注目トピックス 経済総合ニュース一覧
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米成長ペースピークとなる可能性も、エネルギー価格の上昇止まず
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の会見を受けて、米金利先物市場は3月の利上げを100%織り込んだ。年内4回目の利上げは12月から11月に前倒し。5回目の利上げも織り込み始めた。パンデミックに起因したサプライチェーン混乱の長期化がインフレの一因となり、いずれ緩和する可能性もあるが、インフレを押し上げている主因はエネルギー価格で、目先弱まる様相はない。バイデン政権が推進している再生エネルギー政策を推し進めるため、トランプ前大統領が再開したパイプラインを閉鎖、掘削関連の投資も停止させており、米国は石油輸出国から再び輸入国となり、供給のひっ迫に寄与。政策が転換しない限り、エネルギー価格の上昇は止まず。FRBの政策にも限りがあり、高インフレは長期化する可能性がある。同時に、エネルギー価格の上昇は世帯の財政にひびき、景気の停滞要因にもつながりかねない。原油価格は100ドル超に上昇する可能性もある。原油高と、FOMCの利上げを織り込みドル・円はさらなる上昇が予想される。FOMCは金利に関し、長期に維持していたフォワードガイダンスを撤廃。今後の景気やインフレ動向次第で、行動に柔軟性が加わる。米国第4四半期国内総生産(GDP)は前期比年率6.9%成長と、予想を上回る伸びとなった。成長に重要な消費は前期から伸びが拡大したものの予想を下回っており、オミクロン変異株の流行で在庫が積み上がったことが指数を押し上げており、内容は必ずしも楽観視できない。GDP価格指数は+6.9%と1981年3月以降40年ぶりの大幅な伸びで、実質成長率は横ばいになる。米国債相場ではFRBの利上げにより景気が弱まるとの見方も強まりつつあり利回り曲線が平坦化しつつある。2年債と10年債の利回り曲線は2020年11月来で最小。5年債と30年債の利回り格差はパンデミック発生した2020年3月来で最小となった。成長がピークをつけ、FRBが金利先物市場が織り込んでいるほど、利上げが進まない可能性もあることは今後、ドルの上昇ペースの抑制に繋がる。■米国第4四半期GDP:前期比年率+6.9%GDP価格指数:+6.9%
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2022/01/28 07:32
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トルコリラ円は、もち合いとなりそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『もち合いとなりそう』と述べています。続けて、『トルコ中央銀行は20日の会合で、政策金利を14.0%に据え置いた。利下げサイクルが転機を迎えたとの見方が強まり、リラ売りが止まったようだ。トルコのインフレ率は昨年12月に前年同月比で36.1%と、約19年ぶりの高い伸びを記録した。名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利は、−24.08%と大幅なマイナスとなった』と伝えています。次に、『昨年末に、エルドアン大統領はリラの下落に歯止めをかけるため、リラ建ての定期預金を外貨の値動きに合わせて保護する制度を導入したため、パニック的な売りは出なかった。トルコ中銀が1月の会合で利下げしないと述べていたこともリラ売りを躊躇させたようだ。トルコ中銀は20日の声明で、通貨リラを優先させるよう金融政策の枠組みを包括的に見直す意向を示した』と解説しています。一方で、『トルコ中銀はインフレ対策の定石である利上げには消極的』とし、『トルコ中銀の今後の金融政策については、年内の金利据え置き派と利上げ派に分かれている。預金保護制度に加え、インフレ率を引き下げない限り、リラ売りが再燃する可能性は残っている』と考察しています。こうしたことから、陳さんは、トルコリラ円の今週のレンジについて、『7.50円~9.50円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の1月25日付「トルコリラ円今週の予想(1月24日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2022/01/27 17:49
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は買い先行もマイナス圏転落、米国債利回りの急上昇を警戒
27日の上海総合指数は買い先行。前日比0.01%高の3456.10ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時51分現在、0.26%安の3446.84ptで推移している。米国債利回りの急上昇が警戒されている。また、翌週31日から春節(旧正月)の大型連休に突入するため、積極的な買いは手控えられている。一方、景気対策への期待が指数をサポート。財政部の許宏才・副部長は25日の記者会見で、2022年も引き続き減税拡大と手数料削減を進めていくなどと述べた。
<AN>
2022/01/27 10:58
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中国がトップ5社を独占…「太陽電池モジュール市場」で日本が中国に完全敗北した理由【実業之日本フォーラム】
ゲスト伊原智人(Green Earth Institute株式会社 代表取締役CEO)1990年に通商産業省(現 経済産業省)に入省し、中小企業、マクロ経済、IT戦略、エネルギー政策等を担当。1996~1998年の米国留学中に知的財産権の重要性を認識し、2001~2003年に官民交流制度を使って、大学の技術を特許化し企業にライセンスをする、株式会社リクルート(以下、「リクルート」という。)のテクノロジーマネジメント開発室に出向。2003年に経済産業省に戻ったものの、リクルートでの仕事が刺激的であったことから、2005年にリクルートに転職。震災後の2011年7月、我が国のエネルギー政策を根本的に見直すという当時の政権の要請でリクルートを退職し、国家戦略室の企画調整官として着任し、原子力、グリーン産業等のエネルギー環境政策をまとめた「革新的エネルギー環境戦略」策定に従事。2012年12月の政権交代を機に内閣官房を辞して、新しいグリーン産業の成長を自ら実現したいと考え、Green Earth Institute株式会社に入社。2013年10月より代表取締役CEO。聞き手白井一成(株式会社実業之日本社社主、社会福祉法人善光会創設者、事業家・投資家)●「太陽電池モジュール市場」日本の一発逆転は困難白井:アライド・マーケット・リサーチ社によれば、世界の太陽電池モジュール市場は2018年の約520億ドルから2026年には2200億ドルに成長し、毎年20%強の成長が見込まれています。太陽電池モジュールは、2000年代前半にはシャープが世界シェア1位で、他にも京セラ、パナソニック、三菱電機といった企業が上位5社に入っていましたが、2010年前後に中国企業が当時急拡大していた欧州市場向けに商機を見出し、大幅な設備投資を行ったことで、現在は中国企業がグローバルトップ5社を独占することになりました。太陽電池モジュール市場は、寡占市場で参入障壁が極めて高い化石燃料プラントや原子力発電プラントとは異なり、各社の世界シェアが2桁に満たず、毎年順位が変動する厳しい競争市場です。こうした競争環境で、太陽光発電システム全体に占める太陽電池モジュールの価格は年々低下しています。太陽電池モジュールの事業者にとっては、規模の経済性によるコスト優位が一番の大きなポイントなのでしょうか。また、太陽電池モジュールは、他のメーカーへの入れ替えが容易であり、製品の質的な面で差別化できないコモディティ的な要素が強いのでしょうか。それとも、一度導入してしまえば、なかなか他のものに交換できないといったスイッチングコストが高いものなのでしょうか。伊原:太陽電池モジュールは、いまや規模の経済性の事業であり、また、コモディティ的要素が強く、他のメーカーへの入れ替えは容易だと思います。ただ、中国メーカーをはじめここまで競合の商品価格が下がってくると、技術力に勝る日本の企業であっても、規模の経済性では完全に劣っているため、一発逆転は難しいでしょう。白井:なるほど。規模の経済性を享受している中国製とドイツ製とのあいだでは、スイッチングコストがなく、入れ替えが可能なのですね。米中対立が激化すれば、その製品選択に影響を与えそうです。確かに、年間のシェアランキングをみても、入れ替わりが激しい印象があります。しかし、日本企業が再び上位争いに加わるのは難しいわけですね。「産業のコメ」とも言われる半導体は、産業競争力の源泉と言われ、経済安全保障の中心的テーマになっています。同じように、太陽電池モジュールの中国依存が高い場合、大きな問題になるでしょうか。あるいは、中国が生産しているマスクなどの医療品と同様の戦略的なコモディティのようなものと考えるべきでしょうか。パンデミックになる前は、マスクは中国から輸入すればよいというのが常識であったのに、新型コロナウイルスの蔓延後は戦略物資という位置づけに変わりました。伊原:太陽電池モジュールは、半導体のように経済安全保障上の戦略物資的なものというよりは、コモディティに近づいているイメージです。ただ、マスクとは違って、明日、明後日に必要ということはないでしょうから、自動車のようなものかもしれませんね。●なぜ日本は負けてしまった?白井:20年前は太陽電池モジュールのシェアのほとんどを、日本企業が独占していたというご指摘ですが、なぜ日本企業は勝つことができず、世界にチャレンジできなかったのでしょうか。伊原:2009年に産業革新機構(現・産業革新投資機構)ができる直前、「機構のあり方」について意見を求められましたが、そのときに出た議論は、太陽電池モジュール業界での失敗を繰り返さないということでした。その際の仮説は、勝ち残った中国やドイツの企業は太陽光発電の専業メーカーであったということが成功要因であり、日本は総合電機メーカーであるから負けたということでした。中国の会社やドイツのQセルズの投資額は、日本のそれと比べて圧倒的に大きかったということが重要です。大きな投資というリスクをとっても、それを上回るリターンが見込めるから中国やドイツ企業は投資したわけですが、本来的には日本の各社にも同じ計算はできたはずです。しかしながら、日本の太陽電池モジュール事業は、京セラ、シャープ、三菱など、総合電機の一部門であるため、会社全体の予算の中からどの程度をどの部門に割り当てるかという、部門間との比較になってしまい、特定の分野のみに何百億円を投じるという判断ができなかったのだと思います。生産規模の小ささが、原材料であるシリコンの調達などといったコスト競争力に跳ね返り、結果的に負けたという構図でした。総合電機の経営陣が「いまは太陽電池に投資するときであり、他の部門をゼロにしてでも1000億円を投じるべきだ」と決めることができれば、結果は違ったかもしれません。翻ってみると半導体も似ています。昔の東芝、富士通、NEⅭは、米国と半導体協定を結んでいたぐらい強かったのですが、競争に負けていきました。当時は、いずれも専業メーカーではなかったのです。産業革新機構の一つの狙いは、専業メーカーがつくれない分野で「国がこれだけまず金を張るから、ここに集まれ。それで一強を作ろう」という仕掛けだったと思います。その片鱗がルネサスやジャパンディスプレイでしょうが、これらが成功か失敗かはいろいろな議論があると思います。しかし、過去の事例を見る限り、日本の国家としてのサポートする体制が十分じゃなかったというのは事実ですし、それを改善するひとつの手が産業革新機構だったと思います。●日本全体のポートフォリオを持つべき白井:本来は国がきちんとサポートすべきというご主張ですね。それに加えて、専業メーカーではなくグループのポートフォリオの一部だったから意思決定が曖昧で、覇権を取ることができなかった。本来は、経営者がリーダーシップを発揮して、太陽光電池事業に巨額の投資をすればよかったということですね。投資意思決定メカニズム、リーダーシップなどが大きな問題です。太陽電池事業だけを切り出して、事業のリスク・リターンをシンプルにすることで、ある程度解決が可能ということでしょうか。伊原:はい。ただ同時に、どの事業が成長して、どの事業が失敗するかは、事前にはわかりませんし、ある事業部門が万が一失敗しても、他の部門でサポートするというポートフォリオを組む重要性は理解しないといけません。また、雇用の流動性という問題が出てくるかもしれませんが、できるだけ専業の会社を増やしていき、日本全体でポートフォリオを持つという考えもあります。しかし、総合電機メーカーは彼らの中の論理だけで意思決定していました。日本の企業は、これの事業は切るべきだとか、ここを強くするためにどこかと一緒になろうという戦略的なことを、自ら判断するのが苦手に見えます。ライバル企業と一緒にという話は特に難しいと思いますので、あえて産業革新機構をつくる意味があったのだと思います。白井:国全体でポートフォリオが組まれていて、リスクが分散されているというのは、金融市場的にも効率的ですね。日本の効率化が推進しなかった理由は、日本の資本市場の改革が遅れていた、あるいは資本市場からのプレッシャーが小さかったからというのも理由かもしれません。また、経営者も合理的な判断ができなかったというのも隠れた要因なのでしょうか。伊原:そもそも、日本は、市場から経営者にプレッシャーがかかっていないような気がします。経営者の判断が間違っていても、すぐには露呈せず、シェアがだんだん落ちていくという形で意思決定の失敗が明らかになっていきます。専門家であればあるほど、大きな変革を見誤って、対応できないということが起こり得ます。そしていったん、変化し始めてしまうと、専門家が予測できないスピードで変わっていくのです。こんなエピソードがあります。通産省にいた時代、1995年から電子政策課でITに取り組みました。ちょうどインターネットと携帯電話が少しずつ普及しつつあった頃です。当時の課長が、これからこの2つがどうなるかを専門家に聞こうということになり、そのころ通信の世界ではトップクラスだった、NTTの技術のトップに来ていただきました。いまでも覚えていますが、「インターネットのセキュリティは全然甘い。個人が遊びに使うのはいいけれど、ビジネスの世界ではなかなか使われない。また、携帯電話は、自動車電話のような特殊な環境は別として、日本人はああいう音質の悪いのはなかなか使わない」というお話でした。しかし、留学に行って戻ってきてみたら、日本も含め、世界は一変していました。通信の世界も変革の時期でした。1991年、1992年にそれぞれNTT子会社としてNTTドコモとNTTファシリティーズができたのですが、NTTの中での評価は、ドコモは左遷、ファシリティーズは安定している人が行くところという感じだったそうです。そして、結果的にドコモには外部の人がどんどん入ってくることになりました。その後、NTTの分割の議論があり、東西は競争をさせると言い、政治を巻き込んだ大議論をやっていたのですが、2000年になってみると、もう誰も東西の競争を気にしておらず、かつては人気のなかったはずのドコモとどう対抗するかという議論になりました。■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/01/27 10:58
注目トピックス 経済総合
ユニ・チャームを対象とするプット型eワラントが前日比2倍超えの大幅上昇(27日10:03時点のeワラント取引動向)
新規買いは原資産の株価下落が目立つリクルートホールディングス<6098>プット95回 2月 5,100円を順張り、富士通<6702>コール237回 2月 20,000円を逆張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしては日本電産<6594>コール204回 2月 13,000円、イーサリアム2022年2月 プラス5倍トラッカー2回 2月 2,900米ドルなどが見られる。上昇率上位はユニ・チャーム<8113>プット86回 2月 3,400円(前日比2.1倍)、サイバーエージェント<4751>プット119回 2月 1,550円(前日比2.1倍)、ユニ・チャームプット87回 2月 4,150円(前日比2倍)、ファナック<6954>コール249回 2月 27,000円(前日比2倍)、日東電工<6988>プット158回 2月 7,400円(+79.2%)などとなっている。(カイカ証券)
<FA>
2022/01/27 10:24
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トンガ支援に中国が存在感…習近平が企む「影響力拡大工作」に注目すべきワケ【実業之日本フォーラム】
● 24日、海上自衛隊もトンガへ出港2022年1月15日に発生した南太平洋の島国トンガ海底での火山噴火。これに対して、20日、岸防衛大臣は会見で、外務大臣から「トンガ王国における国際緊急援助活動の実施について協議があり、これを受けて部隊に対し、国際緊急援助活動の実施を命じた」と発表し、「防衛省として一丸となって被災したトンガ王国の人々のために全力で取り組んでいきたい」と強調した。同日、航空自衛隊C-130H輸送機2機が緊急支援物資として飲料水などを搭載し、航空自衛隊小牧基地を離陸し、1月22日現地に到着。今回の国際緊急援助活動の第1陣として同機が到着したことで、日本はオーストラリア、ニュージーランドに次いで3カ国目に現地入りした支援国となった。さらに、1月23日、航空自衛隊はC-2輸送機2機も追加派遣している。また、24日に、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」は、隊員約300名、火山灰を除去するための高圧洗浄機、飲料・食料、毛布のほか、陸上自衛隊のCH-47大型ヘリコプター2機を搭載し、呉港を出航した。● 「国際緊急援助」とは?外務省は、被災国政府または国際機関等の要請を受け派遣の必要性を認めた場合、「国際緊急援助隊の派遣に関する法律(1987年9月16日施行、2006年12月22日最終改訂)」に基づき、緊急援助隊の派遣につき協力を求めるため関係行政機関と協議を行うことになっており、外務大臣の命令に基づき、国際協力機構(JICA:Japan International Cooperation Agency)が国際緊急援助隊の派遣に係る業務を行う。国際緊急援助には、(1)国際緊急援助隊の派遣、(2)緊急援助物資の供与、(3)緊急無償資金協力という区分があり、災害規模や被災国等からの要請内容に応じて、いずれか、または複数を組み合わせて支援しているのだ。さらに、国際緊急援助隊は、(1)救助チーム、(2)医療チーム、(3)感染症対策チーム、(4)専門家チーム、(5)自衛隊部隊で構成されており、国際緊急援助隊には、1987年の制度創設以降、合計160回に及ぶ派遣実績がある。(救助チーム:20回、医療チーム:59回、感染症対策チーム:6回、専門家チーム:53回、自衛隊部隊:22回、2022年1月1日現在JICA資料)。● 習近平国家主席、ツポウ6世トンガ国王に電話新聞報道等によると国際支援も着々と現地に届きつつあり、日・豪・ニュージーランドの救援物資輸送部隊の到着および救援活動開始とともに、世界銀行、アジア開発銀行、ユニセフや各国赤十字などに加え、日・米・豪・中各国政府等から支援金の拠出も表明されている。これまで交流が深い日本や英国のほか、中国が存在感を示し、影響力を拡大しようとしている。19日の報道では、習近平国家主席が、ツポウ6世トンガ国王にできる限りの支援を行うとメッセージを送り、救援物資の追加輸送の準備を進めていることが発表された。2018年4月、ロイターは、「南太平洋のバヌアツに中国の軍事基地建設の可能性、米国や同盟国に警鐘」という見出しの記事を掲載しており、2019年9月には、ソロモン諸島が台湾との外交関係を解消し、中国との国交を樹立している。米国やその同盟国は、南太平洋で台湾との断交ドミノが拡散する事態を警戒しており、米政府は、グアムに近い南太平洋に中国の軍事拠点が建設されるようなことがあれば、地域の軍事バランスが崩れ、米国の優位性が損なわれる可能性があると考えるだろう。災害への支援を行いつつ、つぶさに中国の影響力拡大工作にも注目しておく必要があるのかもしれない。● 日本に最も貢献してくれた国トンガ王国は人口約10万人、GDPは5.1億ドルの小国であるが、ラグビー等を通じた人的交流が盛んであり、東日本大震災の際には、義援金の金額をGDP比で換算すると日本に最も貢献してくれた親日国である。発電装置、海水淡水化装置、高圧洗浄機など、災害時に現地で役立つ救援物資の援助を行い、また、トンガ王国の早期の復興と安定的発展に寄与するための支援活動の実施が望まれる。東洋学園大学客員教授である織田邦男元空将は、「政治が決断すれば、自衛隊は早く動ける」、と主張している。今回の国際緊急援助隊の派遣と根拠法規や意思決定プロセスは異なるものの、昨年8月の、アフガニスタンの首都カブールからの「在外邦人等の輸送」の際の不手際を繰り返すことのないよう、迅速かつ有益な対応ができることを期待したい。サンタフェ総研上席研究員 將司 覚防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。P-3C操縦士、飛行隊長、航空隊司令歴任、国連PKO訓練参加、カンボジアPKO参加、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動教訓収集参加。米国海軍勲功章受賞。2011年退官後、大手自動車メーカー海外危機管理支援業務従事。2020年から現職。写真:Joint Staff Office of the Defense Ministry of Japan/ロイター/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/01/27 10:21
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NYの視点:FOMC3月の利上げ準備、利上げにかなりの余地とパウエルFRB議長
米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。声明では利上げが間もなく適切になると言及。同時に、経済の軌道はパンデミック次第、経済見通しリスクは存続するとしたほか、新型コロナの急増が経済に影響するなど慎重な姿勢を維持する中立的な内容となった。しかし、パウエル議長は会見でオミクロン変異株による最近の消費や製造業の停滞も速やかに回復するとの考えを示し、高インフレを定着させないために手段を利用するとした。経済や労働市場は非常に強く、雇用を損ねず利上げのかなりの余地があるとタカ派姿勢を強調。市場への伝達も機能していると市場の金利予想も適切との考えを示唆した。利上げ軌道において、通常はPCEを上回る水準にFF金利を引き上げる。このため、経済が許せばかなりの引き上げが必要となる。米金利先物市場は3月の利上げを100%織り込んだほか、4回目の利上げはFOMC前の12月から11月に前倒し。5回目の利上げも織り込み始めた。バイデン大統領は先週の会見で、エネルギー価格の上昇に歯止めがかからず高インフレへの対処において、インフレ制御をFRBに任せるとしており、議長は物価抑制の重責を担う。■パウエルFRB議長会見〇金融政策「3月の利上げの可能性も」「各FOMCでの利上げの可能性も除外しない」「利上げのペースなど、まだ、明確な軌道は決定していない」「雇用を損なわずに利上げするかなりの余地」「FRBは高インフレの定着を防ぐため手段を利用する」「指標や見通しを基準にする」「利上げのペースなど、具体的な決定はしていない」〇経済「非常に強い」〇労働市場「労働市場はかなり強い」「労働市場は顕著な回復、需要は歴史的に強い」〇インフレ「インフレはFRBの目標2%を大幅に上回る」「インフレは年内に鈍化を予想」「インフレリスクは依然上向き」〇バランスシート「バランスシートの具体的な重要点はまだ、協議していない」「バランスシートを巡る計画は適切な時期に供給」「バランスシートの縮小はおそらく、前回よりも速やかなペースで行われる可能性」「バランスシート縮小は利上げ後に開始へ」
<FA>
2022/01/27 08:37
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(中国)上海総合指数は0.28%高でスタート、買い戻しが優勢
26日の上海総合指数は買い先行。前日比0.28%高の3442.69ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時45分現在、0.68%高の3456.41ptで推移している。上海総合指数がきのう25日約5カ月ぶりの安値水準まで下落しており、値ごろ感から買い戻しが優勢となっている。一方、指数の上値は重い。世界景気の成長鈍化観測が圧迫材料となっている。また、日本時間27日未明の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、慎重ムードも強い。
<AN>
2022/01/26 10:54
注目トピックス 経済総合
スズキを対象とするコール型eワラントが前日比2倍超えの大幅上昇(26日10:02時点のeワラント取引動向)
新規買いは原資産の株価上昇が目立つセブン&アイ・ホールディングス<3382>プット156回 3月 4,400円を逆張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはエヌビディアコール138回 3月 400米ドルなどが見られる。上昇率上位はスズキ<7269>コール90回 2月 6,100円(前日比2.6倍)、スズキコール89回 2月 5,300円(前日比2.4倍)、スズキコール91回 2月 6,900円(前日比2倍)、スズキコール94回 3月 5,950円(+75.6%)、シェブロンコール40回 2月 160米ドル(+68.4%)などとなっている。(カイカ証券)
<FA>
2022/01/26 10:43
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コラム【新潮流2.0】:備え(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
◆2021年12月、「日本沈没」というタイトルのレポートで「このところ地震や火山の噴火が相次いでおり、ドラマが現実のものとなるような不安を覚える」と述べた。ドラマとは当時話題になっていたTBSの『日本沈没』である。レポートでは「我々が暮らす日本は世界有数の地震国・火山国であり、いつ天災に見舞われても不思議ではないことを改めて認識しておこう」とも記した。◆2022年1月4日、モーサテの新春特番のため早朝からテレビ東京のスタジオにいたが、放送開始直後に「小笠原諸島の母島で震度5強」というニュースが飛び込んできた。その後もトンガの火山噴火、この土曜日には日向灘を震源とする大きな地震が九州で発生した。さすがにこれだけ火山噴火や地震が頻発すると、メディアも「富士山噴火」の可能性を伝える報道が散見されるようになってきた。◆富士山は1707年、江戸時代の宝永噴火以来、300年以上噴火していない。それ以前は30年程度に1回は噴火していたというから、その10倍以上の期間マグマをため込んでいるわけで、いつ噴火が起きてもおかしくはない。政府の中央防災会議の作業部会は宝永噴火と同程度の噴火が再び富士山で発生した際に想定される首都圏への影響をまとめている。それによれば、・除去が必要になる火山灰は最大約4・9億立方メートルで、東日本大震災での災害廃棄物の量の約10倍。東向きの風が強く吹けば、灰は3時間のうちに都心に届き、噴火から15日目の累積降灰量は、東京都新宿区約10センチ。・微量の降灰でも鉄道はストップし、視界不良で道路は渋滞する。降雨時には0.3センチの降灰で停電するほか、通信アンテナに火山灰がつけば携帯電話などの通信網も寸断されるおそれがある。・噴出物と火山ガスなどが混ざって地表沿いを流れる火砕流も1千万立方メートル流れ出て、静岡、山梨両県の10市町村に及ぶ。東名高速や東海道新幹線に達すれば主要な交通網も遮断される。(参考:朝日新聞DIGITAL「大規模噴火、もし日本で起きたら?」)◆地震や噴火などの自然災害は予測が難しい。我々にできるのは「備え」だけである。資産防衛の観点からできることは株価指数先物取引などに習熟しておくことだろう。先物口座を開き、証拠金を入れ、自分のポートフォリオをヘッジするには何枚売れば良いかを把握し、即座に注文を出せる練習をしておく。売買で多少損が出たとしても練習代と思えば安いものだ。◆災害が起きてからヘッジ売りを出して間に合うのかって?少なくとも取引時間中に発生する場合は間に合う可能性がある。2011年3月11日、東日本大震災が発生したのは大引け間近の午後2時46分。直後から売り注文が殺到し、終値は前日比179円安の1万0254円。 しかし、発生から引けまで下げ幅が拡大したのはわずか100円程度だ。翌営業日からの暴落を考えれば、発生直後に売っていればじゅうぶんヘッジできたことになる。備えあれば憂いなし、である。マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆(出所:1/24配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)
<FA>
2022/01/26 09:21
注目トピックス 経済総合
NYの視点:FOMC、市場が警戒している程、タカ派色強めない可能性も
米連邦準備制度理事会(FRB)は25日から26日の2日間、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催している。FRBは今会合で、政策金利を据え置くと同時に、今後の引き締め計画を発表すると見られている。サプライチェーンの混乱が長引き高インフレが想定通り弱まらず、一部ではFRBがこの会合で、資産購入の縮小を前倒しで直ちに終了することを発表し、3月の利上げに備えるとの見方も浮上。また、FRBの金融政策が立ち遅れており、取り返すために3月の最初の利上げで50ベーシスポイント引き上げが必要とFRBが超タカ派に転じる可能性を予想する意見も見られる。CNBCの調査でも市場関係者がよりタカ派のFOMCを予想していることが明らかになった。市場はFRBが3月に利上げを開始し、本年3回、または、4回の利上げを予想している。12月調査では利上げ開始は6月だった。36人の回答者のうち半数が2回または3回の利上げ。他の半数は4回か5回の利上げを予想している。また、バランスシートの縮小を7月にも開始すると予想。今後、3年間で2.8兆ドルの削減と、かなり早いベースでの削減を予想している。世界の株式相場はFOMCの積極的な引き締めを恐れ年初から調整局面にある。同時に、オミクロン変異株が拡大した昨年11月ごろから景気回復も一時停滞している兆候が見られる。製造業とともに消費にも影響が出始めている。FOMCはパンデミックによる経済への影響を食い止めるために導入した緊急措置を解消し金融政策の正常化に向けた軌道に転じることを再表明すると見られるが、依然状況は不透明性が強く、脆弱。FOMCやFRBのパウエル議長は、利上げのペースやタイミングはあくまでも経済やインフレの状況次第と強調する可能性が強い。市場が提案している程、タカ派色が強まらない可能性がある。ウクライナ情勢や中間選挙など不透明感が強く、タイミングやペースを公約する可能性は少ないと考える。ドル買いの勢いも弱まる可能性がある。●CNBCのFED調査2022年の金融政策見通し〇ペース:本年3.5回、来年3回〇最初の利上げは3月(12月調査6月)〇バランスシート縮小開始:7月2022年:3800億ドル縮小、2023年:8600億ドル縮小今後3年間で2.8兆ドル削減へ
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2022/01/26 07:35
注目トピックス 経済総合
JPXプラチナは底入れに近づいているか サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、プラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『JPXプラチナは底入れに近づいているか?』と述べています。続けて、『NY白金が1000ドルを越えた背景にはパラジウムの急騰がある』と伝え、『シティ・リサーチが顧客向けのメモの中で、自動車生産が緩慢ながら世界的に回復傾向にあり、ガソリン車などの排ガス浄化触媒に用いられるパラジウム価格は今年、上昇する公算が大きいと分析。これを受けて同じ白金族であるプラチナにも買いが入ったようだ』と解説しています。さらに、『コメルツ銀行がリポートで、ウクライナ情勢の緊迫化によりパラジウム相場が押し上げられているとした。欧米諸国がパラジウムの主要生産国であるロシアに制裁を加えると、輸出禁止で自動車産業に重要なパラジウムが深刻な供給不足に陥る可能性があるという』と言及しています。陳さんは、『JPXプラチナは先週の予想通りに急反発し、一目均衡表の雲をブレイクした。まだ、基準線と転換線が雲を上抜いていないため、「三役好転」したとはいえないが、底入れ完成パターンに近づいているようだ』と考察しています。こうしたことから、JPXプラチナについて、『堅調地合いが続き、4000円を回復した場合、底入れとなり本格的な上昇相場が始まるだろう』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の1月21日付「JPXプラチナは底入れに近づいているか?」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2022/01/25 17:52
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.42%安でスタート、ウクライナ情勢緊迫化を警戒
25日の上海総合指数は売り先行。前日比0.42%安の3509.28ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時01分現在、0.53%安の3505.54ptで推移している。ウクライナ情勢の緊迫化を受け、リスク回避の売り圧力が強まっている。また、翌週31日から春節(旧正月)大型連休に入るため、慎重ムードも高まっている。一方、景気対策への期待が高まっていることなどが指数をサポートしている。
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2022/01/25 11:03
注目トピックス 経済総合
ビットコイン先物リンク債を対象とするプラス5倍トラッカーが上昇率上位に(25日10:10時点のeワラント取引動向)
上昇率上位はビットコイン2022年3月 プラス5倍トラッカー3回 3月 43,000米ドル(+80.5%)、メタ・プラットフォームズコール147回 2月 340米ドル(+66.7%)、ビットコイン2022年2月 プラス5倍トラッカー2回 2月 42,000米ドル(+61.1%)、イーサリアム2022年3月 プラス5倍トラッカー2回 3月 2,500米ドル(+58.2%)、キヤノン<7751>コール243回 2月 3,050円(+56.1%)などとなっている。(カイカ証券)
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2022/01/25 10:24
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米スタグフレーション懸念も
サプライチェーン問題の解決にいまだ目処がたたず、高インフレ持続懸念が強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)も金融引き締めを積極的に進める姿勢に転じた。一方で、昨年12月に続き1月も景気回復の鈍化が明らかになりつつある。昨年12月の小売売上高や消費者信頼感指数は年末年始にもかかわらず新型コロナのオミクロン変異株の影響もあり、予想外に悪化した。地区連銀製造業も軒並み予想を下回る冴えない結果が目立つ。米12月シカゴ連銀全米活動指数は-0.15と、2月来のマイナスに落ち込んだ。マークイットが発表した1月製造業PMI速報値は55.0と、12月57.7から予想以上に低下し、2020年10月来で最低。1月サービス業PMI速報値は50.9と12月57.6から低下し2020年7月来で最低。1月総合PMI速報値は50.8で、12月57から低下しやはり20年7月来で最低となった。活動の拡大と縮小の境目となる50割れ寸前まで急激に悪化。マークイットのチーフエコノミストは昨年末からのオミクロン変異株流行拡大でサプライチェーン問題や人手不足問題が一段と深刻化し、短期的な逆風となっていると指摘。しかし、港での渋滞、貨物船不足の状況は前年下半期に比べて改善基調にあり原材料コストの大幅低下につながり、インフレも急激に押し下げた。様々な問題継続にもかかわらずほとんどの企業は依然、経済が本年後半にも改善すると楽観的見通しを維持している。1年後の見通しは1年ぶり高水準となった。オミクロン変異株の流行収束とともに、サプライチェーン混乱も徐々に回復すると期待している。同時に、人手不足や賃金の上昇を懸念材料として挙げている。FRBのパウエル議長は、中銀がタカ派に転じた理由として、雇用コスト指数(ECI)の大幅な拡大を一つに挙げた。米金利先物市場は一時年4回超の利上げを織り込んでいたが、スタグフレーションの可能性などからその後、過剰な利上げの思惑は緩和している。
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2022/01/25 08:11
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.41%安でスタート、米ハイテク株安などを警戒
24日の上海総合指数は売り先行。前日比0.41%安の3508.24ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時45分現在、0.34%安の3510.72ptで推移している。米ハイテク株安などが弱い海外環境を受け、投資家の慎重ムードが強まっている。一方、国内の景気対策への期待や金融緩和スタンスなどが指数をサポートしている。政府は20日、旅行産業の5カ年計画を公表したなど産業支援策を発表した。
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2022/01/24 10:51
注目トピックス 経済総合
メタ・プラットフォームズを対象とするプット型eワラントが上昇率上位に(24日10:16時点のeワラント取引動向)
新規買いは、原資産の株価下落が目立つDMG森精機<6141>コール22回 2月 1,900円を逆張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしては商船三井<9104>コール125回 2月 8,500円、日本郵船<9101>コール145回 2月 8,700円、DMG森精機コール22回 2月 1,900円、日本郵船コール146回 2月 9,800円などが見られる。上昇率上位はメタ・プラットフォームズプット125回 2月 290米ドル(+50.0%)、メタ・プラットフォームズプット126回 2月 340米ドル(+28.0%)、日本電産<6594>プット163回 2月 11,000円(+23.4%)、日本電産プット164回 2月 13,000円(+23.2%)、プラチナリンク債 マイナス3倍トラッカー39回 2月 1,050米ドル(+21.7%)などとなっている。(カイカ証券)
<FA>
2022/01/24 10:35
注目トピックス 経済総合
NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、米Q4GDP、米PCEコア、ウクライナ情勢、英国規制解除など
今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)開催を予定しているほか、第4四半期国内総生産(GDP)速報値や12月PCEコアデフレーターに注目が集まる。欧州ではPMIが発表される。新型コロナ、オミクロン変異株による域内の経済活動動向に注目。英国ではコロナ抑制規制がほぼ撤廃される予定で、回復期待や利上げ観測にポンドの堅調な展開が予想される。同時にウクライナ情勢にも引き続き注視が必要となる。FRBは今回の会合で政策金利を据え置く見通しだが、声明やパウエル議長会見では利上げのタイミング、引き締めのペースやバランスシート縮小開始のタイミングなどを探る。3月に資産購入縮小を終了、年内3回か4回の利上げを実施し、年半ばくらいからバランスシートの縮小を開始するというのが基本的な市場の見通し。ただ、最近の指標でも依然インフレが高止まりしている証拠が見られ、一部の投資家はFRBの金融政策がかなり後手に回っているとの警戒感を強めており、政策の遅れを取り戻すべく、FRBが今回の会合で資産購入縮小を前倒しで速やかに終了すべきとの意見も浮上。3月FOMCでは50ベーシスポイントの利上げに踏み切り市場にショックを与えるべきなど、FRBがかなり積極的な引き締めを行う必要があるとの意見がここにきて増えつつある。FRBが想定以上に速やかな引き締め基盤を発表した場合、ドル買いに繋がる。一方で、最近発表される消費者信頼感指数、消費関連指標が軒並み予想を下回る冴えない結果が目立つ。オミクロン変異株の流行の影響で、週次失業保険申請件数も予想外に増加。しばらく、労働市場を混乱させる可能性も除外できない。米国のGDPは5.3%成長が予想されているものの、新型コロナのオミクロン変異株流行で、年末にかけて、経済活動や消費が停滞しており、予想を下回る結果となるとネガティブサプライズで積極的な引き締め懸念も緩和する可能性があり、ドルの上値を抑制することになる。■今週の主な注目イベント●米国24日:12月シカゴ連銀全米活動指数、1月製造業PMI25日:11月FHFA住宅価格指数、11月S&P住宅価格指数、1月コンファレンスボード消費者信頼感指数、1月リッチモンド連銀製造業指数25-26日:FOMC、パウエル議長会見26日:12月前渡商品貿易収支、12月新築住宅販売件数27日:週次新規失業保険申請件数、12月耐久財受注、10-12月期GDP速報値、12月中古住宅販売仮契約28日:12月個人所得・支出、PCEコアデフレーター、1月ミシガン大消費者信頼感(28日)●欧州24日:ユーロ圏、仏、独PMI25日:独IFO28日:仏、独、スペイン、ラトビア、ベルギーGDP●英国24日:PMI27日:ほとんどのコロナ規制解除●トルコ27日:中銀四半期インフレ報告
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2022/01/24 07:34
注目トピックス 経済総合
海外の注目経済指標:米FOMC会合でインフレ抑制の方針が固まる見込み
1月24日-28日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■24日(月)午後6時発表予定○(欧)マークイット1月ユーロ圏製造業PMI-予想は58.2参考となる12月実績は58.0。供給制約が続いていること、ユーロ圏諸国における新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて企業投資は昨年末からある程度抑制されているようだ。そのため、製造業の景況感はやや悪化する可能性がある。■26日(水)日本時間27日午前4時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は金融政策の現状維持米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年末までに3回以上の利上げを実施する可能性があることから、今回のFOMC会合では高インフレに対処する姿勢を堅持するとみられる。今後発表されるインフレ関連指標は金融政策の運営に影響を与える可能性は残されているが、FOMC声明は次回3月15-16日開催のFOMC会合で利上げが決定される可能性があることを示唆する内容になるとみられる。■27日(木)午後10時30分発表予定○(米)10-12月期国内総生産速報値-予想は前期比年率+6.0%参考となるアトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPNow」の1月19日時点の予測によると、前期比年率+5.1%。12月の小売売上高と鉱工業生産が低調だったことから、成長率の予測値は7%台から5%程度まで低下した。インフレ率は、供給制約の緩和などに伴い、2022年後半にかけて低下に向かうと予想されているが、昨年10-12月期の時点では経済成長を抑える要因だったとみられる。■28日(金)午後10時30分発表予定○(米)12月PCEコア価格指数-予想は前年比+4.8%参考となる11月実績は前年比+4.7%。サービスの消費の伸びが目立った。住宅や公共事業が牽引。インフレ率は、供給制約の緩和などに伴い、中期的に低下する見込みだが、昨年11月時点ではやや高い伸びを記録していた。この状態は12月も変わっていないと見られており、上昇率は11月実績を上回る可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・24日(月):(欧)1月マークイットユーロ圏サービス業PMI、(米)1月マークイットサービス業PMI・25日(火):(豪)10-12月期消費者物価指数、(独)1月IFO企業景況感指数、(米)1月CB消費信頼感指数・26日(水):(米)12月新築住宅販売件数、(加)カナダ中央銀行政策金利発表・27日(木):(米)12月耐久財受注・28日(金):(独)10-12月期国内総生産速報値
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2022/01/22 16:56
注目トピックス 経済総合
コロナ対策としての「移動の自由」の制限【実業之日本フォーラム】
新型コロナ感染症の拡大を防ぐため、各国政府は国内ではロックダウン、国境では厳格な渡航制限という「移動の自由」を制限する施策を続けてきた。オミクロン株の出現により、日本でも渡航制限(水際対策)と行動制限がふたたび強化されている。去年9月末に緊急事態宣言が終了して約3か月、急激な感染拡大にともない、まん延防止等重点措置の適用が全国に広がっている。感染症の歴史では、国家が隔離や入院を強制して人の「移動の自由」を制限することは珍しいことではなかった。しかし近年は差別や偏見を助長するおそれがあることから、そうした制限は「禁じ手」とみなされてきた。にもかかわらず、なぜコロナ対策では「移動の自由」を制限する政策が選択されてきたのか。それは新型コロナの感染者が無症状(asymptomatic)や発症前(pre-symptomatic)であっても他の人へ感染させるという、新型コロナウイルスに特有の伝播様式のためである。ウイルスにさらされて(曝露)発症するまでの潜伏期は1−14日と幅があり、5日程度(オミクロン株は2−3日)で発症することが多い。症状としては発熱や咳などがよく見られる。感染可能期間は発症2日前から発症後7−10日間程度(厚労省「COVID-19診療の手引き」)。つまり発症前であっても、静かに、ステルスで他の人に感染させてしまう。同じコロナウイルスでもSARSでは発熱や呼吸器症状が発症してから他の人への感染が起きていたため、発症者の入院と接触者追跡により感染の封じ込めが期待できた。しかしステルスで感染が広がる新型コロナの封じ込めは、ほぼ不可能である。そこで人と人との接触機会を強制的に減らすことで感染を制御するため、人の「移動の自由」を制限する対策が実施されてきた。また、新型コロナ感染者が重症化や死亡する割合を見てみると、壮年層や若年層は低く、高齢者がきわだって高い。つまり世代間で脅威認識に差が生じやすい。目に見えないものを恐れることは難しい。新型コロナに感染した壮年層や若年層が発症しないまま気づかず、あるいは軽症のままマスクなしでの会話、狭い空間での共同生活などを続け、その人々からウイルスが家庭や高齢者施設、病院に入り込み、高齢者の命を奪う。隠れた感染連鎖はいわば時限爆弾として人から人へと伝播し、高齢者や基礎疾患をもつ人々が重症化し、クラスターが発生し、突然、感染爆発が表面化する。「波」のはじまりでは、こうした事例が繰り返し発生してきた。それでも2021年秋の第5波では、多くの感染者が発生したものの、感染者の死亡率は、春の第4波に比べれば低かった。菅政権が強力に推進したワクチン接種により、高齢者の多くが免疫を獲得できていたことが一因と見られている。ワクチンの重症化と感染を予防する効果が、このときは十分に発揮されていた。しかし2021年11月になって、オミクロン株が新たな脅威として出現した。南アフリカからの第一報では、世界で猛威を振るったデルタ株よりさらに伝播力が強い可能性が示唆され、またワクチンや自然感染により獲得した免疫を逃避しうる変異も認められた。免疫を逃避するということは、一度感染した人も再感染する可能性があり、ワクチンのみならず、第5波で多くの軽症者を救った抗体カクテル療法も歯が立たないことを意味する。実際にオミクロン株感染者ではワクチン接種完了者でのブレークスルー感染が多数、発生している。この新たな危機に対し、各国はふたたび、厳格な国境管理という「移動の自由」を制限する施策を打った。日本では、岸田政権がG7諸国のなかでも厳格な水際対策により、1か月の時間を稼いだ。岸田政権が去年11月に発表した「次の感染拡大に向けた取組の全体像」の骨格は、医療提供体制の強化、ワクチン追加接種、飲める治療薬の3本柱であった。病床とともに軽症者向けの宿泊療養施設も確保数を増やした。しかしワクチンの追加接種はG7各国のなかでも遅れが目立つ。はたして厳格な国境管理で稼いだ時間を活かし、第6波に向けた備えを起動し、稼働させられるか。あるいは緊急事態宣言により、ふたたび国内でも「移動の自由」を制限することになってしまうのか。これから真価が問われることになる。相良祥之一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)主任研究員。国連・外務省・ITベンチャーで国際政治や危機管理の実務に携わり、2020年から現職。研究分野は国際公共政策、国際紛争、新型コロナ対策やワクチン外交など健康安全保障、経済安全保障、制裁、サイバー、新興技術。2020年前半の日本のコロナ対応を検証した「コロナ民間臨調」で事務局をつとめ、報告書では国境管理(水際対策)、官邸、治療薬・ワクチンに関する章で共著者。慶應義塾大学法学部卒、東京大学公共政策大学院修了。ツイッター:https://twitter.com/Yoshi_Sagara■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
<RS>
2022/01/21 19:45
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JPX金、強気優勢で昨年の高値越えの可能性大 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『JPX金、強気優勢で昨年の高値越えの可能性大』と述べています。続けて、『年明けから発表された米経済指標は、やや失望する内容のものが多かった。12月米雇用統計は、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数が市場予想を大幅に下回った。11日に行われたパウエルFRB議長が出席した上院での再任承認公聴会では、「一層多くの利上げを実施する」と明言したが、タイミングや回数については未定としたほか、バランスシートの縮小についても今後協議を重ねるとして詳細を明らかにしなかった』と伝え、『昨年12月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇と伸びは前月の6.8%上昇から加速し、1982年6月以来39年半ぶりの高水準となったが、予想通りの結果だった。昨年12月米小売売上高は、前月比1.9%減少と、5カ月ぶりのマイナスとなった』と解説しています。陳さんは、『強弱まちまちの結果ながら、米経済が堅調に推移する中、FRBがインフレに対処するためゼロ金利政策解除の方針に変更はないと見られたが、より強固なタカ派には残念な結果となったようだ。そのため、ドルが売られ、ドル建て金は割安感から買いが継続した』と分析しています。次に、『日銀は17~18日に開いた金融政策決定会合で2022年度の物価上昇率見通しを従来の0.9%から1.1%へと引き上げた。資源価格の上昇などを背景に企業が値上げに踏み切る事例が増えてきたことを反映した。日銀は持続的な2.0%の物価上昇目標には時間がかかるとみて、大規模な金融緩和は現状維持を決めた』と伝えています。一方、『来週26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、3月の利上げについて討議され、タカ派的な会合となりそうだ。米長期金利は1.8%に上昇するなど基調の強さが出ている』と言及しています。また、『NY原油は世界的な需給引き締まり観測やウクライナや中東情勢をめぐる地政学リスクを背景に86ドル台に上昇している。ロイター/ジェフリーCRB指数は245%に上昇し、過去5年間の最高値を更新した。インフレ懸念が強まっていることから、金は金利上昇というマイナス要因より、インフレヘッジの買いが勝っているようだ』と考察しています。こうしたことから、陳さんは、金について、『NY金は1800~1850ドルのレンジで推移しよう』とし、『JPX金も上値を目指す展開になりそうだ。昨年の高値6886円(11月17日)をブレイクして7000円の大台に上昇する可能性は高いだろう』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の1月19日付「JPX金、強気優勢で昨年の高値越えの可能性大」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
<FA>
2022/01/21 17:51
注目トピックス 経済総合
北朝鮮のミサイル発射と心理戦【実業之日本フォーラム】
2022年1月、北朝鮮は「新型極超音速ミサイル」の発射2回を含む4回のミサイル発射を実施した。(1月18日現在)これらのミサイル発射に対し、日本マスコミの関心は高く、連日テレビ等で報道されている。特に新型極超音速ミサイルについては、マッハ5を超える速度と変則軌道を持つことから、現有装備では対応できないと指摘されている。しかしながら、北朝鮮がなぜこのような戦略兵器の試験を積極的に公表するのかについて考えてみる必要がある。そこには、心理戦の要素が含まれていることは間違いなく、過剰な反応は相手を利するばかりであろう。北朝鮮が保有すると見られる弾道ミサイル等を概観すると、まず驚かされるのは、その種類の多さである。2019年及び2020年の2年間で、射程が400~600kmとみられる短距離弾道ミサイル3種類(イスカンデル、ATACMSに酷似したミサイル及び600mm長距離ロケット砲)の発射を合計14回実施している。さらには、ミサイルの搭載ビークルとして、装輪(タイヤ)車及び装軌(キャタピラ)車の垂直発射装置(TEL:Transporter Elector Launcher)に加え、鉄道軌道、潜水艦搭載弾道ミサイル(SLBM)と多彩である。防衛省公表資料によれば、長距離弾道ミサイルを含め14種類の弾道ミサイルを保有している。軍事的合理性から判断すると、多様な装備の保有は欠点のほうが多い。装備武器の種類が多ければ多いほど、その維持整備の手間やスペアパーツ等の数が多くなり、費用がかさむ。さらに、そのすべてを運用可能状態としておくためには、人の教育訓練や効率的なローテーション等の人的リソースも多く確保しなければならない。従って、北朝鮮が頻繁に行っているミサイル等について、その全てが実用化されているとは限らない。多種、多様なミサイル発射に翻弄され、対応が難しいというようなイメージを持ち、過度に反応することは控えるべきである。次に指摘できるのは、北朝鮮が公表したミサイル試験データの信用性が低いことである。例えば、労働新聞には1月5日及び1月11日に行った極超音速ミサイルの試験に関し、5日は120km側面移動し、700km先の標的に命中したとしており、11日は240km旋回軌道し1,000km先の標的に命中したとしている。長距離ミサイルの発射試験を実施する場合は、ミサイルに電波(テレメトリー)を発信する装置を取り付け、その電波を追尾することにより飛翔状況や弾着精度等を測定する。電波の直進性及び地球が球面であることを考慮すると、見通し距離の概算方法は次の通りである。D(見通し距離km))=4.12(ルートアンテナ高度(m)+ルート目標高度(m))テレメトリー受信アンテナを山頂に設置し合計高度900mと仮定した場合、見通し距離1,000kmを確保するための目標高度は約45,000mの計算となる。すなわち高度45km以下の目標からの信号は1,000km先からは探知できない。このため、ロシアや中国は、弾着時の弾頭の状態を確認するため、長距離弾道ミサイル等の試験を行う際の弾着点は陸上に設定している。もちろん、途中に航空機や複数の船舶を配置し、テレメトリー信号を中継するという手段があるが、今回北朝鮮がこれらの兵力を運用したという情報はない。防衛省の発表も「通常の弾道軌道だとすれば」という注釈付きの飛翔距離しか公表しておらず、弾着点は計算上の推定であると考えられる。長距離ミサイルの試験において、弾着時の弾頭の状態は計算どおりに起爆するかどうかを判定する極めて重要な評価項目である。北朝鮮はこの部分の評価ができていない可能性がある。一方で、防衛省も韓国国防省も、北朝鮮が極超音速ミサイルと称するミサイルが、通常の弾道ミサイルよりも低い高度で飛翔し、変則軌道をとったことを認めている。北朝鮮の公表に対し、科学的合理性等の評価を加えた上で脅威評価をする必要がある。1月12日付労働新聞は、11日の極超音速ミサイルの発射を金正恩総書記が視察したことを写真付きで報じている。記事の中に「朝鮮労働党第8回大会が提示した『国防力発展5か年計画』の核心5大課業のうち、最も重要な戦略的意義を持つ極超音速兵器開発部門で大成功を成し遂げた」との表現がある。5大課業の中には「水中作戦能力」の向上という項目がある。北朝鮮は2021年10月に潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)の発射を実施している。核心5大課業の第二弾として、SLBM発射試験を行う可能性があり、これを極超音速ミサイル同様大きく報道すると考えられる。この場合であっても、単にSLBM発射に注目するのではなく、科学的見地からその性能を評価し、対応について検討していくというプロセスが必要がある。北朝鮮の極超音速ミサイルについて、迎撃手段がないということのみがクローズアップされている。これは北朝鮮の心理戦に侵されていると言えるのではないだろうか。北朝鮮が極超音速ミサイルと称するミサイルは形状や飛行パターンから、米中ロが開発または開発中の極超音速ミサイルの2種類「HGV(Hypersonic Glide Vehicle)及び「HCV(Hypersonic Cruise Missile)」のいずれにも該当しない。北朝鮮が米中ロをしのぐ技術力を保有しているとは考えにくく、性能は誇張されていると見るべきであろう。しかしながら、このことは北朝鮮の核及び弾道ミサイルの脅威を過小評価してよいということにはならない。北朝鮮が極超音速ミサイルの開発に成功したのかどうかは別にして、各種の弾道ミサイルを保有し、核の小型化にも成功している可能性がある。レールガンやレーザー砲といった装備開発に加え、事前に発射基地やビークルを無力化する装備の開発を進める必要がある。全ての発射基地を網羅することができないことから、敵基地攻撃能力の保有を無意味とする意見があるが、日本が同種能力の保有に踏み切ること、あるいは少なくとも保有に向けて議論を重ねることは、日本の強い意志を内外に示すことにつながり、ひいては抑止力強化につながることを忘れてはならない。これも、ある種の心理戦である。心理戦は専守防衛であっても行使できる戦闘方法であり、北朝鮮の心理戦に対応し、積極的に実施していく必要がある。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
<FA>
2022/01/21 15:43
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.23%安でスタート、米早期の金融引き締めを警戒
21日の上海総合指数は売り先行。前日比0.23%安の3546.75ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時00分現在、0.51%安の3536.84ptで推移している。米連邦準備制度理事会(FRB)が早期の金融引き締めに踏み切るとの観測が警戒されている。また、国内での新型コロナウイルス感染対策の強化なども引き続き嫌気されている。一方、国内での金融緩和実施などが引き続き指数をサポートしている。
<AN>
2022/01/21 11:05
注目トピックス 経済総合
第三の相殺戦略と経済安全保障−先端技術育成に向けて−【実業之日本フォーラム】
アメリカ国防省は、2016年「第三の相殺(オフセット)戦略(Third Offset Strategy)」を公表した。その内容は、中国及びロシアの著しい軍事力拡大に対し、米国の軍事的優位を確保するために、軍事技術の革新、新たな作戦構想、兵器調達、後方支援にわたる全省的改革を目指すものであった。第一の相殺戦略は1950年代の戦術核、第二は1970年代の精密誘導兵器がそれぞれの代表的な軍事技術と言えるであろう。第三の相殺戦略で鍵となる技術として、「無人兵器」、「敵の戦闘管理ネットワークを無力化する兵器」、「レーザー砲」、「レールガン」等が挙げられていた。アメリカは、第三の相殺戦略で挙げられた技術開発を継続中であり、無人機やレーザー砲等については、その一部について、すでに実現している。第一及び第二の相殺戦略と大きく異なることは、第一及び二の時代は、アメリカの技術開発が先行し、これを中露が追いかけるという形であったが、現在では競争相手である中国やロシアがアメリカと同等若しくはそれを上回る可能性のある技術をすでに身につけていることである。最近アメリカの国防省や統合軍の声明や広報資料に「第三の相殺戦略」という言葉を見ることはない。しかしながら、よく使われている「ゲームチェンジャー」という言葉は、第三のオフセット戦略が目指していた先端軍事技術の優越を目指すことと同じと考えられる。米軍は先端技術の差が戦いを左右することをより強く意識しつつあると言える。ネットワーク化が進み、あらゆる情報が瞬時に世界中を駆け回る社会において、全く新しい考えに基づく技術が突然生まれるということは考えづらい。現在注目されている無人機やレーザー砲についても、その構想は早い段階からあり、問題は実現するための技術的課題等の克服であった。従って、それがゲームチェンジャーとなるかどうかは、実用化する時期が早いか遅いかによる。いち早く実用化した国が、覇権を握る。そのためには十分な投資と研究を支える仕組みが必要不可欠である。令和4年度防衛予算概算要求の基本的考え方には、「ゲームチェンジャーとなり得る技術等の研究開発や防衛産業基盤を強化する」、とされている。日本も、遅ればせながら、先端技術への投資に重点を置きつつある。先端技術開発に関しては、防衛分野に限らず、経済安全保障分野においても重要施策が検討されている。2022年1月13日、読売新聞は、政府が経済安全保障強化の観点から先端技術育成策を検討していることを明らかにした。政府内に「重要技術研究開発協議会(仮称)」を設置し、国家安全保障局、内閣府、防衛省、文科省など関係省庁の幹部と、守秘義務を課した研究者による意見交換により技術開発を進めるというものである。そのための資金として、2021年度補正予算には2,500億円が計上されており、将来は5,000億円規模に拡大することを想定している。また、2023年度に設置予定の「経済安全保障に関する調査研究機関」が、必要な助言を行うフレームワークとされている。経済産業省の資料によれば、2018年度の日本の研究開発費総額は1,713億ドル(約19兆7千億円)と世界第3位ではあるが、1位アメリカ(5,816億ドル、約66兆9千億円)、2位中国(5,543億ドル、約63兆7千億円)から大きく引き離されている。将来的に5,000億円に拡大するとはいえ、競争力を強化するためには一桁上の数字が必要であろう。政府が検討を進めている「重要技術研究開発協議会(仮称)」の課題は、守秘義務を課した研究者をどのように集めるかにある。総務省が調査したところによれば、2019年度の日本の研究者の総数は約88万人である。この数字は過去10年間ほとんど変化していない。そのうち企業に所属する研究者が50.7%、大学等に所属する研究者が33.5%であり、両者で80%を超える。企業は、所属する研究者に利益につながる研究を望み、大学は、国際レベルでの学術的評価を上げることを研究者に期待する。先端科学技術の情報漏洩は国家的な損失というだけではなく、相手を利する。その観点から研究者に守秘義務を課すことは理解できるが、守秘義務のために企業利益や大学の国際的評価向上に結び付かない場合、企業や大学が研究者の参加を容認しない可能性が高い。さらに、日本の研究者約88万人の代表とされる日本学術会議は、2017年3月に、「軍事的安全保障研究に関する声明」の中で、「軍事目的のための科学研究を行わない」という1950年の声明を継承する旨を明らかにしている。さらには声明の中で、2015年度に防衛装備庁が設置した「安全保障技術研究推進制度」は、「内部職員(ママ)による研究の進捗管理等、政府による研究への介入が著しく、問題が多い。」とまで言い切っている。デュアルユースが主流である先端技術において、日本学術会議のこのような時代錯誤的感覚は日本の安全保障を脅かしかねない。経済安全保障の観点から先端技術に関する優位性を確保することは、日本の安全保障に直接寄与する。新設が予定されている「重要技術研究開発協議会(仮称)」がその設立目的を果たすためには、官民を挙げて優秀な研究者を集めなければならない。協議会に参加することが研究者のキャリアパスや待遇の悪化を生まないように、守秘義務を課す代償として、官民をあげて身分や生活を保障する仕組みが必要である。さらには、軍事的安全保障研究にかたくなに反対する日本学術会議に対し、その役割も含め抜本的な見直しが必要であろう。会議が求める研究の自由は、自由な社会があって初めて成立する。政府が検討を進めている経済安全保障は、その自由な社会を守るために必須の施策なのである。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:西村尚己/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/01/21 10:40
注目トピックス 経済総合
ネットフリックスを対象とするプット型eワラントが前日比3倍超えの大幅上昇(21日10:01時点のeワラント取引動向)
手仕舞い売りとしてはイーサリアム先物インデックスリンク債_2024年 トラッカー1回 5月 1米ドルなどが見られる。上昇率上位はネットフリックスプット83回 2月 450米ドル(前日比3.7倍)、ネットフリックスプット84回 2月 550米ドル(前日比2.4倍)、メタ・プラットフォームズプット125回 2月 290米ドル(前日比2.1倍)、ネットフリックスプット85回 2月 650米ドル(+79.7%)、デンソー<6902>プット66回 2月 7,600円(+48.2%)などとなっている。(カイカ証券)
<FA>
2022/01/21 10:33
注目トピックス 経済総合
NYの視点:オミクロン変異株流行の労働市場への影響は短期的との見方が主流
米労働省が発表した週次新規失業保険申請件数(1/15)は前週比+5.5万件の28.6万件となった。前回23.1万件から減少予想に反して増加し昨年10月末以降で最高となった。失業保険継続受給者数(1/8)は163.5万人。前回155.1万人から予想以上に増加した。失業保険申請件数は数週間前に、50年超ぶりの低水準を記録したのち、基調が転換。オミクロン感染が急増したカリフォルニア州では6075件、NY州で1.4万件申請件数も増えた。明るい点としては、失業保険継続受給者数の変動の少ない4週平均は5.525万人減の166.4万人と、2019年4月来の低水準となったことが挙げられる。今後は、新型コロナ、オミクロン変異株流行がビジネスを混乱させ、サプライチェーン問題をさらに悪化させる可能性が残る。ただ、多くのエコノミストは一時的な傾向で、労働市場の強い回復見通しを修正する姿勢は今のところ見せていない。一方で、1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数でインフレ指標である同指数の将来の支払い価格指数は1988年8月以降34年ぶり高水準となった。現状では景気よりもインフレ高進への懸念が強く、金利先物市場では依然年4回利上げを織り込んだままとなっている。ドルを支える材料となる。
<FA>
2022/01/21 07:32
注目トピックス 経済総合
(中国)人民銀、貸出基準金利を引き下げ
中国人民銀行(中央銀行)はきょう20日日本時間10時15分ごろ、貸出基準金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」の1年物と5年物をそれぞれ前回の3.80%、4.65%から3.70%、4.60%に引き下げると発表。市場予想は3.70%(1年物)と4.55%(5年物)だった。国内での新型コロナウイルス感染対策の継続に伴う行動制限の強化が経済活動の停滞懸念を強めていることが背景にある。
<AN>
2022/01/20 11:14
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は売り先行もプラス圏回復、金融緩和を好感
20日の上海総合指数は売り先行。前日比0.05%安の3556.22ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時58分現在、0.13%高の3562.73ptで推移している。金融緩和が好感されている。きょう20日日本時間10時15分ごろに発表された銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」の1年物と5年物は、それぞれ前回の3.80%、4.65%から3.70%、4.60%に引き下げられた。一方、海外株安や米金融当局が大幅な利上げに踏み切るとの観測が指数の足かせとなっている。
<AN>
2022/01/20 11:06
注目トピックス 経済総合
世界で伸びる太陽光発電市場、日本の再エネ産業成長のためには「一度決めても変更する力」が必要だった…!(2)
●コーヒーかすも資源に変える?伊原:2012年12月、政権交代によって1年半過ごした国家戦略室がなくなり、いまの会社、Green Earth Institute(グリーンアースインスティテュート)というベンチャー企業に転職しました。私自身は創業者ではなく、設立から1年半後に入ったメンバーです。自分が国家戦略室時代に再生可能エネルギー産業の成長戦略を検討したことを、実務でチャレンジできそうな会社ということが、入社の決め手です。弊社は、バイオマスを原料として、微生物に発酵をさせて、いろいろな化学品、典型的にはアミノ酸やバイオプラスチックの原料となる化学品、バイオ燃料などを生産する技術を開発しています。ミドリムシの研究や製品販売で名高いユーグレナと同じく、我々もジェット燃料を作ったりもしています。ただ、現在の燃料価格が安いので、現時点で事業化のハードルは高いと思いますが、石油由来の製品に対する規制などが入ってくれば状況は変わるかもしれません。いまは、主にアミノ酸など割と高付加価値のものの技術を開発し、それをライセンスしています。また、最近は、バイオマスからプラスチックの原料となる化学品をつくる技術もライセンスしています。よく「バイオマス発電しているのですか」と聞かれるのですが、電力でなく、石油の代替としてバイオマスからいろいろな化学品を作るこの会社に入り、早くも8年が経ちました。いかに植物(バイオマスア)を使って化学品をつくるかがコア技術です。これは石油由来の化学品を代替することで、CO2の削減にもつながります。また、食料問題の解決に寄与すべく、トウモロコシやサトウキビのような食べ物かに代えて、捨てられているもの、たとえばコーヒーかすや古紙のようなゴミを資源に変える化学品を作ることにも取り組んでいます。ベンチャーだからかもしれませんが、この8年で経営の大変さがわかりました。世界の競合企業と伍していくにはまだまだ遠いのですが、この4年ほどは売上も上がってきて、ようやく世界の背中が見えてきたところです。●日本のFIT導入が成功だったと言えるワケ白井:エネルギー政策を取り巻く状況は、入省された30年前とはまさに大違いだと思います。日本のエネルギー政策を考えるにあたり、国家戦略室で東日本大震災後の新しいエネルギー・環境政策を策定しようとされていた頃のお話をもう少しお聞かせいただけませんでしょうか。伊原:国家戦略室に着任したときに、自分の中では、エネルギー政策は国民の理解がないと進まないということを心に戒めていました。2011年4月、国民のエネルギー行政に対する信頼は地に落ちており、国民にも諦観が漂っていました。そういう中で新しいエネルギー・環境政策を作るのであれば、自分自身の思いを政策にするのではなく、いろいろな方法で、国民的な議論を喚起し、多くの国民が求めている政策を見極めることが必要だと考えていました。討論型世論調査といった新しい手法も使って、国民が本当に理解して納得する政策を作ることがエネルギー政策に携わる者の目的、ミッションだと思ったのです。1年半やらせていただき、その後、国民的議論も沸き起こる中で、船橋先生にもいろいろご指導いただきましたが、できる限り、普通のサイレントマジョリティーの方の意見も吸い上げられる仕組みを考え、全国民の平均により近い答えを導き出すように努力したつもりです。政策決定プロセスを運営する過程では、反原発やグリーンといった自分なりのポリシーを実現しようとは考えず、客観的に取り組んだつもりでした。その頃、「原発1基を代替するために、山手線内の面積分の太陽電池モジュールによる発電が必要」とか「そもそも難しい。思っているほど太陽光発電で電力を作れない。太陽光発電用の土地を、それほど用意できない」という指摘を受けました。ところが蓋を開けてみると、九州では発電し過ぎてしまい、太陽光発電を止めるようなことも頻発しています。FIT(固定価格買取制度)という制度自身にいろいろな意見があるのは承知していますが、いざやってみると電力は作れるのです。それなりの場所を使いますが、山手線内の全てではなくても、使われていない土地だけでも相当量を作ることができるのです。本当にあるべき姿を求めるのであれば、まずはそれを目指してみることが必要だと痛感しました。なんとなく難しそうということで終わらせるのではなく、基本的には、あるべき方向に向かって足を踏み出すことが必要です。どっちになるか分からないからやめておこうというのであれば、何も変わらないのです。当時、多くの人の関心は原発に集中していましたが、その裏側で再生可能エネルギー産業の成長戦略を作成していました。これから世界中で再生可能エネルギー産業が伸びるということ、それはグローバルな産業であるということには、誰も異論がありませんでした。たとえば、太陽電池は、当初、三菱もシャープも京セラもいた日本は、世界でトップを走っていました。そういう意味では、太陽電池は日本の独壇場に近かったと思うのですが、数年後には中国、ドイツに負けることになりました。太陽光発電に限らず再生可能エネルギー産業全体で、最初から世界を相手にして、世界レベルでビジネスを見て戦えるような企業が出てくる必要があります。国家戦略には、そういう視点で再生可能エネルギー産業を成長させなければいけないし、民間企業も立ち向かうべきだと記しました。いろいろな意見がありましたが、革新的エネルギー・環境戦略では、割と野心的と言われた再生可能エネルギー目標を掲げました。原発をやめるのは無責任という意見もあったのですが、私個人としては、政府の一つの役割は、どちらかわからない、あるいは確定的でないことについては、あるべき姿を示して、そこに国として向かっていくビジョンを示すことだと思います。必ずできることであれば、政府が書く必要はありません。国としてのあるべき姿を示すのであれば、「2030年にこうしたい」というのは野心的であっていいと思いますし、それに向けて政策資源を投入していくのは決して無責任ではないと思います。白井:経済学者マリアナ・マッツカートは、『ミッション・エコノミー』という著作の中で、国と企業が手を携えて新しい資本主義を作るべきだ、と主張していますが、まさにそういうことですね。日本におけるFITの導入は、まさにその先駆的な実例だった、と。伊原:FITによって新たに国民負担が増えましたが、FITを入れた頃は、皆が「再生可能エネルギーはこんなに増えない」と言っていたわけです。太陽光発電市場も伸びないと言っていたけれど、FITを入れたら大きく増えました。FITの目的は再生可能エネルギーの拡大ですので、十分目的を果たした政策だったと思います。やり方や送配電系統についてはいろいろな議論がありますので、それは修正をしていけばいいと思うのですが、FITという政策自身が間違いだというのは、何もやらないほうがいいと言っているのと同義です。ある目標があり、それに近づけるための一手であれば、打ってみる必要があると思いますし、この太陽光発電市場の伸び自身は肯定的に捉えられるべきです。太陽光発電装置は現在、中国製が圧倒的なシェアを占めていますが、日本のものが使われていれば、日本経済にももっとプラスだったでしょう。他の政策もそうですが、一度決めたら変えないということが問題であり、状況に応じて、柔軟に変更していくことも政府の責任だと思います。●「責任を取りたくない」日本の組織文化白井:ここまでのお話の中で、行政が一度決めたら止められないというお話が実に興味深く感じられたのですが、どうして日本は、慣性の法則のようなモデルから一歩踏み出すことができなかったのでしょうか。伊原:エネルギー政策、年金政策、あるいは財務政策も含めて、日本の行政は無謬性といいますか、一度始めたことを間違ったとして修正することが非常にやりにくい組織文化や体制なのです。このような組織は、安定性が求められる時代では、うまく機能するのですが、反対方向に行かなければいけない時代では、機能不全に陥ります。他国の政治は、一度決めたことも変更する力を持っているのですが、日本の場合には、民主党政権がああいう形で倒れたのも影響しているのでしょうが、より難しいと感じています。白井:責任を取りたくなく、なすりつけ合いという組織は、第二次世界大戦時の意思決定や組織文化に似ている気がします。するべき時に、大きな決断ができないというのは、日本の組織文化に根差しているのでしょうか。伊原:民主党政権については、短期間で終わってしまったので、評価は難しいのですが、根源的に大きく自民党と違うのかと言うと、とも言えない気もします。そういう意味では、日本の文化に根差した部分が大きいのかもしれません。民主党政権については、私もインタビューを受けましたが、船橋洋一さんの『民主党政権 失敗の検証』で、詳しく検証されています。白井:現状維持をすることによって、誰かの利益を確保するという意図的な力が働いているというよりは、組織成員全員が、責任を取りたくないため、意思決定をしないという消極的な組織という感じですね。日本のあらゆる組織が抱えているこの病理については、この実業之日本フォーラムでも稿を改めて論じていきたいと思います。■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
<TY>
2022/01/20 10:40
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世界で伸びる太陽光発電市場、日本の再エネ産業成長のためには「一度決めても変更する力」が必要だった…!(1)
ゲスト伊原智人(Green Earth Institute株式会社 代表取締役CEO)1990年に通商産業省(現 経済産業省)に入省し、中小企業、マクロ経済、IT戦略、エネルギー政策等を担当。1996~1998年の米国留学中に知的財産権の重要性を認識し、2001~2003年に官民交流制度を使って、大学の技術を特許化し企業にライセンスをする、株式会社リクルート(以下、「リクルート」という。)のテクノロジーマネジメント開発室に出向。2003年に経済産業省に戻ったものの、リクルートでの仕事が刺激的であったことから、2005年にリクルートに転職。震災後の2011年7月、我が国のエネルギー政策を根本的に見直すという当時の政権の要請でリクルートを退職し、国家戦略室の企画調整官として着任し、原子力、グリーン産業等のエネルギー環境政策をまとめた「革新的エネルギー環境戦略」策定に従事。2012年12月の政権交代を機に内閣官房を辞して、新しいグリーン産業の成長を自ら実現したいと考え、Green Earth Institute株式会社に入社。2013年10月より代表取締役CEO。聞き手白井一成(株式会社実業之日本社社主、社会福祉法人善光会創設者、事業家・投資家)●今後の再エネの主役は「太陽光発電」に白井:2021年11月13日、グラスゴー気候合意(協定)を採択してCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が閉幕しました。この合意では、2100年における世界の平均気温を、産業革命以前に比べて1.5度の上昇に抑える努力や、温暖化の最大の原因である石炭火力発電の「段階的な削減」が盛り込まれています。気温上昇に対する取り組みの具体案が不十分という声が聞かれる一方、石炭という特定のエネルギー源に言及して目標を設定することは異例のことであり、この点においては関係者からは高く評価されています。日本政府は、2020年10月に2050年までのカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、2021年4月には、2030年までに2013年比で温室効果ガス46%削減を表明しました。2018年時点では化石燃料が総エネルギーに占める比率は約85%です。再生可能エネルギーやいわゆるクリーンエネルギーといった分野が、中長期的に大幅に拡大することが見込まれていますが、2018年比で温室効果ガス削減約40%、2050年までのカーボンニュートラルを目指すためには、再生エネルギーの中でも太陽光発電が主役となりそうです。このような状況下、日本はどのような道を選んでいくべきかについて、かつて通産官僚として日本のエネルギー政策を描かれたGreen Earth Institute(グリーンアースインスティテュート)株式会社代表取締役CEOの伊原:智人様にお話をお伺いしたいと思います。伊原:このような機会をいただきまして、ありがとうございます。行政の立場からエネルギー政策に関わったのは、資源エネルギー庁電力市場整備課で1年ちょっと、国家戦略室で1年半と、合計2年半ですが、深い密な時間を過ごすことができました。いろいろな方ともお会いできて、さまざまな知識も得ることができました。まず、簡単に自己紹介をさせてください。通産省に入省したのは1990年で、中小企業政策、マクロ経済、IT政策などを担当しました。2年間米国に留学した際には、知的財産(Intellectual Property=IP)や無形資産というものに触れ、シアトルではマイクロソフトに訪問などしました。過去の日本では特許部というと経営からは遠い感じがしていましたが、米国でIPというと、専門の取締役がいて、戦略を立案するところという印象でした。帰国したら知的財産に関する仕事に携わりたいと思っていましたが、結局、大臣官房の行革担当として戻ることになりました。ちょうど通産省から経産省に変わる直前の2000年前後です。行政改革とはいろいろな組織の権限を引き直すことで、各省と権限の争いのようなことをやらなければいけないのですが、もっと実業に近いところをやりたいと思い、官民交流制度の公募に手を挙げて、2001年からリクルートに行かせてもらいました。2年間にわたって、大学の技術を特許取得して企業にライセンスするという、リクルートの中でもちょっと変わった部署で業務に携わったのですが、そこでは知的財産をビジネスにする面白さ、醍醐味を経験しました。●核燃料サイクルに疑問を持ち始めた…白井:20代から30代の前半にかけて、海外、そして民間企業でも経験を積まれたのですね。エネルギー政策と関わるようになるのはそのあとですか。伊原:その後、経済産業省の資源エネルギー庁に戻りました。電力市場整備課という、電力会社と対峙する部署です。2003年から2004年にかけて、電力会社から、原子燃料の再処理費用や再処理施設の廃止に関わる費用を電気料金に上乗せして、利用者に負担させるようにして欲しいという要望を受けました。核燃料サイクルには将来大きな費用がかかるというのが理由でした。ちょうどこの頃は、電力の自由化が始まる時期でした。これによって、電力会社がコストを全部料金に乗せられる総括原価という方法ができなくなるため、その将来かかる費用をいま、回収させてほしいということでした。それ自体は否定できるものではありませんが、核燃料サイクルを継続・維持するコストなどがはっきりせず、そもそも核燃料サイクルの必要性が疑問でした。私が2003年に電力市場整備課に着任し、エネルギー政策の立案を行なった当初は、純粋に原子力発電は必要だと思っていました。原子力の核燃料サイクルは「使用済みの核燃料を再処理工場に持ち込んで再処理し、最終的には再び核燃料として利用する」という非常に夢のある話であり、これを進めることには何の疑いも持っていませんでした。しかし、業界に関して勉強を進める中で徐々に実情がわかってきて、核燃料サイクル政策に対して疑問を覚えるようになりました。日本が1950年代に核燃料サイクルに取り組み始めた頃は、エネルギー資源が少ない日本にとってのひとつの理想形だったのだと思います。しかしその後の1990年代には、核燃料サイクルには技術的な課題が多く、経済的に成り立たないことが明らかになってきたため、世界各国がやめていったのです。日本では、再処理し終えた核燃料を使う高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が1994年からはほぼ稼働せず2016年に廃炉が決定しましたが、青森県六ヶ所村では使用済み核燃料の再処理工場の稼働に向けた取組みを続けてきました。専門家や業界の方々の本音は、「本当は上手くいくはずがない、安くできることはない、とわかっているのにもかかわらず、やめることができない」とのことでした。慣性の法則といいますか、行政の無謬性(むびゅうせい)の呪縛にかかり、このまま進めてはいけないと理解しつつも、止めることがなかなかできないのです。一種のチキンレースであり、「この責任を政府が負うのか、電力会社が負うのか」という、責任の押しつけ合いになっていたのです。暴走族のチキンレースであれば壁にぶつかるのは本人たちですが、この問題は、多大な債務と多大な放射能にまみれた工場が残ります。本来は、やめるという決断をすべきだったのです。●リクルートを辞めて、国家戦略室へ伊原:しかし、結果的には核燃料サイクル政策を止めることはできませんでした。そして、2005年に経産省をやめて、かつて官民交流で働いていたリクルートに転職しました。そしてその6年半後、東日本大震災が起こったのです。ほどなくして、民主党から「エネルギー政策を一から見直すことになったから国家戦略室に来ないか」というお声がけをいただきました。その頃、菅直人総理はエネルギー政策を見直すと明言し、国家戦略担当大臣の玄葉光一郎さんにエネルギー政策の見直しを指示されていたのです。日本のエネルギー政策、特に電力政策を変えることの大変さは、2003年から2004年にかけての資源エネルギー庁での経験で肌身に染みていました。だからこそ、こういう機会でもないと変えられないと思い、リクルートを辞めて、2011年7月から国家戦略室に行きました。原発問題を含めていろいろなエネルギー問題について勉強していく中で、船橋洋一さんにもお会いしました。「世界で伸びる太陽光発電市場、日本の再エネ産業成長のためには「一度決めても変更する力」が必要だった…!(2)」に続く■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/01/20 10:38