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注目トピックス 日本株
ユニリタ Research Memo(4):2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、減収減益(1)
*13:04JST ユニリタ Research Memo(4):2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、減収減益(1)
■決算動向1. 2025年3月期決算の概要ユニリタ<3800>の2025年3月期の業績は、売上高は前期比2.5%減の11,687百万円、営業利益は同17.8%減の840百万円、経常利益は同14.0%減の1,001百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.1%減の716百万円と、期初予想を下回る減収減益となった。売上高は、旺盛なマイグレーション需要を捉えた自動化事業の伸長などにより「プロダクトサービス」が好調に推移したものの、「クラウドサービス」における新規受注の遅れやSI事業の「プロフェッショナルサービス」のSI事業における既存パートナーからの受注減により減収となった。時系列で見れば、クラウドサービスを中心とする上期の進捗遅れを下期での巻き返しでカバーしきれなかった格好だ。損益面でも、減収による収益の下押しに加え、「クラウドサービス」における原価率アップや生成AI活用などの研究開発費の増加、社会課題やデータサイエンス分野への積極投資などにより減益となった。営業利益率も7.2%(前期は8.5%)に低下した。財政状態については特筆すべき動きはなく、総資産は前期末比2.5%減の15,366百万円に縮小した。一方、自己資本は同2.1%増の11,971百万円に増加したことから、自己資本比率は77.9%(前期末は74.4%)に改善した。事業別の業績は以下のとおりである。(1) プロダクトサービス売上高は前期比1.7%増の4,468百万円、セグメント利益は同5.0%増の1,286百万円と増収増益となった。売上高は、自動化事業が「2025年の崖」問題※1に伴うマイグレーション需要※2を捉え、主力商品「A-AUTO」などが大きく伸長し、過去最高件数を受注した。帳票事業も「まるっと帳票クラウドサービス」がDX推進や業務効率化を進める企業ニーズに対応して順調に伸びている。また、市場が縮小傾向にあるメインフレーム事業についても、メインフレームベンダーの市場撤退に伴う新規顧客獲得などにより大きく上振れた。さらに残存者利益を獲得するため、メインフレーム領域の技術及び人材面を補完するパートナーとの協業も開始した。損益面では、クラウド基盤の仕入原価高騰による影響を受けたものの、利益率の高いメインフレーム事業の上振れを中心とする増収による収益の押し上げにより、増益を実現することができた。セグメント利益率も28.8%(前期は27.9%)と高水準がさらに高まった。※1 経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」と呼ばれる資料の中で使用された用語。本レポートでは、日本国内の企業が市場で勝ち抜くためにはDXの推進が必要不可欠であり、DXを推進しなければ業務効率・競争力の低下は避けられないとしており、競争力が低下した場合の想定として、2025年から年間で現在の約3倍、約12兆円もの経済損失が発生すると予測されており、これを「2025年の崖」と表現している。※2 システムやハードウェア、ソフトウェア、データなどを現在とは別の環境やプラットフォーム、バージョンに移行すること。富士通のメインフレーム撤退によるレガシーマイグレーションなども含む。(2) クラウドサービス売上高は前期比1.4%増の3,693百万円、セグメント損失は412百万円(前期は99百万円の損失)と微増収ながら損失幅が拡大した。売上高は、IT活用クラウドが2,468百万円となった。サービスシフトと品質向上の両立を目指す企業からのサービスマネジメント導入ニーズが拡大するなかで、主力商品「LMIS」は同7.1%増と順調に拡大した。一方、データマネジメント案件及び情報セキュリティを含むID管理及びSSO案件などへの引き合い増を受けて、「Waha! Transformer」(データ加工・連携クラウドサービス)や「infoScoop×Digital Workforce」(リモートワーク推進サービス)の提案件数は増加傾向にあるものの、新規獲得の伸び悩みや大型案件の失注などにより伸び悩み、下振れ要因となった。事業推進クラウドは1,248百万円となった。リモートワークから出社勤務に戻す企業の増加やパートナーとの協業により「らくらくBOSS」(通勤費管理サービス)が伸びた。一方、「DigiSheet」及び「The Staff-V」(人材派遣業向け人事管理サービス)は景気回復に伴う人材派遣業界の活況により案件は増加傾向にあるものの、受注プロセスに課題を残し想定よりも伸び悩んだ。「Growwwing」(カスタマーサクセスの立ち上げと成長支援サービス)はコンサルティングを含めた案件の引き合いが増えているようだ。ソーシャルクラウドは257百万円となった。地方自治体において公共交通の課題解決に向けた取り組みが本格化するなか、現状把握のためのデータ収集と分析等を支援する持続的社会の構築を支援するデジタル基盤「Community MaaS」の引き合いが増加しているものの、2025年3月期中には成約には至らなかった。一方、当サービス全体の損益は、減収による収益の下押しに加え、サービス提供体制増強にかかるコスト増などにより損失幅が拡大した。(3) プロフェッショナルサービス売上高は前期比10.6%減の3,525百万円、セグメント利益は同17.9%減の303百万円と減収減益となった。売上高は、コンサルティング事業が同4.0%増の1,039百万円となった。企業のデータドリブン経営への取り組みやITベンダー各社におけるシステム運用ビジネス拡大などを背景に、データマネジメント・サービスマネジメント領域ともに好調に推移した。SI事業は同20.7%減の1,932百万円となった。大口パートナーからの受注減少及び一括請負案件の減少が響いた。しかしながら、メジャークラウドに精通した技術者育成などにより高付加価値領域のシフトを進め、収益性は改善傾向にあるようだ。アウトソーシング事業は同9.3%増の555百万円となった。DX投資を背景としたシステム運用のアウトソーシング需要が拡大した。損益面では、SI事業の落ち込みのほか、技術者育成にかかる費用やデータサイエンス分野への積極投資により大幅な減益となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 13:04
注目トピックス 日本株
ユニリタ Research Memo(3):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(2)
*13:03JST ユニリタ Research Memo(3):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(2)
■会社概要2. 企業特長ユニリタ<3800>は、「共感をカタチにし、ユニークを創造するユニリタグループへ」というビションのもと、「Create Your Business Value ~ITの力で、一歩先の未来を創造する~」をミッションに掲げ、社名の由来でもある「ユニークと利他」を共通の価値観としている。同社の特長として以下の3点が挙げられる。(1) 独立系の自社開発パッケージソフトウェアメーカー創業時からの主力事業であるシステム運用及びメインフレーム向け製品は、コンピュータの規模やメーカーなどの制約を受けることなく、システムのスムーズな運用を可能としている点に強みがある。競合するメーカー系製品では、ハード部分だけをほかのメーカーに切り替えることができないため、顧客にとって柔軟なシステム構築を妨げる要因となっているが、同社製品はそうした制約を受けず、柔軟なシステム構築を可能にする。また、同社の主力事業における提供価値は、ITシステム運用の自動化及び効率化への貢献に集約される。最近では、各企業が提供する顧客サービスの品質向上においても重要な役割を担うようになっており、同社がその分野に特化して積み上げてきた実績やノウハウは、製品及びサービスの性能発揮、そして提案力の強化に貢献している。システム導入に際して代理店任せの傾向が多く見られるなか、同社製品は金融機関や大手企業を中心に直販で提供されてきた。システム更新時にリプレースで採用されるケースが多いのは、その裏付けと言えるだろう。さらに、同社が運営を受託している「システム管理者の会」(日本最大規模のシステム管理者のネットワーク)は、個人会員数19,000名、賛同企業数は400社を超え、同社がこの分野をけん引する存在であることを示している。今後は、顧客ニーズの変化に合わせ、これまでの製品販売による提供方法から、クラウドの活用とシステム運用を組み合わせた継続課金型の収益モデルへの転換により、顧客との関係をさらに密接にする方針である。(2) メインフレーム向けの安定収益源を次の成長分野へ投資同社収益の大部分が「プロダクトサービス」で占めているが、そのなかでも「メインフレーム事業」の利益率は50%を超える水準にあり、安定的な収益源として同社の業績を支えている。それを可能としているのは、同社製品及びサービスへの信頼のほか、顧客のスイッチングコスト(システムを入れ替えることにより発生するコスト)の高さにも起因していると考えられる。「メインフレーム事業」はオープン化の進展などの外部環境の影響※により縮小傾向が続いているものの、残存者利益を享受するポジショニングや底堅い需要の継続により、しばらくはキャッシュカウ(資金源)の役割を担っていくことが想定される。したがって、その資金をクラウドサービスなどの成長分野への投資に振り向けることができるのは、同社にとって大きなアドバンテージと考えられる。※ なお、富士通<6702>は2030年にメインフレームの製造・販売から撤退する方針を表明した。ユーザー企業は、保守期間の終了までにクラウドなどへの移行が求められることになる。(3) サービス&データマネジメントを生かしたトータル提案に強みこれまでの事業構造変革を通じて、従来の情報システム部門から事業部門、管理部門へとサービス提供範囲を拡大し、ITシステム運用の自動化・効率化に貢献するだけでなく、企業価値を創出する分野へと事業領域の拡充に取り組んできた。消費トレンドがモノからコトへと変化し、企業のサービス提供モデルも販売型からサービス型(定額利用料形式)へと移行する流れが加速するなか、データ活用の重要性が一層高まっている。こうした状況において、顧客事業の「攻め」と「守り」の両面を支援できる体制が、同社の優位性である。同社では、システム運用とデータ活用領域で培ってきた「サービスマネジメント」「データマネジメント」をコアコンピタンスと再定義し、それらを生かした企業の事業変革とIT課題解決を支援する方向性を掲げている。2022年3月期にグループ機能を「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つのセグメントに再編した。特に「プロフェッショナルサービス」では、横断的なグループエコシステムを構築し、コンサルティングを起点としたプロダクト及びクラウドセグメントの各種サービスの導入支援、システムインテグレーション、アウトソーシングまでをワンストップで提供可能な体制を確立している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 13:03
注目トピックス 日本株
ユニリタ Research Memo(2):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(1)
*13:02JST ユニリタ Research Memo(2):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(1)
■会社概要1. 事業概要ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにデータ活用とシステム運用に関する製品・サービス開発と販売、周辺システム開発、コンサルテーション事業を手掛けている。創業以来、金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けの製品が安定収益源であり、高い収益性を維持している。また、過去においては、顧客のジョブ管理や帳票管理など、ITシステム運用の自動化、効率化に貢献することで同社の業績も着実な成長を遂げてきた。システムのオープン化やダウンサイジング化の進展、クラウドの普及、ビッグデータの活用など外部環境の変化を受けて、それまでのITシステム運用の自動化、生産性向上など効率化に貢献する分野に加えて、顧客の企業価値向上に直接貢献する市場拡大や競争力の向上などの分野へと事業領域を拡充してきた。特に、企業の情報システム部門だけでなく事業部門における各サービスの提供モデルにもDXの流れが加速しており、ITの「攻め」と「守り」の両面において、顧客のDXニーズに対応するための事業体制の確立が同社の強みとなっている。最近では、同社自身のビジネスモデルのクラウド活用により自社サービスを提供する継続課金型の収益モデルへの移行やデジタル技術を活用した社会課題解決ビジネスなどにも取り組んでいる。事業セグメントは、「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つに区分される。創業以来の主力である「プロダクトサービス」の売上高構成比は約38%であり、営業利益率が高いため収益源となっている。今後は、成長分野である「クラウドサービス」を大きく伸ばす戦略である。各事業の概要は以下のとおりである。(1) プロダクトサービスシステム運用領域にかかわるプロダクト(自動化、帳票等)をオンプレミス型※1並びにサービス型で提供している。また、創業以来の主力事業であり、金融機関や生損保、大手製造業を中心としたメインフレーム向け製品(基幹業務システムの運用管理)の販売・サポートも展開している。主力製品には、ジョブ管理ツール「A-AUTO」(自動化事業)※2や帳票業務をまとめて支援する「まるっと帳票クラウドサービス」※3などがある。※1 サーバやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に設置して運用すること。※2 「A-AUTO」は、異なるプラットフォームで稼働するシステムのジョブを統合管理し、自動実行制御を実現するバッチ処理のジョブ管理ツール。※3 顧客の面倒な帳票の出力業務(帳票の印刷・郵送代行から、電子化・Web配信まで)をまとめて支援するサービス。(2) クラウドサービスサービス提供による課題解決領域を「IT課題」(IT活用クラウド事業)、「事業課題」(事業推進クラウド事業)、「社会課題」(ソーシャルクラウド事業)の3つのカテゴリに区分し、それぞれの特性に合わせたサービスを提供している。1) IT活用クラウド事業では、「LMIS」(サービスマネジメントプラットフォーム)※1や、「infoScoop × Digital Workforce」(リモートワーク推進サービス)、「Waha! Transformer」(データ変換・加工処理サービス)などを企業の情報システム部門向けに展開している。2) 事業推進クラウド事業では、「DigiSheet」(人材派遣業向け勤怠管理サービス)、「らくらくBOSS」(業務管理の統合ソリューション)、「CommuRing」(企業間コミュニケーションを支援するサービス)、「Growwwing」(カスタマーサクセスの立ち上げと成長支援サービス)などを企業の事業部門・管理部門向けに展開しており、今後の成長分野として位置付けている。また、3) ソーシャルクラウド事業では、公共交通と地域活性化の実現を支援する「Community MaaS」※2を地方自治体や公共交通機関向けに推進している。※1 企業のサービスデスク機能(システムの不具合や、技術サポートなどユーザーの問い合わせに対応する窓口)を中心としたサービスマネジメントプラットフォーム。※2 子会社の(株)ユニ・トランドが、複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせ、路線検索や予約・決済などを一括で行うサービスであるMaaSに、移動の目的を促すサービスを連携させ、そのサービスで収集したデータを活用できるプラットフォーム。(3) プロフェッショナルサービスグループ企業を主体とし、データ・サービスマネジメント領域における専門性を生かしたコンサルティングからシステム導入支援、システムインテグレーション、アウトソーシングまでのサービスをワンストップで提供している。顧客数(同社製品の導入実績数)は2,000社を超え、大手企業による導入実績が多く見られる。業種別売上構成比では、幅広い業種に対応しているが、製造、小売・流通、金融・保険の比率が高い。販売チャネルは、従来は直販が中心であったが、最近ではパートナー企業(販売代理店)との協業によるソリューション提供力の強化に取り組んでおり、パートナー企業数も100社に達した。また、Webマーケティングにも注力しており、Webマーケティングからの案件化の仕組みも確立している。主な連結子会社は、システム運用コンサルティング事業を展開する(株)ビーエスピーソリューションズと中国の販売拠点である備実必(上海)軟件科技有限公司のほか、(株)ヒューアップテクノロジー(人材ビジネス業界向けサービス)、(株)データ総研(データ活用に関するコンサルティング事業)、(株)ユニ・トランド(地方公共交通向け移動体IoTサービスの提供)、(株)ユニリタプラス(西日本地域の顧客への販売強化及びパートナー企業との連携)、(株)無限(システムインテグレーション事業、自社パッケージソフトの開発・販売など)、(株)ユニリタエスアール(システム運用代行業務及び技術支援サービスの提供)の計8社となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 13:02
注目トピックス 日本株
ユニリタ Research Memo(1):2025年3月期は減収減益。パートナーとの連携を強化し巻き返しを目指す
*13:01JST ユニリタ Research Memo(1):2025年3月期は減収減益。パートナーとの連携を強化し巻き返しを目指す
■要約1. 会社概要ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにデータ活用とシステム運用に関する製品・サービス開発と販売、周辺システム開発、コンサルテーション事業を手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減など)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「サービスマネジメント」と「データマネジメント」領域における強みを生かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、「サービスシフト」の経営方針の下、クラウド活用による自社サービス提供を特徴とする継続課金型収益モデルへの移行やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)ビジネスなどに取り組み、ビジネスモデルの変革を進めてきた。3ヶ年の中期経営計画が2025年3月期にスタートし、初年度が経過した。「Re.Connect 2026」という基本方針の下、ビジョンとして掲げる「共感をカタチにし、ユニークを創造するユニリタグループへ」の実現に向け、「サービス提供型事業の拡大」「新たな価値提供モデルの確立」「事業プロセスの変革」の3つの事業戦略をさらに推進する方針だ。また、人的資本投資の加速を含め、持続的な成長に向けたサステナビリティ基盤をさらに強化し、グループの経営資源とITソリューション力を生かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の双方を実現する考えだ。2025年6月には社名変更から10年という節目を迎え、あらためて同社グループのパーパス(存在意義)を「利他で紡ぐ経済をつくる」と制定し公表した。2. 2025年3月期決算の概要2025年3月期の業績は、売上高は前期比2.5%減の11,687百万円、営業利益は同17.8%減の840百万円と期初予想を下回る減収減益となった。売上高は、旺盛なマイグレーション需要を捉えた自動化事業の伸長などにより「プロダクトサービス」が好調に推移したものの、「クラウドサービス」における新規受注の出遅れや「プロフェッショナルサービス」のSI事業における既存パートナーからの受注減により減収となった。損益面でも、減収による収益の下押しに加え、「クラウドサービス」における原価率アップや生成AI活用などの研究開発費の増加、社会課題やデータサイエンス分野への積極投資などにより減益となった。3. 2026年3月期の業績予想2026年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比7.0%増の12,500百万円、営業利益を同24.9%増の1,050百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き「プロダクトサービス」が好調に推移するとともに、前期に伸び悩んだ「クラウドサービス」のテコ入れに取り組む。また、「プロフェッショナルサービス」についても、良好な受注環境を背景にコンサルティングやアウトソーシングが好調を維持するほか、既存パートナーからの受注が縮小したSI事業においては高付加価値領域へのシフトを進める考えだ。損益面では、戦略的投資を継続しながらも、利益率の高い「プロダクトサービス」の伸びや「クラウドサービス」の黒字化、「プロフェッショナルサービス」の付加価値向上により大幅な増益を目指す。4. 中期経営計画の方向性中期経営計画では、コアコンピタンスを「サービスマネジメント」と「データマネジメント」に再定義したうえで、コンサルティングを起点とするグループ一体となった新たな価値提供モデルの確立を目指している。特に、クラウド成長領域への投資を継続し、協業パートナーとの連携を含む価値共創の推進により、各クラウドカテゴリーのスケールアップの実現を目指す。2025年3月期の「クラウドサービス」の遅れを踏まえ数値目標を引き下げたが、今後の方向性に大きな変更はない。最終年度2027年3月期の目標として、売上高132.5億円、営業利益11.5億円、ROE7.4%を掲げており、利益成長に伴う増配にも意欲的である。■Key Points・2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、計画を下回る減収減益・「プロダクトサービス」は、マイグーション需要やDXに伴うIT投資意欲を背景に受注環境が良好であり、引き合い件数は順調に拡大・2026年3月期は戦略的パートナーとの連携を強化し、増収増益を見込む・中期経営計画を減額修正。2027年3月期は売上高132.5億円、営業利益11.5億円を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 13:01
注目トピックス 日本株
東京計器:日本を代表する計測・制御機器の総合メーカー、防衛関連で注目も複数事業でニッチトップ製品保有
*12:46JST 東京計器:日本を代表する計測・制御機器の総合メーカー、防衛関連で注目も複数事業でニッチトップ製品保有
東京計器<7721>は、日本を代表する計測・制御機器の総合メーカーであり、1896年の創業以来、125年以上にわたり、社会インフラや産業、そして防衛分野において重要な役割を果たしてきた。同社は、4つのセグメント及びその他の事業に分かれ、その中に大きく11の事業がある。4つのセグメントは船舶港湾機器事業、油空圧機器事業、流体機器事業、防衛・通信機器事業である。各セグメントはそれぞれ独自の技術基盤と市場ニーズに支えられており、同社の収益基盤を支える柱となっている。船舶港湾機器事業では、ジャイロコンパスやオートパイロット、電子海図情報表示装置といった航行支援システムが国内外の海運・関係者から高い支持を得ており、グローバル展開も進んでいる。油空圧機器事業では、産業機械向けに、省エネ・制御性に優れた油空圧機器を供給、建設機械向けは主に特装車向けに油圧製品と各種信号を制御する電子機器などを供給している。流体機器事業では、超音波流量計を世界で初めて実用化した実績とマイクロ波によるレベル計があり、流量測定や水位監視の分野で高い評価を得ている。防衛・通信機器事業は、長年の技術蓄積に基づく高性能なレーダー警戒装置を航空機向けに、高精度な慣性航法装置を艦艇・潜水艦向けに提供するなど、防衛省をはじめとする官公庁との信頼関係を構築している。対気緒元計算装置(ADC)はブルーインパルスの機体にも搭載されている。その他事業の一つである鉄道機器事業では、列車の運行安全を支えるためにレール内の見えない傷を点検する超音波レール探傷車を展開し、保守性と信頼性の高さから7割以上の鉄道各社に採用されている。同社の強みは、9つのコア技術(マイクロ波応用、ジャイロ応用、慣性センサー応用、超音波応用、油空圧制御、ソフトウェア、情報通信、画像処理、精密加工)を融合した製品設計にあり、国内外のニッチ市場でトップシェアを獲得している。特に計測・認識・制御に特化したソリューションは、AIやIoT、ビッグデータといった新技術との親和性が高く、次世代製品の創出にもつながっている。また、同社は船舶機器、防衛装備品、油空圧制御機器といった分野において独自の強みを発揮している。たとえば、ジャイロコンパスにおいては国内外で高いシェアを維持しており、防衛分野では数十年にわたる納入実績と技術支援により官公庁からの評価が高い。また、鉄道関連機器についても、長寿命かつ高精度の製品群によって運行の安全性を確保する重要なインフラの一翼を担っている。具体的には、船舶港湾機器事業のオートパイロット、ジャイロコンパスが世界の商船60%以上・国内内航船80%以上、油空圧機器事業の油圧機器(産業機器向け国内プラス チック射出成形機用)が約40%、流体機器事業の超音波流量計が国内上下水道・農業用水向け60%以上、防衛・通信機器事業の船舶通航業務(VTS)システムが全国の海上交通センター向け100%、地震計用加速度計が気象庁向け約80%、アンテナ自動指向装置が国内TV局の報道ヘリ搭載90%以上、鉄道機器事業の超音波レール探傷車がJR各社・民間鉄道会社向け70%以上、と同社のニッチトップ製品は数多い。まさに、安全な社会や暮らしの基盤を支えている国内屈指の優良企業である。2025年3月期の売上高は57,650百万円(前期比22.2%増)、営業利益4,856百万円(同75.4%増)と堅調な増収増益を記録した。全ての利益項目で大幅な増益となり、営業利益、経常利益は過去最高を更新。防衛関連機器の需要増加に加え、船舶機器の堅調な販売等が要因となっている。特に、防衛事業を含む防衛・通信機器事業は、防衛予算の増加を背景に航空機用レーダー警戒装置や航空機用部品等の納入が好調に推移したことから、高収益に寄与した。2026年3月期の売上高は59,600百万円(同3.4%増)、営業利益3,890百万円(同19.9%減)を計画している。防衛・通信機器事業をはじめとして売上高の増加が見込まれるものの、人件費の増加や本社移転に伴う費用の発生が見込まれることが原因である。また、今期は設備投資額が7,953百万円(前期比約2倍)と将来の成長のための投資に重点を置いており、防衛事業の開発案件に対応するほか、各種生産設備の更新及び増強に加えて本社移転に伴う投資を計画している。市場環境においては、防衛費の増加、インフラの老朽化への対応、新エネルギー分野での設備投資の拡大など、同社にとって追い風となる要素が多い。特に、政府主導の安全保障政策やGX(グリーントランスフォーメーション)推進による水素ステーション、宇宙・航空分野における新規需要の創出が進む中、東京計器の技術資産は新たな成長機会を捉えるポテンシャルを秘めている。また、エッジAI技術の進化により、同社が強みとするセンサー・制御技術の価値はさらに高まるとみられる。同社は中期経営計画を上方修正しており、2027年3月期の売上高683億円(従来計画603億円)、営業利益55.8億円(同48.1億円)を掲げている。2025年3月期に計画外で受注した防衛事業における大型研究開発案件、及び堅調な船舶港湾機器事業の見通し等を反映している。また、長期的には、「東京計器ビジョン2030」に基づき、2030年度までに連結売上高1,000億円以上、連結営業利益100億円以上の達成を掲げており、研究開発費・設備投資・人的資本への投資を戦略的に進めている。持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るステージへと転換していくために、売上高の拡大だけではなく利益の拡大にも重点を置いた基本方針に変更しており、今後は「AI」「水素」「宇宙」「鉄道」等の成長ドライバーの展開と既存事業の強化を図っていく。新規分野にも注力し、技術革新と市場ニーズの双方を取り込むことで事業ポートフォリオの多様化を図っていく。株主還元方針においては、安定配当を基本としつつ、業績や投資計画に応じて柔軟な資本政策を実施している。2025年3月期においても35.0円で前期比2.5円増、安定的かつ継続的な株主還元に努めている。また、2026年3月期の予想は40.0円。また、株主優待も導入しており、対象となる株主の保有株式数に応じてポイントを贈呈。ポイントを株主限定の特設ウェブサイト「東京計器プレミアム優待倶楽部」において商品と交換できる。総じて、同社は伝統的なものづくり企業としての信頼と実績に加え、技術革新と社会課題解決に挑む姿勢を明確にしており、今後の成長が期待される企業である。既存事業の深化と新規領域への積極展開を両立する戦略は、中長期的な企業価値向上をもたらす可能性が高く、投資対象としての注目度も今後一層高まる可能性があろう。
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2025/07/02 12:46
注目トピックス 日本株
ROBOT PAYMENT---「請求管理ロボ」「サブスクペイ」月額利用料金を価格改定
*12:33JST ROBOT PAYMENT---「請求管理ロボ」「サブスクペイ」月額利用料金を価格改定
ROBOT PAYMENT<4374>は1日、主力サービスである「請求管理ロボ」および「サブスクペイ」の月額利用料金を、2025年7月利用分より改定すると発表した。政府による請求業務の電子化推進や企業のDX化の加速を背景に、両サービスが担う役割の重要性が増しており、同社は今後も機能の拡充やセキュリティ強化を積極的に推進していく。価格改定の具体的内容は、「請求管理ロボ」が月額3,000円(税抜)、「サブスクペイ(クレジットカード)」が月額1,500円(税抜)の値上げとなる。現状のサービス品質を維持するとともに、さらなる向上を図るための措置であり、MRR(毎月繰り返し得られる収益)の向上が期待できる。同社は、利用企業の請求業務の効率化と高度化に貢献する製品提供を目指し、今後も継続的なシステム開発に注力する。
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2025/07/02 12:33
注目トピックス 日本株
アール・エス・シー Research Memo(10):2025年3月期は1株当たり年間24円。2026年3月期も同水準
*12:10JST アール・エス・シー Research Memo(10):2025年3月期は1株当たり年間24円。2026年3月期も同水準
■株主還元策アール・エス・シー<4664>は、安定的な経営成績の確保及び経営基盤の維持増強に努めるとともに、株主に対する利益配分を最重要事項の1つとして認識し、配当性向(単体ベース)30%以上を継続して実施することを目標としている。2025年3月期の年間配当については、前期比4円増配、期初予想比9円増配となる1株当たり24円(中間7円、期末17円)を実施した。2026年3月期においても前期と同額の1株当たり24円(中間7円、期末17円)を予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:10
注目トピックス 日本株
アール・エス・シー Research Memo(9):サステナビリティ基本方針を策定するとともに、マテリアリティを特定
*12:09JST アール・エス・シー Research Memo(9):サステナビリティ基本方針を策定するとともに、マテリアリティを特定
■サステナビリティ経営アール・エス・シー<4664>は、「“人”と“地域との関係性”を重視し、お客さまに信頼されるサービスを提供することにより、企業価値の向上と地域発展に貢献する」ことを念頭にサステナビリティ基本方針を定めるとともに、1) お客様からの信頼を礎にした事業活動と法令遵守意識の徹底、2) 人的資本経営とダイバーシティの推進、3) 地域社会への積極的な関わり、4) DXによるナレッジ蓄積とサービスクオリティの向上、5) 地球環境への配慮の5項目をマテリアリティ(重点課題)として特定した。2025年3月期も各マテリアリティに対して様々な取り組みを行ってきた。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:09
注目トピックス 日本株
アール・エス・シー Research Memo(8):ソリューション提案やエリア管理体制構築、新技術導入で成長基盤を作る
*12:08JST アール・エス・シー Research Memo(8):ソリューション提案やエリア管理体制構築、新技術導入で成長基盤を作る
■アール・エス・シー<4664>の中期経営計画1. 中期経営計画の方向性(今後の成長戦略)5ヶ年の中期経営計画の最終年度である2026年3月期を迎え、1) 収益力の向上(ソリューション提案、エリア管理体制の構築)、2) 技術力の強化(サービス品質の維持/向上、新技術の導入)、3) 職場環境の改善(従業員エンゲージメントの向上、女性の活躍推進)、4) 経営基盤の強化(持続的な成長の実現、環境への配慮)を基本戦略として、持続的な利益成長の基盤づくりに引き続き取り組んでいる。特に、競争力や収益性の向上に向けては、「サンシャインシティモデル」を軸とするワンストップソリューションの提供、池袋エリア及び丸ノ内・有楽町エリアを中心とするエリア管理体制の拡充、他社との連携による警備DXの推進などに注力している。また、今後の成長戦略については、質の高いビルマネジメント業務、ビルメンテナンスサービスの提供を目指し、M&Aを中心とした投資戦略(基盤事業の強化と事業ポートフォリオの拡充)、及び人を生かすDX戦略(他社との協業を軸とする生産性・付加価値の高いサービス)の推進により、総合的な提案力を生かしたワンストップソリューションサービス(サンシャインシティモデル)を提供していくことを掲げている。2. これまでの進捗中期経営計画が2021年4月にスタートしてから、1) 丸ノ内エリアにおけるエリア管理体制の構築(2021年7月)、2) 巡回清掃管理における埼玉エリアの拡大(2022年3月)、3) セコムとの業務提携によるセキュリティロボット「cocobo」の導入(2022年6月)、4) 内装工事等を手掛ける友和商工の子会社化(2023年2月)、5) 有楽町地区における東宝日比谷プロムナードビルの警備業務開始(2023年2月)、6) 埼玉エリアでの複合施設の清掃業務受託並びに各エリアの巡回清掃業務拡大、7) AI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携によるサイシャインシティでの行動認識AIの実証実験開始(2024年9月から本格運用)、並びにサンシャインシティプリンスホテルで行動認識AIを活用した警備業務の開始(2024年4月)、8) 飛鳥コンテナ埠頭での警備業務開始(2024年4月)、9) 清掃業務を手掛けるクリーンフォースのグループイン(2025年1月)などで実績を上げることができた。また、業績目標についてもおおむね達成見込みである。3. 2026年3月期の重点取り組み(1) 基本戦略1 収益力の向上1) 新たな顧客の獲得と事業領域の拡大、2) 利益率の改善と安定的な利益の確保、3) 大阪・関西方面の警備業務の確実な実行に取り組む。1)については、既に、新たに竣工する大型複合施設の警備業務(2棟)及び関西エリアの清掃業務(1棟)などを獲得しており、今後の業績への寄与が期待できる。また、2)については、労務費上昇に対応する価格転嫁の推進、並びに事業機会を確実に取り込むための人材確保(300名を計画)を計画している。(2) 基本戦略2 技術力の強化DXを進めた業務サービスの提供に注力する。引き続き、大規模施設への警備DXの導入による警備業務の効率化、省人化を進めるとともに、新たなサービスの開発にも取り組む。(3) 基本戦略3 環境職場の改善1) 活力ある、働きやすい職場環境への改善取り組み、2) 全般的な人財育成のスピードアップと採用活動の活性化に取り組む。1)については、従業員の待遇改善、スマイルプロジェクトによる女性の職域拡大と働きやすい職場環境の整備の推進、2)については、資格取得の推奨とサポート、自社研修施設を活用した教育の実施、採用活動における地域採用の推進と多角化などを掲げている。(4) 基本戦略4 経営基盤の強化1) M&A及びアライアンス戦略の活性化による事業・業績の拡大、2) コンプライアンス経営の徹底とサステナビリティ推進活動の全社化に取り組む。特に1)については、警備部門の人材確保と業態拡大、並びに警備・清掃業務のDX化の加速を目的としたものを構想しているようだ。4. 中長期の注目点中期経営計画は最終年度を迎えたが、引き続き警備・清掃DXの推進や人的資本の強化、外部リソースの活用(アライアンス・M&A)等により持続的な利益成長の基盤づくりに取り組む方向性に変更はないと弊社では見ている。特に、警備・清掃DXの加速が最大の目玉になるものと見ており、次の中期経営計画でどのような戦略が打ち出されるのかに注目したい。優位性を確固たるものにしていくためには、アライアンスやM&Aへの取り組み、DXを活用した「サンシャインシティモデル」の進化が大きなカギを握ることは明らかであり、そういった視点から今後の動向をフォローする必要があるだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:08
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アール・エス・シー Research Memo(7):2026年3月期は減収も営業利益は前期並みで中計の目標達成の見通し
*12:07JST アール・エス・シー Research Memo(7):2026年3月期は減収も営業利益は前期並みで中計の目標達成の見通し
■アール・エス・シー<4664>の業績見通し1. 2026年3月期の業績見通し中期経営計画の最終年度となる2026年3月期の連結業績については、売上高を前期比6.2%減の8,300百万円、営業利益を同0.3%減の300百万円、経常利益を同3.3%減の300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同9.6%増の205百万円と見込んでおり、売上高、営業利益は中期経営計画を達成する見通しだ。減収となるのは、前期業績に大きく寄与した大型周年イベントの反動減によるものである。一方、その反動減を大阪・関西万博の警備を受注したことに加え、前期に開始した警備・清掃部門の新規受託案件による通年寄与、さらには新たに竣工する大型複合施策の警備業務並びに関西エリアの清掃業務の受注によりカバーし、減収ながら営業利益は前期並みを確保する見通しだ。営業利益率も労務費上昇に対応する適正な価格転嫁等により3.6%(前期は3.4%)への改善を図る。2. 弊社の見方同社の業績予想の前提はマイナス要因を合理的に見積もる一方、プラス要因については慎重に見極めた保守的な水準であると見ている。特に、例年、期初時点では読み切れない臨時契約の受注が上振れ要因となっていることを考慮すれば、その部分が業績のアップサイドとなる可能性については今後も注意深く見守る必要があろう。また、原価上昇分の価格転嫁の進捗も収益性の改善に向けて重要な材料と捉えている。中長期で注目すべきは、中期経営計画の最終年度として、次のステージに向けてどのような仕上げをしていくのかにある。特に、次期中期経営計画の目玉になると考えられる警備DXの動きには目が離せない。サンシャインシティプリンスホテルにおけるAI警備システムの導入等を契機に、他のホテルや施設等への提案力、さらには相手側からの関心も格段に高まっているようで、今後いかに具体的な案件に結び付けていくのかがポイントになるだろう。また、実績が積み上がってくれば、様々な技術やノウハウを持つ有望なパートナーを惹きつけ、アライアンスやM&Aのチャンスも増えてくることが予想される。警備業界では人手不足問題が大きなボトルネックとなっており、日本有数の集客力を誇る大型複合施設の建物総合管理サービスを手掛けるアドバンテージを生かし、DX化で先行することができれば、これからの大きな飛躍に向けて視界が開けてくると見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:07
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アール・エス・シー Research Memo(6):ホテルや大型複合施設へのAI警備システム導入等に注目すべき進展あり
*12:06JST アール・エス・シー Research Memo(6):ホテルや大型複合施設へのAI警備システム導入等に注目すべき進展あり
■アール・エス・シー<4664>の主な活動実績1. 警備DX(AI警備システム)の導入実績業務提携先であるアジラ※1との連携により、サンシャインシティプリンスホテルでAI警備システム『AI Security asilla』(以下、asilla)を活用した警備業務を開始(2024年4月)すると、これまで実証実験を進めてきたサンシャインシティの各エリアにおいてもAI警備システムの本格運用を開始(2024年9月)した。さらに、2025年3月からは、HazeraTower(池袋)※2でもAI警備システムの実証実験を開始しており、着々と階段を上がってきた。※1 同社とアジラは2023年8月16日に業務提携契約を締結した。アジラの開発するAI警備システム『asilla』を同社が運用管理する施設などに導入することにより、次世代セキュリティシステムの構築を目している。※2 2020年7月にグランドオープンした、東京都豊島区東池袋に位置する複合施設であり、オフィスビル、商業施設、劇場、公園などで構成される。行動認識AIを使用した『asilla』は、防犯カメラの映像から、瞬時に人の行動を解析し通知を行うため、不審行動の早期発見や転倒事故などへの迅速な対応を可能にする。事故発生時の即時対応を可能にするシステムの活用によって、一層の安全・安心・快適なサービスの提供を目指すとともに、警備員の省人化や警備員による顧客対応時間の拡充により警備全体の品質向上を図る考えだ。また、「サンシャインシティプリンスホテル」への導入については、同社としてあらためてホテル業界の警備に参入するものであり、『asilla』のホテル業界への本格導入は初となる。これを足掛かりに革新的な警備サービスによる差別化を図り、ホテル業界を含め、様々な施設警備をDX提案により、開拓していく戦略であり、既に一定の手応えをつかんでいるようだ。2. 清掃業務を手掛けるクリーンフォースの子会社化2025年1月に、ビル、店舗、マンション、住宅等の清掃業を手掛けるクリーンフォースの株式取得により子会社化した。同社では、清掃業務の売上拡大・品質改善などによる体制強化を戦略テーマの1つに掲げており、2024年4月にはビルマネジメント事業部内に「清掃グループ」を新設した。クリーンフォースの子会社化は、その取り組みの一環であり、業績への影響は軽微であるものの、クリーンフォースと同社清掃グループとの協業による清掃業務の事業拡大及び品質向上に狙いがある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:06
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アール・エス・シー Research Memo(5):2025年3月期はマイナス要因を打ち返し、期初計画を上回る増収増益
*12:05JST アール・エス・シー Research Memo(5):2025年3月期はマイナス要因を打ち返し、期初計画を上回る増収増益
■アール・エス・シー<4664>の決算概要1. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.2%増の8,845百万円、営業利益が同6.0%増の301百万円、経常利益が同3.4%増の310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、最終利益)が同23.6%減の187百万円と、期初計画(売上高8,103百万円、営業利益152百万円、経常利益152百万円、最終利益79百万円)を上回る増収増益となった。なお、最終利益のみが前期比で減益となったのは、投資有価証券売却益(特別利益)のはく落によるものである。売上高は、前期好調だった臨時業務受注(グループ会社友和商工の工事業務)の反動減、並びに予定されていた官公庁大型長期案件の終了による影響(約10億円の減収要因)があったものの、建物総合サービス(警備・清掃部門等)での新規業務の開始や、大型周年イベント業務の受託(約13億円の増収要因)により増収となった。特に期初計画を上回ったのは、大型周年イベントにおける仕様変更による影響が大きかったほか、建設工事や設備部門が上振れたことが要因である。損益面については、期初計画に沿った人的資本投資(賃上げ等)や物価上昇に伴う建設資材等の高騰がコスト要因となったものの、増収による収益の底上げより増益を確保した。営業利益率は3.4%(前期は3.5%)とほぼ横ばいで推移した。財政状態について大きな動きはなく、長期借入金の返済に伴う現預金の減少等により総資産は前期末比1.0%減の4,160百万円とわずかに縮小した。一方、自己資本は利益剰余金の積み増しにより同5.9%増の2,178百万円に拡大したことから、自己資本比率は52.4%(前期末は49.0%)に改善した。セグメントごとの業績及び活動実績は以下のとおりである。(1) 建物総合管理サービス事業売上高は前期比4.2%減の6,879百万円、セグメント利益は同6.8%減の626百万円と減収減益となった。売上高は、前期好調だった友和商工による内装工事の反動減や官公庁との長期大型契約の終了により減収となった。ただ、建物総合サービス(警備・清掃部門等)での新規案件※1の開始に加え、設備部門における臨時案件※2や工事部門における大型工事※3などを数多く受注したことで計画を上回った。損益面では、減収による収益の下押しに加え、人的資本投資及び建築資材等の高騰により減益となり、セグメント利益率は7.1%(前期は8.3%)に低下した。一方、活動面では、サンシャインシティプリンスホテルにてAI警備システムを取り入れた警備業務を開始したほか、サンシャインシティ各エリアにおける本格運用、さらにはHarezaTower(池袋)での実証実験の開始など、警備DXの実現に向けて進展を図った。※1 大型シティホテル、都内大型物流施設に加え、グループ会社RSC中部による飛鳥コンテナ埠頭等の大型警備業務案件を複数獲得。※2 大型家電量販店の昇降機設備等のリニューアル業務並びに学校給食センターの設備機器の修繕業務など。※3 サンシャインシティのシャッター改修工事など。(2) 人材サービス事業売上高は前期比114.2%増の1,966百万円、セグメント利益は同231.2%増の119百万円と大幅な増収増益となった。こちらも官公庁大型長期案件の終了による影響が大きかったものの、大型周年イベント業務の受託(及び仕様変更)などにより大きく伸長し、計画を上回る増収となった。損益面でも、人件費等の費用増を増収によりカバーし大幅な増益となった。セグメント利益率も1.3%(前期は0.4%)に改善した。2. 2025年3月期の総括2025年3月期を総括すると、官公庁との長期大型契約(警備保障・人材サービス)の終了による影響があったなかで、それを打ち返すだけの受注を獲得できたことは、好調な受注環境と同社の幅広い需要を取り込む総合力(警備保障のほか、イベント運営、清掃業務、設備・建設工事等)を実証したものと評価できる。収益基盤である施設警備は年間契約ということで比較的安定しているが、最近の社会情勢を背景に需要が高まっているイベント関連業務や設備工事等のスポット受注が業績の上振れ要因となっている点には今後も注意が必要となろう。活動面では、他社との連携によるAI警備システムの本格運用などで注目すべき成果を上げることができ、人材不足が課題となっている警備業界において、業務効率や差別化を図るうえでも大きなアドバンテージとなる可能性が高い。また、今後の伸びしろの1つとして取り組んでいる清掃業務の体制強化に向けては、M&Aの実現((株)クリーンフォースのグループイン)や清掃ロボットの導入(埼玉エリアの複合施設)など具体的な動きが出てきた。今後いかに規模拡大や新技術の導入等により効率化を図っていくのかがカギを握ると弊社では見ており、これからの展開に期待したい。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:05
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アール・エス・シー Research Memo(4):売上高はコア施設を軸に安定推移。利益は収益体質の強化で着実に成長
*12:04JST アール・エス・シー Research Memo(4):売上高はコア施設を軸に安定推移。利益は収益体質の強化で着実に成長
■アール・エス・シー<4664>の業績動向これまでの業績を振り返ると、売上高はコアとなる継続受託施設を軸として安定推移してきた。逆の見方をすれば、成長性に欠けるとの評価もできるが、この数年はトップラインの伸びよりも収益性の改善に注力してきたことや、そもそも労働集約的な事業特性であることから社内リソースの制約を受けてきたことも、その要因として考えられる。利益面では、2017年3月期に新規受注業務への先行費用などにより営業損失を計上したものの、その後は収益体質の強化に取り組み、着実な利益成長を実現してきた。特に2021年3月期に収益化が遅れていた介護サービス事業から撤退すると、丸ビルの警備業務を開始した2022年3月期には上場以降、過去最高水準の営業利益となり、営業利益率も3.8%の水準にまで引き上がった。2023年3月期はM&Aなどに係る先行費用により一旦減益となったが、2024年3月期は内装工事を手掛ける友和商工の連結効果等により大幅な増益を実現した。2025年3月期は人的資本投資や原価上昇等により利益率はやや停滞したものの、増収による収益の底上げにより高い利益水準を確保した。財政状態を見ると、総資産は2022年3月期まで大きな変動なく推移してきた。一方、自己資本は内部留保を着実に積み増してきたことから自己資本比率は上昇傾向をたどってきた。なお、2023年3月期に総資産が拡大した一方、自己資本比率が低下したのは、友和商工を連結化したことによる。もっとも、自己資本比率は約45%の水準を確保するとともに、M&Aに係るのれん計上額も122百万円(2024年3月末時点)に留まることから、財務の安全性に懸念はない。また、資本効率を示すROEについては、ほぼ営業利益率と連動して改善傾向をたどり、2022年3月期には10%近くの水準に到達した。2023年3月期は先行費用により減益となったことでROEも低下したが、2024年3月期は営業利益率の改善と有価証券売却益(一過性要因)が重なり12.4%に大きく上昇した。2025年3月期は一過性要因のはく落や原価増により8.8%の水準に落ち着いた。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:04
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アール・エス・シー Research Memo(3):ワンストップソリューションに加え、新技術の導入でも差別化を図る
*12:03JST アール・エス・シー Research Memo(3):ワンストップソリューションに加え、新技術の導入でも差別化を図る
■アール・エス・シー<4664>の企業特長(1) ワンストップソリューションの提供警備保障、清掃、設備・工事はもとより、受付、イベント運営等の人材サービスなど、施設や入居するオフィス・テナント向けに幅広いサービスをワンストップで提供できるところは、とりわけ大規模複合施設を受託するうえで大きな差別化要因となっている。顧客にとっては、それぞれを別々に委託し管理するよりはるかに効率が良く、同社にとっても施設当たりの単価向上や収益性向上につなげることができる。同社では、重要なパートナーとして強固な関係を築いてきたサンシャインシティへの総合的なソリューション提供を「サンシャインシティモデル」としてモデル化し、他の大規模総合施設等へも展開していく考えである。(2) エリア管理体制の構築同社のコア事業である警備保障を中心に、個々施設への配置から、エリア単位での管理により省人化を推進しているところも戦略的な特長と言える。すなわち、前述したワンストップソリューションを点から面へ展開するイメージである。業界として人材不足が課題となるなかで、エリア単位で集積度を高めていくことで効率的な警備員の配置や管理・運営が可能となり、その結果、顧客にとっても警備保障に係るコスト効果を高めることが可能となる。同社では、重点エリアである池袋地区(合計29施設)、日本のビジネスの中心地である丸ノ内・有楽町地区(合計12施設)を中心にエリア管理体制の拡充を図る考えであり、特に池袋地区においては、サンシャインシティとの連携を進めていく。(3) 新技術の導入に向けたアライアンスの強化業界DX化に向けて、機械化や新技術の導入にも積極的である。2019年9月にはセコムと締結した業務提携契約に基づき、サンシャインシティで自律走行型巡回監視ロボット「セコムロボット X2」を活用した実証実験を開始し、有効性や安全性等が確認できたため、2022年6月にはセコムから最先端技術を活用して業務を行うセキュリティロボット「cocobo」を導入し、サンシャインシティでのサービスを開始した。また、2023年4月には監視カメラによる実証実験を開始したほか、2023年8月にはAI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携契約を締結し、サンシャインシティでの実証実験(2024年9月から本格運用)、並びにサンシャインシティプリンスホテルにてAI警備システムを活用した警備業務を開始するなど、新技術の導入に向けたアライアンスに積極的に取り組んでいる。なお、このような独自技術を有するアライアンス先との業務提携を可能としているのは、サンシャインシティとの相互に戦略的な関係があるからにほかならない。アライアンス先にとっては、日本有数の集客力を誇るサンシャインシティにおいて、自ら開発した技術を導入し、さらに完成度を高める機会を得ることは大きなステップになる。前述した「サンシャインシティモデル」についても、新技術の導入という新たな価値提案が加わることにより、今後さらに発展していくことが期待される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:03
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アール・エス・シー Research Memo(2):ビル管理・人材サービスを展開。機械化とAI等の新技術活用にも積極的
*12:02JST アール・エス・シー Research Memo(2):ビル管理・人材サービスを展開。機械化とAI等の新技術活用にも積極的
■事業概要アール・エス・シー<4664>の事業セグメントは、「建物総合管理サービス事業」と「人材サービス事業」の2つで、「建物総合管理サービス事業」が売上高全体の約80%を占める。各事業の概要は以下のとおりである。(1) 建物総合管理サービス事業官公庁、民間企業の事務所ビルをはじめ、店舗、ホテル、病院等各種建物に対する警備保障、清掃、オフィスサービス(受付など)、設備管理などを行っている。「サンシャインシティ」や「丸ビル」など、日本を代表するビルの管理業務を含め、コアとなる継続受託施設数は200を上回る(臨時受託並びに巡回警備を除く)。仙台支店、名古屋支店、大阪支店のほか、子会社には(株)アール・エス・シー中部(名古屋)や友和商工(株)(東京)、新たにグループインした(株)クリーンフォース(東京)を有するが、東京地区における売上高構成比が高い。また、任意団体「警備員研修所」の運営にも携わっており、サービスの品質向上や人材育成にも注力している。2018年1月には警備品質の向上や新サービスの創造等を目的にセコムと業務提携契約を締結し、セキュリティロボットやAI活用などで連携を図っている。2023年8月にはAI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携を締結した。(2) 人材サービス事業1986年からスタートした事業であり、オフィス・事務関連、営業・販売・サービス関連、IT関連、製造・物流・軽作業、イベント関連などで構成されている。「建物総合管理サービス事業」との親和性が高く、総合的な提案力を形成する要素にもなっている。■沿革1971年に設立。サンシャインシティとともに実績を積み上げてきた歴史1971年9月に建物内外の安全及び維持管理を目的として、東京都港区に総合ビル管理(株)として設立された。設立当初は、官公庁や民間企業の事務所ビルをはじめ、公共機関の警備等を受託することで安定した事業基盤を確立した。1978年にサンシャインシティが完成すると、以降、今日に至るまで重要顧客かつパートナーとして(株)サンシャインシティと強固な関係を築いてきた。1981年には人材派遣事業に参入(本格的なサービス展開は1986年より)し、総合提案力の基盤ができ上がった。また、地方への進出は、1972年の名古屋営業所(現 アール・エス・シー中部)を皮切りに、1987年の大阪営業所(現 大阪支店)、1999年の仙台営業所(現 仙台支店)へと展開してきた。1995年に事業拡大、イメージ向上を目的として商号を現在のアール・エス・シーに変更すると、1997年には日本証券業協会に株式を店頭登録(現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場)。2000年に新規参入した介護サービス事業については収益化の遅れにより2021年に撤退したものの、セコムとの業務提携締結(2018年1月)及びセキュリティロボット「cocobo(ココボ)」の導入に関する合意(2022年2月)、丸ビル・三菱ブロックの常駐警備業務開始(2021年7月)、内装工事等を手掛ける友和商工の子会社化(2023年2月)、AI警備システムの開発・販売を行うアジアとの業務提携によるサンシャインシティプリンスホテルでの行動認識AIを活用した警備業務の開始(2024年4月)など、今後の事業拡大や警備DXへの対応に向けて着々と取り組んでいる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:02
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アール・エス・シー Research Memo(1):2025年3月期は計画を上回る増収増益。警備DXの取り組みも進展
*12:01JST アール・エス・シー Research Memo(1):2025年3月期は計画を上回る増収増益。警備DXの取り組みも進展
■要約1. 会社概要アール・エス・シー<4664>は2021年に創業50周年を迎えた総合ビルメンテナンス企業であり、人材サービスも展開している。「信頼されるサービスを提供し、人が生活するあらゆる場面において、常に安全・安心・快適な環境を創造していきます」を経営理念に掲げ、「サンシャインシティ」や「丸の内ビルディング(以下、丸ビル)」など、日本を代表するビルの管理業務を手掛けている。創業来の主力である警備保障に加え、清掃、設備・受付、人材サービスなどを組み合わせた総合的なサービス提案に強みがあり、業績は堅調に推移している。今後は業界におけるDX化に向けて、機械化や新技術(セキュリティロボットやAI等)を積極的に活用し、持続的な成長を目指す方針である。5ヶ年の中期経営計画は最終年度に入っているが、業績目標を達成する見込みである。また、戦略面でも、セコム<9735>との業務提携によるセキュリティロボットの導入、内装工事等を手掛ける友和商工(株)の子会社化、(株)アジラとの業務提携(AI警備システムの導入)など、経営基盤の強化や将来を見据えた取り組みで着々と実績を積み上げてきた。警備DXの流れや業界再編の動きが加速するなかで、同社はまさに変革期を迎えている。2. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.2%増の8,845百万円、営業利益が同6.0%増の301百万円と、期初計画(売上高8,103百万円、営業利益152百万円)を上回る増収増益となった。売上高は、前期好調だった臨時業務受注(グループ会社友和商工の工事業務)の反動減、並びに予定されていた官公庁大型長期案件の終了による影響があったものの、建物総合サービス(警備・清掃部門等)での新規業務の開始や、大型周年イベント業務の受託等により、増収となった。損益面については、期初計画に沿った人的投資(賃上げ等)や建築資材等の高騰がコスト増大要因となったものの、増収による収益の底上げより増益を確保した。活動面では、サンシャインシティプリンスホテルにてAI警備システムを取り入れた警備業務を開始したほか、サンシャインシティ各エリアにおける本格運用、さらにはHarezaTower(池袋)での実証実験の開始など、警備DXの実現に向けて進展を図った。3. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.2%減の8,300百万円、営業利益が同0.3%減の300百万円と見込んでいる。減収要因は、前期業績に大きく寄与した大型周年イベントの反動減によるものだ。一方、その反動減を大阪・関西万博の警備を受注したことに加え、前期開始した警備・清掃部門の新規受託案件による通年寄与、さらには新たに竣工する大型複合施策の警備業務並びに関西エリアの清掃業務の受注によりカバーし、減収ながら営業利益は前期並みを確保する見通しである。営業利益率もコスト増に見合う価格改定により改善を図る。4. 中期経営計画最終年度を迎えた中期経営計画では、1) 収益力の向上(ソリューション提案、エリア管理体制の構築)、2) 技術力の強化(サービス品質の維持/向上、新技術の導入)、3) 職場環境の改善(従業員エンゲージメントの向上、女性の活躍推進)、4) 経営基盤の強化(持続的な成長の実現、環境への配慮)を基本戦略として、持続的な利益成長の基盤づくりに取り組んでいる。業績目標はおおむね達成する見込みであるが、加えて、戦略面ではM&Aによる経営基盤の強化や他社との連携を通じたAI警備システムの導入などで大きな成果を上げた。次のステージに向けてどのように仕上げをしていくのか、次の中期経営計画ではどのような方向性が示されるのかに注目したい。■Key Points・2025年3月期はマイナス要因を打ち返し、期初計画を上回る増収増益。活動面ではAI警備システムの導入に向けて進展・2026年3月期は大型案件の反動減により減収減益も、中期経営計画をおおむね達成する見込み・中期経営計画の最終年度を迎え、引き続き警備DXの推進や人的資本の強化、M&A等により持続的な利益成長の基盤づくりに取り組む方針(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025/07/02 12:01
注目トピックス 日本株
アドバンテス---大幅反落、米国ハイテク株下落に連れ安へ
*11:24JST アドバンテス---大幅反落、米国ハイテク株下落に連れ安へ
アドバンテス<6857>は大幅反落。本日は同社をはじめとして半導体関連株が総じてさえない展開となっている。米国市場では、パウエル議長が利下げに慎重な姿勢を再表明したため利下げ期待が後退、長期金利の上昇によってハイテク株には売りが優勢となった。エヌビディアが約3%の下落となったほか、SOX指数も上値の重い展開に。東京市場でも半導体関連の短期的な過熱警戒感が強まっていた中、米国関連株の下落に連れ安する展開へ。
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2025/07/02 11:24
注目トピックス 日本株
千葉興銀---大幅反落、過度な再編プレミアム期待なども後退か
*11:23JST 千葉興銀---大幅反落、過度な再編プレミアム期待なども後退か
千葉興銀<8337>は大幅反落。前日にはストップ高と急伸、同行と千葉銀行が経営統合する方向で協議入りしたことがわかったと報じられ、買収プレミアムに対する期待感が高まる状況となった。会社側では現時点で決定している事実はないとのコメント。両社の統合という方向性自体は想定されていたとみられるほか、千葉銀にとってはメリットと比較して負担も大きいことから、過度なプレミアム期待も後退する方向にもなっているもよう。
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2025/07/02 11:23
注目トピックス 日本株
JR東---大幅続伸、新グループ経営ビジョンをポジティブ視
*11:21JST JR東---大幅続伸、新グループ経営ビジョンをポジティブ視
JR東<9020>は大幅続伸。新グループ経営ビジョンを前日に公表している。運賃改定効果に加えて、不動産などの生活ソリューション事業の拡大によって、28年3月期営業利益4850億円を目指すとしている(26年3月期計画3870億円)ほか、配当性向を段階的に現在の30%から40%に引き上げていき、柔軟に自己株式を取得するともしている。また、長期的な目標として、32年3月期には営業利益7000億円程度を目標としているようだ。
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2025/07/02 11:21
注目トピックス 日本株
トヨコー Research Memo(7):事業拡大・財務体質強化による株主価値向上を優先し、当面は配当実施せず
*11:07JST トヨコー Research Memo(7):事業拡大・財務体質強化による株主価値向上を優先し、当面は配当実施せず
■株主還元策トヨコー<341A>は創業以来配当を実施していない。当面は内部留保による財務体質の強化及び将来の事業展開のための投資に充当することによりさらなる事業拡大を目指すことが、株主に対する利益還元につながると考えている。ただし中長期的には、株主への利益還元を重要な経営課題として捉えており、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討するとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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2025/07/02 11:07
注目トピックス 日本株
トヨコー Research Memo(6):CoolLaserの製造・拡販に注力、2030年3月期に120台納品を目指す
*11:06JST トヨコー Research Memo(6):CoolLaserの製造・拡販に注力、2030年3月期に120台納品を目指す
■中長期の成長戦略● 中期経営計画についてトヨコー<341A>は2024年12月9日にCoolLaser事業の「中期経営計画」を発表している。2028年3月期までの各期の下限と上限の納品台数目標を設定しており、2026年3月期は9~15台、2027年3月期は16~29台、2028年3月期は35~65台としている。また、2026年3月期を1期とした時の5期目に当たる2030年3月期においては120台を目標に掲げている。CoolLaser事業における成長戦略は以下の3点である。(1) 応用開発による拡販橋梁分野、鉄塔分野、海事分野、その他を重点取組4分野と定めている。ベーシックモデルであるG19でも適用可能な案件が多いが、応用開発を施すことで売上拡大の余地があると見ている。具体的には、橋梁分野(道路・鉄道)、鉄塔分野(送電)が対象となる。なお、4分野合わせた国内市場規模は、年間800億円以上と試算している(2023年度)。(2) 各市場分野へのスペックイン重点取組分野にはそれぞれ業界ごとの発注ルール(工法仕様書)が存在している。同社は過去、通信鉄塔分野をはじめとした分野を中心にスペックインを達成しているが、例えば、最大市場である橋梁分野(道路)には「鋼道路橋防食便覧」という工法仕様書が存在する。今後、各分野の発注ルールにスペックインすることで、さらなる製品拡販を企図している。(3) 海外展開同社は、将来的には海外展開も視野に入れている。塩害地域(海に面している地域や冬季に凍結防止剤を散布している地域)で経済規模が一定以上の国・地域を中心に、海外顧客向けに輸出する方法を検討している。販売後の消耗品販売や保守等のアフターメンテナンスの観点から、各国や地域ごとにパートナー企業を定め、協業関係の構築を目論んでいる。同社は技術や特許などでCoolLaser事業における競争優位性や先行者利益を構築しつつあり、順調に業績を拡大させている。一方で、CoolLaser事業は製造業として顧客に製品を提供していく必要があるため、さらなる拡大に伴って、技術者の獲得、効率的なオペレーションの確立、コーポレート・ガバナンスの強化などが重要となるだろう。今期、従業員は40名から50名に拡大する計画であるが、生産体制、保守・管理を含め同社の事業運営についても注視していきたい。(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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2025/07/02 11:06
注目トピックス 日本株
トヨコー Research Memo(5):CoolLaserの拡販で営業利益は前期比92%増を計画、納品の達成確度高い
*11:05JST トヨコー Research Memo(5):CoolLaserの拡販で営業利益は前期比92%増を計画、納品の達成確度高い
■トヨコー<341A>の今後の見通し● 2026年3月期の業績見通し2026年3月期通期の業績は、売上高が前期比48.1%増の3,000百万円、営業利益は同92.5%増の580百万円、経常利益は同113.0%増の560百万円、当期純利益は同49.5%増の480百万円と、いずれも過去最高を更新する計画となっている。SOSEI事業については、売上高が前期比6.1%増の1,700百万円、売上総利益は同3.7%増の730百万円を計画している。太平洋ベルト地帯を中心とした工場の老朽化、自然災害対策、省エネなどに対する投資需要は底堅く、今期も業績は堅調に推移する見込みである。なお、今期の売上高成長率は6.1%としているが、2019年3月期から2024年3月期の年平均成長率(CAGR)が10%程度であったことを踏まえたものだ。前期から大型案件が継続しており、収益基盤としては安定収益の獲得が期待できる。また今期から、SOSEI工法を用い、従来は困難であった屋根上に太陽光パネルを設置する新事業を開始する予定である。新しいニーズを呼び込むことで、SOSEI事業における業績アップサイド要因になろう。CoolLaser事業については、売上高が前期の422百万円から、1,300百万円へと大幅増加を計画している。売上総利益においても前期の158百万円から470百万円となる見込みだ。計画においては今期12台の「CoolLaser G19」の納品を想定している。同製品価格は1台当たり1億円程度であるが、利益計上は製品納入後となる。リードタイムは通常受注の6ヶ月後であり、2025年5月現在で受注残高が6台あるため、計画達成には残り6台の受注が必要になる。直近のIPOや準推奨技術選定に関わる報道や広告効果を踏まえると、計画達成の蓋然性は高いと考える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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2025/07/02 11:05
注目トピックス 日本株
トヨコー Research Memo(4):CoolLaser販売本格化で黒字化達成。売上高・経常利益は過去最高に
*11:04JST トヨコー Research Memo(4):CoolLaser販売本格化で黒字化達成。売上高・経常利益は過去最高に
■トヨコー<341A>の業績動向● 2025年3月期の業績概要2025年3月期の業績は、売上高が前期比84.9%増の2,025百万円となった。営業利益は301百万円であり、経常利益については262百万円、当期純利益は321百万円と黒字転換を果たし、全項目で過去最高となった。SOSEI事業は大型案件を背景に堅調に推移し、CoolLaserは装置販売が本格寄与した。CoolLaserの本格開発に着手した2019年3月期以降は赤字が先行し継続していたが、製品の納品が始まったことで大きく収益化した。また、「G19-6000」シリーズ上市以降は研究開発費が減少したことも、収益性向上に寄与している。CoolLaser事業の研究開発費が逓減することで、全社収益は大きく改善している。2022年3月期に研究開発費率(研究開発費÷売上高)が42.2%とピークとなった後に低減し、2025年3月期には8.1%と2020年3月期以降で最も小さくなった。一方、営業損失においても近年の最下点は2022年3月期の571百万円で、その後、売上高の拡大及び研究開発費が低減するなか、2025年3月期の営業利益は301百万円と過去最高を記録している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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2025/07/02 11:04
注目トピックス 日本株
トヨコー Research Memo(3):祖業のSOSEI事業が収益源、CoolLaser事業で成長拡大を目指す(2)
*11:03JST トヨコー Research Memo(3):祖業のSOSEI事業が収益源、CoolLaser事業で成長拡大を目指す(2)
■トヨコー<341A>の会社概要(2) CoolLaser事業CoolLaserとは、従来は工場内部で切断工程や溶接工程に用いられている高出力レーザーをクリーニング用途に応用し、分厚いサビ・塗膜除去を行うことができる高出力サビ取りレーザー施工装置である。同社は、橋梁分野(道路・鉄道)、鉄塔分野(通信・送電)、海事(海運・ドック)、その他(プラント・保管)という4重点分野について、関連する工事会社向けに装置の製造販売や消耗品・保守サービスなどを提供している。レーザーを用いるメリットは3点ある。最初に、二次産廃物ゼロであり、トータルでもゴミを出さないという点が最大のメリットである。次に、サビの中には塩分が混在するが、CoolLaserはサビを取る過程で塩分も蒸発除去できる。既存の技術では塩分除去が困難であり、そのまま塗装することで耐久性が劣りサビも再発するという課題があったが、それを解決している。最後に、工事作業者への安全性確保が挙げられる。CoolLaserの先端部には集塵機能があり、塗膜の中に混入されている有害物質を飛散させることなく、安全に作業を遂行できる。次に、CoolLaserのレーザー技術としての特長は、光を高速で回転させながら除去するという点である。シンプルながらも非常に参入障壁の高い特許技術を保有していることが競争優位性につながっている。国内外で23件の特許を取得済みであり、16件については特許出願中である(2025年2月末時点)。一般的なレーザークリーニング技術では、屋外のインフラのサビは分厚くて除去困難であるが、CoolLaserでは、レーザー溶接・レーザー切断などに使われる連続波の高出力レーザーを活用し、特許対象である高速回転技術を組み合わせることで、熱影響を回避することを可能としている。他製品に比べ、5.4kWまで大きく出力を向上させることで、屋外工事に特化した製品としては一線を画す存在となっている。また、同社は2019年に主導で(一社)レーザー施工研究会を立ち上げ、安全ガイドラインの制定、経済産業省とのJIS規格「JIS Z 2358:2019 レーザー照射処理面の除せい(錆)度測定方法」制定など、官民双方のフィールドで社会実装に向けたルール整備を行うなど主体的に同分野の発展について尽力してきた。土木・建築産業におけるプレゼンス・ブランドを確立していくことで、同社の競争優位性を強化していくものと考える。さらに、同社にはSOSEI事業において多数の案件実績があり、ゼネコン・鉄道会社・重工業・鉄鋼メーカーなどがCoolLaserの見込み客になり得ると考えられる。今後、両事業のさらなるクロスセルを加速させることで、事業拡大を加速することが可能となる。インフラの老朽化、気候変動リスク、省人化ニーズが同時に進行するなか、建設業界における効率的・持続可能なメンテナンス手法への関心はますます高まっている。国土交通省によると、2040年には橋梁の75%以上が建設後50年を超える見通しであり、同社の技術はその更新・補修に資する。今後、CoolLaserについては、競合の新規参入や他技術の台頭のリスクはあるものの、同社の特許技術、官民双方での規格整備などによる信頼感、フロントランナーとしての実績を踏まえると、同分野における同社の優位性は当面強固であると考える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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2025/07/02 11:03
注目トピックス 日本株
トヨコー Research Memo(2):祖業のSOSEI事業が収益源、CoolLaser事業で成長拡大を目指す(1)
*11:02JST トヨコー Research Memo(2):祖業のSOSEI事業が収益源、CoolLaser事業で成長拡大を目指す(1)
■トヨコー<341A>の会社概要1. 会社概要同社は、老朽化した工場等の屋根を独自工法で塗装・防水工事を行う「SOSEI事業」と、老朽化した橋梁・鉄塔など社会インフラのサビを除去する加工装置を製造・販売する「CoolLaser事業」を展開している。祖業でもあるSOSEI事業は安定収益源としての役割を担い、現在は社会インフラの老朽化が社会問題となるなかで、成長事業であるCoolLaser事業に経営資源を多く投下し、事業拡大を目指している。同社は1996年に塗装・防水工事の施工会社として創業した。その後、2003年に現CEOの豊澤一晃(とよさわかずあき)氏が参画し、技術志向の経営体制へと転換が進んだ。2006年には、既存スレート屋根を延命・断熱化する独自工法「SOSEI」を開発したことが最初の転換点と言える。同社は「請負施工+自社技術」という差別化モデルを確立し、工場・倉庫の改修需要を取り込んで事業を拡大した。2008年には、豊澤氏が光産業創成大学院大学に入学し、高出力レーザーを用いたサビ除去技術「CoolLaser」の共同研究を開始した。創業以来一貫して建設・土木現場の本質的な課題に向き合うなかで、従来の手法にこだわらず最新の工学的観点から着想を得た点は、同社のユニークな特徴である。2014年に浜松研究所を開設して開発を本格化させ、2018年から2024年までの期間において累計約23億円の資金調達を実施し、研究開発を加速させた。レーザー分野への参入は、「建設×光学」という独自ポジションを築く第2の飛躍点となった。2023年には、世界最高水準である5.4kW出力の屋外向けレーザー施工装置「CoolLaser G19-6000」シリーズを上市し、装置メーカーとして事業拡大・収益化フェーズへと移行している。2025年3月には東証グロース市場に上場。国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)の2025年度「準推奨技術」にCoolLaserが選定されており、橋梁・鉄塔など公共インフラ案件への採用が本格化している。2. 事業概要同社事業は「SOSEI」と「CoolLaser」の2本柱である。SOSEIは、老朽化した工場や倉庫の屋根を3層の特殊樹脂で再生する独自工法であり、防水・断熱・補強を同時に実現するオンリーワン技術である。太陽光パネルの設置も可能となり、脱炭素とBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を両立している。顧客の操業停止不要・非破壊での工事を可能とする。CoolLaserは、社会インフラ(橋梁・鉄塔など)のサビ・塗膜除去を目的とした高出力レーザー施工装置であり、従来のブラスト工法に比べ、粉塵・産廃・塩分残留・有害物質飛散を抑制できる工法で、5.4kWと世界最高水準の出力を誇る。大手電力・建機レンタル会社への納入実績があり、両事業は製品販売と工事役務を併せ持つハイブリッドモデルで、機器販売・消耗品・保守・施工といった収益源の多様化が図られている。(1) SOSEI事業同事業では主に太平洋ベルト地帯沿いに所在する工場の老朽化したスレート屋根向け施工を提供している。工場側には、操業を止めずに老朽化した屋根の延命・補強をしたいニーズがあり、従来の工法に対して優位性を持っている。屋根補強には金属カバー工法という手法もあるが、SOSEIの方が相対的に安価であり荷重においても軽量であることから、バランスの良い工法として顧客から評価を得ている。顧客からのリピート率も高く、収益基盤として安定性をもたらしている。また、SOSEIの特徴としては、特殊な樹脂3層をコーティングする技術を使用している点にある。1層目・2層目が瞬間的に硬化するという特殊な樹脂を用いており、早く強固に仕上げることが可能である。加えて、1層目に使っている樹脂は外断熱効果を持ち、夏場の断熱や冬の保温効果によって冷暖房効率の部分に寄与している。近年、工場の老朽化に加え、気候変動の影響が同事業にとって追い風になっている。台風、地震、気温上昇が工場の設備・製品に直接的に被害が出るケースが発生しており、屋根や壁の改修工事のニーズが非常に増えている。また、他の取り組みとしては、太陽光パネルの設置ニーズを商機と捉えている。従前、スレート屋根は重量のあるパネルは敷設できなかったが、SOSEI施工で耐久性を増すことで導入可能となる(特許出願済)。足元ではPPA(電力購入契約)を営む大手事業者からの引き合いも多く、これから新規事業として強化する計画である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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2025/07/02 11:02
注目トピックス 日本株
トヨコー Research Memo(1):CoolLaser事業が投資フェーズから遂に収益化、収益拡大余地は大きい
*11:01JST トヨコー Research Memo(1):CoolLaser事業が投資フェーズから遂に収益化、収益拡大余地は大きい
■要約トヨコー<341A>は、老朽化した工場等の屋根を独自工法で塗装・防水工事を行うSOSEI(ソセイ)事業と、老朽化した橋梁・鉄塔など社会インフラのサビを除去する加工装置を製造・販売するCoolLaser(クーレーザー)事業を展開している。祖業でもあるSOSEI事業は安定収益源としての役割を担い、目下は社会インフラ老朽化が社会問題となるなか、成長事業であるCoolLaser事業に経営資源を多く投下してきた経緯がある。足元では同製品の市販モデル上市を受けて収益拡大中であり、社会課題の解決の観点も相まって、動向が注目されている。1. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の業績は、売上高が前期比84.9%増の2,025百万円となった。営業利益は301百万円であり、経常利益については262百万円、当期純利益は321百万円と黒字転換を果たし、全項目で過去最高となった。SOSEI事業は大型案件を背景に堅調に推移し、CoolLaserは装置販売が本格的に寄与した。CoolLaserの本格開発に着手した2019年3月期以降は赤字が先行し、継続していたが、製品の納品が始まったことで大きく収益化した。また、「G19-6000」シリーズ上市以降は研究開発費が減少したことも、収益性向上に寄与している。2. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期通期の業績は、売上高が前期比48.1%増の3,000百万円、営業利益は同92.5%増の580百万円、経常利益は同113.0%増の560百万円、当期純利益は同49.5%増の480百万円と、いずれも過去最高を更新する計画となっている。計画では、今期12台のCoolLaserの納品を想定している。リードタイムは通常6ヶ月程度であり、受注残高6台(2025年3月)の実績があるため、計画達成には残り6台の受注が必要になる。直近のIPOや準推奨技術選定(国土交通省)に関わる報道と広告効果を踏まえると、計画達成の可能性は高いと見られる。3. 中期経営計画の進捗状況同社は2024年12月9日にCoolLaser事業の「中期経営計画」を発表している。2028年3月期までの各期の下限と上限の納品台数目標を設定しており、2026年3月期は9~15台、2027年3月期は16~29台、2028年3月期は35~65台としている。また、2026年3月期を1期とした時の5期目に当たる2030年3月期において、120台を目標に掲げている。試算される国内市場規模800億円を踏まえると、拡大余地は著しく大きい。または海外展開を見据えている点もアップサイド要素だろう。今後は、生産体制、保守・管理、人員採用、コーポレート・ガバナンスなど、規模拡大に伴う組織運営の強化も併せて確認していきたい。■Key Points・SOSEI事業とCoolLaser事業の2本柱・CoolLaser事業は研究開発から収益化フェーズに入り、業績拡大中・2026年3月期業績は過去最高益。CoolLaser事業についても上振れ余地あり・インフラが老朽化するなか、国内外でのニーズは大きく、アップサイドは大きい(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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2025/07/02 11:01
注目トピックス 日本株
オリコ---大幅続伸、アクティビストの大量保有を材料視
*10:53JST オリコ---大幅続伸、アクティビストの大量保有を材料視
オリコ<8585>は大幅続伸。前日に提出された大量保有報告書によると、ストラテジックキャピタルが5.23%を保有する大株主になったことが明らかになっている。保有目的は、純投資及び状況に応じて重要提案行為等を行うこととしている。ストラテジックキャピタルは「物言う株主」として知られる投資ファンドであり、今後の株主価値向上策、あるいは再編進展の動きが期待される状況となっているもよう。
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2025/07/02 10:53
注目トピックス 日本株
エアトリ---大幅反発、業績上方修正で減益幅縮小見通しへ
*10:49JST エアトリ---大幅反発、業績上方修正で減益幅縮小見通しへ
エアトリ<6191>は大幅反発。前日に25年9月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の10億円から20億円、前期比15.5%減にまで引き上げ。第2四半期までの高い進捗状況を反映したもようだが、上半期は前年同期比24.0%の減益であったため、業績上振れをストレートにポジティブ視する動きとなっている。第1四半期決算発表以降、調整が続いていた株価の見直しが進む形へ。
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2025/07/02 10:49
注目トピックス 日本株
G-7ホールディングス---ワークウェア販売事業に参入
*10:45JST G-7ホールディングス---ワークウェア販売事業に参入
G-7ホールディングス<7508>は1日、グループ会社であるG-7・オート・サービス(本社:神戸市)がワークウェア販売事業に参入し、大阪府摂津市にある「キーポイント摂津鳥飼店」の営業を開始したと発表した。これは、ワークウェアの企画・製造・販売を手掛けるアグロワークスとのフランチャイズ契約に基づくもので、G-7・オート・サービスにとって初のワークウェア専門店の出店となる。新店舗「キーポイント摂津鳥飼店」は、売場面積403.3平方メートル(122坪)を有し、営業時間は10時から20時まで、定休日は土曜日。所在地は大阪府摂津市鳥飼上4丁目1-56である。アグロワークスが展開する「キーポイント」は、プロフェッショナル向けの機能性とデザイン性を兼ね備えたワークウェアを提供し、地域や顧客ごとに最適な商品と接客を行うことを理念としている。G-7・オート・サービスは、これまでカー用品販売やコインランドリー、食品販売など多角的な事業展開を行ってきたが、今回のワークウェア事業への参入により、新たな顧客層の獲得と事業の多様化を図る。
<AK>
2025/07/02 10:45
注目トピックス 日本株
サンフロンティア不動産---エムケー興産及びその子会社である長野リンデンプラザホテルの株式譲受
*10:43JST サンフロンティア不動産---エムケー興産及びその子会社である長野リンデンプラザホテルの株式譲受
サンフロンティア不動産<8934>は1日、連結子会社であるサンフロンティアホテルマネジメントを通じて、長野リンデンプラザホテルを完全子会社とするエムケー興産の発行済株式100%を取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。サンフロンティアホテルマネジメントは、ホテル運営事業を展開しており、2025年6月末時点で全国29軒・3,160室を運営している。2033年までに10,000室への拡大を目標としており、今回の株式取得はその戦略の一環として位置付けられている。長野リンデンプラザホテルは、1995年4月に竣工した宿泊施設で、長野県長野市大字鶴賀南に所在する。敷地面積は1,235.34平方メートル、延床面積は3,705.08平方メートルを有しており、客室数は全136室で構成されている。株式取得日は同年8月26日を予定している。取得後は、サンフロンティアホテルマネジメントが両社の議決権を100%保有する体制となる。
<AK>
2025/07/02 10:43