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一正蒲 Research Memo(7):第二次中期経営計画で1stステージ「成長軌道への5年」の実現を目指す(2)
配信日時:2025/10/15 12:07
配信元:FISCO
*12:07JST 一正蒲 Research Memo(7):第二次中期経営計画で1stステージ「成長軌道への5年」の実現を目指す(2)
■一正蒲鉾<2904>の中長期の成長戦略
2. 第二次中期経営計画と重要戦略の続き
(1) 事業構造改革
水産練製品・惣菜事業において、商品・市場・生産などの選択と集中により事業構造改革を進めている。利益と将来視点から事業・商品の整理を行い、生産性向上と販売の強化・効率化の両立を目指し、研究・開発部門で高収益型商品・技術開発への集中投資を徹底してきた。「サラダスティック」の生産設備再編など各生産拠点の機能評価と再編を行い、資産効率の極大化を図るとともに、全事業・全組織にわたりコスト・経費の見直しと削減を進めている。その延長として、2026年6月期には、EC事業による販路拡大や健康市場への参入を目的にスタートしたサプリメントの販売を終了する。また、Amazonや楽天などのECモールへの出店も停止し、ECサイトは自社オンラインサイトに絞って継続する予定である。
(2) 合理化設備投資の推進
2024年6月期からの3期にわたり集中投資を行っている。2026年6月期までに目標削減人員205名に対し206名の削減を計画する。当初23億円の投資を計画していたが、計画より少ない19億円で目標を達成できる見込みである。
(3) KIFの連結子会社化・海外事業の成長
2024年12月にはKIFを連結子会社化し、海外の中核拠点として追加人員の派遣、生産の強化、インドネシアでの販売など営業体制の強化を進めてきた。引き続き、東南アジア・北米・中東をターゲット市場とした海外事業拡大への資源投入を進める。
2023年6月期及び2024年6月期には、アジア・北米市場での海外展示会や「“日本の食品”輸出EXPO」などへの出展を通じて、海外バイヤーや輸出商社などとの商談を進めた。これまでに「ネクストシーフード うに風味」「ネクストシーフード 明太子風味」のほか、ズワイガニの脚肉をイメージした「JUMBO Crab Sticks(大ぶりカニかま)」、常温タイプのカニかま「Sea Salad」「Kanikama」、カニかま「MARINE STICK Plus+(マリンスティック プラス)」といった海外向け戦略商品を拡充しており、海外のバイヤーからも引き合いを得ている。2026年6月期からは「フィッシュナゲット」「輸出うな次郎」を一部の地域から全世界向けに本格販売する。海外への本格的な輸出伸長を目指し、海外部門の組織・人財の整備や、ハラル対応と量産型商品の製造を担うKIFと国内工場との機能分担の再定義を含めた連携など、「海外事業2ndステージ」となる戦略の再構築を進める。
(4) 新規事業開発の促進
同社は、水産練製品・惣菜事業、きのこ事業に次ぐ第3の事業を構築するため、2023年7月に新規事業開発室を設置し、事業領域拡大の検討を進めている。既存事業から派生する近接領域、既存事業の周辺に位置する周辺領域、M&Aやオープンイノベーションによる革新領域の3領域に区分し、今後は近接領域・周辺領域から拡大領域までを含めたM&Aやアライアンスの強化を模索していく。
近接領域では、希少になりつつある魚介類の味と食感を魚肉すり身で再現する代替水産製品の商品群の開発を進めており、既に「ネクストシーフードうに風味」「うな次郎」などを販売している。周辺領域では、2023年6月期よりマルハニチロ、インテグリカルチャーと魚類の筋肉細胞培養技術の確立に向けて共同研究開発を進め、動物由来細胞から食品や原料などを作る“細胞農業”によるサステナブルな商品開発を目指しているほか、山形大学と3Dフードプリンター研究も進めている。革新領域では、行政や専門機関、県内外のベンチャー投資企業などとのネットワークを構築しながら能動的にM&Aを含めた新規事業を探索・開発を進めており、具体的な案件もあがってきている。
アライアンスについては、取引先と強固かつ高品質な協力体制を構築するため、取引先との交流会「一正やまびこ会」などを通じて、食品安全衛生管理に関する研修会の実施や「一正蒲鉾人権方針」と「一正蒲鉾サプライヤー行動規範」の制定、情報メール「いちまさ通信」による情報発信などの活動を強化している。また、産学官との連携、異業種・異分野の企業との協業、オープンイノベーションなど外部とのネットワーク強化・構築を進め、技術開発部門やバイオ研究部門を中心に新たな分野の商品開発、新規事業を探求している。
新潟県とKDDI<9433>が創設した事業共創プログラム「Innovation Labo NIIGATA」に参画し、地域課題の解決と地域共創の実現を目指している。従業員が交代で同プログラムに参画し、異業種交流を通じて、アイデア創出の手法や考え方を学び、新技術やスタートアップとのマッチングや事業共創のチャンスを探求している。
(5) 組織風土改革
2025年7月に事業統括本部制を導入し、従来の本部制から「食品事業統括本部」「バイオ事業統括本部」「コーポレート事業統括本部」の3事業統括本部制に改定した。食品事業におけるマーケティング部門、営業、生産の各本部機能の食品事業統括本部への統合が組織改編の目玉だ。
従来は、商品の企画・開発、生産、販売の各事業のそれぞれの施策を連携という形をとりながら実行していたが、今後はそれぞれの戦略に横串を刺し、一気通貫で施策の加速と新たな価値創造を図る。加えて、全国に展開する支店を4つの地域ごとに統合した支社を新たに設置し、広域化する顧客への対応強化と地域ごとの効率的な営業活動を進める。
また、ライフ・ワーク・バランスを重視した自律的なキャリア形成の支援として推進しているIWSを加速するため、IWS推進委員会を設置した。社員一人ひとりが「働きやすい」環境で「働きがい」を持ち、人と組織がともに成長し合う企業を目指し、組織風土の醸成や制度改革を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
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2. 第二次中期経営計画と重要戦略の続き
(1) 事業構造改革
水産練製品・惣菜事業において、商品・市場・生産などの選択と集中により事業構造改革を進めている。利益と将来視点から事業・商品の整理を行い、生産性向上と販売の強化・効率化の両立を目指し、研究・開発部門で高収益型商品・技術開発への集中投資を徹底してきた。「サラダスティック」の生産設備再編など各生産拠点の機能評価と再編を行い、資産効率の極大化を図るとともに、全事業・全組織にわたりコスト・経費の見直しと削減を進めている。その延長として、2026年6月期には、EC事業による販路拡大や健康市場への参入を目的にスタートしたサプリメントの販売を終了する。また、Amazonや楽天などのECモールへの出店も停止し、ECサイトは自社オンラインサイトに絞って継続する予定である。
(2) 合理化設備投資の推進
2024年6月期からの3期にわたり集中投資を行っている。2026年6月期までに目標削減人員205名に対し206名の削減を計画する。当初23億円の投資を計画していたが、計画より少ない19億円で目標を達成できる見込みである。
(3) KIFの連結子会社化・海外事業の成長
2024年12月にはKIFを連結子会社化し、海外の中核拠点として追加人員の派遣、生産の強化、インドネシアでの販売など営業体制の強化を進めてきた。引き続き、東南アジア・北米・中東をターゲット市場とした海外事業拡大への資源投入を進める。
2023年6月期及び2024年6月期には、アジア・北米市場での海外展示会や「“日本の食品”輸出EXPO」などへの出展を通じて、海外バイヤーや輸出商社などとの商談を進めた。これまでに「ネクストシーフード うに風味」「ネクストシーフード 明太子風味」のほか、ズワイガニの脚肉をイメージした「JUMBO Crab Sticks(大ぶりカニかま)」、常温タイプのカニかま「Sea Salad」「Kanikama」、カニかま「MARINE STICK Plus+(マリンスティック プラス)」といった海外向け戦略商品を拡充しており、海外のバイヤーからも引き合いを得ている。2026年6月期からは「フィッシュナゲット」「輸出うな次郎」を一部の地域から全世界向けに本格販売する。海外への本格的な輸出伸長を目指し、海外部門の組織・人財の整備や、ハラル対応と量産型商品の製造を担うKIFと国内工場との機能分担の再定義を含めた連携など、「海外事業2ndステージ」となる戦略の再構築を進める。
(4) 新規事業開発の促進
同社は、水産練製品・惣菜事業、きのこ事業に次ぐ第3の事業を構築するため、2023年7月に新規事業開発室を設置し、事業領域拡大の検討を進めている。既存事業から派生する近接領域、既存事業の周辺に位置する周辺領域、M&Aやオープンイノベーションによる革新領域の3領域に区分し、今後は近接領域・周辺領域から拡大領域までを含めたM&Aやアライアンスの強化を模索していく。
近接領域では、希少になりつつある魚介類の味と食感を魚肉すり身で再現する代替水産製品の商品群の開発を進めており、既に「ネクストシーフードうに風味」「うな次郎」などを販売している。周辺領域では、2023年6月期よりマルハニチロ、インテグリカルチャーと魚類の筋肉細胞培養技術の確立に向けて共同研究開発を進め、動物由来細胞から食品や原料などを作る“細胞農業”によるサステナブルな商品開発を目指しているほか、山形大学と3Dフードプリンター研究も進めている。革新領域では、行政や専門機関、県内外のベンチャー投資企業などとのネットワークを構築しながら能動的にM&Aを含めた新規事業を探索・開発を進めており、具体的な案件もあがってきている。
アライアンスについては、取引先と強固かつ高品質な協力体制を構築するため、取引先との交流会「一正やまびこ会」などを通じて、食品安全衛生管理に関する研修会の実施や「一正蒲鉾人権方針」と「一正蒲鉾サプライヤー行動規範」の制定、情報メール「いちまさ通信」による情報発信などの活動を強化している。また、産学官との連携、異業種・異分野の企業との協業、オープンイノベーションなど外部とのネットワーク強化・構築を進め、技術開発部門やバイオ研究部門を中心に新たな分野の商品開発、新規事業を探求している。
新潟県とKDDI<9433>が創設した事業共創プログラム「Innovation Labo NIIGATA」に参画し、地域課題の解決と地域共創の実現を目指している。従業員が交代で同プログラムに参画し、異業種交流を通じて、アイデア創出の手法や考え方を学び、新技術やスタートアップとのマッチングや事業共創のチャンスを探求している。
(5) 組織風土改革
2025年7月に事業統括本部制を導入し、従来の本部制から「食品事業統括本部」「バイオ事業統括本部」「コーポレート事業統括本部」の3事業統括本部制に改定した。食品事業におけるマーケティング部門、営業、生産の各本部機能の食品事業統括本部への統合が組織改編の目玉だ。
従来は、商品の企画・開発、生産、販売の各事業のそれぞれの施策を連携という形をとりながら実行していたが、今後はそれぞれの戦略に横串を刺し、一気通貫で施策の加速と新たな価値創造を図る。加えて、全国に展開する支店を4つの地域ごとに統合した支社を新たに設置し、広域化する顧客への対応強化と地域ごとの効率的な営業活動を進める。
また、ライフ・ワーク・バランスを重視した自律的なキャリア形成の支援として推進しているIWSを加速するため、IWS推進委員会を設置した。社員一人ひとりが「働きやすい」環境で「働きがい」を持ち、人と組織がともに成長し合う企業を目指し、組織風土の醸成や制度改革を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
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