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テノックス Research Memo(5):北海道新幹線ピークアウトも採算が急改善(1)

配信日時:2026/02/09 15:35 配信元:FISCO
*15:35JST テノックス Research Memo(5):北海道新幹線ピークアウトも採算が急改善(1) ■テノックス<1905>の業績動向

1. 2026年3月期中間期の業績動向
2026年3月期中間期の業績は、売上高が9,076百万円(前年同期比25.1%減)、営業利益が454百万円(同2.5%増)、経常利益が442百万円(同8.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が304百万円(同3.7%増)となった。期初予想に対する進捗率は売上高が38.6%、営業利益が50.5%と、工事の期ズレで売上高は厳しかったが、採算改善によって営業利益は非常に順調だった。また、営業外損益で評価為替差損益がネガティブとなったため経常利益は減益となったが、前期発生した特別損失がなくなったため親会社株主に帰属する中間純利益は増益となった。

日本経済は、所得環境の改善や個人消費の持ち直し、訪日外国人の増加など、緩やかな回復基調で推移した。一方で、継続的な物価上昇、米国の関税政策、ウクライナや中東の不安定な国際情勢の長期化など、国内外ともに依然として先行き不透明な状況が続いた。建設業界においては、公共投資に加え、工場やデータセンターなど民間投資も緩やかながら増加し、建設需要全体としては底堅く推移した。一方で、建設資材価格の高止まりに加えて、現場従事者の高齢化・人手不足・時間外労働の上限規制、これに伴う工期遅延など、引き続き構造的な課題を抱える状況となった。このような環境下、同社は、2025年3月期にスタートした新中期経営計画の5つの重要戦略(事業別戦略、開発戦略、環境・デジタル戦略、経営基盤の強化、資本効率経営の推進)を通じて事業を展開、変化する社会課題に取り組み、持続可能な100年企業を目指している。

売上高は、大型の地盤改良工事が増加したものの、大型の杭工事が減少したことで減収となった。減収となったのは、期初予想どおりに北海道新幹線延伸事業がピークアウトしたうえに、発注元の人手不足を背景に一部工事が来期に延びたため減収となった。また、CP-X工法の案件が見込みより規模が大きくなり受注が来期以降となったことも減収要因となった。この結果、北海道新幹線延伸事業で約9億円分、CP-X工法の案件で11億円分が来期以降に先送りになった。一方、受注残高が前年同期比19.8%減少したが、前年同期に北海道新幹線延伸事業のピークへ向けて受注が伸びた反動と言え、例年と比べると高水準にある。このため、先送りも受注残高も懸念する必要はないと考える。

営業利益は、賃上げや採用増、システム開発などにより販管費が増加したが、売上総利益率が19.3%(前年同期比5.7ポイント上昇)と大きく改善したため、減収・未達ながら期初予想どおり増益を確保することができた。売上総利益率改善の中身は、施工効率の向上や契約条件の最適化、一部一過性の要因にある。施工効率の向上は、KPI管理により工事中の利益進捗を把握できるようになったことに加え、2025年6月の事業本部制導入により組織的に距離が近づいた営業と工事の原価意識が高まったことが要因である。契約条件の最適化は、営業努力によるもので、工事中の仕様変更や原価上昇をタイムリーに価格転嫁できたことが要因である。一部一過性の要因とは、鋼管杭工事は通常「材料+工事」で請け負うことが多いが、今中間期はくしくも、材料費がない分売上が圧縮されて売上総利益率が高まる「工事のみ」の割合が多かったことによる。なお、一過性要因を除いても売上総利益率は17.4%となり、施工効率の向上や契約条件の最適化により構造的な改善トレンドにある。

セグメント別の業績動向に関して、主力の建設事業は売上高が8,981百万円(前年同期比25.4%減)、セグメント利益が530百万円(同1.8%増)となった。工場関連や物流施設の大型地盤改良工事は増加したものの、北海道新幹線延伸事業のピークアウトや、人手不足や働き方改革によるインフラ関連大型杭工事の遅延のため減収となった。ベトナムは概ね順調に推移した。利益面では、全般的に労務費上昇の影響は顕在化したが、施工効率の向上や契約条件の最適化、一部一過性の要因により採算が改善、増益を確保した。土木建築コンサルティング全般等事業は売上高が80百万円(同33.8%増)、セグメント損失が80百万円(前年同期は82百万円の損失)となった。実験・試験業務が増加したことで増収となったが、費用計上が先行する実態から前年同期と同様に中間期は損失を計上した。なお、その他の事業は神奈川県川崎市に所有している不動産の賃貸収入がメインで、少額ながら安定して利益に貢献している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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