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技研製作所:独自の杭圧入工法を展開、海外市場を中心に成長余地大
配信日時:2025/11/11 09:40
配信元:FISCO
*09:40JST 技研製作所:独自の杭圧入工法を展開、海外市場を中心に成長余地大
技研製作所<6289>は1967年に創業し、現在は東証プライム市場に上場している。無振動・無騒音で環境負荷を抑えた油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」などの開発・製造・販売を手掛ける開発型企業である。国土強靭化工事を中心に技術採用を広げる同社のパーパスは「オンリーワンの技術で人命・財産・文化を未来につなぐ」であり、機械や工法の開発にあたっては「建設の五大原則」(環境性・安全性・急速性・経済性・文化性)を絶対条件として掲げ、「工法革命」を提唱・実践している。
事業セグメントは、建設機械事業と圧入工事事業の2本柱で構成される。建設機械事業では、圧入機および関連機器の製造・販売・レンタル・保守を行い、圧入工事事業では、同機を用いた施工や機械式地下駐輪場「エコサイクル」、同駐車場「エコパーク」など地下開発製品の受注を行っている。セグメント別売上高は、建設機械事業が3分の2、圧入工事事業が3分の1を占める。圧入機においては、国内外でシェア約9割を確保している。
従来工法である打撃・振動式に比べ、圧入機は軽量・コンパクトであり、既設杭の上で施工を完結できる特長から、価格は高いものの、住宅密集地や狭隘地、斜面、高架下などの現場においては、高い施工効率や環境負荷の低減を実現し、技術的な優位性を発揮する。
海外市場では前期より、総合支援システム「GTOSS(ジトス)」の本格運用をスタートし、会員企業に対して最新の圧入技術とノウハウを共有している。会員企業との密な連携を通じて圧入市場の創出を推進しており、会員の定着・拡大によって成長する戦略に取り組んでいる。欧州では、オランダ・アムステルダムの世界遺産の運河護岸改修プロジェクトで工法採用され、現状の商業化フェーズでは2032年までに3.3kmの施工を予定している。その後、プロジェクトにおける標準工法の一つに採択される見通しで、改修区間約200kmにおける継続的な工法採用により、市場開拓の加速と収益拡大を目指している。このプロジェクトの波及効果は大きく、イタリアやドイツなど周辺国からも引き合いが相次ぎ、欧州市場での注目度が高まっている。さらにアジアや北米でも展開を進めており、将来的には中南米やアフリカ市場への進出も視野に入れている。
2025年8月期の連結業績は、売上高26,337百万円(前期比10.7%減)、営業利益2,566百万円(同22.8%減)、経常利益2,732百万円(同23.7%減)、当期純利益1,487百万円(同39.0%減)となった。建設機械事業の国内販売が低調であったことが主因で減収となった。一方、海外の建設機械事業は、欧州・アジア・北米でGTOSS会員を中心に製品販売が進捗した結果、過去最高水準の売上高を達成した。圧入工事事業は、能登半島地震の復旧工事や防災・減災、国土強靭化関連工事の受注が堅調に推移し増収となった。利益面では、減収に加え、圧入工事事業における付加価値の高い開発型案件の減少により減益となった。また、元海外連結子会社との和解に伴う特別損失812百万円を計上したことから、純利益は減益となった。
2026年8月期の連結業績は、売上高27,800百万円(同5.6%増)、営業利益2,900百万円(同13.0%増)、経常利益3,050百万円(同11.6%増)、当期純利益2,200百万円(同47.9%増)と増収増益を見込む。建設機械事業は、国内では人手不足や現場ニーズに対応する新機種の投入による需要喚起を図る。海外では、各国市場の拡大を背景に前期の最高水準の更新を目指す。圧入工事事業も国内外で堅調な受注が見込まれる。利益面では、前期の特別損失が一巡することで純利益は大幅な増加を見通す。
2027年8月期を最終年度とする3ヶ年の「中期経営計画2027」では、2027年8月期に連結売上高30,000~33,000百万円、営業利益3,200百万円以上、ROE6.0%以上を目標として掲げている。国内では建設コストの上昇や技能労働者不足を背景とした既存事業の減速に加え、製品投入計画を見直した結果、全体として当初目標を下方修正した。一方、海外市場では圧入技術の普及が想定を上回って進展しており、同売上高は7,500百万円以上(総売上高比25%以上)に上方修正した。成長戦略は、主に海外市場への積極展開と独創性・創造性に富む開発の強化を基本戦略としている。アジアを最優先のターゲット地域とし、特にインド、タイ、シンガポールでの成長投資を拡大する方針である。欧州や北米市場では、GTOSSの展開を拡大し、地場会員企業との協働を通じて事業拡大を図る。国内においても、新機種の投入による需要喚起が見込まれ、技術開発への注力を継続する方針である。また、国内外技術者の養成にも注力し、施工技術の標準化と普及を進めている。
株主還元については、安定配当を基本方針とし、連結配当性向40%を目安、純資産配当率(DOE)3.5%を下限とする新たな方針を導入した。2025年8月期の年間配当は54円であり、配当性向96.9%、DOE3.6%となった。2026年8月期も54円を予定しており、配当性向61.5%を見込む。また、2025年10月に、20億円を上限とする自己株式の取得を決議し、株主還元と資本効率の向上を図る方針である。
<HM>
事業セグメントは、建設機械事業と圧入工事事業の2本柱で構成される。建設機械事業では、圧入機および関連機器の製造・販売・レンタル・保守を行い、圧入工事事業では、同機を用いた施工や機械式地下駐輪場「エコサイクル」、同駐車場「エコパーク」など地下開発製品の受注を行っている。セグメント別売上高は、建設機械事業が3分の2、圧入工事事業が3分の1を占める。圧入機においては、国内外でシェア約9割を確保している。
従来工法である打撃・振動式に比べ、圧入機は軽量・コンパクトであり、既設杭の上で施工を完結できる特長から、価格は高いものの、住宅密集地や狭隘地、斜面、高架下などの現場においては、高い施工効率や環境負荷の低減を実現し、技術的な優位性を発揮する。
海外市場では前期より、総合支援システム「GTOSS(ジトス)」の本格運用をスタートし、会員企業に対して最新の圧入技術とノウハウを共有している。会員企業との密な連携を通じて圧入市場の創出を推進しており、会員の定着・拡大によって成長する戦略に取り組んでいる。欧州では、オランダ・アムステルダムの世界遺産の運河護岸改修プロジェクトで工法採用され、現状の商業化フェーズでは2032年までに3.3kmの施工を予定している。その後、プロジェクトにおける標準工法の一つに採択される見通しで、改修区間約200kmにおける継続的な工法採用により、市場開拓の加速と収益拡大を目指している。このプロジェクトの波及効果は大きく、イタリアやドイツなど周辺国からも引き合いが相次ぎ、欧州市場での注目度が高まっている。さらにアジアや北米でも展開を進めており、将来的には中南米やアフリカ市場への進出も視野に入れている。
2025年8月期の連結業績は、売上高26,337百万円(前期比10.7%減)、営業利益2,566百万円(同22.8%減)、経常利益2,732百万円(同23.7%減)、当期純利益1,487百万円(同39.0%減)となった。建設機械事業の国内販売が低調であったことが主因で減収となった。一方、海外の建設機械事業は、欧州・アジア・北米でGTOSS会員を中心に製品販売が進捗した結果、過去最高水準の売上高を達成した。圧入工事事業は、能登半島地震の復旧工事や防災・減災、国土強靭化関連工事の受注が堅調に推移し増収となった。利益面では、減収に加え、圧入工事事業における付加価値の高い開発型案件の減少により減益となった。また、元海外連結子会社との和解に伴う特別損失812百万円を計上したことから、純利益は減益となった。
2026年8月期の連結業績は、売上高27,800百万円(同5.6%増)、営業利益2,900百万円(同13.0%増)、経常利益3,050百万円(同11.6%増)、当期純利益2,200百万円(同47.9%増)と増収増益を見込む。建設機械事業は、国内では人手不足や現場ニーズに対応する新機種の投入による需要喚起を図る。海外では、各国市場の拡大を背景に前期の最高水準の更新を目指す。圧入工事事業も国内外で堅調な受注が見込まれる。利益面では、前期の特別損失が一巡することで純利益は大幅な増加を見通す。
2027年8月期を最終年度とする3ヶ年の「中期経営計画2027」では、2027年8月期に連結売上高30,000~33,000百万円、営業利益3,200百万円以上、ROE6.0%以上を目標として掲げている。国内では建設コストの上昇や技能労働者不足を背景とした既存事業の減速に加え、製品投入計画を見直した結果、全体として当初目標を下方修正した。一方、海外市場では圧入技術の普及が想定を上回って進展しており、同売上高は7,500百万円以上(総売上高比25%以上)に上方修正した。成長戦略は、主に海外市場への積極展開と独創性・創造性に富む開発の強化を基本戦略としている。アジアを最優先のターゲット地域とし、特にインド、タイ、シンガポールでの成長投資を拡大する方針である。欧州や北米市場では、GTOSSの展開を拡大し、地場会員企業との協働を通じて事業拡大を図る。国内においても、新機種の投入による需要喚起が見込まれ、技術開発への注力を継続する方針である。また、国内外技術者の養成にも注力し、施工技術の標準化と普及を進めている。
株主還元については、安定配当を基本方針とし、連結配当性向40%を目安、純資産配当率(DOE)3.5%を下限とする新たな方針を導入した。2025年8月期の年間配当は54円であり、配当性向96.9%、DOE3.6%となった。2026年8月期も54円を予定しており、配当性向61.5%を見込む。また、2025年10月に、20億円を上限とする自己株式の取得を決議し、株主還元と資本効率の向上を図る方針である。
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