下げは、日経平均の25日移動平均線乖離率が7%を超えたこともあり、短期的な過熱感が意識されやすい状況だったことも影響したと推測する。短期的な利益確定を入れたい投資家が、香港ハンセン指数の急落をきっかけとしただけとの見方だ。一方、為替市場では、1ドル148円台まで円安ドル高が進行したことからトヨタ自<7203>が上場来高値を更新するなど輸出関連銘柄が買われる展開に。週末にかけては、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅高となったことから、東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体株に買いが集中。日経平均は35900円台後半で取引を終えた。
なお、18日引け後に東京証券取引所が発表した1月第2週目(9日-12日)の投資部門別売買動向では、海外投資家の現物は9557億円の買い越し、先物も4895億円の大幅買い越しとなった。CTAなど商品先物系による売買が上昇の主体ではなく、実需の買いと思われる投資資金が東京市場に流入したと思われる。
■来週は日銀金融政策決定会合
今週末の米国株式市場は上昇。395.19ドル高(+1.05%)の37863.80ドル、ナスダックは255.32ポイント高(+1.70%)の15310.97、S&P500は58.87ポイント高(+1.23%)の4839.81ポイントで取引を終了した。19日の大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値300円高の36300円。SOX指数も前日比4.02%高と大幅続伸していることから、週明けの東京市場は上昇でスタートする公算が大きい。先週末同様、半導体株がけん引し日経平均は17日につけた取引時間中の高値36239.22円を上回る可能性がある。
週明けに、日本銀行による金融政策決定会合(日銀会合)が開催され、23日の日中に結果が発表される。日銀会合のコンセンサスは、「現状の金融政策は据え置き」「「金融政策の正常化」に向けた検討や時期は明言せず」となっている。昨年末には今会合にて早期の「金融政策の正常化」に向けた動きを示すといった観測もあったが、1月1日に発生した能登半島地震を受けて一気に後退した。
また、今日銀会合で同時に発表される「経済・物価情勢の展望」にて、2024年度の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)と23年度の経済成長率の見通しは下方修正となる公算が大きい、と既に報じられている。日銀関係者の話によると、24年度の物価見通しの引き下げは、原油価格の価格推移などを反映させるためで、従来の2.8%から2.5%前後に引き下げることが見込まれるとのことだ。日銀がターゲットとする「2%物価目標の持続的・安定的な実現」の最大のポイントである今年の春の賃上げ(春闘)の動きはほぼ想定通りだが、25年度の物価見通し(従来は1.7%上昇)に大きな変化はなく、目標の2%には達しないとの見方だ。
そして、昨年7-9月期マイナス成長を踏まえて、23年度の実質国内総生産(GDP)見通しは、従来の前年度比2.0%増から下方修正となる可能性が大きくなっている。つまり「金融政策の正常化」に踏み出す余地は無く、今日銀会合はほぼサプライズゼロとなろう。市場でも、メガバンクなど銀行株が目立って買われていないことから、日銀会合に絡んだ思惑は入っていない様子だ。株式市場にとっては無風での通過を想定する。
■中国株の動向に警戒か
日銀会合以外の注目は、下値模索を続ける上海総合指数と香港ハンセン指数となる。とくに香港ハンセン指数は2022年安値を割り込んでくると、世界的に金融危機の影響が広がった2009年以来の安値水準が見えてくることから、中国株投資家のモメンタム悪化を招く可能性もあろう。中国株の投げ売りが加速し、上海総合指数、香港ハンセン指数が一段安の展開となった場合、今週さえない動きを見せていた資生堂<4911>、花王<4452>、ファナック<6954>など中国で事業を展開する銘柄はきつい動きを見せそうだ。
■25日にECB理事会
来週にかけては、国内は、22日から23日に日銀金融政策決定会合、26日に1月東京都区部消費者物価指数、12月企業向けサービス価格指数などが予定されている。
海外では、22日に中・1月中国最優遇貸出金利、米・12月景気先行指数、23日に欧・1月消費者信頼感指数(速報値)、米・1月リッチモンド連銀製造業指数、24日に欧・1月仏製造業PMI(速報値)、1月独製造業PMI(速報値)、1月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、英・1月製造業PMI(速報値)、米・1月PMI(速報値)、25日に欧・欧州中央銀行(ECB)理事会、米・第4四半期実質GDP(速報値)、12月耐久財受注(速報値)、12月住宅販売件数、26日に米・12月PCEデフレータなどが予定されている。
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今週の日経平均は週間で386.16円高(+1.09%) の35963.27円と上昇した。週初から引き続き時価総額の大きい銘柄が買われ日経平均は36000円台に乗せた。17日には1月限のオプション特別清算数値を上回る36239.22円まで上昇。買い一巡後は、中国株の下落などが投資家のモメンタムを冷やし利益確定売りが強まる場面も見られた。ただ、この下げは、日経平均の25日移動平均線乖離率が7%を超えたこともあり、短期的な過熱感が意識されやすい状況だったことも影響したと推測する。短期的な利益確定を入れたい投資家が、香港ハンセン指数の急落をきっかけとしただけとの見方だ。一方、為替市場では、1ドル148円台まで円安ドル高が進行したことからトヨタ自<7203>が上場来高値を更新するなど輸出関連銘柄が買われる展開に。週末にかけては、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅高となったことから、東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体株に買いが集中。日経平均は35900円台後半で取引を終えた。
なお、18日引け後に東京証券取引所が発表した1月第2週目(9日-12日)の投資部門別売買動向では、海外投資家の現物は9557億円の買い越し、先物も4895億円の大幅買い越しとなった。CTAなど商品先物系による売買が上昇の主体ではなく、実需の買いと思われる投資資金が東京市場に流入したと思われる。
■来週は日銀金融政策決定会合
今週末の米国株式市場は上昇。395.19ドル高(+1.05%)の37863.80ドル、ナスダックは255.32ポイント高(+1.70%)の15310.97、S&P500は58.87ポイント高(+1.23%)の4839.81ポイントで取引を終了した。19日の大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値300円高の36300円。SOX指数も前日比4.02%高と大幅続伸していることから、週明けの東京市場は上昇でスタートする公算が大きい。先週末同様、半導体株がけん引し日経平均は17日につけた取引時間中の高値36239.22円を上回る可能性がある。
週明けに、日本銀行による金融政策決定会合(日銀会合)が開催され、23日の日中に結果が発表される。日銀会合のコンセンサスは、「現状の金融政策は据え置き」「「金融政策の正常化」に向けた検討や時期は明言せず」となっている。昨年末には今会合にて早期の「金融政策の正常化」に向けた動きを示すといった観測もあったが、1月1日に発生した能登半島地震を受けて一気に後退した。
また、今日銀会合で同時に発表される「経済・物価情勢の展望」にて、2024年度の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)と23年度の経済成長率の見通しは下方修正となる公算が大きい、と既に報じられている。日銀関係者の話によると、24年度の物価見通しの引き下げは、原油価格の価格推移などを反映させるためで、従来の2.8%から2.5%前後に引き下げることが見込まれるとのことだ。日銀がターゲットとする「2%物価目標の持続的・安定的な実現」の最大のポイントである今年の春の賃上げ(春闘)の動きはほぼ想定通りだが、25年度の物価見通し(従来は1.7%上昇)に大きな変化はなく、目標の2%には達しないとの見方だ。
そして、昨年7-9月期マイナス成長を踏まえて、23年度の実質国内総生産(GDP)見通しは、従来の前年度比2.0%増から下方修正となる可能性が大きくなっている。つまり「金融政策の正常化」に踏み出す余地は無く、今日銀会合はほぼサプライズゼロとなろう。市場でも、メガバンクなど銀行株が目立って買われていないことから、日銀会合に絡んだ思惑は入っていない様子だ。株式市場にとっては無風での通過を想定する。
■中国株の動向に警戒か
日銀会合以外の注目は、下値模索を続ける上海総合指数と香港ハンセン指数となる。とくに香港ハンセン指数は2022年安値を割り込んでくると、世界的に金融危機の影響が広がった2009年以来の安値水準が見えてくることから、中国株投資家のモメンタム悪化を招く可能性もあろう。中国株の投げ売りが加速し、上海総合指数、香港ハンセン指数が一段安の展開となった場合、今週さえない動きを見せていた資生堂<4911>、花王<4452>、ファナック<6954>など中国で事業を展開する銘柄はきつい動きを見せそうだ。
■25日にECB理事会
来週にかけては、国内は、22日から23日に日銀金融政策決定会合、26日に1月東京都区部消費者物価指数、12月企業向けサービス価格指数などが予定されている。
海外では、22日に中・1月中国最優遇貸出金利、米・12月景気先行指数、23日に欧・1月消費者信頼感指数(速報値)、米・1月リッチモンド連銀製造業指数、24日に欧・1月仏製造業PMI(速報値)、1月独製造業PMI(速報値)、1月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、英・1月製造業PMI(速報値)、米・1月PMI(速報値)、25日に欧・欧州中央銀行(ECB)理事会、米・第4四半期実質GDP(速報値)、12月耐久財受注(速報値)、12月住宅販売件数、26日に米・12月PCEデフレータなどが予定されている。
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