注目トピックス 日本株ニュース一覧
注目トピックス 日本株
GMOペパボ Research Memo(2):ネットを通じて個人や個人事業主の表現活動を支援する様々なサービスを提供
■会社概要1. 会社概要GMOペパボ<3633>は、「もっとおもしろくできる」という企業理念と、2013年に新たに制定した経営ミッション「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」のもと、インターネットを使って何かを始めたいという人々に対して、その活動を支援するツールやサービスを開発し、提供している。主に個人や個人事業主向けに、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」などのサービスを提供しているほか、ここ最近では法人向けにも高機能サービスの提供を行っている。現在は、日本最大のハンドメイドマーケットとなった「minne」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」のほか、2019年2月に子会社化したGMOクリエイターズネットワーク(株)が運営するフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE」にも注力している。2. 沿革同社は、個人向けホスティング事業を目的とした有限会社paperboy&co.※1として2003年1月に設立され、前身の合資会社※2から「ロリポップ!」等の事業を譲受したのが始まりとなる。2004年にはドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」やブログサービス「JUGEM(ジュゲム)」の提供を開始し、株式会社へ組織変更すると同時に、グローバルメディアオンライン(株)(現GMOインターネット)の連結子会社となった。※1 創業者の家入一真(いえいりかずま)氏が過去に新聞配達をしていたことに由来する。新聞配達員としての経験をきっかけに多くの人と出会い、起業に至ったという原点を忘れないようにと、英語で「新聞配達員」の意味を持つ「paperboy」に、仲間たちを意味する「company」の略である「&co.」を加えて命名された。※2 同社の前身は、個人向けホスティングサービスの提供を目的として2001年10月に家入一真氏により設立された合資会社マダメ企画。同年11月に「学生や女性にもホームページ作りを楽しんでもらいたい」という思いから「ロリポップ!レンタルサーバー」の提供を開始した。2005年にはネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」の提供を開始しEC支援事業にも参入、その後もインターネットを活用した様々なサービスを開発・提供しながら業績を拡大し、2008年12月にジャスダック証券取引所(現 東京証券取引所(以下、東証)JASDAQスタンダード)に上場を果たす(2019年12月に東証第2部、2020年12月に東証第1部に市場変更)。2014年4月には創立10年を経過したことを契機に、GMOインターネットグループのブランド戦略としてシナジーや知名度、信頼性の向上を図るため、社名の冠に「GMO」を付し、愛称として使われていた「ペパボ」を合わせたGMOペパボ株式会社に社名を変更した。2015年以降は、第3の収益の柱を育成するため2012年よりサービスを開始したハンドメイドマーケット「minne」の事業に積極投資を行う一方で、事業の集中と選択を進めるため、2016年1月に電子書籍関連事業をブックオフコーポレーション(株)へ、2017年2月には高速モバイルインターネットサービス「PEPABO WiMAX」をGMOインターネットに、直近では2021年4月にブログサービス「JUGEM」を(株)メディアーノにそれぞれ事業譲渡した。また、2018年9月に情報セキュリティ事業を目的にGMOペパボガーディアン(株)を設立したほか、2019年2月にはWebコンテンツ制作事業及びフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE」を運営するGMOクリエイターズネットワークの株式を取得し、連結子会社化するなど新規事業の取り組みも進めている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:32
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GMOペパボ Research Memo(1):流通額拡大施策と費用の見直しで2021年12月期の利益計画達成を見込む
■要約GMOペパボ<3633>は、GMOインターネット<9449>のグループ会社で、インターネット上の表現活動を支えるインフラサービスに加えて、利用者と利用者をつなげるプラットフォームサービスを展開している。主なサービスは、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)」、ハンドメイドマーケットサービス「minne(ミンネ)」など。また、2019年より子会社でフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を開始している。1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要2021年12月期第2四半期累計(2021年1月−6月)の連結業績は、売上高で前年同期比11.2%増の5,950百万円と2ケタ成長を維持したものの、営業利益はプロモーション費用や人件費の増加等により同26.4%減の459百万円と減益に転じた。前期に引き続き高成長を見込んでいた「SUZURI」や「minne」の流通額が、巣ごもり需要の反動で想定を下回ったことも減益の一因になったと見られる。「SUZURI」の売上高は前年同期比53.2%増と高成長が続いたが、プロモーション費用の増加により営業利益は同44.1%減となった。また、「minne」についてはマスク関連の特需が剥落したことにより売上高で同2.0%減、営業利益で38.0%減益と減収減益に転じた。なお、「カラーミーショップ」については2021年5月より月額利用料無料のフリープランの提供を開始し、顧客層の裾野を拡大することで流通額の最大化を目指す戦略を打ち出した。2. 2021年12月期業績見通し2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比20.1%増の13,223百万円、営業利益で同20.2%増の1,114百万円と期初計画を据え置いた。期初計画では「SUZURI」や「minne」の流通額をそれぞれ、前期比80%増、同26%増で計画していたが、第2四半期までの進捗状況を見るとハードルは高く、売上高に関しては計画を下回る可能性がある。ただ、営業利益に関しては、そのほかの主要サービスが順調に推移していることや、下期に費用コントロールを行うことで計画を達成したい考えだ。なお、売上拡大施策として「SUZURI」では、セール期間の延長や新規アイテムの追加によるサイト来訪者の増加と、会員化促進施策に取り組んでいく。また、「minne」では、Web経由でのサイト来訪者の強化と検索機能や絞り込み機能の強化、アプリのインストールによる販促強化により流通額を拡大していく戦略となっている。3. 今後の成長戦略同社は中期経営目標として、EC関連サービスの流通額を拡大していくことで、年率20%超の売上成長と2025年12月期の営業利益25億円を目標に掲げている。今後も高成長が見込まれるBtoC及びCtoCのEC市場において、同社もその成長の波を捉えることで収益成長を目指していく。流通額を拡大していくためには、同社のECプラットフォームの競争優位性を確保していくことが重要となってくる。このため、今後も各サービスの機能強化や利便性向上、効果的な集客施策を打つことで、利用者並びに流通額の拡大に取り組んでいく。2021年12月期第2四半期は前年同期の巣ごもり需要の反動で想定を下回る滑り出しとなったが、下期以降に実施する各種施策によって成長が再加速していくかどうか、今後の成長性を見極めるうえでも注目される。■Key Points・2021年12月期第2四半期累計業績はプロモーションコスト等の増加により増収減益に・2021年12月期業績は売上高で下振れリスクがあるものの、利益は会社計画を確保する見通し・EC関連サービスの成長により2025年12月期に営業利益で25億円を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:31
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C&GSYS Research Memo(7):安定配当を継続する方針。2021年12月期は年間10円を予定
■株主還元策C&Gシステムズ<6633>は株主還元策として年間10円配当を基本方針としている。配当について経営陣は、「得られた利益は安易に内部留保することなく、新規事業の育成に向けた先行投資及び株主還元策を積極的に実施していく」と述べている。2017年12月期は東証2部市場変更の記念配当として3円を増配し、年間配当を13円としたが、繰延税金資産の関係で親会社株主に帰属する当期純利益が大幅に増加したことから、配当性向は25.3%へ低下した。過去の実績では配当性向40%前後の配当を実施しているが、2020年12月期はコロナ禍の影響で親会社株主に帰属する当期純利益が大きく減少したことから年間配当を7円とし、配当性向は110.0%となった。現時点で2021年12月期の配当については年間10.0円(配当性向79.3%)を予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2021/09/15 15:27
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C&GSYS Research Memo(6):中長期事業方針は継続
■中長期の成長戦略C&Gシステムズ<6633>は、2015年から2020年までの中長期事業方針を発表し、その数値目標として、「2015年12月期から2020年12月期の売上高年平均成長率5%」、「2020年12月期の経常利益率20%」、「2020年12月期のROE15%以上」を掲げていた。しかしその間に同社を取り巻く業界環境は大きく変化したことから、2020年の初頭に2025年12月期を最終年度とする新しい中長期事業方針を発表した。その後、前述のようにコロナ禍が拡大し、その影響を受け足元の業績は足踏み状態となっているが、現時点ではこの事業方針は変えておらず今後も継続して以下のような施策を進めていく予定だ。● 現在の中長期事業方針の概要(1) 既存事業の維持拡張(2) 金型隣接市場向け製品開発(部品加工)(3) CAMのマルチプラットフォーム化拡大(4) ASEAN強化&海外向け製品開発(5) 金型・部品製造用生産管理システム開発強化(「AIQ」の拡充)(6) 同時5軸AM対応のハイブリッドCAM(CAM-TOOL AM)開発(1) 既存事業の維持拡張:持続的成長への経営基盤を確立する営業体制の強化においては、日本及び海外の日系企業を中心に展開を図る。基本的には現在の推進体制を継続し、シェアのさらなる拡大、保守契約率の維持・向上を目指す。(2) 金型隣接市場向け製品開発:部品加工市場向け製品展開金型加工で培った高精度なCAD/CAM資産を部品加工市場へ投入する。CAD/CAM事業領域を試作市場から金型市場、部品加工市場、量産市場などの新規市場へ展開する。既に主力製品である「Parts CAM」を2020年2月から本格販売しているが、今後は代理店向け勉強会等(オンライン含む)を継続して実施、2021年12月期以降の販売に向けた体制を強化する。(3) CAMのマルチプラットフォーム化拡大同社の「CAM-TOOL」が米国シーメンス デジタルインダストリーズソフトウェア社「NX」に搭載されている。「NX」は既に世界の主要自動車メーカー・サプライヤーの基幹CADとして採用されており、TIER1部品メーカーも追随し利用が拡大する見込みだ。この「NX」に同社の「CAM-TOOL」を搭載し「CAM-TOOL for NX」として上市した。既存の「NX CAM」の機能を同社製の「CAM-TOOL」が補完することになり、ユーザーは製品設計から金型加工まで統合された最適なシステム環境を構築することが可能となった。2020年1月より電通国際情報サービス<4812>を販売代理店として国内販売を開始しており、今後は大手製品メーカーへの導入を狙う。海外向けは2020年下期より販売網整備開始予定であったが、コロナ禍の影響でストップ。コロナ禍が収束次第本格展開を図る予定だ。(4) ASEAN強化&海外向け製品開発海外展開では、タイ子会社をASEAN圏の販売サポート中核拠点と位置付け、新規ローカル代理店の開拓を進めているが、当面はASEAN(主にベトナム、インド)で新規代理店を開拓していく。また海外向け製品としては、熟練工不在でも運用が可能で、さらに現地代理店が容易に販売できる「CAM-TOOL ES」を投入し、2020年から販売を本格化している。「ES」とは「イージー アンド スマート」の略で、自動化ニーズに対応した「簡単オペレーション&加工スキルの平準化」を目的としたシステムとなっている。これにより人件費高騰で技術者の確保が難しいアジア圏での販売増を目指す。さらに将来的には、既述の「CAM-TOOL for NX」を、アジア市場においても販売開始する予定だ。(5) 金型・部品製造用生産管理システム開発強化(「AIQ」の拡充)以前よりIoT関連事業として紹介してきた金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ(アイク)」を、新たな収益の柱として製品強化していく。紙ベースで行っていた製造工程管理をデジタル化するニーズは強く、同社の「AIQ(アイク)」は、そういった要望に応えるべくIoTを活用して各種データや工程状況をデジタルデータ化してシステム上で活用するものだ。製造業におけるIoT活用が注目されるなか、「AIQ(アイク)」は金型・部品製造の工程管理をスマート化する同社独自のソリューションとして注目されている。同社ではさらなる顧客満足のために、今後は工程管理から生産管理システムへと発展させ、金型製造業以外にも市場を拡大していく計画だ。具体的な施策としては、管理対象項目拡張等の現行機能の拡充及び、オプション機能追加に向けた研究開発を継続、さらにオンラインを活用した営業活動を積極的に実施する。また国内外ともに技術代理店の拡充を強化する。(6) 同時5軸AM対応のハイブリッドCAM開発同社は、既に金属または樹脂によるAM(Additive Manufacturing=積層造形)機能を搭載した同時5軸制御対応のハイブリッドCAMシステム「CAM-TOOL AM」をリリースしている。同製品は、「積層と切削の組み合わせ×同時5軸の自由度の高い加工工程設計」により様々な複雑な加工を可能にしたが、現在までに国内工作機械メーカー4社のAM複合加工機に対応している。AM市場はハード、ソフトともに普及期の前段階であるため本格的な拡販はまだ先になるだろうが、2020年には研究機関等での導入が実現した。今後もAM複合加工機メーカーとの協力体制を図り、市場へのAM啓蒙活動を推進していく方針だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2021/09/15 15:26
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C&GSYS Research Memo(5):2021年12月期は営業利益は横ばい予想だが上方修正の可能性あり
■今後の見通しC&Gシステムズ<6633>は、現時点で2021年12月期業績について、売上高3,757百万円(前期比2.0%増)、営業利益193百万円(同0.8%増)、経常利益217百万円(同40.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益119百万円(同98.3%増)を見込んでおり、期初予想を据え置いている。会社は、コロナ禍の影響により一部で営業活動が再び停滞していること、政府補助金の採択動向が不明であること、世界的な半導体不足が製造業全体にどの程度の影響を与えるかなどの不透明要因が多いことから、期初予想を変えずに前期並みの営業利益を予想している。しかしこの予想では、下半期の営業利益は僅か1百万円だけと言うことになり、前年同期の51百万円から大幅減となる。前年同期(下半期)の水準も決して高いものではなかったが、それよりさらに大幅減となることは考え難く、弊社では現在の予想が上方修正される可能性が高いと見ている。セグメント別では、CAD/CAMシステム等事業の売上高は3,296百万円(前期比5.4%増)を見込んでいる。上期は比較的堅調に推移したが、下半期もコロナ禍の影響が残る可能性もあることから、2020年12月期に種まきした各基本戦略を推進する。施策としては、製品プロモーションでのSNS活用、非対面・オンラインでの営業活動等を強化するとともに、アセアン圏での技術代理店の拡充及び地域完結型事業モデル構築を推進し、研究開発部門の体制をさらに強化する。金型製造事業では、下半期も急回復は見込めないことから、売上高は461百万円(前期比17.2%減)と減収を見込んでいる。施策としては、顧客および外注先とのオンラインコミュニケーションを充実させ、協力体制を強化する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2021/09/15 15:25
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C&GSYS Research Memo(4):2021年12月期第2四半期は前年同期比36.3%の営業増益
■業績動向1. 2021年12月期第2四半期の業績概要C&Gシステムズ<6633>の2021年12月期第2四半期決算は、売上高が1,925百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益が191百万円(同36.3%増)、経常利益が243百万円(同152.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が160百万円(同363.4%増)となった。前年同期がコロナ禍の影響を大きく受けたことから伸び率は高くなったが、期初予算に対しても上回る結果であった。セグメント別状況では、CAD/CAMシステム等事業の売上高は1,700百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益186百万円(同104.6%増)となった。仕向地別では、国内が1,481百万円(同4.3%増)であった。自動車のEV部品、半導体関連がけん引し製造業全体が活性化したことから主力製品の販売が堅調に推移した。海外は218百万円(同10.2%増)となったが、国内と同様に半導体や自動車関連の需要好調を背景に、中国、韓国、ベトナムで売上が伸長したが、ASEAN地域はロックダウンの影響を受けて低迷した。加えて保守契約サービスも底堅く推移したことから、セグメントとしては増収増益となった。金型製造事業の売上高は225百万円(同37.1%減)、営業利益は5百万円(同89.8%減)となった。前下半期の受注が不振であったことなどから減収となったが、加えて輸送費や据え付け費用の増加(特にカナダ)等がありセグメント利益も大幅減となった。財政状況は堅固、手元の現金及び預金は26億円と豊富2. 財政状況2021年12月期第2四半期末の財政状況は、総資産は前期末比261百万円増加して5,232百万円となったが、主な増加要因は現金及び預金134百万円、受取手形及び売掛金51百万円、電子記録債権48百万円などであった。負債合計は前期末比152百万円増加して2,504百万円となったが、主な増加要因は、前受金90百万円、未払法人税等56百万円、退職給付に係る負債15百万円などであった。純資産合計は前期末比108百万円増加して2,728百万円となった。主な増加要因は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加160百万円及び為替換算調整勘定13百万円、主な減少要因は配当金の支払いによる利益剰余金の減少67百万円などであった。3. キャッシュ・フローの状況2021年12月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは193百万円の収入であったが、主な収入は税金等調整前四半期純利益243百万円、前受金・長期前受金の増加75百万円などで、主な支出は売上債権の増加96百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは117百万円の支出であったが、主な支出は定期預金の預入(ネット)104百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは64百万円の支出であったが、主な支出は、配当金の支払額67百万円であった。この結果、期中の現金及び現金同等物は30百万円増加し、四半期末残高は2,498百万円となった。4. トピックス:研究開発部門を新設既存製品のブラッシュアップ(改善・改革)を目的とした従来の研究開発分野に加え、製造業すべてのユーザーに貢献できる「高付加価値商品」「高付加価値機能」の提供を目指した新しい研究開発部門を開設した。この研究部門は、北九州学研都市内にある「技術開発交流センター」に設置されたもので、同社の事業領域に関連する研究および独自技術に関する基礎研究/応用研究を推進する。長期的な視点からの基礎研究が中心となるため研究成果がすぐに業績に貢献するわけではないが、今後の成果が注目される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2021/09/15 15:24
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C&GSYS Research Memo(3):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ(2)
■会社及び事業の概要以下は、C&Gシステムズ<6633>製品の主な導入事例である。1) 名古屋精密金型自動車のヘッドライト関連部品のプラスチック射出成形金型製造を一貫して手掛け、ワールドワイドに業務を展開する(株)名古屋精密金型は、同社が提供するCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」による同時5軸の導入によって、CAM作業の部分だけでも5割の工数削減を実現、課題であった放電加工においても3割の工数削減を実現した。また5軸化により工作機械の有人運転から無人運転への切り替えも可能となり、リードタイムが大幅に短縮した(参考:CGS-LETTER Vol.62 2017年12月12日号)。2) 村元工作所自動車部品や家電、情報機器関連の多種多様な金型製造から製品アセンブリまで国内外で手掛ける(株)村元工作所は、2000年に同社の「EXCESS-PLUS」を導入、さらに2015年、2次元及び3次元モデルのハイブリッド設計を可能にした「EXCESS-HYBRID II」を採用、新たに搭載された「見込み変形機能」により中間工程モデリング工数が60%削減するなど大幅な時間短縮を実現した。現在は「EXCESS-HYBRID II」を22シート導入し、金型形状のさらなる複雑化、高精度化に対応している(参考:CGS-LETTER Vol.60 2017年10月31日号)。さらにCAD/CAMシステム等事業においては、話題となっている3Dプリンタの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし、同社が開発を進めているのは単なる樹脂の積層による簡単な3Dプリンタではなく、高精度な工作機械(マシニングセンターやNC旋盤)と組み合わせ、同時5軸制御によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度な分野(3Dプリンタ+工作機械)である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMソフトウェアのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。(2) 金型製造事業金型製造事業は、北米の自動車部品メーカー(日系及び米系)から金型の製造を受注し、これを同社がアジア(主に韓国)の金型メーカーへ発注、そして同社経由でユーザーへ納入するもので、すべて北米向けである。売上金額は2020年12月期で連結売上高の15.1%を占め、利益を計上している。また、為替変動の影響を受けるが、収益への影響は軽微である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2021/09/15 15:23
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C&GSYS Research Memo(2):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ(1)
■会社及び事業の概要1. 会社概要C&Gシステムズ<6633>の主力事業は金型用CAD/CAMシステムの開発・販売・保守等で、これらの国内シェアは20%(推定)を誇る。顧客数は大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで約7,000事業所に上る。2. 沿革同社の起源は、主にCAD(コンピュータ支援設計:Computer Aided Design)を事業の主体とするコンピュータエンジニアリング株式会社とCAM(コンピュータ支援製造:Computer Aided Manufacturing)を事業の主体とする株式会社グラフィックプロダクツという2つの会社に由来する。当初はそれぞれ別々に企業活動を行っていたが、CADとCAMを融合することによるユーザビリティの向上や、将来の海外展開を見越して、両社は2007年3月に株式移転方式による経営統合に合意し、2007年7月には純粋持株会社であるアルファホールディングス株式会社を設立してその株式をJASDAQ証券取引所(当時)に上場した。その後、純粋持株会社であるアルファホールディングスが2010年1月に両社を吸収する形で新たなスタートを切り、社名を現在の株式会社C&Gシステムズに変更し現在に至っている。さらに株式については、2017年11月に東京証券取引所第2部に市場変更となった。3. 事業内容同社の事業セグメントは、金型設計・製造用のCAD/CAMシステムの製造、販売、保守サービスを行う「CAD/CAMシステム等事業」と金型製造を請け負う「金型製造事業」(すべて北米での売上高)の2事業。2020年12月期のセグメント別売上高比率は、CAD/CAMシステム等事業が84.9%、金型製造事業が15.1%であった。(1) CAD/CAMシステム等事業さらにCAD/CAMシステム等事業は3つに分類され、2020年12月期の実績ではCAD/CAM製品の販売が連結売上高の22.1%、保守サービスが同59.6%、開発サービスが同3.2%を占める。a) CAD/CAMと同社の領域CADとはコンピュータを利用して各種製品や部品などの設計を行うシステム(ソフトウェア)のことである。自動車のボディや各種製品の形状設計、部品設計、金型設計、電子回路設計等に利用される。この中で同社が扱っているのは、「金型設計用」であり、同じCADであっても車体デザイン用や電子回路設計用などとは領域(市場)が異なる。上記のCADで設計された製品や部品の多くは、最終的にはNC(Numerical Control)工作機械を使って製造されるが、そのためにはあらかじめCADで設計されたデータをNC工作機械用の数値データに変換することが必要で、これを行うのがCAMである。このため、通常はCADとCAMは一体で使用されるが、別々に利用される場合もある。同社においても、CAD/CAM一体で販売するケースとそれぞれ別々に販売するケースがあるが、CADとCAMの売上高内訳は公表されていない。製品価格はオプション追加の有無等により150万~600万円ほどになるが、平均では1システム当たり300万円ほどとなる。CAD/CAMシステムは一種のパッケージソフトであるが、ハードウェアについては特別の制限はなく、一般のPCでグラフィックス機能が強化されたものであれば使用が可能だ。顧客の買い換えサイクルは、リース期間との関係もあり平均で5年ほどであるが、特別な技術革新が進んだ場合やハードウェアの陳腐化などによって、サイクルが早まる場合もある。b) 主要ユーザー主要ユーザーはトヨタ自動車<7203>、アイシン精機<7259>、ヤマハ発動機<7272>、パナソニック<6752>、オムロン<6645>、アルプスアルパイン<6770>、ニフコ<7988>、TOTO<5332>、ニコン<7731>、キヤノン<7751>、オリンパス<7733>などの大手メーカーから中小金型メーカーまで幅広く、総ユーザー数(事業所数)は7,000事業所(主に国内6,000事業所、海外1,000事業所)を超えている。ただし、これらの顧客のうち約5,500事業所は従業員20人未満の中小メーカーとのことだ。販売は約80%が代理店経由(大手代理店5社、主要1次代理店約30社)、約20%が直接販売となっているが、代理店販売であっても同社の技術スタッフが同伴するケースが多く、顧客ニーズを細かくくみ取っている。c) 市場シェア国内の金型設計用CAD/CAMシステム市場における同社のシェアは約20%で、国内では日本ユニシス<8056>グループに次いで第2位と推定されている。ただし同データに掲載された他社の売上高の中にはCAD/CAMシステム及び金型向け以外の売上高も含まれていることから、純粋に金型向けのCAD/CAMシステムだけの市場シェアで考えれば、同社の実質的なシェアは40~50%前後と推測される。d) 特色と強み同社は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小様々な金型に対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きい金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、業界トップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。そのため同社の顧客(事業所)数は、既述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000事業所以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後となっており、業界平均を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。また、同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点に、CAD/CAM販売子会社、テクニカルセンター及び総代理店を設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供することができ、またこれにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲い込みが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2021/09/15 15:22
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スカラ Research Memo(12):株主への利益還元を重視し、今後も増配を目指す方針
■株主還元策スカラ<4845>は株主還元策として、財務体質の強化と今後の事業展開を図るために必要な内部留保を確保しつつ、安定的、継続的な配当を実施していくことを基本方針とし、増配の継続を目指している。2021年6月期については、設立30周年記念及び投資で得た利益の一部還元として、期末配当16.0円に2.0円の追加増配を実施した。これにより、年間配当金は前期比6.0円増の34.0円となった。また、2022年6月期の1株当たり配当金は、前期比2.0円増の36.0円と13期連続の増配となる見通しだ。なお、2022年4月から導入される東京証券取引所の新市場区分では、中期経営計画を実現し、資本市場の高い期待・要請に応えていくため、プライム市場への移行を選択している。プライム市場の上場維持基準への適合を確認したうえで、2021年9月に申請を行った。また、ガバナンス体制を強化するため、2021年9月開催予定の株主総会において、監査役設置会社から指名委員会等設置会社への移行を決議する予定となっている。■情報セキュリティ対策同社はインターネットを活用したSaaS/ASPサービスを主力事業としており、情報セキュリティ対策については経営の重要課題の1つとして捉えている。具体的な取り組みとして、グループ全体で情報セキュリティに関する国際規格である「ISO/IEC27001」の認証を取得し、これを継続しているほか、グローバルスタンダードな第三者の視点を取り入れた情報セキュリティ対策を実施し、グループが保有する情報資産について、社内マネジメントシステムに基づき管理の徹底に努めている。情報システムについては自社サーバーと一部プライベートクラウドを利用し、バックアップ体制も構築している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:22
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C&GSYS Research Memo(1):金型用CAD/CAMシステム専業メーカー、シェアアップで事業成長を目指す
■要約C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで国内シェアは20%(推定)を誇る。大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで顧客数は約7,000事業所に上る。1. 2021年12月期第2四半期:コロナ禍の影響残るが36.3%の営業増益2021年12月期第2四半期決算は、売上高が1,925百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益が191百万円(同36.3%増)、経常利益が243百万円(同152.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が160百万円(同363.4%増)となった。前年同期が新型コロナウィルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を大きく受けて低調であったことから前年同期比の伸び率は大きくなっているが、期初予想に対しても上回る結果であった。セグメント別では、主力のCAD/CAMシステム等事業の国内は、自動車のEV部品、半導体関連がけん引し製造業全体が活性化し、主力製品の販売が堅調に推移した。海外においても、半導体や自動車関連の需要好調を背景に、特に中国、韓国、ベトナムで売上が伸長した。加えて保守契約サービスも底堅く推移したことから、同セグメントは増収増益となった。一方で、金型製造事業は前下半期の受注が不振であったこと、原材料費が上昇したこと、輸送費等の経費が増加したことなどから減収減益となった。2. 2021年12月期通期予想:営業利益は前期比横ばい見込みも、上方修正の可能性も同社は現時点で2021年12月期業績について、売上高3,757百万円(前期比2.0%増)、営業利益193百万円(同0.8%増)、経常利益217百万円(同40.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益119百万円(同98.3%増)を見込んでいる。依然として先行きは不透明であることから、営業利益は前期比でほぼ横ばいを予想している。しかしこの予想では、下半期の営業利益は僅か1百万円となり、かなり保守的と言えるだろう。今後の設備投資動向等を注視する必要があるが、現在のこの予想が上方修正される可能性は高いだろう。3. 安定した既存収益源の拡充に加え次世代収益源を育成同社では中長期事業方針として、1)既存事業の維持拡張、2)金型隣接市場向け製品開発(部品加工)、3)CAMのマルチプラットフォーム化拡大、4)ASEAN強化&海外向け製品開発、5)金型・部品製造用生産管理システム開発強化(「AIQ」の拡充)、6)同時5軸AM対応のハイブリッドCAM(CAM-TOOL AM)開発、という6つの柱を掲げている。足元の業績はコロナ禍の影響で足踏みをしているが、これらの事業方針は今後も継続して推進する計画だ。また「高付加価値商品」「高付加価値機能」の提供を目指して研究開発部門を新設しており、今後の動向が注目される。■Key Points・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は約7,000事業所・2021年12月期の営業利益は前期比横ばい予想だが、上方修正の可能性が高い・中長期事業方針は継続:主に6つの分野の拡充で成長を図る。今後を見据えて研究開発部門を新設(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2021/09/15 15:21
注目トピックス 日本株
スカラ Research Memo(11):2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円を目指す
■今後の見通し2. 中期経営計画についてスカラ<4845>が2019年8月に発表した2030年までの中期経営計画「COMMIT5000」では、同社が持つ「真の課題を探り出す」(価値創造経営支援事業)、「リソースの埋もれた価値を炙り出す」(IT/AI/IoT関連事業)、「課題とリソースの最適な組み合わせを提案・実行し、価値を最大化する」(社会問題解決型事業)という3つのケイパビリティを強みとし、これらを連携させながら中長期的な成長を目指していく基本方針を打ち出した。経営数値目標としては、2025年6月期に売上収益1,000億円、営業利益100億円、2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円を掲げている。2021年6月期の売上収益が8,734百万円、営業利益が220百万円であったことを考えると壮大な目標と言えるが、同社の成長モデルである「価値創造経営支援+DX支援」の「型」づくりを共同開発パートナーと行い、同モデルを横展開していくことで既存事業の拡張・深耕を図っていく。これに加え、M&Aや新規事業の開発等を積極的に進めることで成長を加速していく戦略となっている。また、投資ファンドによるキャピタルゲインの獲得や投資先企業へのITシステム構築、各種サービス提供によるストック収入の積み上げなども成長要因となる。DXが遅れている地方自治体向けも成長領域として位置付けており、「逆プロポ」を通じたネットワークを構築しながら受注を積み上げる方針だ。これらの成長戦略を実行していくために同社は、2020年より積極的な投資を行っており、こうした取り組みの成果が2022年6月期以降に顕在化してくると予想される。また、同社が展開するIT/AI/IoT/DX事業は成長分野であるがゆえに競争も激しいが、グループが持つ「IT/AI/IoTの総合力」と、上場企業の価値創造に精通したジェイ・フェニックス・リサーチのコンサルティングノウハウ、地方自治体の価値創造に精通したPublic dots & Companyのリソースなどを融合することで競合他社との差別化が可能であると同社では考えており、今後10年間で大きな飛躍を目指している。なお、海外市場については世界情勢の不確実性が増すなかで慎重に取り組んでいく方針だが、引き続き医療・健康、農業・食、教育分野をテーマとした社会問題解決型事業を東南アジア中心に展開していく計画だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:21
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スカラ Research Memo(10):2022年6月期は既存事業の拡大とM&Aの実行により大幅増収増益を見込む
■今後の見通し1. 2022年6月期の業績見通しスカラ<4845>の2022年6月期の業績見通しは、M&Aを視野に入れていることもありレンジを設けた計画で発表している。売上収益は12,000~20,000百万円(前期比37.4%増~129.0%増)、営業利益は450~1,200百万円(同104.2%増~444.6%増)、税引前利益は400~1,150百万円(同112.1%増~509.8%増)と大幅増収増益を見込んでいる。なお、親会社の所有者に帰属する当期利益については、前期にソフトブレーンの株式売却益を計上した反動で300~800百万円(同90.2%減~73.9%減)と減益を見込んでいる。既存事業については、2021年6月期までに取り組んできた成長戦略の種を開花させていくことで、前期比2ケタ増収増益を見込んでいる。加えて、M&Aの実行により業績成長を加速していく計画となっている。M&Aの収益影響額については開示していないが、計画下限値でもある程度の効果を織り込んでいるものと見られる。なお、M&Aや業務資本提携の対象先については、社内外のネットワークや独自調査により発掘、絞り込みを行い、共創・協働を含めて年間10件程度のペースで進めていく。具体的には、シナジーが見込める技術力を持つIT企業や、同社の技術力を利活用することで企業価値の向上が見込まれる企業などが挙げられる。事業セグメント別の今後の取り組み方針については、以下の通りとなる。(1) IT/AI/IoT/DX事業IT/AI/IoT/DX事業では、新サービスや他事業をフックに新規契約を獲得し、ストック収入を積み上げていくほか、受託開発でも大型案件や新規事業につながる案件の獲得に取り組むことで、年率2ケタ成長を目指す。サービス別契約件数で見ると、現在売上収益の約7割を占めるiシリーズで前期比6.2%増の2,550件、やや単価の高いエンタープライズ案件(カスタム案件)で同15.2%増の190件、共創プロジェクトなどの大型案件で同29.6%増の35件を計画している。なお、共創プロジェクトには、損害保険ジャパン向けの安全運転支援サービスの継続プロジェクトで複数案件の納品が予定されている。また、2021年6月期にシノケングループ<8909>との業務提携により共同開発に着手した、「xID」を活用した個人認証による電子契約プラットフォーム「不動産のトラストDXプラットフォーム」も売上貢献する。2021年7月に「契約」手続きから適用を開始しており、今後は金融機関との連携により「融資申込」も同プラットフォームで完結できるようにし、将来的には不動産取引にかかわる「決済」「登記」手続きの機能も追加していく計画となっている。DXにより業務効率や顧客サービスの向上に取り組む企業は増加傾向にあることから、同社ではこれらの需要を取り込んでいく方針だ。共創プロジェクトではシステムの受託開発だけでなく、マーケティングやCRMに関してiシリーズの導入提案を行うことにより、顧客当たり単価の増加も見込まれる。また、将来的には、健康管理分野で自社サービスの提供にも取り組んでいく考えだ。IT/AI/IoT/DX事業については、今後も企業や自治体などのDXニーズが旺盛なことに加え、サービス拡充を進めることにより、中期的に年率15%程度の成長が期待できるものと同社では見ている。(2) カスタマーサポート事業カスタマーサポート事業では、カスタマーサポート領域のサービスの高付加価値化に取り組んでいく。具体的には、低採算案件の縮小と利益率の高いコールセンターの構築並びに同社グループの商材を掛け合わせることで、利便性や生産性の向上を図り、事業規模の拡大と収益性向上を目指していく。2022年6月期に関しては低採算案件の見直しを継続するため、売上収益は現状維持を目指しながら、営業利益に関しては単月ベースでの黒字化、通期で収支均衡水準を見込んでいる。コールセンターの席数で見ると、従来コンサル対象となっていたコールセンターの席数が2021年6月期の300席から2022年6月期は200席、2025年6月期は100席と減少するのに対して、新たに同社で立ち上げる内製コールセンターが2022年6月期の50席から2025年6月期は500席に拡大する計画となっている。この結果、合計席数は2021年6月期の300席から2025年6月期は600席、契約件数も同様に250件から500件を目指す。(3) 人材・教育事業人材・教育事業のうち、人材事業では新卒採用や人材紹介による求職者の登録数拡大に取り組んでいく。新卒体育会学生については2021年6月期の17千人から2022年6月期は18千人、新卒女子学生については13千人から14千人、人材紹介による求職者については7千人から8千人にそれぞれ増やす計画となっている。ブランド力のある企業からの求人案件を増やすことで登録者数を拡大していく。また、コロナ禍で低迷していた採用関連イベントの開催数についても、2021年6月期の72件から、オンラインでのイベントを継続しながら2022年6月期は80件と回復を見込んでいる。これらの取り組みにより、2021年6月期下期から注力している人材事業の成長が続く見通しで、2022年6月期は増収・営業利益の黒字化を見込んでいる。また、2025年6月期に向けては、新卒女子学生や人材紹介による求職者の登録者数拡大に注力する方針だ。一方で、体育会学生については登録率が既に高水準となっているため、安定成長を見込んでいる。一方、教育事業では、従前の保育園や幼保園の自社運営にとどまらず、そのノウハウを生かし受託運営へと展開していくことで、事業規模の拡大と収益の安定性を高めていく。自社運営する幼保施設に関しては2021年6月期の6施設から2022年6月期は7施設に増加する見通し。また、受託運営も1施設が決まっており、そのほかにも複数の引き合いがきているもようだ。マンションのテナントスペースを幼保施設として活用したい不動産オーナーのニーズが不動産デベロッパー経由で増えてきている。そのほか、教育コンテンツの開発・販売やライセンス提供なども進めていく方針で、地方創生関連サービスとの連携も図りながら、着実に事業規模を拡大していく戦略となっている。(4) EC事業EC事業では、2022年6月期も2ケタ増収増益が続く見通しだ。ECサイト「カードショップ - 遊々亭 -」の継続的なシステム改善やデジタルマーケティングの強化により、会員数及び販売枚数の拡大に取り組んでいく。また、フルフィルメント業務を改善することで、収益性の向上も図っていく。会員数については、2021年6月期の140千人から2022年6月期に180千人、2025年6月期に230千人と、トレーディングカードゲームのECショップ最大手としてさらなる成長を目指す。事業規模の拡大に向けては、リアル店舗の開設も検討しているようだ。リアル店舗ではメーカーから直接トレーディングカードを仕入れることができるため、品揃えが充実し販売機会の増大が見込めるためだ。また、将来的には、同社グループの教育コンテンツに関連したカードゲームの制作についても視野に入れている。(5) 投資・インキュベーション事業ジェイ・フェニックス・リサーチでは、年間200社程度に継続的なアプローチを行うことで、価値創造経営支援やDX支援等の案件獲得及びM&Aや資本業務提携の実行に取り組んでいく。一方、「逆プロポ」案件についても新規事業開発を行う企業や自治体からの関心が非常に高く、さらなる案件の獲得が見込まれる。2022年6月期はこれらの案件の収益化に加え、マッチングをきっかけに受託開発案件の獲得につなげる方針だ。「逆プロポ」によるマッチング成約件数は2021年6月期の2件から2022年6月期は15件、2025年6月期は30件に拡大し、マッチングをきっかけとする受託案件数も2021年6月期の1件から2025年6月期は30件に拡大する計画となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:20
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スカラ Research Memo(9):ソフトブレーン株式の売却資金を活用して積極投資を行う予定
■業績動向3. 財務状況と経営指標スカラ<4845>の2021年6月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比4,582百万円減少の20,330百万円となった。流動資産では、ソフトブレーンを非継続事業として分類したことを主因として現金及び現金同等物が1,986百万円増加したほか、営業債権及びその他の債権が2,043百万円減少した。また、非流動資産ではソフトブレーンに係るのれんが5,136百万円減少した一方で、使用権資産が816百万円増加した。また、投資・インキュベーション事業による有価証券投資により投資有価証券が202百万円増加した。負債合計は前期末比4,710百万円減少の9,859百万円となった。ソフトブレーン株式を非継続事業として分類したことを主因として営業債務及びその他債務が1,622百万円減少したほか、有利子負債が2,658百万円減少した。資本合計は同127百万円増加の10,470百万円となった。非支配持分が同2,631百万円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する持分が2,759百万円増加した。経営指標を見ると、親会社所有者帰属持分比率は前期末の29.7%から50.0%と大きく上昇した一方で、有利子負債比率は116.6%から58.8%に低下した。ネットキャッシュ(現金及び現金同等物−有利子負債)については2期ぶりに黒字に転じ、前期末比4,645百万円増加の3,835百万円と大幅に改善した。同社はソフトブレーン株式売却で得た資金を新たな投資資金として活用していくほか、一部は借入金の返済に充当する計画となっている。なお、収益性が低水準であるが、これは中期的な成長への先行投資期間と位置付けているためであり、中長期的には売上収益営業利益率で10%を目指している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:19
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スカラ Research Memo(8):主力のIT/AI/IoT/DX事業は積極的な投資により増収減益に(2)
■スカラ<4845>の業績動向(5) 投資・インキュベーション事業投資・インキュベーション事業の売上収益は前期比127.6%増の84百万円、営業損失は387百万円(前期は383百万円の損失)となった。売上収益はジェイ・フェニックス・リサーチによる価値創造経営支援並びにDX支援の案件が徐々に増加してきたほか、スカラパートナーズによるワーケーションサービス※1などが貢献した。また、SCSV1号投資事業有限責任組合の投資第1号案件として、2020年12月に登録建築家のマッチングサービスを運営するアーキテクツ・スタジオ・ジャパン<6085>(以下、ASJ)に出資を行った※2。ジェイ・フェニックス・リサーチがASJに対してDX推進も含めた価値共創型経営支援やIR戦略の支援を行うと同時に、最適マッチングのためのDXプラットフォームの構築、Webマーケティングツールの提供、建築家や工務店、建築資材メーカー、施主に対するITを活用したCRMソリューションの共同開発なども行うことで、企業価値の向上に取り組んでいく。※1 好きな場所や新しい仕事を通じて、地域や人につながっていく体験を提供するサービスで、主にはワーケーション施設の紹介サイト「KomfortaWorkation」の運営を行っている。※2 出資額98百万円、取得株数108千株、議決権比率6.2%、1株当たり913円で取得した。また、自治体DX関連サービスとして、(株)Public dots & Companyとの共創により官民共創プラットフォーム「逆プロポ」サービスをリリースし、2件のプロジェクトが採択され、4つの自治体で取り組みが進められている。「逆プロポ」とは、大企業やスタートアップ企業などの民間企業が、社会課題解決型の新規事業を実施する際に、当該事業の需要動向の把握や仮説検証等をスピーディに実施したいときに活用するサービスとなる。従来の公募プロポーザルは、自治体が予算を持って公募するプロジェクトに対して、受注を狙う企業が事業計画書を作成・提出し、それを第三者機関が評価し選定するといったものだが、「逆プロポ」では企業が費用を負担して企画する社会課題解決型のテーマに対して、参加を希望する自治体を公募する流れとなる。参加可能な自治体はテーマに則した実証実験などの提案書を作成・申し込みを行う。選定する自治体数は複数でも可能なため、企業は多くの実証実験を行うことも可能となる。なお、選定された自治体に対しては公募する企業側から「寄付受納」という形で予算が支払われる。「逆プロポ」の第1弾として、イーデザイン損害保険(株)のプロジェクト「より安全な交通環境・社会の実現」をテーマにした公募に対して、5つの自治体がエントリーし、選考の結果、神戸市と滋賀県日野町が選定された。神戸市は「摩耶山掬星台の渋滞解消に向けた情報発信の仕組みづくり」を、日野町は「安全教室とサイクリングイベントを通じた安全な自転車利用の促進」をテーマとしたプロジェクトが進められている。イーデザイン損害保険では、CSRの一環として自治体と共に「より安全な交通環境・社会の実現」に向けた具体的な取り組みを進めることを目的に、「逆プロポ」を利用した。第2弾の公募も終了し2自治体が選定されており、2021年8月時点で3つのプロジェクトの募集が行われている。「逆プロポ」から直接得られる収益は少ないが、プロジェクトで活用するシステム開発に携わる可能性があるほか、マッチングした自治体から他のシステム開発案件の受注機会を獲得する事例を増やしていくことで、収益を拡大していく戦略となっている。実際、「逆プロポ」のマッチングをきっかけとして、滋賀県日野町から新型コロナワクチン接種の予約システム及びマイナンバーカードを活用した予約システムの開発を受託し、実証実験(日本初)を開始している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:18
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スカラ Research Memo(7):主力のIT/AI/IoT/DX事業は積極的な投資により増収減益に(1)
■スカラ<4845>の業績動向2. 事業セグメント別動向(1) IT/AI/IoT/DX事業IT/AI/IoT/DX事業の売上収益は前期比0.6%増の4,146百万円、営業利益は同9.1%減の756百万円となった。コロナ禍による企業のコスト削減やコンタクトセンターの業務縮小、マーケティング施策の中止や延期などの影響を受け、関連サービスの一部で解約が発生したことにより、第2四半期までは減収が続いた。しかしながら、第3四半期以降はDXによる業務効率化ニーズの高まりにより、主力サービスが堅調に推移したほか、マイナンバーカードと連携した「xID」アプリを活用したデジタルプラットフォームの開発案件や、愛媛県のDX推進基盤「エールラボえひめ」の年次運用業務受託、損害保険ジャパン向けの安全運転支援サービスの追加開発案件の一部を売上計上したことなどにより、通期では増収を確保した。売上形態別で見ると、コロナ禍の影響による関連サービスの一部解約により、月額課金収入が前期比2%減と若干ながら減少した一方で、「i-gift」の利用拡大により従量課金収入が同11%増、受託開発等の一時売上が同3%増となった。コロナ禍においても、月額課金収入・従量課金収入ともに安定的に推移したと言える。なお、「i-ask」や「i-assist」「i-livechat」など主力サービスについては、大企業からの新規導入が続いている。利益面では、さまざまな事業展開に向けた積極的な投資(新規事業立ち上げに対する人材確保、起業意識の高い若手人材の獲得や若手ベンチャー企業とのコミュニケーション促進)により、減益となった。新たな取り組みとしては、地方自治体が抱える課題をDX推進により解決することを目的に、知見・技術を共有する「地方公共団体DX研究会」を立ち上げ、企画・運営を開始したほか、インベスターリレーションを含む価値創造経営支援に関するノウハウをDX支援に融合させ、DXを通じた顧客企業の企業価値創造に取り組んでいる。(2) カスタマーサポート事業カスタマーサポート事業の売上収益は前期比18.8%減の1,837百万円、営業損失は12百万円(前期は29百万円の利益)となった。コロナ禍が長期化するなかで、光通信グループ各社の新規商材販売に対する従来型のコールセンター業務で減少基調が継続したほか、新規顧客の開拓も苦戦したことが減収減益要因となった。同社では、2021年6月期から2022年6月期を収益構造転換の過渡期と位置付け、拡大戦略を推進している。具体的には、利益率の高いコールセンターの構築など、カスタマーサポート領域のサービスの高付加価値化に取り組んでいる。また、資本業務提携先のVALT JAPAN(株)が展開する価格競争力の高い障がい者特化型BPOサービスをコールセンター運営業務の一部として活用することで、収益力の強化を図っていく。(3) 人材・教育事業人材・教育事業の売上収益は1,353百万円、営業損失は144百万円となった。人材事業については、コロナ禍の影響により、冬から春に開催される合同説明会等の対面型新卒採用イベントの開催が困難な状況となるなど、厳しい環境が続いた。これに対し同社では、オンライン等を活用した代替案により影響を軽微にとどめたほか、新たな営業活動や体制強化などの対策が奏効し、マイナス分を補完した。一方、教育事業については、保育園「みんなのほいくえん」やインターナショナル幼保園「Universal Kids」などが堅調に推移したものの、一部の教育サービスでコロナ禍の影響を受けた。ただし、営業のテコ入れや人材紹介の強化に取り組んだことが奏功し、第4四半期には営業利益で黒字転換するなど、収益は回復トレンドとなっている。(4) EC事業EC事業の売上収益は前期比33.0%増の1,311百万円、営業利益は同71.3%増の162百万円と好調に推移した。コロナ禍の巣篭もり需要を追い風に、オンラインでの売買ニーズが拡大したことに加え、ECサイトの利便性向上や携帯端末への最適化等の施策が奏効した。利益面では、増収効果に加えて、AI画像処理システムを用いてカードの判別や値付け業務などを自動化することで、バックエンド業務が効率化し収益性の向上に寄与した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:17
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スカラ Research Memo(6):2021年6月期はM&Aの効果で増収となるも、成長投資の実行により営業減益に
■業績動向1. 2021年6月期の業績概要スカラ<4845>の2021年6月期の継続事業ベースでの連結業績は、売上収益が前期比14.6%増の8,734百万円、営業利益が同3.0%減の220百万円、税引前利益が同7.2%減の188百万円と増収減益となった。また、親会社の所有者に帰属する当期利益については、ソフトブレーンの株式売却益2,770百万円を計上したことにより、同854.4%増の3,065百万円と大幅増益となった。売上収益については、2020年6月期第4四半期から連結に加わった人材・教育事業で1,137百万円の増収効果となったほか、トレーディングカードゲームの買取販売サイトを運営するEC事業が同325百万円増と好調に推移したことが増収要因となった一方で、主力のIT/AI/IoT/DX事業はコロナ禍の影響もあって微増にとどまった。営業利益については、EC事業で増益となったものの、EC事業以外の事業セグメントでは減益もしくは損失が拡大した。各事業とも成長基盤の構築に向けた体制づくりを進めており、先行投資費用の増加が全社での減益要因となった。なお、会社計画に対しては、売上収益が下限レンジをやや下回ったものの、各利益はレンジ計画の範囲内で着地している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:16
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スカラ Research Memo(5):顧客基点の開発による利便性の高さと豊富なサービスメニューで他社との差別化を図る
■会社概要3. スカラ<4845>の強みIT/AI/IoT/DX事業における同社の強みは、顧客基点のサービス開発を行っていることにある。売上収益の80%は直販で、顧客ニーズを直接聞き取り自社の開発陣にフィードバックすることで、サービスの機能向上や新サービスの開発につなげている。また、顧客からの要望については100%応えることを開発ポリシーとしている。現在の主力サービスである「i-search」や「i-ask」もこうした顧客要望から開発されたサービスのため使い勝手も良く、新規顧客への拡販がスムーズに進む要因となっている。また、豊富なサービスラインナップを持っていることも競合他社にない同社の強みとなっている。複数サービスを連携させて提案することで多様な顧客ニーズに対応でき、クロスセルによる顧客当たり売上単価をアップさせるとともに、顧客満足度を向上させることで解約防止にもつなげている。取引実績としては、上場企業400社を含む1,000社以上となっている。また、IT/AI/IoT/DX事業における収益構造の特徴としては、売上収益の約6割を月額課金収入で占めており、契約の積み上げに応じて毎月収益が積み上がるストック型のビジネスモデルである点が挙げられる。従量料金は極力採用せず、月額固定料金のみでサービスを提供することを基本方針としている(従量料金を含めると売上構成比は7割強)。また、主要サービスの売上総利益率は約80%と高い。これらのサービスは顧客ニーズに対応してカスタム開発したものを一般サービスとして横展開しているため、結果的に開発コストが低く抑えられることが要因となっている。同社ではこうした強みを「真の課題を探り出す能力」(直販営業で顧客ニーズを的確に把握)、「リソースの埋もれた価値を炙り出す能力」(ニーズに合った機能だけに機能をしぼってITリソースの価値を炙り出しカスタマイズして開発)、「課題とリソースの最適な組み合わせを提案・実行し価値を最大化する能力」(クラウド環境を含めて最適化し、必要に応じてプロジェクトマネージャーを派遣して関与するステークホルダーの満足度を最大化)の3つのケイパビリティとしてさらに強化し、価値共創プラットフォームとして企業だけでなく、自治体や海外市場など幅広い領域に事業展開していくことで高成長を実現していく戦略となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:15
注目トピックス 日本株
スカラ Research Memo(4):2021年6月期より事業セグメントを再編成(2)
■スカラ<4845>の会社概要(3) 人材・教育事業人材・教育事業は売上収益の65%が人材事業、35%が教育事業となっている。人材事業については、アスリートプランニングが体育会学生向けの総合就職支援サービスや女子学生に特化した就活支援サービス、プロアスリートのセカンドキャリア支援などを展開している。現在の収益源は、新卒採用向け企業合同説明会の企画・運営となっている。同サービスは毎年6月より企業に向けて出展ブースの販売を開始し、12月から翌年3月に開催するスケジュールとなっているため、業績としては第3四半期に収益が偏重する季節要因がある。ただ、コロナ禍でリアルの合同説明会の開催が難しくなるなか、オンラインでのイベント開催にも取り組んでいる。教育事業では、フォーハンズが保育園「みんなのほいくえん」、インターナショナル幼保園「Universal Kids」、国際感覚を養う学童「UK Academy」、運動に特化した放課後等デイサービス「ラルゴ KIDS」等、乳児から小学生までを対象とした付加価値の高い教育サービスを展開している。また、スポーツストーリーズが子ども向け野球スクール「ファインズ」、サッカースクール「ビュート」、バスケットボールスクール「ダンカーズ」及びバルシューレ等のスポーツ教室を展開しており、運動能力面のみならず精神面の成長を重視した運営を行っていることが特徴である。(4) EC事業EC事業では、スカラプレイスが対戦型ゲームのトレーディングカードの買取と販売及び、攻略サイトの機能を備えたリユースECサイト「カードショップ - 遊々亭 -」を運営している。同サイトに関してはゲーム業界での認知度も高く、中古カードの値付けでは参考指標にされるほどの影響力を持ち、業界No.1のECショップとして知られている。海外ユーザーからの購入も多く、2020年6月期からは海外ユーザーからの買取も開始している。(5) 投資・インキュベーション事業投資・インキュベーション事業については、同社本体による事業投資や自治体と連携した地方創生関連サービスのほか、ジェイ・フェニックス・リサーチによる企業価値創造支援に向けたエンゲージメント、スカラパートナーズによる新規事業開発、並びにワーケーションの施設紹介サイト「KomfortaWorkation」の運営を中心とした地方創生関連サービス、SCLキャピタルが運営する価値共創エンゲージメントファンドのSCSV1号投資事業有限責任組合での投資、及びその投資に関連するバリューアップ、エンゲージメント等が含まれている。なお、価値共創エンゲージメントファンドで出資を行う対象企業としては、時価総額で100億円規模までの上場企業で、投下資本利益率(ROIC)15%以上が見込まれる企業となる。1社当たり1~1.5億円を目安に出資し、投資後の運用方針としては、想定した企業価値に達した段階で売却し、次の投資先企業の株式取得資金に充当していくことにしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:14
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スカラ Research Memo(3):2021年6月期より事業セグメントを再編成(1)
■会社概要2. 事業内容スカラ<4845>はソフトブレーングループが連結対象から外れたことを機に、2021年6月期より事業セグメントをIT/AI/IoT/DX事業(旧 SaaS/ASP事業)、カスタマーサポート事業、人材・教育事業、EC事業、投資・インキュベーション事業に再編成している。各事業セグメントを担うグループ会社を見ると、IT/AI/IoT/DX事業は(株)スカラコミュニケーションズを中心に6社で構成されている。このうち、(株)Retoolは企業活動における様々なプロセスを可視化するクラウド管理ツールの企画・開発・販売を行っているが、まだ導入実績は少なく業績への影響は軽微となっている。また、(株)ソーシャルスタジオは行政・自治体のDXやSDGs推進支援を目的に、ブランディングテクノロジー<7067>との合弁で2020年9月に設立した子会社となる。そのほか、カスタマーサポート事業についてはレオコネクトが展開し、人材・教育事業については、(株)アスリートプランニング、(株)スポーツストーリーズ、(株)フォーハンズの3社で構成されている。EC事業についてはスカラプレイス、投資・インキュベーション事業については、ジェイ・フェニックス・リサーチ、スカラパートナーズ、(同)SCLキャピタル、SCSV1号投資事業有限組合のほか、持株会社である同社本体が含まれる。2021年6月期の事業セグメント別売上構成比は、IT/AI/IoT/DX事業で47.5%、カスタマーサポート事業で21.0%、人材・教育事業で15.5%、EC事業で15.0%、投資・インキュベーション事業で1.0%となっている。また、セグメント利益の構成としてはIT/AI/IoT/DX事業が収益柱となっている。(1) IT/AI/IoT/DX事業IT/AI/IoT/DX事業の主要なサービスとしては、企業のWebサイト内で利用されている検索サービス「i-search」やFAQサービス「i-ask」など各種ASPサービスのほか、自動音声応答システム「IVR」やニュース配信サービス等がある。このうち、「i-search」は2007年からサービスを開始し、現在は大手企業を中心に導入社数が400社以上、市場シェアは15%前後で業界トップシェアとなっている。参入企業が10社以上あるが、同社のサービスは検索結果をサムネイル表示することでユーザーを的確に目的ページへ誘導できるなど、利便性の高さが顧客から高く評価されている。(月額利用料金は平均10~15万円)。「i-ask」は2008年頃からサービスを開始し、金融・保険業界向けを中心に約200社に導入されている。よくある質問とその回答をあらかじめ企業サイト内に登録しておくことで、ユーザーが持つ疑問に対して自己解決を可能にするサービスとなる。コールセンターへの問い合わせ件数を軽減し、コスト削減に寄与すると同時に顧客満足度の向上につながるサービスとして導入が進んでいる。業界シェアは約15%とオウケイウェイヴ<3808>に次ぐ2位となっている(月額利用料金は平均20~30万円)。「IVR」は企業の電話窓口で音声による自動応答を行うシステムとなり、SaaS型で提供していることが特長となっている。従来は企業側でPBX(構内交換機)を導入しなければならず投資負担が重かったが、SaaS型では安価にサービスを利用できるほか、キャンペーン時など期間限定で利用したいニーズにも対応が可能であることから、利便性の高いサービスとして導入が進んでいる。その他、法人向けニュース配信サービスや、顧客ニーズに応じたWebサイトの企画・開発・制作・保守運用サービスなども行っており、サービスラインナップが豊富で特定のサービスに依存していないことが特長となっている。また、コネクトエージェンシーが提供するクラウドPBXサービスや、Retoolが提供するクラウド活動管理ツール「Retool」なども含まれる。カスタム開発案件では、IoT・ビッグデータに関連するシステム開発及びサービスの提供も行っている。代表的な例として、損害保険ジャパン(株)が販売する安全運転支援サービス「スマイリングロード」(法人向け)※1やスマートフォン用アプリ「ポータブルスマイリングロード」(個人向け)※2がある。これらサービスでは、利用者のドライブレコーダーから送信される走行データ等のビッグデータをスカラコミュニケーションズのサーバーで受信し、同社が開発したWebシステムによって運用・管理している。※1 IoT技術を活用して、ドライブレコーダーから収集した運転走行データの処理を始め、ドライバーや管理者のための運転診断データの提供や、運転評価システムに基づき高評価を得たドライバーへのポイント付与や懸賞応募など、ドライバーが安全運転に取り組むことができる数々の機能を、Webサイトやスマートフォンアプリを通じて提供し、継続的な安全運転の促進と事故予防に寄与するサービス。※2 スマートフォンアプリを通して、ドライバーの万一の事故時にワンプッシュで事故報告する「安心」の機能、運転診断やリアルタイム情報提供など事故防止に役立つ「安全」の機能、「快適」なカーナビゲーション機能を提供し、安全運転の促進と事故予防に寄与するサービス。(2) カスタマーサポート事業レオコネクトで展開するカスタマーサポート事業では、顧客企業のサービスや商品に対する問い合わせ受付から対応後のフォローアップまでを行うインバウンドコールセンター(全国24拠点)の運営に関するコンサルティング業務を行っており、光通信グループやその代理店などが主な顧客となっている。各コールセンターに「i-livechat」や「i-assist」、「IVR」などの導入を進めているほか、顧客ニーズを反映してスカラコミュニケーションズと共同で開発した新基幹システム「C7(シーセブン)」(2019年11月提供開始)を導入することでコールセンターの生産性向上を図っている。今後は自社でコールセンターを構築し、光通信グループ以外の顧客を開拓していくことで事業規模の拡大と収益性向上に取り組んでいく戦略となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:13
注目トピックス 日本株
スカラ Research Memo(2):IT/AI/IoTのコア技術に、価値創造経営支援等のコンサルティング力を融合
■会社概要1. 会社沿革スカラ<4845>は、1991年12月にデータベースサービスの販売代理店として創業したのが始まりで、1999年に三井情報開発(株)からメインフレーム用のデータベース管理システム「Model204」※のサポートサービスを顧客も含めて引き継いだことを契機として業績を拡大していった。※米国Computer Corporation of America及びSirius Software(現 Rocket Software)が開発したDBMSで、国内では日本銀行<8301>や東京電力ホールディングス<9501>などの大企業が顧客となっていたが、市場環境の変化により需要がなくなり2016年秋にサービスを終了した。2000年に入って、企業の情報システムがメインフレームから分散処理型(クライアント/サーバー型)へ移行するなかで、同社は成長を続けるために事業構造の転換が必要と判断し、2001年の株式上場時に調達した資金を活用してM&A戦略によって事業を拡大していくことになる。ここ数年の動きを見ると、2017年にEC事業への進出を目的として、ECサイト運営会社の(株)plube(出資比率100.0%)(現 (株)スカラプレイス)、2018年に光通信<9435>グループが有するブランド・商材等のカスタマーサポートセンターに対するコンサルティングを行う(株)レオコネクト(出資比率66.0%)、並びに光通信グループ等でアウトバウンドコールを行う企業やコールセンター向けにクラウドPBXサービスを提供する(株)コネクトエージェンシー(出資比率51.0%)をそれぞれ子会社化している。また、同年には開発力強化と海外事業展開の布石として子会社の(株)スカラネクストがミャンマーにマンダレー支店を設立、現地のエンジニアを採用しオフショア開発拠点としてスタートした。2019年以降は中期経営計画「COMMIT5000」における価値共創プラットフォームの構築に向けた取り組みとして、同年7月に(株)スカラパートナーズを設立し、10月には経営コンサルティング、IR支援を行うジェイ・フェニックス・リサーチ(株)、2020年4月には人材・教育事業を展開するグリットグループホールディングスを相次いで完全子会社化し、資本業務提携なども活発に行うなど成長に向けた取り組みを活発化させている。なお、2016年7月に子会社化した営業支援ソフト大手のソフトブレーンについては、2020年11月に投資ファンドに売却し、連結対象から外れている。また、同社は機動的な経営を行うために2004年に持株会社体制に移行しており、2016年6月期からは国際財務報告基準(IFRS)に切り替えて業績開示を行っている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:12
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スカラ Research Memo(1):既存事業の拡大とM&Aや新規事業の開発により、成長加速を目指す
■要約スカラ<4845>は、IT/AI/IoT/DX事業を中心とするポートフォリオを通じて、価値創造と社会問題解決の実現を目指す持株会社である。2021年6月期より事業セグメントをIT/AI/IoT/DX事業、カスタマーサポート事業、人材・教育事業、EC事業、投資・インキュベーション事業の5つに再編成し、中期経営計画「COMMIT5000」で掲げた業績目標(2030年6月期に売上収益5,000億円)の達成に向けた取り組みを推進している。1. 2021年6月期の業績概要2021年6月期の継続事業※1の売上収益は前期比14.6%増の8,734百万円、営業利益は同3.0%減の220百万円となった。売上収益は2020年6月期第4四半期から連結子会社に加わったグリットグループホールディングス(株)※2の人材・教育事業が通期で寄与したことに加え、EC事業が好調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響でIT/AI/IoT/DX事業の売上収益が微増にとどまったほか、カスタマーサポート事業も2ケタ減収と低迷した。また、営業利益はEC事業が増益となったものの、IT/AI/IoT/DX事業が減益となったほか、それ以外の事業については損失を計上した。2021年6月期は今後の高成長を実現していくいためのサービスの「型」を作る期間と位置付け、各事業において体制整備を進めたことも収益が伸び悩んだ要因と考えられる。ただ、2020年11月にリリースした官民共創プラットフォーム「逆プロポ(逆公募プロポーザル)」のマッチングをきっかけに、自治体からシステムの受託開発を受注するなど、成長に向けた芽も一部で見え始めている。※1 2020年11月に連結子会社だったソフトブレーン(株)の株式を売却したことに伴い、ソフトブレーンとその子会社を非継続事業に分類し、売上収益及び営業利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示している。※2 人材サービス事業、幼保施設、子ども向けスポーツ教育サービスなどをグリットグループホールディングス及びその子会社で展開している。2. 2022年6月期の業績見通し2022年6月期の業績は、売上収益で12,000~20,000百万円(前期比37.4%増~129.0%増)、営業利益で450~1,200百万円(同104.2%増~444.6%増)となる見通し。レンジでの予想となっているのは、M&Aの実施による業績への影響を考慮したためだ。既存事業ベースでは2ケタ増収増益を見込んでおり、これにM&Aの効果が加わることになる。レンジの下限でもM&Aの効果が一部含まれているもようで、潤沢な手元キャッシュと銀行借入により積極的にM&Aを進めていく計画となっている。既存事業については、IT/AI/IoT/DX事業、EC事業で2ケタ成長を見込んでいる。また、カスタマーサポート事業については収益構造転換に取り組むため、売上収益は現状維持を目指しながら、損益面では改善する見通しだ。3. 中期経営計画と成長戦略中期経営計画「COMMIT5000」では、価値創造経営支援事業、IT/AI/IoT関連事業、社会問題解決型事業の3事業を推進し、2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円(2025年6月期に売上収益1,000億円、営業利益100億円)を目標に掲げている。2021年6月期に構築したソリューションサービスを、2022年6月期以降に上場企業や地方自治体へと幅広く横展開しながら、M&Aも活用することで成長を加速化していく戦略となっている。IT/AI/IoT/DX事業では高単価な開発案件の受注獲得に注力し、人材事業では求職者の登録数拡大、教育事業では受託運営への展開や教育コンテンツの開発、EC事業では会員数や新サービスの開発等によって、それぞれ成長を目指す。また、M&Aや業務資本提携については、共創・協働を含めて年間10件程度のペースで進めていく考えだ。まずは、2022年6月期の動向に注目したい。■Key Points・2021年6月期はM&Aの効果で増収となるも、成長投資の実行により営業減益に・2022年6月期は既存事業の拡大とM&Aの実行により大幅増収増益を見込む・中期経営目標として2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/09/15 15:11
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DIT Research Memo(8):新中期経営計画の経営目標に基づき、配当性向を35%以上に引き上げ
■株主還元策株主への利益還元についてデジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>は、内部留保とのバランスを考慮しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としている。なお、2021年6月期までは配当性向30%以上を水準としていたが、新中期経営計画の経営目標に基づき、2022年6月期から35%以上に引き上げた。この結果、2022年6月期の配当予想は、前期比6.0円増配の30.0円(第2四半期末15.0円、期末15.0円)としている。■ESG経営・SDGsへの取り組み同社では、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとして、適切な企業経営と顧客への自社商品導入等を通じ、持続可能な社会への貢献に努めている。具体的には、企業経営による貢献として、従業員の福利厚生の充実、女性の役職登用による多様性の推進、ガバナンス等を重視した適切な事業経営により、持続的社会への貢献を目指す。また、自社商品導入等による貢献として、「WebARGUS」「xoBlos」「DD-CONNECT」等の導入により、快適で安全なインターネット社会の確立や社会の生産性向上を掲げている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:08
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DIT Research Memo(7):長期ビジョンでは2030年6月期に売上高500億円、営業利益50億円を目指す
■デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>の成長戦略コロナ禍の影響で企業IT投資の一部に抑制・先送りの動きも見られたが、いわゆる「2025年の崖」問題(2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」)では、既存のITシステムの老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化などによって、企業の競争力が低下し、2025年以降に最大12兆円/年(2021年6月期比約3倍)の経済損失が発生する可能性が指摘されている。したがって、あらゆる産業で新たなビジネスモデルが求められ、DX変革の流れが加速すると予想される。ソフトウェア開発・情報サービス産業の市場環境は中長期的に良好と言えるだろう。1. 前中期経営計画の総括前中期経営計画(2017年6月期~2021年6月期)では、成長戦略として事業基盤の拡大・安定化(幅広い事業領域での安定的な取引の拡大)と、成長要素の強化(自社商品を軸とした新しい価値の提供や、自社商品強化に向けた協業の促進)の2軸で事業を推進した。この結果、経営目標として掲げた「5年以内のトリプル10」(売上高100億円、営業利益10億円、営業利益率10%)を1年前倒しで達成した。前中期経営目標に対しては、システム販売事業は縮小傾向であるものの、事業基盤の中核であるビジネスソリューション事業及びエンベデッドソリューション事業が着実に伸長し、安定成長に大きく寄与した。また、戦略的取り組みによる増収増益を継続するために、高収益事業・領域へリソースをシフトし、エンドユーザーに近い高収益領域や高収益事業(車載・IoT・インフラ構築・ERP等)を戦略的に拡大した。加えて、適切なリスク管理により、大型プロジェクトの失敗発生の防止につなげたほか、受注プロジェクトの規模拡大に向けて社内カンパニー間の連携を強化した。なお、ニアショア拠点である愛媛カンパニーは黒字体質に転換した。2. 2030年ビジョン新たに策定した長期ビジョン「2030年ビジョン」では、スローガンとして「信頼され、選ばれるDITブランドに向かって」を、経営目標「チャレンジ500」として、2030年6月期に売上高500億円(オーガニックグロース300億円以上+新規事業・M&A)、営業利益50億円(オーガニックグロース40億円以上+新規事業・M&A)、配当性向35%以上を掲げた。また、目標実現に向けたステップとして、2022年6月期~2024年6月期を事業構造改革の推進(次の成長を可能とする会社作り・仕組み作りの推進)、2025年6月期~2027年6月期を成長軌道の実現(事業スタイルを確立させ、事業全般を成長軌道に乗せる)、2028年6月期~2030年6月期をDITブランドの確立(全てのステークホルダーから信頼され、選ばれるDITブランドを確立)を推進する。併せて、これまでの成長を支えてきた「二軸(事業基盤、成長要素)の事業推進」をより強化し、幅広い事業領域の安定的な取引を強みに事業基盤のさらなる拡大と、デジタル変革などの社会変化に対応した新しい価値・サービスの提供を推進する。3. 新中期経営計画第1ステージとなる2022年6月期~2024年6月期での取り組みを「新中期経営計画」とし、目標値として2024年6月期に売上高185億円、営業利益25.0億円、営業利益率13.5%などを掲げた。基本戦略としては、「経営基盤強化」「コア事業の現場力強化」「商品事業の商品力強化」の3つの基本戦略で長期成長の土台を構築することで、2030年に向けて長期成長を可能にする社会作りを目指す。「経営基盤強化」では、1) 強い企業であるための組織・制度等の仕組み作り(人事制度の刷新、プロジェクト管理の高度化)、2) 社員が働き甲斐をもって仕事ができる環境作り(社内システムの改善、働き方改革の推進、社員満足度向上施策の推進)、3) 会社の財産である社員を増やし育成する人財創り(新卒・中途採用の積極化、教育・研修制度の拡充・体系化、資格取得報酬制度の拡充)を推進することで、現場力/商品力強化を支えてさらなる収益力の向上を目指すとともに、企業として強く成長するためのより健全な循環を生み出していく。「コア事業の現場力強化」では、1) 各種手法の標準化や知財の整備・活用、人材配置の適正化、2) 市場・技術の変化に早期に対応できる変化対応力の強化、3) 事業ポートフォリオの継続的な適正化、4) 顧客ニーズの深耕及びサービス提案型による顧客ビジネスの価値向上、5) 地方拠点拡大・戦力化の推進及びニアショア機能の強化などを推進する。また、これらの基本方針をもとに、ビジネスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業それぞれの施策を掲げている。具体的には、ビジネスソリューション事業では、開発標準化や知財整備・活用による生産性向上と請負案件規模の拡大、既存顧客の深堀とエンドユーザーまたはそれに近い新規顧客の開拓、請負・サービス主体のビジネスモデルに切り替え、全工程をワンストップで受注することなどを掲げている。また、エンベデッドソリューション事業では、自動車メーカー・半導体メーカー等の既存優良顧客との取引シェアアップ、車載関連の量産系開発分野の案件獲得、組込みシステム検証の標準手法を完成させて品質向上と業務拡大につなげる、得意領域であるIoTソリューションの創造と新規顧客開拓などを推進する。「商品事業の商品力強化」では、1) 既存商品の商品力強化により、大企業顧客を中心に拡販する、2) 得意分野の商品化及び採算化、3) AIによる音声認識やAIOCRなどニューノーマル社会に適合した製品の品揃え充実、4) 時代のニーズに適合する商品開発への継続した取り組みなどを推進する。Webセキュリティソリューション「WebARGUS」ではIoT版「WebARGUS」のビジネスチャンスを窺う。また、Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」では累計導入顧客数700社以上(2021年7月時点で515社)を目指すとともに、電子契約アウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」の本格展開も推進する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:07
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DIT Research Memo(6):「事業基盤の安定化」「成長要素の強化」の推進により、過去最高業績更新を目指す
■今後の見通し1. 2022年6月期の業績見通しデジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>の2022年6月期の連結業績予想は、売上高が前期比8.0%増の15,600百万円、営業利益が同10.3%増の1,900百万円、経常利益が同9.8%増の1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.2%増の1,318百万円を見込んでいる。「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸で事業を推進することで、12期連続増収増益・過去最高更新を目指す。コア事業であるソフトウェア開発事業が順調に伸長し、人材投資負担などを吸収する予定である。2. セグメント別重点施策(1) ソフトウェア開発事業ソフトウェア開発事業の売上高は前期比8.2%増の14,975百万円、このうちビジネスソリューション事業は同6.1%増の9,133百万円、エンベデッドソリューション事業は同11.0%増の5,022百万円、自社商品事業は同15.2%増の820百万円を計画している。「事業基盤の安定化」のために、変化対応力を生かしてさらなる事業基盤の拡大・安定化の路線を追求する。a) ビジネスソリューション事業業務システム開発では、業種を問わず需要を取り込める体制を構築し、既存顧客の深耕に加えて新規顧客の開拓を進めることで、規模の拡大と利益の向上を目指す。運用サポートはコロナ禍の影響を受けにくい領域であることから、需要に的確に対応することで規模の拡大と利益の向上を目指す。具体的には、金融系・医薬系・通信系・ERP関連の受注拡大、クラウドやAI等のDXを推進する技術案件の受注拡大、エンドユーザー直接契約案件の拡大及びサービス提案型ビジネスの推進、請負案件比率の向上及びプロジェクト管理の徹底、地方拠点の高度ニアショア開発センターとしての活用を重点施策に掲げている。b) エンベデッドソリューション事業エンベデッドソリューション事業のうち組込みシステム開発では、既存優良顧客との取引シェアアップに努めるとともに、IoT関連の拡大を図ることで成長を目指す。組込みシステム検証では、車載系、医療機器系、5G関連等に領域を広げることで成長を目指す。具体的には、自動車関連分野の維持拡大と産業機器分野の拡大、IoTの業界の枠を超えた展開、車載関連での量産系開発分野の案件獲得、組込みシステム検証の標準化による品質向上と業務拡大などを重点施策に掲げている。c) 自社商品事業自社商品事業は、サイバーセキュリティ需要や業務効率化需要の高まりを背景として引き合いが増加基調である。Webセキュリティソリューション「WebARGUS」に関しては、金融機関を中心に大規模ユーザーに積極的にアプローチするほか、トータルセキュリティサービス「DIT Security」としての提供拡大、自社クラウド環境でのサイバーセキュリティサービスの提供、Web広告・ウェビナー・DMによる顧客とのエンゲージメント強化、システムレジリエンス(自己検知・自己修復)思想に基づくIoT版「WebARGUS」の導入実現を推進する。Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」では、大規模ユーザーへの販売強化、ユーザーサポートの強化、プラスワン構想(RPAやERP等の他システムとの連携)推進による販売機会の拡大、クラウド環境での帳票処理サービスの提供、「xoBlos」をベースとしたRPA運用ポータルの製品化を推進する。新商品に関しては、電子契約アウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」の本格展開、「ShieldCMS」の販売開始に伴う市場開拓と早期受注、コロナ禍におけるニューノーマルな社会やSDGsに対応した、新サービスやDX関連サービスの提供を推進する。(2) システム販売事業システム販売事業は2020年6月期の特需剥落の反動を見込んだ計画となっており、売上高は前期比3.2%増の625百万円としている。長期安定取引による中小企業のDX化支援、顧客ニーズに対応したサービス提案の強化、専用業務パッケージ等の提案による新規顧客開拓を推進するとともに、規模の大きな顧客層にアプローチすることで、収益拡大を図る。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:06
注目トピックス 日本株
DIT Research Memo(5):2021年6月期は11期連続増収増益、計画を上回る大幅増益
■業績動向1. 2021年6月期の業績概要デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>の2021年6月期の連結業績は、売上高が前期比7.0%増の14,444百万円、営業利益が同27.3%増の1,722百万円、経常利益が同27.4%増の1,730百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同22.3%増の1,196百万円となった。11期連続増収増益で過去最高を更新したことに加え、2021年5月14日に発表した上方修正を上回って着地した。売上面でのコロナ禍の影響は軽微で、コア事業のソフトウェア開発事業が順調に伸長し、システム販売事業で前期にあった軽減税率対応の特需反動減をカバーした。利益面では、増収に伴う売上総利益の伸長及び売上総利益率の改善のほか、コロナ禍に伴う営業経費の減少なども寄与して、大幅増益となった。売上総利益は前期比7.6%増加し売上総利益率は24.7%(同0.1ポイント上昇)に、販管費は同6.0%減少し販管費比率は12.8%(同1.8ポイント低下)となった。また、営業利益率は同1.9ポイント上昇して11.9%となった。2. セグメント別の動向(1) ソフトウェア開発事業ソフトウェア開発事業の売上高は前期比8.5%増の13,838百万円、営業利益は31.3%増の1,669百万円となった。各サブセグメントとも順調に推移し、特にビジネスソリューション事業の運用サポート及び自社商品事業が伸長した。a) ビジネスソリューション事業ビジネスソリューション事業の売上高は前期比9.8%増の8,604百万円、このうち業務システム開発が同7.5%増の4,891百万円、運用サポートが同12.9%増の3,712百万円となった。既存顧客を中心に需要が伸びるとともに収益性が向上した。業務システム開発は、従来から進めている事業ポートフォリオの見直し(金融系が漸減傾向のため一部要員を成長分野にシフト)に伴い主力の金融系は減少傾向であるものの、利益率の高いERP関連や医薬系・公共系を中心に案件獲得が増加した。運用サポートはコロナ禍の影響も小さく、ここ1~2年の間に獲得した新規顧客との取引規模が拡大した結果、売上・利益ともに大幅に伸長したほか、売上構成比も上昇した。b) エンベデッドソリューション事業エンベデッドソリューション事業の売上高は前期比5.0%増の4,522百万円、このうち組込みシステム開発が同5.2%増の3,518百万円、組込みシステム検証が同4.2%増の1,003百万円となった。注力分野である自動車関連がコロナ禍の影響を受けることを想定したうえで対策を実施した結果、全体としておおむね順調に推移した。組込みシステム開発では、車載系が前期並みを確保するとともに半導体系、IoT関連(モバイル系、通信系、家電系など)が大きく伸びたほか、産業系の市場開拓が進んだ結果、売上・利益ともに前期を上回った。また、組込みシステム検証では車載系の減少を5G関連(モバイル端末・基地局)がカバーした結果、売上・利益ともに前期を上回った。c)自社商品事業自社商品事業の売上高は前期比16.8%増の712百万円となった。コロナ禍による対面営業の制約があったものの、積極的な事業展開により前期を上回って着地した。Webセキュリティソリューション「WebARGUS」は大規模顧客が本格的に稼働したほか、Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」も伸長した。また、2020年10月に販売を開始した電子契約アウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」は、住宅建設業を中心に受注確度の高い案件が増加した。(2) システム販売事業システム販売事業の売上高は前期比18.1%減の605百万円、営業利益は同37.4%減の52百万円となった。前期の軽減税率導入に伴う特需からの反動減により、減収減益となった。無借金経営で自己資本比率は70.9%と、財務面で高い健全性を維持3. 財務状況2021年6月期末の資産合計は前期末比1,024百万円増加し6,388百万円となった。流動資産は1,074百万円増加し5,664百万円となったが、主な要因は現金及び預金が933百万円増加したことによる。負債合計は同157百万円増加し1,861百万円となった。流動負債は115百万円増加し、固定負債は42百万円増加した。また、純資産合計は同866百万円増加し4,526百万円となった。この結果、自己資本比率は同2.7ポイント上昇して70.9%となった。同社は無借金経営であり、利益剰余金が順調に積み上がっていることから、引き続き高い健全性が維持されていると言えるだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:05
注目トピックス 日本株
出来高変化率ランキング(14時台)~リネットJG、ギフトなどがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [9月15日 14:58 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<3996> サインポスト 28778500 67840 42321.14% 52.73%<1840> 土屋HD 4257900 140560 2929.24% 10.36%<3823> アクロディア 8115900 633080 1181.97% 1.08%<4175> coly 377500 30460 1139.33% 14.79%<3556>* リネットJG 634600 69380 814.67% 1.78%<3326> ランシステム 441400 48620 807.86% 0.8%<6208> 石川製 357300 43300 725.17% 1.29%<9279> ギフト 707500 88880 696.02% 12.38%<2138> クルーズ 242800 30900 685.76% -1.18%<6630> ヤーマン 3449700 463440 644.37% 26.74%<7033> MSOL 1059400 169000 526.86% 11.06%<4431> スマレジ 681700 108980 525.53% -4.65%<7059> コプロHD 386100 62400 518.75% 8.07%<9384> 内外トランス 156200 25420 514.48% 9.31%<3267> フィルカンパニー 145600 23760 512.79% 7.11%<7625> ダイニング 599700 98620 508.09% 2.3%<7378> アシロ 715000 131280 444.64% -10.61%<4051> GMO-FG 65200 12880 406.21% 6.29%<3665> エニグモ 1263400 250900 403.55% -11.35%<9110> ユナイテド海 1661500 357360 364.94% 12.01%<4446> Link-U 507300 112140 352.38% -12.52%<6905> コーセル 412300 93680 340.12% 2.42%<7095> MacbeeP 311200 72900 326.89% 19.82%<4011> ヘッドウォータ 148300 35780 314.48% 18.16%<3921> ネオジャパン 308900 74560 314.30% 3.99%<7590> タカショー 697400 183340 280.39% -12.46%<7810> クロスフォー 144700 39060 270.46% -0.4%<6336> 石井表記 1049300 285240 267.87% -4.04%<3984> ユーザローカル 159700 46660 242.26% 2.63%<8927> 明豊エンター 1266100 373900 238.62% -11.84%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
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2021/09/15 15:04
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DIT Research Memo(4):ソフトウェア開発事業及びシステム販売事業を展開(2)
■事業概要2. 特徴・強みデジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>は、事業の基本戦略として「5つの基本的な事業戦略」を掲げ、リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化)、イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)、競合から協業へ(協業による事業拡大)、開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)、人材調達・人材育成(採って育てる)を推進している。同社の強みは、幅広い業種で大手企業(大手自動車・自動車部品メーカー、大手通信キャリアなど)を中心に強固な顧客基盤を有していること、高いエンドユーザー売上比率で顧客と密接な接点を持っていることである。この強みによって、ビジネスソリューション事業では受託開発から運用サポートまでを受注しやすく、リピート比率やリプレイス比率も高水準を維持している。また、顧客の新製品開発などに直接関わることにより、技術・ノウハウが蓄積され、成長ドライバーと位置付ける自社商品・サービスのラインナップ拡充にもつながっている。グループ全体の取引先は約2,800社(2021年6月期)で、ソフトウェア開発事業は上場企業及びその関係会社、システム販売事業は中小企業向けを主力としている。また、ソフトウェア開発事業の業種別の売上高構成比は、車載や半導体を中心とする製造、金融、通信で全体の約4分の3を占めているほか、エンドユーザーから直接受注するエンドユーザー売上比率は約80%と高水準となっている。3. リスク要因・収益特性ソフトウェア開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクトや品質不具合の発生、技術革新への対応の遅れ、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係変化、法的規制などがある。このうち企業のIT・DX投資については、一時的な抑制・停滞が発生しても中長期的に高水準に推移することが予想され、同社にとって事業環境悪化への懸念は小さい。不採算プロジェクトや品質不具合の発生について、同社では一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施するプロジェクトリスク委員会を開催し、リスクの早期発見、不採算案件の抑制及び継続的な品質向上に努めている。また、プロジェクトマネジメント推進部において、プロジェクト開発における実行可能性検証、進捗管理、品質管理、リスク管理全般を統括し、収益性と顧客満足度の向上を図っている。技術革新への対応について、同社では常に新技術を利用したシステム構築に挑戦しており、迅速な環境変化に対応できるよう技術者の採用・教育、開発環境の整備を進めている。人材の確保・育成に関しては、地方拠点(愛媛県松山市、宮城県仙台市)を活用することで、地元志向の優秀な人材を採用・育成するとともに、高度ニアショア開発によって価格競争への対応も図っている。また、社員満足度向上への取り組みにより、社員定着に努めるとともに、協力会社との連携を強化することにより優秀な外注要員の安定的な調達も図っている。なお、収益に関する季節要因として、売上高・営業利益とも年度末にあたる第3四半期(1~3月)の構成比が高く、営業利益は新入社員受け入れや期末手当などにより第4四半期(4~6月)に減少する傾向がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:04
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DIT Research Memo(3):ソフトウェア開発事業及びシステム販売事業を展開(1)
■事業概要1. 事業概要デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>は独立系の情報サービス企業として、ソフトウェア開発事業(サブセグメントはビジネスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業、自社商品事業)及びシステム販売事業を展開している。技術力と知的財産を事業基盤として、ビジネスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業及びシステム販売事業を安定成長としての収益基盤、自社商品事業及び新規事業を成長分野と位置付けている。2021年6月期のセグメント別売上高推移については、売上構成比95.8%(ビジネスソリューション事業59.6%、エンベデッドソリューション事業31.3%)のソフトウェア開発事業が順調に拡大している。自社商品事業は、売上規模は小さいものの順調に拡大しており、2021年6月期の売上構成比は前期比0.4ポイント上昇の4.9%まで拡大している。一方、システム販売事業の売上高は横ばい、売上構成比は低下傾向で、2021年6月期の売上構成比は同1.3ポイント低下の4.2%となっている。(1) ソフトウェア開発事業ソフトウェア開発事業は、サブセグメントをビジネスソリューション事業(業務システム開発及び運用サポート)、エンベデッドソリューション事業(組込みシステム開発及び組込みシステム検証)、自社商品事業(自社開発のサイバーセキュリティ商品、業務効率化商品)としている。a) ビジネスソリューション事業ビジネスソリューション事業では、業務システム開発及び運用サポートを展開している。業務システム開発は金融業、医療・製薬業、通信業、運輸業、製造業、公共等の幅広い分野において、Web系、基幹系、フロント業務からバックオフィス業務などのシステム受託開発を行っている。一方、運用サポートは顧客の業務システムの運用をサポートする事業として、サポートデスク業務、インフラ(サーバ、ネットワーク等)構築・維持管理運用業務を行っている。なお、業務システム開発は各分野の大手顧客の事業領域に沿った継続的ビジネスのため、安定収益源となる。売上面では、業務システム開発及び運用サポートとも順調に拡大している。特に、安定収益源となる運用サポートが拡大しており、売上構成比も上昇基調となっている。b) エンベデッドソリューション事業エンベデッドソリューション事業では、組込みシステム開発及び組込みシステム検証を展開している。組込みシステム開発は車載機器、モバイル機器、情報家電機器分野を中心に、機器のファームウェア、デバイス機器の制御、アプリケーション等、システム全体にわたるソフトウェア受託開発を行っている。特に、今後成長が見込める車載機器を注力分野と位置付けている。また、モバイル機器ではIoT関連のモバイルアプリ開発を、通信機器では無線基地局や仮想ネットワークなどのソフトウェア受託開発を行っている。一方、組込みシステム検証は車載機器、医療機器、通信機器、モバイル機器分野を中心に、製品に対する品質や性能の検証業務の受託及び検証業務を通じて機能や製品の改善提案を行っている。ラボ試験やフィールド試験から最終的な品質検証となるシステム総合試験まで、様々な検証業務を行っている。なお、海外で実施するフィールド試験については、必要に応じてDIT Americaに委託している。売上面では、組込みシステム開発及び組込みシステム検証ともに順調に拡大しており、売上構成比に大きな変化はない。c) 自社商品事業自社商品事業のうち、サイバーセキュリティ商品ではウェブサイト改ざんを瞬間検知・瞬間復旧するWebセキュリティソリューション「WebARGUS(ウェブアルゴス)」、フィッシングメール対策ソリューション「APMG®」、業務効率化商品ではExcel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos(ゾブロス)」などを主力としている。また2020年10月には、電子契約アウトソーシング型サービス「DD-CONNECT(ディ・ディ・コネクト)」を開始している。2021年6月期の売上構成比は「WebARGUS」が約3割、「xoBlos」が約6割、その他が約1割のもようである。Webセキュリティソリューション「WebARGUS」は、ウェブサイト等の改ざんを発生と同時に検知して、瞬時に元の正常な状態に復元できる新しい方式のセキュリティソリューションである。外部サイバーセキュリティ専門会社(フィンランドのF-Secure、SSH Communications Security)との協業を進めるなど、「WebARGUS」を核とする大企業向けトータルセキュリティサービスのラインナップ拡充を推進している。Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」は、Excelベースの非効率な業務を自動化することで劇的に業務を効率化できるとともに、予算実績管理ソリューション及び各種RPAや各種ERP製品とシームレスに連携する機能も兼ね備えている。累計導入社数は2021年7月時点で515社となっている。販売面に関しては、子会社のDITマーケティングサービスと一体となった体制を強化し、商品力の面では、データの価値を高める「xoBlosプラスワン」構想を推進している。電子契約アウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」は、同社と大興電子通信<8023>が協業して日鉄ソリューションズ(株)の電子契約クラウド「CONTRACTHUB(コントラクトハブ)@absonne(アブソンヌ)」の導入〜運用・維持の一連の作業を代行するアウトソーシング型サービスである。(2) システム販売事業システム販売事業は、DITマーケティングサービスが中小企業向けにカシオ計算機<6952>製の業務支援及び経営支援の基幹システム「楽一」の販売を行っている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:03
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DIT Research Memo(2):独立系のシステムインテグレーター
■会社概要1. 会社概要デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>は独立系のシステムインテグレーターである。経営理念に「社員の生活を守り、且つ社会に貢献する」を掲げ、付加価値の追求と変化への対応に取り組み、経営の安定成長を目指している。本社所在地は東京都中央区八丁堀、事業所は川崎事業所(神奈川県川崎市川崎区)、大阪事業所(大阪府大阪市西区)、愛媛事務所(愛媛県松山市)、東日本センター(宮城県仙台市宮城野区)にある。また、グループは同社及び連結子会社2社(DITマーケティングサービス(株)、DIT America,LLC.)で構成されている。2021年6月期末時点の総資産額は6,388百万円、純資産額は4,526百万円、資本金は453百万円、自己資本比率は70.9%、発行済株式数は15,501,820株(自己株式253,489株含む)となっている。2. 沿革同社の創業は、1982年7月に東洋コンピュータシステム株式会社を設立したことによる。2002年1月には持株会社の東洋アイティーホールディングス(株)を設立し、東洋コンピュータシステム、日本オートマトン(株)、東洋テクノ(株)の3社を完全子会社化、同年12月に東洋ユースウエアサービス(株)を完全子会社化した。その後、2006年1月に東洋アイティーホールディングスが子会社4社を吸収合併して、商号をデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社に変更した。2006年5月には東洋インフォネット(株)(現 DITマーケティングサービス)を完全子会社化し、同年10月には本社を東京都中央区八丁堀に移転、2011年1月には海外事業を展開する連結子会社DIT Americaを設立した。株式関係では、2015年6月に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式上場した。2016年5月には東京証券取引所市場第二部に市場変更し、2017年3月に東京証券取引所市場第一部銘柄に指定された。なお、同社は、東京証券取引所及び(株)日本経済新聞社が共同で算出する「JPX日経中小型株指数」の2021年度構成銘柄に継続して選定されている。また、2022年4月4日に移行される新市場区分に関しては、東京証券取引所から新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果を受領し、プライム市場への上場維持基準に適合していることを確認した。今後、取締役会にて決議し、所定の申請スケジュールに従って手続きを進めるとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:02
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DIT Research Memo(1):独立系の情報サービス企業で、強固な顧客基盤と高いエンドユーザー売上比率が強み
■要約1. 会社概要デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>は独立系の情報サービス企業で、ソフトウェア開発事業とシステム販売事業を展開している。主力のソフトウェア開発事業では、サブセグメントをビジネスソリューション事業(業務システム開発及び運用サポート)、エンベデッドソリューション事業(組込みシステム開発及び組込みシステム検証)、自社商品事業(自社開発のサイバーセキュリティ商品、業務効率化商品)としている。技術力と知的財産を事業基盤として、ビジネスソリューション事業とエンベデッドソリューション事業及びシステム販売事業を安定成長としての収益基盤、自社商品事業及び新規事業が成長分野と位置付けている。同社は、事業の基本戦略として「5つの基本的な事業戦略」を掲げ、リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化)、イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)、競合から協業へ(協業による事業拡大)、開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)、人材調達・人材育成(採って育てる)を推進している。また、同社の強みとしては、幅広い業種で大手企業を中心に、強固な顧客基盤(グループ全体の取引先は約2,800社)を有していること、高いエンドユーザー売上比率(約80%)で顧客と密接な接点を持っていることである。この強みによって、ビジネスソリューション事業では受託開発から運用サポートまでを受注しやすく、リピート比率やリプレイス比率も高水準を維持している。また、顧客の新製品開発などに直接関わることにより、技術・ノウハウが蓄積され、成長ドライバーと位置付ける自社商品・サービスのラインナップ拡充にもつながっている。2. 2021年6月期の業績概要2021年6月期の連結業績は、売上高が前期比7.0%増の14,444百万円、営業利益が同27.3%増の1,722百万円、経常利益が同27.4%増の1,730百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同22.3%増の1,196百万円となった。11期連続増収増益で過去最高を更新したことに加え、2021年5月14日に発表した上方修正を上回る大幅増益で着地した。コア事業のソフトウェア開発事業が全般的に伸長し好業績を牽引したほか、利益面では増収に伴う売上総利益の増加や新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う販管費の低減などが寄与した。3. 2022年6月期の業績見通し2022年6月期の連結業績予想は、売上高が前期比8.0%増の15,600百万円、営業利益が同10.3%増の1,900百万円、経常利益が同9.8%増の1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.2%増の1,318百万円としている。「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸で事業を推進することで、12期連続増収増益・過去最高更新を目指す。コア事業であるソフトウェア開発事業が順調に伸長し、人材投資負担などを吸収する予定である。4. 成長戦略前中期経営計画(2017年6月期~2021年6月期)では、経営目標として掲げた「5年以内のトリプル10」(売上高100億円、営業利益10億円、営業利益率10%)を1年前倒しで達成した。この結果、新たに策定した長期ビジョン「2030年ビジョン」では2030年6月期に売上高500億円、営業利益50億円達成を掲げ、第1ステージとなる新中期経営計画(2022年6月期~2024年6月期)では2024年6月期に売上高185億円、営業利益25.0億円、営業利益率13.5%を経営目標に掲げた。オーガニック成長に加えてM&Aも積極活用する方針としているが、市場環境は良好であることから、長期ビジョン達成に向けた戦略を着実に推進することで、さらなる成長が期待できる。■Key Points・独立系の情報サービス企業で、ビジネスソリューション事業とエンベデッドソリューション事業が安定成長・2021年6月期は11期連続増収増益、計画を上回る大幅増益・2022年6月期は「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸で事業を推進することで、12期連続増収増益・過去最高更新を目指す・2030年6月期に売上高500億円、営業利益50億円を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2021/09/15 15:01