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NYの視点:市場のドル先安観強まる、FRBの利上げ減速の思惑で

配信日時:2023/01/10 08:35 配信元:FISCO
NY外為市場では連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化観測が後退、ドル売りに転じつつある。先週発表された米12月雇用統計で賃金の伸びが予想を下回ったことやISM非製造業景況指数も予想外にパンデミック直後の経済封鎖以降で初めて活動の縮小を示す50割れ水準に落ち込み、さらに、同指数の雇用も再び50を割り込んだ。米国経済の7割を消費が占めるため昨年末の年末商戦でのサービス業の落ちこみは、景気後退懸念を強める結果となった。

1月末から2月1日にかけて開催される本年最初の連邦公開市場委員会(FOMC)で、一段と小幅な25BP利上げ観測が強まった。短期金融市場でのピーク金利も再び5%を割り込んだ。

NY連銀が発表した12月の消費者のインフレ期待で1年の中間インフレ期待は5%と、11月の5.2%から0.2%低下し21年7月以来の低水準となった。3年はかわらず。5年は2.4%と、2.3%から0.1%上昇した。

NY連銀12月インフレ期待
「1年インフレ期待5%(5.2%)」
「3年インフレ期待3%(3%)」
「5年インフレ期待2.4%(2.3%)」

FRBが金融政策決定で重要視しているインフレ期待も抑制されていることはFRBの利上げペース減速を正当化。5%以上に金利を引き上げる必要がないと市場は見ている。一方で、FRB高官は、インフレを完全に制御するためにはピーク金利を5%以上に引上げ、年内、この水準を維持する必要があるとの見解を変えていない。


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