注目トピックス 日本株
DIT Research Memo(5):2021年6月期は11期連続増収増益、計画を上回る大幅増益
配信日時:2021/09/15 15:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2021年6月期の業績概要
デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>の2021年6月期の連結業績は、売上高が前期比7.0%増の14,444百万円、営業利益が同27.3%増の1,722百万円、経常利益が同27.4%増の1,730百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同22.3%増の1,196百万円となった。11期連続増収増益で過去最高を更新したことに加え、2021年5月14日に発表した上方修正を上回って着地した。
売上面でのコロナ禍の影響は軽微で、コア事業のソフトウェア開発事業が順調に伸長し、システム販売事業で前期にあった軽減税率対応の特需反動減をカバーした。利益面では、増収に伴う売上総利益の伸長及び売上総利益率の改善のほか、コロナ禍に伴う営業経費の減少なども寄与して、大幅増益となった。売上総利益は前期比7.6%増加し売上総利益率は24.7%(同0.1ポイント上昇)に、販管費は同6.0%減少し販管費比率は12.8%(同1.8ポイント低下)となった。また、営業利益率は同1.9ポイント上昇して11.9%となった。
2. セグメント別の動向
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業の売上高は前期比8.5%増の13,838百万円、営業利益は31.3%増の1,669百万円となった。各サブセグメントとも順調に推移し、特にビジネスソリューション事業の運用サポート及び自社商品事業が伸長した。
a) ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の売上高は前期比9.8%増の8,604百万円、このうち業務システム開発が同7.5%増の4,891百万円、運用サポートが同12.9%増の3,712百万円となった。既存顧客を中心に需要が伸びるとともに収益性が向上した。業務システム開発は、従来から進めている事業ポートフォリオの見直し(金融系が漸減傾向のため一部要員を成長分野にシフト)に伴い主力の金融系は減少傾向であるものの、利益率の高いERP関連や医薬系・公共系を中心に案件獲得が増加した。運用サポートはコロナ禍の影響も小さく、ここ1~2年の間に獲得した新規顧客との取引規模が拡大した結果、売上・利益ともに大幅に伸長したほか、売上構成比も上昇した。
b) エンベデッドソリューション事業
エンベデッドソリューション事業の売上高は前期比5.0%増の4,522百万円、このうち組込みシステム開発が同5.2%増の3,518百万円、組込みシステム検証が同4.2%増の1,003百万円となった。注力分野である自動車関連がコロナ禍の影響を受けることを想定したうえで対策を実施した結果、全体としておおむね順調に推移した。組込みシステム開発では、車載系が前期並みを確保するとともに半導体系、IoT関連(モバイル系、通信系、家電系など)が大きく伸びたほか、産業系の市場開拓が進んだ結果、売上・利益ともに前期を上回った。また、組込みシステム検証では車載系の減少を5G関連(モバイル端末・基地局)がカバーした結果、売上・利益ともに前期を上回った。
c)自社商品事業
自社商品事業の売上高は前期比16.8%増の712百万円となった。コロナ禍による対面営業の制約があったものの、積極的な事業展開により前期を上回って着地した。Webセキュリティソリューション「WebARGUS」は大規模顧客が本格的に稼働したほか、Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」も伸長した。また、2020年10月に販売を開始した電子契約アウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」は、住宅建設業を中心に受注確度の高い案件が増加した。
(2) システム販売事業
システム販売事業の売上高は前期比18.1%減の605百万円、営業利益は同37.4%減の52百万円となった。前期の軽減税率導入に伴う特需からの反動減により、減収減益となった。
無借金経営で自己資本比率は70.9%と、財務面で高い健全性を維持
3. 財務状況
2021年6月期末の資産合計は前期末比1,024百万円増加し6,388百万円となった。流動資産は1,074百万円増加し5,664百万円となったが、主な要因は現金及び預金が933百万円増加したことによる。負債合計は同157百万円増加し1,861百万円となった。流動負債は115百万円増加し、固定負債は42百万円増加した。また、純資産合計は同866百万円増加し4,526百万円となった。この結果、自己資本比率は同2.7ポイント上昇して70.9%となった。同社は無借金経営であり、利益剰余金が順調に積み上がっていることから、引き続き高い健全性が維持されていると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 2021年6月期の業績概要
デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>の2021年6月期の連結業績は、売上高が前期比7.0%増の14,444百万円、営業利益が同27.3%増の1,722百万円、経常利益が同27.4%増の1,730百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同22.3%増の1,196百万円となった。11期連続増収増益で過去最高を更新したことに加え、2021年5月14日に発表した上方修正を上回って着地した。
売上面でのコロナ禍の影響は軽微で、コア事業のソフトウェア開発事業が順調に伸長し、システム販売事業で前期にあった軽減税率対応の特需反動減をカバーした。利益面では、増収に伴う売上総利益の伸長及び売上総利益率の改善のほか、コロナ禍に伴う営業経費の減少なども寄与して、大幅増益となった。売上総利益は前期比7.6%増加し売上総利益率は24.7%(同0.1ポイント上昇)に、販管費は同6.0%減少し販管費比率は12.8%(同1.8ポイント低下)となった。また、営業利益率は同1.9ポイント上昇して11.9%となった。
2. セグメント別の動向
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業の売上高は前期比8.5%増の13,838百万円、営業利益は31.3%増の1,669百万円となった。各サブセグメントとも順調に推移し、特にビジネスソリューション事業の運用サポート及び自社商品事業が伸長した。
a) ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の売上高は前期比9.8%増の8,604百万円、このうち業務システム開発が同7.5%増の4,891百万円、運用サポートが同12.9%増の3,712百万円となった。既存顧客を中心に需要が伸びるとともに収益性が向上した。業務システム開発は、従来から進めている事業ポートフォリオの見直し(金融系が漸減傾向のため一部要員を成長分野にシフト)に伴い主力の金融系は減少傾向であるものの、利益率の高いERP関連や医薬系・公共系を中心に案件獲得が増加した。運用サポートはコロナ禍の影響も小さく、ここ1~2年の間に獲得した新規顧客との取引規模が拡大した結果、売上・利益ともに大幅に伸長したほか、売上構成比も上昇した。
b) エンベデッドソリューション事業
エンベデッドソリューション事業の売上高は前期比5.0%増の4,522百万円、このうち組込みシステム開発が同5.2%増の3,518百万円、組込みシステム検証が同4.2%増の1,003百万円となった。注力分野である自動車関連がコロナ禍の影響を受けることを想定したうえで対策を実施した結果、全体としておおむね順調に推移した。組込みシステム開発では、車載系が前期並みを確保するとともに半導体系、IoT関連(モバイル系、通信系、家電系など)が大きく伸びたほか、産業系の市場開拓が進んだ結果、売上・利益ともに前期を上回った。また、組込みシステム検証では車載系の減少を5G関連(モバイル端末・基地局)がカバーした結果、売上・利益ともに前期を上回った。
c)自社商品事業
自社商品事業の売上高は前期比16.8%増の712百万円となった。コロナ禍による対面営業の制約があったものの、積極的な事業展開により前期を上回って着地した。Webセキュリティソリューション「WebARGUS」は大規模顧客が本格的に稼働したほか、Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」も伸長した。また、2020年10月に販売を開始した電子契約アウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」は、住宅建設業を中心に受注確度の高い案件が増加した。
(2) システム販売事業
システム販売事業の売上高は前期比18.1%減の605百万円、営業利益は同37.4%減の52百万円となった。前期の軽減税率導入に伴う特需からの反動減により、減収減益となった。
無借金経営で自己資本比率は70.9%と、財務面で高い健全性を維持
3. 財務状況
2021年6月期末の資産合計は前期末比1,024百万円増加し6,388百万円となった。流動資産は1,074百万円増加し5,664百万円となったが、主な要因は現金及び預金が933百万円増加したことによる。負債合計は同157百万円増加し1,861百万円となった。流動負債は115百万円増加し、固定負債は42百万円増加した。また、純資産合計は同866百万円増加し4,526百万円となった。この結果、自己資本比率は同2.7ポイント上昇して70.9%となった。同社は無借金経営であり、利益剰余金が順調に積み上がっていることから、引き続き高い健全性が維持されていると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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