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トヨコー Research Memo(3):祖業のSOSEI事業が収益源、CoolLaser事業で成長拡大を目指す(2)
配信日時:2025/07/02 11:03
配信元:FISCO
*11:03JST トヨコー Research Memo(3):祖業のSOSEI事業が収益源、CoolLaser事業で成長拡大を目指す(2)
■トヨコー<341A>の会社概要
(2) CoolLaser事業
CoolLaserとは、従来は工場内部で切断工程や溶接工程に用いられている高出力レーザーをクリーニング用途に応用し、分厚いサビ・塗膜除去を行うことができる高出力サビ取りレーザー施工装置である。同社は、橋梁分野(道路・鉄道)、鉄塔分野(通信・送電)、海事(海運・ドック)、その他(プラント・保管)という4重点分野について、関連する工事会社向けに装置の製造販売や消耗品・保守サービスなどを提供している。
レーザーを用いるメリットは3点ある。最初に、二次産廃物ゼロであり、トータルでもゴミを出さないという点が最大のメリットである。次に、サビの中には塩分が混在するが、CoolLaserはサビを取る過程で塩分も蒸発除去できる。既存の技術では塩分除去が困難であり、そのまま塗装することで耐久性が劣りサビも再発するという課題があったが、それを解決している。最後に、工事作業者への安全性確保が挙げられる。CoolLaserの先端部には集塵機能があり、塗膜の中に混入されている有害物質を飛散させることなく、安全に作業を遂行できる。
次に、CoolLaserのレーザー技術としての特長は、光を高速で回転させながら除去するという点である。シンプルながらも非常に参入障壁の高い特許技術を保有していることが競争優位性につながっている。国内外で23件の特許を取得済みであり、16件については特許出願中である(2025年2月末時点)。
一般的なレーザークリーニング技術では、屋外のインフラのサビは分厚くて除去困難であるが、CoolLaserでは、レーザー溶接・レーザー切断などに使われる連続波の高出力レーザーを活用し、特許対象である高速回転技術を組み合わせることで、熱影響を回避することを可能としている。他製品に比べ、5.4kWまで大きく出力を向上させることで、屋外工事に特化した製品としては一線を画す存在となっている。
また、同社は2019年に主導で(一社)レーザー施工研究会を立ち上げ、安全ガイドラインの制定、経済産業省とのJIS規格「JIS Z 2358:2019 レーザー照射処理面の除せい(錆)度測定方法」制定など、官民双方のフィールドで社会実装に向けたルール整備を行うなど主体的に同分野の発展について尽力してきた。土木・建築産業におけるプレゼンス・ブランドを確立していくことで、同社の競争優位性を強化していくものと考える。
さらに、同社にはSOSEI事業において多数の案件実績があり、ゼネコン・鉄道会社・重工業・鉄鋼メーカーなどがCoolLaserの見込み客になり得ると考えられる。今後、両事業のさらなるクロスセルを加速させることで、事業拡大を加速することが可能となる。
インフラの老朽化、気候変動リスク、省人化ニーズが同時に進行するなか、建設業界における効率的・持続可能なメンテナンス手法への関心はますます高まっている。国土交通省によると、2040年には橋梁の75%以上が建設後50年を超える見通しであり、同社の技術はその更新・補修に資する。今後、CoolLaserについては、競合の新規参入や他技術の台頭のリスクはあるものの、同社の特許技術、官民双方での規格整備などによる信頼感、フロントランナーとしての実績を踏まえると、同分野における同社の優位性は当面強固であると考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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(2) CoolLaser事業
CoolLaserとは、従来は工場内部で切断工程や溶接工程に用いられている高出力レーザーをクリーニング用途に応用し、分厚いサビ・塗膜除去を行うことができる高出力サビ取りレーザー施工装置である。同社は、橋梁分野(道路・鉄道)、鉄塔分野(通信・送電)、海事(海運・ドック)、その他(プラント・保管)という4重点分野について、関連する工事会社向けに装置の製造販売や消耗品・保守サービスなどを提供している。
レーザーを用いるメリットは3点ある。最初に、二次産廃物ゼロであり、トータルでもゴミを出さないという点が最大のメリットである。次に、サビの中には塩分が混在するが、CoolLaserはサビを取る過程で塩分も蒸発除去できる。既存の技術では塩分除去が困難であり、そのまま塗装することで耐久性が劣りサビも再発するという課題があったが、それを解決している。最後に、工事作業者への安全性確保が挙げられる。CoolLaserの先端部には集塵機能があり、塗膜の中に混入されている有害物質を飛散させることなく、安全に作業を遂行できる。
次に、CoolLaserのレーザー技術としての特長は、光を高速で回転させながら除去するという点である。シンプルながらも非常に参入障壁の高い特許技術を保有していることが競争優位性につながっている。国内外で23件の特許を取得済みであり、16件については特許出願中である(2025年2月末時点)。
一般的なレーザークリーニング技術では、屋外のインフラのサビは分厚くて除去困難であるが、CoolLaserでは、レーザー溶接・レーザー切断などに使われる連続波の高出力レーザーを活用し、特許対象である高速回転技術を組み合わせることで、熱影響を回避することを可能としている。他製品に比べ、5.4kWまで大きく出力を向上させることで、屋外工事に特化した製品としては一線を画す存在となっている。
また、同社は2019年に主導で(一社)レーザー施工研究会を立ち上げ、安全ガイドラインの制定、経済産業省とのJIS規格「JIS Z 2358:2019 レーザー照射処理面の除せい(錆)度測定方法」制定など、官民双方のフィールドで社会実装に向けたルール整備を行うなど主体的に同分野の発展について尽力してきた。土木・建築産業におけるプレゼンス・ブランドを確立していくことで、同社の競争優位性を強化していくものと考える。
さらに、同社にはSOSEI事業において多数の案件実績があり、ゼネコン・鉄道会社・重工業・鉄鋼メーカーなどがCoolLaserの見込み客になり得ると考えられる。今後、両事業のさらなるクロスセルを加速させることで、事業拡大を加速することが可能となる。
インフラの老朽化、気候変動リスク、省人化ニーズが同時に進行するなか、建設業界における効率的・持続可能なメンテナンス手法への関心はますます高まっている。国土交通省によると、2040年には橋梁の75%以上が建設後50年を超える見通しであり、同社の技術はその更新・補修に資する。今後、CoolLaserについては、競合の新規参入や他技術の台頭のリスクはあるものの、同社の特許技術、官民双方での規格整備などによる信頼感、フロントランナーとしての実績を踏まえると、同分野における同社の優位性は当面強固であると考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦健太郎)
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