注目トピックス 日本株
丸運---3Qは経常利益まで2ケタ増益、全事業部門で増益を果たす
配信日時:2026/02/16 11:09
配信元:FISCO
*11:09JST 丸運---3Qは経常利益まで2ケタ増益、全事業部門で増益を果たす
丸運<9067>は13日、2026 年3月期第3四半期(25年4月-12月)連結決算を発表した。営業収益が前年同期比2.4%増の353.82億円、営業利益が同18.3%増の11.41億円、経常利益が同19.7%増の12.88億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同11.9%減の7.44億円となった。
貨物輸送の営業収益は前年同期比0.7%増の170.86億円、経常利益は前年同期比1.05億円増の5.97億円となった。大規模修繕による一時的な費用が発生したものの、素材物流の取扱量の増加や運賃・料金改定の進展に加え、前年同期に実施した物流拠点の見直しが収益改善に寄与し、増収増益となった。
エネルギー輸送の営業収益は前年同期比4.6%増の125.94億円、経常利益は前年同期比0.91億円増の4.34億円となった。石油製品の内需減の影響などにより、輸送数量が前年同期比3.8%減少となった。潤滑油・化成品事業においては、溶剤等化学品の内需減に加え、出荷地の定期修理などの影響により、輸送数量が前年同期比5.9%減少となった。収支については、ドライバー等の待遇改善を目的とした賃金改定や協力会社への運賃支払増はあったものの、主要顧客の運賃・料金改定や化成品事業における既存取引の拡大により増収増益となった。
海外物流の営業収益は前年同期比0.8%増の41.44億円、経常利益は前年同期比0.37億円増の0.27億円となった。航空輸出貨物及び機械設備輸送等の取扱量が増加し、海外事業においてもベトナムでの取扱量が安定的に推移したことにより、部門全体では増収増益となった。
テクノサポートの営業収益は前年同期比8.4%増の15.33億円、経常利益は前年同期比0.16億円増の1.05億円
となった。油槽所関連における業務受託料の改定に加えて、製油所関連における構内作業の受託料改定及び工事関連業務の取扱量増などにより増収増益となった。
2026年3月期通期については、営業収益が前期比2.1%増の471.00億円、営業利益が同2.9%減の12.30億円、経常利益が同0.1%減の14.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.4%減の9.00億円としている。
<KM>
貨物輸送の営業収益は前年同期比0.7%増の170.86億円、経常利益は前年同期比1.05億円増の5.97億円となった。大規模修繕による一時的な費用が発生したものの、素材物流の取扱量の増加や運賃・料金改定の進展に加え、前年同期に実施した物流拠点の見直しが収益改善に寄与し、増収増益となった。
エネルギー輸送の営業収益は前年同期比4.6%増の125.94億円、経常利益は前年同期比0.91億円増の4.34億円となった。石油製品の内需減の影響などにより、輸送数量が前年同期比3.8%減少となった。潤滑油・化成品事業においては、溶剤等化学品の内需減に加え、出荷地の定期修理などの影響により、輸送数量が前年同期比5.9%減少となった。収支については、ドライバー等の待遇改善を目的とした賃金改定や協力会社への運賃支払増はあったものの、主要顧客の運賃・料金改定や化成品事業における既存取引の拡大により増収増益となった。
海外物流の営業収益は前年同期比0.8%増の41.44億円、経常利益は前年同期比0.37億円増の0.27億円となった。航空輸出貨物及び機械設備輸送等の取扱量が増加し、海外事業においてもベトナムでの取扱量が安定的に推移したことにより、部門全体では増収増益となった。
テクノサポートの営業収益は前年同期比8.4%増の15.33億円、経常利益は前年同期比0.16億円増の1.05億円
となった。油槽所関連における業務受託料の改定に加えて、製油所関連における構内作業の受託料改定及び工事関連業務の取扱量増などにより増収増益となった。
2026年3月期通期については、営業収益が前期比2.1%増の471.00億円、営業利益が同2.9%減の12.30億円、経常利益が同0.1%減の14.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.4%減の9.00億円としている。
<KM>
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日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は続落、ファーストリテと東エレクの2銘柄で約219円押し下げ
*12:51JST 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は続落、ファーストリテと東エレクの2銘柄で約219円押し下げ
16日前引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり87銘柄、値下がり136銘柄、変わらず2銘柄となった。日経平均は続落。151.27円安の56790.70円(出来高概算13億851万株)で前場の取引を終えている。前週末13日の米国市場でダウ平均は48.95ドル高の49500.93ドル、ナスダックは50.48ポイント安の22546.67で取引を終了。人工知能(AI)を巡る根強い懸念に寄り付き後、下落。その後、1月分の消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びに留まり、利下げを後押しする結果となったため、期待感から買いに転じた。終盤にかけナスダックはプラス圏を維持できず再び下落し、まちまちで終了。米株市場を横目に、2月16日の日経平均は前営業日比271.00円高の57212.97円と反発でスタートした。ただ、その後は上げ幅を縮小する展開となり、マイナス圏に転落して前場の取引を終了した。米国ではアプライドマテリアルズが決算評価から大きく買われており、値がさハイテク株の一角の下支え要因に繋がってはいるようだ。値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>となり、2銘柄で日経平均を約219円押し下げた。また、日経平均構成銘柄の下落率トップはオリンパス<7733>で13.09%安、同2位はりそなHD<8308>で6.98%安だった。一方、値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はファナック<6954>となり、2銘柄で日経平均を約195円押し上げた。また、日経平均構成銘柄の上昇率トップは住友ファーマ<4506>で16.03%高、同2位はクレセゾン<8253>で8.90%高だった。*11:30現在日経平均株価 56790.70(-151.27)値上がり銘柄数 87(寄与度+445.16)値下がり銘柄数 136(寄与度-596.43)変わらず銘柄数 2○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<9984> ソフトバンクG 4590 200 160.44<6954> ファナック 6656 211 35.26<9843> ニトリHD 3329 271 22.65<9766> コナミG 18740 460 15.38<6361> 荏原製作所 5735 432 14.44<4506> 住友ファーマ 2866.5 396 13.24<8253> クレディセゾン 4845 396 13.24<6367> ダイキン工業 19740 370 12.37<6098> リクルートHD 6263 107 10.73<6273> SMC 73950 3110 10.40<4063> 信越化 5561 62 10.36<4062> イビデン 8791 151 10.09<6758> ソニーG 3609 57 9.53<6861> キーエンス 58110 2520 8.42<4704> トレンドマイクロ 5664 243 8.12<2802> 味の素 4551 115 7.69<5706> 三井金属鉱業 28685 2145 7.17<5802> 住友電気工業 8768 175 5.85<7832> バンナムHD 4061 51 5.11<6841> 横河電機 5130 146 4.88○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<9983> ファーストリテ 67410 -1740 -139.59<8035> 東エレク 41190 -800 -80.22<7733> オリンパス 1610 -242.5 -32.42<8015> 豊田通商 6651 -207 -20.76<4543> テルモ 1933 -77.5 -20.72<9735> セコム 5800 -275 -18.38<7203> トヨタ自動車 3666 -108 -18.05<8001> 伊藤忠商事 2130.5 -95 -15.88<8058> 三菱商事 4908 -150 -15.04<9433> KDDI 2658 -36 -14.44<4503> アステラス製薬 2450 -60.5 -10.11<8031> 三井物産 5543 -148 -9.89<6857> アドバンテ 27095 -35 -9.36<4507> 塩野義製薬 3455 -81 -8.12<8002> 丸紅 5834 -199 -6.65<3382> 7&iHD 2309 -66 -6.62<4519> 中外製薬 9222 -58 -5.82<1802> 大林組 4024 -172 -5.75<7267> ホンダ 1572.5 -28.5 -5.72<1925> 大和ハウス工業 5423 -166 -5.55
<CS>
2026/02/16 12:51
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ABEJA Research Memo(9):健全な財務体質を堅持しつつ成長投資を優先
*12:09JST ABEJA Research Memo(9):健全な財務体質を堅持しつつ成長投資を優先
■財務戦略ABEJA<5574>の財務戦略は、短期的な株主還元よりも、中長期の企業価値最大化を重視する点に明確な特徴がある。配当による利益還元を優先するのではなく、AI産業の次なる成長局面であるフィジカルAI時代を見据えた先行投資を最優先課題として位置付けている。足元の財務基盤は極めて健全であり、自己資本比率は約9割、有利子負債ゼロの無借金経営を継続している。潤沢な現金及び預金を背景に、外部資金に依存することなく成長投資を継続できる体制を確立している点は、同社の財務戦略を支える重要な前提条件となっている。同社が重視する投資領域は、人材、研究開発、データ基盤の3点に集約される。特にAIモデルやロボティクスを社会実装するためには、高度なエンジニアリング能力と長期的な研究開発の継続が不可欠であり、短期的な収益性よりも技術蓄積を優先する姿勢を明確にしている。また、フィジカルAI領域では、ソフトウェア開発にとどまらず、実環境データの収集・検証、シミュレーション基盤の整備、運用安全性の確立など、初期段階での投資負担が相対的に大きい。同社はこの点を認識したうえで、早期から研究開発投資を実行し、将来の成長オプションを確保する戦略を採っている。利益配分の観点では、当面の間、内部留保の充実を優先する方針である。これは株主還元を軽視するものではなく、AI市場が拡大期にある現在において、内部資金を成長投資へ再投入することが、結果として株主価値の最大化につながるとの判断に基づくものである。実際に、同社のビジネスモデルはプラットフォーム型であり、初期投資を積み上げることで将来的に高い利益レバレッジが期待できる構造にある。運用フェーズの拡大に伴い営業キャッシュ・フローが安定化すれば、将来的な配当や自己株取得の選択肢も広がるが、その段階はフィジカルAI領域の事業化が一定程度進展した後になると考えられる。財務規律の面では、無理なレバレッジ拡大や短期的な利益確保を目的とした投資抑制は行わず、あくまで長期的な技術競争力の確立を最優先とする。NEDO事業への参画や公的プロジェクトの活用は、自己資金と外部資金を適切に組み合わせながら、リスクを抑制しつつ研究開発を加速させる財務戦略の一環と位置付けている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
2026/02/16 12:09
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ABEJA Research Memo(8):ABEJA PlatformをベースにフィジカルAI時代への先行者を目指す
*12:08JST ABEJA Research Memo(8):ABEJA PlatformをベースにフィジカルAI時代への先行者を目指す
■成長戦略1. 同社が描く未来像―「AIが主担当となり、人がサポートへ」ABEJA<5574>が描く将来像の根底にあるのは、「業務の主担当が人からAIへと移行し、人はその意思決定や監督を担う役割へシフトする社会」である。従来のAI活用は、人の業務を部分的に補助するツールとしての位置付けが中心であったが、同社はこれを一段引き上げ、AIが業務プロセス全体を主体的に担う世界観を想定している。この未来像において、人はAIの出力を確認し、意思決定や例外対応、倫理・ガバナンスの判断を行う「Human in the Loop」として機能する。AIが自律的に業務を遂行し、人が最終的な責任と統制を担う構造への転換こそが、同社の成長戦略の起点である。このような社会において不可欠となるのが、単体のAIモデルではなく、複数のAIが安全かつ継続的に稼働するための運用基盤である。同社は、自らをAIアプリケーションやモデル開発企業ではなく、AIが社会で機能するための「道路・信号機・管制塔」を担う存在と位置付けており、企業や社会インフラが同社プラットフォームを通らざるを得ない構造の構築を目指している。2. 技術予想と取組状況同社は、AI技術の進化を「モデル性能の向上」ではなく、「運用フェーズの高度化」という観点から捉えている。今後のAI活用は、PoCや単発導入の段階を超え、業務中枢を担うミッションクリティカル領域へと本格的に拡大すると予想している。その際の最大の課題は、制度・組織・セキュリティ・規制・既存ITとの統合といった多層的な制約条件をいかに乗り越えるかにある。同社はこの課題に対し、「ABEJA Platform」を中核とした運用基盤の整備に注力してきた。具体的には、データ収集・加工からモデル構築・運用監視・再学習・ガバナンス管理までを一体で担う仕組みを構築し、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境にも対応している。加えて、小型LLMの自社構築によるコスト優位性の確保や、機密性要件の高い領域への適合を進めることで、民間企業のみならず防衛・医療・公共分野への展開余地を広げている。さらに、NEDO事業への複数採択に象徴されるように、基盤モデル研究、生成AIの安全性、社会実装を見据えた技術開発にも継続的に取り組んでいる点は、同社が短期収益ではなく中長期の産業構造変化を見据えていることを示している。同社の技術戦略は、「AIを作る」ことよりも、「AIを止めず、安全に動かし続ける」ことに主眼が置かれており、ここに他社が容易に参入できない独自性が形成されている。3. 技術領域別の売上高成長イメージ同社の売上高成長は、技術領域ごとに明確な時間軸をもって設計されている。足元の成長ドライバーは、生成AIとLLM関連領域である。業務プロセスの高度化、意思決定支援、自動応答、文書生成といった用途を中心に、トランスフォーメーション領域での導入案件が拡大しており、これが現在の売上高成長をけん引している。これらの案件は導入後、運用・改善フェーズへと移行することでオペレーション領域のストック収益として積み上がる構造となっており、プラットフォーム型ビジネスのレバレッジ効果が顕在化し始めている。中期的には、こうしたLLM関連案件の蓄積を基盤として、AI活用はデジタル領域から物理空間へと拡張していくと同社は見ている。その中心となるのが、AIとロボティクスを融合したフィジカルAI領域である。製造現場、物流、インフラ保守、自動運転など、物理世界を対象とする分野では、AIモデル単体ではなく、リアルタイム制御・安全管理・継続運用を支える基盤が不可欠となる。同社は、これまでデジタル領域で培ってきた運用知見を横展開することで、2~3年後の次なる成長エンジンとしてロボティクスAIの立ち上がりを見込んでいる。以上のように、同社の成長戦略は、1) AIが主担当となる社会構造の到来を見据えた明確な未来像2) 運用基盤を中核とする持続的かつ模倣困難な技術戦略3) 直近はLLM、2~3年後にはロボティクスAIが成長をけん引する段階的拡張モデルによって体系的に構築されている。同社が志向するのは、AIが社会インフラとして機能するための中枢を担う存在への進化である。この戦略が順調に進展すれば、売上高100億円規模への成長は十分に射程圏内にあり、その過程において時価総額500億円の早期達成が視野に入る。さらに数年単位の時間軸で見た場合、AIバリューチェーンの拡張とプラットフォーム型ビジネスのレバレッジ効果が本格化することで、時価総額1,000億円規模への成長も十分に展望可能な水準にあると考えられる。一方で、足元の株式市場においては、同社が描く中長期の成長ポテンシャルや、AI運用インフラとしての希少なポジショニングが、十分に織り込まれているとは言い難い。AIバリューチェーンの進化が進むにつれ、再評価される可能性が高くなると弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
2026/02/16 12:08
注目トピックス 日本株
ABEJA Research Memo(7):想定を上回る進捗率ながら、2026年8月期の通期業績は期初予想を据え置き
*12:07JST ABEJA Research Memo(7):想定を上回る進捗率ながら、2026年8月期の通期業績は期初予想を据え置き
■ABEJA<5574>の今後の見通し● 2026年8月期の業績見通し2026年8月期の業績については、売上高が4,400百万円(前期比22.7%増)、営業利益が500百万円(同12.1%増)、経常利益が498百万円(同10.2%増)、当期純利益が439百万円(同2.1%減)と見込んでいる。売上高は前期比で800百万円超の増収を見込んでおり、引き続き高い成長率を維持する計画である。生成AIとLLM関連案件を中心とした需要拡大に加え、ミッションクリティカル領域におけるAI導入ニーズの高まりを背景に、トランスフォーメーション領域・オペレーション領域ともに成長を見込んでいる。一方で利益面では、売上高成長率に比べて営業利益以下の伸び率が抑制された計画となっている。営業利益率は11.4%と前期の12.4%から1.0ポイント低下する想定であり、これは人材投資や研究開発投資の継続、並びに中長期成長を見据えた先行費用の計上を織り込んだ保守的な見通しと言える。第1四半期実績における売上高の通期進捗率は27.2%と、例年の四半期進捗水準を上回る好スタートとなった。営業利益、経常利益、当期純利益についてもいずれも40%超の進捗率に達しており、特に営業利益進捗率は43.9%と高水準である。この進捗状況は、同社の業績が下期偏重型ではなく、着実に積み上がるオペレーション領域の売上が業績のベースラインを徐々に押し上げ始めたことも寄与している。プラットフォーム型ビジネスへの移行が進むなかで、ストック性収益の寄与が早期に顕在化している点は、通期業績達成に向けた確度を高める要因と評価できる。現時点では通期業績について期初予想を据え置いているものの、第1四半期時点での利益進捗は想定を上回るペースであることから、今後の案件進捗次第では上振れ余地があると弊社では見ている。一方で、同社は生成AI・基盤モデル開発や人材強化など中長期成長に向けた投資を継続する方針であり、短期的な利益最大化よりも持続的成長を優先したスタンスが読み取れる。2026年8月期の通期見通しは、「高成長を維持しながら、次の成長フェーズに向けた投資を織り込んだ保守的かつ現実的な計画」と捉えられる。第1四半期で確認された売上高成長の勢いが継続し、プラットフォームの導入基盤を着実に拡大できるかが、今後の注目点となる。通期業績の達成のみならず、プラットフォーム型ビジネスとしての収益レバレッジがどの段階まで顕在化するかが、同社の中長期評価を左右すると言えよう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
2026/02/16 12:07
注目トピックス 日本株
ABEJA Research Memo(6):2026年8月期第1四半期は売上高・各利益とも四半期ベースで過去最高を更新
*12:06JST ABEJA Research Memo(6):2026年8月期第1四半期は売上高・各利益とも四半期ベースで過去最高を更新
■ABEJA<5574>の業績動向1. 2026年8月期第1四半期の業績概要2026年8月期第1四半期(2025年9月~11月)の業績は、売上高が1,198百万円(前年同期比55.9%増)、営業利益が219百万円(同131.8%増)、経常利益が219百万円(同131.5%増)、四半期純利益が182百万円(同113.3%増)と、売上高・各利益とも大幅な増収増益となり、四半期ベースで過去最高を更新した。売上面では、LLM関連案件を中心とした需要拡大が増収に寄与しており、特に生成AIを活用したミッションクリティカル領域での案件獲得が売上高の成長をけん引した。全売上構成に占めるLLM関連案件の比率は約80%に達しており、同社の主力領域として定着しつつある。利益面では、売上総利益率は戦略的投資の影響で一時的に低下したものの、販管費の伸びを抑制したことで収益性は改善し、営業利益率は18.3%に上昇した。プラットフォーム型ビジネスのレバレッジ効果が顕在化した四半期と評価できる。売上総利益は704百万円(前年同期比44.8%増)となった。売上総利益率は58.8%と前年同期の63.3%から4.5ポイント低下したものの、これは将来の成長を見据えた戦略的案件への取り組みやリソース増強によるものであり、同社想定の範囲内としている。販管費は485百万円となり、前年同期比23.8%増にとどまった。人材投資や事業拡大に伴う費用増はあったものの、売上高の伸び率を下回る水準に抑制されたことが、収益性改善に寄与した。これらの結果、営業利益率は18.3%と、前年同期の12.3%から6.0ポイント改善しており、売上高成長に対する高いレバレッジ効果が確認された。2. 領域別業績動向同社の売上構造は、AI導入初期の構想策定・業務設計・システム構築を担うトランスフォーメーション領域と、導入後の運用・改善を担うオペレーション領域の二層構造から成り立っている。トランスフォーメーション領域はフロー型収益の性格を有しており、案件の開始時期や検収タイミングの影響を受けやすいものの、四半期ごとの売上水準はおおむね高いレンジで推移している。前期を通じて一定の変動は見られたが、2026年8月期第1四半期においては大型LLM関連案件の進展を背景に売上が大きく拡大し、同領域の成長力があらためて確認された。一方で注目すべきは、オペレーション領域売上の推移である。同領域は「ABEJA Platform」上でのAI運用・保守・継続改善を中心としたストック型収益で構成されており、四半期を追うごとに売上高が着実に積み上がる傾向が明確になっている。前期第1四半期時点ではオペレーション領域の売上規模は限定的であったが、その後も四半期ごとに増加基調を維持し、2026年8月期第1四半期には過去最高水準まで拡大した。これは、過去に獲得したトランスフォーメーション案件が順次運用フェーズへ移行していることを示しており、同社のビジネスモデルが想定どおりに機能していることを裏付けている。このオペレーション領域売上の積み上がりは、単なる売上増加以上の意味を持つ。AI導入が単発プロジェクトに終わらず、業務基盤として定着し、長期利用へと移行していることを示すものであり、同社プラットフォームのスイッチングコストが高まりつつあることの証左と言える。また、オペレーション領域は追加コストの増加が限定的であるため、売上拡大に伴って利益率が改善しやすい構造にある。実際に2026年8月期第1四半期においては、売上高の大幅増加とともに営業利益率が前年同期比で大きく改善しており、プラットフォーム型ビジネス特有のレバレッジ効果が顕在化し始めている。3. 財務状況と経営指標2026年8月期第1四半期末における同社の資産合計は5,261百万円となり、前期末比56百万円の減少となった。内訳を見ると、流動資産は5,049百万円(前期末比54百万円減)とほぼ横ばい水準を維持している。このうち、現金及び預金は4,257百万円と同328百万円減少した。これは営業活動の拡大に伴う人材投資や研究開発投資、事業運営に伴う支出によるものであり、資金繰りの悪化を示すものではない。依然として現金及び預金の残高は4,000百万円超と高水準にあり、同社の事業規模や成長投資を賄う十分な流動性を確保している。固定資産は212百万円と同1百万円の微減にとどまっており、大型設備投資を必要としないソフトウェア・プラットフォーム型ビジネスの特性が引き続き表れている。負債合計は566百万円となり、前期末比279百万円の大幅減少となった。主因は未払金や未払費用等の減少によるものであり、財務体質の改善が進んでいると言える。有利子負債は引き続きゼロであり、無借金経営を継続している。この結果、純資産合計は4,694百万円と同223百万円増加した。これは主として四半期純利益の計上によるものであり、利益成長がそのまま自己資本の積み上げに直結している構造が確認できる。自己資本比率は89.2%と前期末の84.0%から5.2ポイント上昇し、極めて高い水準に達した。財務レバレッジに依存しない健全な財務構造を維持しながら成長投資を継続できる体制が一段と強化されたと評価できる。経営指標面では、売上高営業利益率が18.3%と前年同期の12.3%から6.0ポイント改善した。売上高の大幅増加に対し、販管費の伸びを相対的に抑制したことにより、プラットフォーム型ビジネスのレバレッジ効果が顕在化している。特に注目されるのは、自己資本比率の上昇と営業利益率の改善が同時に進んでいる点である。一般的に高成長局面では財務負担が増加しがちであるが、同社は無借金かつ高い自己資本比率を維持したまま収益性を大きく改善しており、事業モデルの質の高さが裏付けられている。同社は財務的制約をほとんど受けない極めて健全なバランスシートを有しており、中長期の成長投資や大型案件への対応余力は十分に確保されている状態にある。今後は、現預金を原資とした人材投資・研究開発投資を継続しつつも、プラットフォーム事業の拡大による高利益率構造がどこまで持続・拡張されるかが注目点となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
2026/02/16 12:06
注目トピックス 日本株
ABEJA Research Memo(5):ミッションクリティカル業務に特化したAIテック企業(2)
*12:05JST ABEJA Research Memo(5):ミッションクリティカル業務に特化したAIテック企業(2)
■事業概要2. 経営戦略の評価(1) 独自のポジショニングABEJA<5574>が陣取るポジションは、AIベンダーと業務現場の中間に位置する「実装インフラ層」である。AIの性能競争が激化し、モデルのコモディティ化が進むなかにおいて、同社は意図的にモデル開発競争から距離を取り、データ生成・加工から運用・改善に至るまでの一連のプロセス全体を統合するプラットフォームを構築してきた。これは、AIを“作る企業”ではなく、“使われ続ける状態を設計する企業”としての明確な定義である。このポジショニングにより、同社は一般的なAI開発企業やDXコンサルティング企業とは異なる競争空間を形成している。個別業務の効率化や短期ROIを狙う案件ではなく、企業のミッションクリティカル業務を対象とすることで、案件規模は大きく、導入後の運用期間は長期化する。結果として、同社の事業構造は、将来的にフロー型収益に依存しない、ストック性の高いビジネスモデルへと自然に収斂していくことが見込まれる。(2) 提供価値と模倣困難性既述のとおり、同社が提供する価値は、AI技術そのものではなく、「AIが止まらずに機能し続ける業務構造」であり、データ生成・収集から加工・分析、AIモデリング、実行、運用、改善に至るプロセスを一気通貫で支援する。これは単なるツール群の集合ではなく、業務プロセスそのものを再設計し、それらを統合的に管理・運用する基盤として機能している。この提供価値の本質は「全体最適」にある。多くのAIプロジェクトがPoC(Proof of Concept:概念実証)止まりに終わる背景には、個別業務の最適化にとどまり、業務全体の接続や運用責任の所在が曖昧なまま進められているという構造的問題が存在する。同社はこの課題を、プロセス全体を統合管理するプラットフォームによって解消し、AIを業務インフラへと昇華させている。同社の戦略の強度を高めているのが、その模倣困難性である。第1に、同社が蓄積してきた10年以上にわたるAI運用知見は、短期間では再現不可能である。ミッションクリティカル業務では、制度変更、業務例外、セキュリティ要件、監査対応などが継続的に発生するが、これらを前提とした設計思想と実装経験は、単なる技術力では代替できない。第2に、同社のプラットフォームは導入後にデータ・業務・ガバナンスが一体化する構造を持つ。AIモデルだけでなく、運用ルールや業務フローが組み込まれることでスイッチングコストが自然に高まり、顧客との関係は長期化する。これはSaaS的なプロダクトロックインとは異なり、業務構造そのものに組み込まれていく。第3に、同社は日本企業特有の意思決定プロセス、規制環境、セキュリティ要件に適合した設計を強みとしている。クラウドとオンプレミスを併用するハイブリッド構成や、小型LLMによるデータ主権確保といった対応は、海外プラットフォームベンダーが容易に踏み込めない領域であり、同社の競争優位性を支えている。(3) 価値増殖の必然性AI活用を巡るバリューチェーンは、半導体やデータセンターといった計算基盤から、クラウド・オンプレミス環境、さらには業務・現場でのAI活用へと多層的に広がっている。生成AIやフィジカルAIの普及により、AIは単なるITツールではなく、企業活動や社会インフラそのものを支える存在へと進化しつつある。このAIバリューチェーンの中において、同社は「AI活用の運用基盤」という独自のポジションを担っている。「ABEJA Platform」は、半導体、GPU、データセンター、クラウドといった計算資源の上位に位置し、業務・現場でAIを実際に機能させる領域と計算基盤とをつなぐハブとして配置されている。AI投資が拡大し、計算資源や基盤インフラが高度化するほど、企業にとって重要性が増すのは「どのようにAIを業務へ組み込み、継続的に運用するか」という運用レイヤーである。AIは導入した瞬間に価値を生むものではなく、データの蓄積、業務プロセスとの接続、モデル更新、ガバナンス管理といった一連のプロセスが成立して初めて価値が顕在化する。「ABEJA Platform」は、こうしたAI活用に必要なプロセス全体を統合的に担うことで、AIバリューチェーンを「点」ではなく「線」として接続する役割を果たしている。計算基盤から生成AI、さらには現場の業務アプリケーションやフィジカルAIに至るまで、AI活用の流れを一気通貫で支える運用基盤として機能している点が特徴である。バリューチェーンの「深度」が増す、すなわちAIモデルが高度化し、LLMやフィジカルAIなど活用領域が高度化するほど、運用・管理・統合の難易度は飛躍的に高まる。同時に、クラウドとオンプレミスを併用するハイブリッド構成や、業務特性に応じたデータガバナンス対応が不可欠となる。この複雑性の増大こそが、同社の提供価値を一段と押し上げる要因となる。また、AIバリューチェーンの「範囲」が拡大し、業務システムのみならず、ロボティクスやスマートデバイスなど物理空間へとAI活用が広がるにつれ、デジタルとフィジカルを横断した統合管理の重要性はさらに高まる。同社は生成AIを組み込んだソフトウェア領域のみならず、ロボティクスやエッジデバイスを含むフィジカル領域まで視野に入れた運用基盤の構築を進めている。この結果、AI投資が拡大し、バリューチェーンが深く、広くなるほど、同社の立ち位置はより中核的なものへと変化する。半導体やクラウドが「AIを動かす力」を提供する存在であるのに対し、同社は「AIを社会で機能させ続ける仕組み」を提供する存在である。すなわち、AIバリューチェーンの進化は同社にとって競争環境の激化を意味するものではなく、むしろ同社が担う運用基盤としての価値を拡張させる方向に作用する。AIの高度化・多様化・社会実装が進むほど、「ABEJA Platform」が果たすハブ機能の重要性は高まり、同社の提供価値はバリューチェーン全体の成長とともに拡大していく構造にある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
2026/02/16 12:05
注目トピックス 日本株
ABEJA Research Memo(4):ミッションクリティカル業務に特化したAIテック企業(1)
*12:04JST ABEJA Research Memo(4):ミッションクリティカル業務に特化したAIテック企業(1)
■事業概要1. 事業概要(1) デジタルプラットフォーム事業ABEJA<5574>の事業はデジタルプラットフォーム事業である。同社は単なるAI開発や単発ソリューション提供ではなく、自社開発の「ABEJA Platform」を基盤として、企業の基幹業務プロセスのDXを継続的かつ安定的に実行・運用することを目的としている。「ABEJA Platform」は、AIを単発導入するための開発基盤ではなく、業務の中でAIを継続的に稼働させ、改善し続けるための実行・運用基盤として設計されている。データの生成・収集・加工から分析・AIモデリング・実行・再学習・運用監視まで、AIライフサイクル全体を一気通貫で管理可能とする点が特徴である。提供形態はクラウド環境に加えオンプレミスとのハイブリッド構成にも対応している。これにより、高度なセキュリティ要件やデータガバナンスが求められるミッションクリティカル業務へのAI導入を可能としている。同社の事業活動は、AI導入初期の構想策定・業務設計・基盤構築を担うトランスフォーメーション領域と、導入後の安定稼働・改善・高度化を担うオペレーション領域の双方を包含している。これにより、AI導入を一過性のプロジェクトに終わらせず、企業の中核業務として定着させることを可能としている。(2) 収益構造同社の収益構造は、トランスフォーメーション領域とオペレーション領域の二層構造をなしている。現在の収益の柱であるトランスフォーメーション領域では、AI導入に向けた構想策定、業務プロセス設計、データ設計、システム構築を担う。業務全体の最適化を前提とするため、単価は高水準となるものの、性格としてはフロー型収益に近い。一方、オペレーション領域は「ABEJA Platform」の利用料、運用支援、モデル改善、機能拡張などを通じて、継続課金型のストック収益が積み上がる構造である。ミッションクリティカル業務を対象とするため、運用は長期化しやすく、顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は自然に拡大する。この結果、構築フェーズで高単価案件を獲得し、その後の運用フェーズで安定的かつ高付加価値な収益を積み上げる、プラットフォーム型ビジネスモデルが形成されている。(3) 業界における位置付け同社の事業モデルは、国内のAI開発企業やDXベンダーとは本質的に異なる。比較対象として適切なのは、米国のPalantir Technologiesに代表されるAIプラットフォームベンダーである。Palantir Technologiesが国家安全保障や大企業の中核業務を対象に、データ統合と意思決定を支える業務OSを提供してきたのに対し、同社は日本企業及び日本の制度環境に適合したAI実装・運用プラットフォームを提供している。両社に共通するのは、AIモデルそのものを売るのではなく、業務全体を横断的に支える基盤を提供している点である。個別AI開発では代替困難な高いスイッチングコストが形成され、長期的な顧客関係が前提となる。特に同社は、オンプレミスとクラウドのハイブリッド対応、小型LLMの活用によるデータ主権・ガバナンス確保など、日本市場特有の要請に適合した設計を強みとしており、この点において独自のポジションを確立している。(4) プラットフォームの構造分析同社のデジタルプラットフォーム事業は、AIを企業活動の中で継続的に機能させるために必要となる一連のプロセスを包括的に提供する点に特徴がある。公式には、同社のプラットフォームは「データの生成・収集から、加工・分析、AIモデリング、運用・改善に至るまでのプロセスを一気通貫で支援する基盤」と位置付けられている。まず起点となるのが、業務現場や既存システムから発生する各種データの生成・収集である。センサー、画像、ログ、業務データなど多様な形式のデータを取り込み、AI活用の前提となるデータ基盤を構築する。次に、収集されたデータは加工・整理され、分析や学習に適した形へと変換される。この工程では、データクレンジングや前処理が行われ、業務で利用可能な品質水準を担保することが重視されている。そのうえで、同社のプラットフォーム上においてAIモデリングが実施される。機械学習や深層学習を含む各種手法を用いてモデルを構築し、業務課題に応じた最適なアルゴリズムを設計することが可能となっている。構築されたAIモデルは、実際の業務環境に実装され、推論・実行フェーズへ移行する。単なる実証実験にとどまらず、本番業務における継続利用を前提としている点が、同社プラットフォームの大きな特徴である。さらに同社は、AIを導入して終わりとするのではなく、運用・改善のフェーズを重視している。実運用の中で蓄積されるデータを活用し、モデルの再学習や精度改善を行うことで、AIが業務環境の変化に適応し続ける仕組みを構築している。このように同社のプラットフォームは、データ生成・収集 → 加工・分析 → AIモデリング → 実行・運用 → 継続的改善というプロセス全体を一体的に支援する構造を有している。同社が強調するのは、AI導入を単発の開発プロジェクトとして扱うのではなく、業務プロセスの中に組み込み、長期にわたり価値を生み続ける「実装と運用の基盤」として提供する点である。この一連のプロセスを包括することにより、企業はAI活用を部分最適に終わらせることなく、全社的・継続的なDXへと発展させることが可能となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
2026/02/16 12:04
注目トピックス 日本株
ABEJA Research Memo(3):AIバリューチェーンのプラットフォーマー(2)
*12:03JST ABEJA Research Memo(3):AIバリューチェーンのプラットフォーマー(2)
■会社概要2. 沿革(1) 第1ステージ:個別AI開発・DX支援による実装知見の蓄積期(2012〜2016年)ABEJA<5574>は2012年9月、AI技術の産業活用がまだ黎明期にあった時代に創業した。創業当初の事業は、企業ごとの課題に応じた個別AI開発やDX支援が中心であったが、その裏では既に現在に通じる汎用的AIプラットフォーム構想が描かれていた。同社はプラットフォームの基盤技術を水面下で開発しつつ、まずは小売業向け画像解析サービス「ABEJA INSIGHT for Retail」に代表されるように、現場業務に直結するユースケースを通じてAIの実用性を追求していた。AIモデルの精度のほか、データの取得方法、現場オペレーションへの組み込み、導入後の改善プロセスといった“使われ続けるための条件”を実体験として蓄積していった点が重要である。2014年のSalesforce.com(現 Salesforce)との資本業務提携はこうした実装志向の延長線上にあり、エンタープライズITとの接続を強く意識し始めた象徴的な出来事であった。同社が提供するインストアマーケティングサービスとSalesforceが提供する「Salesforce Marketing Cloud」との連携、並びに同社の機械学習技術を活用した新規サービス開発におけるAppExchange、HubExchange連携が実現した。これらは、AIを業務システムと結合して価値化するという同社の実装志向を具体化した提携であった。(2) 第2ステージ:「ABEJA Platform」の誕生と事業モデル転換期(2017~2019年)2017年以降、同社は事業の本質的な転換期を迎えた。2017年5月にはNVIDIAとの資本提携を実施するとともに、NVIDIAが提供する「GPUベンチャー・プログラム」に採択された。同社のディープラーニング活用実績を背景に、GPUを活用した研究開発の推進に加え、技術面とマーケティング面での連携、さらには戦略的助言を含む支援を受ける体制が整備された。これにより、研究開発基盤の高度化と事業構想の対外発信を同時に進める局面に入った。こうした技術基盤の強化を踏まえ、同社は2018年に「ABEJA Platform」を正式にリリースした。同プラットフォームは、AIモデルを開発するためのツールではなく、AIを企業活動の中で安定的に稼働させ続けることを目的としたもので、開発・運用・改善を一体で連携させる構造により、単発的な開発案件の積み上げではなく、継続運用を前提とした独自の事業ポジションを形成した。この段階で同社は、「AI開発企業」から「産業横断型AIプラットフォーム企業」へと事業モデルを明確に転換したと考えられる。その後、AIの社会実装が進展する中で顕在化する倫理的・法的・社会的課題への対応として、2019年7月に外部有識者で構成される諮問委員会「Ethical Approach to AI(EAA)」を設立した。EAAは、個別案件への助言・提言に加え、社内のAI利用原則・行動指針の策定、海外の政策・法務動向の共有などを討議テーマとし、その知見を経営や事業運営へ反映することを目的としている。さらに2022年4月には委員体制を拡充するとともにAIポリシーを策定し、開発・利用・運用を含めた全社的なAI倫理ガバナンスの枠組みとして継続的な進化を図っている。AIの社会実装を前提とする以上、精度や性能のみならず、説明責任、ガバナンス、継続的な管理が不可欠であるとの思想が具体化されたこれらの取り組みにより、同社は技術、運用、倫理を一体で提供する独自の差別化軸を確立した。(3) 第3ステージ:社会インフラ型AIプラットフォームへの進化期(2020年~現在)2020年代に入ると、同社の事業領域はさらに拡張する。ミッションクリティカル業務へのAI導入ニーズが高まるなか、同社の「運用を前提としたプラットフォーム」という思想は、大企業や公的機関との親和性を強めていった。DX推進を目的とした資本業務提携や組織基盤の強化を経て、2023年6月には東証グロース市場へ上場した。上場後は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による国家プロジェクトへの採択が相次ぎ、ポスト5G、統合知能システム、生成AI基盤モデルといった日本の次世代AIインフラ整備に深く関与する立場へと進化している。これらの案件は単なる研究開発ではなく、同社が長年培ってきたAI運用、データガバナンス、セキュリティ、説明責任といった要素が評価された結果であり、「ABEJA Platform」が社会インフラ型AI基盤として高い適合性を有していることを示している。現在はさらに、LLMやAIモデルとロボティクスとの融合を見据え、次世代の成長テーマであるフィジカルAIへの展開を進めている。個別業務の最適化にとどまらず、社会システム全体を支えるAI基盤へと進化する段階に入ったと位置付けられる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2026/02/16 12:03
注目トピックス 日本株
ABEJA Research Memo(2):AIバリューチェーンのプラットフォーマー(1)
*12:02JST ABEJA Research Memo(2):AIバリューチェーンのプラットフォーマー(1)
■会社概要1. 会社概要ABEJA<5574>は2012年9月に設立されたAIテクノロジー企業であり、ミッションクリティカル業務へのAI導入と継続運用を主軸としたデジタルプラットフォーム事業を展開している。2023年6月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場へ上場し、現在は大企業顧客を中心に事業規模を拡大している。代表取締役CEOは創業者の岡田陽介(おかだようすけ)氏である。同社は「ゆたかな世界を、実装する」を理念に掲げ、AI技術そのものではなく、AIが企業や社会の中で安定的に機能し続ける状態の構築を事業の中心に据えている。AI活用が実証実験や個別業務の効率化にとどまりがちななか、ABEJAは業務全体の構造に踏み込んだ“実装フェーズ”に注力してきた点に特徴がある。中核となる「ABEJA Platform」は、岡田CEOが「AIの世界における道路や信号機、そしてそれらを統合管理する管制塔」と表現する基盤である。AIモデルそのもの、すなわち“自動車”を開発するだけではなく、複数のAIが安全かつ継続的に稼働するためのインフラを構築する思想に基づいている。個別最適を積み重ねる従来型AI開発やDX支援とは異なり、業務プロセス全体を俯瞰した全体最適を実現する点が、同社の明確な差別化要因となっている。同社のビジネスモデルは、単なるシステム導入にとどまらず、顧客の基幹業務プロセスそのものを「ABEJA Platform」上で構築・運用し続ける点に特徴がある。これにより導入後はデータ・業務・ガバナンスが一体化する。結果としてスイッチングコストが高まり、顧客との長期的なパートナー関係が構築される。この構造は、米国のPalantir Technologiesなどの先進AIプラットフォームベンダーと通底しており、同社は日本市場における同様のポジションを担う存在と位置付けられる。顧客基盤は近年大きく変化しており、大企業比率の上昇とともに案件規模や業務重要度は高まっており、AI基盤の中核技術と運用設計は同社が主導する形を維持している。また、防衛分野や国の大型プロジェクトなど公的領域への展開も進んでおり、高度なセキュリティやガバナンス要件に適合可能な点から、今後の案件拡大が見込まれる。技術面では、自社構築による小型LLMを活用し、コスト優位性と性能、データガバナンスを両立させている。クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド構成にも対応可能であり、機密性要件の高い業務にも適合する。LLM・LLM関連案件は案件タイプにより単価差はあるものの、総じて高収益基調にある。さらに同社は、AIとロボティクス、物理領域を融合するフィジカルAIを次世代成長テーマとして位置付けており、1〜2年先を見据えた研究開発と事業準備を進めている。「SaaS is dead」という思想の下、点の個別最適から面・線による全体最適へと転換を図り、プラットフォーム基盤による業務横断型オーケストレーションの実現を成長戦略の軸としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2026/02/16 12:02
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