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BRUNO Research Memo(3):事業ドメインは住関連ライフスタイル市場。商品企画力とデザイン力が強み
配信日時:2025/12/24 12:03
配信元:FISCO
*12:03JST BRUNO Research Memo(3):事業ドメインは住関連ライフスタイル市場。商品企画力とデザイン力が強み
■事業概要
1. 事業ドメインと強み
BRUNO<3140>の事業ドメインは、生活関連産業のうち、「ホームファッション関連市場」と日常生活に質的満足を求める「ライフスタイル領域」が重なる「住関連ライフスタイル市場」である。この事業領域において、既存領域の深化と新規領域の拡大に取り組んでいる。
同社の最大の強みは、「住関連ライフスタイル市場」で培った商品企画力とデザイン力である。社員の過半数を女性が占めており、ターゲットでもある女性視点に基づく機能性とデザインが両立している点が特徴である。特にデザイン性へのこだわりを強く持ち、デザイナーの育成に注力し、評価制度も確立している。また、商品のみならずラッピングやPOPに特化したデザイナーを配置することで、細部まで統一感あるブランド表現を行っている。こうした企画力とデザイン力は高いブランド認知度にもつながっており、同社が実施した調査※によると「3人に1人が「BRUNO」を認知している」という結果が得られている。製造面では、主に中国において製造委託先を複数確保し、長年のパートナーシップを通じてコスト競争力の高いネットワークを構築している点も強みである。自社企画開発商品に加えて、国内外ブランドホルダーからセレクトブランド商品を仕入れて販売しているが、売上高全体に占める割合は1割未満にとどまっている。
※ 調査委託先:マクロミル
回答者:20歳~64歳の男女11,310人
調査期間:2023年1月19日(木)~1月23日(月)
名前(ロゴ)を知っているブランドとして、BRUNOを回答した人の割合
同社は3つの報告セグメントで事業を行っており、卸売、直営店(小売)、ECという異なる販路をバランス良く展開することでリスク分散を図っている。また、商品面でもキッチン雑貨を中心とするインテリア商品ブランド「BRUNO」、トラベル商品ブランド「MILESTO」のほか化粧品などのカテゴリーを展開し、事業ポートフォリオの多様化を進めている。
(1) 住関連ライフスタイル商品製造卸売事業
インテリアショップなどの専門店、セールスプロモーションを行う法人向けに、自社オリジナルブランド商品(BRUNO、MILESTO)及びOEM商品を卸売販売する事業である。海外では販売代理店を通じた卸売が中心であり、全売上高の48.8%、全セグメント利益の33.1%を占める(2025年6月期)。
(2) 住関連ライフスタイル商品小売事業
直営店及び自社ECサイト、Amazonや楽天市場などのオンラインモールを通じて、一般消費者に商品を販売する事業である。直営店は「BRUNO」「TRAVEL SHOP MILESTO(トラベルショップミレスト)」「GOOD GIFT GO(グッド ギフト ゴー)」を展開している。全売上高の51.1%、全セグメント利益の63.9%を占める(2025年6月期)。
(3) デザイン事業
他社製品(キッチン雑貨など)へのBRUNOデザイン提供やコンセプト・デザインの企画・作成などを行い、主に手数料収入を得ている。全売上高の0.4%、全セグメント利益の2.9%を占める(2025年6月期)。
2. 主力ブランドの特徴と代表的な商品
(1) BRUNO
BRUNOは、デザイン性の高いキッチン家電やインテリア商品を中心としたライフスタイルブランドである。代表的なヒット商品は「コンパクトホットプレート」で、累計出荷台数378万台を超えている(2025年10月末時点)。従来のホットプレートが抱えていた「大きい」「地味な色」「収納が面倒」といった課題を解決し、「片付け不要でインテリアにもなる」という新たな市場を創出した。そのほかにも、ギフト需要でも人気の高いハンディタイプの「マルチスティックブレンダー」や、油を使わず揚げ物調理ができ、本格的なグリル調理や惣菜の温め直しにも対応する「ガラスエアフライヤー」、トーストやグリル調理に対応する「スチーム&ベイク トースター」などを提供している。また、「ボリュームノブスピーカー」はSNSで話題となり、国内と中国で売上を大きく伸ばした。結婚や出産などのライフイベントに対応した「BRUNOカタログギフト」も展開し、ギフト市場での需要を取り込んでいる。引き続き、キッチン家電領域を中心に、既存ヒット商品の周辺需要を拡大させる関連商品や課題解決型の商品開発を進めていく。
(2) MILESTO
MILESTOは、トラベルグッズやバッグなどを展開するトラベル商品ブランドである。旅行需要の回復やインバウンド増加を背景に売上を伸ばしている。耐水性とデザイン性を兼ね備えた「LIKID(リキッド)シリーズ」と、都市建設から着想を得た「Hutte(ヒュッテ)シリーズ」は、2025年度GOOD DESIGN賞を受賞するなど商品力が高く評価されている。今後はトラベル関連の雑貨商品の開発に加え、デイリーアイテムの商品ラインナップを拡充し、プロモーション強化によりブランド認知を拡大していく。
(3) ジャパンギャルズ
2023年7月に完全子会社化したジャパンギャルズは、美容関連商品の企画開発やOEM受託、化粧品製造販売を主力事業とし、化粧品や健康食品の販売も行う。ジャパンギャルズが持つ美容家電分野の技術力とBRUNOのデザイン力・ブランド力を融合させ、フェイシャルリフト機器やヘアドライヤーなどの美容家電の販売を開始した。これにより、BRUNOブランドとして理美容関連分野への本格参入を進めている。さらに、ジャパンギャルズの独自販路を活用し、美白成分を含む美容マスクの卸先店舗拡大にも注力している。
2025年6月期の各ブランドの売上動向について見ると、BRUNOが前期比14.7%増の9,721百万円と伸長し、全体の3分の2を占め全体をけん引した。MILESTOは同27.4%増の1,285百万円と大幅に伸び、全体の10%弱にとどまるものの占める割合が大きくなった。ジャパンギャルズは、BRUNOブランドの売上に一部シフトしたことにより同9.5%減の2,189百万円となったが、全体の約15%を占めた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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1. 事業ドメインと強み
BRUNO<3140>の事業ドメインは、生活関連産業のうち、「ホームファッション関連市場」と日常生活に質的満足を求める「ライフスタイル領域」が重なる「住関連ライフスタイル市場」である。この事業領域において、既存領域の深化と新規領域の拡大に取り組んでいる。
同社の最大の強みは、「住関連ライフスタイル市場」で培った商品企画力とデザイン力である。社員の過半数を女性が占めており、ターゲットでもある女性視点に基づく機能性とデザインが両立している点が特徴である。特にデザイン性へのこだわりを強く持ち、デザイナーの育成に注力し、評価制度も確立している。また、商品のみならずラッピングやPOPに特化したデザイナーを配置することで、細部まで統一感あるブランド表現を行っている。こうした企画力とデザイン力は高いブランド認知度にもつながっており、同社が実施した調査※によると「3人に1人が「BRUNO」を認知している」という結果が得られている。製造面では、主に中国において製造委託先を複数確保し、長年のパートナーシップを通じてコスト競争力の高いネットワークを構築している点も強みである。自社企画開発商品に加えて、国内外ブランドホルダーからセレクトブランド商品を仕入れて販売しているが、売上高全体に占める割合は1割未満にとどまっている。
※ 調査委託先:マクロミル
回答者:20歳~64歳の男女11,310人
調査期間:2023年1月19日(木)~1月23日(月)
名前(ロゴ)を知っているブランドとして、BRUNOを回答した人の割合
同社は3つの報告セグメントで事業を行っており、卸売、直営店(小売)、ECという異なる販路をバランス良く展開することでリスク分散を図っている。また、商品面でもキッチン雑貨を中心とするインテリア商品ブランド「BRUNO」、トラベル商品ブランド「MILESTO」のほか化粧品などのカテゴリーを展開し、事業ポートフォリオの多様化を進めている。
(1) 住関連ライフスタイル商品製造卸売事業
インテリアショップなどの専門店、セールスプロモーションを行う法人向けに、自社オリジナルブランド商品(BRUNO、MILESTO)及びOEM商品を卸売販売する事業である。海外では販売代理店を通じた卸売が中心であり、全売上高の48.8%、全セグメント利益の33.1%を占める(2025年6月期)。
(2) 住関連ライフスタイル商品小売事業
直営店及び自社ECサイト、Amazonや楽天市場などのオンラインモールを通じて、一般消費者に商品を販売する事業である。直営店は「BRUNO」「TRAVEL SHOP MILESTO(トラベルショップミレスト)」「GOOD GIFT GO(グッド ギフト ゴー)」を展開している。全売上高の51.1%、全セグメント利益の63.9%を占める(2025年6月期)。
(3) デザイン事業
他社製品(キッチン雑貨など)へのBRUNOデザイン提供やコンセプト・デザインの企画・作成などを行い、主に手数料収入を得ている。全売上高の0.4%、全セグメント利益の2.9%を占める(2025年6月期)。
2. 主力ブランドの特徴と代表的な商品
(1) BRUNO
BRUNOは、デザイン性の高いキッチン家電やインテリア商品を中心としたライフスタイルブランドである。代表的なヒット商品は「コンパクトホットプレート」で、累計出荷台数378万台を超えている(2025年10月末時点)。従来のホットプレートが抱えていた「大きい」「地味な色」「収納が面倒」といった課題を解決し、「片付け不要でインテリアにもなる」という新たな市場を創出した。そのほかにも、ギフト需要でも人気の高いハンディタイプの「マルチスティックブレンダー」や、油を使わず揚げ物調理ができ、本格的なグリル調理や惣菜の温め直しにも対応する「ガラスエアフライヤー」、トーストやグリル調理に対応する「スチーム&ベイク トースター」などを提供している。また、「ボリュームノブスピーカー」はSNSで話題となり、国内と中国で売上を大きく伸ばした。結婚や出産などのライフイベントに対応した「BRUNOカタログギフト」も展開し、ギフト市場での需要を取り込んでいる。引き続き、キッチン家電領域を中心に、既存ヒット商品の周辺需要を拡大させる関連商品や課題解決型の商品開発を進めていく。
(2) MILESTO
MILESTOは、トラベルグッズやバッグなどを展開するトラベル商品ブランドである。旅行需要の回復やインバウンド増加を背景に売上を伸ばしている。耐水性とデザイン性を兼ね備えた「LIKID(リキッド)シリーズ」と、都市建設から着想を得た「Hutte(ヒュッテ)シリーズ」は、2025年度GOOD DESIGN賞を受賞するなど商品力が高く評価されている。今後はトラベル関連の雑貨商品の開発に加え、デイリーアイテムの商品ラインナップを拡充し、プロモーション強化によりブランド認知を拡大していく。
(3) ジャパンギャルズ
2023年7月に完全子会社化したジャパンギャルズは、美容関連商品の企画開発やOEM受託、化粧品製造販売を主力事業とし、化粧品や健康食品の販売も行う。ジャパンギャルズが持つ美容家電分野の技術力とBRUNOのデザイン力・ブランド力を融合させ、フェイシャルリフト機器やヘアドライヤーなどの美容家電の販売を開始した。これにより、BRUNOブランドとして理美容関連分野への本格参入を進めている。さらに、ジャパンギャルズの独自販路を活用し、美白成分を含む美容マスクの卸先店舗拡大にも注力している。
2025年6月期の各ブランドの売上動向について見ると、BRUNOが前期比14.7%増の9,721百万円と伸長し、全体の3分の2を占め全体をけん引した。MILESTOは同27.4%増の1,285百万円と大幅に伸び、全体の10%弱にとどまるものの占める割合が大きくなった。ジャパンギャルズは、BRUNOブランドの売上に一部シフトしたことにより同9.5%減の2,189百万円となったが、全体の約15%を占めた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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