新着ニュース一覧
みんかぶニュース 個別・材料
シュッピンの8月売上高は7カ月連続プラス
シュッピン<3179.T>がこの日の取引終了後、8月度の月次情報を発表しており、売上高は前年同月比11.3%増の30億9600万円と7カ月連続で前年実績を上回った。
主力のカメラ事業でEC売上高が堅調に推移していることに加えて、時計事業では戦略的商材のラインアップ拡充(在庫投資)が寄与した。また、新規Web会員数も堅調に推移しており、会員数は前月比4029人増の53万6034人となった。
出所:MINKABU PRESS
2021/09/07 15:29
みんかぶニュース 為替・FX
欧米(7日)の注目経済指標=ドイツZEW景況感指数など
きょう発表される欧米の注目経済指標には、ドイツ9月ZEW景況感指数などがある。
午後6時00分 ドイツ9月ZEW景況感指数
予想(コンセンサス):30.3
午後6時00分 ユーロ圏4~6月期実質GDP(確報値)
予想(コンセンサス):前期比2.0%増
出所:MINKABU PRESS
2021/09/07 15:27
日経QUICKニュース
新興株7日 マザーズ続伸、ジャスダック3日ぶり反落 IT株が高い
7日の新興企業向け株式市場で、東証マザーズ指数は続伸した。終値は前日比13.00ポイント(1.14%)高い1148.86だった。日経平均が一時3万円に乗せるなど、相場全体の良好な地合いが支えとなった。時価総額の大きいIT(情報技術)株や医薬品株に買いが入り指数上昇に寄与した。メルカリやそーせい、ヘリオスが上昇した。 もっとも、午後にマザーズ指数は上げ幅を縮めきょうの安値を付けた。市場では「9月下旬から相次ぐ新規株式公開(IPO)を前に換金売りの警戒が出ている」(国内証券)との指摘もあった。HENNGEやPアンチエイ、キャリアが下落した。 日経ジャスダック平均株価は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比4円09銭(0.10%)安い4039円96銭だった。ジャスダック市場の売買代金は概算で691億円、売買高は7531万株だった。フェローテクやプロルート、Tホライゾンが下落した。半面、Mipoxやシンバイオ、ワークマンは上昇した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
2021/09/07 15:22
日経QUICKニュース
東証大引け 7日続伸、一時3万円台 過熱感から売りも
7日の東京株式市場で日経平均株価は7日続伸し、前日比256円25銭(0.86%)高の2万9916円14銭と、4月5日(3万0089円)以来の高値となった。短期筋の売り方による買い戻しが優勢で、午前には上げ幅を380円超まで広げ、約5カ月ぶりに3万円に乗せる場面があった。もっとも、きょうまで相場が急伸したことで利益確定などの売りも出やすかった。 次期政権の経済対策期待や新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあることで「日本株買いを見送っている理由が消えつつある」(大和証券の細井秀司シニアストラテジスト)との声が聞かれ、欧米株に比べて出遅れ感のある日本株に物色が広がった。市場では海外勢の中長期資金が入り始めているとの見方も出ていた。 日経平均は8月30日からの7営業日で2275円上昇した。7日続伸は2020年11月上中旬の8連騰以来。急速な上昇で短期的な過熱感が意識され、戻り待ちの売りも出て上値を抑えた。このところ上昇基調だった海運株などには売りが目立った。 JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに7日続伸した。TOPIXの終値は22.16ポイント(1.09%)高の2063.38で、31年ぶりの高値圏を維持した。 東証1部の売買代金は概算で3兆4335億円と、6月18日以来およそ3カ月ぶりの高水準だった。売買高は12億5738万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1477と、全体の約7割を占めた。値下がりは602、変わらずは110銘柄だった。 ソフトバンクグループが大幅高。JR西日本やANAHDが上昇した。日経平均構成銘柄への10月からの採用が発表されたキーエンスや村田製も高かった。一方、商船三井と郵船が下落。ZHDやニコンの下げも目立った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
2021/09/07 15:22
Miniトピック
中国の貿易統計
7日発表予定の中国の8月貿易統計では、輸出額(米ドルベース)が前年比+25.6%、輸入額は前年比+33.1%となった。輸出入額の伸び率は7月実績を上回っており、良好な結果となった。ただ、先週発表された8月財新製造業とサービス業のPMIは、いずれも節目の50を下回っており、7-9月期の中国経済はさえない状態となる可能性がある。 中国政府は経済成長が多少減速しても各種業界に対する規制強化を進めるとみられており、市場参加者の多くは特にサービス業の企業活動が大幅に抑制されることを警戒しているようだ。8月の貿易統計から規制強化の影響を読み取れなかったが、製造業にも何らかの影響が及ぶ可能性があるため、中国の貿易統計データをこれまで以上に注視する必要がありそうだ。
<MK>
2021/09/07 15:17
注目トピックス 日本株
大幸薬品 Research Memo(4):2021年12月期は、中間配当は「無配」、期末配当も「無配予想」へ修正
■株主還元大幸薬品<4574>は、堅実な成長性を維持する事業展開と安定的な経営体力維持のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を維持していくことを基本方針とし、連結業績も反映した配当政策としている。過去5年間(2016年3月期から2020年12月期)の配当の推移を見ると、配当金で5.0倍(年5.0円から年25.0円)、配当性向で5ポイント上昇(23.0%から28.0%)と継続して株主還元を強化してきた。2021年12月期は、配当金で年20.0円(普通配当部分は3.00円の増配)を期初に予想していたが、当期純利益が大幅な赤字見通しとなったことから、中間配当は「無配」、期末配当についても「無配予想」へ修正された。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
2021/09/07 15:14
注目トピックス 日本株
大幸薬品 Research Memo(3):空間除菌ニーズは中長期的には上昇トレンド。二酸化塩素製品の医薬品化に着手
■大幸薬品<4574>のトピックス1. 空間除菌市場の今後:空間除菌ニーズは中長期的には上昇トレンド空間除菌市場は、2008年以降アップダウンがありながらも右肩上がりで成長してきた。2009年に新型インフルエンザによる特需で盛り上がったものの、2010年には反動減で市場が縮小。2020年にも新型コロナウイルスによる需要拡大があったが、今年は減速している。今後もこれらの年毎の変動は発生するが、マクロトレンドとしては増加していくことが想定される。1つの要因は消費者の衛生意識の高まりである。総務省の家計調査によると、1世帯当たりの衛生用品への年間の支出は、2015年の16,389円から2019年19,875円まで上昇し、コロナ禍の影響がなかった時期にも着実に増加しており、衛生意識が年々高まっていることがわかる。コロナ禍がスタートした2020年には、年間支出は30,592円に跳ね上がり、2021年には25,982円に落ち着く予想だが、それでもコロナ禍前の2019年の水準よりも高い。また、世界的なパンデミックや身近な感染症の脅威も空間除菌市場の成長のドライバーである。パンデミックに関しては、2000年以降だけでも、SARS、新型インフルエンザ、MERS、エボラ出血熱、新型コロナウイルスなどが発生した。身近な感染症として、インフルエンザ、感染性胃腸炎・ノロ、RSウイルス、手足口病、溶連菌感染症などの脅威はなくなっていない。今後も毎年の上下の波はあるものの、空間除菌ニーズの中長期的な上昇トレンドは変わらないであろう。2. 二酸化塩素製品の医薬品化に着手同社は二酸化塩素製品による空間除菌市場の草分けとして、業界をリードしてきた。2018年には「浮遊ウイルス感染対策方法(特許 第6055861)」の特許を取得し、二酸化塩素ガスが浮遊ウイルスを失活する方法を開示した。その後も、2020年に二酸化塩素の新型コロナウイルス感染阻止の機構を解明するなど、エビデンスを基に空間除菌市場の確立に貢献してきた。今後は、「二酸化塩素製品の医薬品化」に向けた働きかけを開始する予定である。これが達成されれば、消費者は二酸化塩素製品をより安心して選択できるようになり、業界の健全な発展が期待できる。動物用の世界では、二酸化塩素の医薬品・医薬部外品化は始まっている。2021年5月には、「薬用クレベリンクリーナー犬猫用」が、犬猫用の動物用医薬部外品としての製造販売承認を農林水産省から取得した。効能又は効果として、犬猫の耳内の洗浄及び汚れの除去、耳内の殺菌消臭、犬猫の足の殺菌消臭が承認された。3. ESGへの積極的な取り組み同社の経営理念は「大幸薬品は「自立」、「共生」、「創造」を基本理念とし、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供します。」であり、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)という言葉が注目される以前から、その理念を掲げ、本業及び本業以外の活動を通して実践してきた。コロナ禍においては、東京都(社会福祉施設等64ヶ所)や関西の6府県2市(滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、徳島県、堺市、神戸市)の医療・介護従事者に対して、クレベリン等の衛生管理製品を寄贈・設置してきた。衛生管理製品「クレベリン」の寄贈等の支援活動を高く評価され、2021年5月に、日本政府から、公益のため多額の私財を寄附した者に与えられる紺綬褒章(褒状)が授与された。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
2021/09/07 15:13
注目トピックス 日本株
大幸薬品 Research Memo(2):2021年12月期業績予想は、売上高125億円、営業損失20億円に下方修正
■今後の見通し大幸薬品<4574>の2021年12月期通期の業績予想は、売上高:12,500百万円、営業損失:2,000百万円、経常損失:3,400百万円、親会社株主に帰属する当期純損失:2,800百万円に下方修正された。前期(12ヶ月間に調整した参考数値)と比較すると、売上高で前期比9,500百万円減、営業利益で同6,500百万円減、経常利益で同7,800百万円減、親会社株主に帰属する当期純利益で同5,900百万円減と、前期業績及び期初予想を大幅に下回る見通しとなった。医薬品事業の売上高予想は4,320百万円(期初予想は4,350百万円、前期参考値は4,337百万円)と前期と同水準である。2021年12月期下期以降は緩やかな回復を見込んでいる。第2四半期段階の通期売上高予想に対する進捗率は45.4%(前年同期は40.9%)であり、進捗は順調である。感染管理事業の売上高予想は前期比52.6%減の8,170百万円に下方修正され、期初予想17,640百万円からも大幅減収となった。2021年12月期の期初予想では、コロナ禍のある程度の収束を予想し、前期特殊要因の反動減(売上換算で約28億円)を織り込んでいたが、需要予測が当初計画を大幅に下回る想定に変わり、加えて他社商品を含めた市場在庫が過多となっているため、下期の出荷も想定を下回る見通しとなったためである。売上高予想が下方修正されたことで、第2四半期段階の通期売上高予想に対する進捗率は38.4%(前年同期は46.4%)となった。秋冬の商談結果や市場における店頭在庫の消化の程度なども把握できる段階になっており、依然としてコロナ禍における不透明感はあるが、予想の精度は向上していると言えるだろう。新型コロナウイルス(変異株含む)に対する二酸化塩素の有効性データ取得や新製品の拡販、業務用や海外向けなど新規販売チャネルへの注力などの営業・マーケティング施策は継続し、トップラインの着実な成長への投資も続ける。利益に関しては、上期に棚卸資産の評価減や生産調整に伴う操業停止関連費用の計上を行ったため、通期予想においてもその影響が残る。一方で、上期に抜本的な処理を行ったために、期末にかけて大きく需要調整関連の費用が膨らむことは想定されない。下期単独では、営業利益で280百万円、経常損失で663百万円、当期純損失で428百万円と、収支の改善を予想する。感染管理製品市場においては、前年の急激な市場拡大に伴い競合他社も増加したものの、反動減も大幅になっており、プレーヤーの淘汰が予測される。激変する市場の中で「クレベリン」は認知度No.1(同社2021年調査では認知率76.5%)のブランドであり、シェア拡大の機会でもある。同社においては、需要増大に合わせて固定費が増加したために、在庫調整や工場操業停止の費用を余儀なくされたが、盤石な財務体質もあり、余裕を持って乗り切ることができる。弊社では、抜本的な収益体質改善策を早期に打ち出せた点を高く評価している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
2021/09/07 15:12
注目トピックス 日本株
大幸薬品 Research Memo(1):2021年12月期第2四半期は大幅減収も、医薬品事業は回復傾向
■業績動向大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。2021年12月期第2四半期(1月~6月)は、売上高が5,106百万円(調整後前年同期比47.7%減)、営業損失が2,280百万円(調整後前年同期は3,305百万円の利益)、経常損失が2,737百万円(同3,199百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が2,372百万円(同2,137百万円の利益)と、感染管理事業の減収及び同事業の棚卸資産の評価損により大幅な損失計上となった。売上高に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴い衛生管理意識が急激に高まり、感染管理事業が記録的な売上高となった前年同期と比較すると47.7%減となり反動減が顕著になった。一方で前々年同期との比較では9.9%増の水準である。国内医薬品事業の売上高は1,475百万円(前年同期比3.3%減)となり、コロナ禍に伴う消費者の外出自粛及びインバウンド需要の消失は続くものの、2021年4月以降、コロナ禍の影響が一巡したこと等から前年同期比では回復傾向である。主力のセイロガン糖衣Aは前年同期比0.6%減とほぼ前年並み。止瀉薬市場シェアは47.7%(2021年1月~6月)とやや下げたものの高いシェアを維持する。海外医薬品事業の売上高は487百万円(同94.7%増)と中国向けが販売ライセンス更新に伴う出荷前倒しにより増収となった。各国ともに店頭消化はコロナ禍の影響から回復傾向である。感染管理事業の売上高は、3,140百万円(同60.7%減)となった。コロナ禍の長期化による消費者の不安度の鈍化や、ワクチン接種が始まったこと等から、コロナ禍が始まった前年同期からの大幅な反動減となった。商品別では、主力である「クレベリン」及び日常除菌の商品群「クレベ&アンド」も減少幅は同程度。競合他社を含めた除菌関連製品全般の市場在庫過多によって販売が低迷した。売上総利益は、感染管理事業の販売予測の見直しに伴い、保有在庫の評価減(1,721 百万円)を実施したことが大きく影響し、大幅な減少となった。販管費に関しては、広告宣伝費の増加や在庫保管量上昇に伴う運送費の増加によって、販管費全体も増加した。結果として、営業損失2,280百万円の計上となった。セグメント利益では医薬品事業が594百万円の利益(前年同期比41.2%増)、感染管理事業は2,139百万円の損失(前年同期は3,599百万円の利益)と明暗が分かれた。なお、営業外費用として操業停止関連費用(345 百万円)、特別損失として遊休金型等の減損損失(225 百万円)を計上した。大幅な減益決算となったが、減益要因の多くは一時的な費用であり、来期以降の収益体質改善に期待したい。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
2021/09/07 15:11
みんかぶニュース 市況・概況
明日の決算発表予定 アイモバイル、ストリームなど12社 (9月7日)
9月8日の決算発表銘柄(予定)
■引け後発表
◆本決算:
<6535> アイモバイル
◆第1四半期決算:
<2923> サトウ食品 [東2]
<3161> アゼアス [東2]
<3770> ザッパラス
<7901> マツモト [JQ]
◆第2四半期決算:
<2163> アルトナー
<3071> ストリーム [東2]
<3246> コーセーRE
<4238> ミライアル
<4334> ユークス [JQ]
<7064> ハウテレ [東M]
<8842> 楽天地
合計12社
※「株探」では、株価、PER、利回りなどを併記した【決算発表予定】銘柄一覧をご覧いただけます。
株探ニュース
2021/09/07 15:11
本日の注目個別銘柄
ACCESS、アイル、NIPPOなど
<4927> ポーラオルHD 2615 +121急伸。JPモルガン証券では投資判断「オーバーウェイト」で調査を再開、目標株価を2800円としている。なお、以前の目標株価は2200円であった。ECと海外の積極展開で基幹の「POLA」ブランドが再成長に転じつつあり、高利益率の「POLA」のウェイト拡大や利益率改善が全社利益をけん引する可能性が高まってきたと指摘。本質的な成長力強化を評価するとしている。<6191> エアトリ 3100 -10一時急伸も伸び悩み。前日に21年9月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の26億円から40億円にまで増額、前期比では130億円の損益改善となる。エアトリ旅行事業は需要増減に応じた最適な広告投下で安定的に利益を確保できるもよう。他事業も、事業ポートフォリオの分散及び再構築推進効果から好調に推移する見込み。ただ、第3四半期の時点で通期計画は超過しており、業績上振れは想定線との見方も強く、朝方急伸した後は伸び悩んで下落に転じている。<7518> ネットワン 3825 +185急伸。前日に自己株式の取得実施を発表し、買い材料視されている。発行済み株式数の4.72%に当たる400万株、100億円を取得上限としており、取得期間は9月7日から12月23日までとしている。機動的な資本政策を遂行するとともに、資本効率の向上と株主還元の充実を図ることを目的としている。高水準の自社株買いが目先の需給を改善させるとの期待感が先行している。<4507> 塩野義薬 7489 +209急伸。ジェフリーズ証券では投資判断を「ホールド」から「バイ」に格上げ、目標株価も5500円から8400円に引き上げている。業績予想に新型コロナ治療薬候補S17622の可能性を加え、24年3月期以降の業績予想を上方修正しているもよう。S17622は売上高数億ドル規模の製品となる可能性があるとしている。9月29日にはR&D説明会が予定されており、開発中のワクチンも含めて詳細が明らかになるとみているようだ。<1881> NIPPO 4215 +700ストップ高比例配分。株式の非公開化を検討していることが分かったと報じられている。親会社のENEOSHDと米ゴールドマンサックスが設立した特別目的会社がTOB(株式公開買い付け)を実施し、ENEOS以外の株主から株式を買い取るもよう。会社側では、本日開催する取締役で本件を審議する予定としている。TOB価格などは示されていないが、TOB実施の場合は相応のプレミアムが付与されるとの期待感が先行。<2760> 東エレデバ 6400 +590大幅続伸。前日に業績予想の上方修正を発表、上半期経常利益は従来の15億円から20億円に、通期では51億円から56億円に引き上げている。半導体及び電子デバイス事業において、産業機器向けや車載向けをはじめとする幅広い分野で半導体製品の販売が好調に推移しているもよう。年間配当金も従来の175円計画から190円に引き上げ、前期比では65円の増配となる。<4813> ACCESS 1126 +150ストップ高。前日に上半期の決算を発表、営業損益は18.2億円の赤字となり前年同期比0.3億円の損益悪化、従来予想16.6億円の赤字見通しを下回った。ただ、EBITDAは2.7億円の赤字で同2.7億円の改善となっている。ロイヤリティ収入の増加などで売上高が拡大した。ネットワーク事業の説明会も開催、導入実績として、ターゲット市場の各領域で商用採用が増加していることなどを明らかにしている。<3854> アイル 1930 +206大幅反発。前日に21年7月期の決算を発表、営業利益は18.3億円で前期比7.6%増、従来予想の16億円を上回って一転増益着地になっている。年間配当金も15円計画から17円に引き上げ。また、22年7月期は20億円で同9.3%増益の見通しとしている。また、3か年計画も発表、24年7月期は28億円を計画。中堅中小企業の旺盛なDXニーズを取り込み、システムソリューション事業、Webソリューション事業ともに伸長を見込んでいる。<5707> 東邦鉛 2450 +248大幅続伸。前日に日経平均の定期入れ替えが発表されている。日清紡HD<3105>、スカパーJ<9412>、 東洋製罐グループホールディングス<5901>などが除外銘柄となっているが、同社も除外候補の一角として位置づけられていたため、継続採用となったことで今後の需給面などに対する買い安心感などが先行しているもよう。同社のほか、大平洋金属<5541>やマルハニチロ<1333>なども、除外観測があったものの継続採用となったことで、本日は買いが優勢の展開に。<7974> 任天堂 55680 +540続伸。前日に日経平均の定期入れ替えが発表されており、同社は新規採用銘柄に選定されている。9月30日に日経平均組み入れのリバランスが実施され、同社には約3日分の買い入れインパクトが発生するとみられている。採用ルールが改定されており、これまで値がさがネックだった同社にも今回は新規採用への期待が高かったとみられ、上昇幅は限定的なものにとどまっている。一方、村田製<6981>やキーエンス<6861>などは相対的に高い上昇率に。
<ST>
2021/09/07 15:10
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(9):治療法がない疾病分野等を対象に、遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す
■今後の成長戦略アンジェス<4563>は経営理念として、「治療法がない疾病分野や難病・希少疾患などを対象にした革新的な遺伝子医薬の開発・実用化を通じて、人々の健康と希望にあふれた暮らしの実現に貢献する」ことを掲げ、長期ビジョンとして「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目指している。黒字化の時期に関しては、開発パイプラインの進捗状況次第となる。特に、米国でHGF遺伝子治療用製品の開発に成功した場合には、数十億円規模のマイルストーン収益(既に受領した契約一時金含む)が得られる見通しとなっているため、その動向には注目しておきたい。また、椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴについても臨床試験の良好な結果を受け、ライセンス契約の可能性が出てきている。Emendoを子会社化したことで中期的に研究開発費の増加が予想されるが、Emendoが開発を進めているパイプライン導出の可能性や、先進的なゲノム編集技術として注目されている「OMNITM」プラットフォーム技術のライセンスフィーを獲得できる可能性もある。今後の事業展開を進めていくうえでの基本戦略としては、1)「コラテジェン®」の事業価値最大化、2)ポスト「コラテジェン®」の育成、3)新規事業領域への展開の3点を掲げている。1. 「コラテジェン®」の事業価値最大化「コラテジェン®」の国内戦略に関しては「潰瘍の改善」に関する市販化後調査を進め2024年の本承認と同時に、「安静時疼痛の改善」に適応拡大を図ることで、薬価の見直しを図りたい考えだ。また、米国では臨床試験を進め早期の販売承認を目指していくとともに、米国の開発状況を見ながら欧州でも上市に向けた開発を進めていく方針となっている。日米欧以外の国や地域でもイスラエルやトルコに続く新たな導出先を開拓していく。さらには、適応症拡大のための基礎試験や臨床研究も推進していく。同社ではこうした戦略を進めることで「コラテジェン®」の事業価値最大化を図っていく方針であり、海外での上市や適応拡大が進んだ段階で売上高も本格的な拡大期に入るものと予想される。2. ポスト「コラテジェン®」の育成「コラテジェン®」に続く第2の柱を育成し、成長基盤の強化を図っていく。椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴや高血圧症を対象としたDNAワクチンなど現在、臨床試験を進めている開発品の早期POC取得と導出活動に注力していくほか、キメラデコイの早期プロジェクト化を目標としている。また、新型コロナウイルス感染症に関する予防用ワクチンや治療薬についても、今後の開発状況次第で収益に貢献することが期待される。3. 新規事業領域への展開「次の10年」を見据えた新規事業の展開に向けては、資本提携先との協業も進めながら事業化を目指している。Barcodeとの共同開発については終了したものの、マイクロバイオーム※を用いた医薬品の研究開発を行うMybioticsとの協業に向けた検討は進めている。MyBioticsでは2021年2月に、マイクロバイオームをベースとした細菌性膣炎の治療薬について、スイスの製薬企業であるFerring Pharmaceuticals等と共同開発していくことを発表したほか、同年4月にはメラノーマ患者に対するがん免疫療法をマイクロバイオームを用いて改善する治療法について、イスラエルの研究機関であるHadassah Cancer Research Instituteと共同研究契約を締結したことを発表している。※マイクロバイオーム(微生物叢)とは、ヒト微生物叢のゲノムとそれが発現する遺伝子群及び微生物叢とヒトの相互作用を含む広い概念を指す。この微生物叢とヒトとは共生しており、ヒトの身体は微生物叢の集合体とも言える。近年では生活習慣の変化がマイクロバイオームの生理状態の変化を誘導し、それが各疾患の増加に関係しているとの報告もあり、菌を活用して医療やヘルスケアに役立てる研究が活発化している。そのほかにも、マイクロバイオームの働きは精神疾患に関係しているとの研究報告があるほか、健康食品やサプリメントとして開発が進む可能性があるなど潜在的な成長性は大きい。同社も将来的にセルフメディケーションにつながる可能性のある事業としてマイクロバイオームに注目しており、将来的に共同開発を進めていく可能性がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2021/09/07 15:09
注目トピックス 市況・概況
日経平均大引け:前日比256.25円高の29916.14円
日経平均は前日比256.25円高の29916.14円(同+0.86%)で大引けを迎えた。なお、TOPIXは前日比22.16pt高の2063.38pt(同+1.09%)。
<FA>
2021/09/07 15:08
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(8):2021年12月期第2四半期累計業績は営業損失が拡大
■業績動向1. 2021年12月期第2四半期累計の業績概要アンジェス<4563>の2021年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比37.1%増の23百万円、営業損失は7,540百万円(前年同期は1,766百万円の損失)、経常損失は7,330百万円(同1,896百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7,450百万円(同1,896百万円の損失)となった。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発費用を中心に研究開発費が増加したことに加え、Emendoの子会社化に伴う事業費用やのれん償却額の計上等が損失拡大要因となっている。売上高については、「コラテジェン®」の販売増により製品売上高が増加した。事業費用のうち、売上原価についても製品売上高の増加にともなって増加している。研究開発費用が前年同期比で3,857百万円増加したが、増加要因の大半は新型コロナウイルス感染症ワクチンの臨床試験及び非臨床試験にかかる費用増によるもので、項目別では、研究用材料費で1,414百万円増加したほか、外注費で1,466百万円、消耗品費で108百万円それぞれ増加した。また、主にEmendoの子会社化に伴い、開発人員の給料手当が238百万円増加した。なお、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発費用については、前述したように国の補助金で賄われることになっており、プロジェクト報告書の審査が認証されれば、営業外収益に計上されることになっている。販管費については、前年同期比で1,919百万円増加した。Emendoの子会社化に伴ってのれん償却額1,180百万円や販管費を計上したほか、コンサルタントフィー等の支払手数料が327百万円増加した。また、営業外収支が前年同期から340百万円改善したが、このうち266百万円は外貨預金及びEmendoへの貸付金の評価替えによる為替差益の増加によるもので、120百万円が前年同期に計上した持分法投資損失がEmendoの子会社化に伴いなくなったことによる。また、特別損失として投資有価証券評価損を138百万円計上したが、これは前述したBarcodeとの共同開発を終了したことに伴い、保有株式をすべて減損処理したことによるものとなっている。2021年12月期も、新型コロナウイルス感染症ワクチン等の既存開発パイプラインの進展を最優先に取り組む方針2. 2021年12月期の業績見通し2021年12月期の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発状況や、国等からの補助金の公募、認定の有無なども含めて未確定な要素が多いことから、現時点では未定としている。事業方針としては、新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬を筆頭に、既存パイプラインの開発推進に注力していくほか、子会社のEmendoではゲノム編集技術を用いた具体的な開発品のプロジェクト化を最優先事項として取り組んでいくことにしている。なお、Emendoの業績については、まだ開発ステージであることから売上計上はなく、年間で10億円以上の営業損失が続くものと弊社では予想している(従業員数は前期末の53名から現在は60~70名程度に増員)。また、Emendoののれん償却額は年間で2,361百万円(10年間均等償却)となる見込みで、実際のキャッシュアウトは伴わないものの前期比での費用増要因となる。エクイティファイナンスの実施により、Emendoの事業活動資金や事業基盤拡大のための資金を調達3. 財務状況について2021年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比13,403百万円増加の51,758百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では第41回新株予約権(第三者割当)の行使が進んだことにより現金及び預金が12,282百万円増加したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造費用を前払いしたことにより前渡金が1,076百万円増加した。固定資産ではのれんが前期末比で303百万円増加した。のれんの償却で1,180百万円減少した一方で、円安進展に伴う為替換算等で1,484百万円の増加要因となった。また、Barcodeの投資有価証券評価損を計上したこと等により投資有価証券が145百万円減少した。負債合計は前期末比2,034百万円増加の7,709百万円となった。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発プロジェクトにかかるAMEDや厚生労働省からの補助金が入金され、前受金が2,166百万円増加の5,760百万円となったほか、ワクチン製造費用及び治験費用等の計上により買掛金が704百万円増加した。一方で、前期分の費用の支払いにより未払金が872百万円減少した。純資産は前期末比11,369百万円増加の44,048百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失7,450百万円の計上があったものの、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金をそれぞれ8,747百万円計上したほか、のれんにかかる為替換算等により為替換算調整勘定が1,357百万円増加したことが主因となっている。なお、第41回新株予約権(第三者割当て)についてはすべて行使が完了し、本新株予約権の発行価額の総額を含めて約174億円を調達した。調達資金の使途としては、Emendoの事業運営資金として90億円(3年間)、残りが事業基盤のさらなる拡大に向けた資金(海外企業の買収や資本参加等)に充当していくことにしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/07 15:08
注目トピックス 市況・概況
東京為替:ドル・円は上げ渋り、日本株は再浮上できず
7日午後の東京市場でドル・円は上げ渋り、109円80銭台でのもみ合い。日経平均株価は前場の取引で5カ月ぶりに30000円の大台を回復したが、達成感によりその後は失速。後場は29000円台で大台には再浮上できず、日本株高にらみの円売りは抑制された。ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円68銭から109円87銭、ユーロ・円は130円29銭から130円48銭、ユーロ・ドルは1.1869ドルから1.1885ドル。
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2021/09/07 15:07
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(7):先進的なゲノム編集技術を用いて、遺伝子治療薬の開発を進める
■アンジェス<4563>の主要開発パイプラインの動向4. Emendoのゲノム編集技術新たに子会社化したEmendoでは、先進的なゲノム編集技術「OMNITM(オムニ)」を用いて遺伝子治療薬の開発を進めている。ゲノム編集とは、特定の遺伝子(DNA配列)をDNA切断酵素(ヌクレアーゼ)によって特異的に切断、編集、改変する技術のことで、ゲノム編集により特定の遺伝子の機能を失わせたり、疾患の原因となっている遺伝子の異常を修正することが可能となる。これまでも複数のゲノム編集技術が開発されており、なかでも、CRISPR/Cas9は従来技術よりも短時間で簡単に標的となるDNA配列を切断できる革命的な技術として評価され、その開発者であるエマニュエル・シャルパンティエ教授とジェニファー・ダウドナ教授が、2020年のノーベル化学賞を受賞したことは記憶に新しい。Emendoでは、これまで一般に用いられてきた既存のCas9ヌクレアーゼとは異なる新規のRNA誘導型ヌクレアーゼ(ガイドRNAがゲノム上の標的配列にCas9ヌクレアーゼを誘導する)を探索し、これらをゲノム編集に応用する独自の技術プラットフォームを確立し、それを「OMNITM」と命名した。Emendoが開発するOMNITMヌクレアーゼの長所は、ターゲット遺伝子ごとにヌクレアーゼが最適化されるため、高い効率と精度を持ってゲノム編集ができる点にある。ヒトでの遺伝子疾患治療薬の開発では、ゲノム編集を高精度に行う必要があったが、「OMNITM」はそのブレイクスルーとなる技術として注目されている。現在、同社では社内に専任チームを作り、Emendoの経営陣と「OMNITM」の技術を生かした適応症の選定など、具体的なプロジェクト化に向けた協議を進めている状況にある。また、「OMNITM」技術の利用を希望するバイオベンチャーや製薬企業なども複数あるため、今後、同技術をプラットフォーム化してライセンスフィーを獲得していくビジネスモデルについても検討を開始している。想定される適応症としては、血液系や眼科、がん疾患のほか、神経系、免疫疾患、循環器系、治療法のない常染色体顕性遺伝子疾患、厳密な発現調節を要する遺伝子疾患など多岐にわたる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/07 15:07
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(6):NF-κBデコイオリゴはライセンス契約の期待が高まる
■アンジェス<4563>の主要開発パイプラインの動向2. NF-κBデコイオリゴNF-κBデコイオリゴは、人工核酸により遺伝子の働きを制御する「核酸医薬」の一種で、生体内で免疫・炎症反応を担う「転写因子NF-κB」に対する特異的な阻害剤となる。主にNF-κBの活性化による過剰な免疫・炎症反応を原因とする疾患の治療薬として、研究開発を進めている。(1) 椎間板性腰痛症(注射投与)椎間板性腰痛症の患部にNF-κBデコイオリゴDNA(開発コードAMG0103)を注射投与することによって、慢性腰痛に対する鎮痛効果とともに、椎間板変性に対する進行抑制や修復を促す効果が期待される。新タイプの腰痛治療薬として2018年2月より米国で後期第1相臨床試験(プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験、単回10mg投与、25症例)を実施し、全症例の投与後12ヶ月間におけるトップラインデータを2021年4月に発表した。発表資料によれば、12ヶ月間の観察期間を通じて重篤な有害事象は認められず高い安全性が確認されたこと、有効性についても投与早期に腰痛が大幅に軽減し、また、腰痛の抑制は投与12ヶ月後まで継続したことが確認されたとしている。また、患者自身からも高い満足度が得られており、良好な結果が得られたものと同社では評価している。治験責任医師からも、「AMG0103は素晴らしい安全性プロファイルを有し、12ヶ月にわたり腰痛を有意に軽減しており、慢性椎間板性腰痛症に苦しむ患者に対して画期的治療薬となる可能性があると考えています。さらに、腰痛の軽減に加えて、椎間板の高さを回復させる可能性が示唆されたことは注目に値します。」とのコメントを得ている。現在、慢性椎間板性腰痛症に関しては、一般療法としてステロイド注射(対処療法)が使われることが多いが、同治療薬との比較においても同等以上の効果が得られたとしている。ステロイドが一時的な対処療法であるのに対して、AMG0103は炎症を抑制する効果があり、その結果として腰痛の症状が改善することが理由と考えられる。椎間板性腰痛症は慢性的な腰痛疾患で、特に中高年層を中心に患者数は多い。米国では治療法として椎間板内注射が一般的であり、手技に習熟している医師も多いため、AMG0103の導入が進む環境は整っている。ただ、価格面を考えると鎮痛効果だけでは既存治療法と差別化が難しいため、椎間板変性に対する進行抑制効果や修復促進効果などが今後の臨床試験で確認できれば開発成功に向けて大きく前進するものと思われる。現在、FDAと第2相臨床試験のプロトコルについて協議を進めている状況にあるが、今回のトップラインデータの発表を受けて、製薬企業からも多く関心が寄せられており、今後、ライセンス契約等に発展する可能性も出てきている。なお、AMG0103の開発に成功すれば、慢性椎間板性腰痛症に使用される世界初の核酸医薬品となる可能性がある。(2) 次世代型「キメラデコイ」同社は2016年7月に次世代型「キメラデコイ」の基盤技術の開発を完了し、製品開発を進めている。従来のNF-κBデコイオリゴと比較して、「STAT6」と「NF-κB」という炎症に関わる2つの重要な転写因子を同時に抑制する働きを持つため、炎症抑制効果も格段に高まることが期待される。実際、動物実験ではNF-κBデコイオリゴよりも強い炎症抑制効果を持つことが確認されている。また、次世代型「キメラデコイ」は生体内での安定性に優れ、NF-κBデコイオリゴよりも分子量が3~4割少ないため、生産コストを低く抑えることが可能といった長所も持つ。同社は具体的な対象疾患として喘息、慢性関節リウマチ、変形性関節症、クローン病(炎症性腸疾患)などの炎症性疾患を想定している。既に開発が進行中の椎間板性腰痛症については既存のNF-κBデコイオリゴで開発を継続するが、今後の新たな開発は、「キメラデコイ」に移行していくことになる。現在、適応疾患の選定を行っている状況にあり、非臨床試験の開始時期は未定となっている。高血圧DNAワクチンは、第1相/前期第2相臨床試験のデータを解析し、今後の開発方針を策定中3. 高血圧DNAワクチンプラスミドDNA製法を用いたワクチンの1つとして、高血圧症を対象としたDNAワクチンの開発を進めている。同ワクチンは大阪大学の森下竜一(もりしたりゅういち)教授の研究チームにより基本技術が開発されたもので、血圧の昇圧作用を有する生理活性物質アンジオテンシンIIに対する抗体の産生を誘導し、アンジオテンシIIの作用を減弱させることで長期間安定した降圧作用を発揮するワクチンとなる。現在、主力の治療薬としてはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬(経口薬))があるものの、毎日服用する必要があるため、長期的に見れば患者1人当たりの治療コストは高い。このため、発展途上国では医療経済上の問題から使用が限定的となっている。同社が開発するDNAワクチンは既存薬よりも高薬価になると想定されるが、1回の治療で長期間の薬効が期待できるためトータルの治療コストは逆に低くなる可能性もあり、開発に成功すれば発展途上国も含めて普及拡大が期待される。同社は2018年4月よりオーストラリアで第1相/前期第2相臨床試験(プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験、予定症例数24例)を開始し、2020年3月にすべての患者への投与を完了した。二重盲検下で6ヶ月間の安全性と有効性(血圧の低下等)を評価し、その後6ヶ月の非盲検下での長期安全性及び有効性を評価する試験となっている。同プロジェクトに関しては、投与後6ヶ月間の経過観察期間における中間報告を2021年2月に発表している。結果としては、重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないこと、また、アンジオテンシンIIに対する抗体産生が確認できたとしている。現在は投与後12ヶ月間での安全性、免疫原性及び有効性に関するデータを纏め、後期第2相臨床試験のプロトコル等について検討を進めている段階にある。第1相/前期第2相臨床試験の最終結果は、公表する予定となっており、その内容が注目される。なお、高血圧DNAワクチンに関しては2020年6月に日本で、7月に米国でそれぞれ製剤特許及び用途特許を取得している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/07 15:06
みんかぶニュース 市況・概況
<動意株・7日>(大引け)=ネツレン、タスキ、東エレデバなど
高周波熱錬<5976.T>=8連騰で5カ月半ぶり年初来高値更新。同社は電気を熱源とした鋼材焼き入れを主力展開しており、自動車部品向け熱処理加工が好調で業績は急回復途上にある。22年3月期は営業利益が前期比3.6倍の33億円を計画するなど収益変貌が際立つ。一方、PBRが0.4倍台と解散価値の半値以下の水準にあり見直し買い人気が本格化している。今期は年間配当も前期実績に対し11円増配となる25円を計画、配当利回りは3%台後半と高い。IH技術を活用して二酸化炭素削減の新技術開発にも取り組んでおり、脱炭素関連の切り口でもテーマ性を内包している。
タスキ<2987.T>=物色人気に一時ストップ高。6日の取引終了後、21年9月期の単独業績予想について、売上高を91億円から91億5000万円(前期比30.2%増)へ、営業利益を8億7000万円から11億7000万円(同2.0倍)へ、純利益を5億3000万円から7億2000万円(同2.2倍)へ上方修正したことが好感されている。IoTレジデンスなどのセールスが順調に推移し、売上高が計画通りとなる見込みであることに加えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進などによる効率的な事業活動を行った結果、利益率が想定を大きく上回って推移しているという。
東京エレクトロン デバイス<2760.T>=急伸、年初来高値が視界入り。6日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1540億円から1630億円(前期比13.8%増)へ、純利益を44億円から48億円(同52.7%増)へ上方修正し、あわせて中間80円・期末95円の年175円を予定していた配当予想を中間・期末各95円の年190円にすると発表したことが好感されている。データ通信量の増大などを背景とした世界的な半導体需要の拡大が続いており、同社グループでも半導体及び電子デバイス事業で、産業機器向けや車載向けをはじめとする幅広い分野における半導体製品の販売が好調に推移していることが要因としている。なお、年間配当は前期実績に対して65円の増配になる予定だ。
オーナンバ<5816.T>=上げ足が加速。電子機器に使われるワイヤーハーネスで業界トップの商品競争力を有し、太陽光発電配線ユニットへの展開に力を入れている。自民党総裁選の行方はまだ見えないものの河野太郎規制改革相の人気が高い。河野氏は脱原発・脱炭素を推進する政策スタンスにあり、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギー関連株への追い風が意識されるなか、同社はその関連有力株として頭角を現している。業績も21年12月期は営業利益段階で前期比45%増の11億円と大幅な伸びを見込み、株価指標面ではPBRが0.5倍台前半と解散価値の半値水準に放置されていることから、水準訂正妙味が高まっている。
ダイトーケミックス<4366.T>=新値圏走る。前日は取引時間中に1423円まで上値を伸ばした後伸び悩み長い上ヒゲをつける形となったが、上値指向は強くきょうは改めて買い直されている。感光性材料のトップメーカーだが、需給ひっ迫状態にある半導体向けで高水準の需要を取り込んでいる。21年3月期営業利益は前の期比78%増の14億4300万円と急拡大したが、会社側はその反動を考慮して22年3月期について前期比38%減益の9億円見通しとした。しかし、市場では保守的との見方が強い。21年4~6月期営業利益は前年同期比37%増の5億4400万円と大幅な伸びを達成、第1四半期時点にもかかわらず対通期進捗率は60%強に達している。通期見通しの大幅増額修正期待を背景に物色人気に弾みがついている。
アイル<3854.T>=急速切り返しで年初来高値更新。株価は前週後半から調整局面にあったが、大きく買い直される展開にある。同社は中小企業向けを中心に商品の在庫管理や受発注などのシステム開発を手掛ける。6日取引終了後に発表した21年7月期決算は営業利益が前の期比7.6%増の18億2900万円だった。また、株主還元も強化し、前の期比2円増配となる17円とした。更に22年7月期も好調を継続、営業利益は20億円を見込んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大を背景としたテレワーク導入の動きとあわせ、受発注を電話などからネット経由に切り替える動きが活発で同社の収益機会を広げている。また同日に中期計画も発表し、数値目標としては24年7月期に営業利益28億円を掲げており、これも株価を刺激している。
※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。
出所:MINKABU PRESS
2021/09/07 15:05
みんかぶニュース 市況・概況
ETF売買動向=7日大引け、全銘柄の合計売買代金3389億円
7日の上場投資信託(ETF)および指数連動証券(ETN)の売買状況は、ETF・ETN合計の売買代金が前日比1.6%減の3389億円。うち、日経平均株価に連動するETF(ベアETF・レバレッジETFを含む)20銘柄の売買代金は同1.9%減の3020億円だった。
個別では上場インデックスファンド日本経済貢献株 <1481> 、TOPIXブル2倍上場投信 <1568> 、MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 <1550> 、グローバルX バイオ&メドテック-日本株式ETF <2639> 、One ETFJPX日経400 <1474> など68銘柄が新高値。ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス <1456> 、日経平均ベア2倍上場投信 <1360> 、TOPIXベア2倍上場投信 <1356> 、日経平均ベア上場投信 <1580> 、楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型 <1459> など18銘柄が新安値をつけた。
そのほか目立った値動きではNEXT 日経平均VI先物 <2035> が3.52%高と大幅な上昇。
一方、ChinaAMC CSI300 Index ETF <1575> は3.63%安と大幅に下落した。
日経平均株価が256円高と急騰するなか、日経平均に連動するETFでは、NEXT日経平均レバレッジ <1570> が売買代金1776億8600万円となり東証全銘柄で2位。過去5営業日の平均売買代金1560億9500万円を大幅に上回る活況となった。
その他の日経平均ETFではNEXT 日経平均ダブルインバース・インデックス <1357> が297億5700万円、楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型 <1458> が238億6400万円、日経平均ブル2倍上場投信 <1579> が204億8600万円、日経平均ベア2倍上場投信 <1360> が148億8700万円、NEXT 日経225連動型 <1321> が133億300万円の売買代金となった。
株探ニュース
2021/09/07 15:05
みんかぶニュース 為替・FX
債券:先物、後場終値は前営業日比5銭高の151円93銭
債券市場で、先物9月限の後場は前営業日比5銭高の151円93銭で引けた。
出所:MINKABU PRESS
2021/09/07 15:05
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(5):HGF遺伝子治療用製品の市販後調査は想定を上回る進捗
■主要開発パイプラインの動向アンジェス<4563>の主要開発パイプラインには、HGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴ、DNAワクチン等がある。各パイプラインの概要と進捗状況、今後の開発方針は以下のとおり。1. HGF遺伝子治療用製品HGF遺伝子治療用製品は血管新生作用の効果を活用して、閉塞性動脈硬化症のなかでも症状が進行した慢性動脈閉塞症向け治療薬として開発が進められてきた。慢性動脈閉塞症とは、血管が閉塞することによって血流が止まり、組織が潰瘍・壊疽を起こして最終的に下肢切断を余儀なくされることもある重篤な疾患である。治療法としてはカテーテル治療や血管バイパス手術などが行われているが、手術ができない状態になっているケースも多く、新たな治療法の開発が望まれていた。HGF遺伝子治療用製品は、血管が詰まっている部位周辺に注射投与することによって新たな血管を作り出し、血管新生による血流回復によって潰瘍の改善や安静時疼痛の緩和といった症状の改善を図るというもの。国内では2019年3月に、「標準的な薬物治療の効果が不十分で、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能、効果または性能として、条件及び期限付販売承認を取得し※、同年9月より「コラテジェン®筋注用4mg」として提携先の田辺三菱製薬を通じて販売を開始した。用法は、虚血部位に対して筋肉内投与を4週間間隔で2回行い(4mg/回)、症状が残存する場合には4週間後に3回目の投与を行うことも可能となっている。※本承認の条件は、承認日から5年以内に、1)重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で本品を使用すること、2)条件及び期限付き承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと、の2項となる。今回は条件及び期限付承認となるため、製造販売後承認条件評価を行うことになっており、5年以内に120症例のデータを収集し、非投与群80症例との比較を行い、同結果を持って本承認の申請を行う予定にしている。本承認されれば薬価も見直される可能性がある。同社では確実に本承認を得るために質の高い患者の登録活動を進めると同時に、実施医療施設も増やしており、2021年6月時点で症例数は約100例に達し、想定を上回るペースの進捗となっている。同社の目標としては2022年までに予定症例数を集め、2024年の本承認取得を目指しているが、今後の状況次第では前倒しになる可能性もある。また、同社は「コラテジェン®」の対象領域を広げるため、慢性動脈閉塞症で「安静時疼痛の改善」を効能とした第3相臨床試験も2019年10月より開始している。予定症例数は約40例で、開始当初はやや進捗が遅れていたが、直近では被験者登録ペースも上がっており、予定通りの進捗となっている。2022年までに臨床試験を終了し、承認申請を目指すことになる。一方、米国では2020年2月より後期第2相臨床試験がスタートしている。2019年6月に閉塞性動脈硬化症のうち、包括的高度慢性下肢虚血についてのグローバル治療指針※が公表されており、同治療指針を踏まえて下肢切断リスクの低いステージ1~2の患者を対象に臨床試験を進めている。国内の臨床試験は症状の重い患者が対象であったが、米国では対象範囲を広げた格好だ。主要評価項目は「潰瘍の改善」と「血流の改善」としており、治験プロトコルはHGF遺伝子治療用製品またはプラセボを2週間の間隔を置いて2回投与するというもの。被験者を4mg/回、8mg/回、プラセボの3群に分けて各20症例のデータを収集する(観察期間は12ヶ月間)。※グローバル治療指針(Global Vascular Guidelines;GVG):包括的高度慢性下肢虚血(CLTI:Chronic limb-threatening ischemia)の初期段階から適切な治療マネージメントを提供することで患者のQOLの向上を図ることを推奨している。本ガイドラインでは臨床ステージを4段階(clinical stage1~4)に分け、それぞれのステージにおける治療方針が示されており、今回の試験では下肢切断リスクの低いclinical stage1と2を対象としている。このステージの患者には、まず潰瘍の治療を考慮することがガイドラインで推奨されており、該当する患者は全体の約60%と専門家は指摘している。米国の臨床試験の進捗状況は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で当初の予定から遅れ気味となっていたが、2020年秋以降に地方都市で治験施設の整備を進めたことで登録ペースが上がっており、直近では当初の予定通りの進捗になっているもようだ。同社では2023年までに被験者登録を完了し、2024年の試験結果発表を目指している。試験結果が良好であれば、RMAT※指定制度を用いて早期承認を目指すことも選択肢の一つとして考えているようだ。米国における閉塞性動脈硬化症の患者数は日本と比べて格段に多いだけに、今後の開発動向が注目される。※RMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy):重篤な疾患を開発対象とした再生医療の先端治療法で、臨床試験で一定の効果を示したものに対する指定制度。RMAT指定を受けた品目は優先審査と迅速承認の機会を得ることができる。そのほか、2019年2月にはイスラエルのKamadaとイスラエルを対象国とした導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しており、今後、イスラエルでも当局からの薬事承認が得られ次第、Kamadaが販売を開始することになる。現在、Kamadaが同社の臨床試験データを用いて当局と協議を進めている段階にある。また、2020年10月にはスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kimとも、トルコでの導出に関する基本合意書を締結したことを発表している。今後、Er-Kimはトルコ当局での薬事承認を取得後に独占販売権を有し、販売、マーケティング、現地での医療活動に関する役割を担っていくことになる。また、薬事承認に先立って、Named Patient Program※を活用したトルコでの販売を開始する予定にしている。※Named Patient Programとは、特定の患者に代わって、医師からの要求に応じて、人道的見地から当該国での未承認の医薬品を提供するプログラムのこと。同プログラムに申請して承認されれば、患者は後期段階の臨床試験中の薬や他国で既に承認済みの薬の提供を受けることが可能となる。なお、HGF遺伝子治療用製品の販売承認を条件付きながらも国内で得られたことで、国内初の遺伝子治療用製品となっただけでなく、プラスミド(DNA分子)製品及びHGF実用化製品、末梢血管を新生する治療用製品、循環器医療領域での治療用製品として世界初となり、遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す同社にとっては大きな第一歩を踏み出したものと評価される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/07 15:05
みんかぶニュース 市況・概況
ジャスダック市場(大引け)=日経ジャスダック平均は3日ぶり反落、総合商研、プロルートが売られる
7日大引けの日経ジャスダック平均は前日比4.09円安の4039.96円と3日ぶり反落。値上がり銘柄数は264、値下がり銘柄数は314となった。
個別では久世<2708>、メディキット<7749>が年初来安値を更新。総合商研<7850>、プロルート丸光<8256>、フィスコ<3807>、イボキン<5699>、京極運輸商事<9073>は値下がり率上位に売られた。
一方、ルーデン・ホールディングス<1400>、イメージ ワン<2667>が一時ストップ高と値を飛ばした。ウエストホールディングス<1407>、LAホールディングス<2986>、JFLAホールディングス<3069>、昭和システムエンジニアリング<4752>、東映アニメーション<4816>など10銘柄は年初来高値を更新。アストマックス<7162>、小田原エンジニアリング<6149>、デルソーレ<2876>、アイビー化粧品<4918>、グラフィコ<4930>は値上がり率上位に買われた。
株探ニュース
2021/09/07 15:04
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(4):コロナ治療薬「AV-001」は前期第2相臨床試験の準備を北米で進める
■新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬の開発状況2. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「AV-001」の開発状況カナダのVasomuneと共同開発を進めている「AV-001」(Tie2受容体アゴニスト化合物)※は、中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者向け治療薬として開発を進めている。肺炎患者は、ウイルスの影響でTie2受容体の働きが抑制されることにより肺の血管機能が壊れ、肺胞に浸出液が入り込むことで肺炎を発症する。「AV-001」はTie2受容体の働きを活性化させる効果があり、これによって血管機能が正常化し、肺胞に浸出液が入り込まなくなることで、炎症を沈静化させるメカニズムとなる。急性肺炎による呼吸不全が新型コロナウイルス感染症患者の死亡原因の一つとなっており、「AV-001」の開発に成功すれば死亡率の低減につながるものと期待されている。※アンジェス<4563>は2018年7月にVasomuneと、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品の共同開発契約を締結した。具体的には、Vasomuneが創製した化合物「AV-001」(Tie2受容体アゴニスト化合物)について全世界を対象とした開発を共同で進め、開発費用と将来の収益を折半し、また、同社がVasomuneに対して、契約一時金及び開発の進捗に応じたマイルストーンを支払うというもの。同社はHGF遺伝子治療用製品の開発を通じて蓄積した血管領域の疾患に関する知見とノウハウを、今回の共同開発で生かしていく。開発状況について見ると、米国で実施していた第1相臨床試験で、安全性と忍容性についての良好な結果が得られたことを2021年3月にVasomuneが発表しており、現在は米国とカナダで前期第2相臨床試験を開始すべく、FDAと協議を進めている段階にあり、近々にもIND申請を行う見通しとなっている。「AV-001」については、2020年8月に米国国防総省から「医療研究プログラム(PRMRP)」として280万ドルの助成金をVasomuneが獲得しているほか、2021年3月には、カナダ政府からも助成金を獲得したことを発表している。新型コロナウイルス感染症治療薬として開発期待の高いことが伺え、今後の開発動向が注目される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2021/09/07 15:04
みんかぶニュース 市況・概況
東証マザーズ(大引け)=マザーズ指数は続伸、アールプラン、ピースリーがS高
7日大引けの東証マザーズ指数は前日比13.00ポイント高の1148.86ポイントと続伸。値上がり銘柄数は177、値下がり銘柄数は187となった。
個別ではアールプランナー<2983>、ピースリー<6696>、和心<9271>がストップ高。タスキ<2987>、ナレッジスイート<3999>は一時ストップ高と値を飛ばした。グローバルウェイ<3936>、ヘリオス<4593>、トレンダーズ<6069>は年初来高値を更新。シャノン<3976>、フォースタートアップス<7089>、ビリングシステム<3623>、データホライゾン<3628>、スパイダープラス<4192>は値上がり率上位に買われた。
一方、バリューデザイン<3960>、シイエヌエス<4076>、ホープ<6195>、ALiNKインターネット<7077>が年初来安値を更新。メディア総研<9242>、ジェイフロンティア<2934>、キャリア<6198>、松屋アールアンドディ<7317>、ユニフォームネクスト<3566>は値下がり率上位に売られた。
株探ニュース
2021/09/07 15:03
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(3):新型コロナウイルス感染症ワクチンは高用量製剤による追加試験を実施
■新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬の開発状況1. 新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発状況新型コロナウイルス感染症ワクチンについては、2020年12月以降、欧米などで米ファイザーやモデルナ〈MRNA>、イギリスのアストラゼネカなど大手製薬企業の開発した製品の承認が相次ぎ、集団接種が進んでいる。国内においても2021年2月にファイザー、5月末にはモデルナやアストラゼネカのワクチンが承認され、高齢者から接種が進んでおり、2021年8月15日時点で、全人口の約37%が2回接種を終えている(65歳以上の高齢者は約84%)。政府では10月初旬までに約8割が2回接種を完了することを目指す考えを示している。ただ、ここにきて感染力の強い変異株が世界的に拡大する状況となっており、3回目の接種を開始した国も出始めるなど、感染拡大の収束には程遠い状況となっている。こうしたなか、アンジェス<4563>では2020年3月より大阪大学と共同で開発しているプラスミドDNA※1製法を用いたワクチンの開発を進めている。同ワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝子をプラスミドに挿入し、このプラスミドを大腸菌で大量培養した後にDNAを抽出して製剤化する。無害化されたDNAワクチンを投与することで、新型コロナウイルスに対する免疫(抗体)※2を作り、感染症の発症や重症化を防ぐことが可能となる。※1 プラスミド(plasmid)とは、大腸菌などの細菌や酵母の核外に存在し、細胞分裂によって娘細胞へ引き継がれるDNA分子の総称。一般的に環状の2本鎖構造を取り、染色体のDNAからは独立して複製を行う。その独立した遺伝子複製機構から、遺伝子組み換え操作のベクターとして創薬などで利用されている。このプラスミドを大腸菌に導入し、大腸菌の大量培養により目的のDNAを増幅する。プラスミド製法では、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」が上市済みであり、製法そのものについての安全性は確認されている。※2 ウイルスや細菌などの抗原が体内に入り込んだとき、そのたんぱく質に反応し、体から追い出すためにできる対抗物質。現在の開発状況については、2020年12月より開始した第2/3相臨床試験(予定症例数500例)の被験者登録が2021年3月に終了し、データ収集・解析を行っている段階にある。当初は初夏に結果を公表する予定であったが、データ解析に時間を要しており、秋頃に発表される見通しだ。また、同社は2021年7月に高用量製剤での第1/2相臨床試験を追加で行うことを発表した。有効性としての免疫原性をより高めるための取り組みとなり、プラセボ(偽薬)を使わない実薬のみの非盲検試験となる。他社ワクチンと同等程度の予防効果の高いワクチンを開発する必要があり、追加で臨床試験を行うこととなった。接種方法としては、筋肉内接種に加えて新たに皮内接種も実施する。皮内接種については、2020年に大阪大学医学部で実施した医師主導の臨床研究で、筋肉内接種よりも少ない投与量で同等程度の効果が得られる可能性のあることが示唆されるデータが得られたことから、今回、試験することになった。皮内接種のデバイスはダイセル<4202>が開発する薬剤送達デバイス「アクトランザTMラボ」を用いる。火薬を駆動力とするため、針を用いることなく薬剤を接種することが可能となる。ダイセルは2020年3月に大阪大学とアンジェスのDNAワクチン共同開発に、同技術で参画していた。1回当たり用量や接種間隔・回数を5つにグループ化し、それぞれ80例の試験を行う。筋肉注射では従来、2回接種で合計接種量が4mgであったが、今回は筋肉内接種で6mg、8mg、16mgと増量している。一方、皮内接種では合計投与量が2mg、3mgと前回よりも少ない接種量での試験となる。皮内接種で良いデータが得られれば、薬剤コストも低減できることになり、その結果が注目される。今回の臨床試験を行う施設は6ヶ所を予定しており、2021年内の終了を目指している。ただ、既にワクチン接種が進んでいる現状において、被験者登録がどの程度のペースで進むかは見通し難く、終了時期が2022年にずれ込む可能性もある。臨床試験の結果が良好であれば第3相臨床試験に進むことになるが、ICMRA※が公表したガイドラインに基づけば、海外も含めて3~4千人規模の臨床試験となる可能性が高い。臨床試験費用としては多額となるため、大規模治験に進むためには日本政府からの補助金の継続、または資金力のある大手企業との共同開発ができるかどうかが条件となってくる。なお、現在開発を進めているワクチンは、当初中国で感染拡大した武漢型と呼ばれるものに対応したものとなり、デルタ株等の変異株への対応については、プラスミドに導入する遺伝子を変えるだけで済むため、比較的迅速に開発することは可能となっている。※ICMRA (International Coalition of Medicines Regulatory Authorities)とは、各国の医薬品規制当局のリーダーの自発的な連合であり、協力の強化、コミュニケーションの改善、及び効果的な世界的な危機対応メカニズムのための戦略的方向性を提供する。現在のワクチンの開発や量産体制構築に向けた費用については、国の補助金等で賄われている。具体的には、AMEDが公募した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」に2020年5月に採択され、研究開発費20億円(直接経費、研究開発期間:2020年6月−2021年3月)の支援を受けているほか、厚生労働省が公募した「令和2年度ワクチン生産体制等緊急整備事業」にも同年8月に採択され、約93億円の交付金(事業期間:2020年8月−2022年3月)を受けて、タカラバイオ<4974>が中心となって大規模生産体制の構築を進めている。さらに、AMEDが公募した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募、研究開発予定期間:2020~2021年度目途)にも同年8月に採択されている(金額は非開示)。これら補助金については、AMED及び厚生労働省から一部が入金されており、2021年6月末時点では前受金として5,760百万円を貸借対照表上に計上している。期間損益上では、研究開発費に計上されているが、今後、同社が提出したプロジェクトの報告書の審査をAMEDや厚生労働省等が行い、適切と認証された時点で補助金収入として営業外収益に計上されることになっている。現在は、2020年度分のプロジェクト報告書を提出し、審査中の状態となっている。なお、同社のワクチン共同開発プロジェクトについては、多くの企業が参画している。ワクチンの製造に関してはタカラバイオをはじめ、Kaneka Eurogentec S.A.、AGC Biologics S.p.A.、シオノギファーマ(株)、Cytivaなどが大規模治験に向けた体制整備に取り組んでいる。また、次世代ワクチンの開発についても前述したダイセルの薬剤送達デバイスのほか、様々な研究開発が行われている。最近国内でも猛威を振るっている変異株に対する効果の高いDNAワクチンの開発についても、共同開発先の大阪大学で進めている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2021/09/07 15:03
みんかぶニュース 市況・概況
日経平均7日大引け=7日続伸、256円高の2万9916円
7日の日経平均株価は前日比256.25円(0.86%)高の2万9916.14円と7日続伸し取引を終了した。東証1部の値上がり銘柄数は1476、値下がりは602、変わらずは110と、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回った。
日経平均プラス寄与度トップはSBG <9984>で、日経平均を134.61円押し上げ。次いで東エレク <8035>が17.29円、KDDI <9433>が14.26円、ダイキン <6367>が12.96円、信越化 <4063>が12.96円と続いた。
マイナス寄与度は24.13円の押し下げでファストリ <9983>がトップ。以下、アドテスト <6857>が10.8円、エムスリー <2413>が8.9円、洋缶HD <5901>が8.89円、NTTデータ <9613>が6.3円と並んだ。
業種別では33業種中30業種が上昇し、下落はパルプ・紙、金属製品、海運の3業種にとどまった。値上がり率1位は空運で、以下、情報・通信、陸運、倉庫・運輸、水産・農林、化学と続いた。
株探ニュース
2021/09/07 15:02
みんかぶニュース 市況・概況
ETF売買代金ランキング=7日大引け
7日大引けの上場投資信託(ETF)および指数連動証券(ETN)の売買代金ランキングは以下の通り。
売買代金
銘柄名 売買代金 増加率(%) 株価
1. <1570> 日経レバ 177686 0.0 16900
2. <1357> 日経Dインバ 29757 -5.4 377
3. <1458> 楽天Wブル 23864 65.4 19790
4. <1579> 日経ブル2 20486 13.1 18080
5. <1360> 日経ベア2 14887 -35.8 922
6. <1321> 野村日経平均 13303 -24.5 30650
7. <1459> 楽天Wベア 6874 -20.9 1511
8. <1306> 野村東証指数 6660 1.8 2127
9. <1568> TPXブル 6618 1.0 26790
10. <1320> 大和日経平均 5494 -9.7 30600
11. <1343> 野村REIT 2251 195.8 2306
12. <2038> 原油先Wブル 2191 -22.9 599
13. <1308> 日興東証指数 1931 218.1 2106
14. <1330> 日興日経平均 1657 -53.4 30750
15. <1671> WTI原油 1595 -23.4 1496
16. <1346> MX225 1511 87.9 30850
17. <1552> VIX短先物 1419 -26.7 2180
18. <1365> 大和日経レバ 1396 -23.7 26070
19. <1571> 日経インバ 1173 74.8 968
20. <1305> 大和東証指数 1149 143.4 2153
21. <1366> 大和日経Dイ 880 -25.0 986
22. <1476> iSJリート 863 869.7 2219
23. <1329> iS日経 798 52.9 30800
24. <2564> GX高配日株 780 77900.0 1938
25. <1699> 野村原油 773 -13.0 187
26. <2516> マザーズ 763 -20.1 881
27. <1358> 日経2倍 673 -19.0 31400
28. <1348> MXトピクス 648 288.0 2127
29. <1397> SMD225 642 64100.0 30200
30. <1545> 野村ナスダク 638 -22.8 17420
31. <1356> TPXベア2 562 -5.4 1005
32. <1540> 純金信託 506 -4.2 6100
33. <1580> 日経ベア 489 168.7 2576
34. <1615> 野村東証銀行 396 -14.7 151
35. <1367> 大和TPレバ 381 9.5 20790
36. <1577> 野村高配70 361 -36.8 23490
37. <1475> iSTPX 350 72.4 2099
38. <2521> 日興SPヘ有 302 313.7 1587
39. <1369> One225 291 -72.4 29890
40. <1557> SPDR5百 290 -42.7 49850
41. <1547> 日興SP5百 254 -28.5 5420
42. <1542> 純銀信託 237 -43.7 8150
43. <1678> 野村インド株 222 47.0 231
44. <1486> 日興米債ヘ無 217 1569.2 21510
45. <2631> MXナスダク 201 -60.2 12390
46. <1541> 純プラ信託 188 -71.6 3420
47. <1655> iS米国株 182 -84.1 3575
48. <2558> MX米株SP 171 -48.3 14310
49. <1368> 大和TPDイ 159 -35.4 1457
50. <1456> 大和日経イン 154 79.1 4165
※売買代金単位:100万円、売買代金増加率:前日に比べた増減率(%)
株探ニュース
2021/09/07 15:02
みんかぶニュース 市況・概況
東証2部(大引け)=2部指数は3日続伸、栗林船が一時S高
7日大引けの東証2部指数は前日比5.34ポイント高の7745.57ポイントと3日続伸。値上がり銘柄数は204、値下がり銘柄数は201となった。
個別では栗林商船<9171>が一時ストップ高と値を飛ばした。コメ兵ホールディングス<2780>、オーベクス<3583>、イムラ封筒<3955>、川上塗料<4616>、岡本工作機械製作所<6125>など6銘柄は年初来高値を更新。兵機海運<9362>、オーナンバ<5816>、リミックスポイント<3825>、アルメディオ<7859>、バイク王&カンパニー<3377>は値上がり率上位に買われた。
一方、パルステック工業<6894>、ムーンバット<8115>、大和自動車交通<9082>が年初来安値を更新。インスペック<6656>、レオクラン<7681>、ヴィスコ・テクノロジーズ<6698>、ユニバンス<7254>、松尾電機<6969>は値下がり率上位に売られた。
株探ニュース
2021/09/07 15:02
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(2):大阪大学発のバイオベンチャーで、遺伝子医薬に特化した開発を進める
■会社概要1. 会社沿革アンジェス<4563>は1999年に設立された大阪大学発のバイオベンチャーで、HGF遺伝子(肝細胞増殖因子)の投与による血管新生作用の研究成果を事業化することを目的に設立された。HGF遺伝子治療用製品では、田辺三菱製薬と2012年に米国市場、2015年に国内市場で末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結している。2019年3月に国内で慢性動脈閉塞症患者向けに条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月から田辺三菱製薬を通じて販売を開始したほか、米国にて2020年2月より後期第2相臨床試験を開始している。その他のパイプラインでは、2018年2月より米国で椎間板腰痛症を対象とした核酸医薬品のNF-κBデコイオリゴの後期第1相臨床試験を開始したほか、同年4月よりオーストラリアで高血圧症を対象としたDNAワクチンの第1相/前期第2相臨床試験を開始し、いずれも良好な結果が得られたことを発表している。また、直近では2020年3月に新型コロナウイルス感染症の予防ワクチンについて、大阪大学との共同開発を発表し、現在臨床試験を継続している。アライアンス戦略については、2018年に共同開発契約を締結していたカナダのVasomuneが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬候補品となる「AV-001」の開発を進めているほか、2019年3月より出資した先進のゲノム編集技術を開発する米国のEmendoについて、2020年12月に100%子会社化したことを発表した。また、米国のBrickell Biotech, Inc.(以下、Brickell)と、2020年9月に新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの米国での臨床開発に関する共同開発契約を締結した。そのほか、マイクロバイオームの研究開発を行うイスラエルのMyBiotics Pharma Ltd.(以下、MyBiotics)に出資している。なお、2019年に出資したイスラエルのBarcode Diagnostics Ltd.(以下、Barcode)と進めてきた最適な抗がん剤を迅速に診断する技術の実用化に向けた共同開発は終了したことを発表した。2020年2月より公益財団法人がん研究会と共同研究契約を締結して、研究を進めてきたが想定する研究結果を得ることができなかったことによる。今後、がん領域に関しては、同社が培ってきた開発経験をベースに、新たな可能性を模索していくこととなる。2. 事業の特徴とビジネスモデル同社の事業の特徴は、遺伝子の働きを活用した医薬品である遺伝子治療用製品、核酸医薬、そしてDNAワクチンを遺伝子医薬として定義し、その研究開発に特化していることにある。開発が社会的な使命であるとともに確実な需要が存在する「難治性疾患」や「有効な治療法がない疾患」を対象としている。また、自社開発品以外にもこうした事業方針と合致する開発候補品を海外のベンチャーや大学などの研究機関から導入して、開発パイプラインの強化とリスク分散を図っている。同社のビジネスモデルの主軸は、研究開発に特化し(原薬の製造は外部の専門機関に委託)、開発品についての共同開発や独占製造販売権許諾契約を大手製薬企業と締結することで、契約一時金や開発の進捗状況に応じたマイルストーン収入を獲得し、また、上市後の製品売上高に対して一定料率で発生するロイヤリティ収入を獲得するモデルとなる。臨床試験の規模や期間は対象疾患等によって異なるが、第1相から第3相試験までおよそ3~7年程度かかると言われている。臨床試験の結果が良ければ規制当局に製造販売の承認申請を行い、おおむね1~2年の審査期間を経て問題がなければ承認・上市といった流れとなる。現在は開発ステージのため損失が続いているが、開発品が上市され、一定規模の売上に成長すれば利益化も視野に入ってくる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2021/09/07 15:02
注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(1):新型コロナウイルス感染症ワクチンは高用量製剤での追加試験を実施
■要約アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めており、将来的に「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目標にしている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況などによって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。1. 新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬の開発状況について新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するDNAワクチンの開発について、同社は2021年7月26日付で高用量製剤での第1/2相臨床試験を行うことを発表した。同試験は、有効性としての免疫原性をより高めるための取り組みとなり、先行品と同等程度の予防効果の高いワクチンを開発する必要があるとの判断から実施することとなった。目標症例数は400例で、2021年内の接種完了を目指す。なお、既に実施した第1/2相及び第2/3相臨床試験の結果については、2021年秋頃の発表を予定している。海外も含めた第3相臨床試験は今回の臨床試験の結果を見て判断していくことになるが、順調であれば2022年にも開始される可能性がある。一方、カナダのVasomune Therapeutics(バソミューン・セラピューティクス)(以下、Vasomune)と共同開発中の治療薬「AV-001」(中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者を対象)については、米国で実施した第1相臨床試験の良好な結果を受けて、現在FDA(米国食品医薬品局)と協議を行い、前期第2相臨床試験への準備を進めている。2. その他開発パイプラインの動向慢性動脈閉塞症を対象としたHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の国内における市販後調査※並びに適応拡大のための第3相臨床試験、米国での後期第2相臨床試験については、現在のところ順調に被験者登録が進んでいる。また、米国で実施している椎間板性腰痛症を適応症としたNF-κBデコイオリゴの開発については、後期第1相臨床試験で良好な結果(高い安全性と痛みの大幅な軽減及び持続効果)が確認されたことを受け、大手製薬企業とのライセンス契約の可能性も出てきており、第2相臨床試験の開始に向けた計画を策定している段階にある。オーストラリアで実施している高血圧DNAワクチンの第1相/前期第2相臨床試験は、現在全データの解析を進めている状況で、解析結果をもとに今後の開発方針を決定していくことになる。また、新たに子会社化した米国のEmendBio Inc.(以下、Emendo)については、先進ゲノム編集技術を生かした適応症の選定など、具体的なプロジェクト化に向けた協議を進めているほか、同技術をプラットフォーム化してライセンスフィーを獲得していくビジネスモデルについても検討を開始している。※「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能として、厚生労働省から条件及び期限付製造販売承認を2019年3月に取得し、同年9月より提携先である田辺三菱製薬(株)を通じて販売を開始すると同時に、市販後調査(予定症例数120例中、2021年6月時点で約100例)を実施している。同調査の結果を持って本承認の申請を行うことになる。3. 業績動向2021年12月期第2四半期累計(2021年1月−6月)の売上高は前年同期比37.1%増の23百万円、営業損失は7,540百万円(前年同期は1,766百万円の損失)となった。売上高はコラテジェン®の販売増により増加した。一方、営業損失が拡大しているのは、新型コロナウイルス感染症ワクチンの研究開発費用増加に加えて、新たに子会社化したEmendoの事業費用やのれん償却額(1,180百万円)を計上したことが主因となっている。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発費用については国の補助金等で賄われているため、国の認定が下り次第、営業外に補助金収入として計上される見込みとなっている。2021年12月期の業績見通しについては、合理的な算定ができないことから未定としている。なお、2021年6月末の現金及び預金は約238億円となっており、当面の事業活動を進めていくうえでの資金は確保している。■Key Points・新型コロナウイルス感染症ワクチンは高用量製剤による追加試験を実施・新型コロナウイルス感染症治療薬「AV-001」は前期第2相臨床試験の開始に向けた準備を北米で進める・HGF遺伝子治療用製品の市販後調査は想定を上回る進捗、日米で実施中の臨床試験も順調に進む・椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴは、後期第1相臨床試験の良好な結果を受けライセンス契約の期待が高まる(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2021/09/07 15:01