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いい生活 Research Memo(6):2026年3月期はサブスクリプションとBPaaSの拡充で黒字転換を見込む
配信日時:2025/12/08 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST いい生活 Research Memo(6):2026年3月期はサブスクリプションとBPaaSの拡充で黒字転換を見込む
■いい生活<3796>の今後の見通し
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績予想は、売上高が3,196百万円(前期比5.5%増)、営業利益が107百万円(前期は37百万円の損失)、経常利益が106百万円(同42百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が72百万円(同39百万円の損失)となる見通しである。引き続き、サブスクリプション収益の安定成長に加え、データモダナイゼーションなど大規模ソリューション案件が増加し、売上拡大をけん引する。外注費削減や開発内製化が進んだことで費用効率も改善し、前期からの黒字転換を確実にする計画である。また、「いい生活建物管理クラウド」やオフィス/事業用ビル管理業向けテナントアプリなど新サービスの市場投入により、顧客単価の向上とクロスセルの深化を見込んでいる。
2. 2026年3月期の基本方針・成長戦略
2026年3月期における同社の基本方針・成長戦略は、主に4つの柱で構成されている。第1に、「エンタープライズ企業及び地域の中核不動産会社へのSaaS導入支援」の強化である。顧客の多様な業務課題に対応するため、導入から稼働まで一貫して伴走する体制を整備し、信頼性の高い業務基盤としての地位を確立する。第2に、「マルチプロダクト戦略の深化」を進める。既存プロダクト群の連携と機能拡張を強化し、売買領域の大規模アップデートや建物管理機能の追加など、業務全体を網羅することで、アップセル・クロスセルによる収益拡大を見込む。第3に、「トランザクション課金の拡大」を推進する。「いい生活Square」における流通データの活性化を通じて、プラットフォーム内での取引量を増やし、利用度に応じた課金モデルを拡充することで、収益機会の多様化を目指す。第4に、「データモダナイゼーションの強化」に取り組む。レガシーシステムに蓄積された旧来型データを整理・再構築し、SaaS上での活用を通じて顧客の業務効率と意思決定の質を高めることで、さらなる業務改善と価値創出を図る。以上の戦略を通じて、同社は不動産業界のDXを一層加速させ、中長期的な成長基盤の強化を推進する。
2026年3月期中間期は、新サービスの投入により提供価値の拡張が進んでいる。サンフロンティア不動産<8934>と共同開発したオフィスビル入居テナント向けアプリは、オフィスビル管理会社とテナント企業間のコミュニケーションをデジタル化し、多様な要望をワンストップで処理するオフィスビル特化型ソリューションとして展開を開始した。オフィスビル管理市場への新たな足掛かりとしている。また、新たに提供開始した「いい生活建物管理クラウド」は、賃貸管理会社向けに建物維持管理(PM/BM)のDXを支援する。保守点検・修繕管理、契約・請求・支払いの電子化など建物管理の包括的な効率化を実現するものである。このほか、営業活動の効率化を支援するためのAIメッセージ生成機能や、撮影した画像を一括登録したカテゴリをAIが自動判定・自動分類する機能も提供開始した。これら新サービスは既存SaaSとの連携によりアップセル効果を生み、サブスクリプション収益の拡大と顧客LTVの向上に寄与すると期待される。
3. 資本政策
同社は、資本コストや株価を意識した経営を実現するため、資本政策の明確化を進めている。今後は、ROA・ROE・PBRの向上、資本コストの低減、バランスの取れた成長投資と配当方針を軸とした戦略的な資本政策を展開する。
ROAの向上については、不動産領域に特化したマルチプロダクト型SaaSの展開を進め、営業キャッシュ・フローを原資とした持続的なプロダクト投資を実施する。これにより、ソフトウェア資産の収益性を高め、BPaaSとの相互補完により、SaaSサブスクリプション売上の拡大と資産効率の改善を目指す。
ROEとPBRの向上については、人的資本への継続的な投資を通じて非財務資本の価値向上に努める。これは、ROEの向上と将来への期待値(PER)の維持を通じてPBRの上昇を図り、財務指標への波及効果を高める目的である。
資本コストの低減については、丁寧なIR活動の継続により投資家との情報ギャップを縮小し、信頼性と透明性を高める。四半期ごとの説明会や公式noteによる情報発信などを通じて、市場からの評価の安定化を図る。
成長投資と配当方針については、成長投資を積極的に進めつつも、フリーキャッシュ・フローを安定的に創出し、企業の本質的価値を高めることを重視する。配当については、利益やキャッシュ・フローの水準を勘案しつつ、必要以上に資本を積み上げないバランス型の方針を掲げている。同社は、財務・非財務両面から企業価値の最大化を目指し、中長期的な株主利益との整合を重視した資本政策を進める。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山 博詞)
<HN>
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績予想は、売上高が3,196百万円(前期比5.5%増)、営業利益が107百万円(前期は37百万円の損失)、経常利益が106百万円(同42百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が72百万円(同39百万円の損失)となる見通しである。引き続き、サブスクリプション収益の安定成長に加え、データモダナイゼーションなど大規模ソリューション案件が増加し、売上拡大をけん引する。外注費削減や開発内製化が進んだことで費用効率も改善し、前期からの黒字転換を確実にする計画である。また、「いい生活建物管理クラウド」やオフィス/事業用ビル管理業向けテナントアプリなど新サービスの市場投入により、顧客単価の向上とクロスセルの深化を見込んでいる。
2. 2026年3月期の基本方針・成長戦略
2026年3月期における同社の基本方針・成長戦略は、主に4つの柱で構成されている。第1に、「エンタープライズ企業及び地域の中核不動産会社へのSaaS導入支援」の強化である。顧客の多様な業務課題に対応するため、導入から稼働まで一貫して伴走する体制を整備し、信頼性の高い業務基盤としての地位を確立する。第2に、「マルチプロダクト戦略の深化」を進める。既存プロダクト群の連携と機能拡張を強化し、売買領域の大規模アップデートや建物管理機能の追加など、業務全体を網羅することで、アップセル・クロスセルによる収益拡大を見込む。第3に、「トランザクション課金の拡大」を推進する。「いい生活Square」における流通データの活性化を通じて、プラットフォーム内での取引量を増やし、利用度に応じた課金モデルを拡充することで、収益機会の多様化を目指す。第4に、「データモダナイゼーションの強化」に取り組む。レガシーシステムに蓄積された旧来型データを整理・再構築し、SaaS上での活用を通じて顧客の業務効率と意思決定の質を高めることで、さらなる業務改善と価値創出を図る。以上の戦略を通じて、同社は不動産業界のDXを一層加速させ、中長期的な成長基盤の強化を推進する。
2026年3月期中間期は、新サービスの投入により提供価値の拡張が進んでいる。サンフロンティア不動産<8934>と共同開発したオフィスビル入居テナント向けアプリは、オフィスビル管理会社とテナント企業間のコミュニケーションをデジタル化し、多様な要望をワンストップで処理するオフィスビル特化型ソリューションとして展開を開始した。オフィスビル管理市場への新たな足掛かりとしている。また、新たに提供開始した「いい生活建物管理クラウド」は、賃貸管理会社向けに建物維持管理(PM/BM)のDXを支援する。保守点検・修繕管理、契約・請求・支払いの電子化など建物管理の包括的な効率化を実現するものである。このほか、営業活動の効率化を支援するためのAIメッセージ生成機能や、撮影した画像を一括登録したカテゴリをAIが自動判定・自動分類する機能も提供開始した。これら新サービスは既存SaaSとの連携によりアップセル効果を生み、サブスクリプション収益の拡大と顧客LTVの向上に寄与すると期待される。
3. 資本政策
同社は、資本コストや株価を意識した経営を実現するため、資本政策の明確化を進めている。今後は、ROA・ROE・PBRの向上、資本コストの低減、バランスの取れた成長投資と配当方針を軸とした戦略的な資本政策を展開する。
ROAの向上については、不動産領域に特化したマルチプロダクト型SaaSの展開を進め、営業キャッシュ・フローを原資とした持続的なプロダクト投資を実施する。これにより、ソフトウェア資産の収益性を高め、BPaaSとの相互補完により、SaaSサブスクリプション売上の拡大と資産効率の改善を目指す。
ROEとPBRの向上については、人的資本への継続的な投資を通じて非財務資本の価値向上に努める。これは、ROEの向上と将来への期待値(PER)の維持を通じてPBRの上昇を図り、財務指標への波及効果を高める目的である。
資本コストの低減については、丁寧なIR活動の継続により投資家との情報ギャップを縮小し、信頼性と透明性を高める。四半期ごとの説明会や公式noteによる情報発信などを通じて、市場からの評価の安定化を図る。
成長投資と配当方針については、成長投資を積極的に進めつつも、フリーキャッシュ・フローを安定的に創出し、企業の本質的価値を高めることを重視する。配当については、利益やキャッシュ・フローの水準を勘案しつつ、必要以上に資本を積み上げないバランス型の方針を掲げている。同社は、財務・非財務両面から企業価値の最大化を目指し、中長期的な株主利益との整合を重視した資本政策を進める。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山 博詞)
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