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大幸薬品 Research Memo(1):2021年12月期第2四半期は大幅減収も、医薬品事業は回復傾向
配信日時:2021/09/07 15:11
配信元:FISCO
■業績動向
大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。
2021年12月期第2四半期(1月~6月)は、売上高が5,106百万円(調整後前年同期比47.7%減)、営業損失が2,280百万円(調整後前年同期は3,305百万円の利益)、経常損失が2,737百万円(同3,199百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が2,372百万円(同2,137百万円の利益)と、感染管理事業の減収及び同事業の棚卸資産の評価損により大幅な損失計上となった。
売上高に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴い衛生管理意識が急激に高まり、感染管理事業が記録的な売上高となった前年同期と比較すると47.7%減となり反動減が顕著になった。一方で前々年同期との比較では9.9%増の水準である。国内医薬品事業の売上高は1,475百万円(前年同期比3.3%減)となり、コロナ禍に伴う消費者の外出自粛及びインバウンド需要の消失は続くものの、2021年4月以降、コロナ禍の影響が一巡したこと等から前年同期比では回復傾向である。主力のセイロガン糖衣Aは前年同期比0.6%減とほぼ前年並み。止瀉薬市場シェアは47.7%(2021年1月~6月)とやや下げたものの高いシェアを維持する。海外医薬品事業の売上高は487百万円(同94.7%増)と中国向けが販売ライセンス更新に伴う出荷前倒しにより増収となった。各国ともに店頭消化はコロナ禍の影響から回復傾向である。感染管理事業の売上高は、3,140百万円(同60.7%減)となった。コロナ禍の長期化による消費者の不安度の鈍化や、ワクチン接種が始まったこと等から、コロナ禍が始まった前年同期からの大幅な反動減となった。商品別では、主力である「クレベリン」及び日常除菌の商品群「クレベ&アンド」も減少幅は同程度。競合他社を含めた除菌関連製品全般の市場在庫過多によって販売が低迷した。
売上総利益は、感染管理事業の販売予測の見直しに伴い、保有在庫の評価減(1,721 百万円)を実施したことが大きく影響し、大幅な減少となった。販管費に関しては、広告宣伝費の増加や在庫保管量上昇に伴う運送費の増加によって、販管費全体も増加した。結果として、営業損失2,280百万円の計上となった。セグメント利益では医薬品事業が594百万円の利益(前年同期比41.2%増)、感染管理事業は2,139百万円の損失(前年同期は3,599百万円の利益)と明暗が分かれた。なお、営業外費用として操業停止関連費用(345 百万円)、特別損失として遊休金型等の減損損失(225 百万円)を計上した。大幅な減益決算となったが、減益要因の多くは一時的な費用であり、来期以降の収益体質改善に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。
2021年12月期第2四半期(1月~6月)は、売上高が5,106百万円(調整後前年同期比47.7%減)、営業損失が2,280百万円(調整後前年同期は3,305百万円の利益)、経常損失が2,737百万円(同3,199百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が2,372百万円(同2,137百万円の利益)と、感染管理事業の減収及び同事業の棚卸資産の評価損により大幅な損失計上となった。
売上高に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴い衛生管理意識が急激に高まり、感染管理事業が記録的な売上高となった前年同期と比較すると47.7%減となり反動減が顕著になった。一方で前々年同期との比較では9.9%増の水準である。国内医薬品事業の売上高は1,475百万円(前年同期比3.3%減)となり、コロナ禍に伴う消費者の外出自粛及びインバウンド需要の消失は続くものの、2021年4月以降、コロナ禍の影響が一巡したこと等から前年同期比では回復傾向である。主力のセイロガン糖衣Aは前年同期比0.6%減とほぼ前年並み。止瀉薬市場シェアは47.7%(2021年1月~6月)とやや下げたものの高いシェアを維持する。海外医薬品事業の売上高は487百万円(同94.7%増)と中国向けが販売ライセンス更新に伴う出荷前倒しにより増収となった。各国ともに店頭消化はコロナ禍の影響から回復傾向である。感染管理事業の売上高は、3,140百万円(同60.7%減)となった。コロナ禍の長期化による消費者の不安度の鈍化や、ワクチン接種が始まったこと等から、コロナ禍が始まった前年同期からの大幅な反動減となった。商品別では、主力である「クレベリン」及び日常除菌の商品群「クレベ&アンド」も減少幅は同程度。競合他社を含めた除菌関連製品全般の市場在庫過多によって販売が低迷した。
売上総利益は、感染管理事業の販売予測の見直しに伴い、保有在庫の評価減(1,721 百万円)を実施したことが大きく影響し、大幅な減少となった。販管費に関しては、広告宣伝費の増加や在庫保管量上昇に伴う運送費の増加によって、販管費全体も増加した。結果として、営業損失2,280百万円の計上となった。セグメント利益では医薬品事業が594百万円の利益(前年同期比41.2%増)、感染管理事業は2,139百万円の損失(前年同期は3,599百万円の利益)と明暗が分かれた。なお、営業外費用として操業停止関連費用(345 百万円)、特別損失として遊休金型等の減損損失(225 百万円)を計上した。大幅な減益決算となったが、減益要因の多くは一時的な費用であり、来期以降の収益体質改善に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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