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NYの視点:米利上げ加速観測、根強いインフレや労働市場ひっ迫継続で

配信日時:2023/02/17 07:40 配信元:FISCO
*07:40JST NYの視点:米利上げ加速観測、根強いインフレや労働市場ひっ迫継続で 米労働省が発表した1月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.7%と12月-0.2%から予想以上のプラスに転じ昨年6月来で最大の伸びとなった。前年比では+6.0%と、12月+6.5%から鈍化し21年3月来で最低の伸びとなったが、予想ほど鈍化しなかった。また、変動の激しい食品やエネルギーを除いたコア指数は前月比+0.5%と、12月+0.3%から予想以上に伸びが拡大し昨年5月来で最大。前年比では+5.4%と、12月+5.8%から鈍化し21年5月来で最低の伸びとなったものの、やはり、予想は上回った。消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ鈍化基調を維持しているものの想定以上に遅いペースであることが証明された。

さらに、労働市場のひっ迫も緩和の兆しはほぼ見られない。1月雇用統計が米連邦準備制度理事会(FRB)や市場関係者の想定外に強い結果となったことに続いて、最新の週次新規失業保険申請件数も前週比1000件減の19.4万件と、前回から増加予想に反し減少し5週連続で20.0万件割れで推移。労働市場が依然ひっ迫しているあらたな証拠となった。失業保険継続受給者数は169.6万人と、やはり前回168万人から増加予想に反し、減少した。

本年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持たないが、クリーブランド連銀のメスター総裁が講演で、25ベーシスポイント(BP)の利上げを決定した前回会合で50BPの利上げを支持していただろう、と言及。状況が許せば、利上げペースを加速させることも可能、との考えを示した。同じく、投票権を持たないブラード米セントルイス連銀のブラード総裁も前回の会合で50BP利上げ支持したと明らかにした。さらに、次回3月FOMCでも50BP利上げ支持する可能性も選択肢と、とタカ派姿勢を表明。比較的ハト派姿勢を維持していたブレイナード副議長が国家経済委員会(NEC)委員長に就任するため今月中に退任するためFOMCがよりタカ派に傾斜する可能性がある。

パウエル議長もディスインフレの兆候が始まったとしながらも、もし強い雇用が継続したらピーク金利を引き上げる必要があるとしており、利上げペース加速の可能性が強まった。

短期金融市場も5月の利上げでFRBが利上げ軌道を一旦停止するとみていたが、6月の利上げを50%織り込み始めた。

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