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PCNET Research Memo(9)データ消去需要は引き続き拡大し適正処理サービスでは優位性
配信日時:2022/03/02 15:19
配信元:FISCO
■事業環境
(1) ビジネス向けITサービス市場
少子化やDXの必要性等からIT人材不足は深刻化しており、パシフィックネット<3021>のサービス分野であるIT機器の管理・運用保守等、情報システムの負担軽減につながるサービスへのニーズはさらに拡大していると想定している。また新たな生活様式スタイルやテレワーク対応等からクラウド活用は恒常化すると考えられるため、企業によるDXのためのIT投資も持続的に拡大すると予測している。
反面、「Windows 10」から「Windows 11」への切り替え、セキュリティ面での強化の必要性など、技術革新のスピードの速さは、需給変動の要因につながり、こうした要素は投資コストの観点からも同社にとって負担となるが、大きな事業機会でもある。ITサブスクリプション事業はスケールメリットが効く事業特性を有する。事業規模の拡大がストレートにサブスクリプションの収益性につながることになるため、足元でのコスト増は今後見込まれる収益機会を確実に捉えるための、成長拡大に向けた前向きな投資となる。加えて「所有から共有」の傾向が拡大することにより、同社におけるサブスクリプション形式でのサービス利用の割合がさらに増加することは間違いないだろう。
IT機器サブスクリプションは持続的な市場成長を想定している。主な調達手段であった購入やリースは、故障対応や代替品確保・PC再設定、危機管理等をすべて自社で行わなければならないが、IT機器サブスクリプションにはこれらがサービスとして含まれている。情報システム部門の負担軽減につながることから採用が増加しているほか、IT人材不足も追い風となる。一般的な契約期間は3~5年で、更新需要の安定的取り込みが期待されるほか、2022年から更新拡大期に入る。
(2) ITAD市場
ITAD市場(使用済みIT機器の回収・データ消去、リユース・リサイクル販売)においては、回収・データ消去市場はPC入れ替え拡大により使用済みIT機器の排出台数が増加に転じてくると見込まれるほか、さらに2019年12月に発生し社会問題となったハードディスク転売事件により適正処分の重要性がクローズアップされ、データ消去需要は引き続き拡大が見込まれる分野である。IT機器のリユース・リサイクル市場については、高い価値のリユース品は安定した国内流通市場が存在しているが、低い価格のリサイクル品については、バーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する条約)の規制強化等により有害物質を含むリサイクル品の輸出禁止が厳格化されており、世界的な廃プラスチック問題や中国等の廃プラスチック輸入禁止により、プラスチックを多く含むIT機器の海外流通が難しい状況となっている。そのため、近い将来、適正処理に対応したサービスへ転換していく必要性が非常に高くなると想定されている。そのなかで同社は、以前から適正処理サービスを推進しており、データ消去サービスを強化しているほか、リサイクル品については国内でのリサイクルまたは適正処理を行っている。そのため、今後同事業を行っている業界の再編が進むとともに同社の優位性が高まり、適正処理サービスの需要拡大が見込まれると弊社では考えている。
また、独自のIT機器専門・リアルタイムオークション「PCNET Auction」が新たな成長分野となる可能性がある。同社は積極投資でサブスクリプション資産を拡大させているが、更新期とともにリユース製品が市場に流通することになる。プレオープン段階での顧客評価は高く、将来的には同業他社の製品についても出品代行といったサービスを拡大させてくることが見込まれる。加えて、IT機器分野でのリユース促進を図ることで、さらなるSDGs推進を担うことができる。
(3) ガイドレシーバー市場
ガイドレシーバー市場(「イヤホンガイド(R)」の製造販売・レンタル・保守)は、主な顧客は観光業界であるが、コロナ禍により大きな打撃を受けている。今後の回復もコロナ禍の推移次第ではあるが、収束段階となれば需要は反転すると想定している。また、日本の世界遺産での採用が増えていることは、業界トップシェアを有する同社のガイドレシーバーの市場規模の拡大につながると弊社では考えている。他の世界遺産への採用拡大のほか、新たな生活様式によって様々な施設における提供が増えると見られる。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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(1) ビジネス向けITサービス市場
少子化やDXの必要性等からIT人材不足は深刻化しており、パシフィックネット<3021>のサービス分野であるIT機器の管理・運用保守等、情報システムの負担軽減につながるサービスへのニーズはさらに拡大していると想定している。また新たな生活様式スタイルやテレワーク対応等からクラウド活用は恒常化すると考えられるため、企業によるDXのためのIT投資も持続的に拡大すると予測している。
反面、「Windows 10」から「Windows 11」への切り替え、セキュリティ面での強化の必要性など、技術革新のスピードの速さは、需給変動の要因につながり、こうした要素は投資コストの観点からも同社にとって負担となるが、大きな事業機会でもある。ITサブスクリプション事業はスケールメリットが効く事業特性を有する。事業規模の拡大がストレートにサブスクリプションの収益性につながることになるため、足元でのコスト増は今後見込まれる収益機会を確実に捉えるための、成長拡大に向けた前向きな投資となる。加えて「所有から共有」の傾向が拡大することにより、同社におけるサブスクリプション形式でのサービス利用の割合がさらに増加することは間違いないだろう。
IT機器サブスクリプションは持続的な市場成長を想定している。主な調達手段であった購入やリースは、故障対応や代替品確保・PC再設定、危機管理等をすべて自社で行わなければならないが、IT機器サブスクリプションにはこれらがサービスとして含まれている。情報システム部門の負担軽減につながることから採用が増加しているほか、IT人材不足も追い風となる。一般的な契約期間は3~5年で、更新需要の安定的取り込みが期待されるほか、2022年から更新拡大期に入る。
(2) ITAD市場
ITAD市場(使用済みIT機器の回収・データ消去、リユース・リサイクル販売)においては、回収・データ消去市場はPC入れ替え拡大により使用済みIT機器の排出台数が増加に転じてくると見込まれるほか、さらに2019年12月に発生し社会問題となったハードディスク転売事件により適正処分の重要性がクローズアップされ、データ消去需要は引き続き拡大が見込まれる分野である。IT機器のリユース・リサイクル市場については、高い価値のリユース品は安定した国内流通市場が存在しているが、低い価格のリサイクル品については、バーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する条約)の規制強化等により有害物質を含むリサイクル品の輸出禁止が厳格化されており、世界的な廃プラスチック問題や中国等の廃プラスチック輸入禁止により、プラスチックを多く含むIT機器の海外流通が難しい状況となっている。そのため、近い将来、適正処理に対応したサービスへ転換していく必要性が非常に高くなると想定されている。そのなかで同社は、以前から適正処理サービスを推進しており、データ消去サービスを強化しているほか、リサイクル品については国内でのリサイクルまたは適正処理を行っている。そのため、今後同事業を行っている業界の再編が進むとともに同社の優位性が高まり、適正処理サービスの需要拡大が見込まれると弊社では考えている。
また、独自のIT機器専門・リアルタイムオークション「PCNET Auction」が新たな成長分野となる可能性がある。同社は積極投資でサブスクリプション資産を拡大させているが、更新期とともにリユース製品が市場に流通することになる。プレオープン段階での顧客評価は高く、将来的には同業他社の製品についても出品代行といったサービスを拡大させてくることが見込まれる。加えて、IT機器分野でのリユース促進を図ることで、さらなるSDGs推進を担うことができる。
(3) ガイドレシーバー市場
ガイドレシーバー市場(「イヤホンガイド(R)」の製造販売・レンタル・保守)は、主な顧客は観光業界であるが、コロナ禍により大きな打撃を受けている。今後の回復もコロナ禍の推移次第ではあるが、収束段階となれば需要は反転すると想定している。また、日本の世界遺産での採用が増えていることは、業界トップシェアを有する同社のガイドレシーバーの市場規模の拡大につながると弊社では考えている。他の世界遺産への採用拡大のほか、新たな生活様式によって様々な施設における提供が増えると見られる。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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