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NYの視点:米消費の急激な落ち込みで2番底懸念も、デルタ株への懸念強まる、FRBに警鐘

配信日時:2021/09/01 07:32 配信元:FISCO
コンファレンスボードが発表した8月消費者信頼感指数は113.8となった。7月分は129.1から125.1へ下方修正され、予想以上に低下し、2月来で最低。現況は147.3と、2カ月連続の低下で4月来で最低となった。7月分は160.3から157.2へ下方修正された。期待は91.4と1月来で最低となった。7月分は108.4から103.8へ下方修正された。

新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大やインフレが13年ぶりの高水準で、消費者マインドが悪化。現況の経済状況や短期的な楽観的な見通しが後退した。消費者の住宅、自動車、家電購入意欲も後退。一方、6カ月内に休暇取得を考えている消費者は依然高止まりとなった。1年物の期待インフレは6.8%と、6.6%から上昇し、2008年来で最高を記録している。

雇用の現況や見通しでも若干鈍化の兆しが見られる。急激な消費の冷え込みで2番底懸念に陥る可能性を警戒する悲観的な予測もある。

カナダ4-6月期国内総生産(GDP)は前期比年率−1.1%と、1-3月期+5.5%から予想外にパンデミックが発生直後の昨年4−6月期以降1年ぶりのマイナス成長に落ち込んだ。自動車のサプライチェーンの問題が輸出に影響した。パンデミックによるサプライチェーンの問題が回復した際には、再び力強い成長に回復する可能性は残る。しかし、現状の結果を受けてカナダ中銀が2022年に速やかに金融政策を正常化するとの思惑が後退。カナダ中銀は先進諸国の中銀の中でも最も早い段階で緩和縮小をすでに開始している。

カナダの状況は米国経済にとっても警鐘をならす。経済にかなりの不透明性が残る中、FRBの金融政策の舵取りは非常に困難ものとなっている。

■8月消費者信頼感指数:113.8(7月:125.1、前年86.3)
現況:147.3(157.2、85.8)
期待:91.4(103.8、85.6)

雇用現況
十分:54.6(55.2、21.4)
不十分:33.6(33.7、55.0)
困難:11.8(11.1、23.6)

6カ月後
雇用
増加:23.0(25.5、29.9)
減少:18.6(17.8、21.2)
不変:58.4(56.7、48.9)

購入予定
自動車:10.8(12.1、10.1)
住宅:6.2(6.4、6.2)
家電:50.2(53.9、44.9)

休暇取得:41.1(前年35.3)

インフレ12カ月:6.8(6.6、5.8)





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