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藤商事 Research Memo(1):新機種の販売が順調、利益率も改善し2023年3月期は黒字転換へ
配信日時:2022/12/20 16:01
配信元:FISCO
■要約
藤商事<6257>は、パチンコ・パチスロ遊技機の中堅メーカーで、新規性のある演出の企画開発力に定評がある。ジャンルとしては、「ホラー」系のほか、若年層向けに「萌え」「アニメ」、シニア向けに「時代劇」に注力している。無借金経営で手元キャッシュは230億円と潤沢にあり、財務の健全性は高い。
1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
2023年3月期第2四半期累計(2022年4月−9月)の連結業績は、売上高で前年同期比119.3%増の17,156百万円、営業利益で2,543百万円(前年同期は3,428百万円の損失)と急回復した。パチンコ遊技機「P サラリーマン金太郎」の販売台数が1.85万台と計画を上回るヒットとなったほか、前年同期は新機種の投入が無かったパチスロ遊技機も1機種を投入し計画通りの販売となるなど、投入した新機種が総じて順調に推移したことが増収要因となった。遊技機販売台数は合計で前年同期比69.4%増の4.32万台となった。利益面では数量増効果に加えて、販売ミックスの改善など採算重視の営業活動を展開したことにより売上総利益率が前年同期の48.4%から55.6%と大きく上昇したこと、研究材料費が同998百万円減少したことなどが増益要因となった。なお、部材価格高騰の影響は残っているものの前下期と比較すると沈静化してきたようで、コスト低減活動に取り組んできたこともあり、生産面や採算面での影響は無かったようだ。
2. 2023年3月期の業績の見通し
2023年3月期の業績は売上高で前期比1.3%増の30,000百万円、営業利益で1,500百万円(前期は698百万円の営業損失)と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率が売上高で57.2%、営業利益で169.5%と、利益面ではすでに超過していることから会社計画の達成は十分可能と見られる。2022年11月にパチンコ遊技機で「P新・遠山の金さん」、パチスロ遊技機で「SLOTとある科学の超電磁砲(レールガン)」を投入しており、とりわけパチスロ遊技機についてはパチンコ遊技機で人気を確立した「とある」シリーズのスロット版となり、ゲーム性が高まった6.5号機仕様となっていることから期待度も大きい。初動は好評のようで、当初の計画台数を上回ることを期待している。通期での販売台数計画はパチンコ遊技機が前期比10.8%減の7.1万台(上期3.82万台)、パチスロ遊技機が同351.6%増の1.4万台(同0.5万台)を見込む。パチスロ遊技機については第4四半期にもう1機種投入予定のため、計画を上回る可能性が高い。一方で、パチンコ遊技機については複数機種を投入予定だが業績の進捗や他社動向を睨みながら調整していく方針だ。売上総利益率は下期も高水準が続く見通しで、販管費も前期比横ばい水準を計画している。
3. スマート遊技機への取り組み
同社は成長に向けた重点施策として、稼働力の高い新機種の開発・投入を継続していくことに加えて、次世代遊技機となるスマートパチンコ/スマートパチスロの開発を推進していく。スマートパチンコは玉が封入され循環式となり、スマートパチスロはメダルレスとなるため、玉やメダルに触れることがなく感染防止対策につながるといったメリットがあるほか、開発の自由度が増しゲーム性の向上が見込まれること、不正防止やのめり込み防止対策が講じられていることなどから、低迷が続く業界全体の活性化につながる取り組みとして注目されている。スマートパチスロ機は2022年11月から導入が開始され、スマートパチンコ機は2023年春以降の導入が予定されている。同社では2024年3月期の第2四半期までに投入していく計画となっている。遊技機業界では1992年のプリペイドカード機導入以来の大変革となり、当時は市場の活性化につながった。大手ホールでも導入に積極的な姿勢を見せているだけに、独創性の高い機種開発に定評のある同社にとってはシェア拡大の好機となり、今後の展開が注目される。
■Key Points
・2023年3月期第2四半期累計業績は数量増効果と利益率改善によりV字回復に
・ホール軒数の減少傾向が続くも、スマート遊技機の導入による市場活性化に期待
・2023年3月期は期初計画を据え置くも利益は第2四半期までに通期計画を超過
・稼働力の高い新機種開発とスマート遊技機の投入によりシェア拡大を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NS>
藤商事<6257>は、パチンコ・パチスロ遊技機の中堅メーカーで、新規性のある演出の企画開発力に定評がある。ジャンルとしては、「ホラー」系のほか、若年層向けに「萌え」「アニメ」、シニア向けに「時代劇」に注力している。無借金経営で手元キャッシュは230億円と潤沢にあり、財務の健全性は高い。
1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
2023年3月期第2四半期累計(2022年4月−9月)の連結業績は、売上高で前年同期比119.3%増の17,156百万円、営業利益で2,543百万円(前年同期は3,428百万円の損失)と急回復した。パチンコ遊技機「P サラリーマン金太郎」の販売台数が1.85万台と計画を上回るヒットとなったほか、前年同期は新機種の投入が無かったパチスロ遊技機も1機種を投入し計画通りの販売となるなど、投入した新機種が総じて順調に推移したことが増収要因となった。遊技機販売台数は合計で前年同期比69.4%増の4.32万台となった。利益面では数量増効果に加えて、販売ミックスの改善など採算重視の営業活動を展開したことにより売上総利益率が前年同期の48.4%から55.6%と大きく上昇したこと、研究材料費が同998百万円減少したことなどが増益要因となった。なお、部材価格高騰の影響は残っているものの前下期と比較すると沈静化してきたようで、コスト低減活動に取り組んできたこともあり、生産面や採算面での影響は無かったようだ。
2. 2023年3月期の業績の見通し
2023年3月期の業績は売上高で前期比1.3%増の30,000百万円、営業利益で1,500百万円(前期は698百万円の営業損失)と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率が売上高で57.2%、営業利益で169.5%と、利益面ではすでに超過していることから会社計画の達成は十分可能と見られる。2022年11月にパチンコ遊技機で「P新・遠山の金さん」、パチスロ遊技機で「SLOTとある科学の超電磁砲(レールガン)」を投入しており、とりわけパチスロ遊技機についてはパチンコ遊技機で人気を確立した「とある」シリーズのスロット版となり、ゲーム性が高まった6.5号機仕様となっていることから期待度も大きい。初動は好評のようで、当初の計画台数を上回ることを期待している。通期での販売台数計画はパチンコ遊技機が前期比10.8%減の7.1万台(上期3.82万台)、パチスロ遊技機が同351.6%増の1.4万台(同0.5万台)を見込む。パチスロ遊技機については第4四半期にもう1機種投入予定のため、計画を上回る可能性が高い。一方で、パチンコ遊技機については複数機種を投入予定だが業績の進捗や他社動向を睨みながら調整していく方針だ。売上総利益率は下期も高水準が続く見通しで、販管費も前期比横ばい水準を計画している。
3. スマート遊技機への取り組み
同社は成長に向けた重点施策として、稼働力の高い新機種の開発・投入を継続していくことに加えて、次世代遊技機となるスマートパチンコ/スマートパチスロの開発を推進していく。スマートパチンコは玉が封入され循環式となり、スマートパチスロはメダルレスとなるため、玉やメダルに触れることがなく感染防止対策につながるといったメリットがあるほか、開発の自由度が増しゲーム性の向上が見込まれること、不正防止やのめり込み防止対策が講じられていることなどから、低迷が続く業界全体の活性化につながる取り組みとして注目されている。スマートパチスロ機は2022年11月から導入が開始され、スマートパチンコ機は2023年春以降の導入が予定されている。同社では2024年3月期の第2四半期までに投入していく計画となっている。遊技機業界では1992年のプリペイドカード機導入以来の大変革となり、当時は市場の活性化につながった。大手ホールでも導入に積極的な姿勢を見せているだけに、独創性の高い機種開発に定評のある同社にとってはシェア拡大の好機となり、今後の展開が注目される。
■Key Points
・2023年3月期第2四半期累計業績は数量増効果と利益率改善によりV字回復に
・ホール軒数の減少傾向が続くも、スマート遊技機の導入による市場活性化に期待
・2023年3月期は期初計画を据え置くも利益は第2四半期までに通期計画を超過
・稼働力の高い新機種開発とスマート遊技機の投入によりシェア拡大を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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