注目トピックス 日本株
フェイスNW Research Memo(1):2023年3月期第2四半期は大幅増収増益、通期で2ケタ増益の蓋然性高まる
配信日時:2022/12/20 15:01
配信元:FISCO
■要約
1. 会社概要
フェイスネットワーク<3489>は、東京都の城南3区(世田谷区、目黒区、渋谷区)を中心に、不動産投資支援事業及び不動産マネジメント事業を展開している。不動産投資支援事業では、不動産投資用の新築一棟RCマンション、中古一棟ビルリノベーション、不動産小口化商品の企画・開発・販売を行っている。また、不動産マネジメント事業では、不動産オーナー及び同社が保有する不動産の管理・運営(Property Management=プロパティ・マネジメント。以下、PM)を行っている。
土地の仕入から設計・施工・賃貸募集・物件管理・一棟販売まですべてを一括して管理する「ワンストップサービス」を提供し、特に自社で設計・施工していることが強みとなっている。同社がメインターゲットとする城南3区において一定の知名度を得ているため、当該エリアにおける仕入用土地情報を比較的入手しやすい状況にある。さらに在庫リスクを軽減するため、土地を先行販売して設計・施工を請け負う建築商品の比率を戦略的に高めている。
2. 業績動向
2023年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比122.8%増の7,237百万円、営業利益が272百万円(前年同期は269百万円の損失)、経常利益が183百万円(同388百万円の損失)、四半期純利益が123百万円(同270百万円の損失)となった。前期より販売時期を見直した物件の売却や、土地先行販売の実施が奏功し、前年同期比で大幅な増収増益となった。トピックスとしては、メインブランドである「GranDuo(グランデュオ)」シリーズの企画開発及び販売の拡大、不動産小口化商品の販売を推進するとともに、業務効率化を目的とした社内業務システムの運用開始に向け、積極的に取り組んだ。城南3区エリアに特化している強みを活かし、開発用地の仕入は順調に進んでおり、仕掛販売用不動産の2023年3月期第2四半期末残高は前期末比1,827百万円増の9,327百万円まで積み上がった。同社の業績は不動産業界の特性上、第4四半期に売上・利益が偏重する傾向にあるが、これらの仕掛販売用不動産の積み上げが売上・利益の加速度的な増加要因になると弊社では見ている。
2023年3月期の業績については、売上高で前期比23.4%増の21,000百万円、営業利益で同13.7%増の2,000百万円、経常利益で同12.4%増の1,700百万円、当期純利益で同11.2%増の1,150百万円とする期初予想を据え置いている。開発物件大型化・高付加価値化による収益性向上と、DX推進による効率性向上により増収増益を見込む。同社はDX推進及び人材採用・育成に積極的に投資していく方針で、継続的な成長投資が業績拡大のための基盤を強固にしていくと弊社では見ている。なお、通期予想に対する進捗率は売上高で34.5%、営業利益で13.6%であるが、前年同期の売上高進捗率が19.1%、各損益は損失計上から黒字転換したこと、また、不動産業界の特性上、第4四半期に売上・利益が偏重する傾向にあることを考慮すれば、通期予想達成の可能性は高いと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は2021年12月15日に、新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書の策定に合わせて中期経営計画の更新を発表した。前回の中期経営計画策定時からの外部環境・内部環境の変化を織り込み、より実効性の高い経営計画とするため、計画期間を1年延長し、「NEXT VISION 2025」に更新した。計画の基本方針では、「既存事業の安定的な成長による事業基盤の強化」「コーポレート・ガバナンスの強化とIRの積極的な取り組み」「DX推進により業務効率化を図り、強固な経営基盤を構築」「持続可能な社会の実現に貢献する取り組みの推進」を掲げている。また、数値計画としては、最終年度である2025年3月期に売上高28,000百万円、営業利益2,500百万円、経常利益2,100百万円、当期純利益1,400百万円を掲げている。日本の不動産投資市場、なかでも安定した収益が見込める東京のレジデンスに対する注目度は高く、賃貸用不動産への投資需要は引き続き増加基調が予想されている。また同社がメインターゲットとする城南3区は、立地面で安定的な収益が見込まれるエリアである。事業環境はおおむね良好であり、当該エリアでの競合優位性もあることに加え、新たな収益の柱の育成に向けて新規領域への展開にも積極的であることから、中期成長性を評価できると弊社では見ている。
■Key Points
・東京都の城南3区を中心に不動産投資支援事業及び不動産マネジメント事業を展開
・2023年3月期第2四半期は大幅増収増益。通期で2ケタ増益の蓋然性が高まる
・中期経営計画を「NEXT VISION 2025」に更新。強固な経営基盤を構築することで、2025年3月期に売上高28,000百万円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
<SI>
1. 会社概要
フェイスネットワーク<3489>は、東京都の城南3区(世田谷区、目黒区、渋谷区)を中心に、不動産投資支援事業及び不動産マネジメント事業を展開している。不動産投資支援事業では、不動産投資用の新築一棟RCマンション、中古一棟ビルリノベーション、不動産小口化商品の企画・開発・販売を行っている。また、不動産マネジメント事業では、不動産オーナー及び同社が保有する不動産の管理・運営(Property Management=プロパティ・マネジメント。以下、PM)を行っている。
土地の仕入から設計・施工・賃貸募集・物件管理・一棟販売まですべてを一括して管理する「ワンストップサービス」を提供し、特に自社で設計・施工していることが強みとなっている。同社がメインターゲットとする城南3区において一定の知名度を得ているため、当該エリアにおける仕入用土地情報を比較的入手しやすい状況にある。さらに在庫リスクを軽減するため、土地を先行販売して設計・施工を請け負う建築商品の比率を戦略的に高めている。
2. 業績動向
2023年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比122.8%増の7,237百万円、営業利益が272百万円(前年同期は269百万円の損失)、経常利益が183百万円(同388百万円の損失)、四半期純利益が123百万円(同270百万円の損失)となった。前期より販売時期を見直した物件の売却や、土地先行販売の実施が奏功し、前年同期比で大幅な増収増益となった。トピックスとしては、メインブランドである「GranDuo(グランデュオ)」シリーズの企画開発及び販売の拡大、不動産小口化商品の販売を推進するとともに、業務効率化を目的とした社内業務システムの運用開始に向け、積極的に取り組んだ。城南3区エリアに特化している強みを活かし、開発用地の仕入は順調に進んでおり、仕掛販売用不動産の2023年3月期第2四半期末残高は前期末比1,827百万円増の9,327百万円まで積み上がった。同社の業績は不動産業界の特性上、第4四半期に売上・利益が偏重する傾向にあるが、これらの仕掛販売用不動産の積み上げが売上・利益の加速度的な増加要因になると弊社では見ている。
2023年3月期の業績については、売上高で前期比23.4%増の21,000百万円、営業利益で同13.7%増の2,000百万円、経常利益で同12.4%増の1,700百万円、当期純利益で同11.2%増の1,150百万円とする期初予想を据え置いている。開発物件大型化・高付加価値化による収益性向上と、DX推進による効率性向上により増収増益を見込む。同社はDX推進及び人材採用・育成に積極的に投資していく方針で、継続的な成長投資が業績拡大のための基盤を強固にしていくと弊社では見ている。なお、通期予想に対する進捗率は売上高で34.5%、営業利益で13.6%であるが、前年同期の売上高進捗率が19.1%、各損益は損失計上から黒字転換したこと、また、不動産業界の特性上、第4四半期に売上・利益が偏重する傾向にあることを考慮すれば、通期予想達成の可能性は高いと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は2021年12月15日に、新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書の策定に合わせて中期経営計画の更新を発表した。前回の中期経営計画策定時からの外部環境・内部環境の変化を織り込み、より実効性の高い経営計画とするため、計画期間を1年延長し、「NEXT VISION 2025」に更新した。計画の基本方針では、「既存事業の安定的な成長による事業基盤の強化」「コーポレート・ガバナンスの強化とIRの積極的な取り組み」「DX推進により業務効率化を図り、強固な経営基盤を構築」「持続可能な社会の実現に貢献する取り組みの推進」を掲げている。また、数値計画としては、最終年度である2025年3月期に売上高28,000百万円、営業利益2,500百万円、経常利益2,100百万円、当期純利益1,400百万円を掲げている。日本の不動産投資市場、なかでも安定した収益が見込める東京のレジデンスに対する注目度は高く、賃貸用不動産への投資需要は引き続き増加基調が予想されている。また同社がメインターゲットとする城南3区は、立地面で安定的な収益が見込まれるエリアである。事業環境はおおむね良好であり、当該エリアでの競合優位性もあることに加え、新たな収益の柱の育成に向けて新規領域への展開にも積極的であることから、中期成長性を評価できると弊社では見ている。
■Key Points
・東京都の城南3区を中心に不動産投資支援事業及び不動産マネジメント事業を展開
・2023年3月期第2四半期は大幅増収増益。通期で2ケタ増益の蓋然性が高まる
・中期経営計画を「NEXT VISION 2025」に更新。強固な経営基盤を構築することで、2025年3月期に売上高28,000百万円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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