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注目トピックス 経済総合 元自衛官が徹底分析!米海軍発表の「ロシアの4つの戦争概念」から見えてきた「プーチンの次なる行動の中身」 ■プーチンは次に何をする?2月24日にロシアがウクライナに侵攻してから、すでに3週間以上が経過した。いまだ、首都キエフはロシアの手に落ちてはいないが、ゼレンスキー大統領の発表ではウクライナ軍の死者は約1,300人となり、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、3月12日までに、ウクライナの民間人に549人の死者と957人の負傷者が生じたとしている。ウクライナ軍の強い抵抗によって、ロシア軍の侵攻は長期化の様相を見せ始めているが、核の使用さえもちらつかせるプーチン大統領が、次にどのような手を打ってくるか予断を許さない状況が続いている。こうした軍の作戦は、大統領をはじめとする各級指揮官の判断によって作戦が決定され、それに基づいて様々なパターンの軍事行動が次々に行われる。今回のような侵攻作戦では、その発端となった争点の内容や交戦国の軍事力、侵攻作戦の進行状況などを踏まえて、戦略的・戦術的な妥当性の観点から軍事行動が選択される。相手の意表を突く作戦も有効な場合があるため、その正確な予測は極めて難しい。交戦している当事国にとって作戦の推移予測は極めて重要なものだが、この状況を注視している国際社会、特にウクライナを支援している多くの国家にとっても、今後の状況の推移は重大な関心事である。本稿では、米国海軍分析センターが2021年8月に発表した、『ロシアの軍事戦略:中心教義と作戦概念』(以下、「ロシアの軍事戦略」)に基づいて、ロシア軍の行動を評価してみたい。■「ロシアの戦争概念」は4つに区分されている「ロシアの軍事戦略」によれば、ロシアの紛争・戦争概念は、政治経済状況の評価とそれに伴う軍の行動によって類型化されている。その中では、脅威が顕在化し軍事紛争が生起したケースが、その規模に応じて軍事紛争(armed conflict)、局地戦争(local war)、地域戦争(regional war)、大規模戦争(large-scale war)の4つに区分されている。今回ロシアは、ウクライナ全域に地上部隊を展開せず、首都キエフとクリミア半島からウクライナ東部地域にかけての海岸沿いの地域に重点的に侵攻している状況から、少なくとも軍事行動の対象国の領域内に戦闘を限定する局地戦争の段階でとどめようとしていると推測される。この段階では、限定的な政治的・軍事的目的の達成を目指すこととされており、ウクライナに対する限定的な要求内容とも合致する。ロシアの作戦概念には、欧州やアジアといった単位で戦域(theater of war)が設定され、その中に軍事行動領域(theater of military action)、戦略方向(strategic direction)、作戦方向(operational direction)の順に細分化された軍事行動の地理的単位が存在する。一番小さい作戦方向の縦深規模は700~1,000kmとされ、軍事目的を達成するための戦闘行動が行われる。戦略方向は複数の作戦方向を含んで縦深2,500~3,000kmの範囲に拡大され、1つのコンセプトや計画に基づいて独立した作戦が実行される。キエフ正面や東部地域の作戦は、規模的にも作戦の統一性についてもそれぞれが独立した戦略方向以下の作戦だとみて間違いないだろう。■「核使用の可能性」は高まっているこれらの中で行われる軍事行動には、作戦(operation)、戦闘(battle)、戦闘行動(combat action)、交戦(engagement)、打撃(strike)の5つの形態がある。今回のロシア軍は、軍事行動が行われる範囲を部隊の規模に応じて限定している。また、侵攻開始後、数日で補給が止まったことから極めて短期間での軍事行動を想定していたと考えられる。侵攻当初の客観的な予測でも、数日程度の短期間で軍事目的を達成するとみられていた。この状況から、当初の軍事行動は交戦や打撃で設定されていたと推測される。しかし、侵攻は長期化し、攻撃の範囲は西部地域にまで拡大している。これは、軍事行動が作戦や戦闘に変化した兆候として捉えることができる。この形態では地理的範囲を限定していないため、侵攻がウクライナ全土に広がる可能性が指摘され始めたこととも符合する。また、「ロシアの軍事戦略」には、ロシアのエスカレーション・マネジメントのモデルが提示されている。類型化された紛争・戦争概念を基に、平時(peace time)、軍事的脅威(military threat)、局地戦争(local war)、地域戦争(regional war)、大規模戦争(large-scale war)、核戦争(nuclear war)の6つのエスカレーション段階を設定し、エスカレーションに応じた軍事力行使を強度の低い順に、示威(demonstration)、適度な損害付与(adequate damage infliction)、報復(retaliation)の3つに区分している。今回の侵攻が当初意図したと推測される局地戦争は、適度な損害付与の一番低いエスカレーション段階に位置しているが、戦況が長期化したことからエスカレーション段階が進む可能性が出てきた。このモデルに従えば、次は地域戦争になってしまうことを意味するが、問題は単なるエスカレーションに留まらない。局地戦争の段階では核使用が脅しにとどまったが、地域戦争では非戦略核の使用が含まれることになる。プーチン大統領が核使用の可能性に言及したことは、局地戦争の段階でもあり得ることなのでモデルに従っているとも考えられるが、そうであればこそ、エスカレーションによって核使用の可能性が高まることも想定される。■「一刻も早い合意」が必要だ軍が持つ中心的な教義や作戦概念は決して絶対的なものではないので、これだけで軍の行動が決定されることはない。しかし、戦場という極めて混乱した状況下で多くの兵員を統制するためには、訓練や教育を通じて軍全体で共有している基本的な概念から大きく逸脱することもまた難しいのが現実でもある。この観点から、中心教義や作戦概念は、予測することが難しい軍の次なる行動を分析するための手段の一つにはなり得る。侵攻当初は局地戦争にとどめる意図を持っていたことが推測されるプーチン大統領だが、現状では次の段階である地域戦争に拡大する可能性も指摘されている。停戦合意は、人道的な観点からは常に最優先で追求されるべきものだが、作戦概念に基づく分析においてもエスカレーションの危険性が増すという観点から、一刻も早い合意が必要だといえるだろう。サンタフェ総研上席研究員 米内 修防衛大学校卒業後、陸上自衛官として勤務。在職間、防衛大学校総合安全保障研究科後期課程を卒業し、独立行政法人大学評価・学位授与機構から博士号(安全保障学)を取得。2020年から現職。主な関心は、国際政治学、国際関係論、国際制度論。写真:代表撮影/AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <RS> 2022/03/18 21:33 注目トピックス 経済総合 露「偽旗作戦」VS米「積極的情報開示」、日本にとって「米露の情報戦が他人事ではない」と言える驚きのワケ ● 「ロシアはウクライナを攻撃していない」が意味するもの「兵は詭道(きどう)なり」という言葉は、孫子「計篇」に記載された戦いの極意である。「戦いとはしょせん騙しあいである」という事を短い言葉で的確に表している。相手を騙す、自らの行動を秘匿するという事に加え、相手の予想を超える行動をとることも「詭道」に該当するであろう。今回のロシアのウクライナ軍事侵攻に関しては、情報戦の一環として多くの「詭道」を確認することができる。最も大きな「詭道」はプーチン大統領のクリミア軍事侵攻のロジックである。ウクライナ軍事侵攻を「特別軍事行動」と位置付けている。3月10日にラブロフ外相がトルコにおける外相会談後の記者会見で述べた「ロシアはウクライナを攻撃していない」という衝撃的な言葉は、ロシア国内を意識するとともに、この文脈から語られていると推定できる。注意しなければならないことは、「ウクライナを攻撃していない」という言葉は単なるレトリックではないことである。● ウクライナの民主主義は「無かった」ことに…2月24日、ウクライナ侵攻の直前にロシア国営テレビは、プーチン大統領の国民向け演説を放送している。演説の全文を確認すると、プーチン大統領の状況認識は西側と大きく乖離していることが分かる。1980年代のソ連崩壊に伴いロシアは弱体化し、これに乗じてNATOは旧ソ連諸国を域内に取り込み、ついにはウクライナまで手を伸ばしてきた。これはロシアの安全保障上重大な脅威である、というのがプーチン大統領のロジックである。そして、イラク戦争を例にアメリカを「嘘の帝国」と断じ、ウクライナにおいてアメリカを中心としたNATO軍の活動、特にドンバス地域における活動を、これ以上見過ごすわけにはいかないと主張している。また、ドンバス地域で住民を迫害している勢力を「ヒトラーの片棒を担いだ民族主義者、ナチ勢力」と断じている。このロジックに従えば、ロシアが攻撃しているのは「ヒトラーの片棒を担いだ民族主義者の一味としてのゼレンスキー政権」であり、ウクライナではないことになる。この考え方には、ウクライナが主権国家であり、時の政権を選ぶのはウクライナの国民である、という民主主義の根幹は、その片鱗もうかがえない。ウクライナをロシアの勢力圏と見なす独善的な考えに満ち溢れている。プーチンの考え方は、西側諸国にとって「偽旗作戦」そのものであるが、プーチン及びプーチンを支持する勢力にとって、それはすでに「偽旗」ではなく、事実なのである。● 「偽旗作戦」に中国も加担3月18日付の中国の解放軍報は「ウクライナ緊張の発端はアメリカにある」と、プーチンの主張を全面的に支持する論考を掲載している。「偽旗」は多くの人が真実と信じることによって「本物の旗」となる。中国はそれに加担しようとしている。同様の活動が国連を舞台に繰り広げられている。3月11日に国連安全保障理事会緊急会合の開催を要求したロシア大使は、「ウクライナで米国などが生物兵器を開発している」と主張した。アメリカ大使は「無責任な陰謀論」と一蹴し、他の安保理理事国等の賛同も得られていない。しかしながら、中国外務省報道官は3月14日の記者会見において、「ウクライナにおける生物兵器の軍事利用は国際社会における懸念となっており、これにアメリカが関与しているという情報はすでに明らかになっている。もしこれが偽情報というのであれば、アメリカは証拠を示すべきである。」と述べている。無いことを証明することは、「悪魔の証明」と呼ばれており、極めて困難である。ロシアの「偽旗」作戦に中国が加担していることを明白に示している。● アメリカの「秘密情報の積極的開示」という作戦ロシアの「偽旗」作戦に対し、アメリカが行っている情報戦は「秘密情報の積極的開示」である。ロシアのウクライナ侵攻に先立つ2月18日、バイデン大統領はホワイトハウスにおける演説で、プーチン大統領はウクライナ侵攻を決断したと述べ、侵攻開始は来週かそれ以前、首都キエフが攻撃目標になるとも述べている。ロシア軍の空爆が始まったのは2月24日であり、きわめて正確に事態を見積もっていたことが分かる。このような情報は、必要な者だけで共有される「need to know」が原則である。これを公開することは、情報入手源を危険にさらし、以後の情報取得に支障をきたす。あえて秘密の情報を公開したのは、相手の機先を制し、行動を抑止する効果を狙ったものであろう。演説の際、バイデン大統領が、外交の余地は残されていると付け加えたことは、ロシアへの抑止効果を期待したものであろう。しかしながら、この期待は外れた。アメリカはこれに懲りず、再度「積極情報開示」を行った。3月14日複数の欧米系メディアはロシア政府が中国に軍事、経済支援を要請し、中国はこれを受け入れる用意があると伝えた。同日、アメリカのサリバン大統領補佐官は、ローマで中国楊ケツチ中国共産党中央政治局員と会談を行い、アメリカ側の懸念を直接かつ明確に伝えたと報道されている。このことも情報を積極的に開示することにより、中国に圧力を加えようという情報戦の一環と考えられる。これに対し中国外交部は、アメリカが偽情報をまき散らしていると批判している。アメリカが行っている情報戦は、今までの情報戦と異なるアプローチである。プーチンのウクライナ侵攻を止めることはできなかったが、中国のロシア軍事支援を止めることができるかどうかがこの情報戦の効果を検証するものとなるであろう。● 日本は、情報戦を学ぶ必要がある情報は使い方を誤ると甚大な被害が生じる。第2次世界大戦時に情報を軽視したことが日本軍の失敗の一つに挙げられている。当時ストックホルム駐在武官の小野寺大佐は「ソ連の対日参戦」の情報をいち早くつかみ、大本営に報告したものの、全く顧みられなかったことはよく知られている。また、ロシアのウクライナ軍事侵攻が、プーチンの思惑どおりに進んでいないのは、ウクライナに関する事前情報が誤っていたためとの分析がなされている。ロシアの「偽旗」作戦、アメリカの情報の積極開示というそれぞれの情報戦の評価は歴史に委ねられるだろう。一般的に、欺瞞作戦は民主主義国家よりも、世論誘導が容易な権威主義国家の方が行いやすい。中国、北朝鮮という権威主義国家に囲まれる日本は情報戦の実態についてより関心を持ってみていく必要がある。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:代表撮影/AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2022/03/18 16:24 注目トピックス 経済総合 原油とルーブルの価格別で試算、ロシアの経常収支と外貨準備の行方 2月24日にロシアがウクライナに侵攻して約3週間が経過した。その間、ロシアに対する西側諸国の金融・経済制裁が発動され、ロシアは経済的な苦境に陥っている。外貨準備の凍結、SWIFTからの除外で、決済や貿易にも大きな支障をきたし、ルーブルはドルに対して一時50%も安くなり、足元のインフレ率も2桁を超えている。今回は特にロシアの貿易収支、経常収支に焦点を当て、原油価格やルーブル相場、そして制裁の度合いなどを加味した場合、現状で半分程度が凍結されているとされる外貨準備がどの程度の期間で枯渇するのかを試算してみる。無論、単純化した試算、仮定を置いた状況であるので、現実にそぐわない点もあるが、ロシア国力の一角をイメージすることは可能であろう。結論から申し上げると、以下の計算前提の詳細「北海ブレント100~150ドルの間」「ドル・ルーブル100~150ルーブルの間」「制裁(2)~(3)の間」における予想経常収支の平均値は約▲1,250億ドル(年)となり、人民元の外貨準備や通貨スワップだけで埋め合わせできるのが7~9ヶ月程度、金、SDR、ドル現物なども使用できとしたら2年弱~2年半程度を埋め合わせできるという計算になる。以下、計算前提の詳細となる。■貿易収支ロシアはエネルギー分野の輸出が全体の半分を占めることもあり、エネルギー価格に貿易収支の値が影響を受けやすい。今回は2006年1月~2021年9月までの貿易収支の値を利用し、2021年9月の貿易収支に基づいて、他の品目の輸出入金額がコンスタントと仮定(また、原油輸出及び天然ガス輸出金額が北海ブレント先物と線形相関があると仮定)した場合の貿易収支を計算してみた。試算した貿易収支は、以下の原油価格(北海ブレント先物)別となる。・北海ブレント先物価格80ドルの場合の貿易収支。・北海ブレント先物価格100ドルの場合の貿易収支。・北海ブレント先物価格150ドルの場合の貿易収支。・北海ブレント先物価格200ドルの場合の貿易収支。■経常収支経常収支は、上記の貿易収支、サービス収支、資本収支を引いて算出している。サービス収支、資本収支のマイナスは過去5年平均(▲90,282百万ドル)に為替変動(ルーブル安)を考慮している。試算した経常収支は、以下の為替相場(ドル・ルーブル)別となる。・ドル・ルーブル75ルーブルの場合の経常収支。・ドル・ルーブル100ルーブルの場合の経常収支。・ドル・ルーブル150ルーブルの場合の経常収支。・ドル・ルーブル200ルーブルの場合の経常収支。■制裁の度合い制裁の度合いを以下の3パターンに分類して、貿易収支を減額するシナリオを作成している。・制裁(1):エネルギー輸出が6割程度まで落ち込んだ場合(欧州のみエネルギー輸入を大幅圧縮)。・制裁(2):エネルギー輸出が3割程度まで落ち込んだ場合(中国以外がエネルギー輸入を大幅圧縮)。・制裁(3):中国以外に輸出入先がなくなった場合(貿易収支が均衡)。■ロシアが使用できる可能性のある外貨準備等・人民元(外貨準備):820億ドル。・人民元(通貨スワップ):240億ドル。・金(外貨準備):1,322億ドル。・SDR(外貨準備):240億ドル。・ドル(※):600億ドル。※当ドルはアメリカに保管されていないというだけで、どのような方法で保管されているのか、使用できるかは不明。※表のグレー部分の想定経常収支の平均が1,250億ドル。 <TY> 2022/03/18 11:41 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.25%安でスタート、世界経済混乱の不安がやや後退 18日の上海総合指数は売り先行。前日比0.25%安の3207.15ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時2分現在、0.32%高の3225.41ptで推移している。ロシアのデフォルト(債務不履行)懸念の後退や、世界経済が混乱するとの不安が緩和されていることが支援材料。国内では、政府が市場に有利な政策を積極的に打ち出すと強調したことが引き続き好感されている。一方、直近2日の大幅上昇を受けて高値警戒感がやや強まり、寄り付きでは売りが優勢となった。 <AN> 2022/03/18 11:11 注目トピックス 経済総合 三井金属鉱業を対象とするコール型eワラントが前日比2倍の大幅上昇(18日10:03時点のeワラント取引動向) 手仕舞い売りとしてはホンダ<7267>コール278回 4月 3,400円などが見られる。上昇率上位は三井金属鉱業<5706>コール79回 4月 3,700円(前日比2倍)、三井金属鉱業コール80回 4月 4,200円(前日比2倍)、三井金属鉱業コール82回 5月 3,850円(+96.6%)、三井金属鉱業コール83回 5月 4,350円(+84.2%)、三井金属鉱業コール78回 4月 3,200円(+61.8%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2022/03/18 10:22 注目トピックス 経済総合 NYの視点:英の政策金利はパンデミック前の水準回復で利上げ休止も、米の金利は年内に以前の水準回復へ 米連邦準備制度理事会(FRB)は高インフレへの対応に重点を置く一方で、英国中銀は3会合連続での利上げ後、成長鈍化への対応にも重きを置き、追加利上げのリスクが両サイドにあると慎重姿勢に転じた。英国中銀は17日、金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を0.25ポイント引き上げ0.75%とすることを発表。カンリフ副総裁は世帯の賃金の伸びの鈍化を鑑み据え置きを主張し、8対1での決定となった。声明では追加利上げを巡り「可能性がある」と、2月の「可能性が強い」から文言を変更しており、追加利上げの可能性が低下。燃料価格の上昇が成長を鈍化させる可能性を指摘し、「追加利上げで、両サイドのリスクがある」と慎重姿勢に転じ、利上げ休止の可能性も示唆した。3会合連続での利上げで、パンデミック前の水準を回復したことを考えると、利上げをいったん休止することも理に適う。■2020年3月の政策金利米国:1.25-1.5%(現行0.25-0.5%)英国:0.75%(0.75%)一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、16日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.25ポイント引き上げ、0.25-0.50%に決定した。2018年来で初めてとなる利上げ実施で、引き締めサイクルを開始する。経済活動や労働市場の改善が継続しており、インフレは引き続き上昇するとの見解が背景となる。声明では、ブラード・セントルイス連銀総裁が50ベーシスポイントの利上げを主張し、決定に反対に投じたことが明らかになった。パウエル議長はバランスシート政策を早くて5月にも発表するとした。FRB予測では2022年の見通しで、国内総生産(GDP)の成長見通しが前回12月の4.05%から2.75%へ引き下げられた。一方で、PCE価格指数は+4.4%と、12月+2.6%から大幅に引き上げられており、さらに、メンバーの金利見通しも引き上げられた。本年平均で7回の利上げを予想しており、12月の3回から大幅引上げられた。来年は4回予想で今後10回の利上げを予想しており、タカ派色が強まった。予想通りの利上げが続くと、年内には1.5%-1.75%と、パンデミック前の水準回復することになる。経済がパンデミック前の水準を回復することを考えると、FRBの金利が同時期の水準に戻すことも理にかない、それほどタカ派な見通しとはならない。ただ、利上げペースの乖離でポンドドルはしばらく上値を抑制される可能性がある。 <FA> 2022/03/18 07:37 注目トピックス 経済総合 ドル円は120円を目指すか? サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の円について『ドル円は120円を目指すか?』と述べています。続けて、『ロシアがウクライナに軍事侵攻した2月24日以降、「有事の円買い」が出たものの115円を下回る程度だった。3月に入ってからは「有事のドル買い」「有事の金買い」が強まり、円はむしろ積極的に売られた』と伝えています。また、『かつては、世界情勢が混乱をきたした時、金利は低下し国際商品が値下がりしたため、膨大な経常収支黒字を背景に円が買われた。しかし、今回はコロナ禍後の世界景気回復を受けて金利上昇の機運が高まっていた時に、ロシアへの経済制裁でロシア産コモディティの供給がストップするとの懸念が高まり原油や貴金属、穀物、非鉄金属等の国際商品がいずれも急騰した』と解説しています。陳さんは、『日本は原油や天然ガスを100%輸入に頼っていることから、エネルギー価格の急騰は、日本の交易条件を急激に悪化させる。黒字だった経常収支が間もなく赤字に転じる恐れが出てきた』と述べています。16日に発表された輸出から輸入を差し引いた日本の2月の貿易収支は6683億円の赤字と、7カ月連続でマイナスとなりました。赤字額は市場予想(1500億円)を上回りました。米連邦準備制度理事会(FRB)については、『16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定する。0.25%の利上げは確実で、0.5%の利上げとなればサプライズだろう。また、想定通りに0.25%の利上げでも会合ごとに利上げとなれば、市場のタカ派的な見通しは強まろう。FOMC後の18日には日銀金融政策会合が開催されるが、大規模金融緩和継続の見込みで、日米の金利差拡大がさらに意識されよう』と考察しています。こうしたことから陳さんは、ドル円について、『118円40銭まで上昇したが、次の上値目標値はチャートから118円64銭。その上は120円となろう』と述べています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月16日付「ドル円は120円を目指すか?」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <FA> 2022/03/17 17:38 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は1.40%高でスタート、外部環境の落ち着きなどを好感 17日の上海総合指数は買い先行。前日比1.40%高の3215.01ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時57分現在、1.41%高の3215.29ptで推移している。外部環境の落ち着きが好感されている。ロシアとウクライナの停戦交渉が進捗していると報じられている。また、前日の欧米市場の上昇や米利上げ幅の決定がほぼ予想範囲内であることなども買い安心感を与えている。国内では、政府が景気支援策を講じると表明したことが支援材料となっている。 <AN> 2022/03/17 11:11 注目トピックス 経済総合 オムロンを対象とするコール型eワラントが前日比2倍の大幅上昇(17日10:02時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価上昇が目立つ日本電産<6594>コール213回 5月 9,900円を順張り、東京エレクトロン<8035>コール332回 5月 55,000円を順張り、トヨタ自動車<7203>プット302回 4月 1,600円を逆張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしては野村NYダウ30連動ETF プラス5倍トラッカー39回 4月 37,000円、日経平均 プラス5倍トラッカー84回 5月 25,000円、東京エレクトロンコール329回 4月 58,000円、東京エレクトロンコール330回 4月 67,000円などが見られる。上昇率上位はオムロン<6645>コール66回 4月 10,900円(前日比2倍)、オムロンコール65回 4月 9,500円(+94.7%)、オリンパス<7733>コール54回 4月 2,800円(+88.9%)、リクルートホールディングス<6098>コール114回 4月 7,800円(+80.0%)、日本電産コール211回 4月 12,500円(+80.0%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2022/03/17 10:41 注目トピックス 経済総合 ロシア非難決議も棄権…対中最優先のインドが「ロシアの中国傾斜」を絶対に避けたいワケ【実業之日本フォーラム】 ● ウクライナ問題で見えた「QUADの限界」外交・安全保障の協力体制であるQUAD(日米豪印4か国戦略対話)は、インド太平洋地域における中国の影響力拡大に対抗する枠組みとして2019年に発足した。当初は外相間の対話の枠組みであったが、2021年に首脳会談に格上げされ、議題も、「ワクチンパートナーシップ」、「気候作業部会」、「重要・新興技術作業部会」等、インド太平洋における外交・安全保障を超える分野での協力も進められていた。しかしながら、QUADの一国であるインドは2022年2月、ロシアのウクライナ軍事侵攻に対し、2月25日のロシア軍即時撤退を求める安保理決議及び3月3日の国連総会緊急特別会合におけるロシア非難決議のどちらも棄権している。インドのロシアに対する姿勢は、QUADの協議に不協和音を生じさせている。2月11日にメルボルンで行われた第4回日米豪印外相会談において、ウクライナ情勢に関し意見交換は行われたものの、共同声明にウクライナ情勢は一切触れられていない。また、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、3月3日に行われた四カ国首脳テレビ会談では、「力による現状変更を、インド太平洋地域において許してはならない」、という点では一致をみたものの、ウクライナ危機に関して共同声明で述べられているのは、それぞれ対処、対応する中で人道支援・災害救難メカニズムを構築するとされているのみである。外交安全保障の枠組みとして期待されていたQUADであるが、ロシアのウクライナ軍事侵攻という国際法違反に、明確なメッセージを伝えきれないという限界を露呈した。● インドがロシアとの関係を切らないワケ本年2月、「軍事技術が世界覇権争いの武器に?インドが、QUADの一員なのに『ロシアとの関係を切れない』切実なワケ」という記事を投稿した。インド軍装備武器のロシア依存度は極めて高く、中国及びパキスタンと国境を巡り対立関係にあるインドにとって、ロシアから最新装備武器を調達することは安全保障上重要である一方で、軍事技術の違いがアメリカとのデカップリングを進める可能性があることを指摘したものである。インドの主要装備であるSu-30、Mig-29戦闘機、タラワール級フリゲート、S-400対空ミサイル等の調達、メンテナンス及びスペアパーツの確保等はロシアに大きく依存している。また、インド洋における対中国用として、キロ級潜水艦のみならずアクラ級原子力潜水艦のリースも重要な課題である。ロシアと共同開発した対艦ミサイル「ブラモス」のフィリピンへの輸出も、ロシアとの協力なくして実現し得ない。インドの2010年装備武器購入費の約79%がロシアからであったが、2020年には約35%に低下しており、徐々にロシアへの依存度を低下させてはいるが、ロシアとの関係を急に切ることはできない。国際社会のロシアに対する非難と距離を置いた理由は、インドのプラグマテックな計算に基づく判断だと考えられる。● インド、避けたい「ロシアの中国傾斜」今後、この情勢を大きく変える可能性があるのが、ロシアに対する経済制裁の影響である。ウクライナ軍の抵抗を受け、ロシア軍の侵攻速度が遅いのは事実であるが、ウクライナ軍にロシア軍を完全に撃退する軍事力はない。プーチン大統領がウクライナの非軍事化、中立化という侵攻目的を追求する限り、ロシア軍の撤退はあり得ず、戦闘は長期化するであろう。その場合、ロシアへの経済制裁の影響が拡大してくることは不可避である。中国はロシアへの経済制裁を批判しており、「引き続き正常な貿易協力を行っていく」としている。インドにとって、ロシアが中国への依存度を高めることは、ロシアをつうじてインドに中国の影響力が及ぶ可能性が有るという観点から好ましい事ではない。更には、ロシアからの武器輸入代金をどのように決済するかという問題もある。中国経由の決済を利用することによる中国の発言力向上は、インドにとって認めがたいであろう。このため、ロシアへの経済制裁の長期化は、インドにとってロシア製武器への依存度を一層低下させるインセンティブになり得る。● 「インドのロシア離れ」が始まる?QUADの国際的な影響力を過大に考えてきた人々にとって、今回のロシアのウクライナ軍事侵攻に対するインドの態度は、期待外れと受け取られるであろう。しかしながら、QUADは、あくまでも「インド太平洋における対中ヘッジ」が主目的であることを再認識する必要がある。第1回首脳会談でワクチン、気候問題や新興技術等というインド太平洋を越える問題に関する合意がなされたのも、対中という色彩が濃いことを忘れてはならない。一方で、インドにとって、西欧諸国がロシアの脅威への対応に傾注することは、インド太平洋方面における対中牽制力が弱まることを意味する。QUADを強化し、対中牽制力として維持発展させることはインドの国益に合致する。また、インドは装備武器以外、ロシアとの貿易額は少なく経済的結び付きは薄い。長期的には、今回のロシアのウクライナ軍事侵攻が、インドのロシア離れを助長する可能性は高いと考えられる。ロシアのウクライナ軍事侵攻に関し、QUADが一致した姿勢を示すことができなかったことをもって、QUADの役割りを過小評価することはできない。インド太平洋方面におけるQUADは、依然として効果的な枠組みであることには変わりはない。さらに、長期的視点に立てば、QUADをより強化する観点から、インドが装備武器のロシア依存度を低下させるように、アメリカを中心に働きかけていく必要がある。今回の試練を乗り越えれば、QUADはさらに強固な枠組みとなることが期待できるであろう。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:ロイター/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2022/03/17 10:10 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FOMCは22年に7回の利上げ予想、FRBのタカ派姿勢でリセッション懸念も浮上 連邦準備制度理事会(FRB)は市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.25ポイント引き上げ、0.25-0.50%に決定した。経済活動や労働市場の改善が継続しており、インフレは引き続き上昇するとの見解が背景となる。声明では、ブラード・セントルイス連銀総裁が50ベーシスポイントの利上げを主張し、決定に反対に投じたことが明らかになった。パウエル議長はバランスシート政策を早くて5月にも発表するとした。FRB予測では2022年の見通しで、国内総生産(GDP)の成長見通しが前回12月の4.05%から2.75%へ引き下げられた。一方で、PCE価格指数は+4.4%と、12月+2.6%から大幅に引き上げられており、さらに、メンバーの金利見通しも引き上げられた。本年平均で7回の利上げを予想しており、12月の3回から大幅引上げ。タカ派なFOMCを受けて米国債相場は急落。2年債利回りは1.86%付近から1.99%まで急伸した。金利見通しは短期金利市場とほぼ似通った結果となった。しかし、一方で、ウクライナの行方には依然不透明感が強く、一部投資家の間では、FRBの過剰な引き締めが景気後退に繋がるとの懸念も浮上。5年債と10年債の利回りは一時逆転。今後は、長短の利回り曲線にも注目される。FRB2022年予想利上げ回数(平均):3回⇒7回GDP:+2.75%(+4.05%)PCE価格指数:4.4%(12月2.6%)失業率:3.5%(3.55%) <FA> 2022/03/17 07:34 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は1.43%高でスタート、買い戻しが優勢 16日の上海総合指数は買い先行。前日比1.43%高の3107.66ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時47分現在、0.12%高の3067.61ptで推移している。最近の下落で値ごろ感が強まり、下値を拾う動きが活発になっている。また、ロシアとウクライナの停戦交渉に対する期待が高まっていることも支援材料。一方、国内での新型コロナウイルス感染の増加に伴う行動制限の強化が引き続き警戒されている。 <AN> 2022/03/16 10:51 注目トピックス 経済総合 日揮ホールディングスを対象とするプット型eワラントが上昇率上位にランクイン(16日10:02時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価上昇が目立つ電通<4324>コール102回 4月 4,750円を順張り、ミネベアミツミ<6479>コール96回 5月 2,500円を順張り、オリエンタルランド<4661>コール182回 4月 22,000円を順張りで買う動きや、原資産の株価下落が目立つ日揮ホールディングス<1963>コール35回 4月 1,400円を逆張り、日揮ホールディングスコール35回 4月 1,400円を逆張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしては日揮ホールディングスプット38回 5月 1,100円、日本電信電話<9432>コール172回 5月 3,300円、ファーストリテイリング<9983>プット306回 4月 58,000円、アップルプット164回 4月 140米ドルなどが見られる。上昇率上位は日揮ホールディングスプット35回 4月 1,100円(+66.7%)、日揮ホールディングスプット33回 4月 800円(+50.0%)、イビデン<4062>コール122回 4月 7,100円(+50.0%)、日揮ホールディングスプット34回 4月 950円(+50.0%)、富士通<6702>コール245回 4月 23,500円(+43.8%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2022/03/16 10:20 注目トピックス 経済総合 コラム【アナリスト夜話】ロシアのウクライナ侵攻:「ブロック経済化」への備え(マネックス証券 大槻奈那) ロシアのウクライナ侵攻の痛ましい報道が続いています。過去の紛争と異なり、生の映像がSNSを通じて世界に届けられることで、市場マインドにより大きな影響を与えていると感じます。 戦況の行方はわかりませんが、金融の最終兵器ともいえるSWIFT排除を早々に決めたこと等を見ると、ロシア対西側の経済対立は、どう転んでも簡単には修復できないと考えられます。これによる第一の懸念は、中央アジア諸国への影響です。カザフスタンの通貨テンゲは、2015年にドルペグを放棄して以来の最低水準に下落しています。中央銀行が為替介入を繰り返してきましたが、先週末、ついに為替変動を制限すると宣言しました。金融機関の流動性不足も心配されており、政府はテンゲ預金に対して10%の金利上乗せを発表しています。一方、キルギスタンの通貨ソムもロシア侵攻以降ドルに対して2割以上減価しており、先週、国外への米ドルの持ち出しが禁じられました。また、案外大きいのはロシアが中央アジアから受け入れている移民への影響です。ロシアは、世界第4位の移民受け入れ国で、2020年で1200万人もの人々が、特に中央アジアから訪れ自国に送金しています。タジキスタンやキルギスタンでは、移民からの送金がGDPの3割を占めています。ロシアの景気鈍化や金融の滞りの影響は大きな打撃となるでしょう。そして最大の懸念は、なんといってもインフレの進行です。直近のデータは取れませんが、JETROによれば、カザフスタンの家電量販店では輸入家電製品がウクライナ侵攻前から3月初旬までで30%値上がりし、スーパーマーケットでは一時的に駆け込み需要による混雑もみられたとされています。高インフレは生活を脅かし、内政不安を高めます。今年1月のカザフスタンの動乱も燃料価格の急騰が原因でした。その後ロシアを中心とする部隊の介入後約5日間で沈静化しました。こうした中央アジアの経済的な混乱に手を差し伸べることで、ロシアは図らずも中央アジアの旧ソ連諸国を手中に収め、更に他の周辺諸国にも働きかけを強めるかもしれません。仮にそうしたブロック経済化が進んだ場合、日本は一次エネルギー自給率が1割強と極めて低いのが気がかりです。人は、「WYSIATIバイアス(what you see is all there is- 見える物が全て)」といって、見えているものに心が奪われてしまう傾向があります。しかし、そろそろ中長期的な経済の形に目を移し、生活の変化のヘッジとして、米国等他国の資産に分散を図る手段も考えておくべきかもしれません。マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那(出所:3/14配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋) <FA> 2022/03/16 09:24 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米FRB、3月FOMCで利上げサイクル開始、B/S縮小計画の発表も、金利見通し引上げへ 連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイントの利上げで、利上げサイクルを開始しする見込みとなっている。同時に、FRBはバランスシート縮小を巡る計画を発表する可能性がある。バンク・オブ・アメリカは5月から量的引き締め(QT)を開始すると予想している。同時に発表される経済、金利、インフレ見通しにおいて、年内の利上げの軌道を探る。成長や失業率見通しは引き下げられ、インフレやコアPCEインフレ見通しは引き上げられると見られる。特に金利見通しは、大幅に引き上げられる可能性が強く、タカ派色が強まる可能性がある。前回12月の見通しで、FRBスタッフは22年に平均3回の利上げを予想していた。会見ではパウエル議長が物価安定を公約。指標次第で50ベーシスポイントの利上げも辞さない構えを示す可能性がある。同時に、ロシア、ウクライナ戦争や商品価格の急騰を見通しリスクとして指摘する可能性がある。バンク・オブ・アメリカは今年5回、来年4回、24年に1回を予想。タカ派として知られるウォラー理事は、3月会合での50ベーシスポイントの利上げも除外しないとしていたものの、もし、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が特に前月比でピークをつけた兆候を示した場合は25ベーシスポイントの利上げを支持するとしていた。2月CPIは前月比で+0.8%と、前月の+0.6%から拡大。しかし、FRBが特に注目している食品やエネルギーを除いたCPIは+0.5%と、1月の+0.6%から伸びが鈍化。2月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.8%と、1月+1.2%から予想以上に鈍化。2月PPIコア指数は前月比+0.2%と、1月+1.0%から予想以上に伸びは鈍化し昨年9月来で最小となり、伸びが一段落した兆候が示された。このため、3月FOMCでは25ベーシスポイントの利上げに留まる可能性が強い。ただ、今後、ウクライナ戦争を受けて、サプライチェーンの混乱が一段と悪化し、インフレをさらに押し上げる可能性もある。FRBは50ベーシスポイントの利上げの選択肢も残すと見られ、連邦公開市場委員会(FOMC)の声明やパウエル議長会見に注目される。 <FA> 2022/03/16 07:39 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.97%安でスタート、米中対立や新型コロナ感染拡大で 15日の上海総合指数は売り先行。前日比0.97%安の3192.36ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時58分現在、2.03%安の3158.04ptで推移している。米中対立に対する懸念が高まっていることが警戒材料。また、国内での新型コロナウイルス感染の再拡大に伴う行動制限の強化を受け、景気回復の遅れ懸念も強まっている。ほかに、1-2月の鉱工業生産などが予想以上に伸びたことが、追加の景気対策への期待をやや後退させている。 <AN> 2022/03/15 11:05 注目トピックス 経済総合 花王を対象とするコール型eワラントが上昇率上位にランクイン(15日10:00時点のeワラント取引動向) 手仕舞い売りとしてはアマゾン・ドット・コムコール180回 4月 2,900米ドルなどが見られる。上昇率上位は花王<4452>コール89回 4月 6,800円(+50.0%)、住友金属鉱山<5713>プット256回 4月 5,100円(+47.7%)、住友金属鉱山プット255回 4月 4,300円(+43.5%)、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス<8725>コール46回 4月 5,150円(+40.0%)、ユニ・チャーム<8113>コール114回 4月 4,800円(+39.4%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2022/03/15 10:29 注目トピックス 経済総合 NYの視点:市場、タカ派FOMCを織り込む、ウクライナ戦争や中国の経済封鎖でサプライチェーン混乱悪化 米連邦準備制度理事会(FRB)は15-16日に連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を予定している。FRBはこの会合で、インフレ高進や労働市場のひっ迫への対処として、2018年来で初めての利上げに踏み切る見通し。ウクライナ戦争による回復への影響も不透明となるが比較的米国への影響は最小限に留まると考えられている。一方、ウクライナ戦争がすでに問題となっているサプライチェーン混乱を一段と深刻化させ、インフレを一段と押し上げることが警戒されている。加えて、中国の新型コロナ感染再流行による経済封鎖も、サプライチェーン混乱を悪化させる新たな要因になる。ウクライナ戦争前の消費者物価指数(CPI)はすでに40年ぶり最大の伸びを記録したが、今後、一段と上昇する可能性が強い。このため、短期金融市場では年内7回の利上げを100%近く織り込んだ。市場はFRBが3月FOMCでタカ派姿勢を強めるとの思惑を強めつつある。3月以降、50ベーシスポイントの利上げも辞さない姿勢を示す可能性もある。10年債利回りは2.14%と、19年以降3年ぶり高水準となった。 <FA> 2022/03/15 07:37 注目トピックス 経済総合 北京五輪後の中国の狙い、習近平主席の更なる長期政権化への布石(元統合幕僚長の岩崎氏)(2)【実業之日本フォーラム】 「北京五輪後の中国の狙い、習近平主席の更なる長期政権化への布石(元統合幕僚長の岩崎氏)(1)【実業之日本フォーラム】」の続きである。2.中国の次なる一手は?さて、それでは、「習近平主席の次なる一手」を考えてみよう。彼のこれまでの功績は、いろいろ上げられるが、一番の功績は、オバマ大統領に「これからは米国と中国の二大国で世界をリードしたい」と言わせたことであろう。即ち、米国大統領から、中国が「世界の大国」として認められたのである。そしてこの他にも、「南シナ海の聖域化(埋め立て→軍事基地化→行政区設定)」、「香港をほぼ完全に北京支配下としたこと」等々であろう。そして、習近平主席は、香港のあと功を急ぎ、2019年1月、蔡英文総統に香港と同じように「一国二制度」を持ちかけた。蔡英文総統は、この直前の2018年11月の台湾統一選挙で惨敗し、蔡英文総統は民進党党首を自ら辞任し、失意のどん底であった。しかし、習近平のこの台湾への「お誘い」は完全な失敗であった。蔡英文総統は、習近平の「一国二制度」のお誘いをきっぱりと拒絶した。台湾には「今日の香港は、明日の台湾」なる言葉がある。台湾国民は、習近平の香港政策を静観していたのである。台湾の多くの人達は、習近平の次なる目標は、いよいよ「台湾」かと感じていたのである。蔡英文総統が即座に拒否したことで、一挙に形勢が逆転し、総統選挙で蔡英文氏が大勝することになった。習近平の一言がそうさせたのである。習近平主席は、これまで何度も「台湾は中国の核心的利益」と公言している。彼は、決して諦めることはない。次なるターゲットは「台湾」であることは明白である。問題は、タイミングである。習近平としては、出来れば4期目に繋ぐためには、ここ数年で決着したと考えているだろうが、功を焦って失敗すれば、彼の政権は簡単に転覆する。中国の2人の現役空軍大佐が「超限戦」なる著書を出している。「21世紀の新しい戦争」に関する大作である。21世紀の戦いは、国が保有する全てのアセットを駆使して戦う必要があるとの内容である。これまでの戦い方と全く異なる戦い方が必要と説いてる。ロシアはクリミア半島を手中にした際は、住民投票を使った。クリミア住民がロシアへの帰属を自ら決めたのである。弾は一発も打っていない。前述の三戦(心理戦・世論戦・法律戦)も必要であろう。出来れば「戦わずして勝つ」が理想である。台湾の国民党支持者は比較的大陸(中国)寄りである。利用可能かもしれない。また、台湾市民が住んでいない小さな島の確保であれば、米国は動かないかもしれない。習近平主席は、2014年、南シナ海で埋め立てを始める前に、ヴェトナム沖に100隻を越える海峡局の船を派遣し、石油の試掘を行った。これは、試掘そのものに関心があったわけではないと考えている。私は、この様な行動をすれば、米国がどう出るかを、見極めたのではと考えている。案の定、米国はほぼ反応しなかった。米国が強い反応を示したのは、翌年2015年5月末のシャングリラ会議である。この時に、中国は「これ以上の埋め立てはやらない」と公言した。2020年10月、台湾が統治する馬祖列島の南竿島付近に約100隻の海警局公船と海砂採取船が出現し、付近の海底の海砂を根こそぎ採取した。南竿島のビーチが消滅するくらいであったとの事である。この際も米国は何も反応しなかった。大統領選で忙しかったからである。中国は、何か行動をする時に、米国大統領の顔色を窺っているのである。何故か。それは、米国が反応すれば、ことが思惑どおり進まないと考えているからである。我々は、習近平のこのサインを見落としてはいけない。米国や我々が機敏に対応すれば、習近平は行動を躊躇する。でも、我々の反応が鈍ければ前に出てくる。台湾が統治している南シナ海の「大平島」、中国厦門から2Km弱の「金門島」やその北に位置する「馬祖諸島」など、米国が真剣に反応しないかもしれない地域での中国の権限拡大には気を付けないといけない。また、台湾にだけ気を取られていると、「尖閣列島」事態が起こるかもしれないし、より懸念しているのは、中国とインド国境沿いの紛争である。この様な争いには米国や他の国が口を挟み難い。何らかの権益を拡大出来れば、習近平主席の功績になる。その結果、彼の4期目に繋がる。我々は、警戒監視を厳にし、何かあれば即座に反応することが大切である。少々不十分でも「兵は拙速を貴ぶ」である。(令和4.2.25)岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。写真:ロイター/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2022/03/14 11:08 注目トピックス 経済総合 北京五輪後の中国の狙い、習近平主席の更なる長期政権化への布石(元統合幕僚長の岩崎氏)(1)【実業之日本フォーラム】 昨年の3月、当時の米国太平洋軍司令官であったデービッドソン海軍大将が米国議会公聴会で、「中国の台湾侵攻」の可能性が6年以内に起こると衝撃的な発言をした。その後、デービッドソン司令官が退役し、新たに米太平洋軍司令官に着任されたアキリーノ海軍大将も同様に米国議会において、インド・太平洋情勢の中で、中国による台湾侵攻に触れ、(デービッドソン司令官が発言された6年よりも)より早い段階で起こる可能性があると指摘した。この様な発言もあり、特に、我が国と米国で、この問題が大きく取り上げられるようになった。昨年3月の日米外務・防衛相会談(所謂「2+2」会談)、及び4月16日、菅・バイデン日米両国首脳会談で議論され、会談直後の共同声明に「台湾海峡の平和的解決」が盛り込まれた。公の文章に「台湾」の文字が出てきたのは52年ぶりであった。その後、6月に行われたコーンウォール(英国)でのG7サミットでもこの台湾海峡問題が議論された。これに反応したかの様に、英国、フランス、ドイツが続けざまに、アジア・太平洋地域に海軍の艦船を派遣し、南シナ海・東シナ海及び西太平洋での警戒監視をしつつ航行し、我が国周辺では、海上自衛隊と個別の訓練や米国、オーストラリア、インド等を入れた訓練・演習等を行った。世界がこの地域の安定に関心を持ち始め、台湾海峡問題が、この地域だけではなく、世界的問題であるとの認識が広がりつつある。日米の安全保障関係者の中には、北京オリンピック・パラリンピック後に習近平主席が台湾に何かを仕掛けるのではないかとの見方をしている人達が多い。この様な事態が懸念される中、本年1月以降、ロシア軍がウクライナ国境周辺及びベラルーシ国内に展開し、大規模な軍事演習・合同演習を開始した。米国や欧州各国がプーチン大統領にウクライナへの侵攻を阻止すべく外交交渉したものの、プーチン大統領はロシア軍に対し、2月24日、ウクライナ攻撃を命じた。戦闘が開始されたのである。一部では、この様な欧州戦線に呼応し、台湾でも何かが起こるのではという憶測もある。今後、台湾海峡の情勢はどのように推移し、どの様に展開するのであろうか。ご承知のとおり、この秋には、習近平の第三期目がスタートすることはほぼ確実である。習近平の第三期目は、この秋の全人代から始まり、5年間、政権に就くのである。そして、彼の四期目は、2027年以降に開始される。前述の2名の米国太平洋司令官も、この時期を意識した発言である。今後の中国に何が起こるのかを考える上で、先ず理解しておくべきことがある。1.中国とは私は、長年中国と向き合い、中国の今後の動向(将来予測)を考える場合、以下の事を理解した上で考えるべきと考えている。(1)中華思想第一に「中華思想」を理解しておくことが必要である。これは「中国(中華)人民が世界の中で最も優れており、中華とは世界の中心との意味であり、世界の中心は中国である」との考え方である。そして、「中国文化・思想・価値観は神聖であり最高のもの」と考え、それが発展する形で「そもそも、この地球は中国皇帝のもの」という事になる。しかし、現在、中国(皇帝)の力はまだ限定的であり、限られた地域(現在の中国)のみを統治しており、外周は夷族・蛮族(バーバリアン)が占拠している、と考えている。今後、中国(皇帝)の力が大きくなれば、これらの地域からバーバリアンを追い出し、取り戻す必要がある、となる。この点で、私は、1960年代末に東シナ海の海底の資源調査が国連に報告されたことを思い出す。この報告書の中に、当海域には石油を含む海底資源が豊富との内容が含まれていた。この後に、中国が突如「尖閣諸島は中国のもの」と言い始めた。偶然なのだろうか。そして、2012年、我が国が尖閣諸島を国有化したあたりから、「尖閣のみでなく石垣島・宮古島、沖縄は、もともとは中国領だった。」との主張をするようになった。南シナ海の九段線然りである。我が国は、尖閣諸島周辺や沖縄近海への中国海警局の公船派遣に対して我が国の海上保安庁を中心に警戒監視を厳にし、対応したこともあり、この周辺での睨み合いが継続されているが、南シナ海では各国の警戒監視や対応が十分でなく、2014年から2015年にかけて岩礁やリーフが埋め立てられて人工の島が作られ、滑走路となり、対空警戒網(レーダーやミサイル部隊)が整備され、中国が行政区を発令し、現在に至っている。今回、プーチン大統領が、ウクライナ国内のロシア系住民の多い2つの地区を、独立国として求めた。中国の南シナ海のケースに酷似している。(2)孫子の兵法(伐謀)「孫子」は、紀元前500年頃の中国春秋時代の軍事思想家「孫武」の記した兵法書であり、武経七書のひとつである。その内容は、戦いの本質を突いており、未だに衰えることのない軍事理論である。これ以前、戦いは「天運」に任せるとの考え方が強かったが、孫武は、戦いの勝敗は、「天運」よりも、寧ろ「人為」にあると考えていた。素晴らしい発見である。この孫子の中に有名な言葉である、「戦わずして勝つことが最善」である。「百戦百勝は善の善に非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」(謀攻篇)である。また、「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」(謀攻篇)も真理であり、「上兵は某を伐つ。その次は交を伐つ。そして次は兵を伐つ」が兵を用いる場合の優先順であると記されている。そして、「兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを賭ざるなり」とし、兵を運用する場合は、必ずしも時間をかけて完璧を期するのはなく、戦いにおいては速度が重要であると説いている。(3)心理戦・世論戦・法律戦この三戦も中国の常套手段である。先ずは、「心理戦」で相手方を混乱させ、「世論戦」で我が人民の結束を図り、相手方を迷わす。中国に都合のいい方向に導くやり方である。その際、必要があれば、「法律」を持ち出すのである。(4)習近平主席の野望—長期政権への布石我々は、相手方の目的(短期~中期~長期)を推測し、相手方の次なる一手、二手を読む必要がある。習近平の野望は何なのだろうか。彼のこれまでの国家主席としての2期10年間の航跡を辿れば、彼の夢・野望の一端が見えてくる。中国は、毛沢東の功罪から、毛沢東が政権から去ったあとから、徐々に個人崇拝を禁じてきた。それが、習近平の2期目に復活しているのである。中国では、昨年夏以降、小学校から高校まで「習近平思想」の教育を開始している。内容は、習近平が掲げる「中華民族の偉大なる復興」を始めとして、「台湾統一は全中華民族の共通の願い」とか、「中国の偉大なる復興の為には、強い軍隊が必要」、そして「習近平は中国共産党の核心」等である。そして、最近では、中国教育相が、全国の小中校に「習近平法治思想」を宣伝する副校長を置く新規則を発表している。この様な個人崇拝は何故、必要なのか。それは、習近平政権の長期化を狙う以外に考えられない。私は、習近平主席の最終目的は、毛沢東やトウ小平を越えることであり、前述の様な中国皇帝的な存在を目指しているのではと考えている。その布石を一つ一つ重ねているのである。しかし、彼の政権が盤石かと言えば、全くそうは思えない。寧ろ私は、薄氷の上に立っていると考えている。古今東西の独裁者が抱える問題は、独裁者の周辺には常にその立場に立ちたい人たちがいるという事実である。習近平主席も同じであろう。彼が、2期10年で政権を降りないということは、中国共産党の次級者が主席の席に座れないことを意味する。座りたがっている人はいないのだろうか。沢山とまでは言わないが、居ることは間違いないだろう。彼は、いつでも狙われているのである。この為、3期、4期と政権に居座る為には、彼の椅子を狙っている人達や中国人民を説得できる「功績」が必要なのだ。「北京五輪後の中国の狙い、習近平主席の更なる長期政権化への布石(元統合幕僚長の岩崎氏)(2)【実業之日本フォーラム】」に続く。岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。写真:ロイター/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2022/03/14 11:06 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は1.14%安でスタート、米国が対中圧力を強める 14日の上海総合指数は売り先行。前日比1.14%安の3271.89ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時51分現在、0.74%安の3285.28ptで推移している。米国が対中圧力を強めていることが引き続き警戒されている。また、ウクライナ問題の不透明感や世界経済の混乱もリスク回避の売りを高めている。一方、景気対策への期待感が引き続き指数をサポートしている。 <AN> 2022/03/14 10:55 注目トピックス 経済総合 三井不動産を対象とするコール型eワラントが上昇率上位にランクイン(14日10:03時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価上昇が目立つ日揮ホールディングス<1963>コール33回 4月 1,100円を順張り、日本郵船<9101>コール152回 4月 11,300円を順張り、東レ<3402>コール183回 4月 750円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしては日経平均プット1847回 5月 21,500円、キャタピラーコール93回 4月 210米ドル、商船三井<9104>コール131回 4月 11,200円、日本郵船コール152回 4月 11,300円などが見られる。上昇率上位は三井不動産<8801>コール169回 4月 2,700円(+20.0%)、オラクルコール45回 4月 90米ドル(+19.6%)、オラクルコール44回 4月 80米ドル(+18.6%)、三井不動産コール170回 4月 3,050円(+18.2%)、オラクルコール46回 4月 100米ドル(+17.8%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2022/03/14 10:27 注目トピックス 経済総合 ウクライナの教訓、習近平主席は何を学び取っているか(元統合幕僚長の岩崎氏)【実業之日本フォーラム】 ロシアは今年2月24日、突如ウクライナに対し航空攻撃を行い、すぐさま地上軍をウクライナ国内へ入れた。プーチン大統領が何を望んでいるのか定かでないものの、一般的に推測されているのは、「ウクライナの現在のゼリンスキー大統領を倒し、傀儡政権を立てる」ことの様である。思い起こせば、2014年3月18、プーチン大統領は、平和裏に「クリミア併合」を行った。平和裏にとは、クリミア自治共和国が自らの住民投票でロシアへの帰属を決め、ロシア、クリミア、セバストポリ特別区が署名したのである。弾は一発も発射されていない。欧米や我が国は、この併合を有効とは認めていない。がしかし、国際法違反かと問われれば、明確な違反とまでは言い難い面がある。今回のロシア軍のウクライナ侵攻は、当に「力による現状変更」であり、明らかに国際法違反である。米国やNATOは今年早々から、ロシア軍の行動によって侵攻の可能性を公表し、プーチン大統領に対して警告を何度となく発していた。この警告を無視するかのように、プーチン大統領は、軍に命令を下し、ウクライナを攻撃し始めた。これに対し、米国を始めとする各国は、ロシアに対する制裁を即時に開始した。特に今回大きな経済制裁は、SWIFTの発令である。SWIFTとは、国際銀行間通信協会の事である。これは、所謂、国際間の金融の送金・決済のシステムである。ロシアの銀行の一部をこの枠組みから外したのである。外された銀行は国際的な取引が出来なくなる。即ち、商売が出来なくなるのである。この中には、ロシアの最大の銀行であるズベルバンクとガスプロムバンクは入っていない。しかし、ウクライナでの戦争が長引けば、排除される銀行枠が広げられると考えられる。ロシアにとっては重大な経済危機である。ただし、プーチン大統領は尋常な指導者でない。彼の判断基準は我々の基準とは遥かにかけ離れている。予測不可能である。この様な国際社会の制裁をものともせず、彼は、目的が達成されるまで諦めることはないであろう。さて、今回は、この様な状況の中、中国の習近平主席は、何を考えているのだろうかということを考えてみたい。習近平主席は、ロシアがクリミア半島を無血で勝ち取ったことを冷静に見ていた。この併合に対し、欧米や我が国は、ロシアに対する経済制裁を行ったものの、左程厳しい制裁ではなく、米国やNATOは軍事的な介入をしなかった。この後、中国は、南シナ海での埋め立てを開始した。米国が動くことがないと考えたからである。さらに、彼は、独自に米国の動向を探った。埋め立ての前、クリミア併合直後の2014年4月、ベトナム沖に100隻を越える海警局(各国の沿岸警備隊相当)等の船舶を送り、石油の試掘を行った。ベトナムの沿岸警備隊等は接近すらできなかった。案の定、米国は、ほぼ反応しなかった。これを確認後、南シナ海での埋め立てを本格化したのである。翌年、5月末のシンガポールでのシャングリラ会議(アジア安全保障会議)で米国が中国に対して強い警告を行なった。その直後、中国の埋め立てが止まった(計画通りに進捗し、所要の埋め立てが終わったからかもしれない)。今回も、習近平主席は、米国の態度を注意深く見ている事であろう。米国や欧州、我が国は、ロシアの侵攻に対し機敏に対応し、経済制裁を発動した。前述のSWIFTから特定国の銀行を外すのという処置は、短期的な効果は望めないものの、中長期的にはこの効果が大きくなり、ボディー・ブローのように効いてくるだろう(プーチン大統領は中国マネーを使って抜け穴を探るかもしれないが)。では、仮に、中国が、何かの愚挙に出て、この様な処置を受けた場合にはどうなるであろうか。例えば、「台湾海峡問題」である。中国が、台湾に対して何らかの動きをすれば、ロシアと同じような制裁が発動される可能性がある。中国は、経済規模が大きいので、ロシア経由の迂回はし難い。中国の受ける被害額は甚大になるであろう。以前にも記述した様に、習近平政権は必ずしも盤石ではない。経済が低迷すれば、国民の不平・不満を抑え込むことが出来なくなる。習政権は終わりを迎えることになる。一方、このような制裁は中国の被害額も巨大であるが、中国と貿易をしている国も莫大な被害を受ける可能性が大である。これを覚悟して制裁を発令できるか否かである。現状を鑑みるに、ロシアからの石油や天然ガスの輸入制限には、特に欧州各国は慎重だ。自国の経済やエネルギーを考えれば、簡単には決心できないのである。中国との貿易は各国とも巨大なるが故に決心でき難いことも考えられる。ただし、今回の経済制裁は、習近平主席に対してかなりの警告になったと考えられる。ウクライナ情勢は混沌としており、予断を許せない状況であるが、中国はSWIFTからの自国銀行の排除が発令されるような事態にならないように、台湾事態等を考えていくことになるであろう。2020年10月には、2014年のベトナム沖の石油試掘と同じようなことが起こった。馬祖諸島の南竿島周辺水域に100隻を越える海警局等の船舶が結集し、海砂を採取したのである。数日で、南竿島のビーチが消滅するほどであったとの報道がなされた。私は、中国が海砂を欲しかったとは思っていない。習近平主席は、米国の動きを探ったと考えている。当時、米国は大変忙しかった。大統領選である。米国は、何の反応もしなかった。今年の秋には、米国で中間選挙が計画されている。大変忙しい時期を迎える。また、3年後の2024年11月は、米国大統領選挙である。米国は、国内分断問題もあり、更に忙しいくなっていくであろう。一方の習近平主席は、第4期(2027-2032年)も継続して政権に居座ろうと考えれば、遅くとも2025年秋の全人代までには、中国共産党幹部や国民を説得するために、何らかの功績(手柄)が必要である。習近平主席は、ロシアのウクライナ侵攻からいろいろな教訓を学び取り、かつ、米国の顔色を窺いながら着々と目標に向かって走るであろう。今回のウクライナ事案で、ドイツのショルツ首相は、素晴らしい決断を行った。今回の事案を受けて、ドイツは、これまでの安全保障政策を大きく転換し、国防費のGDP比2%を目指すことを明言した。今回のショルツ政権は、メルケル政権後を受けて出発したものの、連合政権であり、極めて緩やかな連携であり、必ずしも強い政権でないと考えられていた。しかし、その首相が一大決心をした。ドイツは、国民が一丸となりつつあり、ショルツ政権も団結し始めた。ショルツ首相の英断である。一方で、今回のウクライナ侵攻を受けた対応で、不安なこともある。それは、米国やNATOがいち早く「ウクライナへの軍事的不介入」を宣言したことである。これまで欧米は一体となり、「力による現状変更」には敢然と立ち向かうとしていたが、今回は、経済制裁や武器支援等はするものの、直接的な軍事介入はしない事とした。不介入の理由は、「ウクライナは同盟国でもなく、防衛義務がない」と説明した。米国の同盟国は、トランプ政権時の同盟国対応に不安感や不信感を持っていた。バイデン大統領は、「米国は同盟関係に復帰する」と宣言をして、大統領に就任したものの、昨年のアフガンからの撤退作戦では、同盟国と情報共有もせず、未だにその不安感を払拭できていない。そして、今回の判断である。同盟国でさえ不安が増したかもしれない米国の発言及び行動である。ましてや同盟国でもない国は更に不安感を抱いたのではないだろうか。そして、台湾はどうなるのであろうとの疑問が湧く。「いやいや、台湾は別だよ」と言えるのだろうか。我が国は、「台湾有事は、我が国の有事である」との意識・認識を持って台湾問題に取り組むべきである。しかし、意識だけでは十分でない。今年2月、米国のマレン元統合参謀本部議長等が米国の代表として台湾を訪問した。米国は、「One China政策」を保持しつつ、「台湾関係法」に基づき、着々と米台関係の深化させている。我が国も行動を起こすべき時期にさしかかっている。我が国は、年末に向かって「国家安全保障戦略」、「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」の見直しを鋭意検討中である。「台湾有事」にも対応できる「戦略」、「大綱」、「装備・体制」が必要である。あらゆる垣根を排除し、国中で広く議論し、我が国の将来の為に前進しよう。(令和4.3.10)岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。写真:ロイター/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2022/03/14 10:25 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】ウクライナ戦争、FOMC、BOE、BOJ、米PPIや小売売上高など 今週もウクライナ戦争の行方を睨む展開となる。ロシア軍はウクライナ首都キエフに向けて一段と進行している。並行して停戦協議を続けているものの、プーチン大統領に外交的解決に前向きな姿勢は全く見られない。米国や英国はロシアが科学兵器を使用する可能性を警告しており、市場は最悪のシナリオを織り込んでおらず、警戒感が残る。欧州経済への影響が比較的大きいと見られ、引き続きユーロ売り圧力になる。一方で、英米日の中銀はロシアがウクライナ侵攻後、初めてとなる金融政策決定会合を開催する予定で。注目が集まる。米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。英中銀、日銀も金融政策決定会合を予定している。FOMCを控え発表された最新2月の米国消費者物価指数(CPI)は40年ぶりの大幅な伸びを記録。3月はロシアのウクライナ侵攻を受けて、石油を始め燃料価格が急騰しており、インフレ率が今後、さらに上昇する可能性がある。ウクライナ戦争による影響には多大な不透明感があるとしながらも、インフレ高進への対応でFRBのパウエル議長はすでに、3月会合で25ベーシスポイントの利上げを提案、または、支持する方針を議会証言ですでに明らかにしている。利上げが実施されれば、2018年来で初めて。議長は利上げサイクルの開始を示唆しており、ドル買いが継続か。パウエル議長は50ベーシスポイントの利上げも除外しなかったものの、市場は今回の会合では25ベーシスポイントの利上げを織り込み済み。声明、議長会見やメンバーの予測で、利上げペースやバランスシート縮小のタイミングやペースを見極めていく。米国ではスタグフレーション懸念も強まる中、2月生産者物価指数(PPI)や小売売上高も発表予定で結果に注目が集まる。英国中銀は今回の会合で政策金利を0.5%から25ベーシス引き上げ0.75%に設定する見通し。短期金融市場では英国中銀が6月までに100ベーシスポイント超の利上げを実施すると見ている。つまり、2回の25ベーシスポイントの利上げと、1回の50ベーシスポイントの利上げを織り込みつつあり、ポンド買いに繋がる。一方、日銀は大規模緩和を維持する見通し。他国中銀との政策の乖離で、円売りが継続する可能性が強い。また、市場は中国政府が5.5%の成長見通しを掲げたのち、人民銀行の政策に注目。緩和策の発表の可能性に注目している。■今週の主な注目イベント●米国15日:2月生産者物価指数(PPI)、3月ニューヨーク連銀製造業景気指数、1月対米証券投資16日:連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表、パウエル議長会見、メンバー予測公表、2月小売売上高、2月輸入物価指数、1月企業在庫17日:2月住宅着工件数・建設許可件数、3月フィラデルフィア連銀景況、週次新規失業保険申請件数、2月鉱工業生産・設備稼働率18日2月中古住宅販売件数、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演●欧州15日:仏CPI、独ZEW期待17日:ユーロ圏CPI、ラガルドECB総裁、ECB理事のショナベル氏、ビスコ氏、レーン氏が会合参加●中国15日:鉱工業生産●英国15日:失業率17日:英中銀金融政策決定会合●日本18日:日銀金融政策決定会合 <FA> 2022/03/14 07:33 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で0.25ポイントの利上げ決定の公算 3月14日-18日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■15日(火)午前11時発表予定○(中)2月小売売上高-予想は年初来前年比+3.0%ゼロコロナ政策に伴う厳しい活動制限が一部の地域で実施されたこと、消費者が感染を警戒し外出機会がやや減少したとみられていることから、個人消費は弱含みとなっている。春節の大型連休や北京冬季五輪の開催期間もこの状況は特に変わっていないことから、小売売上高は低い伸びにとどまる見込み。■16日(水)午前8時50分発表予定○(日)2月貿易収支-予想は-210億円参考となる2月上中旬分の貿易収支は-3961億円で赤字幅は前年同期比+52.3%と大幅に増加。2021年2月の貿易収支は最終的に2117億円程度の黒字となったが、今年2月については、原油価格の上昇などの要因で貿易赤字となる可能性が高いとみられる。■16日(水)日本時間17日午前3時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)-予想は0.25ポイントの利上げ米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は3月2日の米議会証言で、「3月15−16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げに踏み切ることが適切だ」と表明している。ただ、ロシアのウクライナ侵攻や進行中の戦争、今後の事態の推移が米経済にもたらす短期的な影響はきわめて見通しにくいことから、FRBは金融引き締めを急速に進める意図はないことを明確に伝える可能性がある。■18日(金)政策決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は金融政策の現状維持市場参加者の間では、ウクライナ情勢の緊迫化は原油価格などのコスト上昇を通じた景気の下押し要因となり、日本銀行による現行の金融緩和策の継続要因になるとの見方が増えている。エネルギー価格の上昇や供給制約状態の長期化は物価見通しの引き上げにつながるものの、景気減速が予想されることから、日本銀行は今回の会合でも金融政策の現状維持を賛成多数で決定する見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・14日(月):(欧)1月ユーロ圏鉱工業生産・15日(火):(中)2月鉱工業生産、(米)2月生産者物価指数・16日(水):(米)2月小売売上高・17日(木):(英)英中央銀行政策金利発表、(米)2月住宅着工件数、(米)2月鉱工業生産・18日(金):2月全国消費者物価コア指数、(米)2月中古住宅販売件数 <FA> 2022/03/12 14:35 注目トピックス 経済総合 円安強まるか? サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の円について『円安強まるか?』と述べています。続けて、『10日の東京外国為替市場のドル円相場は、日経平均株価の急伸などを背景に、116円台前半に上昇した』と解説、『ロシアとウクライナは10日トルコで外相会談を行う。停戦合意に対する期待感が先行し、日経平均株価が1000円近く上昇し、リスク回避姿勢が大きく後退したようだ』と言及しています。次に、『ドル円日足を見ると、下値を切り上げている一方、今まで116円30銭レベルで上値抵抗を受けている。3度目の正直で116円30銭台のレジスタンスをブレイクできるかどうか注目される』と述べています。そして、『仮にブレイクした場合、テクニカル的には上値抵抗線からサポートラインまでの下げ幅を倍返しする展開が想定される。その場合、118~119円の上値目標値が算定されよう。上昇する材料としては、停戦合意、米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ等が考えられる』と考察しています。陳さんは、『来週16日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、実質ゼロ金利の解除が決定される。利上げ幅が0.5%であればサプライズとなろう』と述べています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月10日付「円安強まるか?」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <FA> 2022/03/11 18:13 注目トピックス 経済総合 日揮ホールディングスを対象とするコール型eワラントが上昇率上位にランクイン(11日10:01時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価上昇が目立つ日揮ホールディングス<1963>コール34回 4月 1,250円を順張りで買う動きなどが見られる。上昇率上位は日揮ホールディングスコール35回 4月 1,400円(+99.2%)、日揮ホールディングスコール34回 4月 1,250円(+80.8%)、日揮ホールディングスコール33回 4月 1,100円(+54.5%)、ENEOSホールディングス<5020>コール110回 4月 525円(+36.7%)、ヤマトホールディングス<9064>コール119回 4月 3,100円(+33.3%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2022/03/11 10:35 注目トピックス 経済総合 ウクライナ侵攻長期化は想定外だった?…「利益最大化を目指す」習近平が取りうる「最適な選択」【実業之日本フォーラム】 ■注目集まる「中国の動向」2月24日に始まったロシアの軍事侵略を受け、中国の動向へ注目が集まっている。欧米からは強い経済制裁を求める声が高まり、EUは国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済ネットワークからロシアを排除することを決定した。これに対し中国は「ロシアを批判しない」姿勢を維持しているだけでなく、2月4日の中ロ首脳会談で合意したロシア産天然ガスや小麦の輸入拡大を実施する方針である。また中国人民銀行が2015年に導入した人民元による決済システム(CIPS)をロシアの銀行が利用する可能性も指摘されており、中国の対応次第では対ロ経済制裁を相殺することになりかねない。習近平政権は、どのようにロシアのウクライナ侵攻を理解しているのか。本稿では中国政府の公式発表を手掛かりに習近平政権の狙いを考察する。まず中国がロシアを支持するメリットを考えるに先立って、習近平政権の政治運営が「頂層設計」と呼ばれるトップダウン型に再構成され、戦略的思考を重視する傾向を強めていることを指摘しておきたい。この傾向はしばしば非合理的に見える政策として表面化する。例えば昨今の経済政策である。新型コロナ感染の影響で経済減速が見込まれるなか、政府がIT大手や教育産業などの民間企業への規制を強化したことは、結果的に更なる減速圧力となったと批判されている。この一連の規制は習近平国家主席が提唱する「共同富裕」の掛け声のもとでの格差是正や社会コントロール強化を目的としており、いわば習近平ビジョンに則った「上からの」政策であった。こうした「上からの」政策決定が、ウクライナ問題での極端な戦略的思考にも反映されていると考えられる。では習近平国家主席はどのような戦略的メリットを見出しているのか。ロシアが軍事行動を起こした翌25日午後に、習近平はプーチン大統領との電話会談を行い、ウクライナ問題について次のように述べた。中国はウクライナ問題に対して、自分の判断で中国の曲げられない立場を決めている。冷戦思考を放棄し、各国の合理的な安全保障上の懸念を重視、尊重し、交渉を通じてバランスのとれた、効果的で持続可能な欧州の安全保障メカニズムを形成する必要がある。中国はロシア側とウクライナ側が交渉によって問題を解決することを支持する。各国の主権と領土保全を尊重し、国連憲章の目的と原則を遵守するという中国の基本的な立場は一貫している。ここにも見られるように、中国のキーワードは「合理的な安全保障上の懸念」と「主権と領土保全の尊重」である。だが——これは日本の少なからぬメディアが誤解しているポイントだが——この習発言はウクライナの主権と領土を擁護することを意味しない。むしろ中国側は一貫して「誰の主権と領土か」が不明瞭な文言を用いており、このフレーズが外交部記者会見でも繰り返し用いられていることに鑑みれば、意図的に主語をあいまいにしている可能性が高い。では、もし中ロ首脳会談でこの文言が用いられたならば、プーチン大統領はどのように受け止めただろうか。プーチンの論理に従えば、NATOが拡大していることこそ安全保障上の懸念である。さらに2月21日に独立国家として承認したウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の「主権」を支持したとも解釈できる。つまり習近平は交渉による平和的な解決を求めたものの、必ずしもロシアの軍事侵攻にクギを差したわけではなかったのだろう。■中国の「主権と領土保全の尊重」には「主語がない」この「主語のない主権と領土保全」の表現は3月2日、ロシア軍の即時撤退などを求める決議案が賛成141、反対5、棄権35で採択された国連総会緊急特別会合でも用いられた。棄権票を投じた中国の張軍国連大使は「ウクライナ情勢は現在も急速に変化しており、その展開に心を痛めている」としつつ、「ウクライナ問題に対する中国の基本的な立場は一貫しており、明確である。 私たちは常に、各国の主権と領土保全を尊重し、国際連合憲章の目的および原則に従って国際紛争を平和的に解決することを提唱している」と発言した。また「冷戦思考を放棄し、他国の安全を損害することで自国の安全を維持する論理を放棄し、軍事ブロック(軍事集団)の拡張によって地域の安全保障を求めるやり方を放棄し、各国の合理的な安全保障への懸念を重視、尊重する」ことが問題解決に必要で、制裁を課すことは「分裂的な対立を生み出す」と述べていた。これはロシアよりも欧米(NATO)に対する批判であり、明らかにプーチンの論理に寄り添う認識である。以上の発信から看取される中国側がロシアを支持するうえで重視している論点は、(1)安全保障ブロック形成と拡大への反対、(2)主権と領土保全の尊重、の2点である。まず(1)について、日米豪印の戦略的協力(QUAD)の拡大や米英豪によるAUKUS形成に鑑みれば、この主張がインド太平洋における中国の立場擁護に直結することは容易に理解できる。特に対米競争を有利に進めるためには、ロシアと共同歩調を採ることでアメリカの外交・軍事力を分散することが望ましい。客観的に見ればロシアの軍事侵攻は国際法違反であり、国際社会だけでなく中国国内からも反対の声が挙がるなか 、ロシアを支持することへの何らかの説明をするために、「冷戦思考(の西側)」という別の「敵役」に批判の矛先を向けたと言える。なお従来から中国では、ウクライナのオレンジ革命(2004年)を含む一連の「カラー革命」をいわゆる「和平演変(平和的手段で影響力を及ぼして政権を転覆すること)」と見なして強く警戒しており、近年の香港の民主化要求運動を「カラー革命」の一環と位置付けて弾圧したこととも無関係ではないだろう。カザフスタンで発生した暴動について、 1月に集団安全保障条約機構(CSTO)の緊急首脳会議でプーチンも「『カラー革命』を容認しない」と発言しており、欧米の価値観が引き起こす体制崩壊を警戒する点においても中ロの利害は一致している。さらに、より複合的な背景を有するのが(2)である。「主権と領土保全」原則は基本的には、中国がロシアを支持する事への国内外の批判回避と、国内への説明を兼ねた大義名分として提起したと考えられる。だが実際には「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の承認はこの原則に真っ向から反するうえ 、中国国内の少数民族による独立運動を容認する論理ともなり得る。翻って台湾問題に引き付けた場合、もし欧米が「ウクライナの国家主権の侵害」を主要因としてウクライナ支援に回るのであれば、「台湾には主権は認められない。中国の不可分の領土である」と主張することでウクライナと台湾を差別化し、欧米の支援をけん制できる 。要するにロシアの行為を非難せず、かつ台湾問題への波及を考慮した結果、敢えて主語を曖昧にした「主権と領土保全の尊重」を繰り返しているのである。■「台湾の主権」をどう解釈する?実はこの点は、関係各国に「台湾の主権」をどう解釈するかという宿題を提起することになるだろう。もし仮に中国が台湾を侵攻したとしても、現状では、台湾を主権国家として承認していない多くの国家は「主権の侵害」と位置付けない可能性が高い。他方で台湾の蔡英文政権は、中国を不要に刺激しないように「独立」という表現は避けつつも、事実上の主権国家としての立場を固める方針である。2021年7月の共産党創立100周年の習近平講話に対し、台湾の大陸委員会(対中国政策を担う中華民国の組織)は、「国家主権と台湾の民主主義や自由を守り抜き、台湾海峡の平和と安定を維持するというわが国の政府の決意に変わりはない」と表明した。蔡英文政権は引き続き「主権国家化」を進めるであろうし、それに習近平政権がより過敏に反応するようになれば、台湾海峡の緊張が一層高まることが見込まれる。一方、中国外交部はウクライナの主権を軽視してはいないというメッセージも発信している。まず2月19日にドイツで開催された第58回ミュンヘン安全保障会議に出席した王毅国務委員兼外相は、「(中国は一貫して主権と領土保全を尊重していることについて)ウクライナに対しても例外ではない。この問題で中国の態度に疑問を呈する者がいるとすれば、それは下心のある憶測であり、中国の立場を歪曲したものである」と述べていた。しかし管見の限りこうした見解は24日のロシアの軍事侵攻後には発信されておらず、既述の方針から外れてもいることから、王毅が外交官としての見解を述べたものと推量される。外交部の汪文斌報道官は2月25日の記者会見で「ウクライナは主権国家だ」と明言したうえ、28日には中国とウクライナの経済貿易関係に関する質問に対して「中国は相互尊重と不干渉の原則に基づき、ウクライナと友好協力関係を発展させていくつもりだ」と述べた 。また3月1日のウクライナ外相との会談で王毅が「ウクライナにいる中国人の安全確保に重点を置き、ウクライナ側に相応の国際責任を果たすよう促した」ことは、ロシア侵攻が想定以上に長引き熾烈な市街戦に展開した結果、在留中国人の保護の必要性からも、ウクライナとの関係を維持する姿勢を明確に示したと考えられる。中国にロシアへの仲介を求める国際社会の声も高まっており、中国が人道的見地からウクライナ問題に建設的に関与する可能性がない訳ではない。だが習近平政権は、ロシアが引き起こした混乱が長引くメリットとデメリットを天秤にかけ、注意深く情勢を検討して自らの戦略的利益を最大化することを目指している。2022年秋に予定される共産党第20回党大会に向けて有利な立場を固めるべく、内政への影響も念頭に置いているだろう。流動的な情勢のなかで習近平政権が何を選択するか、国際社会はしっかりと本質を見定める必要がある。江藤名保子学習院大学法学部教授。専門は現代中国政治、日中関係、東アジア国際政治。スタンフォード大学国際政治研究科修士課程および慶應義塾大学法学研究科後期博士課程修了。博士(法学)。日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター副主任研究員、シンガポール国立大学東アジア研究所客員研究員、北京大学国際関係学院客員研究員などを経て現職。写真:ロイター/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <RS> 2022/03/11 09:00 注目トピックス 経済総合 NYの視点:ウクライナ戦争前の米インフレ、40年ぶり最大の伸び、今後一段と上昇も 連邦準備制度理事会(FRB)は来週、15日、16日に連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を予定している。FOMC前最後に発表された重要インフレ指標である米2月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.8%と、予想通り1月+0.6%から伸びが拡大。昨年10月来で最大となった。前年比では+7.9%と、やはり伸びが1月+7.5%から拡大し、1981年以降41年ぶり最大を記録した。主に食用やガソリン価格が押し上げた。FRBが特にインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食料を除いたコア指数は前月比+0.5%と、伸びは1月+0.6%から鈍化したものの前年比では6.4%と、1月+6.0%から伸びが拡大し、予想通り1982年以降40年ぶり最大を記録した。3月にロシアがウクライナ侵攻したのち、エネルギー価格が急騰したことを考えると、3月以降のインフレが一段と上昇する可能性が強い。FRBの利上げを正当化する結果となったが、3月FOMCでの利上げ幅は25ベーシスポイント予想が依然主流。ただ、金利市場は年内の利上げで、再び7回織り込みつつあり、ドル買いを支援する。 <FA> 2022/03/11 07:38 注目トピックス 経済総合 ロシア、中国、北朝鮮…「核保有国に囲まれる日本」が「核の議論すらしない」のは、こんなにも危険なことだった! ● 「核兵器への認識」日本と世界で大きな違い2022年2月27日、プーチン大統領は、西側諸国がロシアに非友好的な行動をとったとして、戦略的抑止部隊に「特別警戒」を命令したことを明らかにした。「特別警戒」は最も高い警戒レベルであり、核使用の可能性が高まることから、NATOのストルテンベルク事務総長は「危険」で「無責任」であると批判している。広島、長崎という被爆経験を持つ日本は、核兵器に対する忌諱(きい)感が強い。核兵器の恐ろしさは、使われた際の破壊力だけではなく、放射能の影響が長く続くことにある。核兵器が「使ってはならない兵器」であることについては国際的コンセンサスがあるのは間違いないが、これは「使えない兵器」と同じではない。核兵器に対する忌諱感は国によって大きな差がある。特に、ロシアの核使用については、曖昧さがつきまとう。2022年3月1日、米議会調査局は「ロシアの核兵器:教義、兵力及び近代化」という報告書を公表している。ウクライナ情勢に鑑み、ロシアの核兵器に対する考え方を共有することを目的としたものである。同報告書によれば、冷戦時代、ソ連は「核の先制使用」を否定していたが、冷戦後は「先制使用」を否定しておらず、幾度か改訂した教義(ドクトリン)の中で、核兵器に依存することを示唆する表現があり、地域紛争中に使用すると脅す、「エスカレート抑止のためのエスカレート(escalate to de-escalate)」戦略をとる可能性があると分析している。そして、2020年6月に公表されたロシアの「核抑止に関するロシア連邦国家政策の基本原則」には、「核兵器は抑止の手段としてのみ考慮」するとし、核兵器を使用する条件として(1)ロシア及び同盟国(以下ロシア等)に対し、核弾道ミサイルが発射される有力な情報を得た場合、(2)ロシア等に対する核を含む大量破壊兵器による攻撃への対応、(3)ロシアの核抑止能力を低下させるロシア政府、軍事施設への攻撃への対応、(4)ロシア等の存在を危機的状況に陥らせる攻撃への対応、の4条件を示している。(3)及び(4)は相手の攻撃が核攻撃であるかどうかは言及されていない。また、それぞれの条件に当てはまるかどうかを判断するのはロシア自身であり、いくらでも恣意的な解釈ができる条件と言える。● ロシア、「限定核使用」の可能性はある最新のアメリカの核戦略は、2018年にトランプ政権で制定された「Nuclear Posture Review(NPR)」に示されている。アメリカのNPRには「戦術核」という言葉は使われておらず、「非戦略核」という言葉が使われている。「核」の射程や威力による違いではなく、使われ方による違いで区別している。トランプのNPRの特徴は、「非戦略核による抑止能力強化」を方針としている点である。限定的な核の使用という脅しが米国や同盟国に対し優位性を得られるという潜在敵の自信を否定するためには、非戦略核を充実させる必要があるという考えかたである。明らかに、2014年のロシアによるクリミア併合時、ロシアが非戦略核を使用する可能性があったにも関わらず対応する手段がなかったことを教訓としている。SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の弾頭を低出力に改修することや海上発射型巡航ミサイルへの核搭載、そしてF-16の代わりにF-35Aに核爆弾搭載能力を組み入れるといった施策がとられている。これらの施策は、ロシア核戦略対応への柔軟性を増すという評価の反面、核使用の閾値(しきいち)を下げるとの批判もある。バイデン政権は、国家安全保障戦略に引き続き、NPRを策定するとしており、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、非戦略核をどのように位置づけるかが注目される。ロシアが2020年に公表した「核抑止の基本原則」に照らしあわせた場合、NATOから核攻撃の脅威を受けているわけではなく、更にはロシアの核戦力を低下させるような攻撃も受けておらず、核使用の条件は満足していない。しかしながら、米国や英国が主導する経済制裁やウクライナに対する軍事支援を、国家の存在を危機的状況に陥らせる攻撃とプーチンが判断する可能性はゼロではない。ここで注目されるのが、前述したロシアの「escalate to de-escalate」戦略である。ロシア自身がこの戦略に言及したことはなく、あくまでも米国を中心とする西側諸国が、ロシアの限定核使用戦略と位置付けているものである。東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠特任教授は、同戦略を「進行中の紛争においてロシアが劣勢に陥った場合、敵に対して限定された規模の攻撃を行って戦闘の停止を強要する」、あるいは「進行中の紛争ないし勃発が予期される紛争に米国等の大国が関与してくることを阻止するために、同様の攻撃を行う事」と説明している。そして、「通常戦力に劣るロシアが限定的核使用を戦略として採用しているかどうかは定かではない」、とし、「核使用をチラつかせる「恐怖惹起」戦略をとり、実際の攻撃はエスカレーションの蓋然性の低い非核兵器を使うのではないか」と分析している。確かに、核兵器使用のハードルは高く、使用される可能性は極めて低いであろう。しかしながら、「限定核使用」の可能性を全く否定することもできない。● 核は「二度と使われない兵器」ではないウクライナ情勢に鑑み、我が国の防衛態勢を見直す中で避けて通れないのが、核の問題である。日本は、中国、ロシアという核大国及び自称核保有国の北朝鮮という、核に囲まれた環境下にある。「核による恫喝」は、常に考えておかなければならない課題と言える。核問題に関するウクライナ情勢の教訓は、1994年のブタペスト覚書で核兵器を放棄(ロシアに移転)したことが、ロシアのウクライナ侵攻を可能にしたという見方をどのように評価するかである。北朝鮮は「核保有こそ国家の安全を保障する」、という考えを一層強固にするであろう。「核に対しては核」という施策を取れない日本にとって重要なことは、日本に対する核使用のハードルを如何に高く保つかに尽きる。「核シェアリングについても国内で議論すべき」、と主張する安倍元総理に対し、岸田総理大臣は3月2日の参院予算会議で、「非核三原則を堅持していく立場から、原子力基本法を始めとする国内法を維持する観点から認めることはできない」、としている。この発言は、日本に対する核使用のハードルを上げることを含め核に関する一切の議論はしないと言っているに等しい。3月5日、元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二氏は、インタビューに答え、プーチン大統領の言葉を「第二次世界大戦後、人類が核兵器を手にして、初めて一番危ない綱渡りをしている」、と評価している。非核三原則は国是という言葉が使われている。まるで決して変えてはいけない原理原則であるかのように取り扱われている。これは、ある意味、思考停止と言えるであろう。多くの人間が思ってもみなかったロシアによるウクライナへの軍事侵攻という冷徹な現実の中で、少なくとも自らの安全保障に係る議論を「国是」という言葉で封殺すべきではない。そして、「非核三原則」の見直しという議論を行う事が、相手に我が国に核による恫喝を行った場合、核保有に向かうかもしれないとの疑心を生み、結果的に核使用のハードルを上げるという視点も忘れてはならない。核は決して「二度と使われない兵器」ではない。使われないような環境を作ることが為政者の責務であろう。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:Russian Presidential Press Service/AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2022/03/10 17:00

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