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NYの視点:市場タカ派に転じる、FRBの予測との乖離が消滅

配信日時:2023/02/09 07:45 配信元:FISCO
*07:45JST NYの視点:市場タカ派に転じる、FRBの予測との乖離が消滅 米国1月の強い雇用統計を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は特にタカ派色を強めなかった。ただ、もし、強い雇用が持続した場合、ピーク金利を引き上げる可能性を示唆。

米国の短期金融市場は消費者物価指数(CPI)やミシガン大期待インフレ率で、インフレピーク達成した可能性が示されたほか、昨年12月の年末商戦が冴えず需要鈍化で深刻な景気後退入りを予想し、ピーク金利が連邦準備制度理事会(FRB)が主張している5%には達せず、12月には0.5%利下げに転じることを織り込んでいた。しかし、強い1月雇用統計を受け、市場もタカ派に転じた。FRBのスタッフ平均予測通りにFFが5.15%付近まで上昇する確率が上昇。市場と、中銀の予測の乖離が消滅した。一部の市場関係者はさらにタカ派色を強め、FFが6%まで上昇することを織り込み始めた。

クックFRB理事の指摘通り、1つの指標結果を過剰に重要視すべきでない。しかし、経済が景気後退入りを免れ、力強い労働市場が賃金の伸びを押し上げた場合、FRBは利上げ継続を余儀なくされる。経済や労働市場が依然堅調であるなか、バイデン政権の大規模支援策で、インフレがなかなか制御できないリスクも残る。

ドルも底堅い展開が予想される。

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