注目トピックス 経済総合ニュース一覧
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NYの視点:英米利上げ停止に近づく
*07:43JST NYの視点:英米利上げ停止に近づく
米4月消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化に続いて、米4月生産者物価指数(PPI)も前月比+0.2%と、3月-0.4%からプラスに改善し、1月来で最大の伸びとなった。前年比では+2.3%と、伸びは3月+2.7%から予想以上に鈍化し、21年1月来で最小にとどまった。また、変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.2%と、予想通り3月0から伸びが拡大した。前年比では+3.2%と、3月+3.4%から予想以上に鈍化し21年3月来で最小となり、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ停止することが一段と正当化されつつある。また、英中銀は11日、金融政策決定会合で予想通り政策金利を0.25ポイント引き上げ4.50%とすることを決定。金融危機開始した2008年10-11月以降で最高水準となった。7名が0.25%の利上げを支持したが、2名が据え置きを主張し7対2での決定となった。英経済はリセッション回避と見込み、必要とあれば追加利上げを示唆。過去最大の上方修正となった。ベイリー総裁は証拠に基づき金融政策を決定していくし、データ次第であることを表明。ただ、インフレが鈍化した場合、利上げ停止の可能性も示唆した。総裁はさらに、インフレが依然高いとしながらもインフレ率が年内に半減する見通しで、我々は利上げ停止可能なポイントに近づいていると言及。さらに、過去の利上げが今後通四半期で経済に影響すると指摘している。英米は利上げ停止に近づいた。唯一、欧州の消費者インフレ期待が著しく上昇しており、欧州中央銀行(ECB)の高官は9月まで利上げを続けることも検討し始めたと報じられている。ドルやポンドに対しユーロを支援する可能性がある。
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2023/05/12 07:43
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NYプラチナは1200ドルへ サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:34JST NYプラチナは1200ドルへ サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、プラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NYプラチナは1200ドルへ』と述べています。続いて、『週明け8日以降のプラチナ相場は1100ドル台に上昇している』と伝えています。また、『3月に公表されたワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)のプラチナ四半期リポートによると、プラチナ市場は過去2年間の余剰を経て、今年は17トンの供給不足となると予測された。鉱山とリサイクル供給は前年比3% (6.3トン)しか増えないが、需要が24%(47.7トン)増える事が原因。22年は24.1トンの供給余剰だった』と解説しています。次に、『今年の世界のプラチナ需給が顕著な供給不足となる原因について、WPICはの三つの要因を挙げている。(1)南アフリカの電力不足=南アで電力不足が深刻化し、鉱山生産が停滞、(2)ロシアのウクライナ侵攻=自動車メーカーが触媒として、ロシア産のシェアが多いパラジウムからプラチナにシフト、(3)ハイブリッド車の増産=欧州で、触媒としてプラチナを利用するハイブリッド車に移行』と伝え、『パラジウムとプラチナ価格差(終値)は、2019年11月~2022年12月まで、1800ドルを越えると、「パラジウム割高・プラチナ割安」と見られ、800ドルを下回ると、「パラジウム割安・プラチナ割高」と見られていた。しかし、2023年になって、800ドルを下回って、現在は400ドル台に縮小した。割高だったパラジウムが敬遠され、割安なプラチナへ代替需要が起きている』と述べています。こうしたことから、陳さんは、NYプラチナについて、『1100~1150ドルのレンジに上昇したが、次第に1150~1200ドルのレンジに水準を切り上げよう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月10日付「NYプラチナは1200ドルへ」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/05/11 17:34
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南アフリカランド円今週の予想(5月8日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:32JST 南アフリカランド円今週の予想(5月8日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週の南アランド円は、深刻な電力不足がもたらす南アフリカ経済の先行き不透明感から、南アランドには戻り売りが働くだろう』と述べています。続いて、『先週の南アランド円は、南ア4月製造業PMIが49.8と予想の48.0を上回ったことや、4月の自動車販売が市場予想を上回ったことで、7.5円まで上昇した。しかし、米ファースト・リパブリック銀行の経営破綻に続き、米パックウエスト・バンコープや米ウェスタン・アライアンス・バンコープでも身売り検討報道が広まると、米国の金融システム不安が高まり、リスク回避から、南ア株や南アランドは下落に転じた』と解説しています。また、『先週発表された3月消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.1%上昇し、伸び率は2カ月連続で拡大。食料をはじめ、住宅や光熱費、鉄道・バスの運賃など幅広い品目が値上がりしている。伸びは中央銀行の目標値(3~6%)を上回っており、物価抑制に向けて南ア中銀は5月下旬の会合で10回連続の利上げに踏み切る公算が大きい。深刻な電力不足が経済活動を圧迫しており、1~3月期は2期連続でマイナス成長に陥った可能性がある。国際通貨基金(IMF)は4月11日に今年の南アフリカ経済成長率見通しを前回1月時点の+1.2%から+0.1%へと大幅下方修正した。南アフリカ国債の根強い格下げ懸念も嫌気されている』と言及しています。南ア中銀については、『インフレ抑制を優先して追加利上げする可能性が出てきたが、利上げとなれば南ア経済にはマイナス要因となることも懸念されている』と述べています。さらに、『重要な貿易相手国である中国の景況感が冴えないことも南アランドには重石となろう。4月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.2となり、景気の拡大・縮小を判断する節目の50を4カ月ぶりに下回った。前月比では2.7ポイント低下。需要の強さを示す新規受注が大幅に悪化した』とし、『財新/S&Pグローバルが4日に発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)も49.5と前月の50.0から予想外に低下し、第2四半期の経済見通しに影を落とす内容となった。景況悪化と改善の分かれ目となる50を割り込むのは1月以来』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、南アフリカランド円の今週のレンジについて、『7.20円~7.50』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月9日付「南アフリカランド円今週の予想(5月8日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/05/11 17:32
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トルコリラ円今週の予想(5月8日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:29JST トルコリラ円今週の予想(5月8日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『5月14日の大統領選選挙を控えて上値の重い保ち合いが続くだろう』と述べています。続けて、『トルコ中央銀行は、2月の会合では、5万人以上の死者を出した大地震を受け政策金利を0.5%引き下げた。3月会合では据え置きだった。4月も政策金利を据え置きとし、経済成長の勢いを維持するため金融支援策の重要性を強調した』と伝えています。また、『トルコ中銀は、現在の金融政策スタンスは、地震被害からの経済回復を支援するのに十分だと評価した。先行指標は被災地域の経済活動が予想より早く回復していることを示していると述べた。選挙後は引き締めに転じるとの見方もあるが、エルドアン氏は選挙演説で「自分が権力の座にいるうちに金利は上がらない。下がり続ける」と改めて訴えた。エルドアン陣営と接戦を演じる野党連合は経済・金融政策の「正常化」や中銀の独立性強化を主張している。』と解説しています。5月14日の大統領選挙については、『激しいインフレに対処できなかったとして現職のエルドアン大統領が劣勢のようだ。野党候補者である人民共和国党党首のクルチダルオール氏が世論調査でエルドアン氏を引き離している。クルチダルオール氏支持は49.5%、エルドアン氏支持は41.5%。クルチダルオール氏は、西洋の価値観と米国を無条件に支持し、EU加盟を目指すトルコのリベラルな発展モデルを提唱している。クルチダルオール氏はまた、強権的なエルド政権に反対し、民主主義再建を訴える。内政から外交まで両者の主張は大きく異なり、仮に政権交代が実現すれば影響は国内外に波及する』と伝えています。こうしたことから、トルコリラ円の今週のレンジについては、『6.70円~7.00円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月9日付「トルコリラ円今週の予想(5月8日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/05/11 17:29
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NYの視点:米4月住宅除コアサービスCPIが鈍化、6月利上げ停止の見通し強まる
*07:43JST NYの視点:米4月住宅除コアサービスCPIが鈍化、6月利上げ停止の見通し強まる
米4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と予想通り、伸びが3月+0.1%から拡大した。前年比では+4.9%と、予想外に3月+5.0%から伸びが縮小し21年4月来で最小の伸びとなった。10カ月連続で伸びが鈍化。燃料、ガソリン価格の下落がCPIを押し下げた。エネルギー項目は前年比‐5.1%となったほか、ガソリンは同比-12.2%。度々注目される中古車価格は昨年6月来で初めて上昇。供給不足が影響した。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している燃料や食品を除いたCPIコア指数は前月比+0.4%と、予想や3月分と一致。前年比では+5.5%と、3月+5.6%から予想通り伸びが鈍化した。ただ、依然FRBの目標である2%を上回ったまま。鈍化ペースも鈍い。賃貸などのコストも依然高止まりしている。■米4月消費者物価指数(CPI):前月比+0.4%、前年比+4.9%コアCPI:前月比+0.4%、前年比+5.5%エネルギー:前月比+0.6%、前年比-5.1%ガソリン:+3.0%、-12.2%航空運賃:-2.6%、‐0.9%新車:-0.2%、+5.4%中古車:+4.4%、-6.6%通信:-0.1%医療費:0(-0.3%)シェルター:+0.4%、+8.1%食品:前月比0、前年比+7.7%シェルター除コアCPI:+0.4%(1年前+3.68%、3年前+14.78%)FRBが特に注視している住宅を除いたコアサービスCPIの前年比での伸びは昨年5月以降ほぼ1年ぶりの低水準に改善したことはFRBが6月に利上げを停止する余地を広げる。物価の伸びは鈍化したものの賃金の伸びを25カ月連続で上回ったまま。高インフレが家計を引き続き圧迫している証拠となった。
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2023/05/11 07:43
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コラム【新潮流2.0】:マイ・ウェイ(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
*09:27JST コラム【新潮流2.0】:マイ・ウェイ(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
◆ポップスの巨匠、ポール・アンカが来日する。今月23日に東京ドームシティホールで15年ぶりの来日公演を開く。御年81歳が数々のヒット曲を披露する。当然、デビュー曲の「ダイアナ」も歌われるだろう。81歳のポール・アンカが、~君は僕より年上と、まわりのひとは言うけれど~、と歌うのを聴くのも一興である。◆クライマックスを飾る曲は「君は我が運命」と「マイ・ウェイ」で間違いない。「マイ・ウェイ」はクロード・フランソワのフランス語の曲にポール・アンカが英語の歌詞をつけ、フランク・シナトラが歌って大ヒットした。今年2月に日経新聞「私の履歴書」を連載した作曲家の村井邦彦氏がフランスの音楽出版社から3曲の出版権を100ドルで買ったが、そのひとつが後に大ヒットした「マイ・ウェイ」だったというエピソードを書いていた。◆日本の大型連休中に開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備制度理事会)は10会合連続となる利上げを決定した。その後の記者会見に臨んだパウエル議長は、相次ぐ米銀の破綻について後悔していることはあるか、と聞かれるとこう答えた。“Regrets, I’ve had a few.”(後悔、少しはある。)節こそつけなかったものの、「マイ・ウェイ」の有名な歌詞の一節であることは誰もが気づく。会見場には笑いが起きた。パウエル議長は続けて「もっと違ったやり方があったのではと思われるだろう」と述べ、銀行への規制・監督が不十分だったことを認めた。◆さすがFRB議長ともなると当意即妙の受け答えをするものだと感心したが、同時に「a few (少し) 」で済むのかとも思った。記者会見での質問は銀行破綻についてだったが、より根本的な後悔が他にあるのではないか。インフレを一時的と見誤り引き締めが遅れたことだ。遅れを取り戻そうと通常の2倍3倍のペースの利上げを断行した。後手後手に回った対応を悔いていないかと問うのは無粋というものだろう。◆問題はこの先だ。5%超まで高めた政策金利の今後が米国景気の行方を左右する。パウエル議長には、これ以上将来の後悔の種を残さないよう細心の政策運営をお願いしたい。そのためにはより緊密な市場との対話と意思疎通を望む。米国景気と、ひいては世界の市場の命運はあなたにかかっているのだから。「我が道」を行くあなたに世界の投資家はこういうだろう。「君は我が運命」だと。マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆(出所:5/8配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)
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2023/05/10 09:27
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NYの視点:米中小企業は経済、売上の伸びに悲観的、同時に人手不足続き賃上げ強いられる
*08:52JST NYの視点:米中小企業は経済、売上の伸びに悲観的、同時に人手不足続き賃上げ強いられる
全米独立企業連盟(NFIB)が発表した4月中小企業楽観指数は89.0と、3月から予想以上に低下し2013年1月来で最低となった。金利高やインフレ高騰の影響を受けた経済の成長減速や売上減速見通しに基づき、中小企業が投資計画を躊躇していることが明らかになった。今後数カ月内に新たな機械導入や工場の拡大など資本支出を計画していると答えた企業は5分の1以下で、パンデミック以降で最小となった。また、ビジネス拡大の良い時期と考えている中小企業主は3%にとどまった。ただ、過去最低となった2%から小幅上昇。販売価格の上昇を予想している企業は全体の33%と、5カ月連続で低下し、2021年3月以降で最低となっており、インフレのピーク達成を裏付ける。信用状況に大きな変化は見られず。融資のアクセスを巡り3月からいくらか改善したものの、依然低水準にある。ただ、45%の中小企業は依然求人枠を埋められず、40%は賃金の引上げを報告している。このことはインフレが根強い可能性を示唆し、連邦準備制度理事会(FRB)も当面高金利を維持する必要性が強まる。短期金融市場では6月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げを除外していない。米NY連銀のウィリアムズ総裁は9日の講演で年内に利下げする理由が見られないと、市場の年内の利下げ見通しを一蹴した。■全米独立企業連盟(NFIB)が発表した4月中小企業楽観指数経済の改善予想している企業:‐49%(3月‐47%、6カ月平均-47%)販売価格の上昇を予想している企業:33%(37%、41%)ビジネス拡大の良い時期と考えている企業:3%(2%、5%)雇用創出拡大を想定している企業:17%(15%、17%)資本投資拡大を計画している企業:19%(20%、21%)在庫拡大計画している企業:-5%(-4%、-5%)売り上げ改善予想している企業:-19%(-15%、-13%)求人が埋められない:45%(43%、44%)決算の良好な傾向を想定している企業:-23%(-18%、-24%)信用状況が緩和:-8%(-9%、-8%)
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2023/05/10 08:52
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NYの視点:米4月NY連銀消費者調査、まちまち、長期期待インフレ率は上昇
*07:36JST NYの視点:米4月NY連銀消費者調査、まちまち、長期期待インフレ率は上昇
米NY連銀が発表した4月の消費者調査はまちまちの結果となった。短期1年期待インフレ率は+4.45%と3月+4.75%から低下した。一方で、3年期待インフレ率は2.89%と、2カ月連続で上昇した。また、1年の消費支出予想は+5.22%と、21年9月来で最低となった。雇用に関して「職を失う可能性」は12.2%と年初来最高。「自主退職の可能性」も19.59%と、前月19.34%から上昇した。連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策決定において、短期よりも中長期の期待インフレの上昇に注目している。FRBは先週開催したFOMCで「追加利上げが適切になると予想する」とのガイダンスを削除、6月に利上げを停止する可能性も示唆したため、利上げ停止観測が強まりつつある。しかし、結果を受け、6月の追加利上げの可能性も依然残る。さらに、ピーク金利で当面維持する可能性が強まった。■米4月NY連銀消費者調査期待インフレ率「1年:+4.45%(3月+4.75%)3年:2.89%(2.78%)」1年の消費支出の伸び予想:5.22%(5.72%)雇用:「職を失う可能性:12.2%、自主退職の可能性:19.59%(19.34%)」
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2023/05/09 07:36
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NYの視点:【今週の注目イベント】FRBシニアローンオフィサー報告、米中CPI、PPI、G7財務相・中銀総裁会合
*07:35JST NYの視点:【今週の注目イベント】FRBシニアローンオフィサー報告、米中CPI、PPI、G7財務相・中銀総裁会合
今週は早くて6月にも連邦債務上限に達する可能性が強まる中、バイデン大統領が債務上限を巡り8日に上下両院の指導者と話し合いを行う。債務上限の引き上げがなければ、政府機関閉鎖や格下げのリスクに直面しドル売り材料となる。さらに、地銀の安定性にも引き続き注視が必要となる。与信引き締めの程度を見極めるうえで、FRBが公表するシニアローンオフィサー調査結果に注目。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げと同時に、銀行の貸付基準が強化された可能性がある。金融政策では英中銀が金融政策決定会合を予定している。中銀はインフレ制御で0.25%の利上げを実施する見込み、英国GDPも相場材料となる。米国ではFRBの次回6月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げの有無を見極めるうえで重要な最新インフレ指標、4月消費者物価指数(CPI)4月生産者物価指数(PPI)が発表予定で注目となる。4月雇用統計は予想以上に強く、失業率は再び50年ぶりの低水準で推移するなど、労働市場には鈍化の兆しはまだ見られない。また、セントルイス連銀のブラード総裁はインフレもあまり進展がないとの見解。CPIやPPIでもインフレの鈍化ペースが微々たるものにとどまった場合、6月利上げ観測が強まりドル買い材料になる。英国ではまた、国王チャールズ3世の戴冠式が6日、首都ロンドンのウェストミンスター寺院で開かれた。英君主の戴冠式は1953年のエリザベス女王の式典以来、70年ぶりとなり経済的な効果も期待され、ポンド買いにつながる。8日はバンクホリデーの休日となる。■来週の主な注目イベント●11日―13日:G7財務相・中銀総裁会合(新潟)●米国8日:3月卸売在庫確定値、FRBシニアローンオフィサー調査9日:バイデン大統領が債務上限を巡り上下院の指導者と話し合い、ウィリアムズNY連銀総裁が講演、10日:4月消費者物価指数(CPI)11日:週次失業保険申請件数、4月生産者物価指数(PPI)12日:5月ミシガン大消費者信頼感指数●中国8日:鉱工業生産11日:PPI、CPI●欧州8日:独鉱工業生産、レーンECBチーフエコノミストが講演9日:レーンECBチーフエコノミストがIMFのイベント参加10日:独CPI11日:独リントナー財務相が日本、中国訪問●英8日:バンクホリデー11日:英中銀金融政策、鉱工業生産、GDP
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2023/05/08 07:35
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北京への道(2)【中国問題グローバル研究所】
*10:27JST 北京への道(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。中国は何をもたらすことができるのか中国はもはや単なる、世界の成長をけん引する経済大国や世界の工場ではない。中国経済はパンデミック前からすでに諸問題に直面しており、そうした問題はすべて解決されぬまま残り、あるいは経済が直面する別の問題へと変化している。厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ政策」の緩和により、経済が短期的に回復したとはいえ、今や世界は中国にそれをはるかに上回るものを求めている。欧州諸国が中国に期待しているのは、グローバルなリーダーシップをもっと発揮し、ロシアによるウクライナへの攻撃を抑える取り組みに力を入れることである。中国が外交的影響力を高めている証として、長年にわたり対立関係にあったサウジアラビアとイランが中国の仲介により最近和解したことを挙げる向きもあるかもしれない。これは確かに中国の立派な外交的業績であり、米国がこれを仲立ちすることは間違いなくできなかっただろう。だが同時に、この成果を過大評価すべきではない。中国の隣国にとっては、貿易と経済が依然として鍵を握るが、今の中国は昔の中国ではない。今月には、インドが中国を追い抜き、世界で最も人口の多い国になる。中国の人口はすでに減少し始めており、2100年までにほぼ半減する可能性があるとする予測もある。米国主導の対中半導体制裁措置はすでに、中国ができることとできないことに影響を及ぼしている。また、自国のサプライチェーンから完全に中国を排除する国はほとんどないとはいえ、経済の原動力(economic engine)という中国の役割は、失速していないものの、間違いなくシフトダウンしている。国内に目を転じても、習国家主席の下で、民間企業や起業家に対する締め付けを強化しており、コロナ禍には特にその傾向が強まった。大手IT企業はいずれもその標的となっており、民間事業の支援について、指導部からある程度前向きな発言があったものの、ITセクターに対する規制・法的な枠組みで緩和されたものがないのが現状である。現在の情勢を反映する2つの話題にも、投資家の意欲を高める効果はほとんどない。数多くのIT企業のIPOを手がけてきた中国を代表するIT投資銀行家の包凡(バオ・ファン)氏は、場所は不明だが身柄を拘束されたままで、当局による規制締め付けの「手助け」をしている。また報道によると、国内の(ChatGPT など)大規模言語モデルAIに対する新たな規制措置で、「コンテンツには、社会主義の中核的価値観を反映させる必要があり、また国家の権力を転覆させるような内容を含んではならない」ことが徹底されるはずだ。このようなテクノロジーが力を発揮できるオープンで自由な環境とはとても言えない。危険にさらされているのは中国人のビジネスパーソンだけではない。日本のアステラス製薬の社員も先日、拘束された。中国で経済的人質を取ることは今に始まったことではない。ルーラ大統領のブラジルとプーチン大統領のロシアが望んでいるのは、BRICSの復活だ。そうなれば、当初の5カ国だけでなく、別の途上国やグローバルサウス諸国もこれに加わることは十分あり得る。こうした復活の成否を左右するのは、中国がその先頭に立つかどうかになるが、これが実際にどのように機能するか想像することは難しいように思われる。中ロ間で人民元建ての貿易が拡大していることからも、ロシア経済が中国に依存していることは明らかである。一方、ルーラ大統領の米国に対する不信感と、BRICS通貨創設の願いは、経済の健全化より、政治的イデオロギーに基づく側面が強い。だが、インドには、こうした通貨を支持する理由が果たしてあるだろうか。インドは堅調な成長を見せており、30年前に中国が持っていた利点の多くを持っている。そのため、特にヒマラヤ山脈の国境地帯で中国との衝突が続いているときに、中国との関係を強化する必要はない。インドは日本、米国、オーストラリアと共にクアッド(Quad)を創設した。その背景には、中国がより攻撃的・好戦的になることへの懸念がある。一方、BRICSの復活は、経済的に意味がなくなり、立ち消えることになるだろう。習国家主席はこれまで中国式グローバル化(Globalization with Chinese Characteristics)とも言うべき「一帯一路」構想を国際交流の主要な施策としてきた。だが、これに参加する途上国の多くは現在、困窮にあえぎ、債務不履行に陥る可能性が高い。こうした問題に対処し、債務不履行を回避するために中国が過去5年間に行った救済融資の総額は1,850億米ドルに上るとハーバード大学の経済学者、カーメン・ラインハート(Carmen Reinhart )氏は推計している。債務を永遠に借り換え、損失計上を回避するという国内モデルを世界に輸出しているのである。少なくとも、中国は国内外で不良債権を抱え込むことを望んでいない。他国と同様、財政上の制約があることを理解しているのだ。中国には多くのことが求められているが、少なくとも短期的には、最近訪中した首脳全員を失望させることになる可能性が高い。習氏が国家主席の座に就き、中国に対する世界各国の好意の多くを無駄にして10年が過ぎた今、中国が万が一にもプーチン大統領率いるロシアの危険性に気がついて、世界の平和に一役買い、ウクライナから撤退するようロシアに圧力をかけるとすれば、それは自国にとって大きな追い風となるだろう。ライエン委員長のディリスキング政策は、中国との関係再構築に向けた第一歩としてふさわしい。改革・開放時代には、中国でビジネスを行うことの実情や、中国による国際協定違反について話すことを嫌がる国家首脳や企業トップが多かった。中国についての、また中国との率直な議論を最重要課題にしなければならない。そうした議論が、より良い政策を定め、その結果として、より現実的な成果を上げる一助となる。中国は、諸問題を抱えているとはいえ、多くのサプライチェーンと、グローバルな問題の解決において不可欠な存在であることに変わりがない。北京を訪れ、中国政府と交流をすればいい。だが、それにより何を得られるかについては現実的な視点を持つ必要がある。おそらく、期待をはるかに下回る成果しか得られまい。写真: 新華社/アフロ(※1)https://grici.or.jp/
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2023/05/02 10:27
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北京への道(1)【中国問題グローバル研究所】
*10:26JST 北京への道(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)フレイザー・ハウイーの考察を2回に渡ってお届けする。VIPラウンジピカピカに磨き上げられた北京の空港のVIPラウンジで働くスタッフはこの数週間、時間外労働をしてきたに違いない。3年近く閉鎖されていた中国の国境再開で、世界各国の首脳が北京を訪れている。過去数週間に中国が迎え入れたのはスペインのペドロ・サンチェス首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相、ブラジルのルーラ・ダ・シルヴァ大統領、ドイツのアナレーナ・ベアボック外相である。一方、米国のアントニー・ブリンケン国務長官は米国本土上空を偵察気球が飛行していた問題を受けて延期した2月の訪中の再調整がまだ行われていない。習近平国家主席は、各国の首脳が押し寄せ、 自らが目指す世界の多極化が間違いなく実現すると喜んでいるはずだ。コロナ禍になる前、各国首脳は概して貿易やビジネス上の取引のためだけに中国の機嫌を取っていた。だが、中国政府が外国のVIPを最後に迎え入れてから、世界は変わった。中国のリーダーシップに対する期待がかつてないほど高まっている。忘れてならないのは、首脳らが前回北京を訪れて以降、習近平国家主席は、10年前にトップの座に就いたときにはまず予想できなかったほど権力を集中させていることだ。自らの権力の源泉である共産党総書記の3期目に入った。また、著名な改革派の国務院幹部を全員引退させ、その要職の多くに、自らへの忠誠心以外、目立った特徴のない側近を登用した。習主席は中国をこの10年間で、軍事力、経済的強制、外交の場での長広舌を利用することを厭わずに、自らが望むものを手に入れようとし、中国の名誉を傷つけていると自らがみなす国に制裁を科す、これまでよりはるかに攻撃的な大国にした。誰が何を中国政府に求めているのか北京へと旅立つ直前、EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は講演を行い、対中関係の方向性を示した。ライエン委員長は中国について、「ディリスキング」、そして、米国で求める声が強い「デカップリング」の回避の必要性を強調した。中国は、すべての地域と同様、EUにとっても非常に重要な貿易相手国であり、また、欧州の多くのメーカーにとって主要な市場である。中国に対する、この新たな、かつ極めて分別あるアプローチは、ガス供給の対ロシア依存で得た苦い教訓を参考にしたものである。先のことをよく考えずにエネルギー供給をロシアに依存してきたEUは、中国への依存で同じような過ちを繰り返すことを望んでいない。欧州はまた、ウクライナ紛争の終結で、より重要な役割を担うことを中国に強く求めている。プーチン大統領の決定プロセスに実際に影響を与えることができる大国は中国だけだという欧州諸国の首脳の考えは正しい。だが、ロシアとの無制限のパートナーシップを中国が解消すると考えるのは、率直に言って認識が甘い。中国は、欧州諸国の首脳が望むような形での平和には興味がない。2014年のロシアによるクリミア侵攻のように、ウクライナへの軍事行動も短期間で鮮やかな成功を収めてほしいと中国は思っていたはずだ。とはいえ、プーチン大統領の現在の軍事的失敗が今後、中ロ同盟にひびを入れることにはならない。中国とロシアの将来のビジョンは楽観的で希望が持てるものではなく、両国の政策から生まれたと思われる、欧米諸国が支持するものと相対するビジョンである。ウクライナへの侵攻で30年余りに及ぶ欧米との関係を壊したロシアにとって、中国以外に手を結ぶことができる国があるだろうか。中ロ関係は歴史的に不信に満ちたものであり、現在も深い不信感がいずれの側にもあることは間違いない。だが、戦争と、米国が盛んに自分たちの国を揺るがせようとしているという被害妄想(パラノイア)が両国を接近させている。マクロン大統領とライエン委員長が一緒に訪中したことで、EUと欧州の政策決定の中枢が抱える真の問題が浮き彫りとなった。マクロン大統領は、欧州の戦略的自立、すなわち、欧州は単に米国に追従するのではなく、米国から独立した外交政策をとるという考えについて熱弁することを好む。フランス社会ではこうした考えが昔から根強くあるが、マクロン大統領は北京でこうした考えを強く示した後、帰国する飛行機の中で台湾問題について極めて不用意な発言をした。これとは対照的に、ドイツの外相はマクロン大統領の発言から数日後、台湾海峡で万が一軍事衝突が起きたときの「恐怖のシナリオ(horror scenario)」について言及している。それでは、欧州の立場を代弁しているのは誰なのか。欧州諸国の首脳の足並みは、外部から見るより、ずっとそろっているのであろうが、連携を強化し、自らのアジェンダを推し進めることができなければ、それがEUにとっての弱点になることは間違いない。マレーシアの首相は、中国の対マレーシアビジネス/投資に強い関心を示した。それは、自国の今後の成長と発展が中国の継続的成長と切っても切り離せないと考える、東アジア地域の多くの国の見解を反映している。こうした立場を取ることは、アジアの観点から見るとまったく不合理なことではないが、幾分時代遅れの感があることは否めない。中国の成長見通しはかつてほど明るくない。中国では人口が減り始め、習近平国家主席の下で奇跡の成長が終わりを告げ、支配とイデオロギーの新たな時代が始まった。そうした立場はおそらく、表面化しつつある地政学的問題から目を逸らしたいという気持ちの表れでもある。東南アジアでは数十年にわたり、数多くの国が地政学的問題を回避することに成功してきた。これらの諸国が実践したモデルは比較的シンプルだ。米国の安全保障の傘が地域に安定をもたらす一方、経済と貿易が地域一帯の関係を発展させ、また、すべての国が豊かになることを可能にした。ところが、残念なことに、そのモデルはもはや存在しない。情勢が一段と複雑化し、各国はそれに対応する必要がある。汚職事件による服役(後に釈放)を含め、政治家として信じられないほどの浮き沈みを経験した後、返り咲いたブラジルのルーラ大統領の目的は今回も、他とは異なるものだった。BRICSという概念が世界的に注目を集めるようになったときにブラジル大統領を務めていたのはルーラ氏である。かつてBRICS通貨という考えを支持し、ドルへの依存を弱めたルーラ大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻の原因を作ったのは米国だとして、中国やロシアを強く支持している。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相による今週のブラジル訪問は注目する必要があるだろう。BRICSという概念をほめたてることがなぜ問題かというと、その時代は過去のものとなったからである。もっと言えば、そのような時代は実際のところ、もとから存在しなかった。BRICS5カ国はそれぞれ、非常に異なり、独自の特徴を持つ国であるため、20年余り前にゴールドマンサックスがやったように、それを今ひとまとめにすることはほとんど意味をなさない。ルーラ氏は、自らが大統領に返り咲いたことで、かつてのようにブラジルの成長に再び火をつけ、貧困削減を促す一助にしたいと考えているが、経済成長を可能にする、もっと単純な時代への回帰を切望する数多くのアジア諸国と同様、そうした時代は過去のものとなったのだ。「北京への道(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: 新華社/アフロ(※1)https://grici.or.jp/
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2023/05/02 10:26
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米4月ISM製造業指数は依然縮小域、価格は急伸でFRBの追加利上げ正当化
*07:38JST NYの視点:米4月ISM製造業指数は依然縮小域、価格は急伸でFRBの追加利上げ正当化
米4月ISM製造業景況指数は47.1と、3月の3年ぶりパンデミック以降の低水準となった46.3から予想以上に改善した。ただ、活動の拡大と縮小の境目50を6カ月連続で下回った。2009年以降で最長となる。主要項目の新規受注は45.7と3月44.3から上昇も8カ月連続の50割れで活動縮小となった。企業は価格動向、将来の顧客需要に確信を持てていない。ISM製造業調査委委員長は新規受注が引き続き低迷しており、調査に回答した企業は製造業の成長がいつ回復するかを引き続き懸念していると、言及。同指数の支払い価格は53.2と3月49.2から低下予想に反し上昇し昨年7月来で最高となった。4月に原油価格が再び上昇したことが原因となった可能性がある。景気縮小が継続すると同時に、価格が上昇しスタグフレーションの証拠となった。また、雇用は50.2と、3カ月ぶり50台を回復。価格の上昇とともに労働市場も依然強い証拠となり。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを正当化する結果となった。■米4月ISM製造業景況指数:47.1(3月46.3)新規受注:45.7(44.3)受注残:43.1(43.9)在庫:46.3(47.5)生産:48.9(47.8)支払い価格:53.2(49.2)雇用:50.2(46.9)輸出:49.8(47.6)輸入:49.9(47.9)短期金融市場では5月連邦公開市場委員会(FOMC)で25BP利上げを95%織り込んだ。同時に年内の利下げも織り込んでいる。
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2023/05/02 07:38
注目トピックス 経済総合
[今週の分析銘柄]
*11:30JST [今週の分析銘柄]
フィスコ銘柄分析(1):23年12月期は最高益更新が期待される■分析銘柄:アウトソーシング〈2427〉プライム■売上収益の過半は海外から国内外で派遣・請負事業を軸に人材事業を展開する。事業セグメントは5つに分類され、(1)メーカーの設計・開発・実験・評価・製造などの外注化ニーズに応える国内技術系セグメント、(2)工場製造ラインへの製造派遣を手がける国内製造系セグメント、(3)米軍施設向けサービスを軸とする国内サービス系セグメント、(4)海外でITエンジアニの派遣などを手掛ける海外技術系セグメント、(5)海外で金融専門家の派遣、給与計算代行、公共施設向けBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を手掛ける海外製造系及びサービス系セグメントである。2023年12月期会社予想売上収益7700億円のうち56%が海外二つのセグメントから成る。■海外人材受け入れ本格化等で国内セグメントは成長加速22年12月期業績はのれん等の減損損失(36.7億円)やその他一過性費用が重なり、営業減益となった。23年12月期はこれらの利益押し下げ要因が解消されるほか、昨年まで停滞を余儀なくされていた海外人材受け入れが本格化し国内セグメントの成長加速も期待できることで、営業利益の大幅増益および過去最高益更新が期待される。★リスク要因借入金が膨らんでおりエクイティファイナンスの発表など。------------------------------------------------------------------フィスコ銘柄分析(2):得意の自治体向けビジネスでLoGoシリーズが拡大中■分析銘柄:チェンジホールディングス〈3962〉プライム■「パプリック事業」が収益の柱国内のあらゆる産業で生産性の改善が求められるなか、企業・自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「NEW-ITトランスフォーメーション事業」、IPOの準備期間に入っている企業に投資を行う「投資事業」、また、国内最大のふるさと納税プラットフォーム「ふるさとチョイス」を軸とした「パプリック事業」を展開する。22年4-12月のセグメント利益合計73億円のうち、「パプリック事業」が64億円を占め、収益の柱となっている。■25年3月期純利益128億円を目標とする「パプリック事業」の新たな柱としてLoGoシリーズが広がりをみせている。同シリーズは自治体を対象としたサービスで、各自治体内の紙や電話による連絡の代わりにチャットをアプリとして使うLoGoチャット、行政専用のネットワークを利用し各自治体が取り扱っているアンケートや申し込みフォームを簡単に作成し集計できるLoGoフォームなどを提供している。自治体にとってLoGoシリーズは利便性が高く、これを利用する自治体は2割を超えるまでに成長している。中期計画では25年3月期純利益128億円を目標にしている。★リスク要因ふるさと納税制度の見直しなど。------------------------------------------------------------------フィスコ銘柄分析(3):ITインフラストラクチャ事業に特化、プライム市場目指し事業拡大■分析銘柄:ボードルア〈4413〉グロース■インフラ領域は高い専門性が必要にネットワーク仮想化、クラウドソリューション、ITセキュリティ、ワイヤレスなどITインフラストラクチャ事業を手掛ける。従来、この分野はシステム開発会社や通信工事会社が付随して行ってきたが、通信の高度化・多様化などによってITインフラストラクチャ分野の技術も高度化し、より専門性の高いサービスが必要な時代へシフトしている。同社はアプリやミドルウェア、通信工事は手掛けず、ITインフラ領域に特化することで、この分野で存在感を増している。2023年2月期営業利益は9.75億円。従来予想の8.75億円を11%ほど上回って着地した。前期は非連結決算だが、営業利益は6.79億円だった。■24年2月期営業利益は30%増予想24年2月期営業利益は前期比30.2%増の12.7億円予想。大企業向けの営業を強化し、また、クラウドやワイヤレスなど高い成長性が期待される先端技術分野に注力する。今年1月に発表した中期経営計画では、26年2月期に営業利益20億円を目標に掲げ、また、プライム市場への移行に向けて事業拡大を図るとしている。株価は5000円台に乗せた後、利益確定売りをこなす動きとなっている。★リスク要因IT人材獲得競争の激化など。------------------------------------------------------------------フィスコ銘柄分析(4):公共・公益向けクラウドビジネスの拡大が見込まれる■分析銘柄:伊藤忠テクノソリューションズ〈4739〉プライム■受注高、売上収益、売上総利益、受注残高は過去最高4月28日に発表した2023年3月期業績は、売上収益が前期比9.3%増の5709億円、営業利益は同7.9%減の465億円だった。減益とはなったものの、中長期的な成長を見据えた人材確保による人件費増加によるものであり、修正計画(450億円)を上回っての着地だった。エンタープライズ、流通、広域・社会インフラ、金融事業グループにおいては旺盛なDX需要を確実に捉え、受注高、売上収益、売上総利益、受注残高は過去最高だった。24年3月期業績は、売上収益が同9.5%増の6250億円、営業利益は同24.8%増の580億円を見込んでいる。■調整トレンド転換に期待半導体供給の影響から5G関連ビジネスは通信キャリアの投資抑制の先行きが不透明ではあるが、公共・公益向けクラウドビジネスの拡大が見込まれよう。株価は決算を受けて急伸し、昨年7月下旬以来の水準を回復している。20年8月高値4430円と21年12月高値3985円を結んだレジスタンスラインを先週高値では上抜けてきており、調整トレンドの転換が期待される。★リスク要因地方自治体向け基盤構築の競争激化など。------------------------------------------------------------------フィスコ銘柄分析(5):産業用テープや車載・VR向け光学フィルムの販売拡大を見込む■分析銘柄:日東電工〈6988〉プライム■24年3月期は4期連続での増収増益を計画4月26日に発表した2023年3月期業績は、売上収益が前期比8.9%増の9290億円、営業利益は同11.3%増の1472億円だった。インダストリアルテープはセラミックコンデンサー向け工程用材料や半導体向け工程用材料が市況悪化により需要減少となった。一方で、オプトロニクスでは、車載向け光学フィルムやハイエンドスマートフォン向け高精度基板が好調だった。24年3月期業績は、売上収益が同0.6%増の9350億円、営業利益は同1.9%増の1500億円を計画。スマホの内部に使用される半導体やコンデンサー向けを含む産業用テープが伸びるほか、自動車のカーナビやメーターに使用されるディスプレー、VR機器向けの光学フィルムの販売拡大を見込んでいる。■3月9日に付けた年初来高値に接近株価は決算発表を受けて急伸し、3月9日に付けた年初来高値8870円に接近してきた。昨年11月以降、上値を抑えられていた水準でもあり、これを超えてくれば保ち合いレンジの上放れでトレンドの好転も期待されてこよう。★リスク要因半導体向け材料市況のさらなる悪化など。------------------------------------------------------------------フィスコ銘柄分析(6):イオンのショッピングモールを運営・開発、海外事業が利益拡大ステージ入り■分析銘柄:イオンモール〈8905〉プライム■国内164、海外35モールを展開イオンのショッピングモール開発・管理・運営、テナントの誘致を行う。モール数は国内164、海外35。海外は中国、ベトナム、カンボジア、インドネシアで事業展開する(2022年12月15日現在)。収益はテナントからの賃料収入(固定的収益)と、テナントの収益拡大に資するようなイベントなどを企画し、収益の拡大度合に応じたフィー(歩合収益)を得るビジネスモデル。23年2月期営業利益は前期比15.0%増の440億円。3月22日に従来予想の555億円から20%ほど引き下げた。新型コロナの影響や電気料金高騰などの影響が想定以上だった。■24年2月期営業利益33%増予想24年2月期営業利益は前期比33.0%増の585億円予想。海外は、中国で1モール、カンボジアで物流センター1施設の新規オープンを計画している。海外事業は成長ドライバーとして利益拡大ステージに入っているとみている。国内は4物件の新規オープンを計画し、また、引き続き既存モールの増床・リニューアルを積極的に進める計画。株価は高値圏で利益確定売りをこなしつつ底堅い展開となっている。★リスク要因金利上昇による収益圧迫など。------------------------------------------------------------------フィスコ銘柄分析(7):前途有望なコンサル市場で高い優位性を背景に高成長続こう■分析銘柄:アクシスコンサルティング〈9344〉グロース■国内でのハイエンド人材は圧倒的に不足ハイエンド領域の人材紹介事業やスキルシェア事業を展開。企業の課題やニーズに応じて複合的な人材サービスを提供する。経済産業省の調査によると、国内ではDX・IT人材が不足しているとの回答をした企業が41%と大きな割合を占めており、ハイエンド人材の不足感が鮮明だ。一方、コロナ禍での在宅勤務の普及に加え、副業・兼業を推奨・容認する企業の増加を背景に、フリーランスの人口は拡大傾向にある。IDCによると、DX需要の拡大を要因に2021-2026年度の国内コンサルティング市場規模は153%成長(年間平均成長率+8.8%)と予想されている。■上半期営業利益の進捗率は72.4%有望市場で高成長を遂げており、18年6月期から22年6月期までの年間平均成長率は+27.5%を誇る。大手ファーム在籍のコンサルタントの4人に一人が登録しているデータベースを保有しているほか、ハイエンド人材が集まっている証として平均受注単価が同業他社に比べて1.5倍-3倍高い傾向があるなど強みを有す。23年6月期は2ケタの増収増益を見込み、上半期時点での営業利益の進捗率は72.4%と高い。★リスク要因直近IPO銘柄故の高いボラティリティーなど。------------------------------------------------------------------フィスコ銘柄分析(8):各事業好調で業績予想の上振れに期待■分析銘柄:USEN-NEXT HOLDINGS〈9418〉プライム■「U-NEXT」のユーザー数は前期比34万人増上半期の営業利益は前年同期比7.9%増の95.4億円で、第1四半期の同2.9%減から一転して増益での着地となった。業務用システムを除く全ての事業が順調に推移、エネルギーは営業利益の通期予想を上期で達成した。「U-NEXT」のユーザー数は前期比34万人増の290万人を突破、海外ドラマやスポーツなどコンテンツを強化している。また、店舗サービスではDX商材の契約数が順調な拡大を継続、通信では業務店向け自社光回線と法人向けICTが成長した。上半期の期末配当金は従来計画の9円から10円に引き上げており、年間配当金は前期比5円増額の20円だ。■業績予想は保守的か23年8月期は増収増益の見通しだが、上振れ期待も高まっている。引き続きリオープンにより小売店では客数が増加し、店舗での音楽配信や店舗DXに関わるソリューションサービスの需要増加が想定される。各種事業が好調に推移するなか、動画配信サービスではParavi 統合効果に期待も高まる。信用買い残が積み上がっている点には注意しておきたいが、ヒストリカル的にはPER19倍は割高感に乏しい。★リスク要因コンテンツ配信事業における価格競争激化など。
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2023/05/01 11:30
注目トピックス 経済総合
NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、ECB定例理事会、米雇用統計、ISM製造業など
*07:42JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、ECB定例理事会、米雇用統計、ISM製造業など
今週は金融政策で連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)は定例理事会の開催を予定しており、注目となる。5月1日はメーデーで英国、フランス、中国などが休場。また、日本は今週後半にゴールデンウィーク入りで参加者が限定的となる。そのほか、米国では4月雇用統計や4月ISM製造業景況指数といった重要な経済指標の発表も予定されている。いずれもFRBが金融政策を決定する上で重要となる。FRBは労働市場での供給と需要の不均衡さを問題としているが、3月JOLT求人件数にも注目が集まる。FRBは2日から3日にかけてFOMCを開催予定。インフレが根強くFRBはこの会合で、0.25%の追加利上げを実施する公算。パウエル議長の会見や声明では前回会合で、まだ、到達していないとしていた完全な金融引き締め域に達したかどうかの言及に焦点が集まる。金融システム混乱や景気後退を想定し、短期金融市場はFRBが年内に利下げに転じることをすでに織り込んだ。一方で、FRBはインフレが目標である2%達成の証拠が明確になるまで政策金利をピーク水準で当面維持する必要があるとタカ派色を維持。万が一、今会合で、利上げ停止が示唆され金融混乱や信用ひっぱくを受けて、タカ派色が弱まった場合はドル買いが後退する。また、米国では債務上限問題がリスクとしてくすぶる。今年は歳入が少なく、イエレン財務長官は早くて6月初旬にも債務が上限に達するとし、議会の早急な措置を訴えている。ただ、議会と政府の溝は依然埋まらず、政府機関閉鎖への懸念はドルの上値を抑制することになる。FRBの利上げ停止が近いとの見方が強まる一方、ECBはインフレ制御のため7月まで利上げ継続が必要との高官発言も見られる。ECBは今回の理事会で25BPの利上げが想定されている。50BPの利上げも除外されておらず、もし、大幅利上げに踏み切った場合はサプライズとなりさらなるユーロ高につながる。日銀は27日から28日に開催した金融政策決定会合で金融緩和を維持。政策指針を廃止し、植田総裁は緩和維持しつつ政策に柔軟性を持たせる意向。当面緩和策が維持されるとの見方に円売りが継続すると見る。■今週の主な注目イベント●米国5月1日:4月ISM製造業景況指数2日:3月JOLT求人件数、3月製造業受注3日:FOMC(2日から)、パウエルFRB議長会見4月ADP雇用統計、4月サービス業PMI確定値、4月ISM非製造業景況指数4日:3月貿易収支、1-3月期非農業部門労働生産性5日:4月雇用時計、ブラードSTルイス連銀総裁が講演●欧州5月1日:メーデー2日:ユーロ圏・独・仏製造業PMI3日:ユーロ圏・伊・スペイン失業率4日:ECB定例理事会、ラガルド総裁会見5日:ユーロ圏小売売上高、独製造業受注●中国5月1日:メーデー4日:財新製造業PMI5日:財新サービスPMI●英5月1日:メーデー2日:製造業PMI
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2023/05/01 07:42
注目トピックス 経済総合
海外の注目経済指標:米FOMC会合で0.25ポイントの追加利上げ決定へ
*14:01JST 海外の注目経済指標:米FOMC会合で0.25ポイントの追加利上げ決定へ
5月1日-12日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■1日(月)午後11時発表予定○(米) 4月ISM製造業景況指数-予想は46.8参考となる3月実績は46.3で2020年5月以来の低水準。新規受注の急低下が要因。4月については新規受注の大幅な伸びは期待できないため、3月実績をやや上回る水準にとどまる見込み。■3日(水)日本時間4日午前3時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は0.25ポイントの利上げ米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は前回会合後の記者会見で「信用条件の引き締まりは利上げと同等以上に効果がある」と述べている。3月FOMCの議事要旨では、多くのメンバーがFF金利の判断を下方修正したことが判明している。5月会合では0.25ポイントの利上げが決定され、6月以降は利上げ停止の可能性がある。■4日(木)午後9時15分結果発表○(欧)欧州中央銀行(ECB)理事会-予想は0.50ポイントの利上げ欧州中央銀行(ECB)は5月の0.50ポイントの利上げを軸に議論を進めているようだ。一部メンバーは0.25ポイントの利上げを主張しているようだが、過去の利上げの効果が完全に表れていないため、今回の理事会では0.25ポイントの利上げにとどまる可能性がある。■5日(金)午後9時30分発表予定○(米)4月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人、失業率は3.6%3月はレジャー・接客業、政府部門などの雇用者数が増加したものの、製造業は減少。4月については、引き続きレジャー・接客業など複数の業種で雇用者数が増加する可能性が高い。ただ、失業率は若干上昇する可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・5月2日(火):(欧)ユーロ圏4月消費者物価コア指数・5月4日(木):(米)3月貿易収支・5月9日(火):(中)4月貿易収支・5月10日(水):(米)4月消費者物価コア指数・5月11日(木):(日)3月経常収支、(英)英中央銀行政策金利発表・5月12日(金):(米)5月ミシガン大学消費者信頼感指数
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2023/04/29 14:01
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米1-3月期GDPでスタグフレーション懸念強まる、インフレ根強く利上げ継続か
*07:44JST NYの視点:米1-3月期GDPでスタグフレーション懸念強まる、インフレ根強く利上げ継続か
米商務省が発表した1-3月期国内総生産(GDP)速報値では景気が落ち込む一方で、インフレ高止まりというスタグフレーションの可能性が示唆された。前期比年率+1.1%と伸びは3四半期連続での減速、予想+1.9%も下回った。マイナス成長となった22年第2四半期以降で最小の伸び。個人消費は引き続き堅調ながら在庫投資の減少が響いた。需要が満たず在庫が積みあがった。生産はほぼストップ。企業はさらに景気後退懸念に新たな在庫積み上げを躊躇した。民間投資も前四半期1.5%プラス寄与から2.3%のマイナス寄与と大幅減速。コロナパンデミック以降で最大のマイナスとなった。固定資本投資は4四半期連続でマイナス。居住不動産投資も8四半期のマイナスとなった。一方で同期個人消費速報値は前期比年率+3.7%と、10-12月期+1.0%から伸びが拡大し21年4-6月期以降で最大を記録した。予想は下回った。また、同期GDP価格指数速報値は前期比+4.0%と、10-12月期+3.9%から伸び鈍化予想に反し拡大した。コアPCE速報値は前期比+4.9%と、10-12月期+4.4%から伸びが拡大し、1年ぶり最大の伸びとなった。インフレ調整後の実質賃金は上昇。キャピタルゲイン税支払いの減少で、可処分所得が上昇した。貯蓄率も4.8%と前期4.0%から上昇したことは消費を支える要因になる。10-12月期のコアPCEの上昇で明日発表が予定されている3月PCEデフレーターが前年比+4.6%予想を上回る可能性が指摘されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続も正当化されドルは底堅く推移か。
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2023/04/28 07:44
注目トピックス 経済総合
NYプラチナは1200ドル台へ サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:24JST NYプラチナは1200ドル台へ サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NYプラチナは1200ドル台へ』と述べています。続いて、『先週は、良好な米経済指標を背景に5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが見込まれることになったことを受けて金相場は下落し、節目の2000ドルを下回ったが、プラチナは上昇が強まり、2022年3月以来の高値となる1138.7ドルで週を終えた』と伝えています。陳さんは、『プラチナ相場は産業用貴金属であるため、製造業関連の指標が改善したことが好感されたようだ。4月のニューヨーク製造業景況指数は、総合で10.8と、前月(マイナス24.6)から大幅上昇となり、市場予想(マイナス18.0)も上回った』とし、『S&Pグローバルによる4月の製造業とサービス業を合わせた米購買担当者景況指数(PMI)速報値は総合で53.5となり、前月確報値の52.3から上昇し、11カ月ぶりの高水準となった。製造業に関連する指標が良好だったことで、リセッション(景気後退)懸念が後退したため、需要が増加すると見込まれた』と解説しています。また、『プラチナ最大の消費国である中国のGDPが改善したことも強材料となった。中国の第1四半期国内総生産(GDP)は前年同期比4.5%増加し、伸び率は昨年第4四半期の2.9%から加速し、1年ぶりの高水準を記録した』と伝えています。一方で、『ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は、3月に発表した「プラチナ四半期レポート」の中で、白金は供給不足が今後数年にわたって続き、27年には年31.1トンの供給不足に陥ると予測している。最大の生産国である南アフリカでは、電力不足が続いており、これから冬を迎えるにあたってさらに深刻化しそうとの見方がある』と述べています。こうしたことから、陳さんは、NYプラチナについて、『1100~1150ドルのレンジに上昇したが、需給の引き締まりを受けて1150~1200ドルのレンジに水準を切り上げよう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の4月26日付「NYプラチナは1200ドル台へ」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/04/27 17:24
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は売り先行もプラス圏を回復、買い戻しがやや優勢
*10:57JST (中国)上海総合指数は売り先行もプラス圏を回復、買い戻しがやや優勢
26日の上海総合指数は売り先行。前日比0.24%安の3256.22ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時52分現在、0.02%高の3264.79ptで推移している。上海総合指数はきのう25日まで6日連続で下落し、値ごろ感から買い戻しがやや優勢。一方、米中対立の激化懸念が引き続き指数の足かせとなった。また、企業決算が佳境に入っており、見極めるムードも強い。
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2023/04/27 10:57
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米5月FOMCで利上げ見送りの思惑強まる、金融不安や債務不履行を警戒
*07:36JST NYの視点:米5月FOMCで利上げ見送りの思惑強まる、金融不安や債務不履行を警戒
米国3月の経済指標は比較的堅調だったが、4月の経済指標は消費者信頼感指数をはじめ地区連銀製造業・非製造業など、景気の落ち込みを示している。加えて、地銀ファーストリパブリックが発表した1-3月期決算で、預金水準が前四半期に比べほぼ半減したことが明らかになり、同行の存続リスクが広がった。現状で、当局は介入する意向がないとの関係筋の話などから、金融システム不安が一段と強まった。金融混乱は景気へのさらなる打撃となる可能性もある。加えて、昨年の株式相場が冴えず資産売却益が減少、本年の歳入額が少なくなるためイエレン財務長官は連邦債務が早くて6月初旬にも上限に達すると言及。議会、政府の交渉が暗礁に乗り上げ上限引き上げの様相が見られず、米国政府機関閉鎖のリスクも高まりつつある。4月の景気鈍化の兆候、金融不安、債務不履行がリスクとなり、短期金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)5月2日、3日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ停止確率が32%まで上昇した。
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2023/04/27 07:36
注目トピックス 経済総合
メキシコペソ円今週の予想(4月24日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:15JST メキシコペソ円今週の予想(4月24日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週のメキシコペソ円は、保ち合いで推移しそうだ』と述べています。続けて、『メキシコ経済は堅調といえよう。国際通貨基金(IMF)は2023年のメキシコ経済成長率を1.8%と、1月時点の1.7%から上方修正した。2月の失業率は2.8%と、前月比0.1ポイント改善した』と述べ、『一方、インフレは沈静化しつつあり、3月消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.85%上昇で、上昇率は前月の7.62%を下回った。メキシコ中央銀行は3月の理事会で0.25%の利上げに踏み切ったが、利上げ幅は前回の0.50%から縮小した。』と伝えています。メキシコ中銀については、『3月29日の会合で、政策金利を0.25%引き上げて11.25%とした。13日に公表した3月の政策決定会合の議事要旨では、当局者が利上げサイクルを終了させる時期に到達した可能性について議論し、ハト派姿勢を強めていたことが明らかになった』と解説、『2月会合の議事要で旨は政策金利を今後引き上げる可能性について明確に言及したが、3月会合の議事要旨ではこうした表現は見当たらず、5月18日に開く次回会合では、政策金利を据え置く可能性がある』とし、『金利据え置きの見方が強まれば、ペソ買いも一服しそうだが、自動車生産や観光業が回復していること、大消費地アメリカを睨んで「ニアショアリング」の動向がペソをサポートしよう』と見解を述べています。また、『3月のメキシコの自動車生産台数は、34万6124台と前年同月比で13%増えた。11カ月連続で前年同月の水準を上回った。半導体不足が解消し、新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復した。3月はメキシコで通常の生産規模の目安とされる30万台を上回った』と伝えています。こうしたことから、メキシコペソ円の今週のレンジについては、『7.35円~7.55円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の4月25日付「メキシコペソ円今週の予想(4月24日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/04/26 17:15
注目トピックス 経済総合
プラチナはパラジウムに連れ高か サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
*17:12JST プラチナはパラジウムに連れ高か サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、プラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナはパラジウムに連れ高か』と述べています。続いて、『連休明け17日のNY白金は反発。1059.60ドル(+5.60)。この日発表された4月のニューヨーク製造業景況指数は総合が10.8と、前月(マイナス24.6)から大幅に上昇し、市場予想を上回ったことが好感された』と解説しています。また、『白金、パラジウムは自動車用触媒コンバーターやガラスなどの製造のほか、石油精製の触媒としても使用されるなど、工業や製造分野で高い需要がある。なお、パラジウムは5営業日続伸。前週末比64.20ドル高の1560.50ドル。上昇率は4.29%となり、2月上旬以来約2カ月ぶりの高値水準となった』と伝えています。陳さんは、『プラチナはパラジウムの上昇に追随する形で、下値を切り上げて行きそうだ。NYプラチナは1100~1150ドルのレンジに上昇するだろう』と考察し、『JPXプラチナは、節目の4500円が近い。予想レンジは4300~4800円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の4月19日付「プラチナはパラジウムに連れ高か」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2023/04/26 17:12
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.30%安でスタート、景気対策の期待がやや後退
*11:09JST (中国)上海総合指数は0.30%安でスタート、景気対策の期待がやや後退
26日の上海総合指数は売り先行。前日比0.30%安の3255.22ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時5分現在、0.19%安の3258.57ptで推移している。景気対策への期待が後退していることが指数の重しとなっている。今週開催される見通しの中央政治局会議で、追加の刺激策は見送られるとの観測が流れた。4月開催の政治局会議は、例年なら経済対策が焦点となる。また、米中対立の激化懸念なども引き続き圧迫材料となっている。
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2023/04/26 11:09
注目トピックス 経済総合
ウォール街を知るハッチの独り言 マダガスカル金融デジタル化事情(マネックス証券 岡元 兵八郎)
*09:32JST ウォール街を知るハッチの独り言 マダガスカル金融デジタル化事情(マネックス証券 岡元 兵八郎)
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、4月24日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「ウォール街を知るハッチの独り言 マダガスカル金融デジタル化事情」の内容をご紹介いたします。前回このコラムでマダガスカル訪問について書きましたが、私が訪問してちょうど1ヶ月後のことです、たまたまタイミング良く日本のテレビ局で「マダガスカル、地球最後の秘境」という2時間半の特別番組が放送されていました。私が見たり経験したりした自然や神秘の珍獣を見せてくれ、非常に懐かしかったのですが、その番組を見ながら思い出したことがありました。地球最後の秘境というくらいの国ですから、この国は先進国ではありません。では投資の世界でいう新興国カテゴリーかというと、新興国と言えるほど進んでいる訳でもなく、次に位置するカテゴリーのフロンティアマーケットでもないのです。投資の世界でフロンティアマーケットと言われる国には一応株式市場があるのですが、この国には株式市場がありません。実はアフリカ大陸には29の国に株式市場があります。調べてみるとマダガスカルには証券市場はなく、できる気配もなさそうなのです。世銀のデータによると、2021年のマダガスカルのGDPは146億ドル(約2兆円)とユナイティッド航空(UAL)の時価総額と同じくらいで、アップル(AAPL)の時価総額の2.6兆ドル(約350兆円)の178分の1の程度の規模のとても小さな経済です。ちなみに日本のGDPは約4.9兆ドル(約659兆円)です。現地のガイドに聞いてみると、マダガスカルの首都のアンタナナリボのサラリーマンの月収は6,000円程度。国の首都でこのくらいですから、田舎の方に行くと明らかにそれを下回る収入です。そんな貧しい国ですから、調べてみると国民の携帯電話の保有率は34%くらいのようなのですが、モバイルバンキングを利用する人が増えているそうなのです。1人当たりのGPDが67,000円程度の貧しい国では、国の基盤であるインフラも相応のレベルです。それは地方に行くともっと顕著となります。例えば村から村へ移動するにしてもバスによるサービスがないのです。古く壊れそうなトラックがバスに代わる交通の手段であり、そのトラックの荷台に多くの人たちが乗り混み移動しています。国民の8割が農業関係の仕事に従事していると言われているこの国では、特に地方を訪れると牛や羊などの家畜を飼育し生計を立てている家族を数多く見かけます。村には普通の商店はなく、電化製品を買おうとすれば、先ほどのトラックのバスに乗って隣町の商店まで買いに行かなければならないと言うのです。このような状況ですから、クレジットカードやプレペイドのカードを使うインフラもなければ、銀行の支店も村にはありません。そうなると大きな買い物をするためには、現金を持ち歩かなければなりません。この国ではもっとも高額な紙幣が2万アリアリ(約808円)なのですが、田舎に来ると流通している紙幣の多くが小額紙幣であるため、現地の人が例えばテレビを買うとなるとアリアリの札束を持ってトラックに乗り隣町へ行くようなのです。そうすると田舎道を走っているとどこからともなく、多額の現金を持っている乗客がいることがわかっているかのように強盗が現れると言うのです。どうも強盗はその現金を持っている人を狙ってやってくるらしいのです。強盗はその情報をどうやって知っているのか。ガイドの話を聞いていると、どうも大きな買い物をしようとする家族がいると、大量の家畜を売ったりして、あの家庭は大金を持っているというような噂が流れるようなのです。そして、その家族が買い物をするためにトラックに乗ったという情報が携帯電話を通じて流れているのだそうです。小さな村なのでそのような情報が伝わりやすいのでしょう。嘘のような話ですが、どの国にも悪い人たちがいるものです。そのような事件はラジオのニュースでも報道されるので、これまでのいわゆるタンス預金からモバイルバンキングでお金を保管し、携帯電話で買い物をする人が増えてきているのだそうです。実際、マダガスカル政府もテレビやラジオで、現金はモバイルバンキングを使うことを国民に奨励しているとのこと。携帯電話を無くしたらそのお金も無くなるのではないかという私の問いに対し、ガイドの説明では、この国では国民一人一人がマイナンバーのような番号を持っており、デジタル的に保存したお金はその番号に紐付いており携帯電話を無くしてもお金は無事なのだそうです。一見するとインフラ整備もままならないような国で、金融のデジタル化が進んでいるのは意外でもあり、納得感もあるという話でした。マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎(出所:4/24配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)
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2023/04/26 09:32
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米4月消費信頼感も悪化、信用ひっ迫が影響か
*07:43JST NYの視点:米4月消費信頼感も悪化、信用ひっ迫が影響か
米コンファレンスボードが発表した4月消費者信頼感指数は101.3と、3月104から予想以上に鈍化し22年7月来の低水準となった。最近の金融混乱の影響を受け、銀行など貸付基準が厳格化されるなど信用ひっ迫が消費者信頼感の見通しに影響した可能性がある。引き続き労働市場の強さが奏功し、現況は151.1と、3月の148.9から改善。しかし、期待指数が68.1と、3月74.0から低下し昨年7月来で最低でほぼ9年ぶり低水準付近に落ち込んだことが全体指数を押し下げた。来年にも景気後退入りを示唆する80を割り込んだまま。統計は中堅行破綻後、3週間後、4月3日から19日にかけて取られている。今後12カ月のインフレ期待も6.2%と依然高い。■米4月消費者信頼感指数:101.3(3月104)現況:151.1(3月148.9)期待指数:68.1(3月74.0)今後12カ月のインフレ期待:6.2%(3月6.3%)最新の地区連銀指数も冴えない。米4月フィラデルフィア連銀非製造業指数は‐22.8と、3月‐12.8からさらに落ち込み20年12月来で最低となった。米4月リッチモンド連銀製造業指数も‐10と、4カ月連続のマイナス。主要項目の新規受注や出荷が低下。同地区のビジネス状況は‐27と3月の‐17から一段と悪化。14カ月連続のマイナスとなった。米4月ダラス連銀サービス業活動指数は-14.4と3月-18.0から改善も11カ月連続のマイナス。契約の減少が指摘されているほか、景気後退や物価高騰継続で多くのビジネスオーナーは主要なビジネスの変更を躊躇していると報告された。また、企業主は商業不動産セクターに懸念を強め、債務不履行の増加にもふれている。金融混乱が完全には払しょくせず消費の鈍化傾向も見られ、景気減速懸念が強まりつつある。
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2023/04/26 07:43
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は買い先行もマイナス圏転落、米中対立の激化懸念で
*11:01JST (中国)上海総合指数は買い先行もマイナス圏転落、米中対立の激化懸念で
25日の上海総合指数は買い先行。前日比0.03%高の3276.40ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時56分現在、0.22%安の3268.10ptで推移している。米中対立の激化懸念が警戒されている。また、新たな手掛かりが乏しいなか、積極的な買いは手控えられている。
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2023/04/25 11:01
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米4月製造業活動には広範な悪化が顕著、銀行の貸付基準厳格化による影響も、FRBの利上げ停止に近づく
*07:35JST NYの視点:米4月製造業活動には広範な悪化が顕著、銀行の貸付基準厳格化による影響も、FRBの利上げ停止に近づく
米4月ダラス連銀製造業活動指数は‐23.4と、3月-15.7から改善予想に反して悪化した。12カ月連続のマイナスで活動の縮小となった。昨年7月来で最低。重要項目である新規受注は-9.6と、3月-14.3から改善も11カ月連続のマイナス。ビジネスの広範な悪化が4月に顕著となった。企業見通しは-15.6と、-13.3から一段と悪化。また、今後6カ月の生産見通しも3と、13.5から急速に低下した。調査回答では一段と懸念が表明された。米4月ダラス連銀製造業活動指数での企業回答:*コストの上昇率は2007年来で最大となる中、与信の更新が困難と通達された*製品購入用の資金が枯渇*新規の受注が事実上停止*実際に鈍化が始まった。短期の回復を期待*ほぼ全顧客が昨年の過剰な購入により在庫率が高く、新規の在庫積み増しを躊躇。顧客は景気後退を懸念し、ビジネスは減速。顧客は夏にリセッションが始まることを想定している。過去4カ月のうちに2回目の従業員削減を計画*ビジネスはかなり減速。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが影響か。コストの上昇が続く中、銀行の貸し出し基準の厳格化の影響も徐々に表れている。サービス業は依然底堅いが、製造業は連邦準備制度理事会(FRB)が5月連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ後、利上げ停止することを正当化する結果となっている。■米4月ダラス連銀製造業活動指数:‐23.4(3月-15.7、6カ月平均-16.1)生産:+0.9 (+2.5、+1.7)新規受注:-9.6(-14.3、-12.5)出荷;-2.8(-10.5、-5.6)支払い価格:+19.5(+20.3、+21.3)販売価格:+8.4(+7.0、+10.7)企業見通し:-15.6(-13.3、-13.1)雇用:+8.0(+10.4、+9.0)就業時間:-2.7(+2.6、+2.0)見通しの不透明感:24.7(22.0、20.8)6カ月後製造業活動指数:-16.6(-11.2、-11.4)
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2023/04/25 07:35
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.01%安でスタート、米国が対中圧力を強める
*11:17JST (中国)上海総合指数は0.01%安でスタート、米国が対中圧力を強める
24日の上海総合指数は売り先行。前日比0.01%安の3300.81ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時49分現在、0.40%安の3287.63ptで推移している。米国が対中圧力を強めていることが引き続き警戒されている。また、主要企業の決算報告が今週ピークを迎えるため、慎重ムードも強い。
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2023/04/24 11:17
注目トピックス 経済総合
米中覇権争い・台湾有事に備えはあるのか、中国依存度の高い企業【世界のリスクと上場企業】
*10:29JST 米中覇権争い・台湾有事に備えはあるのか、中国依存度の高い企業【世界のリスクと上場企業】
中国が経済的な実力をつけ、米国と対峙することが可能となった現在、台湾有事は起こり得る地政学リスクとして受け止められつつある。台湾へ侵攻すれば、中国は制裁によってロシアが現在進行形で支払っているような高い経済的コストを支払うことになる。したがって、ロシアがウクライナにしたように、中国が台湾に軍事侵攻する可能性は、常識的に考えれば低そうに思える。ただし、その経済的コストを支払ってでも、統一をすぐさましなければならない事態が発生した際、台湾有事が発生する蓋然性が高くなる。例えば、台湾の中で独立機運が高まるようであれば、香港のように中国が軍事介入するだろう。ロシアのウクライナ侵攻は「常識的な判断」の定義は国によって変わることを教えてくれた。さらに、様々なシミュレーションがあるものの、中国の軍隊は、台湾へ軍事侵攻し、制圧する能力があるとも言われている。つまり、オペレーション自体はロシアのウクライナ侵攻よりも、中国の台湾侵攻のほうが成功する可能性が高いのだろう。現在、中国による台湾侵攻が、最早十分起こり得る地政学リスクと受け止められているのはこうした背景がある。実際に台湾有事が起きれば、日本経済もダメージを受けることは間違いない。ロシアが日本を含めた西側陣営の国の企業資産を接収したように、中国も日米が台湾側につくのであれば、日米企業の中国国内資産は接収されるだろう。また、ウクライナ侵攻でロシア向け事業が停止したように、中国向けの事業も停止するだろう。近年までは、その台湾有事のリスクはさほど蓋然性が高いとは見られてこなかったが、日米が政府の資金を使って台湾のTSMCの工場を誘致する等、西側諸国はそのリスクが顕在化することを想定したアクションを起こしている。そのような状況下、本稿では、日本の上場企業の中で、売上の中国依存度が高い企業を抽出し、日本企業の中国リスクに対する脆弱性を測りたい。対中国売上依存度トップ10企業順位 銘柄コード 社名 売上高のうち中国が占める割合 GICS(※)産業セクター1 6620 宮越ホールディングス 100.0% 不動産管理・開発2 4936 アクシージア 91.3% パーソナル用品3 7717 ブイ・テクノロジー 78.8% 電子装置・機器・部品4 7820 ニホンフラッシュ 74.4% 建設関連製品5 6246 テクノスマート 69.9% 機械6 6101 ツガミ 67.6% 機械7 7859 アルメディオ 63.4% 電子装置・機器・部品8 7229 ユタカ技研 61.1% 自動車部品9 3422 J-MAX 57.8% 自動車部品10 6327 北川精機 56.9% 機械(※)GICS: Global Industry Classification Standardの略称、米S&Pと米MSCIが共同で行っている産業区分出所:各社の決算短信、有価証券報告書、IR説明資料等全上場企業を対象に、直近年度連結売上高のうち、中国の占める割合トップ10を上表にリスト化した。1位の宮越ホールディングス<6620>、2位のアクシージア<4936>は特殊に見えるが、全般的に、電子機器、機械、自動車部品の小型株が上位を占めている。中国依存度が高い上場企業の特徴(依存度トップ100社の集計結果)「直近年度決算期・中国依存度トップ100社の集計結果」GICS産業セクター 中国売上高合計値(百万円) 社数電子装置・機器・部品 1,736,491 24機械 911,182 23半導体・半導体製造装置 1,212,997 14自動車部品 794,334 11化学 103,513 5電気設備 569,331 4商社・流通業 98,885 3家庭用耐久財 1,155,169 2ヘルスケア機器・用 98,714 2繊維・アパレル・贅沢 23,515 2金属・鉱業 21,905 2パーソナル用品 21,109 2ホテル・レストラン・外食 36,793 1建設関連製品 24,608 1商業サービス・用品 17,102 1食品・生活必需品小売 5,640 1エネルギー設備・サービス 3,447 1不動産管理・開発 1,407 1出所:各社の決算短信、有価証券報告書、IR説明資料等1,中国企業の台頭が目立つセクターを顧客に持つ業種が上位GICS産業セクター別では、電子装置・機器・部品セクターが24社、半導体・半導体製造装置セクターが14社と多くを占める。液晶及び有機ELディスプレイ世界シェア1位のBOEテクノロジー、半導体ファウンドリで世界シェア4位のSMIC等、中国の電子系製造業事業者の台頭が著しいが、中国売上依存度が高い日本の装置メーカーはそれらの成長を取り込んだ(あるいは日本の同事業者が衰退した)結果、中国売上依存度が高くなったことが言える。基本的には中小型が多いが、TDK<6762>(依存度:55.7%)、ディスコ<6146>(依存度:37.2%)、東エレク<8035>(依存度:28.3%)等、大企業もいくつか存在し、上記2セクターのどれちらかに相当する。これらの企業は、台湾有事が起きた際に、中国向け輸出分の多くを失う可能性があり、後者のセクターでは、すでに米国による中国への輸出制限措置がとられている。2,自動車向け設備・部品メーカーが多いGICS産業セクター別では、機械が23社、自動車部品が11社と、中国売上依存度トップ100社の多くを占めるが、前者の内訳をみてみると、工作機械が多い。おそらく、日本の自動車メーカー(トヨタ<7203>やホンダ<7267>等)が中国に製造工場を持っているため、それらに対する供給が中国からの売上高として多く計上されていることも関係しているものと考えられる。こちらは、目立った大企業はファナック<6954>(依存度:31.1%)といったところで、多くは中小型に分類される企業が多い。中国向け輸出として計上はされていないが(多くは現地工場をもっているため)、台湾有事の際には、会社としての中国向け売上は消失し、現地資産は接収されるリスクが高い。3,中国に強いコミットメントをしている企業が上位中国依存度トップの宮越ホールディングス<6620>(依存度:100%)は勿論、同4位のニホンフラッシュ(依存度:74.4%)は、時価総額で200~300億円のいわば中小型株に分類されるが、中国に現地法人を持っている。2位のアクシージア<4936>(依存度:91.3%)は、経営トップが中国人。1、2の産業セクターに相当しない企業で、依存度上位企業はこのパターン。このような企業は台湾有事が起きた際、抜本的な措置を講じる必要が出てくる可能性がある。近年、政府要請と企業自身の危機意識の高まりによって、日本を代表する企業(三菱電機<6503>、デンソー<6902>、NEC<6701>、パナHD<6752>、富士通<6702>等)で、経済安全保障担当の部署と担当役員を設置するケースがみられる。地政学リスクが発生しない世界では、そういった部署を設置する経済的合理性はないが、企業は地政学リスクを真剣に受け止め始めているといえよう。
<TY>
2023/04/24 10:29
注目トピックス 経済総合
NYの視点:【今週の注目イベント】日銀金融政策、米Q1GDP、PCEコア、など
*07:35JST NYの視点:【今週の注目イベント】日銀金融政策、米Q1GDP、PCEコア、など
今週は日銀が27日から28日に金融政策決定会合を開催する。米国の中堅銀行の破綻をきっかけとした金融不安を受けて、イールドカーブコントロール(YCC)政策の早期の修正に日銀内で慎重な意見が広がっていると報じられた。関係筋の話として、米欧の金融不安に伴う海外経済の不確実性の高まりや、市場機能の改善についてなお見極めが必要との認識が背景にある模様。大規模緩和が据え置かれ、YCCの修正にはまだ時間がかかるとの見方が確認されると、円が上げ難い環境となる。また、米国では1-3月期国内総生産(GDP)や3月PCEコアデフレーターといった重要経済・インフレ指標に注目が集まる。1-3月期GDP速報値では前期比年率2.0%増と、10-12月期からの伸び鈍化が予想されているが依然プラス成長を維持する公算で5月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げを正当化する。また、連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している3月のPCEコアデフレーターは前年比で4.5%増と、21年10月来の低い伸びが予想されている。いまだ、2%目標の2倍だが、もし、予想通りにインフレの鈍化基調が証明された場合はFRBが5月FOMCで25ベーシスポイント(BP)の利上げ実施後、利上げを停止するとの見通しが一段と強まり、ドルの上値を抑制すると見る。そのほか、金融政策決定で重要となる期待インフレ指標としてFRBが注視している4月ミシガン大消費者信頼感指数のインフレ期待率にも注目。住宅市場の減速が米国経済の景気後退入りをけん引するとの見通しも強まる中、住宅関連指標にも注目される。■今週の主な注目イベント●米国24日:3月シカゴ連銀全米活動指数、4月ダラス連銀製造業活動25日:2月FHFA住宅価格指数、S&P20都市住宅価格指数、3月新築住宅販売、4月コンファレンスボード消費者信頼感指数、4月リッチモンド連銀製造業指数26日:3月卸売在庫、3月耐久財受注27日:週次新規失業保険申請件数、1-3月期国内総生産(GDP)・個人消費速報、3月中古住宅販売仮契約、カンザスシティ連銀製造業活動28日:1-3月期雇用コスト、3月PCEコアデフレーター、4月シカゴPMI、4月ミシガン大消費者信頼感指数確定値●日本27日:日銀金融政策決定会合(28日まで)28日:東京CPI、失業率、鉱工業生産、小売売上高●欧州24日:独IFO企業景況感指数、パネッタECB理事が討論会参加26日:デキンドスECB副総裁、ギリシャ、デルフィフォーラムで講演27日:ユーロ圏経済・消費者信頼感28日:ユーロ圏GDP、仏・独GDP、CPI、EU財務省・中銀総裁会合(29日まで)
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2023/04/24 07:35
注目トピックス 経済総合
国内外の注目経済指標:日銀金融緩和策は長期継続の可能性
*14:12JST 国内外の注目経済指標:日銀金融緩和策は長期継続の可能性
4月24日-28日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■25日(火)午後11時発表予定○(米) 4月CB消費者信頼感指数-予想は104.1参考となる3月実績は104.2で2月実績を上回っており、直前に米地銀2行が破綻したものの、大きな影響はなかった。ただ、雇用情勢のさらなる改善は期待されていないとみられており、4月については3月実績をやや下回る可能性がある。■27日(木)午後9時30分発表予定○(米)1-3月期国内総生産(GDP)速報値-予想は前期比年率+2.0%アトランタ連銀の経済予測モデル「GDPNow」の4月18日時点の予測によると、前期比年率+2.5%。住宅市況は順調だが、3月ISM製造業の数値は悪化しており、1-3月期の経済成長率は10-12月期を下回る可能性がある。■28日(金)決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は金融政策の現状維持4月10日に行われ植田新総裁の会見では、現在の大規模な金融緩和策を継続することが適当と述べている。また、18日には日銀による国債の買い入れは、2%の物価安定の目標を実現するという金融政策運営上の必要から実施していると述べており、金融政策の枠組みがただちに修正される可能性は低いとみられる。■28日(金)午後6時発表予定○(欧)1-3月期ユーロ圏域内総生産速報値-10-12月期実績は前年比+1.8%、S&Pグローバルユーロ圏総合PMIは1月から3月まで50超を記録。経済活動の活発化は、主にサービス部門の力強い伸びによるもの。一方、高インフレと借り入れコストの上昇によって家計は圧迫されているため、域内経済成長の大幅な伸びは期待できない。○その他の主な経済指標の発表予定・24日(月):(独)4月IFO企業景況感指数・25日(火):(米)3月新築住宅販売・26日(水):(米)3月耐久財受注・28日(金):(日)3月失業率、(日)3月鉱工業生産速報、(米)3月PCEコア価格指数
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2023/04/22 14:12