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TONE:ボルト締結分野で存在感、海外展開加速と新工場投資で収益基盤を強化
配信日時:2025/11/11 11:11
配信元:FISCO
*11:11JST TONE:ボルト締結分野で存在感、海外展開加速と新工場投資で収益基盤を強化
TONE<5967>は、作業工具や電動締結機器を手掛ける老舗工具メーカーである。1938年設立の同社は、ソケットレンチやスパナやなどの作業工具をはじめ、鉄骨建築用の高力ボルト電動工具「シヤーレンチ」や、トルク管理機器「ナットランナー」などを展開している。これらの工具の開発から製造、販売までを一貫して行う体制を構築し、国内外で高い評価を得ている。現場ニーズに応じたカスタマイズ対応も行っており、ユーザー目線を追求した製品設計および販売活動で差別化を図っている。
同社の事業は大きく「国内事業」と「海外事業」、そして作業工具(ハンドツール)と電動機器(シヤーレンチやトルク管理機器)に分かれる。国内では一般産業界や建設業界など、これまでに獲得してきた市場の維持拡大に加え、新製品群の開発やモータースポーツへのスポンサー活動に代表されるブランド周知活動の強化によって新市場の開拓を進めている。海外では特に東アジアおよび北米を中心に売上拡大を図っている。中でも北米市場における建設投資の拡大を背景に、大型案件の獲得など電動機器の需要が拡大しており、今後も高付加価値製品の販売拡大、収益性のさらなる向上を目指している。
2025年5月期の業績は、売上高7,590百万円(前期比0.2%増)、営業利益1,000百万円(同10.9%減)と増収減益で着地した。国内では、オリジナルセット品や販促企画を通じて販売を維持したが、資材・人件費の高騰や工期遅延が響き、売上は減少した。一方、北米を中心にシヤーレンチやナットランナーの大型案件を獲得し、海外は堅調に推移した。価格改定を10年以上実施せず、戦略的に価格維持を貫いた結果、市場シェアは段階的に向上しており、市況悪化の中でも、高シェア製品による利益率を確保し、想定内の減益にとどめた。
2026年5月期第1四半期の業績は、売上高1,424百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益181百万円(同5.1倍)と大幅増益。海外向けに利益率の高い電動工具の販売比率が上昇したことが、営業利益の大幅な増加に寄与した。
通期では、売上高8,400百万円(前期比10.6%増)、営業利益1,150百万円(同14.8%増)を計画しており、上期(第2四半期累計)も増収増益を見込むなど、年間を通じて堅調な成長を維持する見通しである。第1四半期は季節性から例年弱含むものの、下期にかけて案件の進捗が本格化する傾向にある。一方で、物価高の影響により一部で買い控えや買い替え需要の遅れが見られるが、同社は新製品群の投入を通じて需要の喚起を図っている。特に、利益率の高い電動工具など付加価値の高い製品群の拡充が、今後の成長を左右する重要な要素となっている。
市場環境を見ると、国内では建設需要が物流施設や再開発、半導体工場を中心に底堅い。一方で、資材価格や人件費の上昇、人手不足による工期の遅延が一部で影響している。同社は生産工程の見直しや自動化投資を進めることで、原価上昇の吸収を図っている。また、海外では北米を中心に電動締結工具の需要が拡大しており、売上構成比を伸ばしている。国内の一時的な停滞を海外成長で補う構造が確立しつつあり、地域分散が収益安定化に寄与している。中期的には、海外売上比率を現状の約2割から5割程度まで引き上げ、全社売上高100億円の達成を目指す。これに向けて、北米での販売拡大に加え、欧州など未開拓市場への進出も検討している。
自己資本比率は78.7%と財務体質が極めて健全であり、安定したキャッシュフローを背景に、新工場の建設や製造工程の自動化など成長投資を積極的に進めている。量産効率の向上と納期の安定化を目的とし、昨年には大阪府河内長野市に工場用地を取得した。新工場は2026年に着工し、2027年の操業開始を予定している。稼働後は、生産能力の拡充とコスト効率の改善により、収益力の一段の強化が見込まれる。
株主還元については、期末配当9円を予定し、安定配当を基本方針としている。2025年3月に1株を2株に株式分割したが、分割後も実質的な配当水準は維持されており、財務余力を活かした継続的な還元姿勢を示している。2025年には創業100周年を記念し、QUOカード3,000円の特別優待を実施。今後も、業績に応じて記念配当や優待を実施することを検討しており、個人投資家層の拡大と流動性の向上を図る方針である。
同社は、北米を中心とした電動工具需要の拡大や、新工場稼働による供給力向上を背景に、中長期的な成長余地が大きい。加えて、安定配当と記念優待を組み合わせた株主還元策も魅力であり、工具業界における「高付加価値ニッチ企業」として、安定かつ持続的な成長が期待される。
<HM>
同社の事業は大きく「国内事業」と「海外事業」、そして作業工具(ハンドツール)と電動機器(シヤーレンチやトルク管理機器)に分かれる。国内では一般産業界や建設業界など、これまでに獲得してきた市場の維持拡大に加え、新製品群の開発やモータースポーツへのスポンサー活動に代表されるブランド周知活動の強化によって新市場の開拓を進めている。海外では特に東アジアおよび北米を中心に売上拡大を図っている。中でも北米市場における建設投資の拡大を背景に、大型案件の獲得など電動機器の需要が拡大しており、今後も高付加価値製品の販売拡大、収益性のさらなる向上を目指している。
2025年5月期の業績は、売上高7,590百万円(前期比0.2%増)、営業利益1,000百万円(同10.9%減)と増収減益で着地した。国内では、オリジナルセット品や販促企画を通じて販売を維持したが、資材・人件費の高騰や工期遅延が響き、売上は減少した。一方、北米を中心にシヤーレンチやナットランナーの大型案件を獲得し、海外は堅調に推移した。価格改定を10年以上実施せず、戦略的に価格維持を貫いた結果、市場シェアは段階的に向上しており、市況悪化の中でも、高シェア製品による利益率を確保し、想定内の減益にとどめた。
2026年5月期第1四半期の業績は、売上高1,424百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益181百万円(同5.1倍)と大幅増益。海外向けに利益率の高い電動工具の販売比率が上昇したことが、営業利益の大幅な増加に寄与した。
通期では、売上高8,400百万円(前期比10.6%増)、営業利益1,150百万円(同14.8%増)を計画しており、上期(第2四半期累計)も増収増益を見込むなど、年間を通じて堅調な成長を維持する見通しである。第1四半期は季節性から例年弱含むものの、下期にかけて案件の進捗が本格化する傾向にある。一方で、物価高の影響により一部で買い控えや買い替え需要の遅れが見られるが、同社は新製品群の投入を通じて需要の喚起を図っている。特に、利益率の高い電動工具など付加価値の高い製品群の拡充が、今後の成長を左右する重要な要素となっている。
市場環境を見ると、国内では建設需要が物流施設や再開発、半導体工場を中心に底堅い。一方で、資材価格や人件費の上昇、人手不足による工期の遅延が一部で影響している。同社は生産工程の見直しや自動化投資を進めることで、原価上昇の吸収を図っている。また、海外では北米を中心に電動締結工具の需要が拡大しており、売上構成比を伸ばしている。国内の一時的な停滞を海外成長で補う構造が確立しつつあり、地域分散が収益安定化に寄与している。中期的には、海外売上比率を現状の約2割から5割程度まで引き上げ、全社売上高100億円の達成を目指す。これに向けて、北米での販売拡大に加え、欧州など未開拓市場への進出も検討している。
自己資本比率は78.7%と財務体質が極めて健全であり、安定したキャッシュフローを背景に、新工場の建設や製造工程の自動化など成長投資を積極的に進めている。量産効率の向上と納期の安定化を目的とし、昨年には大阪府河内長野市に工場用地を取得した。新工場は2026年に着工し、2027年の操業開始を予定している。稼働後は、生産能力の拡充とコスト効率の改善により、収益力の一段の強化が見込まれる。
株主還元については、期末配当9円を予定し、安定配当を基本方針としている。2025年3月に1株を2株に株式分割したが、分割後も実質的な配当水準は維持されており、財務余力を活かした継続的な還元姿勢を示している。2025年には創業100周年を記念し、QUOカード3,000円の特別優待を実施。今後も、業績に応じて記念配当や優待を実施することを検討しており、個人投資家層の拡大と流動性の向上を図る方針である。
同社は、北米を中心とした電動工具需要の拡大や、新工場稼働による供給力向上を背景に、中長期的な成長余地が大きい。加えて、安定配当と記念優待を組み合わせた株主還元策も魅力であり、工具業界における「高付加価値ニッチ企業」として、安定かつ持続的な成長が期待される。
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