注目トピックス 経済総合ニュース一覧

注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:米量的緩和の縮小ペースは速まる可能性 12月13日-17日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■13日(月)午前8時50分発表予定○(日)日銀短観10-12月期調査-予想は大企業製造業DIは+19大企業製造業、非製造業の業況判断DIは、いずれもやや改善する見込み。業種間格差が見られるものの、製造業では「自動車」の業況判断DIが改善し、非製造業に関しては、緊急事態宣言等の全面解除が業況判断DIの改善に寄与するとみられる。■15日(水)日本時間16日午前4時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は量的緩和の縮小ペース加速米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日の米上院委員会での議会証言で、「資産購入を数カ月早く終了することを検討するのが適切」と述べており、量的緩和策の縮小ペースを加速することを今回のFOMC会合で議論し、正式に決定するとみられる。利上げ時期については、雇用と物価動向をしばらく観察する必要があるため、結論は次回以降に持ち越される見込み。■16日(木)午後9時45分結果発表予定○(欧)欧州中央銀行(ECB)理事会-予想は金融政策の現状維持ラガルドECB総裁は12月3日、12月16日開催の理事会では不確実性があまりにも高いため、比較的短期の政策を設定する可能性があると述べた。ただ、決定の先延ばしはすべきでないとの認識を示している。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)は2022年3月で終了するが、インフレがいずれ落ち着くとのECBの見解は維持される見込み。■17日(金)決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は金融政策の現状維持10月27、28日開催分の金融政策決定会合における主な意見では、「物価上昇圧力は徐々に高まっている」との見解が提示されているが、金融緩和策の早期解除につながる材料は揃っていない。今回の金融政策決定会合でも、現行の金融緩和策を粘り強く続けていくことが重要との認識が共有されることになりそうだ。○その他の主な経済指標の発表予定・13日(月):(日)10月機械受注・14日(火):(欧)10月ユーロ圏鉱工業生産、(米)11月生産者物価指数・15日(水):(中)11月小売売上高、(中)11月鉱工業生産、(英)11月消費者物価コア指数、(米)11月小売売上高・16日(木):(日)11月貿易収支、(英)英中央銀行MPC会合、(欧)12月マークイット製造業PMI、(米)11月鉱工業生産、(米)12月マークイット製造業PMI・17日(金):(英)11月小売売上高、(独)12月IFO企業景況感指数 <FA> 2021/12/11 14:25 注目トピックス 経済総合 「サブカル業界で実力をつける中国」にみる、日本が進むべき「新たな道筋」とは(喜田一成氏との対談)(3) 本稿は、「「サブカル業界で実力をつける中国」にみる、日本が進むべき「新たな道筋」とは(喜田一成氏との対談)(2)」の続きである。<編集後記>次なる巨大な成長マーケット「メタバース」に日本はどう挑む?対談でも紹介したとおり、喜田さんとの出会いは、2021年2月の実業之日本社によるスケブの経営の引き継ぎでした。実際に喜田さんにお目にかかると、私が想像していたイメージとは大きく違い、良い意味で期待を裏切られました。サブカル分野はコミュニケーションが苦手な方が多い印象だったのですが、喜田さんは、非常にロジカルであり、強力なリーダーシップ力と高いコミュニケーション能力をお持ちの稀有な存在です。また、業界や日本を良くしたいという純粋な気持ちが強く、非常に好感の持てる若手起業家です。だからこそ、サブカルやメタバース業界でリーダー的存在として位置づけられているのだと思います。前回の対談の橋本欣典氏と同じ31歳であり、彼らのような若くて才能がある人たちと、その能力を開花させる社会システムが、日本の未来のためには必要でしょう。この対談シリーズでは、日本の富の創造や競争力向上という観点を主要なテーマとしています。メタバースは、次なる巨大な成長マーケットであり、日本企業は最優先で事業開発に取り組む必要があると考えています。2020年、人気ラッパーのトラヴィス・スコットによるフォートナイト内でのヴァーチャルコンサート「Astronomical」が、1200万人以上の視聴と20億円以上の売上を記録し、メタバースの大きな可能性を示しました。暗号資産投資会社最大手のグレイスケールのレポートでも、メタバースは、次世代のデジタル空間であり、社会的な交流やビジネス、インターネット経済全体を変革する可能性を指摘しています。彼らは、メタバース全体の将来的な売上を1兆ドルと考えており、メタ・プラットフォームズ(facebook)のピボット(方針転換)が、他のテックジャイアントや投資家の参入を刺激させると予想しています。Web2.0と呼ばれる現在のインターネット産業は、双方向で参加型であるものの、中央集権的に管理されています。そのなかで作られるメタバースにおいても、企業が管理する閉鎖的な環境となっています。一方、分散型であるWeb3.0時代のメタバースは、ブロックチェーン技術と暗号資産によりオープンで民主的であるとされています。Web2.0でのゲームは、消費者が多くの時間と労力を費やしてゲーム内で富を築いても、ゲーム管理者であるプラットフォーマーは、その富をゲーム外の現実社会に移転させないようにしています。一方、Web3.0では、プラットフォーマーが強いていた資本規制がなくなるため、消費者が自由にプラットフォーマー間で富を移転できるようになり、また、現実社会にもその利益を自由に持ち込むことができるようになります。これらは、「Play to Earn」と呼ばれ、クリエイターエコノミーの進化と言えます。Web2.0企業は、このような変化に対応すべく、築き上げた自身のビジネスモデルを自ら破壊して、Web3.0に対応したオープンなエコシステムに昇華させる必要があります。このようなパラダイムシフトは、既存のプレイヤーの今までの戦略的資産を負債化させるとともに、何も持たないチャレンジャーには、大きな機会を与えます。既存プレイヤーには、今回facebookが「メタ・プラットフォームズ」に社名変更してメタバースへ大きく舵を切ったように、現在の状態に満足せず、果敢でドラスティックなビジネスモデル変革への強い意志と実行が求められます。チャレンジャーには、ベンチャースピリットと、新たな市場での勝ちパターンの理解とその実践が必要でしょう。野口悠紀雄氏が私との対談で指摘しているように、ここ数十年間、日本は、旧来の製造業モデルの破壊的創造を拒み続け、水平分業型製造業への転換やグローバルなインターネット産業の構築などを怠ったことで、アメリカの後塵を拝してきました。日本は、1990年代まで築き上げた優位性を、自らの手ですり減らしてきたのです。これらの競争状態は富の形成に直結しており、パラダイムシフトは富の大逆転を引き起こすのです。井上智洋氏との対談での編集後記で示した通り、ここ数十年の日本の家計資産が横ばいである一方、アメリカは大きく増加しています。新たに勃興する領域にいる人は巨額の富が形成され、古い領域にいる人の富は相対的に減少しているのです。古い領域にいる多くの人は、自分の富の評価が法定通貨基準で変わらなければ、富の総量の変化に気づかないのです。加えて、昨今のデジタル化によって、デジタル関連の財とサービスのデフレが進行していることもあり、余計に富の評価を見誤るのです。本来、富は相対的なものであるため、自身の富の総量は、他人のそれとの比較で評価すべきなのです。いま日本に求められていることは、他国との比較で富を増加させること、そのためにも新たな成長分野に果敢にチャレンジすることです。この数十年の失敗を繰り返してはいけないのです。第3次産業革命から第4次産業革命にシフトしつつある現代において、労働の価値が減少するなか、資本力に加えて知や無形資産が産業競争力の源泉となりました。メタ・プラットフォームズ(facebook)が、巨額の投資によって、世界中のメタバース関連の知や無形資産を吸い寄せ、独占する可能性があります。コンテンツを多く保有する日本は、今であれば有利なポジショニングをとることができます。メタ・プラットフォームズに日本のコンテンツを吸収される前に、日本は優先的にメタバース事業に取り組むべきでしょう。今回の喜田一成さんとの対談でも話題が及んだように、日本は過去においてサブカル分野を始めとするコンテンツ関連で、確固たるプレゼンスを築いていましたが、最近になって中国や韓国から猛追を受けています。中国はサブカルやゲームでの開発力、韓国はドラマや音楽でのコンテンツ力と世界的なマーケティング力が突出しています。幸運なことに規制強化での中国のオウンゴールによって、日本には多少の時間的余裕が生まれたため、この間に日本はソフトパワー戦略の再構築に取り組むべきです。デジタル上の競争では、限界費用ゼロとネットワークの外部性によって、独占か敗北かの2者択一になりました。企業間競争が健全な市場をつくり、複数の企業が生存を許される時代は、すでに過去のモノになっています。日本がメタバースでのプラットフォーマーを志向するなら、今すぐに参入し、メタ・プラットフォームズと同規模の投資を行う必要があります。しかし、残念ながら、日本のどこを見渡しても、メタ社と同規模の投資を行える財務力と意思を持った会社はないのです。藤野英人氏との対談でも議論に上りましたが、アメリカと日本の企業の時価総額が、あまりにも違いすぎるのです。時価総額は資金調達力を始めとしたパワーの源泉なのです。残された道は、喜田さんが対談で指摘するように、プラットフォームなどの大きい分野はアメリカ企業に任せて、日本はニッチ分野を獲得していく戦略でしょう。自分たちの力を冷静に見つめつつ、シェアを取れる市場を一つひとつ攻略し、最終的に大きな市場とプラットフォームを支配するという国家戦略を描きたいものです。戦後の焼け野原から復興した日本は、巨大なアメリカ企業の向こうを張って、グローバルな自動車産業や電機メーカーを築き上げました。過去と比べて現代は戦い方が大きく変わっているものの、日本の総力を結集すれば、戦後復興と同じような復活劇を演じることができるはずです。■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/10 17:04 注目トピックス 経済総合 「サブカル業界で実力をつける中国」にみる、日本が進むべき「新たな道筋」とは(喜田一成氏との対談)(2) 本稿は、「「サブカル業界で実力をつける中国」にみる、日本が進むべき「新たな道筋」とは(喜田一成氏との対談)(1)」の続きである。■日本で流行しつつある「日本的価値観で作られた中国産ゲーム」白井:コンテンツ作りの競争という観点から、中国の現状をお聞かせください。喜田:ビリビリ(bilibili)は、当初、ニコニコ動画のクローンサービスでしたが、ニューヨーク取引所に上場しています。中国の人口は日本の10倍ですので、クローンサービスを作って模倣し、人の数で一気に進めることが日本よりも簡単です。日本で流行ったものが、そのまま中国でもクローンで出ている状況でした。しかし、最近は変わってきています。中国のブラウザゲームやソーシャルゲームが日本に逆輸入されるようになりました。日本的な価値観で制作された中国産のゲームが日本で大流行したのです。中国語版も日本語版も日本の声優を使って、日本的な文化、日本的な作り方を採用しています。アズールレーン、原神、アークナイツなどのゲームは、最近、日本で非常に流行っています。売上ランキングの上位のゲームは中国産で、日本のゲームが中国で流行ることは少なくなりました。中国の法規制や水準に合わせることが非常に難しい一方で、中国で日本的な文化(や価値観)で生まれたゲームが日本で流行りつつあるのです。白井:競争が非対称的なのですね。中国に参入しようと思っても、中国のさまざまな規制があり、参入障壁が高いと感じます。一方、日本やアメリカは開かれた自由主義経済ですので、基本的にはオープンです。中国から日本やアメリカに参入するのは非常に容易であり、いろんな技術や文化の取得も合法的であれば制約はほとんどありません。2021年7月には、中国のサイバースペース管理局が、100万人以上のユーザーデータを保有する企業は、海外に株式を上場する前に国家安全保障上の審査を受ける必要があると発表しました。100万人以上を抱える中国のITサービスが海外に上場しようとしたら、個人データが盗まれる可能性があるという理由で、当局の審査が通りません。加えて、2021年10月に施行される海外上場規制では、中国で生成されたデータは外に出すことができなくなります。この非対称性は、コンテンツ戦略にとってマイナスと考えてよいのでしょうか。喜田:それだけではなく、中国の起業家にとってもマイナスでしょう。彼らも本国での活動が非常に難しくなってきています。今後は、中国資本で作り、日本や韓国に輸出したほうがいいという判断になっていくでしょう。中国発のIPが日本でより普及していくことになるのではないでしょうか。人口が多いですから、中国モデルを重要視しつつも、比率がどんどん海外向けに上がっていく可能性はあるでしょう。ブラウザゲームとかソーシャルゲームで中国企業が儲けて、日本企業が食われていくことが始まりつつあると感じます。■「中国産への悪いイメージ」はもう古い白井:過去において、中国が高速鉄道網を中国全土に整備する際に、日本やドイツは技術協力しました。いまや世界で高速鉄道の入札があれば、日本と中国は完全に競合しています。太陽光発電でも同じ構図でしたが、いまや日本は完敗です。サブカル分野においても、そういう構図になりますか。喜田:彼らは非合法なことはしていないし、筋を通していないわけでもない。技術的な盗作や完全コピーのようなことは少ないです。彼らは彼らの中で、オリジナリティを見つけてきています。日本のコンテンツの文脈は汲みつつも、新たな中国発日本系作品のようなものが生まれています。過去の中国のイメージとは違い、盗作したり、特許を侵害したりはしておらず、実力がついてきて実際に強くなっているのです。白井:非常に興味深いお話です。発展途上国は、先進国に追いつくまでは早いけれど、先進国に追いついてからはイノベーションで世界をリードする必要があり、そのようなギアチェンジを行えないと、持続的な成長が維持できないと考えられてきました。加えて、中国の権威主義的な政治体制と社会のシステムのもとでは、イノベーションは起こしにくいと見られています。ところが、いまのお話は、日本に追いついて、かつ、イノベーションを起こし新たなものを生み出している。学びの対象であった日本よりも、優れたゲームをつくることができるようになったということのようです。面白いストーリーを作ることができる能力、技術力を持ったということですよね。そのイノベーションの力はどこから生まれているのでしょうか。アリババ、テンセント、DiDiなどのテックジャイアントへの当局の制約が、去年からかなり厳しくなっています。これらは、イノベーションの芽を摘むという向きもあります。また、中国の未成年に対するゲーム時間を、週3時間に制限しました。これは将来的な中国の人材輩出に大きく影を落としそうです。権威主義的な政治が、サブカルやゲーム業界に与えるインパクトはどうでしょうか。喜田:ゲームは、若年層が多く消費しているという部分がありますので、当局は非常に関心が高いでしょうし、日本よりもかなり批判的です。社会の堕落の原因だと思っている節もあります。中国でゲームを販売するときには審査が必要ですが、最近、審査が非常に滞っており、しかも審査が厳しくなっています。それをすり抜けるために、ゲームのロビー画面に共産党のスローガンなどを載せて乗り切るゲームなども登場しています。当局の思想がゲームにさりげなくサブリミナルのように入ってきている点は怖くもあります。先日中国でボーイズラブの小説を書いていた作家は、逮捕され、懲役10年の判決を受けました。同性愛には非常に厳しいものがあります。その点では日本はすごく寛容です。中国のコンテンツホルダーは非常に息苦しく感じると思いますので、最初から中国ではなく、日本で売っていくこともあるでしょう。■多様性が制限される「ゲーム大国中国」白井:ゲーム大国の中国は、多様性がどんどんと制限されていく。日本は、この自由を中核に据えて、競争力を高めていく。本来の実力は中国が上回ってきたわけですが、中国のオウンゴールによって、かろうじて日本は生存空間を維持できたと考えるのが妥当ですね。ただし、いまでも「日本大好き」というのがサブカル分野やメタバースでは支配的ですから、その中での日本シェアをできるだけ高めていきたいですね。なにかほかに障害になることはありますか。喜田:法律だけではありません。例えば最近問題になっているのが、国際カードのVISAやマスターカードなどのクレジットカードが出版物の内容まで口出しをしてきている点です。一昔前の漫画や小説で「〇〇殺人事件」というタイトルのものがあったと思いますが、いまでは「殺人事件」と付けば取り扱わなくなりました。支配的なプラットフォームが一方的にルールを決めており、それに従わないと削除(バーン)されます。GAFA全体やペイパルでも言えることですが、これは非常に脅威です。白井:もはや、GAFA、クレジットカード会社、ネットフリックスやペイパルがないと、日本の企業や国民はデジタル上の存在が失われ、実生活にも大きく支障がでてきます。プラットフォーマーのルールが、他国民の生殺与奪権を握っているということですね。メタバースにおいても、そうなる前に日本は生存空間を確保しておく必要があります。一方で、プラットフォーマーなどの権力を握っている人々の文化やルールを熟知して、バーンされないリスクマネジメントも必要になってきます。出版事業でコンテンツ輸出していても、思いもよらないようなことでクレームが入り、話が破談になることもあります。中国では、ミステリーは勧善懲悪で、罪を犯した側が逮捕されないミステリーは翻訳出版許可がおりないし、少なくとも映像化は絶対できないという話を聞きました。日本だと、真犯人は別の人だったとか、悪女が生き残ってにやりと笑う、といったような結末は結構ありますが、そういうのはいま、一切認められないようです。これからのビジネスは、他の文化やルールを考慮して、戦略を組み立てる必要があるようです。一方、デジタル化するまでのいままでの社会は、効率性の観点から少数派を切り捨ててきたわけですが、喜田さんのお話を振り返ると、これからはすべての人が包摂される社会が到来するように感じました。クリエイターエコノミーやロングテールのコミュニティよって、自分の生き方も認めてもらえる、受け入れてもらえる、受容される社会が現れる。世界中の個と個がつながることにより、新しい産業を生み出したり、イノベーションや成長を牽引したりして、結果として、国益につながっていく。個人の能力が高く、文化的な魅力が高い日本の、新しい成長の道筋なのかもしれません。本日は長時間にわたり、貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。喜田:私も大変刺激になりました。ありがとうございました。「「サブカル業界で実力をつける中国」にみる、日本が進むべき「新たな道筋」とは(喜田一成氏との対談)(3)」に続く■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/10 17:03 注目トピックス 経済総合 「サブカル業界で実力をつける中国」にみる、日本が進むべき「新たな道筋」とは(喜田一成氏との対談)(1) 【ゲスト】喜田一成株式会社スケブ 代表取締役社長外神田商事株式会社 代表取締役株式会社シーズメン CMO(Chief Metaverse Officer)1990年福岡県生まれ。筑波大学情報学郡情報科学類出身。ハンドルネーム「なるがみ」としてサブカルチャー業界で広く知られており、VRSNSの総滞在時間は4,500時間以上。2013年に株式会社ドワンゴに入社後、3Dモデル投稿サービス「ニコニ立体」を企画・開発。その後合同会社DMM.com、パーソルキャリア株式会社を経て独立。2018年に国内のクリエイターに対して世界中のファンが作品をリクエストすることができるコミッションサービス「Skeb」を個人で開発。2021年2月に「Skeb」を運営する株式会社スケブの全株式を10億円で譲渡。「Skeb」は2021年11月時点で総登録者数160万人を超える世界最大級のコミッションサービスとなる。2021年12月にシーズメンのメタバース事業を統括するCMO(Chief Metaverse Officer)に就任。【聞き手】白井一成(株式会社実業之日本社社主、社会福祉法人善光会創設者、事業家・投資家)■「国文化がどんどん薄れる」メタバースの世界白井:SNSやYouTubeなどのデジタル空間では、さまざまな国の人たちが、国境関係なく、コミュニケーションしています。人が集まれば、必ず文化が形成されて、人との関わり方のマナー、ルールがあり、そこでのヒエラルキーの形成を促すシステムが生まれます。喜田さんが指摘するように、ゲームでも、VRSNSでも、独自の組織文化が形成されています。今後、多くの人がメタバースに参加し、それが人間社会の大きな部分を占めれば、そこでの組織文化やマナーはどうなっていくのでしょうか。喜田:それぞれの国固有の文化は薄れていくと思います。VRSNS上で、私が日本人だと思っていた方がいたのですが、実際には日本語がペラペラの17歳の韓国人でした。どうやって勉強したのかを聞いてみると「VRSNSで日本人のグループにいたら話せるようになった」とのことでした。ほかにも、「心は日本人だと思っている」、「兵役には行きたくない」などと話してくれました。これまで人は、家庭や学校、会社などの人間関係を築き、気候や風土、伝統などといったその国固有の要素に影響を受けてきました。しかし、VRSNSを観察していると、いままでの属地的な文化を離れ、デジタル上の飛び地での独自の文化が育まれているのです。ヘッドマウントディスプレーをかぶれば、フランスに行かなくてもフランス人と仲良くできるし、日本に行かなくても日本人と仲良くできます。少し前であればボイスチャットだけでしたが、いまでは、身振り手振り、視覚情報、全身の動きなども、リアルタイムに同期された状態で交流することができます。今後、デジタル上の文化的飛び地がどんどん増えるのではないでしょうか。デジタル上のチャイナタウンと考えれば、理解は容易かもしれません。■日本のサブカルの力は巨大白井:有史以来、人間は個別で生活するより、集団による分業体制のほうが効率的であるため、集団を形成してきました。ひとたび人の集団が出来上がると、そのなかでのコミュニケーションのあり方やルールなどの組織文化が自然発生的に形成されます。現代の国民国家もこの延長線上にあると考えられます。ウエストファリア体制以降、人類は、国民が主権者の地位につく国民国家を形成し、国旗や国歌、言語や文字の統制によって、国民のアイデンティティを育んできました。見方を変えると、閉じられた空間によって、組織成員の同質化を促すものであったと考えてもよいでしょう。しかし、デジタル化によって文化の移転コストがゼロに近づき、将来的には、より魅力のある空間とその文化に、多くの人が集まるということになるかもしれません。メタバースが巨大化していく未来を見据えると、日本の国家戦略は、国家のあり方を見直すことで守りを固めつつ、より魅力的な文化を形成することで、メタバースでの影響力の増大が鍵になるかもしれません。実業之日本フォーラムでは、日本の「国益」について考えています。国益とは、自分たちのポリシーに従い、他国から侵略されずに、自国民が経済的に豊かに暮らすということであり、そのために自国の生存領域の維持や拡大を行わねばなりません。このためには、自国の力(国力)を投射する必要があります。国力は、ハードパワーとソフトパワーの2つに大別されます。ハードパワーは言葉のとおり、軍事や経済力で他国を従わせることであり、ソフトパワーは、自国の文化や魅力を、他国の理解や共感を得ることで、自国の影響力を増大させることです。日本が保有するソフトパワーでは、アニメなどのサブカルは非常に強力です。2021年7月、マクロン大統領がG7出席のために来日した時には、『鬼滅の刃』の作者との面会を希望しているという話が大々的に報じられました。日本には、相当重厚なサブカル文化が形成されているはずであり、日本外交や文化戦略は、もっとこういうものを意図的に活用すべきだと思います。これを力に変えていき、日本が好きだ、日本の言うことを聞いてみよう、日本の言うことは正しいはずだ、といったようにしていくべきです。韓流ドラマやアイドルなどの韓国のソフトパワーの躍進をきっちりと分析し、日本はもっと戦略的に動く必要があります。喜田:確かに日本のソフトコンテンツのパワーは非常に強力です。ハードと違って、ソフトコンテンツは、積み重ねであり累積です。50年前の作品が突如として海外で流行ったりすることもあります。球数があれば強い。ハードと違って、消費されてもなくならないという特徴もあります。日本はソフトコンテンツのバンク(貯蔵数)がすごく多いと思います。最近は中国も似たようなものを大量に作っていますので、年間の作品数はいずれ中国に負けると思いますが、それでも日本の強さは特筆に値します。VRchat内での「第二言語は日本語」世界最大のVRのSNSであるVRChatはアメリカ製ですが、第2言語は日本語です。流通しているアバターのほとんどが日本の個人クリエイターによる製作です。VRChatの運営陣は、日本のことが大好きで日本語を話す方もいらっしゃいます。VRChatを始めた外国人の中には、日本語を勉強したいから、日本人がいっぱいいると聞いたから、という動機の方も多いようです。最近話題になったのが、日本人向けの初心者ワールドです。初心者向けに日本語でたくさん使い方や説明や記載されているのですが、日本人と交流したい外国人のたまり場となっていました。日本人と交流したくても、日本語ができなかったり、マナーや文化的に日本人となじまなかったりで、ちょっとしたトラブルが起こるくらい日本は人気なのです。このような状況から、日本語話者向けの交流ワールドが作成されたのですが、これが人権問題だと提起されました。日本語話者だけを選別するために、入口に、漢字の読みや正しい文法を読み解けるかどうかという日本語のクイズが置いてあるのです。白井:まだ、VRChatは発展期のはずなのに、さまざまな文化面の問題が噴出しているという状況なのですね。日本が、メタバースである程度の主導権を握りたいのであれば、できるだけ早くこの空間での現象を学び、ソフトパワー戦略を練る必要がありますね。冒頭で触れましたように、フェイスブックが「メタ・プラットフォームズ」に社名変更して、メタバースに年間1兆円の投資を表明しております。彼らの提供する空間はどのようなものでしょうか。喜田:Horizon Worldsですね。まだ詳しい仕様は分からないのですが、アバターは下半身が存在しないようです。性的な問題をはじめ、様々な問題を避ける目的だと思います。また、彼らは、ヘッドマウントディスプレイMeta Quest(旧Oculus Quest)を販売しており、ハードからソフトまで支配を強めていくでしょう。アバターの服なども、彼らの認めたものでしか販売できず、極めて抑圧的で専制的なワールドになるでしょう。アップルがiPhoneやMacで進めてきた戦略に近いと思います。■「表現の自由」をあらゆる面から守れ白井:日本は、どのようにメタバースでの戦略を組み立てていけばいいのでしょうか。喜田:ソフトコンテンツで日本が最も強い理由は、海外と比べて表現の自由が保障されているからです。必要なのは自由に創作できる環境であり、国がお金を渡せば作れるものではないでしょう。権利侵害に対しては、権利者がスムーズに削除できるような仕組み、制度を構築する。あるいは、表現の自由をあらゆるものから守っていく体制づくりが大事だと思います。日本の表現の自由は、過去何度か危機に瀕したことがあります。2016年には、TPPによる著作権法の改正がありました。表現の自由を守ることが日本のソフトコンテンツを守ることにつながると思います。トップダウンでの助成や協力はしないほうがよいでしょう。伸び伸びと創作させることが大事です。助成金は絶対だめで、クリエイターがクリエイティブなことだけできる社会にすることが大事です。海外展開など代わりにやってくれるようなエージェント単位のものをたくさん作り、その企業に対して国が助成するというのは一案です。多言語対応とか審査面もサポートできるでしょう。また、できることがあるとすれば、職業の貴賤のようなものをなくす法律を作ることでしょう。クレジットカードも作れない、住宅も借りられない自営業の方もいらっしゃいます。エロ漫画家の方で、家を買おうとしたら何件も断られたというケースもありました。漫画家の保証人を代行したり、あるいは担保したりする。ローンについても、サラリーマンと同じような地位を約束するような仕組みも必要でしょう。白井:クリエイターの社会的地位をしっかり保障するということですね。スケブが取り組んでいることに近いですね。喜田:そうですね。描くことだけに集中できる環境づくりという点では同じです。「「サブカル業界で実力をつける中国」にみる、日本が進むべき「新たな道筋」とは(喜田一成氏との対談)(2)」に続く■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/10 17:02 注目トピックス 経済総合 オラクルコールを対象とするコール型eワラントが前日比2倍超えの大幅上昇(10日10:01時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価上昇が目立つ第一生命ホールディングス<8750>コール140回 1月 2,450円を順張りで買う動きや、原資産の株価下落が目立つソフトバンクグループ<9984>プット466回 1月 6,600円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはソフトバンクグループプット466回 1月 6,600円、第一生命ホールディングスコール140回 1月 2,450円などが見られる。上昇率上位はオラクルコール37回 1月 125米ドル(前日比2.2倍)、オラクルコール36回 1月 110米ドル(前日比2.2倍)、オラクルコール35回 1月 95米ドル(+85.7%)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズプット74回 1月 100米ドル(+24.6%)、エヌビディアプット107回 1月 170米ドル(+24.0%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2021/12/10 10:27 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米労働市場ひっ迫でFRBのテーパ—加速を正当化 米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(12/4)は前週比4.3万件減の18.4万件と、前回22.7万件から予想以上に減少し、1969年9月以降52年ぶり低水準となった。景気回復に伴う労働市場のひっ迫が証明され、企業の雇用獲得への苦闘が明らかになった。米失業保険継続受給者数(11/27)は199.2万人と、前回195.4万人から減少予想に反して増加。4週平均は54250件減の203万人。失業者支援の支援総受給者数は350527人減少し195万人。前年に比べると依然10倍規模にある。労働市場のひっ迫環境を利用し、自然な流れとして米国では幅広い業界で労働者がストライキを実施。労組を結成する取り組みも加速している。コーヒーチェーンのスターバックスの一部店舗で労組結成の賛否を問う投票が行われ、大多数が賛成に投じた。万が一、労組結成が現実となった場合、すでにパンデミックにより損傷が激しい、小売り、外食産業にとり更なる打撃に繋がりかねず、今後の経済の成長に影響を与えかねず、警戒される。直近では労働市場のひっ迫で金利先物市場ではすでに、FRBが来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入規模の縮小を今までの2倍となる月300億ドルに加速させることを決定する可能性を見込んでいる。 <FA> 2021/12/10 07:38 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.10%高でスタート、金融緩和を好感 9日の上海総合指数は買い先行。前日比0.10%高の3641.15ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時53分現在、0.16%高の3643.23ptで推移している。金融緩和の実施が好感されている。国内メディアによると、中国人民銀行(中央銀行)は小規模企業や農村向けの再貸出金利を7日付で0.25%引き下げたという。銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、市場関係者の間で引き下げ観測が広がっている。また、前日の米株高も支援材料。一方、不動産業を巡る不透明感が解消されていないことが引き続き警戒されている。 <AN> 2021/12/09 10:56 注目トピックス 経済総合 ミネベアミツミを対象とするコール型eワラントが上昇率上位にランクイン(9日10:01時点のeワラント取引動向) 手仕舞い売りとしては商船三井<9104>コール121回 1月 7,700円、銀リンク債コール78回 1月 25米ドルなどが見られる。上昇率上位はミネベアミツミ<6479>コール86回 1月 3,600円(+16.7%)、ミネベアミツミコール85回 1月 3,200円(+14.5%)、花王<4452>コール81回 1月 8,400円(+14.3%)、資生堂<4911>コール57回 1月 9,600円(+13.3%)、三菱ケミカルホールディングス<4188>プット53回 1月 800円(+13.2%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2021/12/09 10:40 注目トピックス 経済総合 メキシコペソ円は、軟調な地合いが続きそうだ サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、メキシコペソ円について、『今週のメキシコペソ円は、軟調な地合いが続きそうだ』と述べています。続けて、『隣国の米国では「オミクロン株」の懸念があるにもかかわらず、インフレへの対処と雇用状況の改善を受けて12月の会合では量的緩和の縮小加速を決定し、利上げの時期を探ることになりそうだ。メキシコも利上げを実施しているが、インフレ率の更新を受けて利上げのペースが遅いと見られている』と伝えています。次に、『11月前半の消費者物価指数は7.05%と過去20年間で最も高い水準だった。メキシコの政策金利は現在5.0%。中銀は11月に4会合連続で利上げを決めた。名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利は−2.05%で、利上げのスピードがインフレ加速に追い付いていない』とし、また、『メキシコ経済も回復が緩慢になっていることも重石になっている。11月のメキシコ製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4と、10月の49.3から小幅上昇した。サプライチェーン(供給網)の問題が引き続き重しとなる一方、投入コストが上昇し、景況改善・悪化の分岐点となる50を昨年3月以来21カ月連続で下回った。第3四半期の国内総生産(GDP)確報値(季節調整済み)は、前期比0.4%縮小した。サービス業の低迷やサプライチェーン問題が景気を圧迫し、予想以上の落ち込みとなった』と解説しています。また、『メキシコ中銀総裁の人事も市場の懸念を強めている。ロペスオブラドール大統領はメキシコ銀行(中央銀行)の次期総裁にロドリゲス財務公債省次官を任命した。6月にはエレラ前財務公債相を任命していたが、自ら決めた人事を覆した。市場ではロドリゲス氏の経験の少なさや中銀の独立性が損なわれる可能性が懸念されている』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、メキシコペソ円の今週のレンジについて『5.20円~5.40円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の12月7日付「メキシコペソ円今週の予想(12月6日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <FA> 2021/12/09 09:47 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米10月JOLT求人件数:過去2番目の高水準も離職ペースは鈍化 米労働省が発表した米国の10月JOLT求人件数は1103.3万件と、9月から減少予想に反して増加し過去2番目の高水準となった。総失業率の740万人を大きく上回った。労働市場の需要が満たされるまで、まだ時間を要する可能性がある。8月、9月と、求人件数が減少したため労働市場の回復鈍化が懸念されたが、9月分も1043.8万件から1060.2万件へ上方修正され懸念が和らいだ。10月解雇率(Layoffs/discharges rate)も0.9%と、9月1.0%、前年1.2%から低下した。11月労働参加率も61.8%と10月61.6%から上昇したことも朗報。一方で、11月長期失業者数(15週以上)は依然高水準。労働市場の自信を表すとされる離職率は2.8%と過去最高を記録した9月の3.0%から低下した。低下は5月来で初めて。米雇用統計と同様に、労働市場への力強い回復の勢いは失速する様相も見られる。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和(QE)縮小の軌道を修正する可能性は少ないと考える。■雇用たるみダッシュボード◎金融危機前に比べ状態が改善         パンデミック: 金融危機前水準と比較10月求人率(Job openings rate):6.9%(9月6.7% )     4.4%, 3%10月退職率(Quits rate):2.8%(9月3.0%)          2.3%: 2.1%10月解雇率(Layoffs/discharges rate):0.9%(9月1.0%,前年1.2%)  1.2%11月雇用者数(Nonfirm payrolls):+21万人(10月+54.6万人) +25.1万人,+16.18万人10月採用率(Hiring rate):4.4%(9月4.4%、昨年4.2%)      3.8%11月失業率(Unemploynent rate):4.2%(10月4.6%)     3.5%, 5%11月広義の失業率(U-6):7.8%(10月8.3%)         7.0%, 8.8%◎金融危機前に比べ状態悪化11月労働参加率:61.8%(10月61.6%)               63.4%, 66.1%11月長期失業者数(15週以上):45k(10月45k)        19k <FA> 2021/12/09 07:51 注目トピックス 経済総合 教師に成績向上のインセンティブがない…見過ごされてきた「日本の教育システムの大問題」(喜田一成氏との対談)(1) 【ゲスト】喜田一成株式会社スケブ 代表取締役社長外神田商事株式会社 代表取締役株式会社シーズメン CMO(Chief Metaverse Officer)1990年福岡県生まれ。筑波大学情報学郡情報科学類出身。ハンドルネーム「なるがみ」としてサブカルチャー業界で広く知られており、VRSNSの総滞在時間は4,500時間以上。2013年に株式会社ドワンゴに入社後、3Dモデル投稿サービス「ニコニ立体」を企画・開発。その後合同会社DMM.com、パーソルキャリア株式会社を経て独立。2018年に国内のクリエイターに対して世界中のファンが作品をリクエストすることができるコミッションサービス「Skeb」を個人で開発。2021年2月に「Skeb」を運営する株式会社スケブの全株式を10億円で譲渡。「Skeb」は2021年11月時点で総登録者数160万人を超える世界最大級のコミッションサービスとなる。2021年12月にシーズメンのメタバース事業を統括するCMO(Chief Metaverse Officer)に就任。【聞き手】白井一成(株式会社実業之日本社社主、社会福祉法人善光会創設者、事業家・投資家)●「勉強ができなくても卒業できる」日本の学校白井:第2次産業革命のモデルは、工場などの設備のための資本とともに、均一なスキルを持つ労働者を、どれだけ多く工場に送り込めるかが競争の鍵というものでした。このような状況に最適化するために、日本の戦後の教育システムは、同じようなスキルをもつ人間を大量に輩出する金太郎飴方式であると考えています。ところが、第3次産業革命以降、クリエイティビティやイノベーション力が重視され、労働力はそれほど重視されなくなりつつあります。前回の高校生のような新世代の出現も、それを暗示しているのでしょう。第4次産業革命の進展を考え、日本の未来を展望すれば、日本の教育システムはどのように変えていく必要があるのでしょうか。喜田:最も重要なのは多様性を認めることです。いまは勉強ができないとドロップアウトしてしまう状態です。それは落第という意味ではありません。教師や学校には、更生することにやりがい以上のインセンティブがありません。波風を立てず、そのまま卒業させたほうが無難です。勉強ができなくてもそのまま卒業させるし、勉強ができない場合にどうやって生きていけばいいかという教育を施さないまま、卒業させてしまうことが最も問題だと思っています。少なからず勉強する意思があり、学校に通っているとしても、置いていかれたまま卒業させられてしまうのがいまの教育体制です。こうした状況を改善するには、選択肢を2つ追加で用意する必要があります。まず、本当に勉強したくない、あるいは勉強ができない子を、生きていくことができるようにする必要があります。いまの学校教育は、同じ会社に終身雇用で働き続けることを念頭に設計されています。そのため、税務教育や労務教育を一切行わない。大学ですらお金の話は経済学部でないとしないという状況は改善すべきです。中学校の段階で、税金にはどのような種類があるかを教え、確定申告なども体験させたほうがよいと思います。多様性を認め、学校教育のなかで生きていく知識や力を教えるべきです。もう一つは、勉強したくても、やり方がわからない層が置いていかれるという点です。これの最たる要因は学校や教師にやりがい以上のインセンティブがない点が考えられます。教師にも正当な対価を与えて、ドロップアウトしてしまう人を防ぐ、あるいはその生徒たちを救うことによって、教師にインセンティブが与えられるという制度設計が必要だと思います。●学校での「プログラミング教育の義務化」は不要白井:第4次産業革命が進展すると、大多数の肉体労働が不要となり、知的な会計業務やアナリストはAIに代替され、マネジメント能力やクリエイティビティを持つ人、そして介護や看護師などのエッセンシャルワーカーしか残らないと言われています。日本の学校教育では、プログラミング、コンピューターサイエンスそのものがあまり重視されていないように思います。遠い未来、AI自身がプログラムする可能性まで考えると、プログラミングする人は必要がないかもしれませんが、当面、日本は、一定数のプログラマを養成する必要があると思っています。優秀なプログラマに教師を努めてもらい、学校教育にプログラミングを入れることはできませんか。喜田:学校教育ではプログラミングを教えないほうがよいと思っています。まず、教えられる先生がいません。エンジニアの収入は相対的に高く、わざわざ学校でプログラミングの先生になろうという人はいないでしょう。IT企業に行ったほうが2倍もらえますから。相当な志を持ち、若い子に教えたいという確固たる信念がない限り、成果主義ではない公務員という枠組みの中では優秀なプログラマが教えることはありません。プログラマには、何かを作るための手段としてプログラミングを選択している「手段プログラマ」と技術が好きでプログラミングすることが目的となっている「目的プログラマ」の2種類の人種がいます。私がプログラミングを始めたのは小学4年生、10歳のころですが、最初にVisual Basicで作ったプログラムはゲームでした。私の周りにいる多くの優秀な人間の、プログラミングを始めるきっかけは、だいたいゲーム開発です。ゲームを体験して、ゲームを作りたくなるのです。プログラミングするためにプログラミングを勉強するような学校教育は、楽しくプログラミングを学ぶ機会を奪う可能性もあり、不要だと思っています。マインクラフトのようなゲーム性のあるものから始めていかないと難しいのではないでしょうか。知る機会はあってもいいでしょうが、義務化すべきではないと思います。●現代の若者のイラスト技術レベルが高いワケ白井:新国立美術館で開催されていた高校生国際美術展に行かれたそうですね。そこに出展されている作品のレベルが非常に高かったことに驚かれたとお聞きしました。数十年前からすると、個々の生徒のクリエイティビティが上がっているということなのでしょうか。喜田:現代美術は素人なのでわからないですが、サブカルチャーのイラストは、数十年前の同世代よりも、いまの同世代のほうが圧倒的に上手いと思います。サブカルチャーだけではなく、さまざまな分野において昔の若者よりもいまの若者のほうが技術的に高水準だと思います。まず、インターネットの普及が大きく貢献していると思います。図書館や本屋に行かずとも、ネットやSNSで「これ、どうしたらいいの?」と聞けば教えてもらえるのは、圧倒的なインプットです。美術館に行かなくても優れた作品を目にする機会は多いですし、作者との交流も可能です。情報量が圧倒的に増えましたので、切磋琢磨しやすい状態になっています。技術が共有しやすい状態になっているのです。2つ目は、以前の話に戻りますが、勉強しなくても許される社会になりつつあるので、若い子の可処分時間が増えています。その時間を芸術に全てつぎ込む人も増えています。勉強する時間をそちらに充てることで技術が向上している面もあるでしょう。白井:インターネットの登場で、昔と比べると情報の移転コストが劇的に低下したということですね。金太郎飴型の人材を作っても、もはや社会で活躍する場所がなくなっていくので、個々の能力を高めるほうがよいということですね。それ以外にも、身体的能力、特にスポーツだと体格がよくなったと言われます。食生活が改善して身体的な能力が向上したのでしょうが、脳の力も上がっているのでしょうか。以前はゲーム脳という言葉があり、「ゲームばかりやっていると馬鹿になる」と言われました。しかし、いま、20代、30代で、飛び抜けた才能を持ち、実業界で活躍している人の多くはゲーム脳の持ち主です。そういう人たちこそ、ブレ−クスルーする突破力を持っているという考え方も出てきています。喜田:20年前といまの子どもの脳波を測定できたとすれば、昔は学問やスポーツで使っていた部分ばかりが伸びていたのでしょうが、いまはゲームなどさまざまな分野で、いろいろな部位を使っています。多様化しているのです。ただし、脳の能力の総和は昔と変わっていないでしょう。白井:世の中のニーズ、お金を稼ぐ部分などにピタッと照準が合うと、そういう才能を発揮できるということですね。喜田:これは人類という種で見ると正しい選択でしょう。同じことしかできない人たちが大量にいても絶滅のリスクは上がります。さまざまなことを試みる個体が多ければ多いほど、種としては正しい方向に向かっていると思います。「教師に成績向上のインセンティブがない…見過ごされてきた「日本の教育システムの大問題」(喜田一成氏との対談)(2)」に続く■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/08 18:00 注目トピックス 経済総合 教師に成績向上のインセンティブがない…見過ごされてきた「日本の教育システムの大問題」(喜田一成氏との対談)(2) 本稿は、「教師に成績向上のインセンティブがない…見過ごされてきた「日本の教育システムの大問題」(喜田一成氏との対談)(1)」の続きである。●「AO入試」は不要?白井:突出した絵を描く才能、工芸をつくる才能の話をお聞きしましたが、大学入試も相当変わりました。我々の時代はペーパーテストで、共通一次で何点とれるかでしたが、今は、高校生の美術展で上位の賞をもらうと、それだけでAO入試でかなり上位の大学に入ることができます。入試のやり方が変わってきたことは、世の中が良い方向に向かっている気がします。コツコツとやってきた人が評価されないのは不公平と言う人もいますが、そういう形で才能を伸ばしたり、一芸に秀でた人を引き上げたりすることもできます。その点はいかがでしょうか。喜田:私は、大学は悪い方向に向かっていると思います。多様性を認めようという努力は理解できますが、手段をはき違えている気がします。さまざまな多様性を認めるというのは、全員大学に受からせることではないのです。大学卒業を新入社員の採用の必須条件とし、プロパー社員を最良とする慣習は早く捨てるべきです。大学はあくまで学問を研究する場であり、社会人を育成する場ではありません。大学は学問研究機関とすれば、一芸に秀でればよいというのは変です。学問を学ぶための基礎知識があるか、あるいは学べるだけの能力があるかを調べる必要がありますので、ペーパーテストでよいと思います。私の在籍した大学でも、AC入試というのがありました。ほかの大学ではAO入試というそうですが、高等学校における成績や小論文、ボランティアなどの課外活動、面接などで一芸に秀でているとされる人物を評価し、入学の可否を判断する選抜制度のことです。私の世代は特にひどくて、卒業したのは入学時の約半数でした。多くが授業についていけず、ドロップアウトしています。友人は結局大学を中退して最終学歴は高卒になってしまいました。留年は2回までしかできませんので最終的に除籍となります。白井:大卒で、かつ新卒で会社に入ることが正しいという固定概念は、根強いものがあります。AO入試は、スポーツで活躍した人を大卒にしてあげて、社会で多少なりとも有利な立場にしてあげようという優しさでしょうし、多様性のある人材を作ろうということでしょう。しかし、そこにひずみが生じ、ねじれが生じてしまう。言っていることは新しいかもしれないけれど、結果がめちゃくちゃという感じかもしれないですね。中央教育審議会のトップには、経団連の部会長などが就任するようですが、このような状況にキャッチアップできていないと思います。●「誰一人取り残さない」は実現不可能な理想白井:ところで、デジタル庁が発足しました。デジタル化といっても、ファックスからメールになるぐらいのデジタル化であったり、判子をデジタル化したりという程度の話が先行していますが、デジタル庁発足をどのように評価していらっしゃいますでしょうか。喜田:縦割り組織で、硬直的なイメージで受け止めています。デジタル分野の組織は有機的、かつ、フレキシブルであるべきです。A、B、Cという分野で少しずつ使えるものが何個か並んでいるもので、縦割りには向かないのですが、それを縦割り的なやり方で進めていこうとしています。発足したばかりですので、今のところは仕方ないと思います。しかし、今後には期待したいところです。デジタル庁は「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を掲げていますが、これは筋がよくありません。すべての人が使えるプラットフォームは、莫大なコストがかかるため、大半の人からすれば不利益を被るということになります。ある程度の合理的な意思決定は必要です。最近の中国のデジタル化をみればよく分かりますが、大半の人に受け入れられつつ、投資のリターンが合うという均衡点を追求しているからこそ、社会の効率性が高まるのです。9割の人にとっては使いやすいプラットフォームだけれど、1割の人は別のプラットフォームを使うという設計思想であればいいのですが、全員を救うという実現不可能な理想を掲げては、コストは莫大になり、結果的には目的を達成することが難しくなるでしょう。たとえば、全員が同じプラットフォームを使うのではなく、9割の人はAというプラットフォームを使い、残りの1割の人がBというプラットフォームを使うことにし、このプラットフォームの開発を民間に競争させるのがよいと思います。行政はAPIを提供し、事業者には助成金などを与えず、申請件数に応じて国からインセンティブが与えられるような自由競争に持ち込むのです。既に利権構造の中にあるベンダーを対象として入札方式で一番安いところに発注するのではなく、行政がAPIだけ用意すれば、小さいベンチャー企業はニッチなところも獲得しようとしてくるので、社会的な弱者向けのプラットフォームも作ってくれるでしょう。自由競争のほうが健全でしょうし、結果的に誰も取り残されないと思います。白井:公共サービスであっても、投資に対してリターンが合っているのかという視点で評価することは非常に大事ですね。また、市場原理を導入して効率性を高める必要もあるでしょう。しかし、日本では、合理的な世論形成や意思決定はあまり見られず、情緒的な空気が支配しているように思います。弱者を切り捨てるのかという主張が幅を利かせていて、全体の効率性を議論すること自体がタブー視される向きもあります。これでは、社会の効率性が高まりません。本来は経済原則に従って、社会のコストを抑えつつ、効率的な社会を構築すべきなのです。そこで、取り残される弱者がいれば、そこで初めて行政がサポートするということのほうが健全でしょう。■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/08 18:00 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.22%高でスタート、景気対策強化への期待が高まる 8日の上海総合指数は買い先行。前日比0.22%高の3602.82ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時02分現在、0.09%高の3598.46ptで推移している。景気対策の強化に対する期待が高まっていることが引き続き支援材料。また、前日の米ハイテク株高なども好感されている。一方、米中対立の警戒感が解消されていないことが引き続き警戒されている。 <AN> 2021/12/08 11:12 注目トピックス 経済総合 三井不動産を対象とするプット型eワラントが上昇率上位にランクイン(8日10:01時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価上昇が目立つ任天堂<7974>コール443回 1月 58,000円を順張り、イオン<8267>コール37回 1月 3,000円を順張りで買う動きや、原資産の株価下落が目立つ東急<9005>プット21回 1月 1,600円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはビットコイン先物インデックスリンク債_2024年 トラッカー1回 5月 1.0米ドル、アップルコール180回 1月 150米ドル、SBIホールディングス<8473>コール293回 1月 3,450円、みずほフィナンシャルグループ<8411>コール412回 1月 1,550円などが見られる。上昇率上位は三井不動産<8801>プット127回 1月 2,200円(+27.5%)、三井不動産プット128回 1月 2,600円(+27.2%)、三井不動産プット126回 1月 1,800円(+25.8%)、電通<4324>コール94回 1月 5,350円(+22.2%)、エヌビディアコール132回 1月 290米ドル(+21.1%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2021/12/08 10:52 注目トピックス 経済総合 ウォール街を知るハッチの独り言 金利が上がると株価は下がるのか?(マネックス証券 岡元 兵八郎) さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、12月6日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「ウォール街を知るハッチの独り言」の内容をご紹介いたします。みなさんは金利が上がると株は下がると思い込んでいませんか?事実は、必ずしもそうではないのです。こちらのデータは昨年と今年、コロナ禍での金利と米国株との関係を比較したものです。金利は米国10年債利回りで、株価は米国を代表する株価指数であるS&P500です。金利の動きと株価※金利変化時の株価パフォーマンス(2019/12/31~2021/11/22)参照2020年に入りコロナ禍、世界中の中央銀行は利下げを行うと同時に金融市場に対しアグレッシブな流動性の供給を行いました。これを受け米国10年債利回りは年初から下落し7月にボトムをつけました。その後の金利の動きを三つのフェイズに分け、株価への反応を調べてみました。最初のフェーズは金利上昇の局面です。10年債利回りが7月に底を付けたあと、翌年2021年3月末までの166日間です。この間10年債利回りは243%上昇することになりますが、S&P500の動きはというと20%上がったのです。S&P500のITセクターはというと17%上げ、銀行セクターは59%上昇しました。S&P500の20%の上げに対し、金利の上昇に弱いと言われるグロース銘柄を含むITセクターは市場のリターンを下回りました。一方、金利上昇時に恩恵を受ける銀行セクターは素直に大きく上がるという展開となりました。二つ目のフェーズは金利下落の局面です。今年の3月31日にピークをつけた10年債利回りは8月3日までの87日間で33%下がりました。この間S&P500は11%上昇したのですが、ITセクターは16%上昇、銀行セクターは2%上昇と教科書通りのパフォーマンスを示したのです。三つ目のフェーズは再度金利上昇の局面です。10年債利回りが79日間で39%上昇した局面でS&P500は6%上昇、ITセクターは10%上昇、銀行セクターも11%上がったのです。いかがでしょう。過去2年間の試験の期間で3つの事が言えると思います。一つ目は、金利が上がっている期間でも株価は上がるということです。金利が上がって株価が下がるのは、一時的な急激な金利の上げを受けてのことなのです。金利が上がる局面でも、長期的に見ると株は上がっているのです。二つ目は、金利が上がる局面で、IT企業に代表される成長株が下がるかということ、そういう事でなく、市場のリターンを下回るだけという事です。三つ目ですが、金利が上昇する局面では、銀行株は素直に買われるという事です。来年は金利が上昇する年となると思いますが、こういった事実を参考にしていただければと思います。マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎(出所:12/6配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋) <FA> 2021/12/08 09:25 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米Q3の労働生産性は74年ぶり低水準に落ち込む 米労働省が発表した7-9月期非農業部門労働生産性改定値は前期比年率−5.2%となった。速報値から上方修正予想に反して下方修正され1947年10−12月期以降74年ぶり最低に落ち込んだ。同期単位労働コスト改定値は前期比年率+9.6%。速報値+8.3%から伸びが予想以上に上方修正され昨年10−12月期以来最大の伸びとなった。同指数は連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が景気動向を判断する上で注目していた指標。賃金などコストの上昇で企業の生産性が落ち込んでいることが明らかになった。パンデミック関連のサプライチェーン混乱が落ち着き、コストが低下した場合、再び生産性が回復する可能性はあるが、混乱が長引いた場合、回復にも懸念が残る。FRBは焦点を高インフレに移した。高インフレが想定以上に長引くことに備え、量的緩和(QE)縮小を加速させ、計画していたよりも数カ月早く縮小を終了する可能性を示唆。パンデミックの状況の改善で、緊急措置として導入されたQEの必要性は後退した。しかし、時期尚早の利上げは回復を損なう可能性が警戒される。 <FA> 2021/12/08 07:41 注目トピックス 経済総合 危ういバランサー−韓国の立ち位置−【実業之日本フォーラム】 「バランサー論」は2005年2月に、韓国の盧武鉉大統領(当時)が大統領就任2年目の国政演説の中で、同国の外交・安全保障政策の一環として言及したものである。大統領は、経済的相互依存関係が世界的に広がっているにもかかわらず、安全保障領域では冷戦構造が残っており、これが関係国の摩擦を生んでいると認識し、韓国が対立する両陣営の「バランサー」になることで調和を図っていこうと訴えた。この背景には、イラクへの韓国軍派遣の決定が、反米勢力が中心であった廬武鉉大統領の支持者離れを起こした教訓から、アメリカと一定の距離をとることを国内に示す意図や、米軍が持つ米韓連合軍の戦時作戦統制権の韓国軍への移転を進める意図があった。文在寅韓国大統領はかつて盧武鉉大統領の側近として勤務しており、対日強硬、対北融和の姿勢は似通っている。2021年9月21日、文在寅大統領は国連総会の一般討論演説において、休戦状態にある朝鮮戦争の終戦宣言を行うよう提案を行った。その後、韓国外交当局は関係国に積極的な働きかけを行っている。アメリカは、10月26日にサリバン安全保障担当補佐官が、正確な手順やタイミングについて見方が違う、と述べて以降公式には沈黙を保っている。これに対し、鄭義溶韓国外相は、11月11日の韓国国会外交統一委員会で、終戦宣言の形式、内容についてアメリカと緊密に調整を進めているとした上で、合意の最終段階にあると述べている。正確な手順やタイミングとは、終戦宣言を非核化交渉の入り口と考える韓国に対し、あくまでも非核化を優先し、終戦宣言を出口とする米国との主張が異なっていることを意味すると考えられる。アメリカの沈黙は、必ずしも韓国提案に賛成ではないが、あえて否定することにより両国間で波風を立てるのを避けようという意図があると思われる。11月16日付中国解放軍報は、「朝鮮戦争の終戦宣言を単なるシンボルとしてはならない」との中国科学院主任研究官の署名記事を掲載している。解放軍報が掲載する記事は、政府の考え方を反映すると見られており、この内容は政府の意思と推定できる。記事では、朝鮮戦争で甚大な犠牲を払った中国抜きの終戦宣言はあり得ないとした上で、中国、北朝鮮、アメリカ及び韓国の4か国が終戦宣言に署名すべきと主張している。そして、終戦宣言は単なるシンボルとしてはならず、非核化交渉と一体化すべきと主張している。終戦宣言に対する米中のスタンスは、朝鮮半島の非核化交渉と一体化でなければならないという点では一致していると考えられる。これは、とりあえず終戦宣言を出して南北融和という成果を上げたい文在寅大統領の思惑とは乖離している。そもそも終戦宣言の対象である北朝鮮も、金正恩総書記の妹で朝鮮労働党の幹部である金与正が、良い提案としつつも、敵対政策の終了が大前提だとしており、条件なしの終戦宣言には否定的である。北朝鮮が主張する敵対政策には、在韓米軍の存在や米韓連合訓練があると推定され、北朝鮮が交渉のテーブルに着くには大きなハードルがある。このような状況の中、米国と韓国は12月2日ソウルで両国国防大臣が参加する第53回米韓定例安保協議(SCM)を開催した。米国防省が公表した両国防大臣の共同記者会見では、両国が朝鮮半島の非核化、恒久的な平和の確立に向けて協力するとし、2022年に戦時統制権(韓国軍に対する作戦統制権は戦時と平時に区分され、戦時には在韓米軍司令官を兼ねる連合軍司令官が行使)移行に係る評価を実施すること、新たな作戦計画を策定すること等の合意事項が明らかにされている。オースティン米国防長官が、米韓同盟を朝鮮半島だけではなくインド太平洋の平和と安定に重要視した点、北朝鮮に対しては外交を主体としつつも、備えを強化する必要があるとした点が注目される。また、同時に公表された共同コミュニケには、バイデン大統領と文大統領の共同声明で触れられた「台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を認めた」ことが明記されている。一方で、終戦宣言に関する言及は一切なされていない。韓国は同日、徐薫国家安全保障室長を中国に派遣、天津で中国外交トップの楊ケツチ共産党政治局員と会談を行っている。報道によれば、韓国大統領府は楊氏が終戦宣言を支持したと伝えているが、中国外務省ホームページでは、徐氏が北京冬季五輪成功に向けて支持を表明したと伝えており、終戦宣言には言及していない。実際どうであったかは不明であるが、それぞれの発表を批判していないことから、中韓は互いに都合の良い点のみを公表したと考えられる。韓国としては、米韓定例安保協議の内容を中国に伝達することで一定の理解を得ることも視野にあったと見られる。韓国のこのような外交は、廬武鉉大統領の「バランサー論」を彷彿するが、激化する米中対立の中でこのような姿勢が効果を生むことはないであろう。特に、戦時統制権移行に係る評価作業には、2019年以降実施されていない大規模な米韓連合実働訓練が不可欠であり、これは北朝鮮が主張する敵対政策そのものである。文在寅大統領が進める米韓連合軍戦時作戦統制権移行と朝鮮戦争終戦宣言は、バランスできるようなものではなく、韓国に二者択一を迫るものである。米中高官と韓国高官が会談した際、韓国政府は「終戦宣言に理解を示した」と述べているが、これはあくまでも道義的観点に立った発言と解すべきであろう。終戦宣言そのものは、いかなる国であれ反対できない。しかしながら、その方法、内容及び時期等についてはそれぞれの思惑が交錯する。韓国の終戦宣言を巡る外交は、韓国にとって極めて危険な火遊びと言える。岸田政権は10月に行われた日米韓高官協議の場で、終戦宣言に対し「時期尚早」として難色を示したと伝えられている。北朝鮮の核・ミサイルの脅威、日本人拉致問題解決の道筋が全く見えない段階での終戦宣言に反対するのは当然であろう。アメリカが安易に韓国の提案に乗らないように二国間で十分な調整が必要である。一方、終戦宣言を巡る韓国の外交は、今後激化する米中対立の中で、日本外交に大きな示唆を与えるものである。中国の東シナ海や台湾周辺における強引な軍事活動に対する懸念に対し、中国との経済的結びつきを考慮すべし、と述べる評論家は多い。これは、現在終戦宣言を巡り米中間で繰り広げている韓国外交と同じである。安全保障はアメリカと、経済は中国と、といった「いいとこどり」は、双方から不信感を持たれるだけである。経済的結びつきを日本の弱みとするのではなく、逆に梃として、中国に妥協を迫っていくしたたかな安全保障戦略が必要であろう。反面教師であるにせよ、韓国外交から学ぶ点は多い。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:代表撮影/ロイター/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2021/12/07 16:39 注目トピックス 経済総合 台湾潜水艦建造が日本の安全保障に及ぼす影響【実業之日本フォーラム】 2021年11月29日、ロイターは「As China menaces Taiwan, island’s friends aid its secretive submarine project」という記事を配信した。その内容は、2017年から開始された台湾の潜水艦建造に、アメリカ、イギリスが主たる役割を果たしていることに加え、オーストラリア、韓国、インド、スペイン及びカナダが関わっているとするものである。アメリカは、戦闘システムやソーナー等の核心技術を、イギリスは潜水艦用の部品や関連するソフトウェアを提供し、その他の5カ国は技術者募集に応じたものであると伝えている。それぞれは、台湾海軍及び潜水艦建造を請け負っている台湾国営企業「台湾国際造船」に、政府の許可を得て技術的支援を行っているとしている。韓国大統領府は、この記事に関し政府の関与を否定した上で、個人のレベルで情報を提供しているかどうかは調査中であると述べている。記事では、アメリカの同盟国であり最も進んだ通常型潜水艦を保有する日本の関与について、防衛省関係者の発言として、非公式に検討したものの中国との関係悪化を懸念し、検討を中止したと伝えている。また、日本企業は中国との取引を失うことを懸念し、台湾への関与は消極的であるとの海上自衛隊退職将官の発言を紹介している。台湾海軍は現在4隻の潜水艦を保有している。2隻は第2次世界大戦中に米海軍が建造したグッピー級であり、もう2隻はオランダのスバールトフィス級潜水艦を元に1980年代に建造され、海龍級と呼称されている。当初、海龍級は6隻取得する計画であったが、中国がオランダに圧力をかけ、残り4隻の建造は取りやめられた。グッピー級は言うに及ばず、海龍級も旧式化しており、台湾海軍はその更新を希望していた。しかしながら、潜水艦建造能力を持つ各国は、中国の反発を恐れ台湾の潜水艦取得に協力することには消極的であった。アメリカは、2001年にブッシュ政権が、台湾関係法に基づき通常型潜水艦の提供を決定したが、アメリカ国内には通常型潜水艦建造のノウハウが無く、宙に浮いた形となっていた。これらの状況から、台湾の蔡政権は潜水艦国産化の方針を決定、2017年から建造が開始された。1番艦の就役は2025年に予定されており、8隻が建造される計画である。国産化にあたっては、アメリカを始めとした潜水艦保有国の技術協力が不可欠と見なされていたが、今まで具体的な名前は明らかにされていなかった。現時点で、韓国政府以外の反応は報道されていないが、各国の協力を得て台湾潜水艦建造が進みつつあることが確認できたと言えよう。台湾の潜水艦勢力が充実することは、日本周辺の安全保障環境にも大きな影響を与えるが、軍事的観点から見ると、それにはプラスの側面とマイナスの側面がある。プラスの側面としては、中国の台湾軍事侵攻に対する大きな抑止力となることである。最近、中国は台湾周辺における活動を活発化しつつある。爆撃機がバシー海峡を経由し台湾南東部を飛行することに加え、11月中旬には中国海軍揚陸艦2隻が台湾と与那国島の間を南下し、台湾東部沖で活動したことが確認されている。台湾は南北にわたって3,000m級の山脈が連なっていることから、その攻略には台湾海峡正面からの攻撃では不十分との指摘がある。最近の中国艦艇及び航空機の活動は、台湾海峡方面からの侵攻に加え、太平洋方面からの侵攻能力を検証しているものと推定できる。台湾潜水艦がバシー海峡周辺及び台湾東部海域で行動することにより、これら中国艦艇の台湾東部への進出を抑制することができる。潜水艦が行動しているという情報だけで、その脅威を排除するために行わなければならない作戦の負担や艦艇へのリスクを意識させ、最終的に中国が台湾への軍事侵攻というオプションを選択する可能性を低下させることが期待できる。一方、マイナス面、懸念事項としては次の2点があげられる。潜水艦の最大の特徴は、隠密裏に海中を行動することである。これを捜索するためのセンサーとして、現時点では音波が主流である。音波による捜索は、自ら音を出すアクティブ、相手の音を聞くパッシブともに、潜水艦であるかどうかの類別、そしてそれが潜水艦であった場合の識別(どこの国の潜水艦か)に多大の労力が必要である。バシー海峡から西太平洋にわたる海域では、日米、状況によっては韓国、そして将来的にはオーストラリア潜水艦が活動し、これに台湾海軍潜水艦が加わった場合、潜水艦らしい目標を探知した場合の識別は非常に困難なものとなる。台湾を巡る紛争が生起した場合、台湾海軍潜水艦の存在は、日米艦艇の作戦を阻害する可能性がある。次に、台湾の潜水艦の事故に対する備えが不十分であることが指摘できる。今年4月、インドネシア海軍潜水艦がロンボク海峡付近で沈没した。更には今年10月、米海軍原子力潜水艦が南シナ海において、海山と推定される海中物体と衝突し損傷している。潜水艦を運用する国が増加するにつれ、このような潜水艦の事故が増加すると考えられ、潜水艦を運用する国には捜索救難体制の整備が必須と言えよう。他国との訓練が実施できない台湾は、潜水艦救難のノウハウが十分とは言えない状況にある。インドネシア潜水艦が消息を絶ってから発見されるまで4日間を要したことから分かるように、沈没潜水艦の位置特定には時間を要する。沈没潜水艦の救難は時間との勝負であり、距離的に近い日本はこれに積極的に協力すべきであろう。懸念事項を解消するためには、台湾潜水艦の運用状況に関する日台間の情報共有が不可欠である。潜水艦運用に係る情報の全てを共有する必要はないが、少なくとも、事故の発生の通知や、探知した潜水艦が台湾所属である可能性があるかないかという判断を速やかに下せる程度の情報交換は必要であろう。これは、台湾の対潜戦兵力が日本の潜水艦を探知した場合も同様である。日本の各企業が中国との取引を重視し、台湾の潜水艦建造に消極的であることは、民間企業として当然のリスク管理であろう。しかしながら、実際に台湾潜水艦の絶対数が増加し、活動海域が重複した場合のリスク管理は国の責任である。台湾の国産潜水艦が就役する2025年までに、日本政府としてリスク管理の体制を整えておく必要がある。関係国との調整を考慮すれば、残された期間は長いとは言えない。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:新華社/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <FA> 2021/12/07 16:23 注目トピックス 経済総合 エヌビディアを対象とするコール型eワラントが上昇率上位にランクイン(7日10:00時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価上昇が目立つソフトバンクグループ<9984>コール594回 1月 6,600円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはビットコイン先物インデックスリンク債_2024年 トラッカー1回 5月 1.0米ドル、JFEホールディングス<5411>コール157回 1月 1,700円、JFEホールディングスコール159回 1月 2,200円などが見られる。上昇率上位はエヌビディアコール129回 12月 270米ドル(+74.1%)、WTI原油先物リンク債_2022年3月限コール2回 12月 70米ドル(+64.3%)、丸井グループ<8252>コール17回 12月 2,150円(+63.6%)、ビットコイン2022年1月 プラス5倍トラッカー3回 1月 56,000米ドル(+62.1%)、WTI原油先物リンク債_2022年3月限コール1回 12月 65米ドル(+57.4%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2021/12/07 15:40 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.61%高でスタート、金融緩和の実施を好感 7日の上海総合指数は買い先行。前日比0.61%高の3611.21ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時2分現在、0.39%高の3603.23ptで推移している。金融緩和の実施が支援材料となろう。中国人民銀行(中央銀行)はきのう6日、市中銀行の預金準備率を15日から0.5%引き下げると発表した。また、新型コロナウイルス変異株オミクロンの重症化に対する脅威がやや後退しているも支援材料。一方、きょう7日は11月の貿易収支が発表される予定となり、慎重ムードが強い。 <AN> 2021/12/07 11:09 注目トピックス 経済総合 元統合幕僚長の岩崎氏、経済安全保障だけでなく技術にも焦点を(2)【実業之日本フォーラム】 本稿は、「元統合幕僚長の岩崎氏、経済安全保障だけでなく技術にも焦点を(1)」の続きである。我が国でもこれまで時々、中国の「千人計画」が報道されてきている。これは、中国が将来を制するためには「技術力」が必要との認識の下、中国人のみならず全世界の科学者や技術者等を破格の待遇で中国に迎え、莫大な研究費を与え、最先端の技術開発に取り組んでいる一大プロジェクトである。この計画は2008年頃に始まったとされ、当初は、その名のとおり、「千人」集める計画であったが、既に「一万人」を越えているとの報道もある。当初の計画では、集める科学者の資格は、「55歳以下、博士号取得者」とされていたものの、現在では、各国の企業等を定年で退職した人達も働いているようであり、制限を解除しているとの情報もある。2021年正月の読売新聞には、この計画で働いている日本人の匿名インタビューが出ていた。同紙によれば確認されているだけで44名の日本人がいるとの事。また、別の報道では200~300人の日本人が所属しているとの事である。既に開発されたもので「秘」に指定された技術や装備品について漏らすことは、法律違反であるが、再就職は自由であり、まだ開発されていない分野に挑戦し、新たな装備品を作ることは規制されていない。科学技術者や研究者の多くは、それが軍用に転用される可能性があると認識していても研究者としての探求心に勝てないことを理解できる部分もあるが、中国の巧妙な仕掛けである。この様な弛まぬ努力により、中国は、様々な分野で既に欧米や日本を抜く様な最先端技術と呼ばれる技術を持ち始めている。以前、米国等は「中国は我々の技術を盗む」と警鐘を鳴らしていたが、それは事実であったし、今後も彼らは、私達の技術やノウハウを盗み続けるものと思われる。ただ、更なる先進技術の開発にも力を入れていくものであろう。さて、それでは、我が国は今後どうすべきであろうか。「経済安全保障」に絡む動きは既に始まっているが。私は今回、我が国が行うべき、特に「技術」に焦点を当てた項目を指摘したい。1.「技術」分野に関する我が国の体制(1)予算処置「技術」は、これまでもそうであったように、我が国の生きる道である。次世代の技術を開発することによって、我が国の安全と繁栄が確保される。来年度予算の概算要求は、2021年8月に各省庁から財務省に提出されているが、防衛省の所謂、研究開発費で対前年度から1.5倍に増額されている。額としては、諸外国に比較し大きいと言い難いものの、大変素晴らしい努力の結晶であり、将来に対する危機感の表れである。また、政府は、来年にかけて「国家安全保障戦略」を見直すことを公表している。この戦略見直しは、必然的に「防衛計画の大綱(大綱)」及び「中期防衛力整備計画(中期防)」等が見直されることになろう。防衛省・自衛隊の任務は年々拡大されてきている。防衛費の伸びは前・前回の中期防に比べ、現中期防は対前年度比の伸びこそ大きいものの、物価上昇や任務拡大等を考慮すれば、従来の重要任務への資源配分を削りながらのギリギリの予算となっている。負債を抱えながらの財政であり、財務省の言い分も理解は出来るが、現状の自衛隊装備品の稼働率も年々低くなってきており、既に限界寸前である。破格な防衛費増は望めないとは思いつつ、強靭な足腰がなければ本来の自衛隊としての活動もできなくなる深刻な事態を考慮し、後方分野を再度充実させるとともに、新分野への投資を行う事を願っている。そして、是非とも研究開発費の大幅増額及び将来に対する大型投資を望む。(2)「技術保全」体制の確立これまでも、度々「秘密保全」について言及してきた。我が国は、これまで「秘密保全」に関して少しずつ諸外国を参考にしながら法律化・規則化してきている。しかし、国際標準と比較してまだ十分ではない。米国等が構成する「ファイブ・アイズ」がある。米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの五か国からなる「機密情報共有」の枠組みである。いつ立ち上げられたかは不明であるが、第二次世界大戦のあとからの様で、長い間、存在そのものも秘であったが、最近になって公開された枠組みである。これまでも何度か日本の加盟に関する議論が起こったものの、実現していない。その理由の一つに、我が国の「秘密保全」体制が十分でないとの指摘もある。私は、結論から申し上げれば、誘われたら加入すればいい程度であり、こちらから敢えてアプローチする必要はないと考えている。ただし、我が国も国際標準並みの「秘密保全」体制を早期に確立すべきである。この中には、先程から述べている技術に関する「保全」体制や個人や企業としての所謂、「セキュリテイ・クリアランス」制度の確立も含め、我が国が保有する技術・ノウハウは、我が国の安全保障に直結しているとの認識の下、早急な処置が必要である。2.各国との連携2021年4月に菅総理が渡米し、バイデン大統領との会談終了後の記者会見で、「我が国の防衛力強化」に言及された。また、バイデン大統領は8月にアフガンからの米軍の撤退が完了した直後の記者会見で、「アフガン人自身が戦う意志がない戦争を米国が戦うべきではない」と発言された。極めて当たりまえの事である。自国を守ろうともしない国を米国が守ることはあり得ない。我が国でも同様であろう。同盟国であれば、同盟国として応分の役割分担があろう。それに応じない同盟国を守ることはない。「技術安全保障」を考える時に、我が国のみでは限界がある。特に米国との連携は重要である。菅総理は、訪米時に「CoRe(日米競争力・強靭性)協定」に署名した。先進技術の共同開発の為の協定である。今年、9月、突如として米国、オーストラリア、英国が「AUKUS」を宣言した。三ヶ国による軍事同盟である。我が国では、豪に対する米英の原子力潜水艦の提供が大きく報じられている。ただ、この協定の細部を拝見すれば、軍事同盟でこそあるものの、この原子力潜水艦のみならず、自立型無人潜水艦、長距離攻撃能力、サイバー、宇宙、5G、IT、AI、量子技術等々の技術協力に関する協定となっている。我が国が入っていない事には若干、違和感があるものの、当初の原子力潜水艦の件があり、無用の議論を避ける意味では、寧ろ良かったかもしれない。我が国は、この「AUKUS」との連携も視野に入れつつ、技術開発協力及び保全を行っていくべきと考える。(令和3.11.22)岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。写真:AAP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/07 10:24 注目トピックス 経済総合 元統合幕僚長の岩崎氏、経済安全保障だけでなく技術にも焦点を(1)【実業之日本フォーラム】 最近、「経済安全保障」が脚光を浴びてきている。昨今の情勢からすれば当然の成り行きとは思うものの、この用語に違和感を覚えることがある。そもそも「安全保障」とは、総合的なものであり、国家やその組織の全ての力(総合力)を駆使し、国民のあるいはその組織に所属する人達の安全や利益・権限を守ることである。一昔前までは、「安全保障」と言えば、軍事的な分野に限られて使われていたが、国際交流が活発化する中で、軍事のみならず、外交力が必要とか、資源やエネルギーの確保等が議論されるようになり、「外交・安全保障」や「総合安全保障」などと言われるようになった。また時には、人権・貧困、感染症対策等も含め「人間安全保障」ということようにも使われている。そして、最近では、「経済」に着目した「経済安全保障」が議論されるようになってきた。「安全保障」が「経済」に焦点をあてて議論されるに至った状況には、いろいろな事が考えられるが、最も大きな要因は、国際的な相互依存関係の深まりであろう。もともと資源的に恵まれない国は、資源が豊富な国に依存していた。ただ、最近では、自国で賄うことが出来ても国外で生産した方が安価な場合、又は自国よりも高い技術力を有する国での生産の方が結果的に効率的である場合についても、他国へ依存する体制へと移行してきている。一部の国ではこの状況に危機感を持ち、再度自国での生産に切り替えを模索している国もある。米国が石油の自国での採掘に再び方向転換したのは、その典型である。また、もう一つの大きな要因が、中国の「経済力」を使った露骨な利権獲得行為が世界各地で横行するようになってきたためである。むしろ、こちらの方が問題であろう。中国による、インド洋の要衝であるスリランカのハンバントタ港の利権獲得はそのいい例である。中国は、スリランカに対して格安の融資を行い、いつの間にか債務過多にさせ、挙句の果てにスリランカ南部のハンバントタ港(インド洋の要衝)を向こう99年間貸与することを約束させた。99年はどこかで聞いたことがある期間である。また、我が国や欧米諸国が海賊対応等の為、自衛隊や各国の軍が駐留しているアフリカのジプチに莫大な投資を行い、スエズ運河から紅海を経てインド洋に出る場所に所在するジプチに中国が中国海軍専用の軍港を建設した。この軍港は空母の寄港も可能な大きな軍港であり、中国の「一帯一路(OBOR)」の拠点となる軍港である。中国が主導して2014年10月に設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)への加入は当初57ヶ国だったが、最近100ヶ国・地域に達している。中国の経済力の影響が世界各地に広がっており、この力で、世界各地で利権を得ているのである。OBOR構想は、2013年に習近平国家主席が提唱した「シルクロード経済圏構想」に基づく構想である。これはシルクロードを模した「陸地版シルクロード経済圏(一帯)」と、インド洋経由の「海上版シルクロード経済圏(一路)」の構想であり、陸には鉄道や道路等のインフラを構築し、インド洋沿岸の各地には港湾整備を行う構想となる。この様な事例は、南太平洋諸国でも枚挙に暇がないほど頻発している。我が国も中国から経済制裁的な嫌がらせを受けた経験がある。2009年9月7日、尖閣諸島付近で任務中(警戒監視や違法操業の漁船都市締まり)であった我が国の海上保安庁(海保)の巡視船に中国漁船が故意に衝突をした事案が発生した。海保はその場で中国漁船の船長以下を逮捕したが、この直後、中国で日本製品のボイコットや不買運動が起こり、携帯電話等の製造に欠かせないレア・アース(希少土)を日本へ輸出しないことを中国が宣告してきた。我が国は、中国の脅しに屈することなく、その後すぐに希少土に代わる代替製品を調達できた(この後、中国は我が国に対するレア・アースを解禁)。ただ、多くの開発途上国は、中国の資金に頼ると債務地獄に陥る可能性がある事は重々承知していても、中国の潤沢な資金や投資を自国の経済発展に不可欠と考えがちであり、ついつい深みに嵌ってしまうのである。この様な経緯から、「経済安保」が叫ばれ、我が国が諸外国に先駆け、「経済安全保障大臣」を新設した。当然の成り行きであり、素晴らしいことである。ただ、「経済安保相」の所掌する範囲や権限等の細部が明確でなく、既存の省庁(経産省や防衛省、外務省)等との関係も明らかにされておらず、この「経済安全保障相」を置くだけで十分であろうか。私は、特に「技術」に関する分野に十分な配慮がなされるか不安を持っている。岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。「元統合幕僚長の岩崎氏、経済安全保障だけでなく技術にも焦点を(2)」に続く写真:AAP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/07 10:24 注目トピックス 経済総合 バイデン大統領と習近平主席の初米中首脳会談でガード・レールは構築できず(元統合幕僚長の岩崎氏)【実業之日本フォーラム】 2021年11月16日、米国のバイデン大統領と中国の習近平主席とのオンラインでの会談が行われた。バイデン氏が米国大統領になって以降、米国と中国の首脳による「初会談」であった。当初は、お互いに笑顔で手を振りあい約10分間ずつのスピーチを行った。習近平主席は「古くからの友人に会えて嬉しい」との言葉で始まった。一般的な中国人要人が良く使う言葉であり、「こんにちは」とほぼ変わらない。バイデン大統領は「Thank you」と返したのみであった。今回の米中首脳会談の成果はどうであったのだろうか。これは一概に評価しにくい面がある。夫々の国の会談へ寄せる目的にもよるが、結論から申し上げれば、私は、中国の習近平主席に分があったのではと考えている。バイデン大統領の今回の目的は、「米中が衝突しないようにガード・レールを構築する事」と、報じられている。即ち、バイデン大統領としては、中国の習近平主席と忌憚ない意見交換を行い、最近叫ばれている様な米中の経済摩擦問題や台湾危機・南シナ海問題等で、米中の衝突を回避するためのガード・レールを構築したい意向である。バイデン大統領は、所期の目的は達することが出来たのだろうか。私の見立ては、「否」である。即ち、これまでと全く同じような問題がそのまま存在し、所謂、ガード・レールは構築出来なかったと考えている。一方の習主席の目的は、どことあったのだろうか。公表されていないので推測するしかないが、私は、「国内と国際社会へのアピールと、米国への警告」であったのではと考えている。最近の中国経済に陰りが見え始めていた矢先、昨年からのコロナで中国経済が打撃を受け、所望の経済成長率が達成できていない。国内では、低迷する経済に不満が積み重なっているのである。国内へのアピールという点においては、今回のバイデン大統領と対等に話すことで中国が如何に大国なったかを誇示できたのではと考える。また、中国の経済成長がこれまでよりも穏やかになったとはいえ、欧米や日本の様な先進国に比較し、まだまだ高い成長率を維持している。国際社会に対しては、この会談を全世界に流すことにより、中国が米国と並ぶ大国になったことをアピールする絶好のチャンスにある。そして実際に、会談における両首脳の対等な関係を放送することが出来た。また、米国への警告という点では、再度、新疆ウイグル問題や台湾問題が中国の内政であり、これに口出しは許さないと強い口調で警告を発することが出来た。これが、私の今回の会談の評価である。では、会談での両首脳のそれぞれの発言を見てみよう。1.米中関係バイデン大統領が「両国の競争が衝突に至らぬようにガード・レール」が必要との発言に対し、習主席は「正しくお付き合いする道を見つける必要がある。」と相手方を諭し、「相互に尊重しあい、平和共存を堅持すべき」とし、何か子供に教育しているような言い方であったように感じた。習主席としては、もともとの米中経済戦争は、米国(トランプ大統領の鉄鋼製品への25%課税)が勝手に仕掛けた争いであり、先ずは、米国が対中国輸出入を見直し、元通りのお付き合いをすべきでは?との認識を要求したものである。そして、「共存の堅持」とは、お互いの存在と繁栄を認め合い、この状態を維持していきましょうとの呼びかけである。そして、中国は、中国の現存する権益を譲るつもりはないとの意思表明である。2.国際秩序バイデン大統領が「自由や民主主義等の価値観を共有する同盟国と、力による現状変更や国際秩序を乱す勢力に立ち向かう」と述べたことに対し、習近平主席は「国際的陣営分割やグループによる対抗は、世界に災いを齎す」として、米国の同盟国との連携を非難し、暗に米国の行動そのもの及び同盟国との行動について、国際社会を分断し、国際社会を乱し、災いを齎している、と指摘した。3.台湾問題バイデン大統領が台湾海峡の両岸の平和的解決を願い「力による現状変更や平和と安定を損ねる一方的な試みに強く反対」するのに対し、習主席は「平和統一に努力するが「台湾独立」に対するいかなる動きには断固措置をする」ことを明言した。中国としては現在のところ、台湾を必ずしも統一出来ていないものの、もともと中国の一部であり、台湾国内であろうが外国勢力であろうが、台湾独立に動く勢力があれば、全力で対応することを断言した。これは、予てから、「台湾は中国の核心的利益」であり、中国にとっては国内問題であり、国外がとやかく言うべきことでなく、もし国内問題に手を入れるなら、断固として対抗する旨を述べ、米国や台湾の際英文総統に強い警告を発したものである。4.人権・民主主義等バイデン大統領が「新疆ウイグル・チベット及び香港地区での人権侵害等に懸念をしている。中国はより民主化すべき」との旨を述べた。一方の習近平主席は「民主化とは、国民が決めるべき事。人権は国内問題であり、外国が口を出すべきことではない」との反論を行った。この件も「中国の核心的利益」そのものであるとの主張である。以上が米中首脳会談の主たる部分であるが、会談中の表情や話しぶり等で、習近平主席に余裕が感じられた。結果として、これまでの米中の溝は、全くこれまでと同じであり、埋まっていない。今回の会談は、米国も中国も、大きな国内問題を抱えながらの会談であった。バイデン大統領は、大統領選以降、米国が分断される中であり、かつアフガン撤退でいろいろな問題が巻き起こり、最近のバージニアでの選挙で民主党が敗北する等、国内問題を抱えていた。習近平主席も国内的な経済低迷もあり、国民の不満がたまった状態であり、万全の体制で臨んだわけではない。双方とも大変な状態での会談であったが、マイナスは習近平側が少なかった様に感じられた。今後のスケジュールにおいては、北京五輪が目前に迫っている。米国は、参加そのものを見送る可能性に言及し始めた。モスクワ五輪へのボイコットと同じである。でも、この際には、ボイコットした米国や我が国に対し、国際社会からオリンピックを政治利用したとの批判もあった。台湾問題等も北京五輪が終わるまでは大きな動きはないものと考えているが、五輪終了後に習近平主席の三期目が開始され、四期目に向けた動きが出てくると思われる。引き続き警戒監視を怠らない事、隙を見せない事である。(令和3.11.24)岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。写真:AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/07 10:17 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FRBの焦点は高インフレへ移行 連邦準備制度理事会(FRB)はインフレがもはや「一過性」の要因に留まる可能性が少なく、2022年まで続く可能性があり、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入縮小ペース加速を協議すると見られている。焦点を高インフレに移行した。今後の焦点は、1)資産購入策の解消ペース、2)利上げのタイミング、3)利上げの幅となる。今週は、消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、注目が集まる。第1四半期に縮小を終了すると、インフレが弱まらなかった場合の利上げの余地が広がる。バイデン米大統領の首席医療顧問の国立アレルギー感染症研究所ファウチ所長が週末のインタビューで、時期尚早としながらも、新型コロナのオミクロン変異株の重症度を巡り楽観的な見解を示したため、回復を損傷するとの懸念が和らいだ。ゴールドマンサックスはオミクロン感染拡大による回復への影響を織り込み2022年の国内総生産(GDP)成長見通しを従来の3.3%から2.9%へ引き下げた。顧客向けレポートで明らかになった。オミクロン変異株による消費への影響は微量だが、供給不足やオミクロン株による一部国境閉鎖が世界のサプライチェーンのさらなる混乱に繋がる可能性を指摘。高インフレをさらに長期化する要因にもなり得る。FRBの速やかな緩和縮小方針を正当化することになる。 <FA> 2021/12/07 07:39 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.22%高でスタート、預金準備率の引き下げ観測を好感 6日の上海総合指数は買い先行。前日比0.22%高の3615.23ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時49分現在、0.20%高の3614.79ptで推移している。預金準備率の引き下げ観測が好感されている。李克強・首相は3日、市中銀行の預金準備率について、「適時に引き下げる」と述べた。また、これに先立つ11月30日、劉鶴・副首相は「来年の中国経済にも、充分な信頼感を抱いている」と強調している。一方、新型コロナウイルス変異株「オミクロン」の世界拡散が引き続き警戒されている。 <AN> 2021/12/06 10:56 注目トピックス 経済総合 ソフトバンクグループを対象とするプット型eワラントが上昇率上位にランクイン(6日10:07時点のeワラント取引動向) 新規買いは原資産の株価下落が目立つソフトバンクグループ<9984>プット462回 12月 5,700円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはイーサリアム2022年1月 マイナス3倍トラッカー2回 1月 5,600米ドル、ビットコイン先物インデックスリンク債_2024年 トラッカー1回 5月 1.0米ドル、アップルコール180回 1月 150米ドル、イーサリアム2022年1月 プラス5倍トラッカー3回 1月 3,400米ドルなどが見られる。上昇率上位はニアピン米ドルr2 1324回 12月 112円(+52.5%)、ソフトバンクグループプット462回 12月 5,700円(+44.2%)、イーサリアム2022年1月 マイナス3倍トラッカー1回 1月 4,900米ドル(+41.7%)、イーサリアム2021年12月 マイナス3倍トラッカー3回 12月 5,000米ドル(+36.0%)、ソフトバンクグループプット463回 12月 6,700円(+33.5%)などとなっている。(カイカ証券) <FA> 2021/12/06 10:35 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、JOLT、豪準備銀、加中銀 今週は豪州準備銀行やカナダ中銀が金融政策決定会合を予定しており政策に注目が集まる。さらに、米国ではJOLT求人件数や重要なインフレ指標、消費者物価指数(CPI)、消費動向を判断する上で重要な最新12月ミシガン大消費者信頼感指数速報の発表が予定されており注目となる。カナダ中銀や豪州準備銀は政策金利を据え置く見通し。カナダ中銀は他国に比べて緩和縮小を速やかに開始したが、カナダの強い雇用の伸びを受けて利上げは時間の問題との見方が強まりつつあり、カナダドル買いを支える。一方、豪州は新型コロナによる経済封鎖が影響し回復が停滞するため、当面金融緩和策が必要となる見込みで豪ドルドルは伸び悩みが予想される。米連邦準備制度理事会(FRB)は経済が強く、インフレ圧力が強まっており、12月連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入縮小ペース加速を協議する方針を、パウエル議長がすでに表明済み。FRBがインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食料を除いたコアCPI指数は前年比で4.9%増と1991年6月以降30年ぶり最大の伸びを記録する見通し。サプライチェーンの混乱や輸送ボトルネック問題が想定以上に長引き同時に、強い需要や高賃金が最近の物価上昇に繋がっている。また、米労働省が発表するJOLT求人件数で労働市場のスラックを確認していく。11月雇用統計で失業率は4.2%と、10月4.6%から予想以上に低下し、パンデミックで経済が封鎖する前の昨年2月来で最低に改善した。しかし、非農業部門雇用者数は前月比+21万人と、伸びは予想外に10月+54.6万人から縮小。年初来で最小に留まった。ただ、過去2カ月分は8.2万人上方修正され、3カ月平均も+37.8万人。また、労働参加率は61.8%と、10月61.6%から予想以上に上昇。やはりパンデミックで経済封鎖した昨年3月来の高水準に回復した。別の世帯世論調査では100万人近くの雇用が戻っているとの結果もあり労働市場はひっ迫しているとの見方が根強い。CPIとともにJOLT求人件数の結果がスラックの改善を示すと、FRBの資産購入縮小加速の軌道が確認される。ドルも底堅い展開が継続か。ドイツでは8日にショルツ新首相の就任式が行われる。早速、オミクロン変異株、インフラ投資やエネルギー問題と難題に直面することになる。■今週の主な注目イベント●米国7日:7-9月期非農業部門労働生産性確定値、10月貿易収支8日:10月JOLT求人9日:新規失業保険申請件数、10月卸売売上高10日:11月消費者物価指数(CPI)、12月ミシガン大消費者信頼感指数速報●英国6日:ブロードベント英中銀副総裁、成長見通しや金融政策に関し講演10日:GDP●欧州6日:独製造業受注7日:ユーロ圏GDP、独ZEW期待指数、鉱工業生産8日:独首相交代、ラガルドECB総裁講演10日:独CPI●豪州7日:豪州準備銀が金融政策決定会合●カナダ8日:カナダ中銀が金融政策決定会合●中国7日:貿易収支8日:CPI、PPI●日本10日:PPI●G7外相会議10-12日、リバプールで開催 <FA> 2021/12/06 07:33 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:米国の11月消費者物価コア指数は10月実績を上回る可能性 12月6日-10日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。■7日(火)午後10時30分発表予定○(米)10月貿易収支-予想は-667億ドル参考となる9月実績は-809億ドルで赤字額は過去最大となった。財の輸入額は増加したが、産業用資材や原油の輸出額が減少したことが要因。10月については、輸入額の反動減が予想されていること、産業用資材の輸出額が増える可能性があるため、貿易収支は改善する見込み。■8日(水)午前8時50分発表予定○(日)7-9月期国内総生産改定値-予想は前期比年率-3.2%参考となる一次速報値は前期比年率-3.0%。個人消費、輸出が低迷した。改定値については、7-9月期法人企業統計調査で設備投資の落ち込みがやや小さくなると想定されているが、公共投資は下方修正されるとみられており、改定値は速報値-3.0%から下方修正される可能性がある。■9日(木)午前10時30分発表予定○(中)11月消費者物価指数-予想は前年比+2.5%参考となる10月実績は、前年比+1.5%。10月の生産者物価指数は前年比+13.5%と極めて高い伸びを記録した。最終消費者への価格転嫁の動きが広がる可能性があることから、11月消費者物価指数は10月実績を上回る見込み。■10日(金)午後10時30分発表予定○(米)11月消費者物価コア指数-予想は前年比+4.9%参考となる10月実績は+4.6%。最新の米地区連銀経済報告によると、支払い価格の上昇は全産業に広がっており、サプライチェーン問題はインフレの著しい要因となっている。11月時点でこの状況は改善されていないことから、コアの物価上昇率は10月実績を上回る可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・7日(火):(中)11月貿易収支、(豪)豪準備銀行政策金利発表、(欧)ユーロ圏7-9月期域内総生産確定値・8日(水):(日)10月経常収支・9日(木):(独)10月経常収支・10日(金):(日)11月国内企業物価指数、(英)10月国内総生産、(米)12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値 <FA> 2021/12/04 15:00 注目トピックス 経済総合 日本のクリエイター業界で、高品質商品が「あまりにも安く」設定されてしまう本当の理由—根底にあるのは「自信のなさ」?(3) 本稿は、「日本のクリエイター業界で、高品質商品が「あまりにも安く」設定されてしまう本当の理由—根底にあるのは「自信のなさ」?(2)」の続きである。●「クリエイターエコノミー」には2種類のマーケットがある白井 クリエイターエコノミーが、さまざまな分野で生まれています。マーケットとして成立するのは、どれぐらいの規模と考えれば良いでしょうか。喜田 ウェブやクリエイターエコノミーのビジネスタイプは2つです。少人数高単価の厚利少売ビジネスか、大人数低価格の薄利多売ビジネスかのどちらかです。スケブのように厚利少売ビジネスだと、ファンが300人いれば成立します。その中の1人が30万円を出せば成立するというマーケットです。スケブの場合、「石油王」の存在も大きいです。実際の石油王ではありませんが、ポンといきなり現れて、ポンと30万円を支払って、ポンと消えていくという謎のお金持ち。少額しか支払わない人が1万人いるよりも、石油王がたった1人いてくれるだけで成立するのがクリエイターエコノミーです。また厚利少売ビジネスの方が、一般的に取引のトラブルの発生率が少ない傾向にあります。一方、大人数低価格のビジネスであれば、潜在的な顧客、ファンが1万人いれば成立するでしょう。これはだいたい、サブスクリプションサービスに加入します。YouTubeの有料チャンネル、あるいは海外ではPatreon、国内だとPixiv FANBOXやFantiaと呼ばれるサービスです。ファンクラブのようなもので、月額500円程度のものが多いです。課金することで毎月限定コンテンツを使用できるというクリエイターエコノミーです。白井 少人数で成立するクリエイターエコノミーは、ロングテールの世界ならではですね。英語圏、中華圏ではもっと大きいでしょうし、もっとマニアックなものでも成立しやすいのではないでしょうか。喜田 世界的には日本は第3位ぐらいでしょう。第1位がアメリカ、第2位が中国です。日本のクリエイターが中国のビリビリ(bilibili(※1))動画で活動しているようなケースも散見されます。日本で流行りにくい理由は、人口が少ないこともありますが、資金移動に非常に強力な法規制がかけられているからでしょう。ただ、日本のクリエイターエコノミーは、将来的には、ビッグ・テック(Alphabet、Apple、Meta、Amazon、Microsoft)が構築するプラットフォームに吸収されたり、イーロン・マスクのNeuralinkが提唱する、脳に電極を直接埋め込むBMI(Brain Machine Interface)技術のようなものに取って代わられたりすることになると思います。国産プラットフォームが世界を席巻することはないと思います。実際に、グーグルは、2021年8月、日本の送金アプリ「pring(プリン)」という個人間送金サービスを買収しました。巨大な資本力と高度な技術力を持ち、すでに海外で圧倒的なシェアを持っているグーグルのような企業のほうが、日本の企業よりも上手くいく可能性が高いでしょう。国内ベンチャーあるいは国内の動きの遅い大企業がクリエイターエコノミーに参入した頃には、すでに海外の企業が日本に上陸して、乗っ取ってしまっているのではないでしょうか。一方、300人という議論はウェブサービスにも当てはまります。300人しかマーケットがない、ビッグ・テックが注目するには小さ過ぎる市場を、日本のベンチャー企業が細々と取っていくという未来は起こり得るでしょう。白井 藤野英人さんとの対談での議論と似た未来予想ですね。●「質」「量」ではなく、「速度」で評価される喜田 私はポリゴンテーラーというVRのSNS上の服を販売するプラットフォームの開発を進めていますが、この事業にも、スケブの未来にも、私が圧倒的な自信を持っているのは、おそらくビッグ・テックが参入してこないからです。白井 しかし、数十年後の世界では、「国民1人1アバター時代」が実現しているかもしれません。喜田 そのときは私がビッグ・テックの傘下に入っている、バイアウトして資本的には外国企業の傘下になっているということですね(笑)。白井 日本が、クリエイターエコノミーを戦略的に進めていくには、世界のマーケットを見据えて、どのようなコンテンツが求められているかというのも重要な論点です。また、クリエイターもその点を念頭に置いて活動する必要があるでしょう。世界における日本のクリエイターの強みは、クオリティの高さとクリエイター人口の厚みにあると思います。一方、韓国のデジタルコミックのウェブトゥーンは、日本の漫画のような精緻さはなく、非常に粗っぽい仕上がりで、ストーリーも単純ではありますが、スマートフォンで読めるため現代のライフスタイルにマッチしており、世界的に大流行しています。日本の漫画も、マーケットや技術の変化に敏感に対応していかなければ、技術力があっても駆逐されかねないと思います。日本には高いクオリティのクリエイターが大勢いるけれど、それを活かせる戦略的思考を持った人が育っていないのかもしれません。どうしたら、日本は勝てるのでしょうか。喜田 いままでの評価軸は「質」か「量」かでしたが、いまは「質」でも「量」でもなく、「速度」です。一つのコンテンツの消費活動にかける時間は年々減っています。「小説家になろう」というサイトが流行っているのは、毎日、通勤時間に、通学時間に、パッと見ることができるからです。3,000文字ぐらいのものが毎日、365日欠かさず更新され、YouTubeの短尺の動画が毎日流されています。毎日投稿されているチャンネルほど伸びるのです。高品質なものが2年の歳月をかけて完成されるのではなく、雑でもいい、量も少なくていいから、とにかく速度が重要です。毎日コンスタントに更新されることが必要なのです。むしろ量は少ないほうがよく、毎日1分で終わるもの、ツイッターの4ページ漫画や漫画サイトの単話販売が好まれます。少なくともティーン層のコンテンツの消費は速度の世界であり、ウェブトーンはそれにフィットしています。白井 ピッコマを展開するカカオジャパンの金在龍社長は「ウェブトゥーンの作品は歴史には絶対残らない」と断言しています。しかし、そこで親しんで、普通の漫画に流入していくことで、漫画文化が生き残っていく力になるはずだというのが彼の話でした。ただ、誰が儲けるかというと、日本の漫画ではなくて、大量消費を前提に組み立てられ、AIが描くような作品なのかもしれません。大量消費時代に入っているのであれば、精緻な漫画の芸術的な美しさよりも、サササッと読めるというものが求められている。この辺の競争優位の組み立てについても、日本自身が考えていかなければならないのでしょう。※1:bilibili(ビリビリ)は、中華人民共和国の動画共有サイトおよびビデオ、生放送、ゲーム、写真、ブログ、漫画などのエンターテイメント・コンテンツ企業■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/03 16:29 注目トピックス 経済総合 日本のクリエイター業界で、高品質商品が「あまりにも安く」設定されてしまう本当の理由—根底にあるのは「自信のなさ」?(2) 本稿は、「日本のクリエイター業界で、高品質商品が「あまりにも安く」設定されてしまう本当の理由—根底にあるのは「自信のなさ」?(1)」の続きである。●世の中は「コト消費」から「ヒト消費」へ喜田 スケブは、国内外から日本のクリエイターに対してイラストや音声データを有償でリクエストできる「投げ銭付きお題募集サイト」です。2018年12月に公開し、2021年11月末時点でユーザー総登録者数160万人超、クリエイター登録者数約8万人超、月間取引高約3.5億円の規模に成長しました。これまでクリエイターエコノミーは、モノ消費とコト消費が支えてきました。「機能的に便利だから、アイフォンを買う」というのがモノ消費で、「オーガニック料理を食べる、スキューバダイビングをする」といった体験の消費がコト消費です。いまは第3の消費方法であるヒト消費が拡大しており、これがクリエイターエコノミーの中核となっています。スケブもその一つと考えて良いでしょう。ヒト消費は別に新しいものではありません。教祖に依存するという新興宗教やアイドルもその一つです。偶像崇拝全般がヒト消費で、それが大衆化したものがクリエイターエコノミーです。例えば、YouTubeの投げ銭機能であるSuper Chatですが、この投げ銭機能を使って、大好きなYouTuberを気軽に応援することができます。2020年のYouTube年間Super Chatランキングの世界1位は、日本のバーチャルYouTuberの桐生ココさんでした。先日、引退されたのですが、2020年の投げ銭総額は1億5,000万円超でした。世界ランキングは10位まで公開されているのですが、その多くは日本のバーチャルYouTuberや日本のインフルエンサーです。デジタル化が進むと、ひとりで製品やサービス、コンテンツを作れるようになる一方、生産者の顔も見えやすくなります。パソコンの性能がよくなり、すばらしいツールで簡単にリッチなコンテンツを作れるような人を応援したくなるのです。白井 ソフトウェアの能力が高くなり、容易にデジタル上の商品を作れるようになりました。便利なツールがいっぱい登場してきたからこそ、カスタマーとカスタマー、消費者同士がつながって商売ができるようになってきたのでしょうね。喜田 ゲームがうまくなりたい人のためのコーチングビジネスも流行っています。先日、私も20歳の男の子にレッスン料として10万円を支払い、自分がゲームしているところの録画を見てもらい、指導してもらいました。プールの先生、ジムの先生のような感じです。●クリエイターの「自身のなさ」が値下がりの原因に白井 品質が高くなれば価格が上がるのが世の常ですが、デジタル空間の財やサービスには、当てはまらない場合もあるように思います。喜田 そうですね。特に若年層が多いクリエイター業界は、財やサービスの価格が低く放置されています。この価格の下押し圧力の原因は、「クリエイターの自信のなさ」であり、クリエイター自身に「自分の商品なんて」と考えがちな傾向があります。例えば、高度な技術とセンスを持った人が、「自分の作品なんて大したことないから」と思い、すごく価値ある作品を3,000円で売れば、他のクリエイターが追随せざるを得ず、結果的には価格崩壊を引き起こすのです。特にデジタルデータの場合は、いくらでも複製できますので、製作者は販売価格がゼロ円でも原価割れにはなりません。他方、同じ品質や性能であれば購入者は安いものを選びます。これらの構造が価格の下押し圧力を生み、エンドユーザーの手には安価で高品質な商品が届くという市場が形成されているのが、現在の状態であり、ほとんどの人が食べていけない状況、焼け野原になっています。白井 クリエイターの「自信のなさ」に起因する価格の下げ競争ですね。デジタルデータであれば、コピーもされやすく、価格を引き下げる力が働きやすいのでしょうね。一方で、先ほどゲームのコーチング代金として1レッスン10万円とお聞きしました。この価格差は何によるものでしょうか。喜田 これはゲームの持つ性質によるところが大きいです。ゲームの世界にはプレイヤーランキングがあり、ダイヤ、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズのようにランクが分かれています。ランクマッチのようなもので、強い人は強い人と当たる。プロリーグ、アマチュアリーグなどが構造化されており、自分がいまどの位置なのか、どのヒエラルキーにいるのかが客観的に分かります。自分が一番上のランクだと「自分はどうもゲームがうまいらしい。みんなが褒めてくれる」といった成功体験をすることができます。しかし、クリエイティブの世界では、それがわかりづらい。クリエイティブの世界は、ゲーム業界のようにはヒエラルキーが可視化されないため、プライシングが機能しにくいのです。●クリエイターは、「成功体験」を得ることが大事スケブによるクリエイターへの還元の最たるものは、売上ではなく成功体験だと思っています。スケブは30秒ぐらいで募集開始できますし、営業活動をしなくても、勝手にリクエストが届くような仕組みを目指しています。みんなやっているから、とりあえず始めてみると、意外にもリクエストがきた。納品したら、めちゃくちゃ褒められた。「ああ、自分の絵ってお金になるんだ」、という体験に最も価値があるのです。成功体験があれば、次のステップに進むことができます。「幾らのイラストを描くことができるのか」と、自身の価値を金額で認識するようになります。それは自分が価格を決めて、勝手に値下げしていく値段ではなく、客観的に市場でつけられた数値です。5万円も出してくれる人がいることを実感し、ある日突然、30万円もらえたという体験でさらに自信がつく。「自分はこれで食っていけるかもしれない」という成功体験が一番大事です。白井 美術の世界にも権威付けを行う仕組みがあり、ヒエラルキーが作られています。まだ生まれてまもないイラストの市場や、生まれたてのVRのアイテムの市場でも、今後マーケットが大きくなるとともに、権威付けする仕組みが普及すれば、マーケットが正常に機能していくようになるのでしょうか。喜田 将来的には、そのようになっていくとは思いますが、いまからそのような未来を展望して、あらゆる市場参加者が努力する必要があると思います。現状では、クリエイター自身に価格設定を任せると、無闇に価格を下げてしまいかねません。スケブの場合は、機械学習によってシステムが決定したやや高めの金額が標準設定となっている他、クライアントによってクリエイターが設定した金額以上に支払う仕組みが存在しています。リクエストが来ない期間が続くと価格は徐々に下がっていきます。これはクリエイターが価格を一気に下げることを防ぐためです。また、価格表の掲載を禁じています。こうした設計から、スケブ側が一方的に決めた金額がほぼ流通しているような状態です。スケブが、クリエイター市場の価格決定メカニズムを適正に誘導していると言えるのです。「日本のクリエイター業界で、高品質商品が「あまりにも安く」設定されてしまう本当の理由—根底にあるのは「自信のなさ」?(3)」に続く■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える(3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする <TY> 2021/12/03 16:28

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