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日産東HD Research Memo(5):中間期は下限に近いが想定内で着地
配信日時:2025/12/26 12:05
配信元:FISCO
*12:05JST 日産東HD Research Memo(5):中間期は下限に近いが想定内で着地
■日産東京販売ホールディングス<8291>の業績動向
1. 2026年3月期中間期の業績動向
2026年3月期中間期の業績は、売上高が63,123百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益が1,933百万円(同49.1%減)、経常利益が2,048百万円(同45.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,571百万円(同36.8%減)となった。大幅減益ではあるが、下期に新型車投入や新規出店が集中することもあって、下限に近いが想定内の着地となった。
同社は、中期経営計画に掲げる成長戦略に即し、地域密着型の営業体制を生かして顧客との関係性をより一層強化することで、変化の激しい自動車業界において、持続的かつ安定的な収益構造の確立と企業価値の向上を目指した。しかしながら中間期は、堅調な入庫により整備事業が増収となったものの、新型車が端境期であったこと、新店がなかったこと、供給元の日産自動車のリストラに伴う風評が新規顧客の集客に影響したことなどにより、新車販売と中古車販売の台数が減少して減収となった。営業利益は、成長のための投資は継続しつつコストコントロールに努めたが、販売台数の減少や販売価格の低下の影響により減益となった。もともと新型車が端境期のため通期では減益予想だったが、新車と中古車の販売台数が想定よりやや少なかったため、中間期業績が下限に近いが想定となった。なお、特別利益で受取補償金が発生したため、親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅は営業・経常利益に比べると少なくなっている。
中古車個人リースと整備事業が堅調に推移
2. 事業別の売上動向
事業別の売上高は、新車販売の伸び悩みとそれに伴う中古車販売及び手数料収入等の減少を、個人リースや整備事業でカバーしきれなかった。なお、額は小さいがその他の売上高が大きく伸びたのは、不動産の有効活用を進めたことが要因である。
(1) 新車販売
同社は、充実した電動車ラインナップ(EV4車種、e-POWER車5車種など)を軸とした販売に加え、個人リースなどの強みの提案型営業を生かし、受注台数と販売単価の維持・向上による収益の確保に取り組んだ。しかし、新型車の端境期、新規来店客数低下などの影響により、同社の新車登録台数は前年同期比15.9%減となった(全国の新車登録台数は同0.5%増、同社マーケットである東京都内は同2.1%増)。営業利益は、販売台数の減少及び経年による販売単価低下により減益となった。新規来店の減少については、新型車のない中間期は我慢の時期でもあり、既存客を中心にコミュニケーションの強化に取り組んだ。また、新型車の投入される下期へ向けては、ネット経由のカタログ請求に対応するためにホームページの集客力を強化したほか、ネット経由の情報を生かし他車からの買い替えを促進するリードキャンペーンを実施している。電動車比率については、人気の「サクラ」が一巡したことでEV比率が9.5%と前期末比0.3ポイント下がったが、e-POWER車の販売が安定的に推移したことで電動車比率は92.6%と同2.1ポイント上昇した。個人リースは、販売台数は新型車不在のため2,314台と同500台減となったが、増加傾向の市場トレンドや同社の長い経験、ラインナップの多さ、ワンプライス販売を背景に、新車販売と収益の拡大に引き続き貢献していくと思われる。
(2) 中古車販売
中古車販売は、中古車市場の相場が高騰から下降へ転じたことによる販売単価下落、新車販売台数の減少に伴う下取車の仕入れ減少により、減収となった。営業利益は、売上高同様に販売単価低下と販売台数減少の影響により減益となった。下降傾向を続けていた市場相場もここで底を打ち、オークションでは9月に上昇傾向に転じた模様である。中古車個人リースについては、顧客ニーズの多様化を背景に241台(前年同期比21台増)と順調に販売台数を増やし、ワンプライス販売による収益確保や将来の新車需要の基盤拡大に貢献した。
(3) 整備事業
整備事業では13万件超のメンテナンスパック会員という安定したストック基盤に支えられ、メンテナンス需要を継続的に取り込んだことで増収となった。また、メンテナンスパック会員による安定した入庫に加え、メンテナンスパック会員以外の顧客向けに価格改定を行ったことで、営業利益も増益となった。なかでも「車検館」は、入庫予定のデジタル化など仕組み面での利便性向上と出店継続によって、リピート顧客の確保と新規顧客の獲得を同時に進め、増収増益を継続した模様である。同社もこうした「車検館」のノウハウを取り込むことで、顧客基盤のさらなる活用を図っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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1. 2026年3月期中間期の業績動向
2026年3月期中間期の業績は、売上高が63,123百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益が1,933百万円(同49.1%減)、経常利益が2,048百万円(同45.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,571百万円(同36.8%減)となった。大幅減益ではあるが、下期に新型車投入や新規出店が集中することもあって、下限に近いが想定内の着地となった。
同社は、中期経営計画に掲げる成長戦略に即し、地域密着型の営業体制を生かして顧客との関係性をより一層強化することで、変化の激しい自動車業界において、持続的かつ安定的な収益構造の確立と企業価値の向上を目指した。しかしながら中間期は、堅調な入庫により整備事業が増収となったものの、新型車が端境期であったこと、新店がなかったこと、供給元の日産自動車のリストラに伴う風評が新規顧客の集客に影響したことなどにより、新車販売と中古車販売の台数が減少して減収となった。営業利益は、成長のための投資は継続しつつコストコントロールに努めたが、販売台数の減少や販売価格の低下の影響により減益となった。もともと新型車が端境期のため通期では減益予想だったが、新車と中古車の販売台数が想定よりやや少なかったため、中間期業績が下限に近いが想定となった。なお、特別利益で受取補償金が発生したため、親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅は営業・経常利益に比べると少なくなっている。
中古車個人リースと整備事業が堅調に推移
2. 事業別の売上動向
事業別の売上高は、新車販売の伸び悩みとそれに伴う中古車販売及び手数料収入等の減少を、個人リースや整備事業でカバーしきれなかった。なお、額は小さいがその他の売上高が大きく伸びたのは、不動産の有効活用を進めたことが要因である。
(1) 新車販売
同社は、充実した電動車ラインナップ(EV4車種、e-POWER車5車種など)を軸とした販売に加え、個人リースなどの強みの提案型営業を生かし、受注台数と販売単価の維持・向上による収益の確保に取り組んだ。しかし、新型車の端境期、新規来店客数低下などの影響により、同社の新車登録台数は前年同期比15.9%減となった(全国の新車登録台数は同0.5%増、同社マーケットである東京都内は同2.1%増)。営業利益は、販売台数の減少及び経年による販売単価低下により減益となった。新規来店の減少については、新型車のない中間期は我慢の時期でもあり、既存客を中心にコミュニケーションの強化に取り組んだ。また、新型車の投入される下期へ向けては、ネット経由のカタログ請求に対応するためにホームページの集客力を強化したほか、ネット経由の情報を生かし他車からの買い替えを促進するリードキャンペーンを実施している。電動車比率については、人気の「サクラ」が一巡したことでEV比率が9.5%と前期末比0.3ポイント下がったが、e-POWER車の販売が安定的に推移したことで電動車比率は92.6%と同2.1ポイント上昇した。個人リースは、販売台数は新型車不在のため2,314台と同500台減となったが、増加傾向の市場トレンドや同社の長い経験、ラインナップの多さ、ワンプライス販売を背景に、新車販売と収益の拡大に引き続き貢献していくと思われる。
(2) 中古車販売
中古車販売は、中古車市場の相場が高騰から下降へ転じたことによる販売単価下落、新車販売台数の減少に伴う下取車の仕入れ減少により、減収となった。営業利益は、売上高同様に販売単価低下と販売台数減少の影響により減益となった。下降傾向を続けていた市場相場もここで底を打ち、オークションでは9月に上昇傾向に転じた模様である。中古車個人リースについては、顧客ニーズの多様化を背景に241台(前年同期比21台増)と順調に販売台数を増やし、ワンプライス販売による収益確保や将来の新車需要の基盤拡大に貢献した。
(3) 整備事業
整備事業では13万件超のメンテナンスパック会員という安定したストック基盤に支えられ、メンテナンス需要を継続的に取り込んだことで増収となった。また、メンテナンスパック会員による安定した入庫に加え、メンテナンスパック会員以外の顧客向けに価格改定を行ったことで、営業利益も増益となった。なかでも「車検館」は、入庫予定のデジタル化など仕組み面での利便性向上と出店継続によって、リピート顧客の確保と新規顧客の獲得を同時に進め、増収増益を継続した模様である。同社もこうした「車検館」のノウハウを取り込むことで、顧客基盤のさらなる活用を図っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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