注目トピックス 日本株
日本空調---大幅続落、株式売出実施による短期的な需給悪化を警戒視
配信日時:2025/12/08 12:50
配信元:FISCO
*12:50JST 日本空調---大幅続落、株式売出実施による短期的な需給悪化を警戒視
日本空調<4658>は大幅続落。356万1800株の株式売出、並びに、53万4200株を上限とするオーバーアロットメントによる売出の実施を発表している。売出人は、あいち銀行、三菱UFJ銀行、岐阜信用金庫、三菱UFJ信託銀行となる。売出価格は15日から18日までの間に決定する予定。政策保有株式の縮減、株主層の拡大・多様化及び中長期的な株式流動性の向上を図ることを目的としている。現在の流動性状況から短期的な需給悪化を警戒する動きが先行。
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出来高変化率ランキング(13時台)~日本空調、ココナラなどがランクイン
*13:52JST 出来高変化率ランキング(13時台)~日本空調、ココナラなどがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [12月8日 13:32 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<4516> 日本新薬 6608300 1655096.92 340.60% 0.1321%<2624> iF225年4 157719 43569.817 336.71% -0.0003%<4662> フォーカスS 1261000 116447.36 326.43% 0.2123%<7932> ニッピ 79200 68844.8 296.48% -0.0031%<235A> GX高配30 89048 26614.37 289.10% -0.0008%<4658> 日本空調 709600 89418.3 254.15% -0.0311%<6433> ヒーハイスト 5080800 597739.32 213.16% 0.1859%<4395> アクリート 249300 37000.84 213.02% 0.0979%<198A> ポストプライ 11264700 273618.86 203.46% 0.2816%<2632> MXSナ100ヘ 13303 54890.175 200.31% 0.0025%<3656> KLab 44604600 2675462.26 175.13% 0.1897%<7088> フォーラムエンシ 1623400 639935.38 173.21% 0%<219A> ハートシード 6137000 2349401.72 171.51% 0.1382%<9612> ラックランド 265400 92651.6 165.80% 0.0141%<4176> ココナラ 942200 82702.32 163.98% 0.0781%<9287> JIF 17345 273844.44 161.55% 0%<281A> インフォメティス 214900 22593.88 160.80% -0.0641%<3121> マーチャント 788100 66021.16 156.69% 0.0448%<1478> iS高配当 101200 102850.378 156.04% 0.0033%<3193> エターナルホスヒ 300700 254573 155.36% 0.0614%<6332> 月島HD 715000 474632.96 151.15% 0.0942%<2681> ゲオHD 338000 164824 142.35% 0.0633%<4813> ACCESS 928700 143703.38 139.43% -0.0038%<286A> ユカリア 361400 89661.96 138.51% 0.0726%<7282> 豊田合 14954800 15710027.36 132.46% 0.0141%<2633> NFS&P500 218550 45413.695 130.22% 0.0044%<6331> 化工機 879700 993040.2 128.16% 0.0726%<9418> U-NEXT 1336600 773005.96 125.68% -0.0325%<5817> JMACS 2198800 429544.06 124.09% 0.0634%<2674> ハードオフ 65500 39708.68 121.10% 0.0365%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
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2025/12/08 13:52
注目トピックス 日本株
明治HD---大幅続伸、株主優待制度の拡充を発表
*13:27JST 明治HD---大幅続伸、株主優待制度の拡充を発表
明治HD<2269>は大幅続伸。株主優待制度の拡充を先週末に発表している。これまでは3月末の保有株数に応じて、グループ製品の詰め合わせ(100株以上1500円相当、200株以上2500円相当、1000株以上5500円相当)が贈呈されていたが、3年以上の長期保有者に対しては、新たに「長期保有感謝BOX」を贈呈するとしている。優待内容の充実が期待されるほか、権利落ち後の短期的な下落リスクも軽減されると想定される形に。
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2025/12/08 13:27
注目トピックス 日本株
アイル---大幅反発、第1四半期大幅増益決算を好感する動き
*13:14JST アイル---大幅反発、第1四半期大幅増益決算を好感する動き
アイル<3854>は大幅反発。先週末に第1四半期の決算を発表している。営業利益は13.3億円で前年同期比23.4%増となり、据え置きの上半期計画25.7億円、同13.6%増に対して順調な進捗と捉えられているようだ。安定した案件進捗によって、システムソリューション事業を中心に売上・利益ともに2ケタ成長、プロジェクトの工程進捗フェーズの組み合わせの結果、粗利率は56.9%で歴代レコードを更新しているようだ。
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2025/12/08 13:14
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ワコム Research Memo(7):累進配当をベースに、総還元性向50%以上を目指す
*13:07JST ワコム Research Memo(7):累進配当をベースに、総還元性向50%以上を目指す
■ワコム<6727>のこれまでの業績推移「テクノロジーソリューション事業」がここ数年の業績の伸びをけん引コロナ禍前の2020年3月期までの売上高推移を見ると、2017年3月期に一時的に大きく落ち込んだのは円高に加え、過度な社内ITインフラ投資、製品サイクルの移行等の影響が重なったことが理由である。その後「テクノロジーソリューション事業」の伸びとともに回復したものの、「ブランド製品事業」については縮小傾向をたどり、「ブランド製品事業」のマイナスを「テクノロジーソリューション事業」のプラスでカバーする構造が続いた。2021年3月期にはコロナ禍をきっかけに、オンライン教育向けを含む巣ごもり特需などを中心に「ブランド製品事業」(特に中低価格帯モデル)が急拡大すると、特需が一巡した2022年3月期も「ブランド製品事業」のプロ向けディスプレイ製品や「テクノロジーソリューション事業」の伸びにより、2期連続で過去最高売上高を更新した。ただ、2023年3月期以降は、インフレなど世界的な経済環境の悪化による急激な消費者センチメントの低下や特需からの反動減等により、「ブランド製品事業」(特にエントリー領域)が大きく落ち込む一方、「テクノロジーソリューション事業」の伸びでカバーしてきた。損益面では、営業損失となった2017年3月期以降は、積極的な研究開発や新製品開発をこなしながら営業利益率は4%台から6%台で徐々に改善してきた。2021年3月期及び2022年3月期は、増収に伴う収益の押し上げや製品ミックスの改善、販管費の最適化等により2期連続で高い利益率を確保したものの、2023年3月期以降は、「ブランド製品事業」が3期連続でセグメント損失を計上したことにより、全体の利益率も大きく低下した。財務面では、IT資産の減損損失の計上により最終損失となった2017年3月期に自己資本比率は一時的に低下したが、その後は内部留保の積み増しにより改善傾向にあり、60%の水準に上昇した。ただ、2023年3月期以降は自己株式の取得等により低下傾向にあり、2025年3月期末時点の自己資本比率は43.6%となった。また、資本効率を示すROEや事業活動の効率性を示すROICは高水準で推移してきた。2023年3月期は利益水準の落ち込みとともにいったん大きく低下したものの、2024年3月期は改善に向かい、2025年3月期のROEは同社が試算した株主資本コストの推計値(8%〜10%)に対して15.6%、2025年3月期のROICは同資本コストの推計値(7%〜9%)に対して16.3%と、大きく上回る水準となった。■株主還元累進配当をベースに自己株式の取得も組み合わせ、総還元性向50%以上を目指す将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当の継続と機動的な自己株式取得を実施することを基本方針としている。2025年3月期よりスタートした中期経営計画「Wacom Chapter 4」では、累進配当をベースとして自己株式の取得も組み合わせた総還元性向50%以上を目指す新たな株主還元策を公表した。2026年3月期の配当については、前期と同額の1株当たり22.0円(中間11.0円※、期末11.0円)を予想している。※ 2025年12月5日支払開始予定。■会社概要クリエイター向けペンタブレット市場を確立同社は1983年に埼玉県上尾市で設立された。社名は「ワールド」と「コンピュータ」に由来している。また「WA」には「人とコンピュータの調和」、「COM」には「コミュニケーション」や最近は「コミュニティ」の意味も込められている。1984年には世界初のコードレス・ペンタブレット製品を発表した。1987年にはプロフェッショナル用グラフィックス・ペンタブレットの「SDシリーズ」が発売され、ウォルト・ディズニーに映画制作で使用された。その後も地道に製品の改良を重ね、クリエイター向けペンタブレット市場では、2000年代以降マーケットリーダーとしての地位を確立した。1991年にはペン・センサーコンポーネント分野(現 「テクノロジーソリューション事業」)にも進出した。同社のデジタルペンやコントロールIC、タッチパネル等の部品やモジュールを完成品メーカーにOEM供給しており、タブレット・ノートPCやスマートフォン向けの市場拡大に乗って急成長を遂げた。証券市場には2003年4月に日本証券業協会JASDAQ市場に上場した後、2005年12月に東京証券取引所第1部に上場して現在に至る(2022年4月より東証プライム市場へ移行)。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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2025/12/08 13:07
注目トピックス 日本株
ワコム Research Memo(6):技術革新とコミュニティとの共創によりさらなる企業価値向上を目指す
*13:06JST ワコム Research Memo(6):技術革新とコミュニティとの共創によりさらなる企業価値向上を目指す
■ワコム<6727>の中期経営計画「Wacom Chapter 4」1. 中期経営計画「Wacom Chapter 4」の方向性新たにスタートした4ヶ年の中期経営計画「Wacom Chapter 4」では、引き続き「ライフロング・インク」のビジョンを継承するとともに、同社を『究極の「かく」体験を追求する道具屋』として定義した。これまで磨き上げてきた要素技術をさらに高め統合するとともに、新たな「かく」体験※を実現する技術革新と共創を通じて、さらなる企業価値向上を目指す。※ 「描く」「書く」を極め、その先の「かく」を拓く(ひらく)という、広義の「かく」体験の実現に向けた想い(ミッション)が込められている。その実現に向けて、1)コミュニティとともにユースケース領域の開発 → 2)新方式ペン技術の導入を含む同社の持つ要素技術の統合+資本提携を含むコミュニティとの技術体験の共創 → 3)ソリューションポートフォリオ(完成品・技術モジュール・プラットフォーム・インクサービス技術)への進化 → 4)事業セグメントの集約を想定した新組織構造(Inking Experience Support Groupを構成する3つのグループ)による体験価値の提供という、4つのプロセスによる価値提供の循環を推進する。特に1)については、ポテンシャルが大きな「創る(Creation)」「学ぶ/教える(Learning/Teaching)」「働く/楽しむ、その先へ(Work/Play & Beyond)」「より人間らしく生きる(Well-being)」の4つのユースケース領域※に対して積極投資を行う。2)については、引き続き新コア技術(AI、セキュリティ、XR)をペン体験に統合するとともに、各パートナーとの共創により技術開発の商用化(実装)を進める。※ 教育、日常業務のワークフロー、医療分野のDXなどが含まれる。2. 数値目標最終年度(2029年3月期)の数値目標として、売上高1,500億円(2025年3月期比343.2億円増)、営業利益150億円(同47.9億円増)を掲げた。また、資本効率性も重視し、同社試算の株主資本コストの推計値※をそれぞれ大きく上回るROE20%以上、ROIC18%以上を目指す。※ 同社は株主資本コストについて、CAPM推計や市場の期待水準(株式益利回りの水準)を踏まえて8%~10%程度、資本コスト(WACC)は7%~9%程度と推計している。売上高の増加分(343.2億円増)については、円高・米国関税影響などの外部要因によるマイナスの影響(115億円減)を事業成長(458億円増)でカバーするシナリオである。具体的には、「ブランド製品事業」における事業構造改革完了後の商品ポートフォリオ強化(113億円増)のほか、「テクノロジーソリューション事業」における既存事業の安定成長(195億円増)及び教育・医療・DX支援等の新規事業分野からの収益貢献(150億円増)が、トップラインの伸びをけん引する。営業利益の増加分(47.9億円増)も、外部要因によるマイナスの影響(30億円減)を事業構造改革効果(29億円増)及び事業成長(53億円増)でカバーするシナリオだ。その事業成長の内訳は、「ブランド製品事業」の商品ポートフォリオ強化(12億円増)のほか、「テクノロジーソリューション事業」の既存事業の伸び(27億円増)と新規事業の貢献(14億円増)となっている。3. 資本政策及び成長投資の内訳4年間の営業キャッシュ・フロー(R&D控除前)を累計940億円と見込む一方、その資金をR&Dと設備投資(合計620億円)やM&Aを含む技術資本提携(120億円以上)に投入するほか、株主還元(総還元性向50%以上)にもバランスよく配分していく。また、技術資本提携の進捗状況や株価水準を踏まえて、追加的な株主還元への活用も検討するとしている。4. 弊社による戦略評価と注目点市場拡大に伴うエントリー領域での競争が続くものの、デジタルペンやインクが持つ可能性は各方面で拡がりを見せており、同社は継続的に成長するための転換点にあると弊社では捉えている。したがって、各技術要素の統合やパートナーとの共創を通じて、ポテンシャルの大きな事業ドメインを切り開いていく戦略は、成長の蓋然性が高いと評価できる。革新的な価値創出となる分野ゆえ、本格的な事業化に向けた時間軸は現時点で不透明な部分が多いが、この中期経営計画期間中にどこまで具体的なソリューションを形にできるかが今後の焦点となる。同社では、「創る」「学ぶ/教える」「働く/楽しむ、その先へ」「より人間らしく生きる」の4つのユースケース領域ごとに、各ステージ(市場展開、事業化、市場実装、開発)に分けて事業進捗ポジショニングを開示しており、事業の方向性が明確化された。今後それぞれがどのように進捗していくのか、さらなるパイプラインの積み上げをいかに図るかをフォローする必要がある。特に、すでに事業化ステージにある(株)ベネッセコーポレーションとの協業(進研ゼミ等)やモンブラン(MONTBLANC)とのデジタル文房具体験といったパートナーとの協業や義歯デザインDXなどの市場展開スピードをはじめ、開発(R&D)ステージにある認知症早期発見ソリューションの事業化への目途にも注目しており、それぞれが中期経営計画期間中に立ち上がってくれば、先行者優位性(技術やデータの蓄積を含む)を確保できる可能性がある。また、今後どのようなパートナーと組んでいくのかも同社に対する技術的評価やビジネスの具現性を判断するうえで重要な材料となるだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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2025/12/08 13:06
注目トピックス 日本株
倉元製作所---ストップ高、ペロブスカイト太陽電池事業の新会社を設立へ
*13:05JST 倉元製作所---ストップ高、ペロブスカイト太陽電池事業の新会社を設立へ
倉元製作所<5216>はストップ高。12月15日を効力発生日とする新設分割により、ペロブスカイト太陽電池事業に関する権利義務を、新たに設立するKURAMOTOペロブスカイトに承継させることを決議したと発表している。ペロブスカイト太陽電池事業を子会社に移管することで、投資意向のある他企業との資本提携により、必要資金を当該子会社で調達しやすくするもよう。市場成長期待の高い同事業の本格化に向けた取り組みとして、期待感が先行する格好に。
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2025/12/08 13:05
注目トピックス 日本株
ワコム Research Memo(5):2026年3月期の通期業績予想を据え置き、通期でも減収ながら2ケタ増益を予想
*13:05JST ワコム Research Memo(5):2026年3月期の通期業績予想を据え置き、通期でも減収ながら2ケタ増益を予想
■ワコム<6727>の業績見通し1. 2026年3月期の業績予想2026年3月期の連結業績予想について同社は、各事業の下期販売動向などを十分に見極める必要があるとして期初予想を据え置き、売上高を前期比4.9%減の110,000百万円、営業利益を同12.6%増の11,500百万円、経常利益を同10.6%増の11,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同62.7%増の8,500百万円と、減収増益を見込んでいる。本業の事業収益が拡大する一方、円高や米国関税といった外部要因による影響を想定していることから、通期で減収を見込んでいる。「ブランド製品事業」における新カテゴリー製品が順調に立ち上がるも、下期の年末商戦期やOEM顧客からの需要の動向等を十分に見極める必要があるとして、期初予想を据え置いた。損益面では、円高や米国関税といった外部要因による影響を想定しているものの、「ブランド製品事業」の黒字転換や事業収益の伸びにより、2ケタの増益を確保する。2. 弊社の見方通期業績予想の達成のためには、下期売上高58,606百万円、営業利益5,646百万円が必要である。引き続き為替動向や米国関税問題を含め、先行き不透感が残るものの、中間期業績における収益体質の改善や下期に追加的な新製品投入効果が期待できること、さらに年末商戦期などを総合的に勘案すれば、想定を超える外部環境の悪化がない限り、業績予想は達成可能な範囲内であると見ている。注目すべきは、中期経営計画「Wacom Chapter 4」の初年度として、引き続き、パートナー(技術・資本提携先)との共創、各ユースケース領域における新たな事業化に向けた進捗、新カテゴリー(ポータブルクリエイティブ)に対する市場反応である。2027年3月期以降の事業拡大に向けた動向が注目される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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2025/12/08 13:05
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ワコム Research Memo(4):2026年3月期中間期はブランド製品事業の黒字転換により、増益を達成
*13:04JST ワコム Research Memo(4):2026年3月期中間期はブランド製品事業の黒字転換により、増益を達成
■ワコム<6727>の決算概要1. 2026年3月期中間期の業績概要2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比10.3%減の51,394百万円、営業利益が同6.9%増の5,854百万円、経常利益が同22.0%増の5,838百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同19.2%増の4,137百万円と、減収ながら増益を達成した。通期予想に対しても順調に進捗した。減収となったのは、前年同期よりも円高に進んだことや米国関税の影響(合計で約25.7億円の減収要因)に加え、「テクノロジーソリューション事業」のOEM顧客からの需要動向の変化が主因である。一方、この数年苦戦してきた「ブランド製品事業」については新製品投入効果により第2四半期で増収に転じた。損益面でも、円高及び米国関税の影響(合計約5.2億円の減益要因)が重荷となったものの、「ブランド製品事業」の事業構造改革に伴う固定費削減や新製品投入効果により研究開発費の増加等もカバーし、増益を実現した。営業利益率も11.4%(前年同期は9.6%)と10%を超える水準に戻ってきた。財政状態については、技術・資本提携に伴う出資(合計4億円)を除くと特筆すべき変動はなく、総資産は前期末比0.6%増の71,222百万円とほぼ横ばいで推移した※。一方、自己資本については、利益準備金の積み増しにより同7.9%増の33,297百万円に増加し、自己資本比率は46.8%(前期末は43.6%)に改善した。※ 2025年5月16日付けで自己株式11,000,000株の消却を実施した。2. 事業別の業績概要(1)テクノロジーソリューション事業売上高は前年同期比13.1%減の36,914百万円、セグメント利益は同18.9%減の7,561百万円となった。販売数量の減少に加え、円高及び米国関税の影響により減収減益となった。ただ、セグメント利益率は20.5%(前年同期は21.9%)と依然として高水準であり、収益構造自体に変化はない。OEM顧客からの需要動向の変化は、主に主要顧客であるサムスン電子の一部モデルの仕様変更が主因のようだ。ただ、GalaxyシリーズにおけるSペンの位置付けに変わりはなく、今後も新ユースケースの共同開発等を通じて、ペン対応デバイスのポートフォリオの拡充や利用シーンの増加につなげていく考えだ。(2)ブランド製品事業売上高は前年同期比2.3%減の14,480百万円、セグメント利益は924百万円(前年同期は1,106百万円の損失)と微減収ながら大幅な損益改善により黒字転換となった。売上高は、新製品投入※により第2四半期で増収に転じたものの、中間期全体ではわずかに減収となった。損益面では、これまで進めてきた事業構造改革による固定費削減や新製品投入に伴う販売数量の増加により大幅な損益改善(黒字転換)を実現した。※ ハイエンドのペンタブレット製品「Wacom Intuos Pro」、ミドルレンジのディスプレイ製品「Wacom Cintiq」、ポータブルクリエイティブ新製品「Wacom MovinkPad 11」がともに順調に推移した。3. 2026年3月期中間期の総括2026年3月期中間期を総括すると、為替や関税など外部要因によるマイナスの影響を大きく受けながらも、「ブランド製品事業」の事業構造改革が実を結び、増益を実現したことに尽きるだろう。特に、収益体質の改善(損益分岐点の引き下げ)及び新カテゴリー製品の順調な立ち上がりを確認できたところは、今後に向けて収益への寄与が見込まれる。また、活動面でも、技術・資本提携などにより、中期経営計画「Wacom Chapter 4」で掲げる新ユースケースの開拓に向けて、具体的な方向性の一端を示すことができた。■トピックス次世代の技術開発や新ユースケースの開拓に向け、技術・資本提携を推進。サステナビリティ開示やIR情報発信にも新たな取り組み1. 技術・資本提携の推進新中期経営計画「Wacom Chapter 4」の戦略軸に沿った取り組みとして、同社グループが持つデジタルペンの技術価値や各要素を「ペンとインクの統合体験」として市場実装するため、次世代の成長エンジンとなる技術開発に向け、積極的な投資や提携を推進している。2025年4月にはSYNCORE TECHNOLOGY CO.,LTD.に3億円を出資し、2025年5月には医療現場のメディカルワークフローにおける「かく」体験を共創するため、Holoeyes(株)に1億円を出資した。また、2025年8月には世界的オープンソース3D制作ソフトウェア「Blender」を開発した非営利団体Blender Foundationとの戦略的パートナーシップを強化するため、Blender開発基金プログラムの支援を最高ランクのPatronレベルに引き上げた。Blender Foundationとは共同開発(モバイル版Blenderやペンとタッチ体験向上等)や共同コミュニティ活動(イベント・教育支援等)での協業も進めている。そして、これらの取り組みの進捗を示すショーケースとして、2025年11月には多様な領域のパートナーと共創するコミュニティイベント「Connected Ink 2025」を開催し、コミュニティや領域ごとに強みを持つパートナーとの連携を通して、デジタルペンとデジタルインクのユースケースを拡大していくことを発信した。また、本イベント開催と併せて、IR情報の発信にも注力し、投資家・株主向けにCEOによるIRガイドツアーやIR radioを企画した。2. サステナビリティ開示への取り組みサステナビリティの取り組みについては、中期経営計画「Wacom Chapter 4」を補足するため、2025年6月に「Wacom Story Book Issue 2 『薄い本』」を発行している。この「Wacom Story Book」シリーズは、同社に関わる人々の多様なストーリーを収録し、「Issue 2」では、4つのテーマ「Chapter 4 サイドストーリー」「コミュニティと共に、生きる」「わたしたちのサステナビリティ」「わたしたちのガバナンス」の小冊子で構成されており、アンソロジー(選集)形式の読み物として構成されている。また、四半期決算などの開示資料だけでは伝えきれない情報については、ワコムIR専用のYouTubeチャンネル“#WacomIR Bookmark”を開設するなど新たなIR情報発信の強化に乗り出している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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2025/12/08 13:04
注目トピックス 日本株
ワコム Research Memo(3):環境変化を捉えた商品ポートフォリオの刷新や独自技術の事実上の標準化を推進
*13:03JST ワコム Research Memo(3):環境変化を捉えた商品ポートフォリオの刷新や独自技術の事実上の標準化を推進
■ワコム<6727>の各事業及び主要製品の特徴1. テクノロジーソリューション事業デジタルペン技術※に基づき、「AESテクノロジーソリューション」と「EMRテクノロジーソリューション」の2つに分類され、ペン・センサーシステムをスマートフォンやタブレット・ノートPCメーカーに供給している。「AESテクノロジーソリューション」においては、AES方式を採用するレノボや富士通クライアントコンピューティング(株)といった主要PCメーカーとの取引関係を築いている。「EMRテクノロジーソリューション」においては、EMR方式を採用している主要顧客のサムスン電子(Galaxyシリーズ)向けの取引を中心に構成されている。同社は独自のデジタルペン技術の事実上の標準化(デファクトスタンダード)を推進することにより、ユーザーの裾野を拡げながら規模拡大を優位に進める戦略を採っており、これまでも、フォルダブル(折り畳み型)や電子ペーパー技術を採用したデバイスにもいち早く対応してきた。新たにスタートした中期経営計画「Wacom Chapter 4」では、EMR方式、AES方式に加えて、ユースケースの拡大やデバイスのトレンド変化にも対応するため新方式ペン技術の導入も予定している。※ 独自の静電結合方式であるアクティブES(バッテリー必要)や、電磁誘導方式(EMR)(バッテリー不要)。2. ブランド製品事業ターゲット顧客や製品タイプ別に幅広いラインナップを有している。製品区分としては、(1)ディスプレイ、(2)ペンタブレット、(3)ポータブルクリエイティブ、(4)その他の4つに分かれる※。※ 2026年3月期より新カテゴリーの「ポータブルクリエイティブ」が新たに追加され、従来の「ビジネスソリューション」は「その他」へ合算された。(1)ディスプレイタブレットが液晶パネル※になったもので、デジタルペンで液晶画面に直接描画できるところに特徴がある。一方、OSや記憶装置を持たない入力デバイスという点では後述する「ペンタブレット製品」と同じ性格のPC周辺機器と言える。インチサイズや性能差により価格帯が10万円~50万円前後と幅広く、特に同社の製品はプロやハイエンドアマチュアからの高い支持を保持している。一方で、この数年は消費者センチメントの悪化や他カテゴリーへ需要がシフトする傾向のなかで、他社(中国メーカー等)からの価格攻勢によりエントリーモデルでの苦戦が見られるが、ミドルレンジの「Wacom Cintiq」の最新モデルを2025年5月に投入するなど、クリエイティブ専門領域での訴求に取り組んでいる。※ 「液タブ」と称されることもある。(2)ペンタブレットデジタルペンとタブレット(黒い板状のもの)で構成される最も基本的なデバイス※であり、事業化以降、主力製品として貢献してきた。マウスやキーボードと同じようにPCに接続して使用するPC周辺機器である。簡単な構成であることから、プロからエントリーユーザー向けに幅広い商品ポートフォリオを有している。ハイエンド市場では、「ディスプレイ製品」との併用がユースケースとして見られることなどから、ハイエンドモデルの競争力は維持されており、2025年3月にリリースした「Wacom Intuos Pro」の最新モデルもプロやハイエンドアマチュアからの評価が高い。一方で、差別化を図りにくいエントリーモデルでは他社(中国メーカー等)との競合が生じており、「ペンタブレット製品」に対する顧客ニーズへの対応は継続しつつも、商品ポートフォリオの見直しにより、「ディスプレイ製品」や後述する「ポータブルクリエイティブ製品」へ戦略的に経営資源をシフトしつつある。※ 「板タブ」と称されることもある。(3)ポータブルクリエイティブ新たに3本目の柱として追加区分されたカテゴリーである。ペンを手に取ってすぐ描きだせる点(OS搭載モデル)や、場所を選ばず使用できる点などの特徴を持ち、新たな「描く」体験の実現を追求する。2024年5月にリリースした「Wacom Movink 13」を皮切りに、2025年7月「Wacom MovinkPad 11」、2025年10月「Wacom MovinkPad Pro 14」をリリースするなどラインナップを拡張した。Android OSを搭載した「Wacom MovinkPad」シリーズは、PCとの接続や煩雑な初期設定が不要で、また画面にペンを軽く長押しするとスリープ状態から復帰する機能を搭載するなど、描くことを追求した製品として市場で好意的に受け入れられている。「Wacom MovinkPad 11」はエントリーゾーンをターゲットに順調に販売台数を伸ばしている。一方、「Wacom MovinkPad Pro 14」はディスプレイやCPUなどにより高性能を求めるユーザー向けとして位置付けられ、プロによる2台目のデバイスとしての併用など、ハイエンドなユースケースを想定したものとなっている。(4)その他旧ビジネスソリューションの構成要素に加え、これまで各製品ライン別に一定割合で配賦したオプション品も含む。主要製品は、液晶ディスプレイに直接文字入力(署名)や描写ができるビジネス用途向け製品などである。事例として、デジタルサイン分野(ホテルのチェックインやクレジットカード決済、銀行の口座開設等)、医療分野(電子カルテやインフォームドコンセント等)、公共分野(マイナンバーカードの窓口申請手続き等の行政サービスや各種コールセンター、電子投票の支援等)にわたる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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2025/12/08 13:03
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