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四電工 Research Memo(4):配電工事と電気・計装工事が拡大基調、四国電力グループ向けが安定収益源
配信日時:2025/12/30 12:34
配信元:FISCO
*12:34JST 四電工 Research Memo(4):配電工事と電気・計装工事が拡大基調、四国電力グループ向けが安定収益源
■事業概要
3. 工事種類別・得意先別の推移(単体ベース)
四電工<1939>の単体ベースの工事種類別・得意先別の過去5期(2021年3月期~2025年3月期)及び2026年3月期中間期の売上高及び構成比の推移を見ると、大型案件によって変動するものの、売上高は工事種類別では配電工事と電気・計装工事が拡大基調である。配電工事の売上高は2021年3月期の30,429百万円から2025年3月期の35,369百万円へ、電気・計装工事の売上高は同23,020百万円から同35,528百万円へ、それぞれ増加した。売上構成比は配電工事と電気・計装工事がそれぞれ約3~4割で推移して主力事業となっている。
配電工事と電気・計装工事の拡大に伴い、得意先別では四国電力グループ(四国電力、四国電力送配電(株))と一般民間が拡大基調である。四国電力グループの売上高は同35,239百万円から同41,119百万円へ、一般民間の売上高は同31,256百万円から同44,160百万円へ、それぞれ増加した。売上高構成比は四国電力グループが約5割、官公庁が約1割、一般民間が約4割で推移している。一般民間は期によって変動するが、四国電力グループが安定収益源となっている。また同社資料によると2025年3月期の単体ベースの地域別売上高は、四国ほかが前期比65億円増の757億円、首都圏が同70億円増の124億円、関西圏が同33億円増の58億円だった。
なお2026年3月期は、配電工事が堅調に推移するが、電気・計装工事及び空調・管工事については既述のとおり、複数の大型案件の完工が前期に集中した反動に加え、2026年3月期は新規に着工した大型案件の進捗が初期段階にあたるため出来高が上がりにくいことを考慮して、売上高が減少する見込みとしている。
人手不足がリスク要因だが、受注案件精査で採算性向上
4. リスク要因と課題・対策
建設業界の一般的なリスク要因としては、景気等に伴う建設投資変動と受注競争激化、人件費や資機材価格の高騰による工事利益率の低下、人手不足による施工力の制約、計画変更等による工期遅れ、施工不具合に伴う賠償責任、環境規制や技術革新への対応遅れなどが挙げられる。
建設投資については、一般民間建築に関しては変動の可能性があるものの、大都市圏の再開発案件や地域の社会資本整備等により底堅く推移する見込みである。同社の場合は四国電力グループ向け電力送配電設備工事が安定収益源となっているため、需要変動によって業績が悪化するリスクは小さいと弊社では考えている。人件費や資機材価格の高騰に関しては、業界全体として受注価格への転嫁が進展しているもようである。
人手不足による施工力の制約リスクに関しては、2024年度から適用開始された時間外労働の上限規制による影響が、同社だけでなく建設業界全体のリスク要因として意識される。一方で、昨今の旺盛な建設需要に対して施工力が追いつかない状況であるため、採算性を一段と重視した受注を行うことで、工事の採算性向上につなげている。また同社は資機材調達を含めた原価管理の強化や施工効率の向上に加えて、積極的な人材採用・育成を進めており、M&Aも活用しながら徐々に施工力を高める方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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3. 工事種類別・得意先別の推移(単体ベース)
四電工<1939>の単体ベースの工事種類別・得意先別の過去5期(2021年3月期~2025年3月期)及び2026年3月期中間期の売上高及び構成比の推移を見ると、大型案件によって変動するものの、売上高は工事種類別では配電工事と電気・計装工事が拡大基調である。配電工事の売上高は2021年3月期の30,429百万円から2025年3月期の35,369百万円へ、電気・計装工事の売上高は同23,020百万円から同35,528百万円へ、それぞれ増加した。売上構成比は配電工事と電気・計装工事がそれぞれ約3~4割で推移して主力事業となっている。
配電工事と電気・計装工事の拡大に伴い、得意先別では四国電力グループ(四国電力、四国電力送配電(株))と一般民間が拡大基調である。四国電力グループの売上高は同35,239百万円から同41,119百万円へ、一般民間の売上高は同31,256百万円から同44,160百万円へ、それぞれ増加した。売上高構成比は四国電力グループが約5割、官公庁が約1割、一般民間が約4割で推移している。一般民間は期によって変動するが、四国電力グループが安定収益源となっている。また同社資料によると2025年3月期の単体ベースの地域別売上高は、四国ほかが前期比65億円増の757億円、首都圏が同70億円増の124億円、関西圏が同33億円増の58億円だった。
なお2026年3月期は、配電工事が堅調に推移するが、電気・計装工事及び空調・管工事については既述のとおり、複数の大型案件の完工が前期に集中した反動に加え、2026年3月期は新規に着工した大型案件の進捗が初期段階にあたるため出来高が上がりにくいことを考慮して、売上高が減少する見込みとしている。
人手不足がリスク要因だが、受注案件精査で採算性向上
4. リスク要因と課題・対策
建設業界の一般的なリスク要因としては、景気等に伴う建設投資変動と受注競争激化、人件費や資機材価格の高騰による工事利益率の低下、人手不足による施工力の制約、計画変更等による工期遅れ、施工不具合に伴う賠償責任、環境規制や技術革新への対応遅れなどが挙げられる。
建設投資については、一般民間建築に関しては変動の可能性があるものの、大都市圏の再開発案件や地域の社会資本整備等により底堅く推移する見込みである。同社の場合は四国電力グループ向け電力送配電設備工事が安定収益源となっているため、需要変動によって業績が悪化するリスクは小さいと弊社では考えている。人件費や資機材価格の高騰に関しては、業界全体として受注価格への転嫁が進展しているもようである。
人手不足による施工力の制約リスクに関しては、2024年度から適用開始された時間外労働の上限規制による影響が、同社だけでなく建設業界全体のリスク要因として意識される。一方で、昨今の旺盛な建設需要に対して施工力が追いつかない状況であるため、採算性を一段と重視した受注を行うことで、工事の採算性向上につなげている。また同社は資機材調達を含めた原価管理の強化や施工効率の向上に加えて、積極的な人材採用・育成を進めており、M&Aも活用しながら徐々に施工力を高める方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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