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ダイナミクマップ Research Memo(7):2026年3月期はライセンス型売上の拡大により、事業構造の転換が進む
配信日時:2025/12/30 11:37
配信元:FISCO
*11:37JST ダイナミクマップ Research Memo(7):2026年3月期はライセンス型売上の拡大により、事業構造の転換が進む
■今後の見通し
ダイナミックマッププラットフォーム<336A>の2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.2%減の7,000百万円、調整後EBITDAは500百万円の損失(前期は609百万円の損失)の見通しであり、期初計画を据え置いている。全体として保守的な前提を維持しつつも、収益構造の転換を進めるという同社の方針が織り込まれた計画である。
ライセンス型売上は、HDマップ搭載車種の拡大や法人向けデータライセンスの増加を背景として、前期比96.4%増の2,300百万円と大幅な拡大を見込んでいる。オートモーティブビジネスでは、量産車向けHDマップの搭載メーカー・車種の拡大に加え、自動運転・ADAS分野の主要プレーヤーへのライセンス販売などを強化する方針である。3Dデータビジネスでは、販売パートナーを通じた既存HDマップデータの販売拡大を推進する。一方で、プロジェクト型売上は同25.3%減の4,700百万円と減収を見込む。同社は将来的な収益性向上やライセンス型売上の拡大に直結する案件を優先して受注する方針を掲げており、データカバレッジの拡大、新たな道路クラスのHDマップ整備、自動車メーカーとの協業による地域拡大など、戦略的テーマに沿った案件を中心に推進する。また、3Dデータビジネスでは、政府・民間プロジェクトにおいて将来のライセンス商材開発につながる案件の獲得を目指す。なお、プロジェクト型においても十分な収益性が見込める場合には、追加受注に柔軟に対応する姿勢を維持する。
利益面は、ライセンス型売上の拡大に伴う収益性の改善により、調整後EBITDAの損失幅は前期からの縮小を見込む。ライセンス型は固定費中心のコスト構造であるため、売上の増加が利益改善に直結し、売上高構成比の変化が収益改善に寄与すると見られる。
2026年3月期の会社計画は、売上全体では慎重な見通しを維持しながらも、事業構造の転換を着実に進め、収益性の向上を重視する計画となっている。同社が中期的に目指す「ライセンス型を中心とした安定収益モデル」への移行に向けて、順調な進展が期待される。
■パイプライン
オートモーティブは量産車向けに加え法人ライセンスが拡大、3Dデータは販路拡大が進む
2026年3月期中間時点の案件パイプラインを見ると、オートモーティブビジネスと3Dデータビジネスの両分野において、既存案件が着実に進捗し、新規商談も増加している。
(1) ライセンス型オートモーティブビジネス
量産車向けのライセンス案件が順調に進展している。自動車メーカーB社とは新車種へのデータ搭載に向けた商談が進んでおり、今後の採用拡大が期待される。また、自動車メーカーG社の北米向け案件では、同社のデータを組み込んだ新モデルの量産が計画どおり開始された。最終契約の書面締結は残っているものの、既にデータ提供と量産が進んでいることから、正式契約は目前と見られる。
法人向けライセンスについては、ウーブン・バイ・トヨタ向けの案件が2026年3月期第1四半期にクロージングし、2025年11月には海外大手半導体メーカーとの新規契約も成立した。加えて、ほかの大手自動車メーカーグループや自動運転システム開発企業、海外半導体大手からの引き合いも増え、とりわけAI学習用データとしての需要が強まっている。
(2) ライセンス型3Dデータビジネス
パートナー企業を通じた販路拡大が進んでいる。特に、ドイツのソフトウェア企業であるPTV Groupとのデータ提供ライセンス契約により、2025年8月からPTV Groupがリリースした交通シミュレーションプラットフォーム「Model2Go for PTV Vissim」を通じて、高精度3Dデータのグローバル提供を開始した。新たな国際的サプライチェーンが立ち上がり、今後の販売拡大が期待される。
(3) プロジェクト型オートモーティブビジネス
将来の新規データ整備に向け、複数の自動車メーカーとの協議を進めている。日米欧・韓国・中東といった既存展開地域に加え、それ以外の国や地域、異なる道路クラスからも相談が寄せられ、事業性を見極めながら受注判断を行っている。また、既に整備済みのHDマップについては、常に最新状態を維持するための定期的な更新が不可欠である。特にレベル2+以上のADASや自動運転領域では、道路環境の変化に即したアップデートが求められるため、継続的な更新需要が見込まれる。
(4) プロジェクト型3Dデータビジネス
国家プロジェクト「デジタルライフライン」ではコンソーシアム経由で業務を受託し、同社が担当する領域は物流自動化という重要なテーマにおいて主要な役割を担っている。また、国土交通省によるASEAN諸都市のスマートシティ支援事業にも採択され、都市インフラ整備や都市交通の高度化など、スマートシティ領域での活用や新興国市場への事業展開も進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
<HN>
ダイナミックマッププラットフォーム<336A>の2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.2%減の7,000百万円、調整後EBITDAは500百万円の損失(前期は609百万円の損失)の見通しであり、期初計画を据え置いている。全体として保守的な前提を維持しつつも、収益構造の転換を進めるという同社の方針が織り込まれた計画である。
ライセンス型売上は、HDマップ搭載車種の拡大や法人向けデータライセンスの増加を背景として、前期比96.4%増の2,300百万円と大幅な拡大を見込んでいる。オートモーティブビジネスでは、量産車向けHDマップの搭載メーカー・車種の拡大に加え、自動運転・ADAS分野の主要プレーヤーへのライセンス販売などを強化する方針である。3Dデータビジネスでは、販売パートナーを通じた既存HDマップデータの販売拡大を推進する。一方で、プロジェクト型売上は同25.3%減の4,700百万円と減収を見込む。同社は将来的な収益性向上やライセンス型売上の拡大に直結する案件を優先して受注する方針を掲げており、データカバレッジの拡大、新たな道路クラスのHDマップ整備、自動車メーカーとの協業による地域拡大など、戦略的テーマに沿った案件を中心に推進する。また、3Dデータビジネスでは、政府・民間プロジェクトにおいて将来のライセンス商材開発につながる案件の獲得を目指す。なお、プロジェクト型においても十分な収益性が見込める場合には、追加受注に柔軟に対応する姿勢を維持する。
利益面は、ライセンス型売上の拡大に伴う収益性の改善により、調整後EBITDAの損失幅は前期からの縮小を見込む。ライセンス型は固定費中心のコスト構造であるため、売上の増加が利益改善に直結し、売上高構成比の変化が収益改善に寄与すると見られる。
2026年3月期の会社計画は、売上全体では慎重な見通しを維持しながらも、事業構造の転換を着実に進め、収益性の向上を重視する計画となっている。同社が中期的に目指す「ライセンス型を中心とした安定収益モデル」への移行に向けて、順調な進展が期待される。
■パイプライン
オートモーティブは量産車向けに加え法人ライセンスが拡大、3Dデータは販路拡大が進む
2026年3月期中間時点の案件パイプラインを見ると、オートモーティブビジネスと3Dデータビジネスの両分野において、既存案件が着実に進捗し、新規商談も増加している。
(1) ライセンス型オートモーティブビジネス
量産車向けのライセンス案件が順調に進展している。自動車メーカーB社とは新車種へのデータ搭載に向けた商談が進んでおり、今後の採用拡大が期待される。また、自動車メーカーG社の北米向け案件では、同社のデータを組み込んだ新モデルの量産が計画どおり開始された。最終契約の書面締結は残っているものの、既にデータ提供と量産が進んでいることから、正式契約は目前と見られる。
法人向けライセンスについては、ウーブン・バイ・トヨタ向けの案件が2026年3月期第1四半期にクロージングし、2025年11月には海外大手半導体メーカーとの新規契約も成立した。加えて、ほかの大手自動車メーカーグループや自動運転システム開発企業、海外半導体大手からの引き合いも増え、とりわけAI学習用データとしての需要が強まっている。
(2) ライセンス型3Dデータビジネス
パートナー企業を通じた販路拡大が進んでいる。特に、ドイツのソフトウェア企業であるPTV Groupとのデータ提供ライセンス契約により、2025年8月からPTV Groupがリリースした交通シミュレーションプラットフォーム「Model2Go for PTV Vissim」を通じて、高精度3Dデータのグローバル提供を開始した。新たな国際的サプライチェーンが立ち上がり、今後の販売拡大が期待される。
(3) プロジェクト型オートモーティブビジネス
将来の新規データ整備に向け、複数の自動車メーカーとの協議を進めている。日米欧・韓国・中東といった既存展開地域に加え、それ以外の国や地域、異なる道路クラスからも相談が寄せられ、事業性を見極めながら受注判断を行っている。また、既に整備済みのHDマップについては、常に最新状態を維持するための定期的な更新が不可欠である。特にレベル2+以上のADASや自動運転領域では、道路環境の変化に即したアップデートが求められるため、継続的な更新需要が見込まれる。
(4) プロジェクト型3Dデータビジネス
国家プロジェクト「デジタルライフライン」ではコンソーシアム経由で業務を受託し、同社が担当する領域は物流自動化という重要なテーマにおいて主要な役割を担っている。また、国土交通省によるASEAN諸都市のスマートシティ支援事業にも採択され、都市インフラ整備や都市交通の高度化など、スマートシティ領域での活用や新興国市場への事業展開も進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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