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ABEJA Research Memo(2):AIバリューチェーンのプラットフォーマー(1)
配信日時:2026/02/16 12:02
配信元:FISCO
*12:02JST ABEJA Research Memo(2):AIバリューチェーンのプラットフォーマー(1)
■会社概要
1. 会社概要
ABEJA<5574>は2012年9月に設立されたAIテクノロジー企業であり、ミッションクリティカル業務へのAI導入と継続運用を主軸としたデジタルプラットフォーム事業を展開している。2023年6月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場へ上場し、現在は大企業顧客を中心に事業規模を拡大している。代表取締役CEOは創業者の岡田陽介(おかだようすけ)氏である。
同社は「ゆたかな世界を、実装する」を理念に掲げ、AI技術そのものではなく、AIが企業や社会の中で安定的に機能し続ける状態の構築を事業の中心に据えている。AI活用が実証実験や個別業務の効率化にとどまりがちななか、ABEJAは業務全体の構造に踏み込んだ“実装フェーズ”に注力してきた点に特徴がある。中核となる「ABEJA Platform」は、岡田CEOが「AIの世界における道路や信号機、そしてそれらを統合管理する管制塔」と表現する基盤である。AIモデルそのもの、すなわち“自動車”を開発するだけではなく、複数のAIが安全かつ継続的に稼働するためのインフラを構築する思想に基づいている。個別最適を積み重ねる従来型AI開発やDX支援とは異なり、業務プロセス全体を俯瞰した全体最適を実現する点が、同社の明確な差別化要因となっている。
同社のビジネスモデルは、単なるシステム導入にとどまらず、顧客の基幹業務プロセスそのものを「ABEJA Platform」上で構築・運用し続ける点に特徴がある。これにより導入後はデータ・業務・ガバナンスが一体化する。結果としてスイッチングコストが高まり、顧客との長期的なパートナー関係が構築される。この構造は、米国のPalantir Technologiesなどの先進AIプラットフォームベンダーと通底しており、同社は日本市場における同様のポジションを担う存在と位置付けられる。
顧客基盤は近年大きく変化しており、大企業比率の上昇とともに案件規模や業務重要度は高まっており、AI基盤の中核技術と運用設計は同社が主導する形を維持している。また、防衛分野や国の大型プロジェクトなど公的領域への展開も進んでおり、高度なセキュリティやガバナンス要件に適合可能な点から、今後の案件拡大が見込まれる。技術面では、自社構築による小型LLMを活用し、コスト優位性と性能、データガバナンスを両立させている。クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド構成にも対応可能であり、機密性要件の高い業務にも適合する。LLM・LLM関連案件は案件タイプにより単価差はあるものの、総じて高収益基調にある。さらに同社は、AIとロボティクス、物理領域を融合するフィジカルAIを次世代成長テーマとして位置付けており、1〜2年先を見据えた研究開発と事業準備を進めている。「SaaS is dead」という思想の下、点の個別最適から面・線による全体最適へと転換を図り、プラットフォーム基盤による業務横断型オーケストレーションの実現を成長戦略の軸としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
<HN>
1. 会社概要
ABEJA<5574>は2012年9月に設立されたAIテクノロジー企業であり、ミッションクリティカル業務へのAI導入と継続運用を主軸としたデジタルプラットフォーム事業を展開している。2023年6月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場へ上場し、現在は大企業顧客を中心に事業規模を拡大している。代表取締役CEOは創業者の岡田陽介(おかだようすけ)氏である。
同社は「ゆたかな世界を、実装する」を理念に掲げ、AI技術そのものではなく、AIが企業や社会の中で安定的に機能し続ける状態の構築を事業の中心に据えている。AI活用が実証実験や個別業務の効率化にとどまりがちななか、ABEJAは業務全体の構造に踏み込んだ“実装フェーズ”に注力してきた点に特徴がある。中核となる「ABEJA Platform」は、岡田CEOが「AIの世界における道路や信号機、そしてそれらを統合管理する管制塔」と表現する基盤である。AIモデルそのもの、すなわち“自動車”を開発するだけではなく、複数のAIが安全かつ継続的に稼働するためのインフラを構築する思想に基づいている。個別最適を積み重ねる従来型AI開発やDX支援とは異なり、業務プロセス全体を俯瞰した全体最適を実現する点が、同社の明確な差別化要因となっている。
同社のビジネスモデルは、単なるシステム導入にとどまらず、顧客の基幹業務プロセスそのものを「ABEJA Platform」上で構築・運用し続ける点に特徴がある。これにより導入後はデータ・業務・ガバナンスが一体化する。結果としてスイッチングコストが高まり、顧客との長期的なパートナー関係が構築される。この構造は、米国のPalantir Technologiesなどの先進AIプラットフォームベンダーと通底しており、同社は日本市場における同様のポジションを担う存在と位置付けられる。
顧客基盤は近年大きく変化しており、大企業比率の上昇とともに案件規模や業務重要度は高まっており、AI基盤の中核技術と運用設計は同社が主導する形を維持している。また、防衛分野や国の大型プロジェクトなど公的領域への展開も進んでおり、高度なセキュリティやガバナンス要件に適合可能な点から、今後の案件拡大が見込まれる。技術面では、自社構築による小型LLMを活用し、コスト優位性と性能、データガバナンスを両立させている。クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド構成にも対応可能であり、機密性要件の高い業務にも適合する。LLM・LLM関連案件は案件タイプにより単価差はあるものの、総じて高収益基調にある。さらに同社は、AIとロボティクス、物理領域を融合するフィジカルAIを次世代成長テーマとして位置付けており、1〜2年先を見据えた研究開発と事業準備を進めている。「SaaS is dead」という思想の下、点の個別最適から面・線による全体最適へと転換を図り、プラットフォーム基盤による業務横断型オーケストレーションの実現を成長戦略の軸としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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