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NYの視点:米11月JOLT求人件数:労働市場依然強い、FRBの利上げ継続正当化へ

配信日時:2023/01/05 08:23 配信元:FISCO
米労働省が発表した米11月JOLT求人件数は1045.8万件と、予想1005.0万件を上回った。10月分も1051.2万件と、1033.4万件から上方修正された。求人件数は3カ月連続で予想を上回った。また、2カ月連続で総失業者数を440万超上回る状況となった。1人の失業者に対し1.74の求人があることになり、この水準はコロナ前の1.2の水準に戻していない。ウォールストリート紙のFedウォッチャーによるとFRBはこの水準を1前後での均衡させたいようだ、と指摘。

連邦準備制度理事会(FRB)が公表した12月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でもFRBのメンバーが労働市場が均衡したら失業率が上昇すると指摘している。

採用は引き続き減少し605.52万人と21年2月来の低水準。労働市場の雇用者の自信を示すと注目の自主退職者数は予想外に12.6万件増の417.2万人。退職率(Quits rate)は2.7%と高く、賃金の上昇を抑えたいFRBにとり困難な課題となる。労働者に有利な環境下で、賃金次第で、労働者が短期でも職を転々と変えている可能性も指摘されている。

米11月JOLT求人件数が予想を上回ったほか、12月ISM製造業景況の雇用も51.4と、活動の拡大と縮小の境目となる50を回復。労働市場が引き続き強い証拠が示され、FRBの利上げ継続を正当化する結果となった。

ただ、JOLTは11月の指標となる。このため、12月の指標でさらに最新の労働市場の状況を見極めることになる。

■雇用たるみダッシュボード

◎金融危機前に比べ状態が改善        パンデミック: 金融危機前水準と比較
11月求人率(Job openings rate):6.4%(10月6.4% )     4.4%, 3%
11月退職率(Quits rate):2.7%(2.6%)          2.3%: 2.1%
11月解雇率(Layoffs/discharges rate):0.9%(0.9%)   1.2%
11月雇用者数(Nonfirm payrolls):+26.3万人(+28.4万人)+25.1万人,+16.18万人
11月採用率(Hiring rate):3.9%(4.0%)         3.8%
11月失業率(Unemploynent rate):3.7%(3.7%)     3.5%, 5%
11月広義の失業率(U-6):6.7%(6.8%)          7.0%, 8.8%

◎金融危機前に比べ状態悪化
11月労働参加率:62.2%(62.1%)                 63.4%, 66.1%
11月長期失業者数(15週以上):34.0%(21年8月45.4%)19%


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