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ステップ Research Memo(1):神奈川県内で圧倒的ブランド力を持つ学習塾、業績も安定成長が続く
配信日時:2025/12/25 10:01
配信元:FISCO
*10:01JST ステップ Research Memo(1):神奈川県内で圧倒的ブランド力を持つ学習塾、業績も安定成長が続く
■要約
ステップ<9795>は神奈川県内で小学5~高校3年生を対象とした学習塾「STEP」を展開している。教師のプロ化による質の高い学習指導力に定評があり、高校受験においては学力向上進学重点校8校及びエントリー校10校における合格者数で、2位の学習塾を2倍以上引き離し独走状態にある。2025年10月末の校舎数は小中学生部門145スクール、高校生部門15校、個別指導部門1校のほか、学童保育部門「STEPキッズ」5教室及び2022年4月に新設した「ステップジュニアラボ」1教室の計167校を展開し、在籍生徒数は3万人を超える。
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の業績は、売上高で前期比5.0%増の15,846百万円、営業利益で同7.7%増の3,780百万円といずれも計画(売上高15,714百万円、営業利益3,674百万円)を上回り、3期ぶりに過去最高業績を更新した。売上高は期中平均生徒数が同4.3%増と順調に推移したことが増収要因となった。利益面では、人件費や教材費が想定を上回ったものの、増収効果に加えて新基幹システムの開発遅れで当初見込んでいたシステム関連費用126百万円の計上が2026年9月期以降にずれ込んだことが上振れ要因となった。なお、新規開校は小中学生部門で1スクール、STEPキッズで1教室となり例年よりも抑えた格好だが、これは高品質なサービス水準を維持すべく教師の採用・育成に注力する期間と位置付けたためだ。
2. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の業績は売上高で前期比4.1%増の16,494百万円、営業利益で同4.3%増の3,942百万円と増収増益が続くと見込んでいる。難関校への高い合格実績と学習指導力の高さが顧客から高い支持を受けており、小中学生部門、高校生部門ともに期中平均生徒数は前期比3~4%増を計画している。新規開校は2校程度と抑制する方針で、既存スクールの充席率アップと満席学年の空席待ち解消、また空席数の少ない既存校の移転増床を進めることで生徒数の増加を見込んでいる。2025年10月末時点の生徒数は前年同期比3.3%増となっており、下期に伸び率はやや拡大する見通しだ。また、2026年春より、物価上昇が続く中で中1~中3の一部授業料の値上げを実施する方向である。
3. 今後の成長戦略
成長戦略として、小中学生部門においては横浜市・川崎市エリアを中心に今後10年程度をかけてスクールのネットワークを形成し、シェア拡大により安定成長を目指す。また、難関大学の合格実績増加で人気が高まっている高校生部門では、既存校舎の増床・移転だけでなく、質の高い教師の採用・育成に注力し、新規開校も進める考えだ。5教室を展開する学童保育部門では、需要が見込めるエリアを中心に着実に教室を展開していくものと予想される。スクール数を増やすためには人的リソースの拡充が必要となるが、同社は採用力の向上施策として、2026年1月より「奨学金返還支援(代理返還)制度」を福利厚生制度の一環として導入したほか、地方の学生がアクセスしやすいように2025年11月に横浜駅近隣に採用拠点を開設した。これら取り組みが採用力の向上につながるものと期待される。
4. 株主還元策
同社は配当性向50%を目安としており、2025年9月期の1株当たり配当金は前期比8.0円増配の85.0円(配当性向49.9%)とし、2026年9月期も同3.0円増配となる88.0円(同49.9%)と連続増配を予定している。また、株主優待制度として毎年9月末の株主に対して保有株式数と継続保有期間に応じてオリジナルQUOカード(500~4,000円分)を贈呈している。さらに、自己株式取得についても実施中である(2025年10月1日~2026年9月30日まで、上限取得株式数280千株、取得額672百万円)。
■Key Points
・全学年で生徒数が増加、2025年9月期は3期ぶりに過去最高業績を更新
・2026年9月期も生徒数の増加により増収増益が続く見通し
・横浜・川崎エリアでシェアを拡大、今後も増収増益と堅実な成長を目指す
・配当性向50%を目安に増配を継続、自己株式取得も実施中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ステップ<9795>は神奈川県内で小学5~高校3年生を対象とした学習塾「STEP」を展開している。教師のプロ化による質の高い学習指導力に定評があり、高校受験においては学力向上進学重点校8校及びエントリー校10校における合格者数で、2位の学習塾を2倍以上引き離し独走状態にある。2025年10月末の校舎数は小中学生部門145スクール、高校生部門15校、個別指導部門1校のほか、学童保育部門「STEPキッズ」5教室及び2022年4月に新設した「ステップジュニアラボ」1教室の計167校を展開し、在籍生徒数は3万人を超える。
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の業績は、売上高で前期比5.0%増の15,846百万円、営業利益で同7.7%増の3,780百万円といずれも計画(売上高15,714百万円、営業利益3,674百万円)を上回り、3期ぶりに過去最高業績を更新した。売上高は期中平均生徒数が同4.3%増と順調に推移したことが増収要因となった。利益面では、人件費や教材費が想定を上回ったものの、増収効果に加えて新基幹システムの開発遅れで当初見込んでいたシステム関連費用126百万円の計上が2026年9月期以降にずれ込んだことが上振れ要因となった。なお、新規開校は小中学生部門で1スクール、STEPキッズで1教室となり例年よりも抑えた格好だが、これは高品質なサービス水準を維持すべく教師の採用・育成に注力する期間と位置付けたためだ。
2. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の業績は売上高で前期比4.1%増の16,494百万円、営業利益で同4.3%増の3,942百万円と増収増益が続くと見込んでいる。難関校への高い合格実績と学習指導力の高さが顧客から高い支持を受けており、小中学生部門、高校生部門ともに期中平均生徒数は前期比3~4%増を計画している。新規開校は2校程度と抑制する方針で、既存スクールの充席率アップと満席学年の空席待ち解消、また空席数の少ない既存校の移転増床を進めることで生徒数の増加を見込んでいる。2025年10月末時点の生徒数は前年同期比3.3%増となっており、下期に伸び率はやや拡大する見通しだ。また、2026年春より、物価上昇が続く中で中1~中3の一部授業料の値上げを実施する方向である。
3. 今後の成長戦略
成長戦略として、小中学生部門においては横浜市・川崎市エリアを中心に今後10年程度をかけてスクールのネットワークを形成し、シェア拡大により安定成長を目指す。また、難関大学の合格実績増加で人気が高まっている高校生部門では、既存校舎の増床・移転だけでなく、質の高い教師の採用・育成に注力し、新規開校も進める考えだ。5教室を展開する学童保育部門では、需要が見込めるエリアを中心に着実に教室を展開していくものと予想される。スクール数を増やすためには人的リソースの拡充が必要となるが、同社は採用力の向上施策として、2026年1月より「奨学金返還支援(代理返還)制度」を福利厚生制度の一環として導入したほか、地方の学生がアクセスしやすいように2025年11月に横浜駅近隣に採用拠点を開設した。これら取り組みが採用力の向上につながるものと期待される。
4. 株主還元策
同社は配当性向50%を目安としており、2025年9月期の1株当たり配当金は前期比8.0円増配の85.0円(配当性向49.9%)とし、2026年9月期も同3.0円増配となる88.0円(同49.9%)と連続増配を予定している。また、株主優待制度として毎年9月末の株主に対して保有株式数と継続保有期間に応じてオリジナルQUOカード(500~4,000円分)を贈呈している。さらに、自己株式取得についても実施中である(2025年10月1日~2026年9月30日まで、上限取得株式数280千株、取得額672百万円)。
■Key Points
・全学年で生徒数が増加、2025年9月期は3期ぶりに過去最高業績を更新
・2026年9月期も生徒数の増加により増収増益が続く見通し
・横浜・川崎エリアでシェアを拡大、今後も増収増益と堅実な成長を目指す
・配当性向50%を目安に増配を継続、自己株式取得も実施中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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